身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2014年8月1日〜8月31日

●横浜市教委の職務怠慢と不誠実●追記掲載●女性も刑事裁判の被害者●情報が広がっていない●虚偽説明と茶番を繰り返す県教委●教研集会の共同研究者って?●地味な作業の繰り返し●安倍のコピペ挨拶は被爆者を冒涜●コピペ挨拶を繰り返す厚顔無恥●劣化版ヒトラーの「言葉」●「セカンドインパクト」更新●組織ぐるみで冤罪でっち上げ●「るるも」6話は神回だった●辺野古沖ブイ設置強行と海保●ジブリ「思い出のマーニー」を観る●国家神道カルトを信奉する異様さ●コスプレ@靖国神社のカオス●神奈川県教委に虚偽説明の疑い●「真摯に受け止める」って?●横浜市教委の職務怠慢●東電の無能・無為無策●欠けている「書く」指導●沖縄占領の光景と同じ●前期授業の学生評価まずまず●不誠実な東電に賠償命令●たがが外れてしまった安倍晋三●問題の本質は組合活動への圧力だ●国会デモ規制を画策?●自虐と皮肉たっぷりNHK朝ドラ●今期アニメベスト3(暫定)●●●ほか


8月1日(金曜日) 横浜市教委の職務怠慢と不誠実

 懲戒免職処分の取り消し請求訴訟で逆転勝訴判決が確定した横浜市立高校元教諭の河野優司さんに対し、未払い給与の支給や職場復帰(再任用)などの手続きを全くせず、8カ月以上も放置していた横浜市教委がきょう1日、ようやく給与や退職金などの支給額を本人に提示した。まさに行政の不作為。今までいったい何をしていたのか(何もしていなかったということだ)。遵法精神の欠片もない職務怠慢そのものではないか。人間性を疑うとんでもない不誠実さに目と耳を疑う。

 市教委側が「確認書」を教諭と弁護団に提示する際、取材している記者(池添)がカメラを向けると、「われわれにもプライバシーがある」と難色を示す市教委。ご冗談ばっかり。市教委職員は公僕として公務をこの場で遂行しているのではないか。取材されて何か困ることがあるのか。勘違いもはなはだしい。

 元教諭側は、未払い給与などの支給額については合意確認する方向だが、職場復帰(再任用)や謝罪について市教委側は態度を明らかにしていないため、今後はそれらについて話し合いが続けられることになる。懲戒免職処分の取り消しが最高裁で確定しても、横浜市教委の職務怠慢により元教諭の苦難の道はさらに続く。

◇◇

 【業務連絡】週刊金曜日の取材を受けてコメント。「大間原発建設差し止め訴訟」に関する「金曜アンテナ」欄の記事で、きょう1日発売の週刊金曜日(8月1日号)に談話が掲載。「『裁判官の品格』(現代人文社)の著者」と紹介していただいた。談話の中の「最高裁事務総局」とすべきところが「最高裁事務局」と誤植されているのはご愛嬌。


8月2日(土曜日) 追記掲載

 【勝手に今期アニメ評=追記】◎ばらかもん(日テレ)西端の離島・五島で一人暮らしを始めた都会育ちの若手書道家が、島の子どもらと触れ合い成長する姿を描く。ハートフルコメディー。深夜の遅い時間でなく土曜か日曜の夕方に放送すればいいのに。(◎=オススメ)

 7月27日付「身辺雑記」に、上記の内容を加筆掲載しました。


8月3日(日曜日) 女性も刑事裁判の被害者

 【よくある質問へのお答え】逆転無罪判決が確定した「三鷹バス痴漢冤罪事件」について、「相手を犯人だと断定した被害者の女性に詐欺罪の適用はできますか」とのご質問をいただきました。自称被害者の女性が悪意を持って犯人に仕立て上げようとしたのであれば、詐欺罪などに問われることはあるかもしれません。しかし本件の場合は、リュックサックの尻への接触を痴漢行為と「勘違い」した可能性がある、と無罪判決でも認定されているので、詐欺罪などには該当しないと思われます。

 無実の罪で容疑者・被告人にされてしまった津山正義さんご本人も、「勘違いして痴漢行為があったと思い込んでしまった女性自身も被害者だと思います」と述べられていますが、女性の供述を鵜呑みにして、科学的で論理的な立証をしなかった捜査当局と、そのような科学的で公正な審理と判断を怠った一審の裁判官の職務怠慢が何よりも問題であり、そういう意味では「被害者」とされた女性も刑事裁判の被害者だと言えるかもしれません。


8月4日(月曜日) 情報が広がっていない

 夕方から、横浜市内で開かれた日本史教科書の採択介を考える市民集会を取材。実教出版という特定の教科書会社を狙い撃ちにした圧力は、教育の政治的中立の観点から深刻な問題のはず。「何が問題なのか情報が広く伝わっていない」との学校現場からの声は重要な指摘だった。全く同感。報道はされているが、事実関係を知らない人や関心のない人の方が圧倒的に多く、問題が広く共有されていない。情報も危機感も訴える力も全然足りないと思う。

