身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2012年9月1日〜9月30日

●秋の気配?●残暑見舞い●ドラえもん生誕100年前●原発廃炉の道筋を明確に●NHKは財界の広報機関か●「陽だまりの彼女」●電話取材●「日の丸購入者に商品券」●秋の訪れ?●「コップのフチ子」さん●メディア内部から謙虚に●キッチン・グラン●高校教科書採択をめぐって●「オスプレイ拒否」●露骨な世論誘導と記事●福島原発は「サティアン」か●毅然と「原発ゼロ」を●ドラマ「花の冠」●人々を煽るメディア●FB友達とオフ会●この無責任な政治家たち●無責任で厚顔無恥な人々●まさに「財界のポチ」●自分と異なる存在●自浄作用がない●常軌を逸した日本書籍規制●「一蓮托生」って●無自覚で無反省●秋学期の講義初日●安倍氏の怖さの本質●情報はただではない●正気か大間原発の建設●「BJ」大全集に揺れる●予報通りの台風17号●●●ほか


9月1日(土曜日) 秋の気配?

 昼前からぱらぱらと雨が降り始めた。久しぶりのお湿りだ。これで少しは涼しくなるかも。9月に入ったとたんに秋の気配ということなのかな。しかし大気の状態は不安定で、晴れたかと思うと激しく降ったり止んだりと目まぐるしい空模様が続く。


9月2日(日曜日) 残暑見舞い

 ハードディスクが今春クラッシュしたパソコン(eMac)に、古いバージョンの年賀状ソフト「宛名職人」を再インストール。HDからサルベージした昨年までのデータをベースにして、残暑見舞いの版下をようやく完成させた。プリントアウトして投函。「おいおい今ごろ残暑見舞いかよ」という突っ込みは一切受け付けない(しかし内心では深く反省している)。昨日から断続的に雨が降って比較的過ごしやすくなったけど、まだもうしばらくは厳しい暑さが続きそうだから、この時期になって残暑見舞いを出してもきっとたぶん許されるよね(汗)。


9月3日(月曜日) ドラえもん生誕100年前

 ドラえもん生誕100年前祭(2112年9月3日誕生)で、香港でもお祝いのイベント。来場した香港人の若い父親は「小さいころからドラえもんを見て育った。アニメと国家の問題とは別ものですよ」。国境を超えて愛されるドラえもん。藤子・F・不二雄先生の偉大さが改めてよく分かる。馬鹿な政治家連中が遠く及ばない素晴らしい仕事をされたんだなあと思う。

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 政府は新しいエネルギー政策について、「将来原発ゼロを明記することも含め、原発をなくす方向で最終調整」しているそうだが、この言い方では「いま停止している原発を再稼働させない」ことや「速やかに廃炉にする」ことにはならない。「緩やかに温存させる可能性」は全くないと断言できるのか、まずそこをはっきりさせてもらわないと困る。

 「将来は原発ゼロも含めて」「なくす方向で」「脱原発依存」といった表現は、実にいい加減で無責任で危なっかしい。将来はなし崩しにされてしまうことも含まれているのではないか、との強い疑念を持つ。曖昧な表現は信用できない。「原発をなくす方向で」だと立ち位置がはっきりしない。旗幟鮮明な「原発は稼働させない」や「原発を順次廃炉にする」と区別して考える必要がある。

 そもそも安全性が確認されず、事故対策も講じられていないうえに、核廃棄物処理もままならない、そんな原発をとりあえず動かすなどということ自体が正気の沙汰とは思えない。原発がなくても電力供給は足りているし、停電しないことも証明されたのだから、政府は廃炉への道筋を明確に示すべきだ。そしたら総選挙では民主党に投票するよ。

◇◇

 深夜に駅前のスーパーまでちょこっと買い物に行った。店を出たら「バケツをひっくり返したような」という形容がぴったりの土砂降りの雨。自宅近くとはいえ念のために傘を持参してよかった。それでも足もとはびしょぬれになってしまったのだが、傘のない人たちは茫然自失といった様子。かわいそうに。


9月4日(火曜日) NHKは財界の広報機関か

 今夜のNHKニュースウオッチ9は本当に酷かった。民主党が原発ゼロを検討し始めたとたん、「それでは経済が持たない」とすかさず特集。原発ゼロになると電力コストが跳ね上がって、企業は海外移転し雇用に深刻な影響が出ると延々と伝えた。電気事業連合会や経済団体の広報かよ。露骨な世論誘導に言葉を失う。

 原発ゼロを、形だけかもしれないが検討し始めたこのタイミングに、「原発ゼロだと経済に深刻なダメージがある」と一方的に伝えるニュースウオッチ9は、あまりに露骨過ぎないか。原発の安全性や核廃棄物処理の問題、原発維持コストには全く触れず、経済活動への影響のみを強調するNHKは、もはや報道機関じゃない。公共放送が聞いて呆れる。


9月5日(水曜日) 「陽だまりの彼女」

 越谷オサム「陽だまりの彼女」(新潮文庫)を読んだ。ひとことで言うと純愛仕立てのSFファンタジー。「女子が男子に読んでほしい恋愛小説No.1」がオビのうたい文句だけあって、文章は読みやすく展開はスタンダードで面白かったが、途中でオチというか結末が予想できてしまった。

