身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2008年1月1日〜1月31日

●印刷終了●投函しました●合掌●「戦争と情報統制と『国益』」●ジャーナリスティックな視点●教員氏名収集「不適当」と答申●NHK記者の職業倫理●受信送信メール消失●「アドレスの履歴」発見●恥ずかしい「年号の誤記」●朝まで飲み会●答案の出来がよくない●出稿と成績評価●講演と新年会●NHK土曜ドラマ「フルスイング」●風邪でダウン●シラバス登録●TBSラジオ収録●切手シート3枚●●●ほか


1月1日(火曜日) すっきりしない元旦

 元旦の横浜は厚い雲がたれ込めて、どんよりした感じですっきりしない。たまに雲の隙間から太陽が顔をのぞかせたりももするが、青空が広がって冷たい空気がピーンと張り詰めるといったいつもの元旦とは、かなり様子が違っている。なんとも晴れやかさのない新年の幕開けだ。格差と沈滞ムードが広がるニッポンを象徴している正月の風景?…などと評するのは言い過ぎか。ともあれ、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。


1月3日(木曜日) 印刷終了

 ようやく年賀状と寒中見舞いのプリントが終わった。裏面のデザインと短いあいさつ文を書いて版下を作成し、住所録を整理してから、一気にプリンターで両面を印刷。この後は、手書きで簡単なコメントを書き込めば作業完了だ。毎日たくさんの年賀状が届くたびに焦りを募らせていたが、これでようやく投函できる。そんなわけで、今年もやっぱり旧年中の発送は無理でした。それどころか、三が日も過ぎてしまいましたとさ。反省。


1月4日(金曜日) 投函しました

 年賀状と寒中見舞い(喪中のはがきをいただいた方に出すためのもの)は、やっときょう投函しました。いつも新年のごあいさつが遅くて申し訳ありません。でもまあ、今さらそんなことを言わなくても、「あいつの年賀状はいつも遅いから」ってみんなもう十分に分かっているか。いやいや、そーゆー問題じゃないよな(汗)。


1月5日(土曜日) 合掌

 いただいた年賀状で、横須賀の中学校の先生が昨年末に亡くなられたことを知ってびっくりした。59歳だった。まだまだこれから活躍が期待される年齢だというのに、天に召されてしまったのは残念でならない。15年ほど前に取材を通じて知り合い、公私ともにとてもお世話になった先生のお一人だった。教職員組合の中心で精力的に教育問題に取り組み、組合役員を退いた後も学校現場で意欲的な活動を続けていた。大事なことをとてもたくさん教わった。心からご冥福をお祈りします。合掌。


1月7日(月曜日) レジュメ

 頼まれている講演のレジュメを作って、主催者に送信。これまでいくつかの場所で話をした内容を大幅に手直しした。圧縮できるところは簡略化したつもりが、結局はあれこれ詰め込み過ぎになったかもしれない。だけどまあ、雰囲気を見ながら適当にアレンジして話せば、なんとかなるのではないかと楽観視している。


1月8日(火曜日) ゲラ

 編集部から届いたゲラをチェック。10行以上もあふれている。削ろうと思えばなんとかなる範囲だが、逆に加筆挿入したい重要判例があったので担当編集者と相談。その結果、調整のための関連写真を入れることで、1ページ増やしてもらえることになった。削らなくていいし、加筆分もすべて収容。めでたしめでたし。


1月9日(水曜日) 「戦争と情報統制と『国益』」

 コートを着て歩くと汗をかくほど暖かい。3月の陽気だという。午後から授業。「戦争と情報統制と『国益』がテーマ。戦時中の大本営発表のように、国家権力によって情報統制・情報操作されることの怖さを解説しながら、ジャーナリズムの存在意義について説明する。私語や居眠りはほとんどなく、いつもより真剣な表情で授業を受ける学生が多かった。授業の終わりにいつも意見や感想などを書かせている出席カードからも、きちんと話を聞いている様子がうかがえる。熱弁を振るった内容が、正しく伝わっていて安心した。以下、学生の感想を一部紹介する(抜粋)。

◇◇

●授業を受けて、改めてジャーナリズムの正しいあり方を再確認することができた。よく使われる「国益」という言葉が、捉え方によっては危険な言葉であるという先生の意見には私も賛成できた。メディア(ジャーナリズム)の役割とは、国民に判断するための材料(情報)を与えることだということがよく分かった。