 もう一つ。「教員が希望していない教科書を無理やり使わせられるくらいなら、二番手の教科書を選ぶのもやむを得ないかもしれないとの声もある」という学校現場からの発言も印象的だった。実際に授業をする教員が使いやすく、生徒の実情に即した教科書を使うのは当たり前のことだろう。それを政治的圧力によって、根底から引っ繰り返そうとしている異常さこそが問題なのだ。


8月5日(火曜日) 虚偽説明と茶番を繰り返す県教委

 朝から神奈川県教育委員会8月定例会を取材。実教出版の高校日本史教科書をめぐり、選定しないように各校の管理職に促すなど、県教委事務局から介入・圧力があったとされる問題について、事務局側は「採択しないといった説明はしていない」「学校に指示や指導はしていない」「学校現場が混乱したとは聞いていない」など、だれが聞いても明らかな虚偽の説明を続け、教育委員もその説明をあっさり了承した。

 今さら驚くこともないけれど、とんでもない茶番劇だなと改めて思う。しかも事務局側の指示に校長らはやむを得ず従わざるを得なかったにもかかわらず、「教育課程の編成権を持つ校長の権限は侵害していない」などと開き直る始末で、そんなデタラメな説明を鵜呑みにする教育委員の目は節穴としか思えない。節穴でなければ、最初から結論ありきの出来レースということだろう。主権者たる県民への背進行為だ。税金泥棒にもほどがある。

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 報告集会や別件の取材を済ませて、関内から地下鉄に乗ろうとしていたら、神奈川新聞の元同僚H記者に声をかけられた。十年以上ぶりかな。懐かしいなあ。猛暑と寝不足でぼーっとしていたこともあって全然気付かなかったよ。元気そうで何より。うれしいなあ。腹立たしい内容の取材の帰途だっただけに、すごくほっこりした気分になった。近いうちにぜひ飲みましょう。


8月6日(水曜日) 教研集会の共同研究者って?

 教職員組合から教育研究集会(教研)の資料がどっさり届いた。分科会の共同研究者に指名されたので、事前に発表資料を読んでおいて下さいということらしい。基調講演を頼まれたことはあるが、共同研究者というのは初めて。役割がイマイチよく分からず、不安な気持ちと面白そうという好奇心が半々だ。

 もちろん教研にはこれまで、全国集会から地方集会まで何回も取材で参加している。分科会では、学校現場での実践や研究成果がいくつも報告されるが、共同研究者はそれぞれの発表・報告に対し、コメントを加えアドバイスすればいいらしい、ということはなんとなく分かるんだけど…。ベテランの女性の先生から「要するにコメンテーターよ」と言われ、少し気が楽になった。

 僕が指名されているのは「日本語教育」の分科会。子どもたちの表現力やコミュニケーション能力の向上を図る実践報告のほか、教室での創意工夫が現場からいくつも披露されるはずだ。僕自身も勉強させてもらうつもりで、共同研究者としての役割をしっかり果たしたい。楽しみにしている。


8月7日(木曜日) 地味な作業の繰り返し

 このところ冤罪事件の被害者や関係者から、相談があれこれ持ち込まれることが多くなってきた。出版社経由の手紙が届いたり、直接メールが送られてきたり、人を介しての面談などなど。説得力があって無実と思える証拠も揃っていて、個人的に冤罪だと確信するケースもあれば、残念ながら言いたいことがよく伝わってこず、説得力に欠けていて意味不明な内容のものもある。

 記者としてはそれらの一つ一つをしっかり確認し、話を聞いて吟味するだけだ。必要があると判断すれば、さらに突っ込んで取材することになる。無駄になってしまうこともあるけれど、地道に裏付けと検証作業を続けるしかない。そうして「伝えなければ。伝えたい」と思った事実を記事にする。記者の仕事とはそういう地味な作業の繰り返しだ。華々しくもないしカッコよくもない。伝えるべき事実を伝える。それだけだ。

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 手の付けようのない原発事故の惨状は今この瞬間も継続中で、先の全く見えないこの事態がこれから何十年もずっと続く。それでもまだ原発を再稼働させようと画策し、輸出までしようとする人々の度し難い傲慢不遜。異様としか言いようがない。

<福島第1原発>3号機炉心溶融、5時間早かった、東電解析(毎日)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140806-00000078-mai-soci


8月8日(金曜日) 安倍のコピペ挨拶は被爆者を冒涜

 気骨のある現役校長に都内某所で会って話を聞く機会があった。おかしいことはおかしいと声に出し、教育委員会事務局にも異議を唱え、現場教員を守る。保身に走ったりせず毅然としていた。肝が座っている。こんな校長に出会うのは久しぶりだ。まだこういう誠実で信頼できる校長がいたんだなあ。ちょっと感動した。

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 広島市の原爆死没者慰霊式・平和祈念式典に出席した安倍首相の挨拶が、去年とほとんど同じだった(大半がコピペだった)ことが明らかになった。世田谷区議の上川あや氏が、独自の比較調査結果をツイッターで公表した。

