身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2013年5月1日〜5月31日

●学生の変化と成長●「死の商人」安倍首相●権力者の詭弁●赤レンガ倉庫でビール●「外交努力」を放棄?●余計なお世話●独り言●ボンクラ裁判官の不当判決●委員長解任決議は当然だ●文章チェック●冤罪不当判決ツイートまとめ●かたくなに護憲●品性も知性も理性もない橋下発言●一緒にするな●「国益」を損なう自称「愛国者」●メディアに責任転嫁するな●「こころの自由裁判」の歩み●「市民運動」の基本●名刺のカラーを一新●雑誌「冤罪File」に記事●冤罪不当判決に怒りの世論●上告承認の議事録がない?●長過ぎる会議●馬鹿馬鹿しいニュース●「それでもボクは言ってない」●世界中に恥をばらまく橋下式詭弁術●英語よりもまず日本語を●著しい成長と称賛●詭弁家・橋下市長の徹底排除を●集中力●●●ほか


5月1日(水曜日) 学生の変化と成長

 学生の一人がとてもいい作文を書いてきた。文章表現は改善すべき点がまだかなりあるが、自分にしか書けない体験を具体的に分かりやすく描写した内容と視点は素晴らしく、格段の進歩と言っていい。模範作文の一つに選んで褒めた。ほかの学生にも早速いい影響を及ぼし始めた様子で、なんだかとてもうれしい。

 このところ授業中の私語はほとんどなくなって、大半の学生は真面目に講義を聴いている。別の受講生が書いた「個人的なエピソードから社会性のあるテーマへ」と発展させた文章にも、大いに刺激を受けたようだし、何を書けばいいのか全く分からないと話していた学生も、「どういう視点でどの部分をクローズアップして表現すればいいのか」というきっかけがつかめた感じだった。

 学生の変化と成長が実感できることほどうれしいことはない。きょうの授業は気分よく終えることができた。よかったよかった。徹夜の添削作業が少しばかり報われたように思う。


5月2日(木曜日) 「死の商人」安倍首相

 朝日の世論調査では「改憲手続き要件の緩和に賛成38%、反対54%」「9条を変えない方がよい52%、変える方がよい39%」と報道。一方、NHKは「憲法改正の条件を緩めることに賛成26%、反対24%でほぼ同じ」「9条を改正する必要がある33%、改正する必要はない30%」と伝えた。

 朝日とNHKで調査結果がかなり違う。もちろん質問方法や聞き方によって回答は変わってくるのだが、それにしても両者の数字の差があまりに大きくて驚く。個人的な期待感を含めた感想は朝日の数字にほっとし、NHKの数字には違和感がありすぎて「そりゃないだろ」と突っ込みを入れたくなるのだけど。

◇◇

 これぞまさに死の商人。もし中東の原発で取り返しのつかない大惨事が起きたら、どんな責任を取るつもりなのだろう。そもそも原発から大量に生み出され続ける核廃棄物については、どう考えているのだろう。自分の国でも満足に処理できていないのに。経済的利益さえ確保できれば、遠く離れた異国のことに痛みなど感じないのだろうか。安倍首相には良心も恥の心もないのか。→安倍首相、原子力技術の中東輸出に意欲(NHK)


5月3日(金曜日) 権力者の詭弁

 「3分の1が反対すれば憲法に指一本触れられないのはおかしい」(安倍首相)。いや、おかしいのはあんただよ。権力者を縛っている憲法という「たが」を、権力者自身が簡単に緩められないように制限しているのが憲法96条なんだよ。権力者が「制約はおかしい」なんて言うことがおかしいだろ。こんな詭弁を堂々と饒舌に弄すること自体が、まったくもって信用ならない。我慢しきれない安倍首相らしく、隠そうとしても本性がじわじわ表に出てくる。


5月4日(土曜日) 赤レンガ倉庫でビール

 横浜赤レンガ倉庫で友人とビールを飲んだ。倉庫前広場で開催中のドイツビール祭り=写真=(5月6日まで)に出かけたのだが、どこもかしこも人であふれ返る盛況ぶり。ずらりと並ぶテーブル席はどこも満席で、階段や地べたに座って飲む人もいるほど。たぶん5千人以上いたと思われる。

 広場で飲むのはあきらめて、赤レンガ倉庫3Fのテラスへ。こちらは空いていた。みなとみらいの夜景を眺めながら、心地よい風に吹かれての飲食は気持ちいい。ごった返す喧噪の中で我慢しなくて正解だった。


5月5日(日曜日) 「外交努力」を放棄?

 政権ナンバー2がここまで言い切るとはすごいな。仰天した。麻生氏と安倍政権は「外交努力」という概念を放棄したのだろうか。安倍といい麻生といい猪瀬といい、◯◯が権力を握るとロクなことにならない。→麻生副総理「われわれは過去1500年以上の長きにわたり、中国との関係が極めてスムーズにいったという歴史は過去にない」(産経)。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130505-00000064-san-pol


5月6日(月曜日) 余計なお世話

 セックスや妊娠・出産まで国家が口を出す社会って。この傲慢さと感性と頭の悪さにぞっとする。安倍晋三内閣の重点政策とのことで、「30代前半までの妊娠・出産が望ましいことなどを周知し、晩婚・晩産に歯止めをかける狙い」だそうだ。大切な国民の税金を使って、余計なお世話にもほどがある。→人生設計考えて…妊娠いつする?10代から「女性手帳」導入へ(産経)。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130505-00000056-san-pol