●一番印象に残ったのは、「メディアが使う言葉には意味がある」ということです。常に中立な立場で報道するべきメディアですが、「わが国」などの何気ない表現が、政府・政治家などと一体化してしまうと知って驚きました。NHKのニュースで「わが〜」とキャスターが言うか注意して聴いてみます。言葉にはその人が伝えようとする姿勢が分かるので、言葉遣いは大事ですね。

●タウンミーティングでの「やらせ」質問や戦時下での情報統制は、いずれも国家がジャーナリズムを使って国民をマインドコントロールしていたことになる。ジャーナリストは国家と結びつかず、真実を国民に伝える責務があると思う。

●ウィキペディアが省庁からの修正を受けているという話は驚いたし、身近に情報コントロールされたものがあるのは知らなかった。ネット上の情報を100%信じるのは危険だなと感じました。

●私も、戦争がいけないのは「多くの人が亡くなるから」と考えていた一人でした。ですが実際は、権力の一人歩きの状態になることが危険なのであり、権力を監視する立場にあるメディアが戦争を肯定してはならないということが、よく理解できました。また、「わが国」という言葉についてですが、こんな短い言葉が、政府を監視すべき立場にあるメディアを「政府の代弁者」にしてしまい、中立性を失わせる危険な部分があることに驚きました。メディアは報道の姿勢を正し、国民は情報の判断力を高め、双方が力を合わせてこそ真のジャーナリズムが達成されると思いました。

●戦争というものがなぜいけないのか、人によって違う答えになるのだろうけど、今回の講義で、人々の言論の自由が奪われてしまうというのも大きな理由の一つだと感じることができた。政府の都合で行われる戦争によって自由を奪われてしまった国民に、権利など存在しないのだ。

●戦争のイメージとして、人を殺すことなどがありますが、それ以前に自由や人権がすべて失われるという恐ろしさがあることを、私は考えてもみなかった。戦争に反対という気持ちは変わらないですが、戦争の意味についてこの機会に考え直す必要があると感じました。

●「わが国」という言葉を使うと、当事者になって中立の立場ではなくなるということを知らなかったので驚きましたが、納得もしました。ニュースは人並みに見ていますが、今度から注意して見てみようと思います。


1月11日(金曜日) 編集会議

 午後から都内。2月に創刊される冤罪専門誌の編集会議。広告版下の確認や第2号の打ち合わせなど。裕福なスポンサーが資金援助してくれているので、複数の全国紙に大々的に広告を出すという。さすがだ。それにしても延々と6時間半も会議が続いたのには閉口する。疲れ果てた。会議終了後、編集長やメインスタッフと新大久保で遅い夕食。インドネシア、マレーシア、ベトナム、中華など、アジア料理の店がいくつも集まった屋台村。調理しているのは各国の料理人で、なかなか美味しい。結構いい店を発見した。


1月14日(月曜日) 厳冬

 先週のぽかぽか陽気とは打って変わって、ものすごく寒い。この冬一番の冷え込みだという。真冬だからこの寒さが当たり前なんだろうけど、気を付けないと風邪を引いてしまいそうだ。寝る前には布団乾燥器をフル稼働させて、ほかほか布団で心地よく眠れるようにしている今日このごろである。


1月16日(水曜日) ジャーナリスティックな視点

 午後から授業。今年度の「現代ジャーナリズム」は来週が定期試験になるので、授業は今週が最後となる。「『伝えること』と問題意識」がテーマ。伝えるというのは記者だけの話ではなく、表現する舞台はあらゆる場面にあることを説明し、「自立した市民」として常に問題意識と疑問を持って、「ジャーナリスティックな視点」でものを見る姿勢が大切だと訴えた。情報を鵜呑みにせず、主体的にメディアを読み解くことが習慣となれば、そういう姿勢が日常的となるわけで、それがこの講座のねらいでもある。おまけとして、自民党と民主党の「大連立騒動」を画策した読売新聞のナベツネ氏の問題と、朝日新聞に対して事実をねじ曲げた「論争」をしつこく仕掛ける(そして必ず朝日に一蹴される)産経新聞のコラムを取り上げた。

