身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2000年10月1日〜10月31日

●システム障害●長期的な展望…?●尻に火が着いた●映画「金髪の草原」を観る●中部・関西取材●国政調査の調査票を出す●本多勝一氏を囲むオフ会●通話にまた雑音!盗聴か?●雑音解消〜♪●自宅で仕事に専念●意外にも健全●学習意欲●湾岸道路●臨海副都心●ジェットコースター●説得すべき相手はだれか●取材と行商●忘れていた怒り●難しい選択●都人事委の公開口頭審理を傍聴●満席…●ソウル旅行●でたらめ政権●記者の服装●大人社会にこそ問題がある!●●●ほか


10月1日(日曜日) システム障害

 ジオシティーズにシステム障害が発生したため、きのうからすべてのサービスが停止している。そんなわけで、ジオシティーズ上にホームページを置かせてもらっている「サードインパクト」にも一切アクセスできない状態が続くとともに、この「身辺雑記」もきのうの9月30日付から更新できない。しかし唯一の救いは、きょう未明からジオシティーズ関係のサイトにアクセスすると、どこのページにも「サービス停止のお知らせ」が表示されていることだ。うちのページに来てくださった訪問者の皆さんも、少なくともこの表示を目にして現状把握できて安心しただろう。突発事故や災害などで交通機関がストップした場合や組織で不祥事が起きた時と同じで、利用者に対して「現在どういう状態にあるか、何が起きているか」を正確に迅速に分からせるということは、とても大切なサービスである。広報活動の基本と言えるよなあ。こういう時にどのような対応ができるかで、その組織の姿勢や真価が問われるのだ。


10月2日(月曜日) 長期的な展望…?

 やっばいよなあ〜。単行本の準備が遅々として進まない…。これまでに書いてきたルポ記事をまとめる作業そのものは、必ずしも退屈というわけではない。過去の自分の原稿を見直すのは楽しいし懐かしいのだけど、印刷された新聞記事をただ機械的にパソコンに打ち直すだけではなくて、改善すべき文章を手直ししたりしながらの作業だから思った以上に時間がかかるのだ。まあ、OCRによる読み取りが期待外れだったということもあるが、残念ながらそれだけではないんだな。さすがに機械だけを悪者にはできないぜっ。先を見越して作業を進めなかったのが敗因だよなあ。

 夕方から、四谷の出版社で「月刊司法改革」の編集会議。会議が終わって編集委員や編集者と一緒に、近くの中華料理店でコースを取ったのだが、そんなに大量に食べていないはずなのになぜかすぐにお腹がいっぱいになってしまう。僕だけでなくて、ほかの女性編集者たちも同じ状態らしい。う〜む、なぜだ…。編集者の一人がぽつりと漏らした。「お菓子をたくさん食べたからだよ」。そ、そうかあ。腹が減っていたので、会議中に出されたお菓子についつい手を出してしまったのが敗因だったのだ。ずらっと並べられたご馳走の山を前にしながら、いつもと違って少食気味のわれわれは「もう食べられないよ〜」と悔し涙を流すのであった。本日の教訓。「目先のことに惑わされない。長期的な展望でことに当たる」。ん〜。

 【追記】ジオシティーズのシステム障害は、9月30日の発生から丸々24時間経った1日夜遅くに無事復旧。そんなわけで「身辺雑記」は2日未明にまとめて2日間分を更新しました。


10月3日(火曜日) 尻に火が着いた

 少し早起きして、神奈川県の内陸部に位置する学校へ取材に出かける。内容は秘密だ。たまたま通りかかったプレイガイドで、観たかった映画の前売券を見つけたので速攻で購入。引き続き午後から東京・大塚の出版社で単行本の打ち合わせ。来年1月下旬に書店に並べるためには、いついつまでに原稿を揃えて写真はこれこれが必要などと、担当編集者にねじを巻かれる。いい加減に尻に火が着いてきた。まじで頑張らなければ間に合わないよ〜。あさってからの出張取材のため、旅行会社の窓口で新幹線の乗車券を購入。そう言えば、特別割引で搭乗できる航空券の発売が始まっていたことを思い出した。2カ月先の格安航空券も購入する。期間限定だが国内ならどこに飛んでも1万円というやつで、こっちは私用だ。ん〜、なぜかきょうはチケットをたくさん買ったな〜。


10月4日(水曜日) 映画「金髪の草原」を観る

 銀座テアトルシネマで映画「金髪の草原」を観る。きのう買った1500円の前売券で観たのだが、何ときょうは特別鑑賞の日で千円均一で観られるのだという。そ、そんな〜。ちょっとショック…。映画は犬童一心監督作品で、池脇千鶴主演。大島弓子の漫画が原作だ。心臓病を患う80歳の老人・日暮里歩はある日、目が覚めると心だけは二十歳の青年になっていた。そこに新任のホームヘルパーとして古代なりす(池脇千鶴)がやって来る。なりすの容姿は、日暮里が元気だった大学生の時に憧れていたマドンナにそっくりだったことから、日暮里はなりすに恋してしまう。何といっても彼は自分自身のことを二十歳だと思い込んでいるのだ。一方、なりすもまた叶わない恋という現実に悩んでいて、日暮里と同じように現実と夢がごっちゃの状態だった…というストーリーだ。

