身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2013年4月1日〜4月30日

●新年度スタート●冗談と表現と寛容さ●沖縄への「配慮」って?●過保護で過干渉すぎないか●いい加減で杜撰な東電●報道機関とは思えないNHK●橋下市長は北朝鮮とそっくりだ●お粗末な司法は昔から●わずか過半数で改憲を決めるな●個人の領域に国家が踏み込むな●痴漢冤罪で免職の河野さん逆転勝訴●上告しないよう申し入れ●高校時代の友達と●見当外れの教育改革案●「私のスーさんが逝きました」●断定するのは性急すぎる●地震列島に原発は要らない●度し難い官僚体質●東電の杜撰さ無責任さ●ヤマトのOP大合唱はあんまりだ●本性むき出し安倍内閣●想像力が欠如した政治家たち●初めての徳島ラーメン●情けない日本を世界に発信●横浜市教委が上告●戦車ではしゃぐ安倍首相●国民分裂の式典を開く不思議●本性ぽろり猪瀬都知事●猪瀬都知事の「言葉の力」●●●ほか


4月1日(月曜日) 新年度スタート

 新年度のスタートとなる4月1日が月曜日だと、新たな門出の日となる感じがよりいっそう鮮明になるとして、2015年度から4月1日は必ず月曜日とする法案を議員立法化しようとする動きが超党派で出ているという。→きょう4月1日付の朝田新聞夕刊社会面から。

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 大学3年生の大半が授業に出られない状態が日常化しているのはやはり異常。本来の学業に集中してもらうためにぜひ実現してもらいたい。たぶん教員も学生もそう願っているはず。→就活解禁を大学4年生の4月から、政府が経済界に要請へ(読売)。http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130331-OYT1T01304.htm


4月2日(火曜日) 冗談と表現と寛容さ

 エイプリルフールといえば高校時代に出した新聞を思い出す。新聞部の部長だった僕は、1面トップに「本校が新宿移転」と大きく見出しを掲げた号外を発行した。記事の末尾に「鹿馬月卯」と署名を入れ、紙面の片隅に「記事はすべて冗談です」とおことわりを掲載し、4月1日付で始業式の日に全校配布した。

 しょうもない悪戯であることはもちろん自覚していた。悪ふざけや冗談を笑って受け流すだけの度量が学校にあるかどうか、確かめたかったのだ。反響は結構あった。クラスの友達は「びっくりしたよ」「最後の鹿馬月卯の署名でウソだと分かった」などと面白がってくれた。

 教師の反応は分かれた。回収や発禁にはならなかったが、「人騒がせなことをして、全く新聞部はどうしようもないな」と嫌悪感をあらわにする教師がいる一方、「面白かったよ、やるじゃないか」とウインクしてくれる教師も。前者には腹の中で「あんたに言われたくないよ」と舌を出し、後者には深々と頭を下げた。冗談を冗談として面白がるセンスや余裕や寛容さの有無が、大ウソの号外新聞をリトマス試験紙として、くっきり浮かび上がったのはとても興味深かった。それでも黙認(放任)されたのは、なんだかんだで自由で寛容でいい加減な学校だったのだろう。

 日本では新聞社や放送局がエイプリルフールの冗談ニュースを流すと、本気で怒り出し真剣に抗議電話をかけてくる人たちが多く、欧米と違ってウソの記事は日本社会には馴染まないとされている。突出した表現や言葉を見ると、鬼の首でも取ったかのように「不謹慎だ差別だ」と噛み付く人たちと似ている。

 怒るところや抗議するところはそこじゃないだろう、と思うことが多い。ものごとの上っ面だけしか見ることができず、本質を見ようとしないピントのずれた人たちにはがっかりさせられる。冗談に目くじらを立てることと、正義や人権といった錦の御旗を振りかざして、気に入らない表現や言葉遣いを全否定し排除しようとすることには、同じような狭量さと危うさを感じる。

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 野茂英雄にこそ国民栄誉賞を授与すべきではないか、との意見をインターネット上でいくつも見かけるが全く同感だ。松井秀喜への授賞は意味があるだろうが、なぜいま長嶋茂雄なのかはちっとも分からない。そもそも国民栄誉賞自体が政治的な賞(ショー)で茶番なんだけど。イチローが一貫して受賞を拒んでいるのは、さすがだと改めて思う。

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 食の安全が、なし崩しにされる不安が現実に。TPPでも必ず同じことが起きるだろう。「米国の食品は安全で安心なのだから文句を言わずに黙って食え」といった一方的な主張がまかり通るようになる。→米国が、EUは遺伝子組み換え作物に「不必要」な規制を行っていると批判。「これらの障壁は米国の牧場経営者や農家に害を及ぼす」「安全で高品質な米国食品と農作物の入手可能性を世界中の消費者から奪う」と非難した(AFP)。http://www.afpbb.com/article/politics/2936788/10527816


4月3日(水曜日) 沖縄への「配慮」って?

