身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2000年1月1日〜1月31日

●やっぱり年賀状は…●お年玉●結局「エヴァ」全話を見る●皇族と人権●テンションを高める●薬害エイズと川田龍平君●エイズと資本の論理●これが優秀な記者だ?●何を切り取って何を捨てるか●全国教研の下調べ●冬らしい寒さ●コミックス●オウム横浜支部の周辺ガイド(^^)●電話料金●「課外授業ようこそ先輩」●ダウン●熱湯コマーシャル?●「やらせ」ならいいの?●「大脱走」を再見●「エンジン慣らし」ってホント?●アナウンサー生命●金沢取材●本来やるべき仕事●シンプルな真理●早稲田で取材●●●ほか


1月1日(土曜日) やっぱり年賀状は…

 郵便受けに年賀状がどっさり入っていて、すっかり落ち込んでしまった。きちんと元旦に届くように年賀状を書いて投函する人たちがこんなにいるんだなあと思うと、毎年毎年のことながら、自分のぐうたらさにほとほと情けなくなってしまう。ちゃんと旧年中に書かなければということは分かってはいるんだけど、まあいいやなどとほったらかしにしておいて、届けられた年賀状を手にしてから大いに反省するのが恒例行事になっているんだよなあ…。そんなわけで、遅ればせながら年賀状の宛名や一言コメントを一生懸命に書き始める。ちなみに昨晩は、年越しそばを食べてからプリントを始めたのだが、はがきのプリント範囲を超えた版下を作っていたみたいで、版下の手直し作業に予想以上の時間を取られてしまった。この調子でいくと、すべての年賀状を無事に投函し終えるのはいつになるのかな。来年こそは余裕の正月を迎えたいと思うんだけど…。

 などと言いつつ、ケーブルテレビの「キッズステーション」で、テレビアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の第1話から第8話までを一挙放送していたので、ついつい見始めてしまう。ミレニアムスペシャルできょうから3日連続で放送するそうだ。きっと全部見てしまうのだろう(おいおい)。

 2000年問題(Y2K)は今のところ、さしたる異常事態にならなかったみたいで、とりあえずはよかった。しかしまあ異変が起きなかったのは、さまざまな備えや対策があったからこそだろう。ちなみにMacintoshにはもともと、2000年問題なんてものは無縁だったのだ(^^)。


1月2日(日曜日) お年玉

 イトーヨーカドーで買い物をしたら、購入した商品の合計金額から消費税分も含めて1〜2割を「お年玉」として現金で払い戻してくれた。下着類や衣料品に限ってのサービスなのだが、この「お年玉」はなかなか大きい。大入り袋に入れてくれて千円以上も戻ってきたのだった。いい感じの焦茶色のセーターがあったので、ついついそれも買ってしまう。結局は無駄遣いしているのかも。

 年賀状を書く作業は遅々として進まない。きのうのうちに裏面の印刷と名簿整理は終わって、ちょぼちょぼと宛名や一言コメントは書いているのだけど…。やる気があるのかないのか、自分でもよく分からない。とりあえず年賀はがきの発送に先行する形で、電子メールでの「おめでとうメッセージ」を40通ほど送信。だがしか〜し。そんな状況にもかかわらず、ケーブルテレビの「キッズステーション」で一挙放送中の「新世紀エヴァンゲリオン」を第9話から第16話まで見てしまう。面白くて途中で止められないんだよなあ。昨晩は昨晩で「エヴァ」を見てから「朝まで生テレビ」も少し見た。情報発信とインターネットについて語られていて、それなりに面白い部分もあったが、出演していた精神分析医が「自分自身を精神分析しろよ」という感じで、イライラする男だったので寝てしまった。そうでなければ最後まで見ていたかもしれない。


1月3日(月曜日) 結局「エヴァ」全話を見る

 だらだらやっている僕に追い打ちをかけるように、あるいは尻を叩くかのように年賀状の第2便の配達があった。さすがにそれを見ると「サボっていても平気」な状態ではいられなくなるよなあ。そんなわけで集中してやったために、何とかあす中にはすべてを発送できるめどが付いた。真面目に昨年のうちに出しておけば、精神的に余裕を持って正月が過ごせたものを…。僕の仕事始め(今年最初の取材)は6日だけど、その前に読んでおかなければならない本があるのだ。まだ全然読んでいなかったりして(汗)。

 ケーブルテレビの「キッズステーション」で一挙放送中の「新世紀エヴァンゲリオン」を第17話から第26話(最終話)まで見る。午後8時から午前1時まで。さすがにあのヘヴィで濃い内容のものを5時間もぶっ通しでというのは疲れるけれど、しかし何だかんだ言いながら3日間にわたって全26話を見てしまったわけで、そこがこの作品の魅力なのだろう。ただし「キッズステーション」を名乗る放送局だけあって、ミサトと加持のベッドシーンの音声がカットされていたのはとても残念に思う。深夜に近い時間帯なんだからオリジナルのままで流したって別にいいじゃん…。「キッズステーション」では、今月10日から「エヴァ」をレギュラー放送(毎週月曜日〜水曜日)するそうだ。同局の配信番組は、全国のケーブルテレビ局のほか「Sky PerfecTV!」や「DirecTV」などの通信衛星放送でも見られる。