 館内は満席で女性客の方が多かった。映画館から外に出ると、女性客の二人連れから「あんた泣きすぎ〜」と言うのが聞こえ、別の女性客は「号泣していた人もいたね」などと話していた。泣く人と泣かない人が割とはっきりと分かれていたみたいだ。僕はまるで泣けてこなかったんだよなあ。悪い映画ではないと思うし、切ない気持ちにもさせるんだけど、何となく間の取り方がしっくりこなかった。ん〜、たぶん大島弓子の漫画のイメージする世界観が、僕には合わないのかもしれないな〜。だがしか〜し、主演の池脇千鶴ちゃんはとってもキュートで、全編を通して池脇ワールドが展開されていたのは個人的には二重マル。つーか、実を言うと彼女を観に行ったようなものなんだよね(苦笑)。そういう意味では、この映画は池脇千鶴のプロモーションフィルムみたいなものなのかもね…なんてことを言うと、きっと犬童監督は怒るんだろうな。


10月5日(木曜日)〜7日(土曜日) 中部・関西取材

【10月5日】 日弁連の人権擁護大会 ホテルの予約がなかなか取れずに四苦八苦する。旅行関係のサイトを徘徊していたら朝までかかってしまったぜ。何とか新大阪駅前のホテルを2泊分確保。おかげで一睡もしないで、新横浜駅から新幹線に飛び乗った。駅弁を食べてとっとと熟睡体制に入る。名古屋駅で東海道線に乗り換えて岐阜駅で下車。日弁連の人権擁護大会が開かれている長良川国際会議場に行くために、駅前のバス乗り場に行く。す、すると、な〜んと1時間に2本しか便がないでやんの。おいおい。そんなんじゃあ間に合わないっつーの。仕方なくタクシーに乗る。でもって到着した会場近辺には、たぶん巨額な費用(つまりは税金)をかけて造ったんだろうなあと思わせる白亜の殿堂やら運動施設やらが、これ見よがしに自慢するようにずらりと並んでいた…。

 僕が傍聴したのは「独立した人権救済機関の設置」を論議する第一分科会。分科会の実行委員会が提示した「強制的な調査権を持つ人権救済機関を設置すべきだ」とする「試案」に対して、「人権侵害を平然と行っているマスコミも強制調査対象の例外ではない」と賛成する意見と、「表現の自由や報道の自由を侵さないためにマスコミの自主的機関にゆだねる」と反対する意見が、弁護士の間で激しく対立した。しかし僕としては、なぜこういう試案が出てくるようになったのか、その背景にこそ関心があるなあ。そんな中で最も本質を突いた指摘をしていたのは、パネリストの一人で人材コンサルタント・辛淑玉(シン・スゴ)さんだった。「国民の知る権利を守るために、マスコミはどれだけ弱者を背負って闘っているのか。言論の自由などと言うのならば、まず自分たちがどうするか発言すべきだ」。厳しいけれどもその通りの批判だと思う。本来やるべき仕事をしないでいて言論の自由を持ち出しても、理解を得るのは難しいだろう。辛さんは居並ぶ弁護士たちに対しても同じように「弱者から必要とされる存在にぜひなってほしい」と注文をつけた。

 夕方から岐阜駅前のホテルで開かれた記者会見に出てから、名古屋経由で新大阪駅へ。夕食も新幹線の車内で駅弁だ。ご飯もおかずも、何だかぼそぼそしている。わびしいなあ。ホテルに着いてテレビニュースを見て速攻で眠る。

【10月6日】 兵庫の県立高校で震度4 兵庫県尼崎市の県立高校へ。陪審制度と民主主義の在り方を描いた映画「12人の怒れる男」のビデオなどを使って、現代社会の授業をしている先生に話をうかがう。実はこの先生の授業では、僕がホームページに掲載している「12人の怒れる男」の映画評が教材に使われているのだった。昼休みに生徒たちに授業の感想などを聞いて、午後から1年生の授業を見学させてもらう。だがしか〜し。授業が始まってから5分ほど経ったところで、不気味な揺れがわれわれを襲った。ぐわんぐわんと振り回されるような、今までに経験したことのない揺れ方だった。船酔いするような気分なのである。教室の女子生徒たちから「きゃあ〜っ」という悲鳴が上がった。天井にしっかり固定されているはずの蛍光灯が激しく動く。揺れは少なくとも30秒以上は続いた。このクラスの生徒たちは小学4年生の時に阪神大震災を経験しているわけだから、恐怖感はひとしおだったことだろう。間もなく「鳥取で震度6強。尼崎は震度4。生徒諸君は落ち着いて授業を受けてください」と校内アナウンスが入った。神戸や大阪まで震度4だったとは。う〜ん…。こんなところで震災に遭ったら困ってしまうなあと、一瞬真剣に考え込んでしまう…。

 ホームルームや職員会議が終わるのを夕方まで待って、先生に聞き足りなかったことを質問する。取材が終わってから、駅前の居酒屋で一緒に飲みながら雑談。フリージャーナリストの経済状況をとても心配してくれた。恐れ入ります〜。午後10時半ごろホテルに戻る。ん〜、飲み過ぎたのかなあ、頭が痛い。ひょっとしたら風邪かもしれないなあ。そう言えば夕方まで先生を待っている間、気持ちのよい風が窓から入ってくる社会科準備室でうたた寝をしたんだけど、日が沈むころになるとさすがに少し寒かったんだよね。ただでさえ睡眠不足だったし。とっとと寝よう。