 ダルビッシュあと1人で完全試合達成ならず。9回2アウトまで完璧だったのに。そこまで踏ん張れるだけでも、とてつもない精神力だと思うけど、それにしても惜しい。残念。もったいない。

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 「主権回復の日」の式典を政府主催で開くことについて、沖縄を訪れている菅官房長官は、沖縄県民の感情に配慮して式典を行う考えを示したという。いったいどんな「配慮」をするというのだろう。だったら、そもそも沖縄が日本から切り離されたとして「屈辱の日」とされている日に、式典なんか開催しなければいいのに。

 自称愛国者のネット右翼や保守・タカ派の人たちは、沖縄県民が反対する米軍普天間基地の名護市辺野古への移転や、「主権回復の日」の式典についてどう考えているのだろうか。尖閣問題では国土を守れと声高に主張しながら、沖縄を都合のいいように利用して差別し切り捨ててきたことに矛盾を感じないのか。

 今に始まったことではないが、彼らの主張を眺めていると「沖縄は反日だ」「沖縄のメディアは反日だ」「反対しているのは沖縄県民の一部に過ぎない」といった根拠不明で乱暴な言葉が次々に登場してくる。一方では特定地域を差別してあっさり切り捨て、もう一方では「日本を取り戻す」「大切な領土と領海を守る」などと勇ましく叫ぶ。自称愛国者の思考回路はなんとも不可思議だ。


4月4日(木曜日) 過保護で過干渉すぎないか

 大学の入学式に7割近い保護者が参加する(全国大学生活協同組合連合会調べ)って、ちょっと過保護で過干渉すぎるんじゃないか。保護者向け就職セミナーも超満員。卒業式にも出席。大人扱いしてないってことか。もしかしてそのうち就職面接や入社式も、保護者同伴が当たり前になるのだろうかなどと想像してしまう。自分の人生なんだから好きなようにしろ、と突き放すのも親の役割だと思うけど。子離れできていない親が多すぎるような気がする。

 子どもの大学入学がうれしくて、卒業後の将来も心配で気になって仕方ない、という親の気持ちは分からないことはないが、それでもグッとやせ我慢でもなんでもして、頼られたら相談には乗るけれども、黙って見守るという態度も必要だと思うのだが。あれこれ世話を焼くのはせいぜい高校卒業までだろう。一人前の大人として扱うのは大事だなことだと思うけどなあ。


4月5日(金曜日) いい加減で杜撰な東電

 大学生がアルバイト疲れで講義中に居眠りするとか食費を切り詰めるのは、今に始まったことではないが、経済 格差が確実に広がっているのは間違いないと思う。その結果、親からの仕送り(大学生の生活費)も全体的にダウンしているのだろう。

 →私大生の仕送り額過去最低、1日923円で生活(読売)。東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)の調査。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130405-00001234-yom-soci

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 危機意識も切迫感もまるで感じられない無責任さ。汚染水の管理保管も漏出後の対応も。いい加減で杜撰でデタラメという言葉は、まさに東電のためにあると言っていい。たぶん汚染水漏出の状況も原因も、東電はまともに把握できていないのだろう。福島第一原発の周辺の汚染状況は予想以上にとんでもないことになってるんじゃないのか、と真剣に考えざるを得ない。

 →福島第1原発の貯水槽から汚染水が漏出。「人体など環境への影響は小さい」。東電は汚染水の保管が限界に近づいているとして、処理後に海洋投棄も検討している(毎日)。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130406-00000008-mai-soci


4月6日(土曜日) 報道機関とは思えないNHK

 福島第一原発の貯水槽の汚染水漏れを報じるNHKニュースの伝え方が、どうにも釈然とせず腑に落ちない。「東京電力によりますと、貯水槽の付近に排水溝がなく海から800メートルほど離れていることから、漏れ出した汚染水が直接海に流れ出していないとしています」(NHK)。漏れ出る汚染水が地下水を汚染し、結局は海に流れ込むのは明らかだろう。第一報もやけに遅かったが、これではほとんど東電の広報機関と変わらないじゃないか。

 さらにもう一つ。沖縄の米軍施設の返還計画公表を伝えるNHKニュースを見ていると、「早ければ2022年度に返還が可能となる」などとアナウンスし、肯定的でとても明るい話題のように聞こえる。しかし実際には普天間基地の県内移設が大前提で、条件をクリアしなければ返還されないし、それまで普天間は固定化されることになる。安倍首相は「基地負担の軽減」を自画自賛して沖縄に理解を求めるが、つまりそれは県内移設の押し付けそのものだ。「早ければ2022年度に返還可能」などと肯定的なテロップを流したNHKと違い、朝日は「先延ばし」「返還時期留保付き」との見出しを大きく掲げた。報道姿勢の違いが際立っている。

 「政府は、基地負担の軽減に向けて今回まとまった返還計画を着実に実施する方針を示し、粘り強く普天間基地の移設に理解を求めることにしています」との台詞で、2分半ものニュースの最後を締めくくるNHKにはものすごく違和感を覚える。政府の説明を代弁するだけなら、国の宣伝機関として存在する国営放送と変わらず、もはや報道機関でも公共放送でもない。

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 まさしく本音がズバリ出た自民党の高市早苗政調会長。ある意味正しいことを言っている。それでも公明党が自民党にへばりついているのが理解不能だ。というか異様としか言いようがない。憲法をめぐる立場も価値観も全く違うはずなのに。→高市氏「国家観で政界再編」改憲めぐり公明との連立解消示唆(産経)。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130406-00000517-san-pol