 安倍首相のこの種の挨拶に全く心がこもっていないのはいつものことだが、これは酷すぎる。犠牲者への冒涜だろう。アリバイづくりのため形式的に、広島市の原爆死没者慰霊式・平和祈念式典に出席し、まったく何の意味もない言葉を形式的に口にしているだけというのが、無惨に露呈された格好だ。

 それにしても、安倍首相の広島平和祈念式典の「コピペ挨拶」へのネット右翼の反応が、これまたなんとも物悲しい。共通する擁護や反論のフレーズは「何が問題なのか分かりません」。何が問題かも理解できないほど馬鹿だったのか。全く心がこもっていない形だけの挨拶が、犠牲者への冒涜であることさえ分からないとは。愕然とした。というよりも、安倍信者ら自称愛国者のネトウヨの頭の悪さと、想像力のなさと、感性のあまりの貧困さに驚愕する。

https://twitter.com/KamikawaAya/status/497060393643016192/photo/1


8月9日(土曜日) コピペ挨拶を繰り返す厚顔無恥

 何回でも言うが、安倍晋三の言葉には全く心がこもっていない。形だけ。上っ面だけ。相手を侮辱し愚弄していることさえ理解できないのは致命的だ。「コピペ」というより「使い回し」といった方が本質を突いているかもしれない。

 どれだけ批判されても馬耳東風で平然とコピペ挨拶を繰り返すところが、いかにも厚顔無恥な安倍晋三らしいが、懲りずに安倍擁護を続けるネット右翼も恥知らずさでは負けていない。彼らのお得意とする「道徳」や「礼儀」(誠実さや想像力や人間性と言った方が適切か)が問われているのに。たぶん何を批判されているのか理解する頭がないのだろう。かわいそうな人たちだ。

首相コピペあいさつ、長崎も?被爆者からの批判に無言(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASG8951Z7G89UTFK002.html


8月10日(日曜日) 劣化版ヒトラーの「言葉」

 「コピペ挨拶」の問題を通じて、安倍晋三には政治家としての誇りある自分の言葉・発信能力が全くないことが、改めて白日のもとにさらけ出されたように思う。自分自身に対する自信も矜持もない人々が、そんな安倍に同調しているのだろう。「国家」という幻想(幻影)に依拠することでしか自分の存在を確認できない、そういう人たちを、安倍晋三は「日本を取り戻す」などといった空虚な言葉で煽っている。安倍はそういう術だけは長けているようだ。

 ナチスドイツのヒトラーを想起させる。本人は無意識のうちに、ヒトラーを模倣しているのかもしれない。言うまでもなく、いろんな意味で劣化版なのは間違いないけど。


8月11日(月曜日) 「セカンドインパクト」更新

 公式サイト「セカンドインパクト」「大岡みなみ=池添徳明の単行本」のページを更新。「裁判官の品格」の「目次一覧」と「書評・紹介記事一覧」を掲載しました。「自分の著書を宣伝するページなのにほったらかしにして、今ごろ更新するなんて怠慢にもほどがある」といった批判はすべて聞き流します(笑)。


8月12日(火曜日) 組織ぐるみで冤罪でっち上げ

 公的機関に勤務していた元職員から、冤罪の訴えを3時間ほど聞いた。上司や同僚らに事件をでっち上げられ、取り調べや法廷で口裏を合わせて揃って偽証されたら、たまったものではない。組織ぐるみで犯人に仕立て上げられる恐ろしさに、背筋が寒くなった。

 昨日までの仲間たちが保身のために平然と偽証を続ける中、良心とプライドを失わなかった一人の同僚が、たまたま重大な物的証拠を確保し、真実を証言してくれたのが唯一の救いだったという。しかしそれでも残念ながら、一審では有罪となってしまった。

 一審では弁護側の証人申請や証拠が採用されず、被告人の訴えに耳を貸そうとしない、いわゆる「ハズレ」の裁判官に当たったようだ。事件を担当してくれた弁護士は誠実で意欲的だったが、刑事弁護には不慣れだというのも、話を聞いていて少し気になった。だとしてもあまりに理不尽で著しく社会正義に反する話だ。

 さらに裏付け取材が必要だが、少なくとも僕はこの事件は冤罪だと思った。それにしても、一審判決が出るもっと前に相談してほしかったなあ。控訴審は既に始まっている。日本の刑事裁判の現状では、この段階から挽回するのはかなり厳しいからだ。だがそれでもまだなんとかなる可能性はある。近いうちにきちんと記事にするつもりだ。


8月13日(水曜日) 「るるも」6話は神回だった

 深夜アニメ「まじもじるるも」(MXテレビ)第6話には思わず泣きそうになった。こんなとぼけた和み系のコメディー(褒め言葉です)に泣かされるなんて、と思ったけどええ話やった。捨て猫の生死を題材にした話はやっぱり卑怯だよ。前話までの「るるも」のドジっ娘ぶりと打って変わって、思いのほかしっかりした台詞や気配りにも感動。神回だった。エンディングの映像と音楽もいい。