【10月7日】 やっぱり風邪だ… チェックアウトの時刻ぎりぎり近くまで寝て、それから熱いシャワーを浴びて、それでも朝食だけはしっかり取る。頭が痛いのはかなり治まったようだけど、関節や筋肉がだるい感じがして、少し寒気がする。やっぱり風邪みたいだなあ。午後から大阪駅前で、ネット友達でフォトジャーナリストのU氏と昼食を食べながら雑談。久しぶりの再会である。取り組んでいる仕事やフリーランスの生活などについて会話が弾んだ。新幹線に飛び乗って横浜へ。午後6時半帰宅。ん〜、しばらく家を空けて帰るといつもそうだけど、たまったメールや手紙や新聞を読むのは相変わらず面倒くさい。きょうはもう「身辺雑記」を書くだけで精いっぱいだ。原稿執筆はあしたやろう。


10月8日(日曜日) 国政調査の調査票を出す

 風邪薬を飲んでたっぷり14時間ほど爆睡する。原稿を書くはずだった予定がすっかり狂ってしまった。大幅な時間のロスではあるけれども仕方ないよなあ。まあ、きょうは休養日であると割り切ろう。頭痛や体のだるさはかなり楽になったし、奥歯が痛かったのも落ち着いてきた。やっぱり疲れていたんだな…。

 国政調査の調査員のおばさんが、ようやく調査票を回収にやって来た。実は、先週の日曜日の夕方に回収に来ると言うので「待っていた」のだが来なかったのだ。なんていい加減なんだろう。留守中に訪問したらしく、ドアに「連絡をください」と書かれたメモが挟んであったので繰り返し連絡しても電話にだれも出ないしなあ〜。もっともそのおかげでこちらとしても、不愉快な調査に対して何の気兼ねもなくそれなりの対応ができるというものだ。「それなりの対応」というのは「それなりの対応」なのであって、ここでは触れない。そこのところはご想像にお任せしたい。調査員のおばさんに対してどうこうするというのではなく、調査票の記入方法に対してである。調査票そのものは「調査票の記入のしかた」という説明書で包んで、シールで封をしてから調査員に手渡した。もしも、調査員や役所の担当者が調査票の中身について問い合わせをしてきたならば、どのようにしてそれが僕のものであると特定したのかが問題になるから文句は一切言えないはずだ。(関連記事が9月30日付の「身辺雑記」にあります)


10月9日(月曜日) 本多勝一氏を囲むオフ会

 シコシコと夕方まで原稿を書いてから東京・有楽町へ。本多勝一氏を囲むオフ会に誘われて参加する。本多氏本人が登場するということもあってか、有楽町のガード下にあるドイツビール店には20数人もの本多ファンが集結。遠くは長野からわざわざ駆けつけた人もいて、飲み会は大いに盛り上がった。本多氏にお目にかかるのは今回が2回目なんだけど、前回はほんの何秒か「見た」だけだったので実質的にはこれが初めてのようなものだ。で、本多氏と言えば右翼から身を守るための変装姿が有名だが、最初かけていたサングラスは間もなく普通の眼鏡に替わって、めでたくも素顔の本多氏に接することができた。ん〜、見た目の印象を「精悍なお年寄り」なんて表現すると失礼になるのかなあ…。しかし真のジャーナリズム実現に対する意欲は満々といった感じで、新しい日刊新聞の創刊にますます燃えているのがよく分かった。「同志を集めた新聞社を」「記者は広報マンじゃない」などの言葉が印象に残る。そんなわけでまだ完全に風邪が治っていない状態の僕は、最初に生ビールを小ジョッキで1杯だけ飲んだ後は、ジンジャーエールやパイナップルジュース、ウーロン茶などのソフトドリンクをひたすら飲んでいたのだった。2次会は近くの居酒屋。午前1時すぎ帰宅。


10月10日(火曜日) 通話にまた雑音!盗聴か?

 電話をかけていると「ザーザー」という雑音が通話に入るようになった。きょうで3日目だ。1日目はかすかに「ザザザ…」と聞こえてくる程度で、2日目になるとはっきり「ザーザー」と入るので相手の声がやや聞きにくくなった。だがしか〜し。3日目を迎えたきょうはこれまでにない酷さだった。友達と電話で話をしていたら間断なく雑音が混じり、ついには「ザーザー」という雑音だけしか聞こえない状態が20秒以上も続いて、お互いの声が全く相手に伝わらなくなってしまったのだ。いくら何でもこんなとんでもない雑音は初めてである。もはやこれは異常事態としか言いようがない。すぐさまNTTに連絡したら、回線を調べてくれるという。このところインターネット接続が途中で切れてしまうことがあるのだが、それも雑音が影響しているかもしれないとNTTでは説明している。半年前の今年3月にも、通話に雑音が入るのでNTTに検査してもらったことがあるけど(3月3日&5日付「身辺雑記」参照)、今回は通話に支障が出るくらいの酷い雑音状況なので、ぜひともきっちり原因究明してもらわなければ。あまり考えたくないが、まさか盗聴ではないだろうなあ〜。