1月4日(火曜日) 皇族と人権

 三が日が過ぎたので(笑)、皇太子妃の流産報道について思ったことを少し。きわめて公人度の高い存在である皇族には、プライバシーは存在しないという意見がある。特に皇太子妃の場合は、最初に産んだ子どもが男なら、その子どもが将来の天皇になることは本人の意思には関係なく決まっているわけで、そういう意味では、皇太子夫妻にとっては「生殖活動」そのものが公務であるのだから、そこにはプライバシーなんてものは存在しないと言えるかもしれない。下世話な言い方をすれば、子どもを作ることを目的にセックスすることが公務なのだ。何だかすっごく嫌な気持ちになる話だし、あの人たちも一人の人間だと考えればとても気の毒な存在だと思うけど、論理的にはそういうことになるのだろう。もっとも皇族は法的には独立した人格がほとんど認められていないし、人間扱いもされていないんだけどね。つーことは、彼らに対しては「人権」という概念であれこれ考えることが、そもそも無意味なのだろうか。プライバシーはなくても、人権はあるんじゃないかと僕は思うんだけれど…。もちろんこれは「女性性」を無視した「おめでた報道」とは、切り離して考えるべき問題だ。

 このことに関連して言うと、掲示板でも少し書いたけど「天皇家に人権があるかないか」の議論はさておいて、あの方々には、戸籍も選挙権も納税の義務もないし、さらに職業選択の自由もないんだよなあ。これがいったいどういう意味を持っているのか、じっくり考えてみるとなかなか深いものがあると思う。


1月5日(水曜日) テンションを高める

 取材で人に会う時に、僕はそれなりに自分自身のテンションを高めた状態で話を聞くように努めている。そうでないと、どこか緊張感や問題意識に欠けた取材になってしまうような気がして怖いからだ。別の言い方をすれば、事前取材などによって気持ち(感情)を高揚させるのである。もちろん先入観のない白紙の状態で話を聞くべき場合もあるけれども、問題の所在や取材目的がはっきりしている時には、事前に資料や背景取材などをして知識をそこそこ仕入れておく。僕が一番大切にしているのはそこからで、取材対象の置かれた立場に共感したり、怒りや悲しみや喜びを共有したりできるように感情を高ぶらせるのだ。ひとりよがりでヒステリックになるという意味ではなくて、何が問題の本質なのかを見据えて、問題意識を持って話を聞いたり質問したりするためにも、テンションを上げて感性を研ぎ澄ませておく、と言ってもいいかもしれない。

 何のために、だれのために取材して記事を書こうとしているのかはっきりさせておくわけだ。ここのところが明確でないと、「AとBとCを足して3で割って…」というような「どうでもいい取材や記事」になってしまうと思う。「記者にはそんな余計な感情はいらない」と考えている人もいるようだけど、僕は取材対象に大いに共感したり怒ったりするというスタンスで記者活動を続けている。そんなわけで、あしたの取材の準備をする。よしよし、テンションが高まってきたぞ。元同僚記者と2時間ほど電話で話して、さらにテンションが高まる。あとは寝坊しないことだけかな(笑)。


1月6日(木曜日) 薬害エイズと川田龍平君

 テンションは高かったんだけどなあ…。体調が低調だった。家を出る前からお腹の調子が悪くて、すっかりヘロヘロ状態だ。なんかワルイものでも食べたかなあ。寝坊はしなかったけど遅刻しちゃったよ。もうサイアク。とほほ…。

 東京の小平市へ行く。実名を公表して発言や活動を続けている薬害エイズ被害者の川田龍平君に会って、ご自宅で話を聞かせてもらう。龍平君は大学を休学してドイツに留学中なのだが、正月休みで帰国しているところをお邪魔した。血友病という難病と付き合うだけでも大変なことなのに、それに加えて薬害エイズとも生命をかけて闘わなければならない現実。にもかかわらず、龍平君は毎日を前向きで意欲的に生きていこうとしている。のほほんと暮らしてきた僕なんかには想像もできないような苦しみを、龍平君は乗り越えてきたに違いない。わずか十歳の時にHIV感染を告知されたというのだから、本当に言葉を失ってしまう。たぶんしどろもどろの取材だったんだろうなあ。それにしても、何の落度もない血友病患者が、なぜ汚染された血液製材を服用させられなければならなかったのか、なぜ国(厚生省)は汚染が分かっていながら何の対策も取ろうとしなかったのか、責任の所在が明確であるにもかかわらず、なぜ国は証拠を隠そうとするのか、製薬会社と厚生省との関係はどうなっているのか…。薬害エイズの問題はまだまだ終わっていない。何らかの理由があるからこそ国は何もしないのだ。薬害エイズに限らない。大きな力を持つ加害者への鋭い切り込みこそ、僕たち記者が本当にやるべき仕事なのだろう。自戒を込めて。


1月7日(金曜日) エイズと資本の論理

 きのうの「身辺雑記」に関連して、フォトジャーナリストの宇田有三さんが、昨年秋に開かれた「アジア太平洋地域・国際エイズ会議」の記事をメールで転送してくださった。それによると、マレーシアで開かれたこの会議を取材した日本人記者は2人だけで、厚生省関係者はほとんどいなかったという。う〜ん…。

