身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2013年6月1日〜6月30日

●東京五輪と世界の支持●会津と琉球への仕打ち●また始まった橋下式「茶番劇」●現役アニメーターがメルマガ創刊●まさかの女神●文章力は自分を表現する武器●この期に及んで原発推進か●大吟醸酒●データと書籍は別ものだ●ブラック経営者●とほほ2題●迷惑行為●フェアプレイに反する●「エネ白書」原発推進鮮明に●メディアは橋下某の相手をするな●いつか手痛いしっぺ返しが…●食い付きのポイント●原発官僚はこの国に巣食うダニだ●暑くてたまらない教室●採点ペン●手つかずのチェルノブイリと福島●裁判官の当たり外れを指摘●教師の役割●心に染み入る記事●取材の正当性を支持●ルールを無視した暗黒判決●アニメファン●バラエティ番組でも酷すぎる●どこまでも橋下詭弁術●富士山信仰と富士講●●●ほか


6月1日(土曜日) 東京五輪と世界の支持

 五輪招致候補3都市のプレゼンテーションで、猪瀬都知事が東京招致を懸命にアピールしたが、中国や韓国とこれだけぎくしゃくして関係悪化しながら、招致の支持が集まるのかはなはだ疑問だ。中国のアジアやアフリカ諸国への影響力は大きい。

 猪瀬都知事は「イスラム諸国はけんかばかりしている」と語って問題になったが、それを言うなら日本だって同じだろう。周辺諸国とけんかばかりしている。隣国といざこざを続けているのに支持を得ようなんて、そもそも無理があり過ぎではないか。なんとも矛盾だらけの東京五輪招致だ。


6月2日(日曜日) 会津と琉球への仕打ち

 NHK大河ドラマ「八重の桜」を見ながらいつも痛切に感じるのは、徳川幕府の会津への酷い仕打ちの数々だ。徳川への忠誠心をいいように利用して都合よく使い捨てる。まるで福島原発の建設稼働と事故後の対応とそっくりではないか。同じことは戦前戦後とずっと続く沖縄への対応にも言える。

 江戸時代から現代まで、会津と琉球に対する酷い扱いは一貫して変わらない。日本人と日本の権力者たちの罪深さを思うと、暗澹たる気持ちになる。

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 アフリカ開発会議(TICAD)が横浜で始まってから、いつもは昼夜問わずに横浜市内を低空飛行している米軍機や自衛隊機が、すっかり鳴りを潜めている。国連事務総長や国際機関代表も参加する国際会議に配慮して、飛行を控えていると思われる。一年中いつもこんな感じだと静かでいいのに。


6月3日(月曜日) また始まった橋下式「茶番劇」

 再審無罪判決が確定し任務を終えて解散した「無実のゴビンダさんを支える会」事務局長の客野美喜子さんに、ゴビンダさんの「獄中絵はがきセット」をいただいた。これがあの有名な「ゴビンダ絵はがき」か。希望の光が見えない孤独な獄中で、赤と黒のボールペンで描いた線画がしみじみ味わい深い。

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 橋下市長がオスプレイの大阪受け入れ提案へ。「共産党の市田忠義書記局長は『内外から厳しい批判を受ける橋下氏の発言を取り繕うための維新特有のパフォーマンスだ』と切り捨てた」(毎日)。まったくその通りだろう。「実現可能性の低いことを見越した上での橋下式の茶番劇」との見方に5万ペソ(笑)。

 → http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130603-00000113-mai-pol

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 「セシウム137だけでも放射能汚染が福島県の東半分に広がっている。放射線管理区域に相当するレベル。放射能の危険に慣れてはいけない」と警鐘を鳴らし、子どもたちの命と未来について発言を続けている福島県教職員組合書記次長の国分俊樹さんの講演会が、6月23日に東京・文京区で開かれる。

 国分さんは福島原発事故後、書籍や雑誌などで精力的に発言し、福島県内の公立小中学校に足しげく通って放射能汚染の危険性を訴えてきた。一方で、文部科学省や県教育委員会は「安全だ」と強調する説明を続け、「安心だ」と思いたい父母たちも少なくない。学校では屋外活動や運動会も、原発事故前と同じように行われるようになった。教師間で意見の違いや対立もあるという。