10月11日(水曜日) 雑音解消〜♪

 電話に雑音が入るのでNTTに連絡したら、早速、故障係の人が局内配線や屋外配線などを調べてくれたが、そちらに異常は見つからなかった。屋外ケーブルは今年3月に取り替えてくれたばかりなので、外部要因がなければ、問題はないということになる。でもって続いて屋内配線を調べたところ、NTTのモジュラージャックの一部に接触不良らしいものがあったそうで、新しい部品に取り替えてくれた。その後、何件か電話をかけたが雑音は一切なくなった。昨晩と同じような時間帯に同じ友達と長電話をしたけれど、とても快適な通話状態だった。ああ、よかったあ〜。なんつっても記者にとって電話は大切な商売道具だかんね。


10月12日(木曜日) 自宅で仕事に専念

 まるで初夏みたいな陽気で、きのうに続いてかなりの暑さだ。でもこの暑さは長くは続かず、今週末にはぐっと寒くなるらしい。それにしても気温の差が激しすぎるぞっ。こんな日が交互に繰り返されたら、寝冷えしてまたまた風邪をひきそうだなあ〜。う〜ん。

 今週のあたまからしばらく取材などの予定は全く入れないようにして、ずっと自宅で仕事をするスケジュールにしてある。サボっていた単行本の準備作業に専念するためだ。さすがにここで頑張らないと追い付かないからだけど、そんなわけで、せっかく取材依頼や会合などのお誘いをいただいてもなかなか対応できなくて、とても心苦しく思っている。そう言えば、メールの返事もまだ出していないものがいくつも残っているんだよなあ…。すみません。


10月13日(金曜日) ニュース雑感

 やっぱり、きょうの横浜は肌寒かった。日中の気温はきのうより十度くらい低いようだ。ダイエーで衣料品の安売りをしていたので暖かそうなジャケットを買った。色はもちろん茶系である。

 興味深いニュースが、きょうはいくつもあった。韓国の金大中大統領にノーベル平和賞。そう言えば以前、日本の佐藤栄作という首相もノーベル平和賞を受賞したけど、お隣の国の大統領と比べたらあまりにもスケールが小さ過ぎるよなあ。スケールの違いということなら、大リーグを目指すオリックスのイチローの志の高さと、交通違反で書類送検される西武の松坂大輔の人間の小ささが対照的で笑える。駐車違反でレッカー移動されたというだけならどーでもいい話だと思うけど、スピード違反を繰り返して免許停止中だったんだろ。無免許で車を運転するってどーゆー神経なんだ。それでもしも事故でも起こしたら、どうするつもりだったんだ。交通事故で肉親を失った人たちにどう説明するんだ。酒を飲んでいないだけましかもしれないが、社会人なんだから甘えてんじゃねえっつーの。あと、参院特別委で野党不在のまま、参院の選挙制度を変える法案が強行採決された。「まともな議論もしないで」と言うよりは、選挙制度という民主主義の手続きの根幹をなす部分を、与党の都合だけで一方的に変更してしまうところに絶句する。多数による力の採決はほかにもいろいろあるけれども、選挙制度だけは満場一致して納得ずくで決めなければ民主主義の自殺行為になるだろうに。理念も理想もないご都合主義的な翼賛政治に絶望する。


10月14日(土曜日) 意外にも健全

 たまたまNHK教育テレビを見ていたら、富山国体の開会式の生中継をやっていた。選手たちが整然と並んで一糸乱れず行進しているのは、いかにもこの手の行事らしい光景だけど、会場正面に大会旗だけしかないのは変だなあと思っていたら、これからいよいよ掲揚と斉唱の儀式が執り行われるという場面だったらしい。そりゃまあそーだろー。いくら何でも「日の丸」がないなんてそんな健全な国体があるわけないもんなあ。「斉唱にご協力お願いいたします」などと恭しいアナウンスがあった後で「君が代」が流され、ポールには「日の丸」がするすると掲揚されていく。会場を映し出したカメラの映像には、しかし意外にもそっぽを向いていたり、髪の毛を手櫛で整えていたり、隣同士で談笑したりしている選手や観客たちの姿があった。歌いたい人はもちろん、直立不動でも最敬礼でもして勝手に歌えばいいと思うけれど、全員が一人残らず総立ちで一つの方向を向いて一斉に…なんていう姿は、とても気持ち悪く不気味に感じるんだよね〜。なーんだ、思ったよりもみんな健全じゃん。ちょっと安心した。


10月15日(日曜日) 学習意欲

 先週の中部・関西取材の時に使ったデジカメと撮影データを、女性編集者に手渡すために東京・品川駅で待ち合わせ。「そんなのパソコンにデータを取り込んでメールで送ればいいじゃん」と思うのは、素人の赤坂見附(「浅はかさ」っつー意味です)。残念ながらそんな高等テクは僕にはまだまだないのだ。ん〜、実を言うとほんの少しだけ送信方法を教わって、さらに送信ソフトをダウンロードしてくれるという話もあるんだけど、ちゃんと覚えようという気持ちっつーか、学習意欲が足りないらしい(おいおい)。そんなわけで、忙しいのにわざわざ品川まで出かけて行ったのだった。もっとも今回はデジカメそのものを渡さなければならなかったから、そもそもメールでは送れなかったのだが…。

 せっかく出かけたついでに、横浜でトトログッズやエヴァの原画集、コミックス数冊、日用品などをいろいろと購入。さらに上大岡で写真現像&プリントを出して、名刺の追加注文もする。何だかんだ言って雑用を結構こなしたな。おまけに散財しちゃったぜ…。