 こういう小説は嫌いじゃない。けなしてるんじゃなくて、どっちかというと好きなタイプだ。それが証拠に同じ作者の次作の「空色メモリ」(創元推理文庫)だって、品切れだったのにわざわざ複数の書店を探して買ったんだから。でもやっぱり「陽だまりの彼女」は、途中で先が読めてしまったのはちょっと残念だったかな。

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 「脱原発の方、視察お断り」北陸電、福島氏らを拒否(朝日)。社民党の福島瑞穂党首らによる志賀原発(石川県志賀町)の視察要請に対し、北陸電力が「原発の必要性に理解がない方への対応は難しい」との理由で拒否していたという。

 国会議員もなめられたものだなあ。国政調査権など歯牙にもかけない態度の北陸電力って、いったい何さまのつもりなんだろう。しかも福島原発事故を目の当たりにしたこのご時世に。ちょっと信じられない。こんな感覚の電力会社に原子力発電の運転を任せるなんてこと自体が、そもそもあり得ないんじゃないか。世論の怒りの炎に油を注ぐバカな電力会社だ。


9月6日(木曜日) 電話取材

 共同通信の金沢支局の記者から「日の丸」問題について電話取材を受けた。記事になるのかな。若手記者のようだったが、問題意識を持って頑張って取材してほしい。

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 痴漢冤罪で有罪になり懲戒免職された高校教諭が、処分取り消しを求め棄却された裁判の詳細。林克明さん執筆の記事です。

 → http://www.mynewsjapan.com/reports/1687

 「アタリの裁判官に巡りあえるか否かでその人の人生が左右されてしまう」と僕も書いたが、改めてそう思う。「わずかにまともな裁判官がいるだけ」という日本の司法はかなり絶望的だ。


9月7日(金曜日) 「日の丸購入者に商品券」

*「掲揚推進へ日章旗購入者に商品券 石川・中能登町」(日経)

 → http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG07017_X00C12A9CC0000/

*「石川県中能登町、日の丸購入者に商品券」(日刊スポーツ)

 → http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20120907-1012984.html

*「中能登町 日の丸購入者に商品券交付、『無言の圧力』批判も」(スポニチ)

 → http://www.sponichi.co.jp/society/news/2012/09/07/kiji/K20120907004062880.html

*「国旗購入者に商品券 中能登町 公金使用疑問の声も」(東京新聞夕刊・社会面)

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 紹介した「日の丸購入者に商品券」の記事は、いずれも共同通信の配信。文末の僕のコメントはかなり短い字数に凝縮されてしまっているけど、趣旨としてはこういう内容の話をした。それにしても2ちゃんねるなどでボロクソ叩かれてるな、僕のコメント。事実に反する「在日認定」までされてるし(苦笑)。

 僕は愛国心を否定したりしないし、個人の意思であれば「日の丸」掲揚はもちろん尊重されるべきだと思うが、「祝日に国旗を掲げるのが当然だ」「掲げないのはけしからん」といった無言の圧力を加えるような風潮・空気には危惧の念を抱く。「国家」への問答無用の忠誠を強いることにつながるからだ。日本は全体主義国家ではないのだから、行政・自治体が一方的な価値観を強要すべきではない。愛国心や国旗掲揚や国歌斉唱は、あくまでも個人の自由意志によるべきで、個人の国旗購入に公金を支出するというのは違和感がある。


9月8日(土曜日) 秋の訪れ?

 まだまだ残暑は厳しいけど、なんとなく秋の訪れを感じさせる横浜の空=写真(9月8日午後4時ごろ撮影)。

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 気分転換のために、文庫本のブックカバーを新規購入=写真。布製なので触り心地がいい。本の中身は秘密だ(笑)。


9月9日(日曜日) 「コップのフチ子」さん

 家電量販店の「ガチャガチャ」売り場でゲットした「コップのフチ子」さん=写真。カプセルトイのフィギュアで、本来はガラスのコップのフチに飾って鑑賞するらしい。とりあえずノートパソコンの上に座ってもらった。腰掛けたり、乗り越えたり、ぶら下がったりの7種ある。


9月10日(月曜日) メディア内部から謙虚に

 「マスコミ不信」の原因とメディアの病理を、テレビ局の内部から真摯に分析し自省した読みごたえあるレポート。こういうふうにメディアの惨状を謙虚に見つめて、反省しながら発信する業界人は残念ながらとても少ない。必死になって言い訳し、詭弁を弄して自己正当化し、都合の悪い事柄から話をそらそうとする人間が圧倒的に多い。それゆえになおさら貴重な報告だ。

 →【放送】日本のテレビ局はなぜ反原発の動きを報じ損ねたのか?金平茂紀(朝日新聞デジタル)。http://www.asahi.com/digital/mediareport/TKY201209070270.html?utm_source=echofon

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 日本の政治の惨状。ガラガラポンで「選挙の顔」を入れ替えて、失地回復できるかもしれない数少ない最後のチャンスを失った民主党。一方、数少ないハト派の総裁が出馬断念し、右へ右へと雪崩を打っているように見える自民党。さらにタカ派色を鮮明に露骨に展開し、イエスマンやゾンビ候補を寄せ集めた大阪維新。だいたいこんな感じ?