 講演では、子どもたちの意見表明権が無視されている現状、行政からの指示に苦悩する現場教師、安全性を強調する文科省と県教委の冊子、原発事故後の福島と首都圏の認識のズレ、などについて報告する。6月23日午後1時半、東京・文京区民センター2A会議室。参加費500円(学生・福島の方は無料)。


6月4日(火曜日) 現役アニメーターがメルマガ創刊

 JAniCA(日本アニメーター・演出協会)の元理事で、マッドハウスなどで作画監督をされているアニメーターのふくだのりゆきさんが、エッセイテイストの有料メールマガジンを創刊する。現役アニメーターの有料メルマガは「業界初」とのこと。僕もちょこっとだけ編集のお手伝いをしている。

 「アニメーターは薄給で食べていけないって言われてるけど本当なの?」といった話題から、アニメ業界が抱える諸問題まで、ブログやツイッターではなかなか指摘しづらい問題についても、メルマガでは「一歩踏み込んで」発信するという。

 メルマガ創刊号の配信は6月10日。毎月2回(10日と20日)発行で、購読料は月額500円。登録した最初の月は無料で読める。ふくだのりゆきさんのメルマガ「アニメーターとして生きる」の購読登録は、こちらから。→ http://www.mag2.com/m/0001603504.html


6月5日(水曜日) まさかの女神

 昨夜のサッカーW杯アジア最終予選の日本対豪州戦は、ハラハラドキドキのいい試合だった。日本代表はホームで敗退するのかとあきらめていたら、最後の最後に奇跡の同点劇が待っていた。勝負の女神っているもんだなあ。

 何回も何回も得点のチャンスがあったのに、日本選手のシュートがことごとく決まらない。後半の土壇場になって、豪州に先制点を取られてしまった瞬間、ああこりゃ日本は負けるなあと思った。ところがゲームセット寸前にまさかのハンドによるPK。三度目の正直で、本田圭佑が見事にシュートを決めてくれた。豪州と1─1で引き分け、日本は晴れてW杯5大会連続出場を決めた。

 それにしてもいい試合だった。日本選手も豪州選手も、そして審判も、みんなが心からサッカーを楽しんでいるように見えた。プレー中に倒されても倒しても、双方の選手の笑顔が消えなかったからだ。フェアプレー精神が発揮されているようで、テレビ観戦していて気持ちよかった。お互いに相手を尊敬して戦い、ギスギスした空気が漂っていないのが何よりだ。

 【追記】4日のサッカーの豪州戦は見ごたえがあった。お互いが尊敬して競う姿を見るのは、どんな対戦であっても気持ちいい。対抗意識ををむき出しに、けんか腰で、マナーもフェアプレーも関係なしの試合を見ることほど不快なものはない。たとえば、日韓戦とか、かつての亀田兄弟の試合とか。


6月6日(木曜日) 文章力は自分を表現する武器

 大学の授業で「三鷹バス痴漢冤罪事件」について触れたら、事件を知っている学生が結構いて意外だった。「こんな酷い判決があるんだと思ってネットを見ていたら、先生の名前が出てきてビックリしました。先生が記事を書いてたんですね」と話す学生もいた。

 傍聴席がガラガラで空席が目立つ状況だと、審理の最中に居眠りする裁判官もいる。それでも有罪判決が言い渡されてしまうまうほど、日本の裁判と裁判官はいい加減だ。対立する両者の言い分にしっかり耳を傾けて、公正中立の立場で判断してくれる裁判官ばかりだと思ったら大間違いだ、という話もした。

 いつどんな事件やトラブルに巻き込まれるか分からない、その時に自分の考えや状況を分かりやすく伝えて、説得力のある説明をし理解してもらうことが大事で、文章力や表現力は自分自身を守るための武器なのだ、だからしっかり文章力を磨いてほしい。そんなことを理解してもらうために冤罪事件に触れた。

 文章力や表現力は、就職試験の際に有利になるだけじゃない。もしかしたらブラック企業に入ってしまうかもしれないし、不当解雇やパワハラやセクハラの被害に遭うかもしれない。同僚や組合や弁護士、家族、友達に事情を説明し、味方になってやろうと思ってもらえるかどうかは、人生を大きく左右する。