10月16日(月曜日) 湾岸道路

 友達が遊びに来るので久しぶりに部屋を掃除する。こういう機会がないと、ついつい放ったらかしのままなんだよな〜。夜まで原稿を書いてから、愛車を運転して羽田へ。車で空港へ行ったのは初めてだけど電車よりも断然速い。首都高速の湾岸道路を走って夜のドライブ。自宅近くの焼き肉屋で遅い夕食を食べる。


10月17日(火曜日) 臨海副都心

 昼食は上大岡でインド料理。でもって新橋から「ゆりかもめ」に乗ってお台場臨海公園へ。「ゆりかもめ」に乗るのは初めてだ。臨海副都心は何から何まで人工的である。渚から建造物まで、つまり街全体が作り物という違和感は猛烈にあるんだけど、しかしなぜかそこにある種の「美しさ」みたいなものを感じてしまうのも、また事実だったりする。う〜ん。不思議な感覚だなあ〜。


10月18日(水曜日) ジェットコースター

 汗ばむほどの陽気だったかと思うと、きょうは一気に冷え込んだりして、まるでジェットコースターのような気候だ。東京では木枯らし1号が吹いたという。秋をすっ飛ばして、初夏からいきなり初冬になったような激しさだよな〜。あまりにも急激な気温の変化に付いて行けずうまく対応できないぞっ。何をどう着込んでいいものやら困惑してしまう。体調を崩さないようにしなければ。

 昨晩から単行本の準備に復帰して、きょうもずっと執筆やまとめ作業に専念する。単行本の原稿の締め切りは、初出原稿の掲載時期に応じて、編集者が4段階に分けて設定してくれているのだが(自動車教習所みたいだな=苦笑)、いよいよその第1段階の締め切りが迫ってきた。間に合うのか、大岡みなみっ。ん〜。ただひたすらキーボードを、打つべし、打つべし…である。


10月19日(木曜日) 終日執筆

 終日、原稿執筆と単行本準備。う〜ん、何とか間に合いそうだ。第1段階のゴールが見えてきたぜっ。やっぱ、やる時はちゃんとやるんだよね〜。な〜んだ何とかなるじゃん。…っておいおい、本当のゴールはまだまだ先なんだから油断して遊ぶなよな(自爆)。


10月20日(金曜日) 説得すべき相手はだれか

 夕方までひたすら原稿を書いて、それから東京・大井町へ。「週刊金曜日」編集委員による講演会を聴きに行く。編集部のご好意でご招待いただいた。感謝〜。筑紫哲也、佐高信、落合恵子、本多勝一、椎名誠、辛淑玉の六氏が勢ぞろいして、それぞれ30分弱で話をするという同誌の恒例企画である。いずれの話も考えさせられたり大笑いさせられたりでそこそこ面白かったが、中でも僕は筑紫哲也氏の話に深く考えさせられた。内容をかいつまんで紹介すると、こんな感じになる。「どんな問題でも賛成と反対の両側にいるのは2割と2割で、真ん中にどちらでもないという6割がいる。この6割をどうやって自分の方に引っぱり込むか、どうやってこの人たちに働きかけるかが大事だ。説得すべき相手はどこにいるかを考えよう」。う〜む、なるほどなあ。あと、司会の松崎菊也氏の「分かっている人たちに訴えても意味がない。何も考えていない人たちや逆の立場の人たちにこそ訴えかけなければ」という言葉も心に強く響いた。講演会が終わって、会場に来ていたネット友達と夕食でもと居酒屋へ向かう。だがしか〜し。金曜日の夜でしかも雨が降っているときたもんだから、どこの店も満員で順番待ちだ。おいおい。大井町は使えないところだなあ。どうしようもないので隣の品川駅まで行って、某居酒屋チェーン店で歓談した。午前1時過ぎ帰宅。


10月21日(土曜日) 取材と行商

 単行本の第1次原稿は早朝に無事送信した。これで8割の作業は終わったことになる。ふう〜。4時間ほど眠って、午後から横浜・二俣川の県立中沢高校へ。教職員組合の教育研究集会の分科会を取材する。入試の採点ミスと大量処分、不況と子ども、「日の丸・君が代」などの問題について討議を傍聴させてもらったが、面白そうな取材のヒントがいくつもあった。でもって、実はこの日は取材のほかに「行商」も目的だったのだ(笑)。教研参加者に岩波ブックレットを買ってもらおうと手持ちの残り数十冊を持参する。親切な先生が手伝ってくれたので、ほぼ完売した。ん〜、本がなくなって荷物が軽くなるとうれしいよなあ。…って、うれしいのは軽くなったからじゃなくて、大勢に読んでもらえるからだっつーの。親しい別の先生と喫茶店で2時間ばかり雑談して帰宅。


10月22日(日曜日) 忘れていた怒り

 先週はずっと、過去に書いた記事を修正したり加筆したりしていた。「われながらうまい文章表現をしているじゃん」と自己満足するとともに、一方では「ここは分かりにくいからこう書き直そう」などと反省することもあって、なかなか勉強になった。