 その中に「治療薬が高価なため、貧しい人々には手が届かず、医学の恩恵から見放されている…」というくだりがあった。そう言えば、川田龍平君の母親の川田悦子さんも同じようなことを指摘していたなあ。「まさに資本の論理でしょ」って。製薬会社は、高価な治療薬でボロ儲けしている。決して薬が足りないわけではなくて、山のように治療薬の在庫を抱えているのに、貧しい人々はあまりにも薬が高額なために買えなくて治療を受けられない。日本でも、感染していることが会社や世間にばれるのを恐れて、隠れて薬を購入している人たちは、保険を使わずにすべて自己負担するしかない。治療費をどうやって工面するか四苦八苦しているそうだ。その製薬会社は、まるで人体実験でもするかのように、汚染されているのが分かっている血液製剤を血友病患者に服用させて、何の罪もない人たちをHIV感染させて殺してきたのだから二重の罪だよな。


1月8日(土曜日) これが優秀な記者だ?

 「だれのために、何のために取材活動をするのか」な〜んてことを考えながら記者をやる人なんか、今の時代には流行らないのかなあ。あるいはそもそも、志や問題意識を抱いた上で記者を目指す学生なんかいないのだろうか。「最近はそんなことを考えて記者になろうなんて人はいないって。だから新聞が面白くないんじゃないかな?」と信頼している編集長に言われたことがある。「でも、僕のところにメールをくれる記者志望の人たちは志とか問題意識がありますよ」と反論したら、即座に「それは少数派だよ。それに、そういう人たちは新聞社に入っていないでしょ」と返された。う〜ん、それはそうだけど…。しかし、さらに僕は食い下がった。「でも、少なくとも僕は新聞社に入れましたよ。能力は別にして志だけはそれなりに持っていたつもりです」。それに対して編集長はこう答えた。「あなたの時くらいまではね。だけどもう、そういう人はほとんど採用されないよね…」。ある意味でそれは本当のことだから、返す言葉がなかった。そう考えると、日本のジャーナリズムは絶望的な状況なのかもしれない。上司に指示されたことをきっちりとこなせて、事務処理能力が高い記者はたくさんいるけれども、自分なりの問題意識を持って、取材対象に迫る仕事をしようと努力する記者は決して多数派ではないからだ。今の日本のマスコミではきっと、言われたことを素早く無難に処理できる記者こそが「優秀な記者」だと評価されるのだろう。「マニュアル記者」という言い方がまずければ、「テクノクラート記者」だな。それが今の流行の最先端なんだよね。でも後に続くはずの記者志望者も、みんなそんな調子だとしたら、お先真っ暗としか言えないんだけど…。


1月9日(日曜日) 何を切り取って何を捨てるか

 特定の人物の生き方や考え方を探るロングインタビューならいざ知らず、さまざまな事実を積み重ねて検証するルポルタージュの場合は、取材した話をすべて記事に書くわけではないし、仮に書こうとしても紙面の関係からそんなことはまず不可能だ。そもそも、取材を通じて記者が重要であると感じた部分と、取材相手が書いてほしいと考えている部分とは、必ずしも一致するわけではない。たくさん取材した中のどの部分を切り取って、どの部分を捨てて表現するかは、記者としてきわめて主体的な作業であって、僕たち記者はそこのところで悩むんだよね。記者としては当たり前の話かと思っていたけど、何年も取材を続けてきて、そんなことも分からない記者ってゆーのもいるんだよなあ。困ったものだし、とっても理解に苦しむ。これまでどんな取材活動をしてきたのか、申し訳ないけど思わず想像してしまうな。う〜ん、たぶん、そういう取材活動を一度もしたことがないのだろう。だから基本的なことが理解できないのかもしれない。

 だらだらやっていたから、きょうは終日、原稿執筆。なんて怠け者なんだろうと深く反省するばかりだ。


1月10日(月曜日) 編集会議

 世間は3連休なんだっけ…。上大岡駅前で振り袖姿のおねーちゃんを見かける。成人式かあ。午後から東京・四谷の出版社で「月刊司法改革」の編集会議。いつもは夕方からなんだけど、きょうは昼間の会議だったのだ。時間を間違えて遅刻しちゃったよ。いよいよ「裁判官人事」や「裁判官の独立」の問題について切り込んでいくそうだ。これこそ司法改革の本質的な部分だと思う。法曹人口を増やせばそれでいい、な〜んていう話ではないはずだもんなあ…。編集長の特別のはからいで、金沢方面に取材に行けるかもしれない。ラッキーだあ。イタリア料理店で夕食。メニューのことはよく分からないんだけど、オードブルは魚で、メーンディッシュは鳥肉。それに白ワイン。デザートは林檎とバニラアイス。味はそれなりにナイスで、思ったよりも満腹感があった。パンを3回もおかわりしたからかもしれないな(苦笑)。昼間は薄手のセーターでも十分なくらいの陽気だが、さすがに夜になると冷える。カシミアのセーターは高いだけあって着心地がよくて温かい。午前零時半に帰宅。

 「身辺雑記」と「彼氏彼女の事情」のそれぞれのメニューページ(メーンページ)に取り付けてあったミニカウンターが、約3週間ぶりに昨晩ようやく復旧した。ある大学に設置されているサーバーのメンテナンスの際にトラブルがあったそうで、再登録の手続きをする。これまでの大まかな平均値からトラブル期間中のデータを補正して、初期値を修正した。