5月7日(火曜日) 独り言

 うーん、なんだかなあ。言ってることが全く分からない。判断基準がどこにあるのかまるで理解できない。整合性が取れているともどうしても思えない。前提となるものが定まっていないので、右往左往するばかりだ。まいったなあ(謎)。独り言です。


5月8日(水曜日) ボンクラ裁判官の不当判決

 またしても酷すぎる事実認定で、痴漢冤罪事件の被告人に有罪判決が言い渡された。ボンクラ裁判官のあまりの節穴ぶりに、ほんのわずかばかり残っていた司法への信頼と期待が、ほとんど消えてなくなりそうだ。傍聴取材していて、久しぶりに心から裁判官への怒りがこみ上げてきた。

 バス車内で女子高生の尻を触ったとして、東京都迷惑防止条例違反の罪に問われた公立中学校の男性教師に対し、東京地裁立川支部(倉澤千巌裁判官)は罰金40万円の判決を言い渡した。その判決理由の論旨があまりにメチャメチャで、ただひたすら「被害者供述の信用性は高い」と繰り返すばかりだった。

 男性は右手でケータイを操作してメールを受信・作成・送信し、左手はつり革を握っており、痴漢行為ができる状態ではなかった。その様子はバス車載カメラの映像に記録されており、弁護団が時系列に沿って、こと細かに立証してみせた。

 ところが判決は、「バス車内の立ち位置の映像と被害者供述の食い違いは、さほど大したものではない」「被害者は恐怖と不快感と嫌悪感で正確に把握できず、勘違いがあったとしても不自然ではない」「車載カメラの映像から痴漢行為が可能なのは3秒程度しかないと言うが、それ以外の左手の状況は不明で、容易とは言えないが不可能とか著しく困難とは言えない」「バスの揺れでリュックがあたったと言うが、当たる強さや接触時間の長さから被害者が勘違いするとは考えがたい」などと指摘。「被害者供述の信用性は否定できない」ので有罪だと締めくくった。

 この裁判官の理屈だと、事実に基づいてどれだけ緻密に立証したとしても、被害者供述さえあれば、「痴漢行為は不可能ではない」として有罪にされてしまうではないか。傍聴席からは「酷い」「デタラメな判決だ」との声が。主任の今村核弁護士も法廷で「よく分からないなあ」「バカな人だな」とつぶやいた。

 男性は閉廷後、「裁判官は自分の誇りを捨てました。客観的事実や裏付けをすべて切り落とした判決で、最初から有罪にしたいだけだったんだなと思いました。悔しいですがこれで終わりではないと思っています」と話した。今村弁護士は「論理的にどう考えても無罪になる事件。論理的に破綻した判決だ」と憤懣やるかたない面持ちで語った。男性は控訴する方針だ。

 報告集会で男性の支援者から「裁判官を裁く法律が欲しい」との意見があった。全く同感だ。しかし残念ながらこれが日本の司法の現実だ。この倉澤千巌という裁判官が突出して異常で希有な存在ではないのが、なんとも情けなく悲しい。

 それにしても、主任の今村核弁護士が裁判官に向かって「よく分からないなあ」「バカな人だな」とつぶやいたのは、さすがでお見事だと思った。まさか弁護人にそんなことを言われるとは思いもしなかったのだろう。倉澤裁判官がぎょっとした感じで、今村弁護士の顔を見つめたのが興味深かった。死刑判決を言い渡した最高裁判事に対して、傍聴席から「人殺し!」との罵声が飛んだのと同じくらいショックを与えたはずだ。裁判官はそれほどの緊張感と衝撃が与えられるべきだと個人的には思う。


5月9日(木曜日) 委員長解任決議は当然だ

 参院環境委員会の川口頼子委員長の解任決議は「不毛」か。全くそうは思わない。議会の許可なく中国出張の日程を延長し、予定されていた環境委員会が開けなくなったのだから、責任ある立場の委員長として職務怠慢で議会軽視なのは明白だろう。「中国要人との会談は国益に貢献する」というがどこがどう具体的に「国益」なのか。権力者の言う「国益」ほど、一方的に都合よく利用されるものはない。

◇◇

 霞が関の東京地裁・高裁で取材を終えて知人に出くわすと、「経産省前の脱原発テントを見てから帰る」と言うことにしている。そうすると「なにそれ?私も見てみたい」と付いて来ることが多い。きょうも帰り際に、大学の研究者や足利事件支援者の西巻糸子さんらに話したら、大いに関心を示したので現地へ案内した。

 国有地の一角で意思表示の姿勢を貫く人々の姿を初めて目にしたそうで、みんないたく感激した様子だった。霞が関の脱原発ツアー大成功(笑)。脱原発テントの存在は意外と知られていない。国は撤去を求めているだけに、貴重な砦の存在をもっと広くアピールすべきだと思う。官僚たちの目と鼻の先で、脱原発の声を上げ続けることの意味は大きい。


5月10日(金曜日) 文章チェック

 雑誌「冤罪ファイル」のルポルタージュ原稿のゲラが上がってきたのでチェック。友人のアニメーション制作関係者が創刊準備をしているメールマガジン(メルマガ)の原稿を校正。大学の文章講座で学生に書かせた宿題の作文を添削。うーん、こうやって並べてみると、自分の文章を見直すのは当然だとしても、人様のものも含めて文章チェックの作業ばかりだ(笑)。


5月11日(土曜日) 冤罪不当判決ツイートまとめ

 大学で補講を2コマやってから、学内の情報センターで調べ物と雑用。ヘロヘロで帰宅してツイッターを覗くとなぜかメッセージがあふれている。あれ、ネトウヨに恨まれるような発言でもしたかなと焦る(いっぱいしてるよ=苦笑)。5月9日に発信した「三鷹バス痴漢冤罪事件」の僕のツイートをまとめて下さった方がいて、どうやらその影響らしい。