8月14日(木曜日) 辺野古沖ブイ設置強行と海保

 米軍普天間飛行場の移設に向け、防衛省が名護市の辺野古沖にブイ設置作業を開始。圧倒的多数の沖縄県民の反対の声を無視して強行。そもそも「移設」というより実態は米軍基地の「新設」じゃないか。抗議する市民を制止し排除する海上保安庁とALSOK(民間警備会社)の姿に、強烈な違和感を覚える。前者は、まるで軍事独裁国家の軍隊のように国民と対峙する海保の立ち位置に対して。後者は、民間会社が国家権力の手先として使われている不気味さに対して。

◇◇

 ジブリアニメ「思い出のマーニー」をTOHOシネマズで観た。絵は言うまでもなくきれいだし作画は丁寧で、相変わらず劇場アニメーションの王道という感じだったけど、最後の最後になってから畳み掛けるように謎解きが説明される展開は、ちょっとどうかなあと思った。脚本・構成の出来としては不満。そのぶん前半がやや冗長で退屈に感じたのがもったいない。

 全130席のうち観客は30人ほど。エンドロールが終わってからしばらく、「・・・」といった沈黙が文字通り劇場全体を覆ったのだが、あれはどのように解釈すればいいのだろう。僕自身は不出来な作品とまでは思わなかったし、つまらなくはなかったものの、「うーん、ビミョー」というのが率直な感想だったのだけど。


8月15日(金曜日) 国家神道カルトを信奉する異様さ

 安倍首相が靖国神社に私費で玉串料奉納。靖国神社に参拝しなくても玉串料を奉納すれば、「国家神道カルト」の総本山である靖国神社を、公然と肯定し信奉したのと何も変わらない。それこそが反社会的で重大な問題なのだ。靖国参拝した3閣僚の任命責任も当然問われる。戦没者を追悼する素朴な思いと靖国を尊崇する狂信的行為とは、全く相容れない別次元の話だ。

 全国戦没者追悼式の式辞で、安倍首相がアジア諸国への加害責任に言及しなかったのも、この人の日ごろの言動を考えればさもありなんと言っていい。こういう安倍内閣を支持している50%近い人たちは、自分がウルトラ極右の安倍と同類だということを自覚しているのだろうか。

◇◇

 「日本に戦争の加害責任なんてあるわけない」「加害者ではありません」「そんなことを言う奴は日本人じゃない」などと平然とのたまうネトウヨたち。歴史的事実を知ろうともせず、想像力を働かそうともせず。いったいこれまで何を見て、何を聞いて、何を考えて生きてきたのだろうと慄然とする。公然とこれほど歴史を冒涜する台詞が吐けるとは、なんと自由で平和な世の中よ。


8月16日(土曜日) コスプレ会場@靖国神社のカオス

 終戦記念の日に靖国神社に集う鬼気迫るカオスな人たちの画像を集めた、ツイッターのまとめページが面白い。いやはやなんとも言い難いシュールな光景だ。時代錯誤。イタい。異様。嘲笑。失笑。苦笑。どの言葉でも言い尽くせない気がするなあ…。でもやっぱりちょっと笑った。

 猛暑の中で「耐え忍ぶ自分」に酔ってるのか。危ない薬をやってる人とあまり変わらないようにも見える。コスプレ姿のまま、例えば熱中症にやられて靖国神社の境内でばったり倒れて死んじゃったりしたら、彼らは英霊として合祀されるのだろうか。

 いずれにしてもこの「コスプレーヤー」たちは、戦地で亡くなった兵士のことなど実は微塵も考えていないのだろうな、ということだけは容易に理解できる。彼らは歴史に対しても戦争犠牲者に対しても、想像力が決定的に欠けているとしか思えない。

→ @NoWarSGNさんの「本日のコスプレ会場はこちらです@靖国神社 終戦の日の靖国は、時代錯誤なイタい軍服コスプレーヤーの祭典に…。戦争はダメ、絶対!」をお気に入りにしました。

http://togetter.com/li/706701


8月19日(火曜日) 神奈川県教委に虚偽説明の疑い

 神奈川県教育委員会の8月臨時会を朝から取材。県教委事務局が今年5月に開催し、県立高校の副校長・教頭ら管理職を対象にした説明会で、実教出版の高校日本史教科書を選定希望から排除するように「指示・指導」したとされる問題をめぐり、教科書選定の再検討などを求める請願5件が審議された。

 県教委事務局はこれまで、「実教の教科書は選定候補に入らないのではとの認識を説明しただけ。指示や指導ではない。現場が混乱していない」との説明を繰り返してきた。しかし市民団体による調査や情報開示請求の結果、県教委の説明会に出席した多数の学校の副校長らが校長への報告書(復命書)に、「実教の日本史教科書を記載しないこと」「選定しないように」「採択から外す」などと県教委事務局が発言した内容を記載している事実が明らかになった。

 こうした動かぬ証拠を突き付けられ、「指示や指導ではない」という説明が破綻した格好の県教委事務局はそれでも、「実教の教科書はふさわしくないとする県教委の方針は変わっていない。再考依頼した昨年の経緯を説明し、留意するように話しただけ。現場が混乱したとの報告はない」との強弁をこの日も繰り返した。