1月11日(火曜日) 全国教研の下調べ

 今月予定されている日教組の教育研究全国集会(全国教研)でどんな発表があるか、膨大な量のレジュメ資料をひっくり返してざっと読む。予習というか下調べみたいなものである。全部で26もある分科会ごとに分厚い冊子に発表内容がまとめられているので、当たりを付けたところに、ぱらぱらと目を通すだけでも大変だ。それにしても本当にいろいろな発表があるもんだと感心する。教職員組合で必要な部分だけコピーさせてもらった。風邪をひいたかなあ、寒気がするし胃のあたりも重い。

 ※「港南台のJS」さん、お返事を出したのですが、なぜか戻ってきてしまいます。正しいメールアドレスをご連絡ください。


1月12日(水曜日) 冬らしい寒さ

 東京で初雪。横浜では雪こそ降らなかったけれど、まじで震え上がるような寒さで、まさしくこれぞ冬!という感じの一日だ。とてもじゃないけど水では顔は洗えない。当然のことながらお湯を全開にする。確かに冬らしい寒さで季節感はあるのだが、やっぱり暖かい方が断然いい。暖かければ暖かいで「冬とは思えない気候だ」などと文句を言うわけで、全く勝手だよなあと自分でも思う。でもってそんな寒い日であっても、わが愛車は一発でエンジンがかかる優れものなのだった。えっへん。電話取材とアポ取りに専念する。


1月13日(木曜日) コミックス

 昨年末に買ったままになっていたコミックス「新世紀エヴァンゲリオン/第5巻」と「@テンション/第2巻」をようやく読んだ。「エヴァ」の第4巻の発行は1987年10月だったから、何と2年ぶりの新作発表になる。だがしか〜し、テレビ版のストーリーと比べると、コミックス版はまだ半分までしか進んでいないのだった。たぶんこの調子でいくと、全巻が完結するのは2005年あたりになるのだろうなあ。ファンとしては気長にお待ち申し上げるしかなかろう。それにしてもキャラクターを生み出した貞本義行氏が描いているだけあって、コミックス版は人物描写がとてもていねいで、特に綾波レイの描かれ方はテレビ版に比べるとはるかに深みがあって人間的だ。しかも舞台設定や背景説明などは、テレビ版よりも断然分かりやすい。ストーリーや構成はかなりオリジナル性が強くて、ミサトと加持との過去のエピソードや、ネルフ本部が停電するくだりなどの展開の仕方には戸惑う部分もあるが、それはそれで楽しめるかもしれない(この文章は、作品を見たことがない人には何のことだか訳が分からないでしょうね…)。

 もう一つの「@テンション」は9カ月ぶりの新作発行。電脳空間に設けられた仮想現実の都市が舞台の「サイバースペース・ファンタジー」だ。これって少女漫画誌に連載されている作品だそうだけど、少年漫画だと言っても分からないと思う。インターネットの世界を描いた少女漫画というのは珍しいのではないだろうか。物語の舞台だとされている電脳空間をいろいろ空想してみると楽しくなってくる。次巻が最終巻らしいが、いつごろ出るのかな〜。


1月14日(金曜日) オウム横浜支部の周辺ガイド(^^)

 オウム真理教の横浜支部に上祐史浩氏が昨年末にやって来て、テレビで「街が騒がしくなって困る」とか「商売上がったりだ」などという声が紹介されるたびに違和感を感じるんだけど、あそこってそんなに閑静でお上品な街だったかなあ…。オウム横浜支部が入っている建物は横浜市心部の歓楽街の中にある。伊勢佐木町に隣接する若葉町というところだ。この街にはラブホテルやファッションヘルスなどの風俗店が林立していて、出稼ぎ外国人向けのアジア料理店や食材屋なども多い。夜になると東南アジアやロシアや中南米出身の女性たちが、売春のために街角で通行人に絶え間なく声をかけている…な〜んていう姿はここでは日常風景だ。出稼ぎ外国人と防犯関係の取材をするならばここで、という街なのである。何も知らない人が一連の報道だけを見ていると、静かな商店街や住宅街の真ん中に突然「迷惑施設」が現れたように思うんだろうな。

 で、そのオウム真理教の横浜支部が入っているマンション周辺を歩いてみた。おおやっぱり、少し離れた場所に県警(機動隊?)の装甲車やバスがデ〜ンと止まっている。マンションの入り口や周囲を警察官が常駐警備しているのは当然として、建物前の道路がロープで完全封鎖されて通行止めになっているじゃん。ロープにへばりつくようにして記者やカメラマンが何人も張り番していた。ご苦労なことだよなあ。知っている顔は見かけなかった。しかし物々しいのはその一角だけで、一歩離れると猥雑でごった煮みたいな、いつも通りの日常空間が広がっているのだった。マスコミと警察によって「作られた場所」というような不思議な感じがした。