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 フジテレビ前で国旗を破った疑いで3人を書類送検。「ボロボロの国旗を掲げている」などとフジテレビ側に抗議したが、同社が交換に応じなかったため、強引に国旗を交換しようとしたという(毎日)。ワロタ。どっちもどっちだなあ。そう言えば自称愛国者って、どういうわけか意外と国旗を粗雑に扱ってる人が多いよね。


9月11日(火曜日) キッチン・グラン

 神保町のキッチン・グランで、メンチカツと生姜焼きの盛り合わせ定食を食べた。20年以上前の学生時代によく食べた懐かしい味と寸分も変わらない。甘辛たれが豚肉に絡んで、うまっ。しかもボリューム満点で安い。おじさんとおばさんのコンビは、じいちゃんとばあちゃんになっていた。ずっと元気で店を続けてほしいなあ。また食べに行こう。

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 高校教科書採択をめぐって、東京都教育委員会と横浜市教育委員会の「不法介入」問題を話し合う緊急市民集会を取材=写真(9月11日午後7時過ぎ、神保町の岩波セミナールーム)。

 東京都教育委員会は、実教出版発行の「高校日本史」の教科書に、国旗・国歌法の説明として「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」という記述があることを問題視。同社の教科書を使おうと決めていた都立高校の校長たちに対して「他社の教科書を選ぶように」と何度も電話連絡した。こうしたかなり執拗な働きかけの結果、実教出版の教科書の採択はゼロとなった。

 一方、横浜市教育委員会は、同じ実教出版の「高校日本史」教科書が、「新しい歴史教科書をつくる会」系の歴史教科書について、「日本の侵略加害の事実を記述する教科書を『自虐的』と非難」「アジア諸国からも強い批判がおこった」「採択の是非をめぐって大きな市民運動が各地におこった」などと記述していることを問題視。実教出版を採択したいとする市立高校4校の希望(意見報告書)を覆し、市教科書取扱審議会は別の教科書を採択するように答申し、市教委は他社の教科書を採択した。

 高校の場合は小中学校のような採択地区はなく、実際に教科書を使って教えるそれぞれの高校現場の意見が尊重され、審議会で承認されて答申されてきた。各高校の希望する教科書が採択されてきたのは、東京都でも変わらない。高校には各校の教育方針に基づいた独自の教育課程があり、在籍する生徒の実態は大きく異なっているとして、現場の意見が尊重されてきたからだ。

 現場の希望する教科書に対し、教育行政が突然不適切だと言い出した不自然さに現場は困惑するとともに、「教育内容への不当な介入・侵害だ」「裁量権の逸脱だ」と批判の声が広がっている。

 【追記】実際に学校現場で生徒に教える教師が、最も適切な内容だと考え、教えやすくて使いやすいと思う教科書を選ぶのは当然だろう。料理人が使いやすい包丁を仕事に使い、書道家が書きやすい筆を選ぶのと同じだ。そもそも外野が無理やり「これを使え」と強制することほど、不遜で馬鹿馬鹿しいことはない。

 ちなみに「つくる会」系の教科書は、批判的に笑い飛ばせる人が読むなら反面教師としてこれほど優れた「教科書」もないが、それだけの素養や実力がない教師が使うのは危険きわまりない。一方的な価値観を教え込む洗脳につながるおそれがあるからだ。日本を中国や韓国のような社会にしてはいけない。都教委や横浜市教委、保守派の人たちは、日本を中国や韓国のような上意下達の社会にしたいと望んでいるのだろうか、と不安になる。

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 琉球大学名誉教授の高嶋伸欣さん=写真=から、「オスプレイ拒否」の大きな見出しが躍る琉球新報と沖縄タイムスをいただいた。10万人が集まった9日の沖縄県民大会を、地元2紙は号外を発行して伝えるとともに、翌日の紙面でも1面と最終面の見開きで大きく報道した。「反対」でなく「拒否」の見出しに、沖縄の切実な思いが強烈に表現されている。


9月12日(水曜日) 露骨な世論誘導と記事

 「民主『原発ゼロ』提言、4分の3が評価せず」(日経)。編集委員の大石格氏の署名入り解説記事。露骨過ぎてびっくりした。そもそも世論調査の質問の文章自体が誘導そのものじゃないか。「政府は原発をゼロにすると、光熱費が約2倍に膨らむとしています。あなたはこれをどう思いますか」「原発をゼロにすると、原発依存度15%のシナリオに比べ国内総生産が2・3兆〜15・3兆円押し下げられます。どう思いますか」──。

 なんと作為的で悪意に満ちた「世論調査」と「解説記事」だろう。野田政権は論外だし民主党もボロボロだと思うが、「原発ゼロ」を否定的にとらえようとする意図がみえみえの報道姿勢は、それ以上にもっと論外だと思う。