 県教委事務局の説明が虚偽である証拠が、副校長らの復命書で明白になったにも関わらず、どういうわけか教育委員たちは全員が揃いも揃って、「副校長らの受け止め方が学校によって違う」「メモや要約は実際とニュアンスが違うこともある」などと都合よく解釈し、「経緯を説明しただけだ」とする事務局の説明をそのまま追認してしまった。

 実教の教科書を選定から外す「指示や指導」があったことは、多数の副校長らの復命書からだれの前にも明らか。それでも平然としらを切り開き直る県教委事務局の態度に、傍聴席からはブーイングが噴出した。しかも教育委員はだれ一人として異議を唱えず、請願はすべて不採択。実教の高校日本史は希望がなく、すべての県立高校の教科書が採択された。まさに茶番劇そのものだった。

 神奈川県教委高校教育指導課は、「副校長らの復命書は県教委の言った通りの内容ではない」と説明するが、だとすれば県教委の説明が多数の副校長ら管理職に伝わっていないことになる。だが1人や2人の副校長が取り違えたというレベルの話ではない。県教委の説明が不十分だったのか、副校長らが無能だったのか。あるいは、どちらかがウソをついているということか。

 県教委が公金を使って公務として開催し、100人以上の副校長ら管理職を出席させた説明会だ。県教委の説明がきちんと伝わらず理解されないなんてことがあり得るのか。そもそもまともな組織であるならば、そんな杜撰でいい加減なことが許されるのだろうか。「重く受け止めて今後適正に対応したい」(県教委)で済む話ではないはずだ。真相を明らかにし、経緯と具体的対応を説明する責任が県教委にはある。記者(池添)の取材に対し、神奈川県教委高校教育指導課は、「事務局の説明と副校長らの報告に齟齬がある事実について、今後どのように具体的に対応するか、しかるべき上級職に確認してコメントする」と回答した。

◇◇

 教科書や教材は実際に授業をする教師自身が、使いやすくて教えやすいものを選ぶのが自然で大前提だろう。僕も大学で教えるようになって、よりいっそうそのことを痛感する。民主主義を標榜するまともな先進国では、教師が教科書を選ぶのは常識だ。行政や政治家が教育に介入し教科書選定に圧力をかけるのは、教師の職務に対する冒涜であり、生徒の学ぶ権利を侵害する行為にほかならない。


8月20日(水曜日) 「真摯に受け止める」って?

 神奈川県教委事務局が県立高校の副校長・教頭ら管理職に対し、実教出版の高校日本史教科書を選定希望から排除するよう「指示・指導」したとされる問題について、きのう19日付「身辺雑記」の続き(続報=追記)。県教委高校教育指導課から本日(20日)あった回答は以下の通り。

◇◇

 「19日の教育委員会で、教育委員の指摘に対し参事官が『重く受け止めて今後適正に対応していく』と答えた通りだ。今年度の教科書採択はすべて終わったので、復命書を書き直させるなど、どうこうするとは考えていないが、来年度以降はきちんと考えていかなければならない。指示・指導したつもりはないが、副校長や教頭がそういうふうに受け止めたことは、事務局も真摯に受け止めなければならない。各学校の中の教科書選定会議を経て候補を挙げてきているので、今年度の教科書選定は粛々と行われたと考えている。教育委員の指摘を重く受け止めて、今後適正に対応する」

 なんとも木で鼻をくくったような回答の域を出ないが、県教委事務局はあくまでもこの範囲内でことを収めたいようだ。

 ちなみに県教委高校教育指導課は、「教育委員会への請願の中で示された復命書は『全体の中の一部』であって、すべての副校長や教頭が『選定しないように指示・指導されたと受け止めた』とは思わない」と僕の取材に対し釈明している。「それはおかしい。教育委員会に示された約十校だけでも多数では。すべての高校の復命書を県教委は調べて確認したのか」とただすと、「すべての学校を調べて確認したわけではない」と答えた。県教委がしっかり説明責任を果たすように、県民が直接説明を求めるべきかもしれない。


8月21日(木曜日) 横浜市教委の職務怠慢

 懲戒免職処分の取り消し判決が最高裁で確定した横浜市立高校の元教員に対し、未払い賃金や退職金などの支払いを、判決確定から8カ月も放置していた横浜市教育委員会。今月ようやく支払う姿勢を見せて確認書を示したが、記者(池添)の取材に対し、横浜市教委は「職務怠慢とは考えていない。ほったらかしにしたわけではない。必要な時間だった」と平然と答えた。いやいやいや、世間ではそれを職務怠慢(サボタージュ)と言うのだよ。実際に判決確定から少なくとも3カ月近く何も対応せず、しかも元教員本人に何の連絡もしなかったのは紛れもない事実なのだから。

 一方、同様に県立高校教員の懲戒免職処分が取り消されたケースでは、神奈川県教委の対応は迅速だった。判決確定から1カ月ほどで手続きを済ませ、未払い賃金や退職金の支払いをすべて完了している。いかに横浜市教委の対応が不自然で不誠実で職務怠慢か、まさに一目瞭然と言っていい。