 自分の考えや自分という人間を表現して、相手に分かってもらい、共感してもらうことは簡単ではない。コミュニケーションの大事な手段の一つである文章力を磨く作業は、学生だけでなく社会人になっても死ぬまでずっと続く。とまあ授業でそんな話をしたのだが、半分くらいの学生は分かってくれたかな。

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 政府自民党は余計な「教育改革」ばかりする。センター試験を見直して、学習達成度試験の導入を検討しているという。「センター試験をめぐっては一発勝負の弊害が指摘されている」というが、そもそも試験とはそういうものではないのか。

 一発勝負がダメなら内申書だけで判断すればいいことになるが、内申書には教師の恣意的判断が入るので、公正さに欠ける。名前を変えた「学習達成度試験」を導入しても、新たな序列化が生まれるだけだろう。高校サイドに物理的な負担増も強いる。毎度のことながら、政府自民党は本質からズレた「教育改革」しかやらないなあ。

 →「センター試験見直し・達成度試験導入、検討開始」(読売)http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130606-00000591-yom-soci

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 八尾空港のすぐ近くに小学6年のころ半年ほど住んでいたことがあるが、あんな住宅密集地でオスプレイの飛行訓練をするなんて正気の沙汰じゃない。そもそも安全性に疑問のあるオスプレイを拡散させてどうする。沖縄も含めて日本国内で飛行させないことこそが必要ではないか。しかも地元八尾市に何の説明もない独断専行。

 自身の慰安婦発言を糊塗し、全く別問題に話をすり替えるためのパフォーマンスに、「沖縄の負担軽減」を持ち出して利用するなんて、橋下徹は許しがたい詐欺師だ。八尾空港でオスプレイの飛行訓練の一部を受け入れたとしても、被害の拡大再生産に過ぎず、「沖縄の負担軽減」になんてなるわけがない。

 橋下大阪市長のような厚顔無恥な詭弁家が公の舞台に出てきて、堂々と発言すること自体があり得ない。許し難い話だ。


6月7日(金曜日) この期に及んで原発推進か

 日仏首脳会談で、原発関連技術の共同開発・輸出協力に合意。昔から「死の商人」として一貫しているフランスはともかく、福島原発事故を目の当たりにしながら、それでもまだ原発推進に執着し、他国にも売りつけて負の連鎖を拡散しようとする日本政府と財界の神経が理解できない。学習能力がないばかりか、今後どれほどの困難が待ち構えているか想像力も働かない。愕然とする。


6月8日(土曜日) 大吟醸酒

 知人から大吟醸酒をいただいた。桐箱に入っていて高級かつ美味しそう。日本酒はあまり飲まないし、そもそも飲酒はもっぱら外で、自宅で飲む習慣はないのだが、大吟醸を料理酒として使うのは論外だというのは素人でも分かる。明らかに猫に小判のいただきものだけど、せっかくなので飲み方をよく調べて味わいたい。


6月9日(日曜日) データと書籍は別ものだ

 日本国憲法の書籍が人気だと伝えるニュースに対し、「インターネットで入手すれば日本国憲法は無料ですよ」としたり顔でつぶやくお馬鹿さん。専門書や解説本でなく、前文と条文だけをそのまま載せた本であっても、レイアウトや装丁やルビ、グラビア写真などを含めて一冊の本が成り立っているんだよ。編集の手間ひまの一つ一つすべてに意味と意図がある。想像力があまりにも貧困すぎるんじゃないか。テキストデータと書籍は別ものだ。


6月10日(月曜日) ブラック経営者

 通勤や帰宅途中の電車内でマンガを読もうが新聞を読もうが、居眠りしようが個人の自由だろう。私生活まで監視して縛ろうとするこの社長に病的なものを感じる。薄ら寒くて怖いよ。そもそも解雇権の濫用だろうが、しかしこんな会社の正社員に雇用されなくて正解だったんじゃないかな。

 新聞に投書したのは大阪市中央区の会社経営者で、2004年1月21日付の毎日新聞西部本社版に掲載されたとのことだが、まさしく「ブラック企業」「ブラック経営者」そのもの。こういう会社の従業員には「お気の毒に」という言葉しか浮かんでこない。

 →(ブラック企業かるた)@blackkigyou_bot: 「で」電車内でマンガを読んでいた社員を解雇(毎日新聞読者投稿欄掲載)http://tr.twipple.jp/p/68/880c77.html