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 ダルビッシュが、味方はもちろん米国メディアや敵陣の観客からも称賛され、どれほど高く評価されているかよく分かるいい記事だと思う。ダルビッシュの今後のさらなる活躍に期待。→ダルビッシュ完全試合ならずも観客、メディアに愛されるその才能(サーチナ)。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130404-00000000-scn-spo


4月7日(日曜日) 橋下市長は北朝鮮とそっくりだ

 福島第一原発の汚染水が、あっちこっちでだだ漏れになっているのは明白。もはや底なし沼の状態だ。しかしこの期に及んでも、東電はまだ「漏れたとしてもわずかな量だ」などと弁明している。無責任で不誠実な対応ぶりは度し難い。本当にもう手の打ちようがないのなら、包み隠さず率直に窮状を明らかにして、広く助けを求めるべきだと思う。→<福島第1原発>別の地下貯水槽でも汚染水漏れ(毎日)。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130407-00000024-mai-soci

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 前言をすぐに翻して、威嚇し罵倒し挑発を延々と繰り返す。北朝鮮じゃなくて大阪の橋下市長のことだ。橋下市長の言動って、北朝鮮の瀬戸際外交とそっくりだなあとしみじみ思う。傲慢不遜で居丈高な態度で、支離滅裂な屁理屈をまくし立てるところも執拗さも瓜二つ。醜悪すぎる。→橋下市長、週刊朝日に「蒸し返し」宣戦布告「過去の人権侵害記事に法的手続き執ります」(J-CASTニュース)http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130406-00000002-jct-soci


4月8日(月曜日) お粗末な司法は昔から

 「米軍駐留は憲法違反」と判断した砂川事件の一審判決後、当時の最高裁長官が米側に一審の取り消しを示唆。極めて政治的で異様な言動なのはもちろん、当時から現在まで変わらない日本の司法の腐った現状を浮き彫りにする、貴重な発掘資料だと思う。それでも今さら驚きもせず、司法にさほど期待もしていない自分に愕然とする。と同時に悲しくなる。→「司法権の独立揺るがす」資料見つかる(NHK)。http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130408/k10013746941000.html

 【追記】砂川事件の上告審で、当時の最高裁長官が司法の独立を自ら放棄した資料発掘というこのニュースは、やっぱり朝日の特オチだったんだな。


4月9日(火曜日) わずか過半数で改憲を決めるな

 福島第一原発の地下貯水槽から漏れ出た放射性物質汚染水が、移送先でも水漏れ。際限ない。貯水槽の構造が同じなのだから当然そうなるだろう。毎日400トンも汚染水がたまっていく状態が続いているのだから、どのみち物理的に破綻する。その場しのぎの杜撰でいい加減な対応しかしない国と東電。無責任過ぎないか。

 いったん事故が起きると深刻な事態となり、取り返しがつかず手の付けようがなくなってしまうのが原発だ。維持管理や事故対応の面からも、廃炉費用や放射性廃棄物の処理を考えても、あまりに経済効率が悪すぎる。それでもなお原発を動かそうとする自民党や経済界の矛盾。どこからどう考えても原発は割に合わない。

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 国民の圧倒的多数(少なくとも3分の2以上)が「なるほど」と納得してこそ、初めて憲法は改正の手続きに付されるべきだろう。国の大前提となる最高法規を決めるのだから。その最低ラインが3分の2ということだ。最高法規である憲法をわずか過半数で決め、残りを切り捨てるなんて乱暴すぎる。そんなのは民主主義の国でやることではない。


4月10日(水曜日) 個人の領域に国家が踏み込むな

 本年度最初の授業。1クラス定員30人以内の履修者制限科目なのに、担当する2クラスとも定員を超える学生が出席した。再来週までに教務課が抽選かなにかで調整してくれるはずだが、教室で言葉を交わした学生の反応がよかっただけに、顔ぶれが変わってしまうのは残念で、いつもながらなんとも言えない複雑な気持ちだ。前期で担当するこの授業は作文添削をするので、1クラス30人でも多いくらいで、とてもじゃないが大人数には対応できない。履修者制限や調整をするのは必要で仕方ないことなんだけど…。

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 国会で教育問題が議論されると、安倍政権の憲法感覚のなさと底の浅さと狭小さが際立って鮮明になる。国民個人の心の内や本来なら個々の家庭で育まれるべき領域に、国家が土足で踏み込もうとする体質があまりに露骨で、衣の下の鎧が露呈するからだ。もはや隠そうともしないので分かりやすい。

 きょう10日の衆院予算委で取り上げられたのは、教科書検定基準の見直し、愛国心、郷土愛、道徳教育など。「日本に生まれてよかったと思ってもらう」(安倍首相)なんてことは、国民がそれぞれ自分で考えて判断する話で、オカミ(政府・国家)にとやかく言われるようなものではない。国家がそんなことにあからさまに口を出してきたら、たいていはロクでもないことにしかならない。

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 死去した「鉄の女」サッチャー元英首相をやたら持ち上げるだけの論評やコメントに、ものすごく違和感があった。「肯定と否定と両面の評価があります」(NHK夜9時のニュース)などと抽象的なことを言って、「負の側面にも触れた」かのようなポーズを装うのではなく、否定すべき側面や批判の声についても、「具体的に」きちんと伝えるべきだよなあと改めて思う。ジャーナリズムであるならなおのこと、きちんと取り上げる責任があると思う。