 横浜市立高校教員の弁護団会議がきょう21日に開かれたが、こうした市教委の不誠実極まりない対応に非難嗷々だった。開き直りと無責任。人間性の欠如。そもそも公務を遂行しているという自覚のなさに驚かされるばかりだ。迅速に対応した神奈川県教委の場合は、担当者がたまたま真摯で真っ当な職員だっただけかもしれないけど。

 それにしても最近こんな取材ばっかりだよ。憲法を遵守せず、公僕として職務を遂行しない公務員が多すぎる。まあこの国のトップがデタラメで、平然とウソをつくし、立憲主義を無視してやりたい放題だからなあ(ため息)。

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 局地的豪雨による広島の土砂災害を伝えるNHKニュースを見ながら、思わず突っ込みを入れてしまう。

 「安倍総理大臣は関係省庁に対し、被災者の救命・救助などに全力で取り組むよう指示しました」(自分はゴルフをするけど)。「行方不明者の捜索に全力を挙げるとともに、2次災害の防止や避難している人たちの支援に万全を期すよう指示しました」(自分はゴルフをするけど)。「被災自治体とも緊密に連携し、政府一丸となって一刻も早い救命・救出に全力を尽くしていただきたいと述べました」(自分はゴルフをするけど)。「そのうえで安倍総理大臣は、避難所などで不自由な状況に置かれている被災者や、家をなくした方々への支援などについても、遺漏なきよう対応してもらいたいと述べました」(自分はゴルフをするけど)


8月22日(金曜日) 東電の無能・無為無策

 莫大な労力と税金と時間を無駄に費やすだけの東電の無能・無為無策・デタラメぶりに、改めて強い怒りを覚える。こうなることは最初から分かっていた(指摘されていた)。本当に東電って馬鹿揃いじゃないか。手に負えない福島原発の現状。ボンクラが漫然と管理運営する原発。それでも原発再稼働を推進しようと必死になる政府自民党と財界と電力会社。気が狂っているとしか思えない。

福島第一、氷投入での止水失敗、新たにセメント投入へ(東京)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014082002000145.html


8月23日(土曜日) 欠けている「書く」指導

 朝から湘南教組の教育研究集会(教研)へ。「日本語教育」の分科会に共同研究者として初めて参加した。午前と午後に分けて現場から研究実践報告が8本登場。それぞれに質問や助言や問題提起をさせてもらったが、「聞く・話す」に重点を置いた報告ばかりで、どういうわけか「書く」ことに関する視点がスルーされているのがとても気になった。

 このところ大学生の文章表現力が著しく低下し、全国どこの大学関係者も強い危機感を抱いている現実がある。そんな現状を紹介した上で、小中学校の段階から「書く」力を育むように、ぜひしっかり指導してほしいと要望したが、教師の反応にはかなりの温度差があるように感じた。

 午前中の参加者(約60人)はある程度理解し問題意識を持ってくれた人が多いように見えたが、午後の参加者(約40人)の関心や反応はイマイチだった。「週に1回の作文指導は時間的にも物理的にも無理かもしれないけど、せめて1カ月に1回の指導をして年に12本の作文を実際に書かせれば、子どもたちの文章表現力は確実にアップすると思います」と提案したら、ベテランの男性教師から「そんなの無理です」と即座に否定されたのは衝撃的だった。

 僕と一緒に参加したもう一人の共同研究者(小学校のベテラン教師)が「僕だったら週に1回の作文指導はできるしやりますよ。教師のやる気と意欲の問題だ」と言ってくれたのが救いだった。子どもたちを「関心・意欲・態度」といったモノサシで評価することには熱心な教師は多いが、教師自身の「関心・意欲・態度」はどうなんだろうと不安を覚える一幕だった。

 実際に文章を書くことは、自分自身の考えや知識を整理しまとめることになる。文章を書いて表現する力は話す力とも当然つながってくる。そもそも自分の考えを分かりやすく正確に伝え理解してもらうツール(道具・武器)として、文章表現力は社会人になってからも必要不可欠のはずだが、その辺のことがあまり分かっていない教師が意外と多いのは残念だ。自立した市民であるためにも欠かせない力なのに。しかしまあ、そんな学校現場の実態が改めて分かったのは大きな収穫だった(と前向きに考えよう)。

◇◇

 「読み・書き・そろばん」は基礎教育の中でも基本中の基本。文章を書くことは小学校からしっかり教えてほしい。原稿用紙の使い方、改行や段落の意味、句読点の使い方、文体の統一といったことさえ満足に理解していない大学生が、国公立・私立に関係なく全国に驚くほど大勢いるのが現実なのだから。

 小中学校できちんと指導していたら、原稿用紙の使い方が分からない大学生なんているはずがないだろう。そういう大学生が現実に大勢いるから、きちんと指導してほしいと要望しているのだ。大学生の基礎学力の低下は、明らかに小中学校段階での指導の仕方(あるいは指導していないこと)に問題の一端があると思う。

