「新世紀エヴァンゲリオン」

 EVA 登場人物の考察 1997/9/25,28


」葛城ミサト 特務機関NERV作戦本部長。29歳。主人公・碇シンジの保護者。この人が一番好きです。でたらめでいい加減でズボラな私生活。でもやる時はやる。そこがいい。もちろんエヴァの登場人物だから、心に大きな傷というかトラウマを抱えていて、屈折したところもあるのだが、そういう点も含めてかわいいと思えてしまう。芯の強さ、負けん気の強さ、行動力、子どもっぽさ…。いい性格だなあ。負けん気の強さや子どもっぽさは、アスカに似ているかもしれない。三石琴乃の甘えたような声がグーです。


・綾波レイ ファースト・チルドレン。14歳? エヴァ零号機の専属操縦者。見えない未来を抱えながら精いっぱい生きる、ウスバカゲロウみたいな健気ではかない存在に、胸がキュンと締め付けられる思いがする。たぶん、自分がクローンであることは知っているのだろう。それでも自分の存在理由を懸命に見い出そうとして、心の奥底でもがき苦しんでいるのだろう。それでいて、いつも冷静でポーカーフェース、教室でも常に一人で本を読んでいる。うーん、碇ゲンドウって、ひどい奴だなあ。林原めぐみが無表情な声で好演。


★惣流 ・アスカ・ラングレー セカンド・チルドレン。エヴァ弐号機の専属操縦者。14歳。あの極端過ぎるプライドの高さは、実は自信のなさや不安さの裏返しだ。高飛車でエラソーな振る舞いが目立つけれど、言葉や態度の端々に寂しさが垣間見えて痛々しい。そうは言っても第八話「アスカ、来日」以降、劇中の雰囲気はぐっと明るくなり、シンジとアスカ、綾波の三角関係(?)も興味津々だった。まあ、シンジにあれだけ滅茶苦茶言うのは、本当はそれだけシンジに心を開いているからなのだろう。元気いっぱいの声は宮村優子。


◆伊吹マヤ NERV本部オペレーター。24歳。かわいい。エヴァが信号受信しない時など、発令所で「ダメです」とこの人が叫ぶのが定番。脇役でありながら、結構密かなファンが多いという。はい、私もファンです。加持がNERV本部内の自販機コーナーで、マヤにちょっかい出すシーンがあったけど、その時の恥ずかしそうなしぐさがキュートだった(書いていて恥ずかしくなっちゃうな)。エヴァ登場人物の中で唯一まともな性格だとされている。かわいい声は長沢美樹。


、赤木リツコ NERV本部所属の科学者。30歳。EVA計画の責任者。スーパーコンピューターMAGIシステムを作った故赤木ナオコ博士の娘。母娘ともに碇司令と密通。でも、碇司令は死んだ妻のユイを今も、ものすごーく愛してるのだ。碇司令はたぶん、赤木母娘のことは道具の一つとしか見ていないと思われる。報われない愛情。悲しいですね。この母娘の生き方には、女の悲しさと強さと怖さ(演歌の世界みたい)が感じられます。沈着、冷静で、ミサトとは対照的な性格のように見えるがキレると怖そう。現にキレて綾波レイのコピーシステムを破壊してしまった。いやあ、あのシーンはぞくっと(ぞっと)したなあ。


☆碇シンジ サード・チルドレン。エヴァ初号機の専属操縦者。14歳。「逃げちゃだめだ」がキーワード。父ゲンドウが嫌いでいながら、その父に認められたい思いが強い。気持ちは分かる気がするなあ。母ユイを幼くして失ったのが響いているかも。綾波には恋人と母親の両方に対するような感情を抱く。アスカに滅茶苦茶なことを言われたり、振り回されたりするのは実は嫌ではないはずだ。最終話のラブコメはもちろん、教室シーンなどから明らか。女の子に主導権を握られるのが好きなタイプなのです。ミサトとの共同生活で家事・雑用のほとんどを引き受けているのも、実は喜んでやっているのだ。その気持ちも分からないではない。ナイーブで、はにかんだような緒方恵美の声がハマっていた。


汢チ持リョウジ NERV特殊監査部所属、日本政府内務省調査部所属。いい加減で一見でたらめな遊び人のように振る舞っているが、彼なりの深い考えに基づいて行動している。自分の目で確かめて確認しなければ気が済まないジャーナリスティックな性格。理想としたい生き方だなあ。ミサトとは学生時代に恋人同士。今もお互いの心は強く通じ合っている。口では加持をボロクソ言うミサトも、肝心なところでは支えられていることは分かっているはず。悩めるシンジ君に対しても、ミサトや父親以上に重要で示唆に富む助言を繰り返していたのが、実はこの人。ミサトが加持からの最後の留守電テープを繰り返し聞くシーンは泣けた。


。碇ゲンドウ NERV司令。シンジの父。彼が唯一心を開き、愛したのは妻のユイだ。自分のすべてを分かってくれ、すべてを愛してくれたのはユイ一人だと思っている。それだけにユイを失った痛手は、計り知れないものがあったと思われる。今も彼が見ているのはユイだけ。たぶん、彼のすべての行動は「ユイにもう一度出会う」こと一点に向けられており、それ以外は実は何も見えていないのではないか。ユイの分身が綾波レイだろうから、綾波に異常に執着するのも理解できる。すべては目的達成のための道具、準備。シナリオ通りなのだ。ひどい奴だなあ、碇ゲンドウ。


冬月コウゾウ NERV副司令。京都大学の教授から転身して、今はゲンドウの欠かせぬ右腕。面倒な雑用や対外折衝などはすべて引き受けて、ほとんど文句も言わずに、ゲンドウが好き勝手するのを後ろから黙って見守る。いいなあ。仕事をする場合でも何でも、こういう人がいると助かるなあ。欲しいよ〜。冬月先生はきっと、ユイが好きだったんだろうね。それがゲンドウなんかと結婚しちゃって…。でも、ユイとも一緒に仕事ができるってんで、NERVに協力することを選んだのだ、たぶん。それなのにユイは死んでしまい、後にはゲンドウのシナリオしか残っていなかった。冬月先生ってかわいそう。


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