 →モリッシー(英国出身のミュージシャン・詩人)が寄稿した他界したサッチャー元英首相についてのコメント全文訳(ロッキング・オン)http://ro69.jp/news/detail/80719?rtw


4月11日(木曜日) 痴漢冤罪で免職の河野さん逆転勝訴

 痴漢冤罪事件で有罪が確定し、懲戒免職された横浜市立高校の元教諭・河野優司さんが横浜市に処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審で、東京高裁(市村陽典裁判長)は、原告側の痴漢冤罪の主張は認めなかったが、「元教諭に対する生徒・保護者の信頼や教育実践などを考えると、処分は重すぎ妥当性を欠き裁量権を逸脱している」として、懲戒免職処分を取り消す判決を言い渡した。一審敗訴を覆す逆転勝訴判決となった。

 河野さんはデパートの地下食品売場で女性2人の体を触ったとして逮捕され罰金刑が確定したが、一貫して「痴漢はやっていない」と無実を主張してきた。それは刑事裁判でも人事委員会審理の場でも、処分の取り消しを求めた民事訴訟の場でも変わらない。河野さんが「冤罪事件だ」と訴えていることにきちんと触れたのはNHKと朝日だけで、時事、読売、産経の記事は全く触れていない。

 これは明らかに痴漢冤罪事件だ。免職処分取り消し判決を伝えるニュースで、このことにきちんと触れないから、「痴漢教師に教わりたいか」「痴漢に重い軽いがあるのか」「こんな卑劣な行為をする人は罪を償え」「免職は当然」といった的外れで一方的な反応が早速、インターネットのサイトやツイッターなどに多数書き込まれている。

 懲戒免職処分を取り消したきょうの東京高裁の判決後に、河野さんや弁護団に取材した時事、産経、読売の記者たちは、いったい何を聞いて何を感じたのか。いったい何を伝えようというのか。記事でさらに冤罪事件の二次被害をつくるつもりなのか。冤罪の主張をまともに報じたのがNHKと朝日だけとは情けないにもほどがある。

 ちなみに毎日は、記事本文で「無罪を主張したが」と8文字だけ触れていたが、これでは読み飛ばされるだけで不十分だと思う。一貫して無実を主張し、刑事事件で有罪が確定しても、あきらめずに民事で争ってきたからこそ、きょうの処分取り消し判決があるのだから。そういう意味でも的確に事実を伝えたのはNHKニュースと朝日だけだった。

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 東京高裁民事7部の511号法廷は、一瞬「えっ?」と戸惑いに包まれた。痴漢冤罪を一貫して主張してきた河野さんに対する懲戒免職処分取り消し判決。反原発デモの日比谷公園の使用をめぐる仮処分決定、都立三鷹高校の土肥元校長の控訴審不当判決などを言い渡した「あの市村陽典裁判長」が…。まさにまさかの逆転勝訴判決だった。法廷では判決言い渡しの直後、満席の傍聴席から拍手がわき起こった。弁護団の一人は感極まって涙を流していた。岡田尚弁護団長の顔は興奮で紅潮していた。取材記者でありながら僕も閉廷後、河野さんとがっちり握手を交わした。

 河野さんの刑事事件控訴審で「あの高橋省吾裁判長」が一審判決を取り消して、懲役刑から罰金刑に量刑変更した理由も、「懲役刑では職を失う可能性が高くあまりに酷すぎる」というものだった。「あの市村陽典裁判長」がまさかの逆転判決を言い渡したのは、「刑事と民事で部は違えども同じ東京高裁の先輩である高橋裁判長(当時)の判決を踏襲したからでは」との解説を某氏から聞いて、日比谷公園を歩きながらなるほどと思わず手を打った。納得した。そこだけがずっと引っかかっていたのだが、ようやく腑に落ちた。

 まだ午後3時過ぎだというのに、河野さんをはじめ市立高校教員(元教員)のみなさんと、新橋駅前の串焼き居酒屋で祝杯をあげる。実に心地よい美酒だった。

 【追記】痴漢冤罪事件で有罪が確定し懲戒免職された河野さんの処分を、東京高裁が取り消した判決について、朝日は地方版(横浜版)で、河野さんが一貫して痴漢行為をしていないと訴えている事実にきちんと触れています。朝日の名誉のためにも、「冤罪の主張をまともに報じたのはNHKだけ」としたのを「冤罪の主張をまともに報じたのはNHKと朝日」に訂正します(本文修正済み)。


4月12日(金曜日) 上告しないよう申し入れ

 痴漢冤罪事件で懲戒免職された横浜市立高校の元教諭・河野優司さんの処分を、東京高裁が取り消した11日の判決を受けて、支援組織「冤罪を晴らし職場復帰を実現する会」の代表らは12日、横浜市教育委員会を訪問。市教委に対し上告しないように申し入れるとともに、「本件の核心は冤罪にある。市教委は免職処分を取り消した控訴審判決を真摯に受け止め、河野氏を速やかに教壇に戻すべきである」とする弁護団声明を手渡した=写真。

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 消費税還元セールを法律で禁止するなんてことが許されるのか。理解しがたい。消費者を欺くわけでもなければ、どんな販売方法をしようが自由であるべきじゃないのか。馬鹿馬鹿しいにもほどがある。イオンの社長やユニクロの会長ら流通業界トップが批判の声を上げているのは当然だ。


