身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2008年3月1日〜3月31日

●PHSのバッテリー●刑事弁護●成績質問票●つじつま●PHS機種変更●元教え子の意外なつながり●「虚偽の説明」による契約●とりあえず原稿1本●自縄自縛●もう1本も送信●雰囲気のいい飲み会●緊急憲法シンポ●花見の会●今ごろ確定申告の準備●●●ほか


3月1日(土曜日) PHSのバッテリー

 ケータイ(PHS)のバッテリー残量がこのごろ、すぐに底をつくようになってきた。数回の着信に数十秒ほど応答して、こちらから短時間(2〜3分ほど)発信しただけで「充電してください」と表示される。日常的にそれほどPHSで通話しているわけではないし、メールのやり取りはパソコンがほとんどだけど、外出先での連絡手段としては必要不可欠な存在だ。それなのにこんな状態では使いものにならなくて困る。現在の機種に買い替えて2年3カ月。そろそろバッテリーの寿命なんだろうか。バッテリー交換か機種変更か。いずれにしても余計な出費がかかってしまうなあ。


3月3日(月曜日) ひたすら電話

 終日、あっちこっち電話をかけまくってひたすら情報収集とアポ取り。それなりの成果があった(のではなかろうか)。何はともあれ、原稿の締め切り時間との闘いである。


3月4日(火曜日) 刑事弁護

 午後から都内。冤罪事件や再審請求事件をいくつも手がけているベテラン弁護士の話を聞く。歴史的にも有名な刑事事件の弁護を引き受けたからといって、それで経済的に恵まれるわけではない。むしろ金銭面では持ち出しになってしまうし、誠実に弁護活動をすればするほど収入は減ることになる。「裕福な暮らしができなくても家族がそこそこ食えればそれでいい」。そうした活動を支えているのは、「誤った裁判で被告人を処罰させてはならない」という弁護士としての誇りと信念だ。これは刑事弁護に誠実に取り組んでいる弁護士に共通する思いと言える。

 独立して個人事務所を構えている弁護士なら、自分の責任で比較的自由に振る舞えるが、給料制で事務所に雇われている若手弁護士などの場合は、所属事務所の理解や同僚弁護士のバックアップがなければ、「儲からない」刑事弁護に力を注ぐのはなかなか難しい。冤罪を晴らすためには、現場に何回も足を運んで、関係者の話を聞いて、裁判所に提出する書面を作成するといった地道な作業の積み重ねが必要で、大変な時間と労力を要する。しかしそれでも、冤罪を晴らすのは困難を極める。膨大な量の証拠を持っている捜査当局が、情報開示しようとしないからだ。

 人員や資金の面でも、捜査側と弁護側とでは圧倒的な力の差がある。個々の弁護士の努力だけでは限界があるし、個人の信念や奉仕精神ではなんともならない問題だ。公正で公平な裁判は法治国家の基本だろう。誤審による悲劇をなくすために、まともな刑事弁護活動ができるような仕組みを国として整備すべきだと思う。


3月5日(水曜日) 成績質問票

 大学で担当している講座の単位認定結果について、納得できない学生や不服のある学生は、教務課を通して教員に質問できる制度がある。「試験はしっかり書けたはずで自信がある」とか「ほとんど欠席もないしレポートも提出したのにどうして不可なのか」といったことが書かれていて、こうした質問に対して教員は文書で回答しなければならない。僕も前にこの種の質問票を受け取ったことがあるが、ここ最近はなかった。出席(30%)とレポート(20%)と試験(50%)をもとに厳正に判断すると事前に告知した上で、成績評価と単位認定をしているので、疑問を差し挟む余地などないと理解されているからだと思う。

 しかしまあ、学生には学生の事情がたぶんあるのだろう。「就職先の内定が出ているので単位は落とせません」などと訴える学生はいつの時代にも存在する。研究室のドアに「そういう苦情は一切受け付けない」と宣言する張り紙が出ていたのを見たことがある。ほとんど授業に出席していなくて、レポートも全く出さず、試験の答案は当然のことながらまるで話にならない内容で、にもかかわらず「どうして単位がもらえないのか」などと平然と質問してくる学生は論外だが、ギリギリの当落ライン上の成績で特別の事情があるなら、配慮してあげようと思わないでもない。だけど試験を受けていなければ、いくらなんでもフォローしようがないよなあ。