 授業後に書かせた感想文を読むと、ほとんどの学生は講義の意図をとてもよく理解してくれていた。残念ながら一部の学生には「馬の耳に念仏」の状態で、全く話が通じてなかったみたいだ(ほとんど話を聞いていなかったのだろう)が、たぶん例年の事例から考えて、論述試験でまともな答案は書けないと思われる。僕もそれほど心の広い人間ではないので、こういう学生のフォローまではさすがにできかねる。まあ、そこのところは自己責任で頼む。

 図書館で調べものをしてから、大急ぎで東京・新宿へ。冤罪専門誌の編集会議。前回に続いて第2号の打ち合わせなど。僕の担当する原稿など、大まかな内容が固まる。裁判官シリーズのほか、別の原稿も引き受けることになった。締め切りまでそんなに時間があるわけではないので、頑張って取材しなければ。


1月17日(木曜日) 教員氏名収集「不適当」と答申

 夕方から横浜・関内。神奈川県個人情報保護審議会を傍聴取材。国歌斉唱時に起立しなかった教職員の氏名などを、神奈川県教育委員会が校長に報告させていた問題を検討していた審議会は、「氏名収集は不適当」とする答申を全会一致で決定した。多様な意見をまとめるためには仕方ないのかもしれないが、かなり分かりにくい文章で(むしろ駄文にもほどがあると言っていい)、あいまいな表現が目立つ答申だ。言わんとすることは理解できるけれども、しかし解釈の仕方によっては、都合のいいように曲解して利用されかねない。そんな不安も懸念される答申となっている。

◇◇

◇不起立教職員の氏名/「収集は不適当」と答申/神奈川県審議会/写真よこ

 卒業式や入学式の国歌斉唱時に起立しなかった教職員の氏名などを、神奈川県教育委員会が校長に報告させていた問題で、同様の個人情報を継続収集する是非を検討していた県個人情報保護審議会(会長=兼子仁・都立大学名誉教授)は一月十七日、氏名収集は「不適当」とする答申を全会一致で決定した。

 県個人情報保護審査会が昨年十月の答申で「氏名情報は条例が取り扱いを禁止する個人の思想信条に該当する」と認定したため、県教委が条例の「例外規定」適用を求めて審議会に諮問していた。

 審議会答申は、「県教委は公務員の職務・服務に関するものとして、本件個人情報の取り扱いは思想良心の自由の人権保障と両立するとの法的見解のようだが、これを是とする答申に至るのは不可能。本件の思想信条情報の取り扱いは、憲法上の人権問題に深くかかわる」と指摘し、「思想信条情報を例外的に取り扱う正当性や必要性を積極的に認めて、諮問内容を適当とする答申を行うことはなしがたい」と結論付けた。

 一方で、「諮問内容を不適とする答申を踏まえて、最終的にいかなる職権行使をするかは、実施機関である県教委に委ねられている」との条例上の解釈を明記して、県教委の最終的な判断に任せる表現を残した。

 審議会終了後、兼子会長は「全会一致とするため非常にあいまいな表現になったが、個人情報収集の合憲を前提とする県教委の諮問に対し、審議会が合憲のお墨付きを与えなかったことははっきりしている。専門家でない委員のために非公開の勉強会を何回か開けば、憲法判断ができたかもしれない。三月の卒業式までに結論を出すにはその余裕はなかった」と説明し、「今後の県教委の姿勢に注目してほしい」と述べた。

 県立高校教員の一人は「日の丸・君が代の強制に反対する人たちに、この答申は勇気を与えると思う。県教委は答申を無視して氏名収集を続けることになれば、諮問制度を自ら形骸化することになる。県教委は答申を十分に尊重してほしい」と強調した。

 県高校教職員組合も、「県民各層の代表を委員とする審議会が妥当な答申を出した。行政から独立した機関の判断を県教委は尊重すべきだ」と答申を高く評価した。

 これに対し県教委は、「答申内容をよく精査して慎重に対応したい。国旗・国歌の指導については、これまで通り学習指導要領にのっとり粘り強く教職員に対して指導したいと考えている」との教育長コメントを出したが、個人情報収集の継続については明言を避けている。