 何をどう指導するかは優先順位の問題だ。作文指導に時間を費やすことで、教師に子どもたちと向き合う時間がなくなるとは思わない。むしろ、子どもたちに向き合っていないような教師に、まともな作文指導はできないと考える。文章には書いたその人の心と魂と生活と生き方が、色濃く反映されるからだ。


8月24日(日曜日) 沖縄占領の光景と同じ

 <「この海に海保の船がびっしりと浮いている様子は、69年前、沖縄を占領するために軍艦が取り囲んだ光景と同じ」。集会で稲嶺進・名護市長はそう指摘した。実際に「海から艦砲射撃を受けた沖縄戦を思い出す」と話す年配者もいる。その心情を、政府は想像してみるべきだ。海保は海に張り巡らせた浮き具に抗議船を近づけない理由を「危険だから」とする。一方で、浮き具の内側では米軍関係者とみられる人々が海水浴をしているのに、警告もしない。>=「辺野古掘削/説明できぬなら凍結を」(8月24日付・朝日社説)

 海上保安庁はいったい、だれのために、何のために、どっちを向いて職務を遂行しているのか。米軍普天間飛行場の名護市辺野古沖への移設に反対する住民を、強制排除しようとする光景から、海保の立ち位置が改めて浮き彫りになっている。


8月25日(月曜日) 前期授業の学生評価まずまず

 前期の授業改善アンケート(授業評価アンケート)の結果が、大学が委託した教育情報処理の会社から郵送されてきた。受講生が教員の講義内容や教材を評価するとともに、自分自身の受講態度や姿勢を自己採点するものだ。僕が担当する講座「文章を書く」の総合評価は4・5だったのでまずまずだと思うが、今年は自由記入欄の学生コメントがとても多いのがちょっと意外だった。

 「エアコンを効かせてほしいです。暑かった」といった教室環境への注文がいくつかあったが、それよりも「受講してよかった」と評価してくれるコメントがとても多かった。1年生前期の限定授業であることに対し、もっと受講したいと言ってくれるのは何よりありがたい(指導する身としては相当大変なんだけど)。すべて匿名記入のアンケートであるだけに、自画自賛ではなくすごくうれしく感じた。

 「とてもよい授業で1セメスター限定にするのはもったいないと思った」「部屋の大きさがよく、先生の声も聞こえるし、内容を全員で共有できる点がよかったです」「先生が添削を丁寧にしてくれるので自分の欠点がわかりやすかった。改善しやすかった」「最初に作文を宿題にして、しばらくしてから授業内で書くスタイルにしたのはよかったと思います」「文を書くことにだんだんと自信がついてきた。履修しなくてもまた受けさせてもらいたい」「1年前期以外にも開講してほしい」「授業は興味も持てて、次の文章をどう書こうか考えるのが楽しかった。授業の最後の方に話す先生の雑談などがよかった」。──抜粋するとこんな感じ。批判やマイナスのコメントがなくてほっとした。


8月26日(火曜日) 不誠実な東電に賠償命令

 この裁判における東電の言い草(主張)が、腐りきった東電というゆがんだ組織の本性をあらわにしている。「(自殺した女性の)脆弱性も影響している」だと。個人差があるのは当然じゃないか。誠実さの欠片もない企業体質と「法廷戦術」に憤りを覚える。原発事故と自殺の因果関係を認め、東電の賠償責任を認めた判決は初めて。真っ当な判決が出て本当によかった。

原発事故後に自殺、東電に4900万円賠償命令(朝日)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140826-00000025-asahi-soci


8月27日(水曜日) たがが外れてしまった安倍晋三

 沖縄の民意を平然と無視するこの国の政府。民主主義国家とは到底思えない。安倍政権の姿勢支持は18・6%。移設作業を強行する安倍政権に対する反発の広がりが浮き彫り。

【世論調査】「辺野古中止」80%、移設強行、反発広がる(琉球新報)

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-230631-storytopic-1.html

◇◇

 国家権力(安倍政権)に取り込まれたら、ここまで態度を豹変させるのか。驚くより呆れてしまう仲井真弘多・沖縄県知事の言葉。そもそも普天間飛行場を撤去させれば済む話なのに。辺野古の埋め立ては米軍基地を新設するだけ。仲井真知事はいったいどっちを向いているんだ。

辺野古、仲井真知事「早く埋め立てて」(琉球新報)

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-230669-storytopic-3.html

◇◇

 現役の首相が、連合国の裁判を全否定する法要に哀悼メッセージを送るなんて前代未聞。この人は完全にたがが外れてしまった。というよりも完全に自制心を失っている。かなり危うい。

 祖父・岸信介が否定されたことへの逆恨みが、こうした安倍晋三の行動の根底にあるのだろう。たぶん加害意識や自省の念は欠片もなく、被害意識しかないと思われる。しかしその発想は身内では通用しても、世界では通用しないばかりか、嫌悪と軽蔑の目でしか見られない。

 すべての国民が、この異常な首相と同類だと思われたらたまらない。祖父の亡霊と心中するのは、安倍晋三とその取り巻き(信者も含む)だけにしてもらいたい。大勢の国民を巻き添えにするなと言いたい。