 ツイートに対するメッセージやリツイートをたくさんいただいているようだが、反応が返ってくるまで48時間ほどの「時差」があるのか。それにしても、大勢の方が痴漢冤罪事件や日本の司法のおかしさに関心を持ってくれたようで、取材記者としてとてもありがたい。ツイートをまとめて下さった方にも感謝。

 「最初から結論ありき」で審理し、事実をねじ曲げた判断に基づく有罪判決は、司法の自己否定にほかならない。国民の信頼を著しく損なうことにもなる。しかし残念ながら日本の裁判所では、東京地裁立川支部の倉澤千巖判事のような裁判官が大半だ。倉澤判事には研修として、映画「それでもボクはやってない」を強制的に少なくとも100回は見させるべきだと思う。

 → @hayato821 さんのまとめ「『三鷹バス痴漢冤罪事件』でトンデモナイ有罪判決」をお気に入りにしました。 togetter.com/li/501079


5月12日(日曜日) かたくなに護憲

 国民すべてに保障された普遍的人権を、国家権力が奪おうとする改憲には断固反対です。表現の自由など国民の基本的人権は、むしろ「金科玉条のごとく」かたくなに守らなければなりません。こうした憲法の規定は、国家権力の暴走や不法行為を縛るために存在しているのです。国民を縛るためのものではありません。

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 中国側の筋違いの主張にも、日本の沖縄に対する仕打ちに対しても、歴史的事実をもとに冷静に批判した説得力のある論評。中国政府も日本政府も両国民も心して読むべし。→「人民日報論文、歴史の恣意的な曲解だ」(琉球新報・社説)http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-206462-storytopic-11.html


5月13日(月曜日) 品性も知性も理性もない橋下発言

 「精神的にも高ぶっている集団に休息をさせてあげようと思ったら、慰安婦制度が必要なのは誰でも分かる」(維新の会・橋下徹代表)。分からないよ。みんながみんな性衝動に突き動かされる人間ばかりだとは限らないだろう。自分に品性も知性も理性もないからといって、他人も同じだと勝手に断定するな。

 さらに、橋下氏の論外の異様さに戦慄する論外のニュース。橋下氏の性風俗活用の提案に、米軍司令官は凍り付いたような表情をみせ、「米軍では禁止されている」などと取り合わなかったという。橋下氏の言動は、今に始まったことではないけどちょっと信じがたい。まさにこれこそ「国辱」ものではないか。

 →「『もっと風俗活用を』と橋下氏、凍り付く沖縄の米軍司令官」(産経)http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130513/waf13051319370013-n1.htm

◇◇

 原子力規制委員会がまともに機能しようとしていることに、むしろ驚いてしまう。それだけ以前の原子力規制行政がデタラメだった証左でもあるのだが。停止命令を出さざるを得ないほど酷い状況なのだろう。

 →「もんじゅ、無期限の停止命令へ、機器1万個の点検放置で」(朝日)http://www.asahi.com/national/update/0512/OSK201305120135.html

 それでもなお原発の再稼働に執念を燃やす安倍内閣。今夏の参院選の自民党公約に、原発再稼働を盛り込む方針だそうだ。この期に及んで平然と。福島原発事故はいまだに収拾がつかない状態で、放射性物質や汚染水のだだ漏れが続いているのに。信じがたい。有権者がしっかり審判を下さないと大変なことになる。

 大量に流れ出る汚染水の処理は既に破綻していたから、海に流さざるを得なくなるのは予想できたが、反発し抵抗していた福島県漁連は結局認めるのだろうか。朝日のニュースサイトのインデックスの見出しは「地下水放出、県漁連が了承へ」となっていた。漁連に苦渋の判断を強いるのは、あまりにも酷な話だと思うが、それにしても東電の杜撰でいい加減で泥縄の無為無策には、改めて怒りを通り越して驚き呆れる。

 →「福島第一の地下水放出、東電が漁連に説明、結論は先送り」(朝日)http://www.asahi.com/national/update/0513/TKY201305130037.html

 福島県漁連側もそうあっさりと、地下水の海への放出を認められないよなあ。「汚染水ではない」「安全性に問題ない」と言われても、東電や国の言うことを簡単には信じられないだろうし。

 →「福島第一原発『地下水海へ放出』計画、漁連側と合意せず」(毎日)http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130513-00000015-mai-env


5月14日(火曜日) 一緒にするな

 記者の仕事は事実を積み重ね、背景と本質に迫って問題提起し、多くの人に考えてもらうことにある。例えば冤罪事件の取材にしても、法廷をただ傍聴しただけで記事を書くわけがない。弁護士や本人の話を聞いて鑑定書も読み、検察側の論告も聞いているのは当然だ。教育問題や事件などの取材も同様。新聞記者時代から一貫している。

 冤罪事件の不当判決に関する一連のツイートにしても、当然のことながら、法廷を傍聴しただけで印象や主観に沿った文章を並べているわけではない。根拠も示さずそんな批判をする人がいる。飲み屋や井戸端会議でその辺のおっさんやおばちゃんが、無責任にうわさ話や世間話に興じているのと一緒にしないでほしい。

◇◇

 橋下徹氏「法律違反のことをしろと言っているわけではない。米軍が、法律で認められた日本の風俗業を利用することは何ら問題はない」(読売)。米軍司令官から「米軍はそんな品性のないことはしない」と一蹴されたのに、まだ食い付こうとするとは、本当に知性のかけらもないんだな。恥も外聞もない。