 それはさておき、久しぶりに原稿の書き直しを命じられた。構成を大幅に入れ替えて表現も手直しする。自分でも「分かりにくいかもしれないなあ」と薄々感じてはいたが、不完全な状態のまま出稿してしまったものだから、さすがに編集者には鋭く「分かりにくいよ」と指摘された。気を抜いてはいかんなあ。決して手を抜いたわけではないのだけど、原稿の出来がよくないことは自覚していた。実は取材が終った段階で何となく予測できていたのだ。これは失敗したかもなあって。もちろん僕の力量不足にほかならないんだけれど。でも、編集者にきちんと指摘してもらって書き直してよかったと思う。元の原稿のまま印刷されたら、やっぱ恥ずかしいもんね。


1月15日(土曜日) 電話料金

 このところ電話料金の請求額が増えている。12月分の請求額なんか1万5千円近くにもなっていて、とてもショックを受けた。ええ〜っ、そんなに〜!とゆー感じである。この傾向は昨年10月ごろから始まった。それまでは毎月の電話料金が1万円を超えることなんか、まずなかったんだけどなあ。自宅から電話取材やアポ取りなどを頻繁にするようになったからかなあ。PHSの請求額は数千円なんだよなー。結構使ったようでいて大したことがなかったりするのだ。う〜ん…。「取材を電話だけで済ませて原稿を書くようなお手軽な記者活動は極力避ける」というのが僕の基本的なスタンスだけど、事前の下調べを兼ねた電話取材は記者にとっては必要不可欠な作業だから、まあ、仕方ないか…。とは思うものの、なるべく無意味な電話をかけるのは止めるようにしよう。

 まさか、インターネットに接続する時間が多くて請求額がアップした、などということはないとは思うんだけどなあ。深夜の時間帯はテレホーダイだから電話料金は一定だもんね。あ、でもこのところ昼間にメールチェックしたり原稿を送信したりすることはよくあるから、そういうのが重なると馬鹿にならないか…。昼間に接続するのはなるべく止めようっと。ああ、何だかセコイ話だなあ。


1月16日(日曜日) 「課外授業ようこそ先輩」

 NHK教育で放送された「課外授業ようこそ先輩/出会いをアニメで記録しよう/庵野秀明」を見る。昨年放送された番組の再放送で、たぶんきょうは3回目の放送だろう。前評判は聞いていたけど見ていなくて、たまたま新聞のテレビ欄が目に止まった。山口県宇部市立鵜ノ島小学校6年2組の子どもたちに「小学6年生のアンノくん」の足跡を取材させて、そのイメージをアニメーションに表現させるという授業を、庵野監督が2日間にわたって展開する。「小学6年生にこんなこと分かるのかなあ」などという予想は見事に裏切られ、子どもたちは鋭い洞察力と想像力で、独自のイメージを自由自在にどんどん広げていく。その過程がとても面白い。「表現というのは欠落したものを埋めていく作業、それを他人に伝えていくための努力」という庵野監督の言葉が印象に残った。創作の原点や原風景みたいなものが、なかなかよく分かる番組だった。

 ラックに突っ込んであった録画済みのビデオテープを、大ざっぱに整理した。そのうちの何本かはラベルを付けないまま放置していたので、中に何が録画されているのかさっぱり分からない。最初まで巻き戻して3倍速で見ながら、一つずつ内容をチェックしてメモを取るはめになった。テレビから録画したドキュメンタリー番組や映画やアニメや芝居などなど。うわ〜っ、面倒くせえ〜っ。せめて録画するたびにメモを書いて残しておけばよかったと思うけど、今さら反省しても後の祭りだ。無駄な時間を浪費してしまった。


1月17日(月曜日) ダウン

 喉や鼻の奥が痛くて頭痛もして、寒気もする。風邪かインフルエンザか…いずれにしても完全にダウンしてしまった。ただひたすら静かに寝ているだけで、取材予定はすべてキャンセルだ。だがしか〜し、そういう時に限って次から次に電話がかかってくるんだよなあ。留守電モードにしてあるんだけど、つい条件反射で出てしまうのだった。どれも大事な電話だったから、まあよかったんだけど。


1月18日(火曜日) ダウン2

 症状は回復せず。やたらとお茶ばっかり飲んでいる。あんまり食欲がないなあ。味噌汁を1杯だけ飲んで、蒸しパンを少し食べた。


1月19日(水曜日) 熱湯コマーシャル?

 日本テレビ系の夕方のニュース番組を見ていたら、おやおやと思うようなシーンに出くわした。静岡県内のラドンセンター(健康ランド)で入浴した高齢者が全身火傷を負い、死亡したというニュースだった。入浴客が火傷をしないように、お湯の温度が一定以上にならないように自動設定する装置にミスがあったらしい。事故が起きてから2時間後に警察が調べたお湯の温度は摂氏55度もあったことから、実際の温度はさらに高かったと思われる。番組ではこのニュースに相当な時間を割いていた。人間が火傷をした場合はどれほどのダメージで死に至るのか、適切なお風呂の温度はどのくらいなのかなど、お湯の「怖さ」を強く警告する内容だった。その内容は実に真面目だったと思う。だがしか〜し。「だったら、お前のところの放送局が毎週日曜日のお昼に延々と流してきたテレビジョッキーの『熱湯コマーシャル』は、どーなるんだよ」と思わず突っ込みを入れたくなった。熱湯の入った水槽に視聴者やタレントを入れて、我慢できた秒数だけ自己アピールができるというビートたけしの番組だ。もう終わった番組だし、制作チームも違うし、あっちはバラエティでこっちは報道だ、などという考え方もあるかもしれない。でもさあ、だからこそ報道やジャーナリズムに「かかわる」立場にいる人達はやたら滅多なものは作れないし、作ってはいけないと思うんだよね。せっかく誠実にまともなものを作っても、同じ紙面や放送局内でそれと矛盾するものを平然と提供していたら、信頼性と言うか説得力がなくなってしまう。たぶん、きょうのニュース番組を作った日テレのディレクターや記者はとても誠実な仕事をしたのだろうと思う。だけど、あれだけインパクトが強くて批判も強かった「熱湯コマーシャル」の印象が消えずに残っていると、ついつい「局ぐるみでギャグをやっているのかな」などと思ってしまうのは、決して僕一人だけではないと思うんだけどなあ…。