【写真説明】「氏名収集は不適当」とする答申を全会一致で決定した神奈川県個人情報保護審議会=2008年1月17日午後7時過ぎ、横浜市中区のかながわ労働プラザで


1月18日(金曜日) NHK記者の職業倫理

 NHKの報道局記者ら3人が、放送直前の特ダネのニュース原稿をシステム端末で見て、資本業務提携する企業の株をネットで購入し、翌日に売り抜けて利益を得たとして、インサイダー取引の疑いが持たれているという(2人は容疑を認め1人は否認)。とんでもない話だ。そもそも、報道関係者は職業倫理として株の売買などにかかわるべきではないし、かかわってはいけないと思う。こんなことがまかり通れば、まともな取材活動なんてできなくなってしまうではないか。報道記者やディレクターだけでなく、広告や営業関係の部署であっても、報道機関で働く人間にはすべて同じような職業倫理が求められるべきだろう。というか、むしろ組織として就業規則などで禁止しているのが当然だと思っていたが、NHKの場合はそうではなかったということか。ちょっと信じられない。

◇◇

 受信送信メール消失 メールソフトのトラブルで、受信メールボックスと送信済みメールボックスの過去メールが、すべて削除されてしまった。毎日200通近く届く迷惑メールは、メールソフトを閉じるたびに自動的に削除されるのだが、消さずに残していた仕事上や私的な受信メールがメールボックスに800通以上もたまっていたのが、どうやらトラブルとなった原因のようだ。

 メールをため込み過ぎてるとは思っていたんだよなあ。必要なものだけ残して、どうでもいいメールは消去しなければと考えていた矢先だった。どうしても絶対に必要なデータというわけではないけれども、心の準備ができていないのに突然、この1年ほどの受信と送信のデータがすべて消えたのはショックが大きい。まあ、思いきりよくメールボックスの大掃除ができたと考えるしかないか。

 そんなわけで、残されたのは復旧できた最近1週間の受信メールだけ。それ以前の受信メールはないし、こちらから返信したデータも残されていないので、メールをいただいた方のアドレスのほとんどが不明となってしまった。この「身辺雑記」をご覧になっている友人知人の皆さまへ。お時間があるようでしたら、お手数ですが空メールなどを適当に送ってくださいませ。こちらから連絡したいことがあってもメールできませんので。よろしくお願いします。


1月19日(土曜日) 「アドレスの履歴」発見

 きのうの「身辺雑記」で、「メールソフトのトラブルで受信メールボックスと送信済みメールボックスの過去メールが、すべて削除されてしまった」と書いたが、その後、「アドレスの履歴」なるものを発見した。なんだかよく分からないけれども、なぜかこの「アドレスの履歴」は削除されなかったみたいで、そこには過去に受信したメールのメールアドレスが、大量に詰まっていたのだった。名前とアドレスが一致するものばかりではないので、全部のデータが使えるわけではないが、ちょっとだけ助かったと言えるかもしれない。既に「メッセージ付きの空メール」(空メールじゃないじゃん=笑)を送ってくださった方もいますが、念のために引き続き「空メール」を募っています。何か書いて送ってもらえるとありがたいです。お騒がせして本当に申し訳ありません(ぺこぺこ)。


1月20日(日曜日) 集会取材

 昼過ぎから横浜・鶴見。卒業式・入学式シーズンを前に、神奈川県内の教職員が開いた「日の丸・君が代」対策交流集会(学習会)に顔を出す。起立しない教職員の氏名収集を「不適当」とした県個人情報保護審議会の3日前の答申や、管理強化が進む教職員の状況などが紹介される。弁護士の示唆に富む分析や学校現場からの生々しい報告は、いずれも具体的でとても勉強になった。「自分たちはこんなに頑張っている」といったスローガンが、延々と繰り返されるような集まりではなかったので、話を聞いていてまったく退屈しない。充実した気持ちで取材を終えることができた。


1月21日(月曜日) 恥ずかしい「年号の誤記」

 「身辺雑記」最新版のページの冒頭に掲載している年号を、正しいもの(2007年→2008年)に修正した。指摘されるまで、これまで全く気付かず放置していたよ。このサイトのトップページ(フロントページ)や「身辺雑記」総目次のページなどは、新年になってからきちんと差し替えたのだが、最も頻繁に更新しているページがこのざまではどうしようもないなあ。お恥ずかしい限りである。しかしまあ「身辺雑記」ではこれまでにも、日付や曜日を間違えたまま何回もアップしている前科があるんだよね。指摘を受けてそのたびに大慌てで修正している(汗)。