 でも何よりも僕の心が深く揺さぶられたのは、新聞記者時代にいくつも原稿をボツにされたのを思い出してしまったことだ。理不尽な理由で数々の原稿をボツにした、アホなデスクと編集幹部のキモチワルイ顔が浮かんできて、久々に不愉快な気持ちがよみがえってきた。こちらは記者としてやるべき取材をして、書くべきものを書いたのだ。ボツにされた原稿を久しぶりに読んでいると、まるで納得できない論理をふりかざし、陰湿な策謀をめぐらす編集幹部との馬鹿げた会話が次々に頭をよぎる。しばらく忘れていた怒りがぶり返してきたのだった。う〜ん、まだまだ修行が足りないなあ。でもその怒りは単行本に収録する原稿にぶつけたから、まあいっか。

 「セカンドインパクト」の「司法改革」のページに、聴覚障害者の立場から司法改革を訴える関東ろう連盟理事長のインタビュー記事を追加更新しました。「彼氏彼女の事情」のページに、原作単行本(コミックス)第10巻の雑感記事を追加更新しました。


10月23日(月曜日) 難しい選択

 出版社の人たちと週末に韓国・ソウルへ行くのだが、何と成田に午前7時半集合だそうで、ボーゼンとしている。インターネットの「路線情報」で調べてみたら、横浜から成田空港までJR成田エクスプレスほかを使って2時間半もかかるのだ。つーことは家を午前5時には出なくっちゃならんぞ…。う〜ん。前日は早く寝るか、それとも寝ないで出かけた方がいいか。朝が弱い(というか夜寝るのが遅い)僕としてはなかなか難しい選択だなあ…。そもそも最寄り駅からの始発電車はあるのかな。あした調べておかなければ。

 森クンったら… もう森クンは、国内で馬鹿げた発言をしたり個人的に恥をさらしたりを繰り返すレベルにとどまらず、とうとう国辱ものの無能者ぶりを発揮して、どーにもこーにもといった感じである。北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の拉致疑惑で、第三国で行方不明者として発見されたということで解決しようというアレだ。トップシークレットのはずの外交交渉内容を、関係ない英国首相にへらへら話しちゃったというのだから驚いてしまう。解決方法の是非はともかく、外交機密を話しちゃったら交渉にならんっつーのは国際常識じゃん。これではもうどこの国も、まともに相手なんかしてくれないよ。いくら頭の中に地元の石川県関係者のことしか入っていないと言っても、ここまで無能だったのかね…。それとも日朝関係をぶち壊すために、わざとやっているのかな。だけど米国はさっさと北朝鮮と関係修復をスタートさせているんだよなあ。まさか日本独自の外交路線を突っ走ろうというのか。しかし、どう考えても国益にはマイナスしかないと思うんだけどなあ。


10月24日(火曜日) 都人事委の公開口頭審理を傍聴

 午前中は文部省などに電話取材。午後から東京都庁へ。猛スピードで駆け上がっていく高速エレベーターに乗ると、あっという間に目的の高層階に到着した。恐ろしく速い。東京都人事委員会の審理室へ。「昨年春の入学式で校長が『君が代』のピアノ伴奏を命じたのに従わなかった」として、都内の小学校の女性教師が戒告処分された事件の公開口頭審理を傍聴する。女性教師が「処分は不当」と提訴し、その第1回審理が開かれたのだ。

 この日は当時の校長に対する証人尋問だった。「憲法や思想・信条の自由を無視してでも職務命令を出す。教師はそれに従うべきである」…。言葉はこの通りではないが、趣旨としてはこういうことを、退職してからもまだ堂々と言ってのける愚かで哀れな校長の姿がそこにはあった。最高法規である憲法の存在や基本的人権の規定を、この人物はどう考えているのだろう。ちなみにこの校長は定年を待たず、今年3月に退職している。審理終了後、都庁近くの喫茶店で弁護士や関係者と懇談した。

 新宿の紀伊国屋書店を散策してから四谷の出版社へ。僕あてに届いている郵便物や書類などを受け取って帰宅の途につく。だ、だがしか〜し。山手線に乗ってから、郵便物と書類一式を編集部に忘れてきたことに気付く。大ボケである。おいおい、何のためにわざわざ編集部に立ち寄ったんだよ〜。う〜ん。編集者と取材の打ち合わせをしたから、まあいいか…。しかし絶対に必要な書類だから、あしたまた取りに行かなければならないよ…。とほほ。


10月25日(水曜日) 満席…

 午後から、東京・高輪の国民生活センターへ。消費者教育と司法教育などについて取材する。夕方、四谷の出版社へ忘れ物を取りに行く。ああ、情けない…。

 みどりの窓口で聞いたら、JR成田エクスプレス(特急)は満席だという…。う〜む。仕方がないからJRエアポート成田(快速電車)で行くしかないな。しかも、市営地下鉄の始発電車ではJRには接続しない(間に合わない)ので、遠くにある別の鉄道会社の駅まで歩いて行くことになりそうだ。全く地下鉄は使えないよ。さてさてこれから、少しでも寝るか、寝ないで出かけるか…。