 (日経の解説記事)→ http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK1103J_R10C12A9000000/

 【おことわり】きのう11日付「身辺雑記」の「高校教科書採択をめぐって」の記事末尾に、「追記」を掲載しました。


9月13日(木曜日) 福島原発は「サティアン」か

 原発事故の汚染土処理について、「運ぶところは福島原発の第1サティアンしかない」と述べた自民党の石原幹事長の釈明がすごいなあ。「福島第一原発と言うつもりだった。単なる勘違いだった」(読売)。「単なる勘違い」でどうしてそうなる。どんな勘違いをすれば「サティアン」が出てくるんだ。日ごろからそう思って言葉にしているから、自然と口をついて出てきたとしか思えない。本性というか確信犯だろ。あの父にしてこの子ありの典型だな。

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 自民党総裁選の候補者の言動を眺めていると、谷垣さんがものすごく知的で冷静で紳士に見えてくる。不思議。


9月14日(金曜日) 毅然と「原発ゼロ」を

 「原発ゼロに英仏『無言のプレッシャー』米も懸念。原子力利用の停滞は世界的な影響を与える恐れがある」(読売)。←福島原発の事故を経験した日本には、毅然と脱原発を宣言する大義名分がある。そもそも原発は破綻している。大量にたまっていく核廃棄物をどう管理するのか。

 (読売記事)→ http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120914-OYT1T00251.htm

 朝日新聞も本日付の朝刊に同様の記事を掲載している。この記事に関しては「読売だから」というよりはむしろ、海外からの圧力の存在を知るための重要情報だと考えるべきだと思う。原発の安全性や将来への重荷は全く無視し、原発で金を稼ぎたい米英仏の不当で理不尽な圧力を、批判的に認識する必要がある。

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 テレビ朝日の深夜ドラマ「花の冠」面白かった。血のつながっていない姉(母親の前の再婚相手の連れ子)と再会した男子高校生。姉弟のほろ苦く切ない感情の交差と別れが、丁寧に描かれていた。ネガティブさが少なく、血縁関係はなくても家族なんだという締め方がいい。姉ちゃんっていいよなあと思う。1時間1回完結の単発ドラマ。新人脚本家の秀作だったが、次回作にも期待したい。


9月15日(土曜日) 人々を煽るメディア

 人々を煽るのはメディアと教育だ。古今東西いつの時代もどこの国でも変わらない。中国のテレビや新聞が尖閣諸島の問題を大々的に取り上げて、韓国のテレビや新聞が竹島や歴史問題をセンセーショナルに扱い、興奮した民衆が一気に発火する。ネットがそれを拡散する。

 メディアが民衆を煽っているのは、もちろん日本も同じだ。中国や韓国と比べて、少しだけ日本が冷静で暴動にまで発展しないのは、ほんの少し豊かで民主主義の経験が長いからだろう。ほんの少しだけね。

◇◇

 【おことわり】きのう14日付「身辺雑記」の末尾に、テレ朝の深夜ドラマ「花の冠」の感想を追記しました。


9月16日(日曜日) FB友達とオフ会

 横浜駅前のホテルのレストランでディナーバイキング。フェイスブック友達3人で、美味しい料理と酒に舌鼓を打ちながら、4時間近く楽しく歓談した。「ちょっと遅い暑気払い」と称したオフ会。実際には何年も会っていなかったりするのだが、いつもネット上で言葉を交わしているので、久しぶりという気がしない。不思議な感じだった。


9月17日(月曜日) この無責任な政治家たち

 石原親子は安全圏から無責任に放言を繰り返すんじゃなく、中国本土の群衆の前で「勇ましい発言」をしてみればいい。そんな根性も気骨も理念もないくせに、いい加減なことを言うだけ言って、取り返しのつかない事態を招きつつある。この落とし前はどうつけるつもりなんだろう。

◇◇

 「領土・領海が脅かされようとしている今こそ、国難に立ち向かえという同志の声に応えることにした」「愛しいふるさと、かけがえのない日本の海が、領土が脅かされようとしている」(安倍晋三元首相)。

 自民党総裁選候補者のこうした発言を聞くと、じゃあ福島原発事故で汚染されたかけがえのない日本の海や領土は、一体どうするつもりなんだと小一時間問いつめたい。原発を一貫して推進してきたのは自民党政権で、総裁選候補者は5人全員がそろって原発再稼働に賛成し、「原発ゼロ」に反対しているわけだが。


9月18日(火曜日) 無責任で厚顔無恥な人々

 原子力規制委員会の発足に伴って廃止される原子力安全委員会の最大の罪は、「原発の長時間の電源喪失を考えなくてもいい」とした安全基準だ。信じられないことだが福島原発の事故直前に、そんなデタラメな安全基準が平然と改定されたのだが、原子力安全委の廃止前に、デタラメこと班目春樹委員長が「うっかりしていた。あまりにも形骸化していた」とコメント。なんだそりゃ。あまりにも無責任で他人ごと過ぎる。