 風邪はようやく回復傾向になってきた。空腹感も出てきた。症状が改善に向かっているからこそ、お腹が空くのだろう。そんなわけで温かいおでんを食べたのだが、空腹なところに急にまともなものを口にしたので、あまり多くは食べられなかった。全国教研の取材パスが出たと連絡をもらう。これがないと会場での取材は一切できない。現地で受け取ることになる。今週の取材予定はもう全部パスしてもいいや。ゆっくり休んで、早く完全復活しなければ…。


1月20日(木曜日) 「やらせ」ならいいの?

 きのうの「身辺雑記」で「熱湯コマーシャル」の無責任さについて書いたら、読者の方から「いわゆる『やらせ』のショーとして楽しんでもらわないと困る」という感想メールをいただいた。まさかそんな反応が返ってくるとは思いもしなかったな。もう一度、きのうの文章をきちんと読んでほしいなあ。仮に危険性がなくて「やらせ」だったら問題はないのかな。せっかくお湯の「怖さ」を強く警告する誠実な報道番組を作っても、それと矛盾するものを平然と提供していたら、信頼性や説得力がなくなってしまうじゃん。そんなメディアの危うさを指摘したんだけどなあ。自分でもきのうの「身辺雑記」を何回か読み返してみたけれど、どう読んでも誤解を受けるような書き方にはなっていないんだよね。つーことは典型的な読解力不足が原因なのか、それとも根本的に僕とは発想や問題意識が違うのか、どちらかとしか思えない。とっても残念な反応だ。あまりにも愕然としたので「身辺雑記」でコメントに代えます。

 「大脱走」を再見 テレビ東京の木曜洋画劇場で「大脱走」を見る。久しぶりに見たけどスリル満点。3時間近く全然退屈させられない。ドイツ軍の捕虜収容所から、連合軍の将校たちが長大なトンネルを掘って脱走を図るストーリーだ。もちろん脱走劇そのものも面白いのだが、各国の軍人性が如実に描き分けられているところが、なかなか興味深い。ドイツ軍人は全体主義の色合いが濃くて旧日本軍人に近いし、同じドイツ人でもゲシュタポ官僚と空軍将校とでは捕虜の扱い方に歴然とした差がある。英軍人よりも米軍人はアバウトなのだった。米国作品だからと言って、あながち誇張と偏見によるステレオタイプの描写とも切り捨てられないだろう。それはさておき。この作品の挿入音楽「大脱走のテーマ」を聞くと中学時代を思い出す。別にその時に「大脱走」を見たわけではない。中学生の時に生徒会が作った8ミリ映画のタイトルバックに、この曲がかぶさって流されていて、今でもそのイメージが強烈に頭に残っているのだった。何ということもない8ミリ映画なんだけどね。


1月21日(金曜日) 「エンジン慣らし」ってホント?

 体調の完全復活後に向けた「エンジン馴らし」も兼ねて、横浜市内で開かれた市民集会に出かける。なかなか参考になる話が聞けて人脈も広がった。終わってから懇親会にも誘われる。まだまだ風邪は治りきっていないので、軽く顔を出すだけならいいかなと出席することにした。中華街でフルコース。お腹が空いていたからちょうどいいや。アルコールは乾杯の時にビールを一口飲んだだけで、その後はずっとウーロン茶で通す。えらいなあオレって。えっへん。だがしか〜し。あれよあれよという間に2次会へ。馬車道のカラオケスナックに連れて行かれて、水割りを何杯も飲んでしまって、しかも2曲も歌ってしまって、帰宅したのは午前3時を回っていた。う〜ん、すっかりアルコールで体内を消毒してしまったな。…っておいおい、それは違うだろ。でも、まじな話、これからの仕事の上でとても「肥やし」になる出会いがあったので、これもまた役回りと言うか運命みたいなものだろう。「週刊金曜日」で短編ルポを書く企画が通ったので準備をしなければ。さらに卒業式と入学式の前後に、それぞれルポの集中連載も予定されているから、これからとても忙しくなる。しかし風邪で寝ている間、取材に動き回れない欲求不満たるや相当のものがあったので、やる気は十二分だ。