◇◇

 靖国参拝や従軍慰安婦など、安倍首相の歴史認識が米議会で問題視されていることについて、「わが国の考え方が十分に理解されていないことは残念だ。正しく理解されるよう、積極的な情報収集や発信に努めていく」と参院予算委で安倍首相。「わが国の考え」って何だよ。安倍さん、あなたの考えでしょ。一緒にしないでくれ。

 橋下徹市長(維新代表)にしても安倍晋三首相にしても、どうして自分の特異な思想や性癖を、すべての男性や国民が同じように抱いているはずだと決めつけて、「慰安婦制度が必要なのはだれでも分かる」「わが国の考え方が十分に理解されていない」などと言って、他人を道連れにしようとするのだろうか。同じだと思われたらたまらん。


5月15日(水曜日) とんでもない開き直り

 維新の会の橋下徹代表が何かに憑かれたように、べらべらまくし立てるニュース映像を見て、いつもの橋下氏らしい卑劣な詭弁にうんざりした。救い難い醜悪さに反吐が出る。しかしネトウヨの賛意は得られて、大阪のおばちゃんは騙せるかもしれないが、世界の厳しい目をごまかすのは難しいだろう。特に人権問題に厳しい欧米先進国の目は甘くないよ。

◇◇

 徹夜明けで大学の授業をやってヘロヘロ。消耗しきった。講義そのものはまずまずの出来だったと思うが、事務処理でちょっと(かなり?)ミスってしまった。受講学生に余計な手間を取らせることになってしまう。自己嫌悪。

◇◇

 相手のツイート内容もろくに読みもせずに、事実に反した批判を一方的にしてくるバカがいる。「具体的な根拠を示すように」と言うと、「失礼しました」だと。おまけに「貴方と私の価値観は近いように思います」とは噴飯ものだ。全然近くないよ。一緒にするな迷惑だ。度し難いにもほどがある。

 「事実確認する」「相手の発言をちゃんと読む」といった小学生でもできることすらせずに、赤の他人を一方的に罵倒する。しかも何の根拠もなく事実に反した思い込みだけ。それで偉そうに政治を語るとは。恥ずかしくないのか。まあそういう輩には羞恥心なんかあるわけないよなあ。

 ツイッターであまりにも失礼なメンション(相手方のアカウント名が入ったメッセージ)を送りつけてきた輩がいたので、つい強い口調になってしまった。怒りモードはここまで。失礼しました。

◇◇

 原子力規制委員会の専門家会議が、敦賀原発の直下にある断層は活断層だと断定した報告書をまとめたことに対し、日本原子力発電(日本原電)が「客観的な事実やデータに基づいた科学的判断でない。公権力の行使に携わる規制当局として誠に不適切」と抗議したという。「客観的な事実やデータに基づいた科学的判断」をこれまでしてこなかったのは、日本原電自身じゃないか。とんでもない開き直りだ。盗人猛々しい。厚顔無恥にもほどがあるだろう。

 福井県敦賀市の高速増殖炉「もんじゅ」を運営する日本原子力研究開発機構について、原子力規制委の田中俊一委員長「何度も違反を繰り返している印象が否めない。かなり事態は深刻だ」。島崎邦彦委員長代理は「点検漏れの指摘を受けた報告書でも不備が見つかり、その場しのぎで作文したと言わざるを得ない。このような組織が存在していること、それを許していること自体問題だ」。原子力規制委の厳しい姿勢を支持する。この姿勢を維持してほしい。


5月16日(木曜日) 「国益」を損なう自称「愛国者」

 しゃべればしゃべるだけ泥沼の深みに落ちていく橋下徹・維新代表。最初の発言と比べてみれば、矛盾や詭弁だらけで言い訳にもならない戯れ言を、必死に並べたてているのは一目瞭然だ。橋下代表は「精神的にも高ぶっている集団に休息をさせてあげようと思ったら、慰安婦制度が必要なのは誰でも分かる」と言ったのだから。卑劣すぎて反吐が出る。みっともないなあ。

 報道各社は、「米国務省報道官が、橋下徹大阪市長の発言は言語道断で侮辱的なものだ、と厳しく非難した」などと報じた。これで橋下市長も維新の会も終わったな。「宗主国さま」を激怒させたら完全アウトで退場だろう。もはや取り繕おうにも取り繕えないところまで踏み込んでいるのに、それでもまだ見当外れの強弁を重ね、得意の「話のすり替え」を繰り返しているのが痛々しい。

 6月に米国視察を予定する維新代表の橋下徹・大阪市長は、「批判は受けるかもしれない。自分の考え方は伝える」と語ったという(朝日)。米映画「ケンタッキー・フライド・ムービー」で、白人男性がハーレムのど真ん中で「ニガー!(黒人の蔑称)」と叫んで逃げるギャグシーンがあったが、それを思い出した。怖いもの知らずなのか、傍若無人の恥知らずか。

 安倍首相といい橋下市長といい猪瀬都知事といい、歴史的事実を無視した非常識で配慮に欠ける傲慢な発言をぶちかまし、あっちでもこっちでも恥をさらして怒りを買う。それがどれだけ世界中の多くの人たちの信頼を失って軽蔑され、どれだけ日本の「国益」を損なっていることか。とんだ自称「愛国者」たちだ。

 【おことわり】米国務省報道官が橋下発言を非難したくだりの表現を、一部修正しました。朝日が米政府当局者のコメントの一報を伝えた後、米国務省報道官が記者会見の場で、正式に公然と橋下発言を批判したためです。文章全体の主旨に変更はありません。