4月13日(土曜日) 高校時代の友達と

 新宿住友ビルの49階の個室居酒屋で、高校時代の友達(男女9人)と久しぶりに飲み会。めっちゃ楽しかった。しゃぶしゃぶとすき焼きを合体させたという「しゃぶすき」も、焼き鳥も天ぷらもデザートも、すべての料理が美味しかったし、酒は飲み放題で良心的な値段。文句なし。写真は49階から眺める新宿の夜景。

 店から出ると、肩と背中を大きく露出したえらく長身の美女が廊下を颯爽と歩いて行った。「なんだ今のは」と数人で顔を見合わせていたら、幹事が「あれは隣のニューハーフ・ショーパブ店の人だよ」。男だったのかよ(汗)。高層ビルの最上階近くにそんな店があるのかよ(驚)。なんでもかなり有名な店なんだそうだ。はとバスのコースにも組み込まれている人気の店なのだとか。勉強になるなあ。

 「まだ早いからもう1軒行こうぜ」と、1フロア上がった50階の洒落たワインバーに移動。さらに西新宿の洒落たバーでも軽く飲む。あっという間に終電の時間になったので、ラッシュアワー並みに混雑する山手線と京浜東北線を乗り継いで、午前2時前に帰宅。きょうはいい集まりだった。幹事のTくんに感謝。


4月14日(日曜日) 見当外れの教育改革案

 自民党はいつも全く見当外れで、ピントのずれた教育改革案しか出してこない。教員をガチガチに縛って管理統制し、自主的な研修や教材研究もろくにできないほど多忙にして、学校現場が活性化するわけがないだろうに。自分自身を教える立場に置いて、ほんの少し想像力を働かせて考えてみれば分かるはずだと思うが。がんじがらめに縛られて、意欲的で独創的で自由な発想の指導なんてできるはずがない。

 →教員制度改革「試用」3〜5年、新卒は准免許を自民検討(毎日)。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130414-00000014-mai-life


4月15日(月曜日) 「私のスーさんが逝きました」

 「私のスーさんが逝きました」。西田敏行のコメントが哀しい。三國連太郎と言えばやはりなんといっても「釣りバカ日誌」のスーさんが真っ先に思い浮かぶ。もう一つ個人的には、日中戦争を挟んで日中2人の囲碁棋士の人生を描いた「未完の対局」(国交正常化10周年を記念した初の日中合作映画)のラストシーンがとても印象深い。三國連太郎さん死去、90歳。合掌。

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 これもまたピント外れの教育改革案。と言うよりもむしろ教育の独立性を破壊し、政治介入を招く危険性しかない。戦前のような国家権力による思想統制が、堂々とまかり通る社会に逆戻りするだけだ。もっともそれこそが、「教育再生」を声高に主張するこの人たちの本当の狙いなのだろうけど。

 問題の本質は教育委員会制度が形骸化し、文部科学省や教育行政の施策や決定を追認するだけの御用機関に成り下がっていることにある。それなのにさらに教育行政・首長(政治家)の権限を強化などしたら、政治が教育内容に圧力をかけ干渉するだけでなく、それこそ都合のいいように教育を利用しようとするのは間違いない。教育委員会は行政の暴走をチェックし歯止めをかけるどころか、完全にただの追認機関になってしまうだろう。独立性のない無用の長物として、地元名士(自称)の天下り先になるだけだ。

 →教育行政の責任、教育長に一元化、再生実行会議が提言(朝日夕刊)。http://www.asahi.com/politics/update/0415/TKY201304150037.html


4月16日(火曜日) 断定するのは性急すぎる

 ボストンマラソンの会場で起きた爆発は、事故でなく計画的なテロ事件なのは明らかだと思うが、イスラム教徒によるテロだとか、銃規制に反対する国内右翼過激派の犯行だとか、まだ決めつけない方がいいと思うよ。性急すぎる。夕方のテレビニュースを見ていたら、一方的に断定する解説者や研究者がいた。なんだかなあ。いかがなものかと…。


4月17日(水曜日) 地震列島に原発は要らない

 大学で学生の提出物をチェックしていたら、すごく嫌な感じの横揺れが1分近く続いた。講師控室には、地デジ化で旧式テレビが撤去されてから公的情報源が何もないので、ほかの先生がケータイでニュース速報を確かめると、三宅島で震度5強。横浜は震度3。気味が悪いなあ。さらに、帰宅してテレビを付けたとたん緊急地震速報のチャイムが鳴る。今度は宮城で震度5弱。原子力発電所は無事だという。こんな地震列島に、危ない原発なんかマジで要らんよ。怖くて仕方がない。

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 きょう初めてNHK朝ドラ「あまちゃん」を面白いと思った。これまでずっと黙ってたけど、実はどこが面白いのかちっとも分からなかった。

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 「水俣病 認定を緩和」「最高裁『一症状でも』」。朝日新聞の朝刊1面トップ(東京本社版)のこの見出しで、遅ればせながらようやく昨日の最高裁判決の意味が飲み込めた。それまで恥ずかしながらイマイチ消化不良だった。とてもいい見出しだと思う。もちろん記事本文も。