6月11日(火曜日) とほほ2題

 学生の作文をひたすら添削。赤色ボールペンのインクの消耗が激し過ぎる。あっという間に1本を使い切ってしまう。とほほ。

 講義や添削指導のアドバイスをしっかり生かして成長が著しい学生と、一方でたぶん人の話を全く聞いていないから、同じことを毎回のように繰り返し注意されても全く何の改善もない学生と、明らかに格差が広がっている。とほほ(その2)。


6月12日(水曜日) 迷惑行為

 授業が終わってから情報科学センターで調べもの。講師控室のパソコンを使いもしないのに、座席に腰を落ち着けて延々とおしゃべりを続けて占拠するおばさん講師2人組にマジで閉口する。一応パソコンのウインドウを開いているのがなんとも。ほかの人が使えず迷惑なんだけど、下手に声をかけると講師控室の空気がどんより悪くなるので、文句を言うのもはばかられる。仕方ないので、少し離れた別棟の情報科学センターで調べものをした。


6月13日(木曜日) フェアプレイに反する

 すぐにばれるようなウソを平然とついて、ファンも選手も球団も欺いて事実を隠蔽してきた日本野球機構(NPB)の上層部と加藤良三コミッショナー。信じがたい裏切り行為がばれても、冗談みたいな言い訳をする見苦しさ。総辞職して出直すべきだろう。この国はあらゆるところでねじが緩んでいる。

 飛びやすいボールにするならするでいいと思うが、事実を隠しウソをつくなんて、そもそもフェアプレイの精神に反する。公開された共通のルールに基づいて、全力で競い合ってこそ面白いのに。それこそがスポーツであり勝負の世界のはず。フェアプレイが大事なのはプロ野球に限った話ではない。

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 納税者のために真剣に仕事をしている公務員と、公僕にあるまじき税金泥棒の役人は分けて考えなければならない。前者はわれわれ国民の味方だが、後者は徹底的に非難罵倒され糾弾されて当然の許しがたい存在だ。ツイッターで暴言を発信した復興庁参事官の水野靖久なる「高級官僚」は、もちろん後者。公務員を十把一絡げで批判するのではなく、主権者として峻別することが重要だ。

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 相場が乱高下を繰り返す「安倍のリスク」を信じて踊らされる方も悪い。そもそも素人があぶく銭で儲けようと株に手を出しても、ろくなことにはならないということだ。ギャンブルなんだから。素人の「個人投資家」をその気にさせて高揚感を煽る安倍内閣の無責任さこそ、最も厳しく批判されるべきなのは、もちろん言うまでもないことだけど。


6月14日(金曜日) 「エネ白書」原発推進鮮明に

 原発再稼働を急ぐ安倍政権の姿勢が改めて鮮明になった。無責任で無謀としか思えない原子力推進政策に対して何の反省もなく、福島原発の大事故などなかったかのように振る舞う安倍政権に、このまま日本の将来を託して本当にいいのか。選挙でしっかり民意を示すべきだ。

 →「エネルギー白書」の2012年度版を閣議決定。民主党政権の原発ゼロ方針に触れず、昨夏の政府実施の世論調査で「30年に原発ゼロ」の支持が多かった事実も盛り込んでいない(朝日)。http://www.asahi.com/politics/update/0614/TKY201306140034.html


6月15日(土曜日) メディアは橋下某の相手をするな

 大阪の橋下某の話題を、メディアは必要以上に取り上げるべきではない。むしろできるだけ無視した方がいい。もちろんよほどひどい論外の言動があった場合は事実をきちんと伝えて、徹底的に検証し批判しなければならないのは言うまでもないが、そうでなければ毅然とした態度で断固相手にしない、という姿勢を示すのもジャーナリズムの見識であるはずだ。

 事実をねじ曲げて話をすり替え、平然と責任転嫁する詭弁家のパフォーマンスに、いちいち付き合って構ってやる必要などない。宣伝係や広報マンの役割を担わされることほど、ジャーナリズムに携わる人間として恥ずかしいことはなかろう。報道人としての矜持があるならよく考えるべきだ。公器である電波や紙面を使って、まともに取り上げるような相手ではない。