5月17日(金曜日) メディアに責任転嫁するな

 橋下維新は自滅への道を着々と歩んでいる。橋下市長と石原都知事の共同代表2人がアレで、松井一郎幹事長(大阪府知事)も橋下擁護一辺倒の有り様。もともとろくでもない集団なのがくっきり明確になっただけなのだが。救いようがないのは安倍自民も一緒で、同じ穴のムジナだ。日本を世界で孤立化させたくないと考えるならば、有権者はよくよく考えて投票すべし。

 「慰安婦制度が必要なのは誰でも分かる」と橋下氏が発言したのは紛れもない事実。それでもメディアの「大誤報」だと強弁するのか。都合が悪くなるとメディアのせいにするのは権力者の常套手段だが、これはあまりにも見苦しい。発言の映像も音声も公になって残っているのに、話をすり替えて苦しい弁明をした挙げ句がメディア批判かよ。みっともないにもほどがある。「ぶら下がり取材」も取りやめるんだってさ。人間性が出てるよなあ。

 →橋下氏「大誤報やられた」とメディア批判(読売)http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130517-OYT1T01220.htm

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 いやいやいや、大変遺憾なのは電事連や関電や日本原電の方だから。原発の場合は「疑わしきは動かさず」。福島原発事故から何も学習していないことこそ遺憾だよ。

 →電事連会長「敦賀直下に活断層」に異議「大変遺憾」(朝日)http://www.asahi.com/business/update/0517/TKY201305170402.html


5月18日(土曜日) 「こころの自由裁判」の歩み

 記録集「『神奈川こころの自由裁判』の軌跡」をいただいた。本文だけで560ページ以上もある分厚さで、ずっしり重い。準備期間を含めて提訴から2011年6月の最高裁判決まで、7年間の法廷内外での歩みの重さが伝わってくる。

 「神奈川こころの自由裁判」は、起立や斉唱など日の丸・君が代の強制は思想・良心の自由に反するとして、国旗国歌に対する「忠誠義務」が存在しないことの確認を自治体に求めた行政訴訟。神奈川県立高校など、県立学校の教職員170人(弁護団100人)が最終的に原告となった。

 東京都と違って神奈川県では処分を伴う起立や斉唱の強制はない。それでも教職員に対する強制の動きは着々と進み、職員会議も教職員が自由闊達に討議する場ではなくなるなど、教育行政による学校現場への介入や統制が強化されたことが提訴へとつながった。

 東京高裁は処分が出ていないことを理由に司法判断せず門前払いし、最高裁も上告棄却・不受理を決定して裁判は終わったが、訴訟を通じて「強制のおかしさ」「行政や政治が教育を不当に左右する危うさ」を広く世論喚起した意義は大きい。記録集には、原告団と弁護団のそうした歩みがまとめられている。

 記録集を編集した原告団の一人の元高校教諭は、「終わったことの記録というよりは、この先につなげるさらなる一歩のつもりでまとめた」と話す。最終準備書面や判決のほか、原告陳述書、職員会議議事録の分析報告書なども収録。子どもたちのエピソードや同僚への思いも、できるだけ紹介したという。

 関係者の陳述書も貴重だ。教育委員会から「指導」という執拗な圧力を受け、一貫して抵抗を続けた県立高校校長の勇気ある証言は生々しい。「自主・自立」を掲げる高校で生徒会長を務めた生徒は、国旗国歌に関しては強制される違和感を吐露し、PTA会長は管理職から繰り返し圧力を受けたと証言する。

 「私は日の丸・君が代に賛成だが、立つか座るかは自由でよいではないか」という職場の同僚の発言が、原告陳述書の中にあった。違う考えを尊重する、日の丸・君が代に反対なのではなく強制することに反対する。この裁判の本質はそこにこそあると言っていい。

 日本の裁判所(裁判官)は民事訴訟も刑事事件も、本当にどうしようもないなと、記録集を読みながら改めて感じた。国民の思想・良心の自由が問われているというのに、裁判官はいったいどこを向いて、だれのために審理しているのか。良心や正義のかけらもないとつくづく思う。冤罪事件も同じだ。


5月19日(日曜日) 「市民運動」の基本

 「市民運動がなかなか理解されない、広がらない」というご意見に対して。身内や仲間うちだけに向けた自己満足の「運動」では、広く世論を喚起し、理解してもらい、味方になってもらうのは難しいと思います。どういう言葉で何をどのようにだれに伝えるか、たとえば教員ならば、日ごろから生徒や保護者や同僚にどのように向き合っているか、が問われるのではないでしょうか。「日の丸・君が代」の強制反対に限らず、原発や体罰やいじめや冤罪事件など、どんな市民運動であっても。たぶん同じことが言えるはずです。


5月20日(月曜日) 名刺のカラーを一新

 新聞記者を辞めた直後に作った最初の名刺はシンプルだった。住所と名前と「ジャーナリスト」の肩書きだけ。しばらくして勤務先の大学名を加え、現在はケータイ番号も併記している。そんな変遷を重ねてきた名刺だが、このたび台紙のカラーをスカイブルーから淡いイエローに一新した。ささやかな気分転換。残り数十枚がなくなったら、近く使い始める予定だ。

◇◇

 囲み取材を断固拒否したばかりの橋下徹・大阪市長が、一転して再開。都合のいいように言い訳を重ねて強弁し、メディアにすべての責任を転嫁した挙げ句に、言動をくるくる変える橋下氏。なんだか北朝鮮のニュースとごっちゃになっちゃうよ。いい加減ウザすぎて反吐が出る。