4月18日(木曜日) 度し難い官僚体質

 国の基準で認められなかった水俣病の女性患者を、最高裁が認定した判決について、環境省は国の基準を見直す必要がないとの方針を明らかにした。「判決は個別具体的に認定したもので、国の基準自体は否定されていない」(環境省次官)というのだが、それを開き直りと言うのだ。反省のない、過ちを絶対に認めようとしない官僚体質は度し難い。だれのために働いているのか、だれのお金でご飯を食ベさせてもらっているのか、よく考えろと言いたい。

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 同志社大学の烏丸キャンパスの敷地内に、2階建ての交番が完成したという(河北新報=共同)。大学側が用地を無償貸与。大学自治や学問の自由・独立性が侵される心配はないか、なんてことは、もはやこの時代には話題にも上らないということなんだろうか。それにしてもちょっと信じられない話だなあ。マジ引くわぁ。

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 政府公表の「自殺対策白書」によると、就職活動の失敗を苦にした若者の自殺が増えているという。2011年の大学生などの自殺は前年より101人増えて1029人。1978年の調査開始から初めて1000人を突破した(産経)。軒並み就職を断られたら、自分を否定されたような気持ちになるのは分かるが、相性が合わなかっただけだから。あきらめないでほしい。


4月19日(金曜日) 玉石混交

 インターネットの世界は情報もユーザーも玉石混交。それぞれが自己責任でしっかり見極めて、自分で考えて判断するしかない。なにごとも鵜呑みにしたらダメなのは、現実世界もネットも同じ。


4月20日(土曜日) 東電の杜撰さ無責任さ

 福島第一原発の地下貯水槽の放射能汚染水漏れについて、放射性物質が地下水から海に流れ出るまで100年以上かかる、との試算を東電が発表した。またかよという感じが否めない。ご都合主義の言動を繰り返している東電だけに、全く信じられない試算だ。

 「遮水壁が完成すれば海洋漏出は防げる」と東電は説明しているというが、いったいどれだけ巨大な壁を設けるつもりなのか。地下に漏れ出た汚染水がそんなもので防げるとは到底思えない。全く意味のない試算だとしか言いようがない。

 まずは漏れ出た汚染水を回収することが先決だろう。福島第一原発からは毎日400トンの放射能汚染水が発生し続けている。だだ漏れになっている根幹部分を修復しなければ、どうしようもないではないか。汚染水の保管が物理的に破綻するのは時間の問題だ。その場しのぎで行き当たりばったりにしか見えない東電の杜撰さ、いい加減さ、無責任さには言葉を失う。こんな人たちが原子力発電を動かしてきたのかと思うと、心底ぞっとする。


4月21日(日曜日) ヤマトのOP大合唱はあんまりだ

 「宇宙戦艦ヤマト」のアニメリメイク(テレビ版)で、最も違和感があるのがOPの合唱だ。ささきいさおに単独で歌わせてくれとまでは言わないが、宴会や観光バスで大合唱するようなあの安っぽさはないと思うんだけどなあ。EDの歌もピンと来ない。作画と動画が丁寧で頑張っていて、カッコよさが際立つだけに残念で仕方がない。なんとかならんものかと思う。円盤(ブルーレイ版)では、ささきいさおが独唱しているらしいけど。


4月22日(月曜日) 本性むき出し安倍内閣

 安倍内閣がいよいよ本性をむき出しにしてきた。中でも不気味で不安に感じるのが、声高に叫ぶ憲法96条の改正だ。「たった3分の1の反対で」改正できないと繰り返す安倍首相に怒りを覚える。全く逆だろう。むしろ「たった半分の賛成」で発議し、権力を縛るはずの憲法があっさり変えられてしまうことの方が危うい。憲法観のお粗末さにマジ引くわぁ。

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 長めの原稿をやっと出稿した。ほぼ全面的に書き直したので、うまくまとまらずに大苦戦。

 【おことわり】諸般の都合により、4月19日付から4月22日付までの「身辺雑記」をまとめて更新しました。


4月23日(火曜日) 想像力が欠如した政治家たち

 靖国問題は基本的には国内問題だと思うが、自分の行動がどういう影響を及ぼしどんな結果を招くかといった想像もできない政治家には、国の進路や憲法改正に口を挟む資格などない。外交が混迷している時にわざわざ相手を刺激し挑発してどうする。それこそ「国益」を損ねるだろうに。

 突っ込まれるのが初めから分かっていることをあえてやって、先方を刺激して挑発したらどうなるか。そんなことも分からないなんて。靖国参拝にこだわる自称愛国者の政治家たちのおつむの程度がしれる。

 靖国参拝問題について、菅義偉官房長官「心の問題に政府として足を踏み込むべきではない」(時事)。だったら、教育再生なんてご大層な看板を掲げ、道徳や愛国心や郷土愛をふりかざし、国民の心の問題に土足で踏み込むこともしなければいいと思うのだが。こういうのをご都合主義の二枚舌と言う。

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 外交混乱、閣僚暴走。そろそろ安倍政権も自滅・自壊し始めた?かな。→経産相、原発再稼働「早ければ秋」テレビ番組で発言。再稼働は原子力規制委員会が政府から独立した立場で判断することになっており、「勇み足」との批判が出そうだ(朝日)。http://www.asahi.com/business/update/0423/TKY201304230523.html