6月16日(日曜日) いつか手痛いしっぺ返しが…

 東欧4カ国首脳との会談で原発技術協力で一致し、原発建設受注など経済外交を積極展開する安倍首相。まるで福島の原発事故などなかったかのように、放射能汚染が止まったかのように振る舞い、世界中で原発の売り込みに邁進する安倍首相の姿は異様だ。「死の商人」という言葉しか浮かんでこない。

 福島原発の大惨事を経験した国の首相なら、むしろ原発廃炉を率先して世界に訴えて回るべきだろう。それだけの危機感や理念があっていいはずなのに、やってることはまるで正反対だ。日本国内で原発再稼働に突っ走るだけでなく、世界中に原発建設と技術拡散を進めようとするなんて。いつかきっと手痛いしっぺ返しを受けるに違いない。

 しかし、原発に賛成していない庶民までしっぺ返しを食らうのでは、たまったものではない。原発推進派だけにとどめてもらうためにも、選挙結果で民意をしっかり示さなければ。


6月17日(月曜日) 食い付きのポイント

 午後から総合講座「平和研究」の講義。思想良心の自由や表現の自由、原発と報道、権力監視、改憲の動きについて話す。授業の感想を自由に書かせたら、学生たちの心に届いたらしいポイントはまさに十人十色。同じ話を聞いているのに、食い付いてくれる部分がみんなそれぞれ全く違うんだなあと改めて驚く。以下、授業の感想を一部抜粋してみた。

 「きょうの講義で一番印象に残ったのは『事実』という言葉です」

 「国家と国民の利益は同じとは限らない、という話が印象的でした」

 「原発は安全だというウソの内容のCMが、私たちの電気料金で作られていると聞いて驚いた」

 「『原発の問題は今でも続いている』この言葉がひどく胸を打ちました」

 「ニュースを伝える際に『わが国』という言葉を使うかどうかで、メディアの立場が分かるというのが勉強になった」

 「テレビや新聞の情報をそのまま鵜呑みにすると、どれほど危険なのか改めて知ることができた」

 「メディアは誰のためにあるのか、考えさせられた」

 「みんなを同じ方向に向けることの怖さがよく分かった」


6月18日(火曜日) 原発官僚はこの国に巣食うダニだ

 血税を食い物にする高級官僚。原発だけに限った話ではないが許しがたい。原発安全神話を振りまき、その挙げ句に原発事故の大惨事を招いておきながら、それでもなお原発利権にたかって、再稼働を目論む経済産業省の原発官僚たち。政府自民党と電力会社と財界の罪は重いが、経産省の原発官僚の責任も同じくらい重大だ。国民に対する背信行為は度し難いものがある。この国に巣食うダニのような存在としか言いようがない。

 公僕として主権者たる国民に奉仕する本来の仕事をせず、天下り先の確保と、そこでの「美味しい生活」を守ることしか考えていない高級官僚(もちろん原発官僚を含む)は、二重三重に国民を裏切っている。自称愛国者の方々は、どうして彼らに怒りの矛先を向けようとしないのか、不思議で仕方ない。

 →国の原発広報、事故後2年間に25億円。その7割近い16億3千万円分を受注したのは、経済産業・文部科学両省のOBや電力会社の幹部らが役員として在籍する法人だった(朝日)。http://www.asahi.com/national/update/0617/OSK201306160134.html

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 こんな頭のおかしな女が政調会長の自民党って…。特に後段の台詞の酷さたるや。絶句。

 →「原発事故による死亡者は出てない」自民・高市政調会長。「原発は廃炉まで考えると莫大なお金がかかるが、稼働している間のコストは比較的安い」と語った(朝日)。http://www.asahi.com/politics/update/0617/TKY201306170249.html


6月19日(水曜日) 暑くてたまらない教室

 午後から授業。教室の中は暑くて暑くてたまらない。学生もみんな息苦しそうだ。教室のエアコンは別棟のコントロールセンターで集中管理されているので、教室にある冷暖房パネルでは温度設定や冷房運転の切り替えができない。勘弁してくれよ。ほんの少しだけ開けた窓から時折入ってくる風が心地よいが、台風の影響で外はかなりの強風だから、窓を大きく開け放つわけにはいかない。そんな状況が、これまた不快指数をさらに上昇させる。

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 社会の制度や規範意識、結婚や家族に関することを教える新たな科目だというが、「公民」や「家庭科」と内容が重複するし、そもそも規範や結婚なんて各家庭で話す内容だろう。国家がいちいち土足で立ち入ろうとすることに、違和感と嫌悪感を覚える。本当に余計なことばかりしようとする連中だ。