10月26日(木曜日)〜28日(土曜日) ソウル旅行

【10月26日】 骨付きカルビ そんなわけでソウル旅行だ。出版社の社員旅行にお招きいただいたのである。結局、全然寝ない状態で成田空港へ行く。午前5時だとバスはまだ動いていない。私鉄の駅までタクシーで行って、横浜でJRエアポート成田に乗り換える。特急と違って快速電車なので、停車駅が多くてたっぷり2時間かけて走るし、座席は普通の長椅子で乗り心地も悪い。やっぱり成田エクスプレスに乗りたかったな〜(あきらめが悪い奴)。空港で出版社の編集者たちと朝食を食べる。機内食が出るのだろうが、とにかくを食べないと落ち着かないというので、みんなしっかり和定食を詰め込んだ。大韓航空でソウルへ。覚悟していたように機体はかなり大きく揺れた。気流の関係なのか操縦や機体に原因があるのかは不明だが、とにかく大韓航空機は揺れるのが常識なのだ。2時間余で金浦空港に到着。免税店で買い物をして時間調整。夕方、ソウル市内のホテルにチェックインする。

 編集者が韓国人の弁護士事務所へ取材に出かけている間に、居残り組は酒盛りをしたり昼寝をしたりと自由行動。なぜか一部の社員は旅行ついでに業務も遂行するのだった。ちなみにご招待客の僕は完全に観光目的である(笑)。仕事から帰って来た編集者と韓国人のエリート弁護士を交えて、夕食はホテル近くの韓国料理店へ。骨付きカルビの焼き肉や石焼きビビンパ、冷麺などを大量に食べまくる。食べ過ぎて苦しい〜。だけど幸せ〜。つー感じだ。

【10月27日】 非武装地帯(DMZ) 朝から大韓旅行社のガイドさんの案内で、南北分断地域を見学する。板門店は残念ながら定員オーバーのため許可が下りなかったが、ソウルから北へ約44キロの非武装地帯(DMZ)に北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が南侵のために掘ったとされている「第3地下トンネル」や自由の橋、トラ統一展望台などを見て回った。展望台からは双眼鏡で北朝鮮の国境地帯を眺めることができた。たったそれだけなんだけど、ほんの一部ながら民族分断の生々しい実態を垣間見ることができた(ような気がする)。見学ツアーにはパスポートの携帯は当然で、軍の施設では宣伝映画を見るのが義務付けられているし、武装軍人がものものしい警備を随所でしているが、そんなにピリピリしたというほどの緊張感を感じなかったのは、南北に少なからず相互理解のムードが漂っているからかなあ…。地下トンネルはこれまでに発見されたものだけで4つあって、ほかにも二十ほどあるらしい。ベトナム戦争でゲリラ戦をするため、解放戦線が全土に張り巡らした地下通路にヒントを得て造ったとされる。ことの真偽はともかく、この情熱と労力には何とも言えない凄味と物悲しさを感じた。

 韓国の裁判所 夕方、韓国の地方・高等法院(裁判所)をアポなし取材。ところがなんと、二年前に日本に研修に行ったことがあるという高等法院の裁判官があっさり会ってくれた上に、法廷案内までしてくれるという応対をしてくれたのだった。そのざっくばらんさと懐の深さには、驚くやら感激するやらである。日本の高裁判事がそんな対応をしてくれるかというと、そもそもこのような人間的な振る舞いをするなんてことが、まずあり得ないだろう。そう言えば、韓国の法廷は午後7時くらいまでやっているんだぜ〜。日本なら午後4時か遅くても5時前にはさっさと審理は打ち切られて、続きは次回になるもんな。さらに驚いたのが、韓国の裁判所では傍聴人の立ち見もOKということだった。ちょうど開廷中の背任・横領事件の法廷を見せてもらったら、廷内は立ち見の傍聴者でぎっしり詰まっていたのだ。日本では定員以上は入廷させない。

 昼食は海鮮チゲ鍋。夕食は韓国の精進料理に民族舞踊付き。何を食べてもうまい。またしても苦しいほど腹いっぱい食べた。南大門市場、東大門市場などを散策。きょうはたくさん歩いたなあ。

 【10月28日】 皮のジャケットを買う 昼近くまで爆睡して再び東大門市場へ。カッコいいスエードのジャケットを発見する。韓国はただでさえ日本に比べると物価が安いのだが、皮革の衣料品はまた一段とお買い得なのである。いいものがあれば欲しいと思っていたら、お気に入りのデザインと色で、しかも着心地のいいジャケットが見つかったのだ。値段は19万ウォンだという。日本円にすると約1万9千円。う〜ん。この間、日本でいいなあと思った皮のジャケットは6万円という値段が付いていたので断念したんだよなあ。でも今はあんまりお金がないし…。しばし思案する。だがしか〜し。外野からの「日本で買うことを考えたら安いよ?」「すっごい似合っているよ」などの声に買う意思が固まる。店のおじさんに交渉してみたら1万5千円にしてくれた。ラッキー。これはいい買い物をしたなあ〜。続いて骨董品街へ。お洒落な喫茶店でエスプレッソを飲んで、小物などを見て回る。いったんホテルに戻ってから金浦空港へ。キムチやタラの内臓の塩辛を買う。食品を買うつもりはなかったんだけど、試食したら結構うまいのでついつい…。

 夕方に金浦空港を離陸した大韓航空は、恐ろしいほど揺れた。行きの便の比ではなかった。終始ガタガタと縦横に揺れ続けたのだけど、名古屋上空のあたりでは機体が左右に大きく振れたかと思ったらその直後、エレベーターが急降下するように、たぶん百メートルほどガク〜ンと高度が下がったのだった。乗客の間から一斉に上がる悲鳴…。こんな揺れ方は初めての経験だ。まじで落ちるかと思ったぞ。こーゆーのは心臓によくないっす。成田に無事着いた時は心からほっとした。帰りは日暮里で京成からJRに乗り換え。東京・横浜は冷たい雨が降っている。午前零時半帰宅。