 アナウンサー生命 きのうの話題の続きのような話です。現役アナウンサーがテレビコマーシャルに出演することの問題点を、いつぞやどこかのアナウンサーがこんなふうに説明していた。「企業のコマーシャルに一度でも出演したら、そのアナウンサーはニュース番組にはもう二度と出られないでしょう。その企業に関する事件のニュースを読むことになったその時にどうするんですか。そこだけ別の人に代わって原稿を読んでもらうのですか」。CMはCM。バラエティーはバラエティー。冗談は冗談。そんなふうに切り離して考えて、分けて仕事をすればいいじゃんってか。視聴者はそうは受け取らない。報道内容そのものに対する信頼性や説得力までなくなってしまうからだ。事実を伝える、問題提起する、報道するという仕事に携わるということは、自分に対するそういう厳しさや覚悟が求められるはずだ。当然このことはアナウンサーだけの問題ではない。記者だって一緒だ。片手で企業や役所の「言い分だけ」を散りばめた一方的な宣伝記事を書きながら、もう片方の手で企業や役所を批判する取材をして記事を書くなんて芸当ができる記者がもしもいたとして、しかしそんな記者の書いた記事なんて信用できるかよ。いやあ、少なくとも僕は信用しないし相手にもしたくないな。それが「職業倫理」ってもんでしょ。まあ、そーゆーことです。

 あすから金沢取材 あすの夜行バスで金沢に行く。日教組の全国教研を取材して、ついでに司法改革関係も取材できればいいなと考えているが、あくまでも予定は未定なので、どんなハプニングが起きるかは分からない。金沢には「コワイおじさんたち」が大きな車で大勢いらっしゃっているとも聞いているが、それよりもコワイのは大寒波と大雪だ(笑&まじ)。何だかすごい大雪になっているとの天気予報もあったしなあ。寒いのは苦手じゃ。しかも風邪ひきさん状態だしね〜。そんなわけで、取材から帰ってきたら滞っていた「セカンドインパクト」の更新をちゃんとします。新作記事も複数アップします。実を言うともう、該当ページはすべて完成しているのだ。それなら更新してから出かけろよってか。出し惜しみしてたりして(爆)。ちなみに「身辺雑記」を金沢で更新するかどうかはまだ決めていない。パワーブックを持って行くかも未定だ。


1月22日(土曜日)〜26日(水曜日) 金沢取材

 22日(土曜日) 午後10時35分に東京・池袋駅前発の深夜特急バスに乗って金沢へ向かう。金沢行きのバスは2台で乗客は満員状態だ。車内で朝までゆっくり眠れるかなあと思っていたけど、座席は思ったよりも窮屈だし結構揺れるしで、うつらうつらする程度しかできなかった。深夜特急バスとはこんなものなのかな。

 23日(日曜日) バスは2時間ごとにサービスエリアで休憩を取りながら、早朝の5時半に金沢駅前に到着。雪なんか全然降っていないし、それほど寒くもないので拍子抜けする。池袋で偶然会った知り合いとファミレスで朝食を食べながら時間調整。情報交換や世間話をしていたから3時間の時間つぶしも苦痛ではない。神奈川の先生たちが宿泊するホテルに立ち寄って、取材IDカードを受け取ってからシャトルバスで「平和教育」の分科会会場へ向かう。この分科会だけが、遠く離れた隣町の町役場が会場なのだった。日教組の集会には必ず出てくるという街宣車は一台も見かけなかった。畑の真ん中にそびえ立つ町役場は馬鹿でかい凱旋門みたいなとんでもない建物で、庁舎の周囲には何もない。とっても場違いな威容を誇っていた(爆笑)。夕方からはお寺で「日の丸・君が代」をテーマにした市民集会を取材する。教研に来た先生たちの自主交流会みたいなものだ。夜遅くまで全国各地から報告が続いた。

 24日(月曜日) 「音楽教育」の分科会を取材。「君が代」の強制を目の前にして思い悩む教師たちの姿の一端が、ほんのわずかながら垣間見えた。午後からは「生徒の自主活動」や「民主的な学校づくり」などの分科会をのぞいたけど、あんまりピンとくるものがなかったので夕方には宿舎に帰る。夜から神奈川の先生と飲みに出かける。とってもうまい海鮮料理を食べた。白子が絶品だった。1合が5千円もするという吟醸酒を少し飲ませてもらったが、とても飲みやすくてうまい。これなら日本酒が苦手な僕にも飲めるかもしれない。な〜んてことを話しながら、隣の席に座っていた北海道の女の先生たちと盛り上がっていい雰囲気になったところで、別の神奈川の先生たちから「こっちへ来い」との呼び出し電話があって別の店に移動。そちらはそちらで興味深い話がいろいろと聞けてよかった。もう1軒の店に寄って午前1時半ごろ宿舎に戻る。

 25日(火曜日) 日教組の全国教研はきょうまでだが、そちらは切り上げて別件取材で富山へ行く。特急と普通列車を乗り継いで2時間ほど。犯罪被害者の置かれている実態について当事者の話を聞かせていただいた。金沢市内は朝から小雪がちらついていたが、富山へ近付くほど雪の量がぐんぐん増えていく。タクシーの運転手さんが「同じ日本海側でも金沢の気候は比較的穏やかだ」と話していた通りだ。富山から金沢へ戻ると結構積もり始めていた。急に寒くなってきた。とっとと宿舎に戻る。