 →「高校の新科目に『公共』を、自民が文科相に提言」(TBS系=JNN)。http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20130618-00000039-jnn-soci


6月20日(木曜日) 採点ペン

 学校の先生がテストの採点に使っている定番商品「プラチナ万年筆ソフトペン(採点ペン)」を買ってみた。カートリッジインク式の採点用ソフトペン。1本840円とやや高いが、カートリッジインクは4本210円(税込み)で、繊維質のチップも交換できて意外と経済的だ。書きやすい。

 大きな文具店でしか扱っていないとのことだが、近所のデパートの文具売場で聞いたら、「店頭には並べていないけど一つだけ在庫がある」と言って、店員さんが倉庫から持ってきてくれた。注文や問い合わせは結構あるらしい。だったら店頭販売すればいいのにと思ったが、採点ペンを購入するのは教員くらいなんだろうな。


6月21日(金曜日) 手つかずのチェルノブイリと福島

 福島第一原発も同じ。いずれこうなる。日本全国の原発にしても廃炉の困難さは大差ない。それが原発だ。原発事故の後始末さえ満足にできないのに、それでも原発を再稼働させるだなんて、正気の沙汰とは思えない。

 →「チェルノブイリ27年廃炉手つかず、記者が内部ルポ」「事故から27年がたった今も廃炉作業は見通しがたたず、内部は手つかずのまま」(朝日)http://www.asahi.com/international/update/0621/TKY201306210402.html?ref=com_rnavi_arank


6月22日(土曜日) 裁判官の当たり外れを指摘

 痴漢冤罪で免職された横浜市立高校の元教諭・河野優司さんの処分取り消し判決の報告集会で、岡田尚弁護士と一緒に話をさせていただいた。裁判は裁判官次第で、裁判官の当たり外れで判決が全然違ったものになるおかしさについて、さらに教育委員会が思考停止して本来の機能を果たしていない問題について指摘した。

 雑誌「冤罪ファイル」に河野さんの裁判をめぐるルポを書いたので、主催者が取り寄せて会場で販売してくれた。30冊が完売したと聞いてほっとした。雑誌がいくら売れても僕には1円も入ってこないのだが、僕自身も関わっている雑誌でもあるし、僕の記事を読んでもらえるので、完売はやはりうれしい。

 終了後、中華料理店で懇親会&打ち上げ。続いて2次会は近くの居酒屋へ。さらに岡田弁護士から「横浜らしい店に行こう」と誘われて、馬車道にある高そうなスナックへ。きょうはビールのほか、紹興酒、サワー、焼酎とあれこれ飲んだのでかなり酔った。おまけに睡眠不足なので眠い。終電で帰宅。面白い話をたくさん聞いたような気がするけど(記憶が曖昧=笑)。


6月23日(日曜日) 教師の役割

 大学で教えているあるクラスはかなり熱心に講義を聞いてくれるので、当然それだけ大幅に成長する学生も多い。これに対しもう一つのクラスは居眠りも目立ち、話を聞いていない学生が多いので成長の度合いにも相応に反映する。同じような話をして、同じような教材を使い、同じように授業をしているのに全然違う。理由がさっぱり分からない。

 こんなことはこれまでなかった。クラスによって多少の力の差はあっても、大体同じように力をつけて、ほぼ全員が着実に目に見える形で成長していた。それが今年度はどうも反応が違う。怒ったふりをして厳しく叱咤激励したり、褒めてやる気を鼓舞したりもしてるんだけどなあ。教える側に問題があるのか。

 最近ずっと考え込んでいたのだが、ある高校の先生から「生徒がみんな自分の思っているように話を聞くはずがない。それでも、1人でも2人でも熱心に話を聞いて成長する生徒がいるなら、そういう生徒たちのために全力で授業をするのが教師というものだ。生徒の成長を手助けする役割を、教壇という舞台で演じるのが教師の仕事だ」と言われた。

 なるほど。全くその通りだ。目から鱗だった。そんな当たり前のことに気付かないなんて。再びやる気を取り戻すことができた。1人か2人か3人になるか分からないが、熱心に話を聞いてくれる学生がゼロにならない限りは、こちらも真剣に講義をしよう(しなければならない)と改めて思った。