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 従業員酷使のブラック企業との批判や、柳井正・会長兼社長のインタビュー記事で、かなりイメージが悪いユニクロだが、そもそもユニクロの服って着心地がよくないし、すぐにほつれてダメになっちゃうことが多いんだよなあ。安かろう悪かろうと理解した上で、消耗品としてたまに買うけど。そんな会社の未来が明るいとは、とても思えない。

 販売されている製品の品質から考えれば、顧客満足度はけっしてよくはないだろうし、会社側もさほど重視していないのではないかと思ってしまう。従業員満足度に比例しているのかもしれない。


4月24日(水曜日) 初めての徳島ラーメン

 近所のデパートの四国・瀬戸内物産展フロアで、初めて徳島ラーメンを食べた。甘辛い味のスープに生卵が浮かぶ。この発想のベースはすき焼きだよなあ。いかにも関西らしい味付けには、ルーツが関西なので親しみと懐かしさを感じる。こういうラーメンも大いにアリだと思うが、やっぱり僕が一番好きなのは味噌ラーメンかな。


4月25日(木曜日) 情けない日本を世界に発信

 ジュネーブの核拡散防止条約の会議で、スイスなど74カ国が賛同した核の不使用を求める共同声明に、唯一の被爆国である日本は署名しなかった。「いかなる状況でも使用すべきではない」とする共同声明の「いかなる状況でも」の文言削除を求めていたが、受け入れられなかったのが理由だという。つまり核兵器を使ってもいい場合があるとの見解を、日本は世界に発信したということ。日本はそんな国だったのか。衝撃だ。情けなくて泣けてくる。

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 東北電力が、福島第一原発事故を起こした東京電力に損害賠償を求める方針だという(朝日)。これまで原発推進で一致団結してきた電力業界もいよいよ分裂か。儲からないことが明白になった原発から、一刻も早く足を洗う決断をすべきだ。まともな経営者なら逃げ出す(見切りをつける)のが当然だろう。再稼働なんてとんでもない。電力各社には賢明な選択を切に望みたい。

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 ゴスロリじゃなく「ごり押し」。なんでもかんでも韓国起源だと主張するかの国の愛国主義の人々と全く同じ、さすがタカ派の自称愛国者らしい発想だ。こんな厚かましい政治屋に応援なんかされたら、ポップカルチャーを愛する若者やクリエーターたちもさぞや迷惑だろう。

 →「ゴスロリのルーツは十二ひとえにあると聞きました。私の政治信条は『伝統と創造』。若者のポップカルチャーを後押しする発信に努めていきたい」(自民党の稲田朋美クールジャパン戦略担当相)=朝日。


4月26日(金曜日) 横浜市教委が上告

 痴漢冤罪事件で有罪が確定した横浜市立高校の元教諭・河野優司さん(60歳)の懲戒免職処分を、東京高裁が取り消した判決に対し、横浜市教育委員会は上告期限いっぱいの4月25日付で、最高裁に上告受理申し立ての手続きを取った。

 河野さんは、娘のアルバイト先に顔を出そうと訪れたデパート地下食料品売場で、女性客の下半身を触ったとして、神奈川県迷惑防止条例違反の罪で罰金刑が確定し懲戒免職になったが、一貫して無実を訴えて処分の取り消しを求めてきた。

 上告理由について市教委事務局は、「今回の判決が市の人事行政に与える影響は極めて大きい。懲戒処分を行うにあたっての教育委員会の裁量権について、今回の東京高裁判決は裁量権をかなり狭く判断している。過去の最高裁判決と相反する点もあると思われるので、上告することにした」としている。

 市教委は翌26日の臨時教育委員会で、上告したことを教育委員(6人の委員のうち2人欠席)に事後報告したが、異議は出なかったという。

 河野さんは、「免職手続きの際も、教育委員には判決文や事件経緯などの資料が十分に示されないまま処分が決定されました。こんな教育委員会でいいのだろうかと思うのですが、これが教育委員会の実態だし、こういう人たちが横浜市の教育をつくっているのだから情けない限りです。市教委にはまともな人間が一人もいないのだろうかとさえ思います。上告棄却に向けて迷うことなく進みます」と話した。7年間に及んだ河野さんの闘いは、さらに続くことになった。

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 「在特会が人権救済申し立て」。ブラックジョークか虚構新聞かと思った。まさに「どのツラ下げて」「よくもまあ恥ずかし気もなく」としか言いようがない。そんな言葉しか浮かんでこない。盗人猛々しいにもほどがある。

 →在特会、人権救済申し立て「デモで抗議側から妨害受け」(朝日)。http://www.asahi.com/national/update/0426/TKY201304260220.html


4月27日(土曜日) 戦車ではしゃぐ安倍首相

 千葉市の幕張メッセで開かれたネット動画投稿サイト「ニコニコ動画」のイベントで、陸上自衛隊の戦車に乗ってはしゃぐ安倍首相の姿が、ニュースとして世界中に発信されているのを見て頭痛がした。小学生かよ。コメディー映画のワンシーンでもなく、そっくりサンのパフォーマンスでもない。正真正銘の日本の首相が迷彩服を着て、戦車の上で小学生のようにはしゃいでいる。山田洋次監督の「馬鹿が戦車(タンク)でやって来る」じゃあるまいし。悪い冗談としか思えない光景だ。失笑。嘲笑。これはもう笑うしかない。最近の安倍首相は、ネジが1本抜け落ちたような言動が目立つ。