3月6日(木曜日) つじつま

 いろんな人に取材しているのに、「これは」という証言やフレーズがなかなか得られなくて困っていたのだが、ここにきてようやく原稿にできそうな話が次々と聞けた。視点を変えて、何年か前に別件で取材した人たちに電話したのが功を奏した。過去の通帳を引っ張り出してみたら利息がたまっていて、思わぬところでピンチを切り抜けたといった感じだ。こんな調子で原稿が書けるかなあ…と実はかなり焦っていたんだけど、なんだかんだ言いながら、ギリギリ最後の段階になってつじつまが合うもんだな(苦笑)。


3月7日(金曜日) PHS機種変更

 駅前の家電量販店でケータイ(PHS)の機種変更をした。2年間継続して使えば、端末の代金は0円になるというので、消耗したバッテリーを交換するよりそっちの方がいいんじゃないかと判断したのだ。ただし、これまで僕が契約していた料金体系と割引制度は適用されず、基本使用料と通話料金が少しアップすることになってしまうのが不満ではある。メールの送受信はすべて無料で、PHS同士ならいくら話しても通話無料というのがメリットだそうだ。これまでメールはもっぱらパソコンでやり取りしていたが、新しい料金体系に合わせて、使い方を変えてみるかな。

 取材はほぼ終了。あとは、大急ぎで原稿にまとめる作業に入らなければ。3カ月ぶりに髪の毛をカットする。春らしく、やや短かめにしてもらった。


3月9日(日曜日) 元教え子の意外なつながり

 昼過ぎから横浜市内。痴漢冤罪で逮捕されて懲戒免職になった高校教師の支援集会で話をする。「これでいいのか日本の裁判」と題し、憲法感覚や人権感覚のない裁判官の呆れた実態とその背景などについて解説。前に取材したことのある元裁判官が、わざわざ埼玉から話を聴きにやって来てくれたとのことで恐縮する。

 集会が終わって会場の外に出たところで、「先生っ!」と呼び止められた。集会には高校の先生もたくさん参加していたので、最初は自分のことだとは思わなかったのだが、声をかけてきたのは、初めて大学の教壇に立った5年前に僕の授業を受けていた元学生だった。なんとこの「元教え子」は、(この集会の主役である)解雇された高校教師の後任の臨任教員として、昨年末から市立高校で教えているのだという。今春からは正式採用されて正規教員として勤務するそうだ。ええーーっ、そうなのか。そんなつながりがあったとは、解雇された教師や関係者もみんな知らなかったらしい。世間は狭いというか、意外なご縁があるもんだなあ。なんだかすごくうれしい気分になる。いい先生になってほしい。応援しています。

 北京料理の店で懇親会。2次会は沖縄料理の店。2次会の終わりごろから花粉症が悪化してきた。やばい、昼前に服用した鼻炎薬の効果が切れてしまったらしい。アルコールを飲んだから余計に症状が爆発したのかも。鼻水とくしゃみと目の痒さでボロボロだ。持っていたポケットティッシュ5袋すべてを使い果たす。最悪。


3月10日(月曜日) 生々しい話

 午後から都内の法律事務所へ。冤罪事件に取り組んでいる弁護士を取材する。実にリアルな生々しい話が聞けてよかった。いい記事が書けそうな予感がしてきた。


3月13日(木曜日) 「虚偽の説明」による契約

 ウィルコムのサービスセンターに電話して、機種変更手数料が無料になるサービスの手続きを済ませる。で、手続きした際に担当者に、気になっていた料金コースの変更について確認してみた。そうしたら、機種変更時に本体が実質的に無料になる「ダブルバリューセレクト」を申し込んでも、「これまで契約していた料金コースや割引制度はそのまま適用される」というではないか。えっホントかよ。ヨドバシカメラ(実名報道)の販売員が「料金コースを『定額プラン』に変更しなければ『ダブルバリューセレクト』は申し込めない」と明言してコース変更を求めてきたから、これまでより割高になってしまう料金コースに嫌々ながら変更したんだけどな。

 これでは、一方的な「虚偽の説明」によって「消費者が不利益を被る契約」をさせられたことになるではないか。サービスセンターの電話窓口の担当者も「元の料金コースの方がお得ですね」と言ってくれたので、速攻でこれまで通りの割安な料金コースに戻してもらった。危うく割高な料金を払わせられるところだったぞ。そんな販売員を置いておくのはまずいだろう。そうやって、ほかの客にも「不利な契約」をさせているのだろうか。ヨドバシカメラ(公益性があるので実名報道)に対する信頼感が薄らいだ。


3月15日(土曜日) とりあえず原稿1本

 原稿用紙20枚(約8000字)の原稿をやっと書き上げて、編集部に送信する。だがしか〜し。同じ分量の原稿を大急ぎでもう1本書かなければならないのだ。取材が長引いてしまって、締め切りはもうとっくに過ぎている。ピーンチとしか言いようがない。