 【追記】生徒(学生)は教師の思い通りに考え動くといった「思い込み」と「思い上がり」を、戒めた言葉だと受け止めた。

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 都議選の結果から判断すると、自民党を拒絶する有権者の受け皿に、共産党が躍り出てきたということか。昔ほどではないにしても共産党の独善的な姿勢や組織運営は受け入れにくいものもあるが、しかし民主党のていたらくを見ていると、現状では確かに共産党に一票を投じる選択しかないのかもしれない、とも思える。

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 橋下市長は初めて沖縄を訪れて、しかも沖縄全戦没者追悼式に出席したんだ。ものすごい度胸だな。よくヌケヌケと出席できたものだと驚くとともに、おそるべき厚顔無恥さに呆れる。

 →「橋下氏、沖縄で風俗発言を釈明、基地負担巡り自民批判も」(朝日)。http://www.asahi.com/politics/update/0623/OSK201306230023.html


6月24日(月曜日) 心に染み入る記事

 いろいろ考えさせられる深い内容の記事(エッセイ)だ。久しぶりに心に染み入るいい文章だと思った。

 →「22歳の女優はなぜ韓国籍を選んだのか?日本にも韓国にも溶け込めない『ゆれる』在日 」(Business Journal)。http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130623-00010005-bjournal-ent


6月25日(火曜日) 取材の正当性を支持

 パソコン遠隔操作事件の取材をめぐって、朝日新聞と共同通信の記者5人がメールサーバーに不正接続・侵入した疑い(不正アクセス禁止法違反)で書類送検されたが、公益性のある正当な取材行為であるとの立場を支持する。「真犯人」を名乗る人物が、だれからもアクセスされることを前提にパスワードを明記していた、アクセスを広く承諾していたのは明らかだ、とする朝日新聞社側の主張には説得力があると考える。


6月26日(水曜日) ルールを無視した暗黒判決

 「三鷹バス痴漢冤罪事件」で不当有罪判決を受けた被告人と支援者らが、控訴審に向けた集会を東京・お茶の水で開いた。発言を頼まれたので、メディアの伝え方次第で冤罪被害者が二次被害を受けること、一審判決の酷さとデタラメさをキチンと伝えれば、世論が味方してくれることを話した。

 被告人は都内の公立中学校教諭。右手でケータイのメールを送受信し、左手はつり革を握っている様子が、バスの車載カメラ映像に記録されており、手の平からも繊維付着物は採取されなかったが、一審の東京地裁立川支部(倉澤千巖裁判官)は「不可能とは言えない」として有罪判決を言い渡した。弁護団の緻密な立証をすべて無視。まさに暗黒判決としか言いようがない。

 弁護団はこの日の集会で、「今回の判決の酷さは、これまでの担当事件の中でもワーストワンかなと思っている」「証拠に基づいて判決を出すという裁判の最低限のルールを無視した判決」「裁判官の予断と偏見、独断、想像で勝手に判決が書ける」と一審判決を厳しく批判した。

 被告人の男性教諭は両親とともに登壇し、「本当におかしな裁判と裁判官だと思います。両手がふさがっているのに、こんなデタラメな判決で人生を取り上げられてはたまらない。教員になるのが僕の夢だったんです。僕が一番戻りたいのは学校なんです」と涙ながらに訴えた。

◇◇

 大学での講義を終えてから、土砂降りの雨の中を都内の集会会場へと向かったが、「これから東京に行かなきゃならないんだ」とこぼしたら、学生が「頑張って下さい」と送り出してくれた。感謝。ちょっとうれしかった。


6月27日(木曜日) アニメファン

 大学で講義が終わってから、オタクの学生との会話。「たまたまツイッターで先生のアイコンを見たのですがジブリのキャラなんですね」「うんジブリ好きなんだよ」「アニメ見るんですか」「まあね。超電磁砲Sとか好きだなあ」「レールガン面白いですよね。でもなんで先生そんなの知ってるんですか」「レールガン見てるし」「えっ先生、深夜アニメも見るんですか」「うん、デートアライブとか、ニャル子さんとか、ちはやふるとか、面白いよね」。しまった、アニメファンなのがばれてしまった。でもいわゆるオタクではないぞ(笑)。ちなみに「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている(俺ガイル)」も大好きな作品だ。