 実は新年になってから、2回の授業で学生に配ったレジュメの年号も2回とも「2007年」と誤記したままだった。授業が終わった後で気付いたんだけど、だれからも何も言われなかった。授業後に学生に書かせる感想文でも完全にスルーされていて、ひょっとして「見て見ぬふり」をしてくれたのか、それとも日付なんか見ていないのか、そのへんはよく分からないけど、それはそれで寂しかったりするよなあ。年度ということで言えば「2007年度」ではあるのだが(それはいかにも苦し過ぎる言い訳だ)。

 いずれにしても、日付を絶対に間違えてはいけないのは新聞記者としては鉄則である。「新聞で事実を伝えているのは欄外の日付だけだ」などと意地の悪い読者から揶揄されるくらいで、新聞社でも欄外の日付(「カンザシ」と称する)は印刷直前まで何回もチェックすることになっている。新聞社を辞めたといっても、現役記者が数字や固有名詞の確認を怠ってはいけない。眠かったので確認作業をいい加減にしてしまった。今は深く反省している。


1月22日(火曜日) 始発まで飲み会

 原稿執筆の調子がせっかく上がってきたのを中断して、夕方から東京・新宿へ。大学時代の友達2人と1年ぶりに会う。学生時代から全く変わらない店構えと品揃えの居酒屋で、新年会を兼ねた飲み会。終電近くになってもう1人が合流し、新宿東口から西口へ場所を移して、チェーン店の居酒屋で飲み直す。電車はもう走ってないし、ぐだぐだ状態で眠くて仕方ない。あしたは試験監督なんだけどなあ。始発の時間までカラオケ。店の外はめちゃめちゃ寒い。始発電車で横浜に戻ってくると雪が降っていた。早く寝なきゃ。


1月23日(水曜日) 答案の出来がよくない

 4時間ほど寝て、奇跡的に目覚ましの音色だけで起き出す。二日酔いと寝不足の頭で午後から大学へ。後期試験の監督。何も問題なく終えて講師控室に戻り、3時間ほどかけて一気に採点を片付けてしまう。う〜ん、しかしあまり答案の出来がよくないなあ。ちょっとショックだなあ。もちろん、しっかり書けている学生もいるんだけど、「Aマル」「A」「Aマイナス」といった評価から始まって「Cマイナス」までの格差があり過ぎる。しかも今年は「A」レベルの答案が少なくて、BとCがすごく多い。講師控室で「出来の悪い答案が多いので対応に苦慮している」と愚痴ったら、ほかの教員に「先生のせいじゃないですよ」とフォローされた。それはそうなんだけど、やっぱりがっかりだなあ。この後、出席とレポートの点数を加味して、成績評価をしなければならないのが憂鬱だ。大学のパソコンセンターで調べものとデータ出力をして帰宅。


1月25日(金曜日) 出稿と成績評価

 昨年末から頼まれていた原稿をようやく書き上げて出稿。400字詰めで十枚以上の論説だ(長っ!)。かなりの分量が与えられたと最初は思っていたが、得意分野ということもあって、これまでの取材や自分自身の経験を踏まえていくらでも書ける。結局はばっさりと削らなければならないほど、かなりふくれ上がってしまった。

 成績評価の作業を一気に片付ける。こういうのはやっぱり勢いが大事だ。絶対に終わらせるぞという決意と気迫が必要なのだ。まずは定期試験の成績を履修者名簿に転記し、次に残っていたレポートを採点して名簿に転記。さらに出席点をそれぞれ計算して、すべての点数を方程式に当てはめて合算。授業をきちんと聞いていたかどうかを反映して、ほぼ納得できる評価が導き出された。出席がパーフェクトでも、話を聞いていなければまともな答案は書けない。授業態度に見合う成績評価になったのでほっとした。


1月26日(土曜日) 講演と新年会

 昼過ぎから東京・国分寺へ。多摩教組の教研集会で話をする。前半は教育現場と教育行政の現状を解説し、後半では司法の実態と世論についての分析・提言をした。会場がめちゃめちゃ寒くて閉口したが、話はそこそこ納得して聞いてもらえたようだ。教研終了後、駅前の居酒屋で懇親会。その足で、東京・恵比寿へ。中学校同期のミニ同窓会を兼ねた新年会に遅れて参加する。三十人ほどが集まった。午前零時まで盛り上がって、その後もカラオケ、ラーメン屋とはしご。始発電車で帰宅。眠くて眠くてたまらん。