5月21日(火曜日) 雑誌「冤罪File」に記事

 「痴漢冤罪で免職された高校教諭、処分取り消し逆転勝訴/有罪確定も職場復帰を訴え『それでもボクはやってない』」。「横浜デパ地下事件」について8ページのルポルタージュを書きました。5月28日発売の雑誌「冤罪File」19号に掲載されます。全国有名書店で手に取ってご一読を。定価450円。

 「三鷹バス痴漢冤罪事件」で有罪判決を言い渡した東京地裁立川支部の倉澤千巖裁判官について、雑誌「冤罪File」に連載中の「裁判官の品格」シリーズで取り上げるつもりです。たぶん次々号(9月発売)あたりになると思います。かなり先になりますが、書店で見かけたらぜひお読み下さい。


5月22日(水曜日) 冤罪不当判決へ怒りの世論

 往生際が悪くて見苦しいのは、維新の会の橋下徹・大阪市長だけじゃなかった。敦賀原発の直下に活断層があるとの報告書を原子力規制委員会が正式了承したのに対し、日本原子力発電(日本原電)の浜田康男社長が、規制委に公開質問状を出して抗議し、専門家調査団のメンバー個人にも抗議文を出した。専門家の正当な手続きに基づく公正で科学的な判断なのに。原発利権を守るための圧力、脅し、威嚇としか思えない。原子力規制委員会の毅然たる態度を断固支持する。規制委は腰砕けにだけはならないでほしい。

◇◇

 数々の冤罪事件で無罪判決をいくつも勝ち取ってきた敏腕のベテラン弁護士でも、受任事件で不当有罪判決を言い渡されるとやはり激しく落ち込むらしい。当初の取材には「もう耐性がついて慣れました」と話していたが、実際は違ったようだ。そりゃそうだろうなあと思う。敏腕法律家だって生身の人間だもの。ちょっと意外ではあったけど。

 三鷹バス痴漢冤罪事件に対する不当有罪判決についてツイッターで速報を流したところ、「これだけ無実の証拠を積み重ねても有罪とは酷い」との反応が殺到した。意気消沈していた担当弁護士はこれらの書き込みを読んで、「かなり元気になった。励まされた」と話してくれた。ああよかった。発信した甲斐があったと心から思う。

 一方、被告人とされた男性教員は意気軒昂のようで、21日付で控訴の手続きを取った。もちろん心中は穏やかではないだろうし、怒りと悔しさと虚しさでいっぱいだろうと想像する。多くの支援者や家族、友人、教え子、保護者らのバックアップを受けて、闘いの舞台は東京高裁へと移る。

◇◇

 徹夜明けのまま2コマの授業で立ちっぱなしっていうのは、やっぱりきついわあ。きょうもヘロヘロ。文章指導の講義なので、学生に宿題として書かせた文章を前日までにすべて読んで、添削して講評しなければならない。昨年や一昨年と変わらず、今年も前期講義は毎週こんな感じで徹夜。大丈夫か俺。

 ちなみにきょうは学食で、生姜焼き定食に、さらに山菜天ぷらを追加して豪勢に食べた。味はともかく、これで500円。助かるわあ(笑)。よし頑張ろう。


5月23日(木曜日) 上告承認の議事録がない?

 痴漢冤罪事件で懲戒免職された横浜市立高校の元教諭・河野優司さんが、横浜市教育委員会に情報公開請求していた議事録が開示された。東京高裁の処分取り消し判決に対し、市教委が上告したのを受けての請求。しかし市教委事務局が教育委員に上告決定を事後報告した際に、どのような説明をしたかを示す議事録やメモはない、として開示されなかった。

 市教委は「議事録やメモが存在するのか、存在するなら残されているのかどうかも含めて、担当部局で調べて改めて回答したい」とした。河野さんは「事務局がどのように説明・報告し、教育委員がそれをどう受け止めたのか、高裁判決を読んだ上で上告を承認したのか、事実関係が知りたいだけだ。事務局が事実を隠すのは納得できない」と話している。

 河野さんは、娘のアルバイト先に顔を出そうと訪れたデパート地下食料品売場で、女性客の下半身を触ったとして、神奈川県迷惑防止条例違反の罪で罰金刑が確定し懲戒免職になったが、一貫して無実を訴え処分取り消しを求めてきた。東京高裁は今年4月、「処分は重すぎ妥当性を欠き裁量権を逸脱している」として処分を取り消す判決を言い渡した。

 市教委事務局は、河野さんが一貫して無実を訴えていることや処分不当と判断した高裁判決を、教育委員にきちんと伝えていない節がある。独立して判断する権限が与えられている教育委員をないがしろにして、最初から「結論ありき」で事務局(つまりは市上層部の意思)が勝手に独走することが許されるのだろうか。取材していて、そんな疑問が払拭できない両者のやり取りだった。

 【写真説明】河野さんと河野さんの元同僚に、情報開示内容を説明する横浜市教委職員(右側2人)=23日午後、横浜市役所本庁舎1階の市民情報室

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 三浦雄一郎さん、高校の先輩なんだよなあ。元気過ぎる。さすがに日ごろから鍛えてる人は違う。というよりも、まさに超人だ。

→三浦雄一郎さんエベレスト登頂成功、史上最高齢80歳で(毎日)http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130523-00000043-mai-soci


5月24日(金曜日) 長過ぎる会議

 東京・大久保で雑誌「冤罪ファイル」の編集会議。昼過ぎから午後9時近くまで延々と続く。会議は簡潔にさくっと短く切り上げるのが、優れた組織のあるべき姿なのに。いくらなんでも、だらだら長過ぎるよ(涙)。こういう消耗のさせ方は無駄が多いだけで、いかがなものかと思うのだが。ぐったり疲れ果てた。