10月29日(日曜日) でたらめ政権

 そう言えば韓国旅行をしている間に、中川官房長官が辞任したんだよねー。写真週刊誌と出版社系週刊誌の連合軍にきついボディーブローを食らい、テレビのカウンターパンチでノックアウト。たぶん一連の辞任までの流れを陰で支えていたのは自民党主流派に敵対する派閥で、そこから情報のリークがあってこその騒動だろうが、いずれにしてもとんでもない内閣であることは事実だから、辞任は当然とは言える。だけど、そもそも森首相のこれまでの言動が放任されていること自体が異常なのだ。中川官房長官の言動だけでなくてその前の青木官房長官の言動にしても、もうめちゃくちゃ。何から何まですべてが常識では考えられない噴飯もののお粗末さで彩られているところが、日本政治の絶望的な悲しさだ。ちゃんと選挙で意思表示しなくっちゃ。このままではなめられっ放しじゃん…。

 ところで野中・亀井のコワモテコンビ二人がそろいもそろって、今回の中川醜聞報道を「人権・プライバシー侵害だ」などと叫んでいるのには、手の込んだ冗談かと思って笑ってしまったぞっ。ギャグとしか言いようがないぜ。公人の醜聞や問題発言や反社会的言動を広く知らせるのは、知る権利への奉仕であって高い公益性があるに決まってんじゃん。さらにそこに「放送法」を持ち出して来るなんて、まさに恫喝(どうかつ)そのもので、お里が知れるとはこういうことを言うのだろう。そもそも放送法の条文も憲法もご存じない放言のようで、もう馬鹿丸出しって感じである。監督官庁の郵政省からも相手にされていないっつー話だもんな。それともわざと暴言を繰り返しているのかねー。うん、それは十分にあり得るな。

 寒くて寒くてたまらん。東京や横浜は初冬の気温だという。セーターを引っ張り出す。ホットカーペットが、足元からぽかぽかして気持ちいい。


10月30日(月曜日) 記者の服装

 あちこちに電話をかけまくって大ざっぱな取材。ターゲットは出張や休暇なども多かったが、予定の半分くらいは達成できたのでまあ可としよう。夕方から自宅近くのスーパーとジーンズショップに出かける。仕事でもプライベートでも大半をジーンズ派で通しているんだけど、珍しくチノパンツを2本買った。ちゃんとした場面ではもちろんスーツを着るが、さすがにジーンズだとまずいかなあ…なんて思う場面がたまにあったりする。そんなわけで、まあこれなら「くだけた服装」を少しくらいはごまかせるかもしれない、と思えるようなパンツを選んでみた。いずれにしてもラフな格好に変わりはないじゃんと言われたら、そういうことになるのだが…。

 僕はこういう割とラフな服装が新聞記者時代から好きで、仕事の時もいつもお気楽なスタイルで過ごしていた。特に支局勤務や本社勤務だと、きちんと仕事さえしていればノーネクタイであっても全く何も問題はない。おまけに通勤ラッシュなんかもまるっきり無縁なのだ。そこが記者稼業のいいところなんだよな〜(さすがに県庁詰めの時にはスーツを着用したけど)。服装と出勤スタイルが気楽なのはフリーランスの今も変わらない。


10月31日(火曜日) 大人社会にこそ問題がある!

 刑事罰の対象年齢の引き下げなどを盛り込んだ少年法改正案が衆院本会議で可決された。昔から「親の顔が見たいね」という言葉があるが、一言だけ指摘しておきたいのは、少年事件の多くは家庭環境や親の教育にこそ問題の背景があるんじゃないかなあということだ。これは貧富の差はたぶん関係ない。金銭的に物質的に恵まれているかどうかよりも、むしろ精神的に豊かかどうかによって人間の考え方や行動は規定されるのではないかと思う。一方的な価値観を押し付け、規範となるべき行動を見せず、むしろその逆の言動を見せつけ、自己中心的な振る舞いを内外で平然と繰り返す…。そんな親や大人で周りがいっぱいだとするならば、子どもたちは「世間や社会ってそんなものか」と思ってしまうだろう。

 街の中や電車の中、会社、学校、家庭、病院、警察、役所、政治の世界で、延々と繰り広げられているでたらめな大人たちや不祥事の数々を目のあたりにすれば、どこかしら心が病んだり歪んだりした子どもが育ってきてもおかしくない。社会性や倫理感の欠如した人々のサンプルはいくらでもあるわけだから。人も動物もみんな大人や親の真似をして大きくなるのだ。自分のやっていることを自信を持って子どもに説明できるかを、大人たちは自問自答してみればいい。そういう意味で言えば、日本社会はトンデモナイ大人たちを「拡大再生産」しているのではないだろうかと心配する。大事件や悲惨な犯罪にまで発展しないにしても、これでは確実に社会はおかしな方向に進むばかりだ。少年法をいじくるよりも、憲法や教育基本法でうたわれている基本理念を、きちんと実践することこそが大切なんじゃないだろうか。どうも本末転倒の道を歩んでいるような気がしてならないんだけどなあ。


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