 26日(水曜日) 午後から高速特急バスに乗って帰る。金沢駅前を午後1時過ぎに出発。横浜駅前に午後9時過ぎ到着した。横浜への直行便があったんだな〜。このバスは乗り心地がよかった。座席はゆったりしていたし、おまけに乗客は全部で5人だけだったのだ。外の景色をぼ〜っと見て、うたた寝をして、文庫本(村山由佳「キスまでの距離/おいしいコーヒーのいれ方1」)を読んで、車内上映された映画「マルタイの女」を見て…などという過ごし方をしたので、そんなに退屈ではなかった。映画の内容はイマイチだったけど、村山由佳の作品は面白くてハマってしまった。たぶん続編も全部読んでしまうことになるだろう。


1月27日(木曜日) 本来やるべき仕事

 某編集プロダクションの社長が会いたいと言うので、夕方から東京・麹町の事務所に行く。朝日新聞のアエラの元編集長をやっていた社長から、同社が手がけている仕事の内容などについて説明を受ける。「記者として僕が本来やるべき仕事」が影響を受けない範囲ならば、いろいろな仕事を引き受けてもいいだろう。いやむしろ、さまざまな分野の仕事を積極的にこなしていくのは、仕事の幅が広がるし視野も広がるし、プラス面の方が大きいに違いない。しかし「本来やるべき仕事」がおろそかになるような仕事のやり方は、避けなければならないと思う。「自分はなぜ記者になろうと思ったのか」という原点を忘れないようにしないと、本末転倒の事態になってしまう。僕のやるべき仕事は、深みのあるルポルタージュを書くことなのだ。このあたりの兼ね合いが難しいんだよなあ。その足で四谷の出版社へ。司法改革の臨時増刊号の編集会議である。3時間半も続く。あ〜あ。電車がなくなったので桜木町から先はタクシーだ。午前2時帰宅。


1月28日(金曜日) シンプルな真理

 信濃町のキリスト教会で「日の丸・君が代」問題を考える市民集会。「君が代」伴奏を拒否して処分された教師の担当弁護士が、何が問題とされるべきなのか、などについて解説する。人権が守られるためには、その人権を行使しても不利益を被らないことが保障されなければ意味はない。ならば「思想・信条の自由」という人権を行使するために「君が代」伴奏を拒否した教師への処分は、明らかな憲法違反となるだろう。そんな内容の話だった。全くその通りで論理的な考え方だと僕も思うけど、でもこれって理屈っぽくて少し難しいよね。非論理的で歴史認識の欠如した人たちの主張は、とにかく簡潔で一見すると実に分かりやすい。よくよく考えてみたら矛盾だらけなんだけど、それでも「何も考えていない人たち」の心にもすっと入ってくるのだ。ナチスドイツや日本軍国主義の宣伝活動がまさにそれだった。「ドイツ民族は世界で最も優秀だ」とか「アジアは一つだ」などの簡潔明瞭なスローガンを繰り返し流す。そういう意味で言えば、きょう最も印象に残ったのは「難しい真理は真理ではないのかもしれない。真理はシンプルでなければならない。シンプルな真理を掲げよう」という言葉だった。まあ、これに尽きるのかもしれないな。


1月29日(土曜日)〜30日(日曜日) 早稲田で取材

 このところ「日の丸・君が代」関係の取材が続いている。土曜日と日曜日の2日間、東京・早稲田の日本キリスト教会館などで、日の丸・君が代の押し付けに反対する教師や市民が全国から集まって開かれた「学校と地域を結ぶ交流会」を取材する。早稲田奉仕園に泊まり込んで各地からの状況報告などを聞いた。職務命令や処分が相次いでいるという訴えや、憲法で保障されているはずの思想・信条の自由が無視されている実態を聞くにつけて、重苦しい雰囲気になるばかりだけど、それでも前向きに取り組んでいこうと考えている人たちが少なからず存在している事実は大きいと思う。大切なのは「嫌なことは嫌だ」「おかしいことはおかしい」と自由に言えて行動できる社会の在り方だろう。みんなが同じ方向を向いて(向かされて)、そして同じ方向を向かない人間を排除して平気でいられる社会に明るい未来があるとはとても思えない。

 日曜日の夕方まで取材を続ける。高田馬場で新書を2冊購入。横浜に戻ってきて港南台でジーンズを2本買う。リーバイスとラングラーのストレートスリムだ。年末に買ったものとは少しばかり型が違う。古いやつはもうそろそろ廃棄処分かな。しかしそのまま捨てるのも惜しいような…。


1月31日(月曜日) だらだら…

 目覚まし時計を無視して寝ていたら、市民運動をやっている人から立て続けにいくつか電話が入って起こされる。1本目の電話が終わった時はそのまま布団に潜り込んだのだけど、さすがに2本目は長かったからすっかり目が覚めてしまった。午後から出かけようと思っていたが、電話取材だけで事足りてしまった。その後はさらに電話取材やら資料整理やら切り抜きなど。日教組の全国教研の音楽の話が新聞に出ていた。雑誌でまとめて書こうかな、などと僕が考えていた内容と少しダブっているなあ。速報性で言えば、新聞の方が雑誌よりも圧倒的に早い。でも分量的にはかなり少ないし、僕とは切り取り方も違うからまあいいか。編集長に相談してみよう。


ご意見・ご感想は ookaminami@yahoo.co.jp へどうぞ

身辺雑記のメーンへ戻る

フロントページへ戻る

[NEW][EVA][カレカノ][トトロ][映画][セカンド][リンク][作者][BBS]