1月27日(日曜日) NHK土曜ドラマ「フルスイング」

 先週の土曜日からNHK総合テレビで始まった「フルスイング」は、かなり感動的なドラマだ。58歳でプロ野球の打撃コーチから福岡の私立高校教師に転身した高畠導宏さんの実話がモデルになっているのだが、高橋克実が演じる「高林導宏先生」の熱いこと熱いこと。暑苦しくて押し付けがましいいのではなく、薄っぺらな熱血教師でもなく、自分という人間をさらして体当たりでぶつかる「教師魂」が実に熱いのだ。高林先生は決して怒ったりしない。むしろ優しさと愛情にあふれている。「お前の夢は何じゃ」と一人一人の生徒に問いかけて本音を引き出す。しかも問いかけっぱなしにするのではなくて、「お前を応援しとる人間が少なくとも一人はおることを忘れるな」と言って、それぞれの夢を本気で応援しようとするのだ。「こんな先生がいたらどれだけ励みになって、どれほど支えになることだろう」と思わずにはいられない。そしてそんな高林先生の姿は、生徒たちを変えていくだけでなく、周りの教師たちも大きく変えていくことになる(らしい)。少なくともこれまで2回の放送を見た限りでは、実によくできた脚本と演出で、ぐいぐいと話に引き込まれて見入ってしまった。脇を固める役者陣もいいが、高橋克実の「本気の演技」が素晴らしい。全6回。今後の展開にも大いに期待している。


1月28日(月曜日) 風邪でダウン

 このところ睡眠不足が続き、しかも明け方まで飲んで、おまけに底冷えのする始発電車で寒さに震えながら帰路につく、といったデタラメな生活を続けていたためか、やっぱり風邪を引いてしまったようだ。いつものように熱はないんだけど、頭がぼーっとして喉が痛くて鼻水が止まらない。もう完全にノックダウンである。とりあえず取材先にいくつか必要な電話をかけて、後は自宅でおとなしくするだけだ。あーあ、めちゃくちゃ寒かったもんなあ。


1月29日(火曜日) シラバス登録

 来年度の授業のシラバスを書く。これまで通りの内容なら、そのまま前年度のものをコピぺすればいいだけなのだが、来年度は少しだけ構成を変えてみようと思ったので、一部の回のテーマを差し換えたり入れ替えたりした。NHKをめぐる問題と「報道と政治との距離感」について、これまでより時間をかけて説明するつもりだ。その分、フリーランスの生活に関する雑談は大幅に割愛する。大学のウェブ上で登録して作業完了。風邪はまだ治らず。


1月30日(水曜日) TBSラジオ収録

 まだ風邪の症状は残っていて、頭もぼーっとしているのだが、昼前から東京・赤坂のTBS本社へ。ラジオ番組の収録。下村健一さんがキャスターを務める「下村健一の眼のツケドコロ」(土曜日の早朝6時40分〜6時55分放送)に、今井恭平さんとともにゲスト出演する。「全国こども電話相談室」や「アクセス」で使っているのと同じスタジオだそうだ。アットホームな雰囲気ながら、やや緊張気味で収録に臨む。あさって2月1日に創刊される冤罪専門誌「冤罪File」が今回の番組テーマ。メイン執筆者の今井さんが雑誌創刊の意図などを説明し、僕も執筆者の一人として、同誌で取り上げている裁判官や「裁判員制度PRビデオ」について話をした。言い足りないこともあったような気もするけど、まあこんなものかなあ。なかなか面白い体験だった。TBSラジオで2月2日に放送。早起きの習慣のある方は、よかったら聴いてみてください。

 下村さんらと社内レストランで昼食後、新宿の伊勢丹へ。中学時代の同級生の個展に顔を出す。「第4回、瀬川智貴・油彩画展」の初日。絵はがきなど印刷されたものと実際の作品を見るのとでは、当然のことながら雲泥の差がある。雄大な自然を扱った作品が多いが、慶応大学やお茶の水の風景を描いた作品もある。慶応や明治の卒業生は購入意欲がかき立てられるかも。2月5日まで。


1月31日(木曜日) 切手シート3枚

 今年のお年玉付き年賀はがきは、切手シートが3枚当たった。昨年は過去に例のない0枚だったので、少しほっとする。どうでもいい商品ではあるのだが、さすがに0枚は納得できないもんなあ。できれば宝くじの高額賞金が当たってほしいんだけどね。近くの郵便局で、成績評価をマークシートに転記した採点簿を郵送。余った年賀はがきを普通の官製はがきと交換。


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