4月28日(日曜日) 国民分裂の式典を開く不思議

 「屈辱の日になぜ」と猛反発している多くの沖縄県民を切り捨てて、堂々と主権回復の記念式典を開催する安倍内閣の政治感覚の異様さ、歴史認識のお粗末さに驚き呆れる。国民みんなが納得する形とはほど遠い、そんな式典をあえて開く意味がさっぱり分からん。支離滅裂と言うよりも、滑稽としか言いようがない。

 主権回復式典で天皇陛下が終始、苦虫をかみつぶしたような表情なのが印象的だった。沖縄県民の大半が怒り心頭で抗議の声を上げているのをはじめ、国民の賛否も大きく分かれている式典に、天皇陛下を引っ張り出す安倍首相こそ、右翼に言わせれば「逆賊」なのではないのかと思う。酷い奴だな安倍首相。たぶん戦後、これほど醜悪でご本人の心情を踏みにじった天皇の政治利用は、ほかにはまずないだろう。

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 痴漢冤罪事件で有罪とされた横浜市立高校の元教諭・河野優司さんの懲戒免職処分を取り消した東京高裁判決に対し、横浜市教育委員会が上告したのを受けて28日夕方、河野さんと元同僚らが対応を検討する会議を開いた=写真。弁護団長の岡田尚弁護士から、今後の司法手続きの流れや審理の展望などを聞いた上で、最高裁と市教委への要請行動、報告集会の開催が話し合われた。

 会議終了後、関内駅前の居酒屋へ。市教委の不誠実な対応を嘆きつつ、豊富な魚介類を肴に生ビールと焼酎をあおった。


4月29日(月曜日) 本性ぽろり猪瀬都知事

 米紙ニューヨーク・タイムズがインタビュー記事で、猪瀬直樹都知事が五輪招致のライバル候補都市やイスラム諸国を、中傷し差別するような発言をしたと伝えた。猪瀬知事は「私の真意が正しく伝わっていない。他の立候補都市を批判する意図は全くない」とコメントしているが、どこがどのように正しく伝わっていないのか、どういうところが意図と違うのか、具体的な説明は何もない。

 大金を湯水のように使った挙げ句に、ほかの五輪候補都市や特定宗教を揶揄するような都知事に、五輪招致活動をする資格はない。不用意な発言というよりは、本音や人間性の本性がぽろりと出てしまったのだろう。傲慢不遜な猪瀬知事らしいと言えばそれまでのことだが、もう東京招致はあきらめた方がいい。

 猪瀬知事の「真意が正しく伝わっていない」との反論に対し、ニューヨーク・タイムズは「記事の取材に絶対の自信を持っている」。インタビューした記者は2人とも日本語を話すうえ、猪瀬知事はインタビューのために自ら通訳を用意。記事はその通訳が話した内容で、録音もされているという(朝日)。

 どう見ても猪瀬知事の分が悪い。これが事実ならば、猪瀬氏は下手な言い訳や見苦しいごまかしをせず、さっさとイスタンブールとイスラム諸国に謝罪して、恥の上塗りをしないように事態の収拾を図った方がいい。そして、五輪開催はイスタンブールにお譲りしたいと宣言すべし。都知事も辞任した方が潔くていいと思うよ。


4月30日(火曜日) 猪瀬都知事の「言葉の力」

 猪瀬都知事が五輪招致をめぐる発言を訂正し謝罪。「誤解される部分があれば表現不足だからおわびしなくては」「不適切な発言があった」。それなら「真意が正しく伝わっていない」との反論はなんだったのか。さらに「これからの招致活動はほかの都市に敬意を払っていきたい」。なるほど、これまではほかの都市に敬意を払ってなかったんだ。

 猪瀬都知事の発言は誤解だとか不適切なんて代物ではなく、ほかの候補都市やイスラム諸国への差別と偏見に満ちた発言だ。そういう人が招致活動をするなんて、悪い冗談だとしか思えない。会見での言葉も謝罪とはほど遠く、言い訳や弁解に終始して見苦しい。

 言語力の向上を通じて世界で活躍できる若者を育成すべく「言葉の力」再生プロジェクトを実施するなどとぶち上げて、自著「言葉の力」を盛んに宣伝していた猪瀬知事は、ずいぶんと言葉をおろそかに扱うんですね。なるほど石原慎太郎前知事の後継だけのことはあります。往生際の悪さも石原さん譲り。しかも国際的発信力も半端じゃない。さすがです。もはや猪瀬知事による五輪招致活動の継続は無理でしょう。ついでに都知事もお辞めになった方がよろしいかと存じます。

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 今だって憲法違反を平然とやってのける政治家たちなのに、国家権力を縛る憲法の規定をこれ以上もっと緩めたりしたら、暴走してとんでもないことになるのは火を見るより明らかだ。平和主義の理念も国家主義教育に対する戒めも基本的人権も表現の自由も、どんどん突き抜けて国民をがんじがらめに管理統制する方向に走り出すだろう。

 だからこそ、憲法改正の要件緩和については慎重でなければならないのだ。3分の2以上という条件を取り払って、2分の1以上の国会議員の発議で憲法改正を可能にするなんてとんでもない。飼い主である国民に噛み付こうとする政治家を、頑丈な首輪とリードでしっかり結わえておくのは、有権者の重要な仕事なのである。


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