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 上海のユニクロ店舗が「尖閣は中国領土」と張り紙を出したことで「売国企業」と叩かれ、同社は現地従業員が独自判断で掲示したとコメントを発表。生命の危険に晒されたらそれくらいするだろうし、だれにも責めることなんかできないだろう。仕方ない防衛手段だと思うけどなあ。「魔除けのお札」だと思えばいいじゃないか。安全地帯から無責任に非難するなよ。

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 自民党総裁選の候補者5人が神戸市で街頭演説し、領土・領海を守るための法律の整備や、自衛隊や海上保安庁の体制強化を訴えたという(NHK)。相変わらず揃いも揃って無責任に勇ましい。

 石破氏は「自衛隊法には領海を守るための規定や中国にいる日本人を救出するための規定がなく、法整備をしなければならない」と煽りまくり。石原幹事長は「中国との間で必要なのは対話」。今ごろよく言うよ。尖閣諸島問題をここまでこじらせたのは、いったいどこのだれのせいだと思っているのかを、まずきちんと説明するのが筋だと思うが。厚顔無恥にもほどがある。

 → http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120918/k10015099301000.html


9月19日(水曜日) まさに「財界のポチ」

 経済3団体のトップが政府の「原発ゼロ」政策に反対表明したら、さっそくというか案の定、野田内閣は閣議決定に「原発ゼロ」の文言を明記することを見送った。枝野経産相は「閣議決定の文書には入っていないが閣議でオーソライズされた」と言うが、閣議決定されなければ拘束力は曖昧になる。骨抜きそのものじゃないか。

 米倉弘昌・経団連会長は「労働人口の半数を超える経済界が原発ゼロに反対している」と述べ、世論調査で「原発ゼロ」を支持する人が対多数を占めたことを「アクティブな参加者とサイレントマスの違いだ」と切り捨てたという(産経)。冗談も休み休み言えよ。都合のいいことしか見ようとしない守銭奴にもほどがある。そんな言葉しか浮かんでこない。

 経済3団体に脅されて、決めたばかりの「原発ゼロ」の戦略政策をあっさり放棄した野田内閣。まさに「財界のポチ」そのものであることを、これほどまで明確に示したことに驚きあきれる。

 政府の閣議決定から「原発ゼロ」の文言が消えたことについて、原子力学会会長がその骨抜きぶりを歓迎したという(毎日)。野村茂雄・原子力学会会長。この名前をしっかり記憶しておこう。

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 まるで野田内閣の宣伝機関のようなNHKニュース。批判精神のかけらも見えてこない。「原発稼働ゼロ、不断の検証を」「原発稼働ゼロ、目指す方針は変わらず」といった見出しから、「太鼓持ち広報」の姿勢が強くうかがえる。どうして「原発ゼロを閣議決定せず」とはっきり示さないのか、不思議としか言いようがない。

 → http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120919/k10015123541000.html

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 「NHKスペシャル」が渾身の取材で切り込んだ「復興予算の横流し」問題を、テレビ朝日の「報道ステーション」が野田首相本人に厳しくぶつけて追及した。あっぱれ古館伊知郎キャスター。もっと突っ込んでやるべきだ。しかしこういう「Nスペ」のフォローや追及を、どうしてNHK自身が「ニュースウオッチ9」でやらないんだろうと、いつも疑問に思う。

 もっとも「ニュースウオッチ9」や大越健介キャスターには到底無理な芸当だろう。NHKのニュース番組は報道ではなく広報だからだ。まさに「権力の犬」そのもの。NHKのドキュメンタリー部門は昔から一貫していい仕事をしているが、ニュース部門は連携してフォローしようとしないない。NHKのニュース部門のスタッフが、どれほど「太鼓持ち広報」に徹しているかがよくわかる。

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 中国当局の船舶の尖閣周辺航行について、「力ずくで体当たりして追っ払えばいい」と述べ、相変わらず煽りまくる石原慎太郎・東京都知事。だったらあんたが今すぐ北京に行って吠えてこいよ、と心から思う。自分は安全地帯にいて、引っ掻き回すだけ引っ掻き回す。こんな卑怯者が「愛国者」であるわけがない。


9月20日(木曜日) 自分と異なる存在

 中国の反日デモの際、上海の店舗に「尖閣は中国領土」と張り紙をしたユニクロに対し、「もうユニクロ製品は一切買わない」「日本から出て行け」といった抗議や批判が電話・メールで約1400件寄せられているという(毎日)。なんて卑劣で気持ち悪い連中なんだろうと思う。身の危険を感じて自衛手段を講じた他者(ユニクロ)を、自分は安全地帯にいながら罵倒する卑怯者め。一昨日も書いたけど大事なことだから何回でも言うぞ。だれだって同じような状況になったら、意に沿わなくても張り紙くらいするかもしれないじゃないか。それを責めたり罵倒したりする権利が、いったいだれにあるというのだろう。愛国者気取りで「日本から出ていけ」などと罵詈雑言を浴びせかける輩こそ、恥を知るべきだ。

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 嫌いな人、全く意見が違う人、不愉快で反発しか覚えない人、こういう人々の発言や文章を読むと、むしろ発奮して取材や執筆意欲がわいてくることが多い。そういう考え方もあるのか、どうしてこんなことを考えるんだろうと考察する材料にもなる。だからこそ自分と異なる存在を排除しない努力が必要だ。