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 これまで何回も同じようなことを書いているけど、大事なことだからしつこくまた書く。これからも何度でも書く。→ 原発を動かせば動かすだけ大量の放射性廃棄物がたまっていく。そうした核のゴミの処理・保管の方法も場所も何も決まらず(決められず)、厄介ごとをすべて先送りしている状態のこの国で、原発を再稼働するなんてまともじゃない。その事実だけを考えても、原子力発電がいかに非科学的な存在で真っ当な代物ではないということは、小学生でも分かる話だ。来月の参院選で(それ以降の選挙でも)、有権者はそこのところをよくよく考えて投票すべし。


6月28日(金曜日) バラエティ番組でも酷すぎる

 サン◯ルクカフェで仕事をしたら、はかどるはかどる(笑)。適度な緊張感と集中力が保たれているからだと思われる。それにしても熱心に勉強している女子高生が多い。微笑ましくて和む。期末試験が近いからだろうなあ。やかましくて迷惑なのが、おばちゃん集団の井戸端会議。公共の空間であることをわきまえず、大声でけたたましく笑うのは勘弁してほしい。びっくりするから。

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 確信犯的に冤罪事件を生み出し続けて平然としている多数の「トンデモ裁判官」の存在と、その重大な責任と罪について、これっぽっちも触れないTBSの深夜バラエティ番組「マツコの知らない世界」。出演者の山室恵・元裁判官の話も酷いが、番組自体のレベルも相当低い。裁判官は暇だとか、空気が読めない裁判官はダメな裁判官だとか、被告人に対する説諭(説教)を喜々として得意満面に紹介するとか。さらにはニタニタ笑いながら、「死刑判決さえなければ刑事裁判官はいいものだ」「主文は後で言い渡すと告げたら被告人が顔面蒼白になった。無期懲役だったんだけどね。かわいそうだったな」などと口走ってみたり。

 どれ一つとっても全くどうでもいい話か、悪趣味で不愉快な話ばかりだ。裁判官の本質は偉そうに被告人に説教することなんかじゃない。裁判官の本質は、証拠と法律に基づいた公正な判断をするかどうかであり、疑わしきは罰せずの基本原則を貫いているかどうかだろう。1カ月ほど前に番組スタッフから協力依頼の接触があったが、その際になんとなく感じた違和感そのものの内容だった(協力はしていない)。

 バラエティ番組はやっぱりこんなレベルなんだなあと呆れるばかりだ。しかしそうだとしても、無実を訴えながら不当判決を言い渡された冤罪被害者がこういう番組を見たら、たぶん間違いなく怒りに打ち震えることだろう。そう考えると、バラエティ番組だからといって笑って済まされる話ではないと思う。いくらなんでも作りが安直過ぎるよ。いい加減にしろと言いたい。

 【おことわり】誤字脱字や表現の修正などを含め、一部加筆しました。記事内容そのものの論旨に変更はありません。


6月29日(土曜日) どこまでも橋下詭弁術

 橋下大阪市長のブレない詭弁術。いつでもどこでも話をすり替える。まともな市民はもうだれも騙されない(はず)。こんな詭弁家が率いる極右政党・維新に一票を投じる市民など、もはや存在するはずがないと信じたい。

 → 徳島県議から批判されて橋下氏が反論。「だったら徳島県で風俗営業を全て廃止してください」。関西広域連合議会で(産経)http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130629/waf13062921460024-n1.htm


6月30日(日曜日) 富士山信仰と富士講

 新聞社の地方支局で勤務していた時に、地域の街ネタの一つとして、富士講や浅間神社の取材をしたことが何回かある。そこで富士山を信仰する民衆の「講」について初めて知った。デスクの指示や取材依頼があったので取材したのだが、そうでなければ関心を示さず自ら取材することはなかっただろう。

 最初は嫌々で気分が乗らないにしても、たまには指示や依頼を受けて興味の対象外の事柄をあれこれ取材することは、貴重な経験になり知識の幅も広がって勉強になる。知らないことを知るのは面白い。夏の高校野球の取材も最初は嫌で仕方なかったけど、やってみたら結構面白かった。世界文化遺産に選ばれた富士山の山開きを前に、駆け出し記者のころのそんなことを思い出した。


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