3月16日(日曜日) 自縄自縛

 昼過ぎから東京・下北沢へ。教育問題を考える母親たちのグループの集まりで話をする。書きかけの原稿をとにかく早く仕上げなければならなくて、本当はそれどころじゃないんだけど、前から約束の集まりだから顔を出さないわけにはいかないのだった。まったくもって自分で自分の首を絞めているな。もう何が何やら…。


3月19日(水曜日) もう1本も送信

 なんとか原稿を書き上げて編集部に送信。原稿が遅くなって締め切りを過ぎてしまい、申し訳ありませんでした。自分でも何が何だかよく分からないけど、とにかく怒濤の1週間が過ぎた。まあ、とりあえず一段落ってことで、よしとしようジャマイカ。


3月21日(金曜日) 雰囲気のいい飲み会

 夕方から東京・銀座。高文研の編集者、フォトジャーナリスト、北海道新聞の記者2人と飲み会。銀座と言っても新橋寄りなので大衆居酒屋かと思っていたら、一応コース料理が順番に出てくるし接客もきちんとしていて、そこそこ高そうな店だった。刺身と茶そばが美味かった。編集者以外は初めて顔を合わせたのだが、全員ほぼ同年代ということもあって、いい雰囲気で楽しく会話がはずむ。マスコミにはやたらとは自己主張が強くて自意識過剰な人間が少なくないんだけど、そんな感じは全くない。基本的なスタンスや取材姿勢みたいなものが共有できたのは何よりだ。話していても疲れるだけで、ただただ辟易させられる人って結構いるからなあ。


3月24日(月曜日) 緊急憲法シンポ

 夕方から東京・霞が関の弁護士会館。今年2月の日教組教研集会のホテル使用拒否を考える「緊急憲法シンポジウム〜もの言う自由は今」を取材する。日教組の代理人弁護士、グランドプリンスホテル新高輪に対する要請運動を呼びかけた弁護士、朝日新聞阪神支局襲撃事件の元取材班キャップらが出席。「開催直前の一方的な解約は不可解・理不尽で、ほかの会場を探すのは不可能だ。周りに迷惑をかけるからダメというホテル側の使用拒否の主張によって、日教組の教研集会は迷惑な行事だと宣伝されてしまっている」「会場使用拒否の波及効果や委縮効果は大きい。これが正当化されれば同じような集会は開けなくなる。民主主義社会の基礎が脅かされる事態を許してはならない」などと口々に訴えた。

 プリンスホテルによる今回の会場使用拒否は、右翼にとっても世間から白い目で見られてマイナスにしかならないし、こういうことがまかり通れば、将来的に自分たちの言論・集会の自由も奪われかねないわけで、得することは何もない。プリンスホテルの今回の理不尽な対応には、右翼だって怒ってしかるべきだろう。そもそもプリンスホテルにしてもデメリットしかないのに、どうして集会直前になって契約解除を通告してきたのか。あまりにもかたくなに過ぎる姿勢がなんとも不思議だ。


3月27日(木曜日) 最高裁の桜

 記事に添える必要があって、午後から最高裁判所の写真を撮りに永田町へ。ちょうどいい感じに桜が満開に咲き誇っていて、威圧感のある最高裁の建物に妙にマッチしている。すぐ隣の国立劇場の桜も見事で、観光客らが熱心にケータイで写していた。


3月29日(土曜日) 花見の会

 夕方から平塚にある県立高校の先生宅で花見の会。庭の桜がライトアップされていて美しい。新築の豪邸を案内してもらったが、センスのいいデザインと設計に感心した。いわゆる建て売り住宅のような間取りとは違っていて、これは自慢するだけのことはある。さらにテーブルや椅子は天然の生木の素材を生かし、自分で磨いて加工するといった凝りようだ。テレビの「お宅拝見」の番組に出てきそうでカッコいい。相模湾で捕れたばかりの魚の刺身や焼き鳥などをご馳走になる。どの料理も美味しかった。ご馳走様でした。


3月31日(月曜日) 今ごろ確定申告の準備

 原稿の締め切りと確定申告の提出期限が重なっていて、もちろん原稿執筆を優先させたたので、確定申告の書類作成の時間がまるで取れなかったのだが、放置していた書類を作成する準備にようやく取りかかった。出版社から送られてきた支払い調書などの必要な書類を集めて整理し、昨年一年間の光熱費や交通費といった経費の内訳をこまごまと計算する。まったくもって面倒でうんざりするばかりだけど、毎年やっていると少しずつ慣れてきて、要領もつかめてくるもんだ。それでもやっぱり朝までかかってしまった。


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