 とはいうものの、どうにも不愉快でたまらない存在というのもあるわけで、受忍の限界を超えた場合は排除してシャットダウンすることも当然ある。まだまだ僕は人間として未熟だし、そこまで寛容ではないし、神や仏や仙人じゃないから仕方ない。

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 「えっ、『日本は中国と戦争したがっている』って?〜中国人は日本の『異常さ』がまだ分かっていない」(日経ビジネス)。興味深い内容で面白い記事だった。階層化による社会断絶の深刻さや、相手を理解することの難しさについて考えさせられる。

 → http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20120919/237016/

 やはり教育とメディアの影響が大きいのではないかと思った。そしてこの2つに関係してくるのが「階層」ではないだろうか、と改めて考えさせられた。

 日本でも中国でも、経済格差、知的格差、地域格差、世代格差とさまざまな格差が広がり、それが新たな「階層」を形成し固定しつつあるようにも感じる。かつては「均質化されている」「一億総中流」などと言われていた日本社会だが、ここにきて「階層化」(格差社会と表現してもいい)がかなり鮮明になってきた。中国の反日デモに参加する若者の話を通して、社会階層について考えさせてくれたこの記事は、とても興味深く読めた。


9月21日(金曜日) 自浄作用がない

 北京市当局が日本人作家・関連書籍の出版停止を通告したという(読売)。こりゃあかんやろ。最低だ。表現の自由が存在しない国であること、すべては官製で「本物のデモ」はできない一党独裁国家であることを、改めて公言しちゃったなあ。略奪暴動デモに続いて、中国の対外的なイメージダウンは計り知れないと思うけど、本気なんだろうなやっぱり。

◇◇

 原発を再稼働しつつ原発ゼロの閣議決定も見送って、オスプレイもあっさり導入した野田首相が民主党代表に再選されたのは既定路線で、民主党に自浄作用がないことが改めてはっきりしたが、この人で次の選挙が勝てると党員は本気で思っているのか。それともあきらめているが故の選択なのか。

 どうせ民主党政権はあと1年なんだから、財界にも連合にも米国にも気兼ねすることなく、当初の民主党らしい政策を敢然と実行すればいいのに。

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 オスプレイをどうしても導入するというのなら、配備と試験飛行は尖閣諸島周辺に限定すればいい。住宅密集地で飛行訓練するなんて、狂気の沙汰としか思えない。

 ちなみに、横浜の上空も自衛隊機や米軍機が毎日当たり前のように飛んでいる。結構低空飛行するのが怖い。大学でも授業中に上空を飛行する軍用機がうるさくて、数分だけど必ずといっていいほど講義を一時中断せざるを得なくなる。沖縄の普天間基地周辺の住民は、もっと恐怖と怒りを感じているだろう。

◇◇

 この時期にセミがたった1匹で懸命に鳴いている。ほかの仲間はみんなとっくに天寿を全うしたのに、遅れてきた1匹が夏の名残を演じている様子は、なんとも言いようのない寂しさ、もの悲しさがある。最後までしっかり生きてくれと思うばかりだ(しみじみ)。しかしまだまだ暑い。

◇◇

 iPhone(スマホ)とやらをそろそろ使ってみるかなあと、ほんの少しだけ考えていたけど、今日発売された最新版では日本国内の地図がまともに表示されないと聞いて、それなら購入はまだしばらく先でもいいやと思った。SBとauのどっちがいいか違いがさっぱりなうえに、料金体系もよく分からないし。軽くて薄いのは好印象なんだけどな。


9月22日(土曜日) 常軌を逸した日本書籍規制

 北京市当局が日本関係の書籍の出版・販売を規制。読売だけでなく、朝日も22日付朝刊1面で大きく取り上げている。毎日や時事も遅れて報じた。中国には表現の自由など存在しないことが、改めて明確になった重要ニュースだ。

 官憲の命令によって例えば村上春樹の著作が書店から一掃されるなんて、たとえ国と国が国交断絶状態の関係になったとしても、まともな民主国家ではあり得ない。常軌を逸している。そんな政府が支配している国で暮らす良識ある中国人に深く同情する。

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 フィナンシャル・タイムズの記事。「中国の中間層は反日デモを嫌悪?」。このレポートも中国の階層化・階級社会化の実態と、共産党政権への不信や懐疑心が知的階層を中心に広がりつつある現状を分析していて、とても興味深い。面白かった。

 → http://news.goo.ne.jp/topstories/world/168/ed8a991ee1848858da8a99d58b94afcc.html


9月23日(日曜日) ようやく秋

 ひんやりとした肌寒さを感じるようになってきた。特に朝方は涼しいので、油断してると風邪を引きそうだ。ようやく秋の訪れ。


9月24日(月曜日) 「一蓮托生」って

 「一蓮托生」ってあんまりいい意味では使わないよなあ。結果はどうであっても死ぬも生きるも一緒、運命共同体だと言いたいのだろうが、死なばもろとも、毒を食らわば皿までもという結末しか浮かんでこない。とまあそんな感じの野田首相の「輿石幹事長留任コメント」。表現力に長けているとはあまり思えない日本の首相が、この時期に国連総会でどんな演説をするつもりなのか、少しだけ注目したい。