5月25日(土曜日) 馬鹿馬鹿しいニュース

 「首相公邸に幽霊が出る」とのうわさについて、政府は「承知していない」とする答弁書を閣議決定した(フジテレビ)。こんな政府答弁書をわざわざ閣議決定するのもどうかしてるが、こんなしょうもないことを国会で質問する民主党議員も頭がおかしいとしか思えないし、こんなどうでもいいアホみたいなニュースを大々的に取り上げるメディアも異常だ。

 もっと議論すべき重大問題が山のようにあるのに、首相公邸の幽霊なんて馬鹿馬鹿しい話は、どうだっていいじゃないか。政府与党も野党もメディアもまともじゃない。この国はもう終わってるな。情けないにもほどがある。

 → http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20130525-00000700-fnn-pol


5月26日(日曜日) 「それでもボクは言ってない」

 橋下氏は、米軍に風俗活用を促した発言は米軍と米国民に謝罪し撤回したが、慰安婦容認の発言は撤回していない。「慰安婦制度が必要なのは誰でも分かる」と発言したのは紛れもない事実なのに、「私が(慰安婦を)容認していると誤報された」などとメディア批判をひたすら繰り返す。噴飯ものの詭弁だ。

 「慰安婦を正当化しようという意図は毛頭ない」「私が容認していると誤報された」。どうしてこういうウソや詭弁を平気で堂々と並べられるのか、いったいどういう精神構造をしているのか、理解しがたい人物だ。橋下氏は「慰安婦制度が必要なのは誰でも分かる」と明言したじゃないか。

 「誰もがすべて自分と同じ発想と感覚に違いない」と決めつけ、勝手に他人を巻き込んで「慰安婦制度は必要だった」とする自身の理屈を正当化したのは、橋下氏本人ではないか。「慰安婦制度が必要なのは誰でも分かる」という発言は、「私はそう思う」ということにほかならない。橋下氏は日本語が不自由なのか。

 これだけ明らかになっている自身の発言を「なかったこと」にして、メディアによる誤報だと話をすり替えて平然と責任転嫁した上で、「本意と正反対の受け止め方をされた」「誤解を招いた」「誤報された」と言い切るとは、呆れてものが言えない。こんなとんでもない人物を支持して一票を投じた有権者は、深く恥じ入って猛省すべし。有権者の責任も重大だ。

 橋下氏の言動は、政治信条や政策といった次元以前の問題だ。事実をねじ曲げて責任転嫁し、平然と話をごまかして論点をすり替える。正義や誠実さのかけらも感じられない。そんな人物に権力を委ねるなんてあり得ない冗談だ。それでもなお多数の有権者が橋下氏や維新の会を支持するなら、もはや世も末だと嘆くしかない。


5月27日(月曜日) 世界中に恥をばらまく橋下式詭弁術

 海千山千の外国特派員協会の記者たちに、橋下式の稚拙な詭弁術が通じるわけないのに…。さらに見苦しくみっともない恥の上塗りを重ねて、平然としていられるこの男の精神構造は、いったいどうなっているのだろう。少なくとも「誰もが」「多くの歴史学者が」などと戯れ言を並べたてて、自説と他者を一緒くたにして語るのだけは止めてほしい。日本人全員が橋下市長と同じだと思われたらかなわん。

 いずれにしてもこうやって恥ずかしい橋下トンデモ発言が、何回も何回も繰り返し世界中にばらまかれることにぞっとする。無知で不勉強な詭弁というだけでは済まない。その滑稽なパフォーマンスがどれだけ「国益」を損ねることになるか。橋下市長の発言が、日本人総意の発言として受け取られるのだけは勘弁してもらいたい。

 ちなみに外国特派員協会の記者会見には、外国人記者だけが出席し質問するわけではない。日本人記者のほか、ジャーナリストと名乗りさえすれば市民運動家も出席できる。だからピント外れの質問や、質問でなく演説を始めるのも出てくる。それでも会見主体はあくまでも外国人記者で、橋下市長のトンデモ発言が世界中にばらまかれることに変わりはない。

 都合の悪い質問にはまともに答えずはぐらかし、矛盾だらけのまましれっと話をすり替える橋下市長の会見。不誠実な詭弁家ぶりを目の当たりにし、呆れ返って失笑した外国人記者たちが、どのような記事を書くのかは容易に想像できる。


5月28日(火曜日) 英語よりもまず日本語を

 まず日本語の読解力と表現力をしっかり教えるべきだ。日本語を疎かにして国内外で意思疎通できるはずないじゃないか。大学の授業で文章指導していると、義務教育での日本語教育の不十分さを痛感する。→「政府の教育再生実行会議が、小学校の英語教育を正式な『教科』に検討するよう提言」(NHK)。

 国公立や私立に関係なく全国どこの大学も、学生の文章力低下には頭を悩ませている。レポートも満足に書けない学生が信じられないほど多いからだ。文頭は一字下げるといった基本的知識もなく、2000字や3000字の長文で一回も改行せず、「ですます」と「である」の文体もバラバラで書いてくる。

 小中学校で日本語の作法をきちんと教えていないのが原因だ。義務教育の段階での日本語教育がおかしい。「愛国心」を強調するなら、日本語をしっかり教えることに力を注ぐべきだろう。英語教育が大切なのはもちろん否定しないが、まずは日本語あっての話で英語教育はそれからだ。ピントがずれている。

 橋下市長のようなデタラメな詭弁がまかり通り、ニコニコ動画での橋下会見中継に橋下支持の声が多数書き込まれるのも、日本語教育の惨状と無縁ではないように思う。まともな読解力と日本語の知識があれば、「私が慰安婦を必要と思っていると誤報された」などといった詭弁に騙されるはずがない。