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 「TARI TARI」(tvk、MXテレビほか)いい最終回だった。最初から最後まできちんと丁寧に作られた作品で面白かった。ラストの提供クレジットのgif動画の部分が、理事長(学校閉鎖を決めて学園祭の開催を妨害しようとした張本人)が、反撃する校長に掴み掛かられてズボンを引き摺り下ろされるシーンだったら、溜飲を下げることができて文句なしだったのに。その点だけが残念。


9月25日(火曜日) 無自覚で無反省

 自民党総裁選は石破氏(たぶん1回目1位)と安倍氏(たぶん1回目2位)の争いになるのかあ。どっちに転んでもかなりのタカ派であることは間違いない(ほかの候補も似たようなものだけど)。まさかの安倍氏の返り咲きなんて冗談みたいな展開だが、これも無為無策の民主党の責任だよなあ。ため息しか出てこない。

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 大阪維新の会は新党の規約案に、重要事項の議決に際し「出席者のうち代表を含む過半数」を必要とする規定を盛り込むという(読売)。橋下代表に拒否権を与えて権限を強化する狙いだそうだが、事実上の橋下独裁ってことだよなあ。すんごい画期的な政党になるんですね(棒読み)。

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 週刊朝日の中吊り広告「日中冷戦/新聞・テレビが言わないなら本誌が言おう/ことの発端は石原都知事にある!」に対し、「そんなの誰でも知ってるよ」などと冷笑する大手メディアの記者がいるが、メディアの多くが反日デモの同じ映像を繰り返し流して散々煽りながら、石原都知事の責任に触れないのは事実だと思うぞ。

 マスメディアのありようについては是々非々の立場でありつつも結構弁護(援護射撃)してきたが、マスコミがなぜ嫌悪され反感を買っているのか、全く反省も自覚もなく批判の声に耳を貸そうともせず、冷笑して一蹴する大手メディア記者の態度を見ていると暗澹たる気持ちになる。そういう連中がリアルでもバーチャルな世界でもたくさん目につきすぎて、がっかりというか愕然としている。かつて組織内記者だった一人として、フォローしようという気が失せてしまうよ。まったく。


9月26日(水曜日) 秋学期の講義初日

 後期(秋学期)の講義初日。つかみで何を話そうかとずっと悩んでいたのだが、京急の脱線事故、中国の反日デモ、原発事故報道の3つをキーワードに話をする。メディアの情報を鵜呑みにせず、情報を見極める目を養ってほしい、そのために考える材料を示すのがこの講義だと述べた。

 京急脱線事故では、同じ社の新聞でも配達地域(版)によって紙面が全然違うこと。中国全土で暴動が起きているように思われがちだがそうではなく、例えば大連では反日デモは全くないこと。福島原発事故を招いた責任は、原発の危険性を十分に伝えてこなかったメディアの責任も大きいこと。そんなことを指摘した上で、メディアの役割とは何か、だれのために何のために機能すべきなのか(機能していないのか)を考えてほしいと話した。反応は上々。つかみとしては上出来だったようだ。

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 予想通り安倍氏が自民党総裁に選ばれた。次の総選挙で自民党が勝てばこの人が総理大臣になるわけだ。「教育の政治からの独立」を守っていた教育基本法を変えてしまった安倍氏だから、いよいよ次は憲法改正に突き進むのだろうが、果たしてそれでいいのか。主権者の意思を示す機会は総選挙の時しかない。

 タカ派だとか最右翼だとかそういう評価はさておくとして、少なくとも「原発ゼロ」はノーだと明言していることだけで、安倍氏のスタンスは民意とは乖離していると思うんだけどなあ。NHKの街頭インタビューを見ていると、街の声が安倍氏を結構受け入れているように見えるのが怖い。

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 原子力規制委が「赤旗」記者の会見出席認めず(朝日)。これは酷い。自分たちに都合のいいメディアを選別し、それ以外は排除するというわけか。原子力規制委員会の本性が露呈した。赤旗の記事もたくさんシェアされてTLに出回っているが、全くとんでもない話だと思う。

 → http://www.asahi.com/national/update/0926/TKY201209260625.html

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 崩れた土砂に突っ込んで脱線した京急は、復旧作業が難航しているようで開通のめどがたたず。運転見合わせを知らせる張り紙=写真(26日午後、京急本線ターミナルの上大岡駅で)。

 京急線の行き先表示の電光掲示板は、すべて金沢文庫止まり=写真(26日午後1時前、上大岡駅)。隣の金沢八景まで直通運転してくれないのか…。ちなみに急行は金沢文庫で乗客を全員降ろした後、表示を新逗子行きに変えてから、ホームに降ろした乗客を再び乗せて出発した。だったら最初から新逗子行きにすればいいのに。いったん乗客を降ろす意味が分からない。