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 【再掲】「痴漢冤罪で免職された高校教諭、処分取り消し逆転勝訴/有罪確定も職場復帰を訴え『それでもボクはやってない』」。横浜デパ地下事件について8ページのルポを書きました。きょう5月28日発売の雑誌「冤罪File」19号に記事が掲載されています。全国有名書店で手に取ってご一読を。定価450円。


5月29日(水曜日) 著しい成長と称賛

 午後から大学で授業。文章講座の講義を終えた教室で、女子学生からうれしいひと言。「文章を書くコツが分かってきた気がします」。このところ受講生の文章表現力がぐんぐん伸びてきているのを実感する。この女子学生も今回とてもいい作文を書いてきた一人だっただけに、何より説得力のあるうれしい言葉だった。

 夕方から学内で開かれた講師懇談会に出席。「大学生の文章力低下が全国の大学で問題になっています。本学で文章講座を担当していますが、原稿用紙の使い方も分からず、最初はろくに文章が書けなかった学生たちが、指導を重ねるにつれて着実に文章力が上達するのを目の当たりにしています」というような挨拶をした。

 さらに続けて、「本当は義務教育でこそ日本語教育をしっかりやってほしい。小中学校がサボっているから大学で指導しているわけですが、学生の著しい成長を目にすると、改めて文章指導の必要性と重要性を実感します」と締めくくった。

 懇談会が終わるとほかの先生方から、「きょうの講師懇談会の中で最も前向きで一番いい話だった」「希望の持てる素晴らしい内容に感動した」などとえらく称賛された。なんだか面映い。そこまで絶賛されると照れくさいじゃないか。でも、きょうはあっちこっちで自分の指導が肯定的に評価されて、とても気分がいい。

 褒められると、それならもう少し頑張ってみようかなという気持ちになる。おだてられたら喜んで木に登る。実は、そういうおめでたくてチョロイ人間なんです(笑)。


5月30日(木曜日) 詭弁家・橋下市長の徹底排除を

 慰安婦発言に米国内で不快や反発の声が広がり、面会や視察を次々に断られ、遂に予定していた訪米の中止に追い込まれた橋下市長。訪問先が非難囂々なのに、それでも強気で訪米するつもりだった橋下市長の無神経さと感覚自体を疑うが、さすがに断念せざるを得なくなったらしい。そして大阪市議会では、問責決議案まで浮上した(公明反対で否決)。

 ひところの翼賛大絶賛体制を考えれば、まさに袋だたき状態(一部メディアや信者を除く)で、海外メディアからも総スカン。身から出た錆で自業自得だが、橋下市長の言動で何より問題で許せないのは失言や暴言そのものではなく、話をすり替えて平然とウソを並べたてて責任転嫁する「橋下式の詭弁・詐術」にある。そもそもこんな人間が公の場所で発信し続けているのが不思議でならない。

 橋下市長のような詭弁家は、市民の利益と人権を守るためにも、公的な舞台から完全排除すべきだと考える。徹底的に批判されなければならない対象だと言っていい。下手な手加減や慈悲は、むしろ社会にとって重大な禍根を残す。論点をすり替えて平然とウソを並べるなんて、公人として許されるわけがない。

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 規制対象が曖昧で、憲法が定める「表現の自由」に抵触し、国家権力の際限のない介入を招く恐れがある。自公維新3党の正体が明確になったと言っていい。→自民、公明、維新の3党が児童ポルノ禁止法改正案を衆院に共同提出。今国会での成立を目指す。現行法で規制されていない児童ポルノ単純所持を禁止(時事)。

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 【勝手に今期アニメ評】その1「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている」木曜深夜TBS系◎意外と真面目な物語展開が好印象(由比ケ浜結衣がかわいい=笑)/「フォトカノ」木曜深夜TBS系▲話も設定も支離滅裂で期待外れ/「とある科学の超電磁砲S」金曜深夜MXテレビ◎学園都市の非情な超能力開発が怖く意外と社会派かも(御坂美琴がかわいい=笑)

 【勝手に今期アニメ評】その2「デート・ア・ライブ」金曜深夜MXテレビ◎馬鹿馬鹿しく下らない設定で大笑いさせてくれる(2話目から化けた)/「ちはやふる・2」金曜深夜日テレ系◯中盤から話が緩慢になりテンポが悪く失速中/「宇宙戦艦ヤマト2199」日曜夕方TBS系◯第1話は違和感があったが以降はぐいぐいと引き込む(OP大合唱は勘弁してほしい)続く

 【勝手に今期アニメ評】その3「這いよれ!ニャル子さんW」日曜深夜テレ東◯冗長で退屈な話が多くて残念(ニャル子のかわいさだけかなあ)/「百花繚乱サムライブライド」月曜深夜MXテレビ◯1期よりも話は面白い(墨汁による表現規制のアイデアは健在)/「悪の華」土曜深夜MXテレビ△画面もキャラも話も気持ち悪いがなぜか目が離せない(不思議なアニメ)


5月31日(金曜日) 集中力

 駅前のロッテリアで、学生に提出させた課題をしこしこ添削する。喫茶店や図書館など家の外で仕事をすると、なぜか作業が意外なほど捗る。たぶん持ち時間が際限なくあるわけではないので、ダラダラせず集中力が高まるのだろう。サンマルクカフェはうるさいし、マックはいつも混んでいるが、2時間半ほどいたロッテリアはずっと空いていて静かだった。穴場かもしれない。


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