 金沢八景と逸見(へみ)の間は不通のため、終日バスで代行輸送。金沢八景駅前には、臨時バス停留所の看板が設置されていた=写真。夕方の帰宅ラッシュ時刻には、周辺にカメラ小僧や取材記者の姿も(26日)。


9月27日(木曜日) 安倍氏の怖さの本質

 安倍晋三元首相の最大の問題は、心の中に土足で踏み込もうとする政治スタンスにある。首相就任後の教育基本法改正がその最たるものだろう。例えば愛国心。日本人の誇りをどう考えるかは人それぞれ。国家が特定の価値観を国民に強要するなんて、まともな国では許されない。そこに疑問を感じないのが彼の怖さだ。

 教育に政治が介入することを当然と考え、政治的に利用するのを疑問と思わない安倍氏。唐突に政権を投げ出したことよりも、はるかにとんでもない行為だ。そもそも「日本人の誇り」なんて個人がそれそれ自分で考える話で、それを国が一方的に教えるなど思想統制じゃないか。どこかの独裁国家じゃあるまいし。

 安倍氏らが食べたという3500円のカツカレーは個人的には高額だと思うが、選挙戦の最終日に験を担いで食べるくらい政治家ならするだろう。問題なのはそこじゃなく、安倍氏が教育を政治的に利用して、思想統制を平気でやってしまうところにこそ注目すべきだ。安倍氏がとても怖い政治家であることを忘れてはいけない。


9月28日(金曜日) 情報はただではない

 人気作家の村上春樹氏が、領土問題の文化交流への影響を憂慮するエッセイを朝日新聞に寄稿した(28日付朝刊)。村上氏は、中国の書店から日本人の著書が姿を消した事態に対するショックを表明。東アジアで共通のルールが定められ、文化的成果(知的財産)がようやく国境を越えて行き来するようになったことを感慨深く評価した上で、感情や感動を共有し合える人間同士の魂の交流が、領土問題によって破壊されることを恐れると訴える。安酒で人を酔っ払わせて、頭に血を上らせるようにして騒ぎを煽る政治家や論客たちについても、我々は注意深くならなければと警鐘を鳴らす。

 この村上氏の寄稿を掲載した朝日新聞に対し、ネット上で全文が読めないのはけしからんと批判する人たちがいるが、それは筋違いというかお門違いもはなはだしいと言わざるを得ない。

 村上氏が書いているように、東アジアで共通のルールによって知的財産が尊重されるようになるまでには、とても長い道のりがあった。文化的成果には正当な対価を払ってこそ、みんなに等しく分かち合われるべきで、そこから文化交流が始まると言っていい。文学や音楽や映像や情報といった知的財産はただではない。それを前提に文化交流の重要性を説いている村上氏のエッセイを、ただで読ませろとは矛盾もはなはだしいと思わないのだろうか。厚かましいにもほどがある。

(朝日リード記事部分)→ http://www.asahi.com/culture/update/0928/TKY201209270753.html

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 着工済み原発の建設継続・稼働について、政府が容認判断をしたのを受け、電源開発(Jパワー)は、中断していた青森県の大間原発の建設工事を再開する方針を決めたというが、まったくもって正気の沙汰とは思えない。この期に及んで新しく原発を造るという神経が理解できない。のど元過ぎて熱さを忘れたか。福島原発事故はまだ全く収束していないのに。

 福島原発の事故後も、地元の大間町が原発建設推進の立場を崩していないのに対し、対岸の函館市は原発建設に一貫して猛反発している。ブランド品の大間マグロで知られる大間町にすれば、原発建設なんて自殺行為だと思うけどなあ。一方的な原発建設計画に対峙する函館市の苦悩と怒りに、深く共感し同情する。


9月29日(土曜日) 「BJ」大全集に揺れる

 手塚治虫先生の「ブラック・ジャック」大全集全15巻、いいなあ。欲しいなあ。買おうかどうか迷う。毎月1巻ずつ刊行され、初の雑誌原寸大のB5判フルサイズ・カラーで、雑誌掲載時と同じ掲載順序。これまでに出版されたBJの単行本の中で、最も多くのエピソードを収録するという。税込み3675円。きょう29日付の朝日夕刊に、復刊ドットコムの書籍広告が出ていた。うーん、どうしよう。ものすごく迷う。

 とりあえず第1巻だけ買ってみようかなあ。それを見た上で続刊をどうするか検討しようか。期待通りの内容だったら、勢いで全巻を買ってしまいそうな気がする。


9月30日(日曜日) 予報通りの台風17号

 昼前から午後2時過ぎまで、ギラギラと太陽が照りつけていた横浜南部。午後4時ごろから小雨が降り始め、5時半ごろにはやや強めの風と雨になってきた。台風17号が近付きつつあるのを実感する。それにしても、概ね天気予報通りのタイムテーブルだった。最近の予報は驚くほど精度が高い。

 愛知県東部に上陸した台風は関東を縦断。駆け抜けていく間、家が揺れ動くように感じるほどの強風が吹き荒れたが、午前1時になると風雨ともにぴたっと止んだ。文字通り「ぴたっ」。なんともメリハリの利いた潔い台風だった。


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