 安倍支持者はネトウヨ教の信者。ものごとを客観視することができない。だからA級戦犯らの法要にメッセージを送った安倍の行動に対しても、無批判に熱烈に支持するのだろう。彼らは、安倍晋三の広島や長崎でのコピペ挨拶も、靖国参拝も、豪雨災害の際のゴルフ遊びについても、「何が悪いか分からない」と口を揃えて言う。つまり理解できるだけの頭がない、かわいそうな人たちなのだ。

首相、A級戦犯ら法要に哀悼メッセージ「祖国の礎に」(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASG84667RG84UUPI004.html


8月28日(木曜日) 問題の本質は組合活動への圧力だ

 「(労基法通りにやれば)潰れるよ、うち。潰してもいいの」。労働者を酷使して成り立つ会社なんて本末転倒。そもそも組合活動に圧力をかけること自体が、明白な不当労働行為そのものじゃないか。経営者として根本的な認識不足にもほどがある。

 大手エステサロン「たかの友梨」のブラック企業体質もさることながら、この問題の本質は組合活動への圧力だ。組合の結成や活動は、法律で認められた労働者の基本的権利。組合は労働者にとって最後の砦でもある。組合活動を非難し誹謗するのは、不当労働行為そのもので到底許されない。公益通報者への攻撃・排除も断じて許されるものではない。

 Yahoo!ニュースのFacebookコメント欄に、トライデ◯ト株式会社の代表取締役なる男が「自分の会社では、残業も有給も法定とおりに満額で支給してあげているけど、個人的に労働組合が大嫌いなんで、今回は高野社長を応援するわ」と書いていた。労働組合への認識だけでなく、「支給してあげている」などと平気で書けるセンスに驚かされる。どんな会社か知らないけど、この会社の従業員が気の毒だ。こういう前時代的な認識のままの企業経営者は、まだまだ大勢いるのだろうなあ。呆れてものが言えないよ(ため息)。

たかの友梨>通報者に精神的圧迫、女性社員が保護申告(毎日)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140828-00000108-mai-soci

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 今朝のNHK朝ドラ「花子とアン」。家族の一員である痩せた愛犬まで軍用犬として徴用され、国防婦人会がのさばり、軍国少年は御国のために命を捧げると言って兵隊さんに憧れる。そんな気持ち悪い時代の空気と胸騒ぎ感を、なかなか上手く描いていた。これから花子が戦争遂行協力者になっていく場面を、どのように描くのか興味深く注目したい。戦前回帰に突き進もうとしている安倍極右政権下の現代日本だけに、タイムリーな展開だ。


8月29日(金曜日) 国会デモ規制を画策?

 「党本部でも政調会長室にいると仕事になりません」(自民党・高市早苗政調会長)。そんなわけあるか。そもそも、国会周辺デモと人種差別の排外主義が区別できない(意図的に混同させる)ところに、頭の悪さとファシズムの本性が垣間見える。国会周辺などで行われているデモは、日本国憲法で認められた国民の正当な意見表明・示威行為であり基本的権利だ。話をすり替えて詭弁を振りまくのも大概にしろ。

自民「ヘイトスピーチ」対策会合、国会周辺のデモ規制も検討(TBS=JNN)

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20140828-00000049-jnn-pol


8月30日(土曜日) 自虐と皮肉たっぷりNHK朝ドラ

 なんとも自虐的で皮肉たっぷりな、本日放送のNHK朝ドラ「花子とアン」の台詞だった。JOAK(東京放送局)の制作部長「われわれは国民に国策への協力を促す立場にあるんです」。放送局員「事実を曲げてはいけない。それが放送というものです」。ニュースの内容自体が事実ではないんだけどね。今のNHKの状況とも見事にリンクする。

 ニュース原稿を勝手に書き換えた花子の行動は、事実をねじ曲げ公共の電波を私物化したことで本来なら厳しく批判されるべき場面なのだが、そもそもJOAK(NHK)のニュース原稿自体が検閲済みの大本営発表で、政府に都合のいい内容ばかりなので、よくよく考えれば事実やニュースに対する痛烈な皮肉になっている(ようにも思える)。

 それからもう一つ。従軍記者として日本軍の宣伝・広報活動を、これから喜々としてやるだろう女性作家の宇田川先生の姿が目に浮かんで、暗澹たる気分になる。まさに「ペン部隊」そのもの。中立の立場で権力を監視すべきジャーナリズムとはほど遠い。NHKが政府与党の宣伝機関と化しているのと同じように、いつの時代も教育とメディアは権力に取り込まれる。そしてそれに喜んで協力する人たちがいる。

 主人公・花子の性格や言動、ちぐはぐな脚本、ストーリー展開には共感できないところがいろいろあるが、戦争に向かってひた走る気持ち悪い時代描写は悪くない。立憲主義を平気で無視する大政翼賛的な今の時代状況と照らし合わせて見ると、なおいっそう感慨深いものがあるNHKの朝ドラだ。

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 「まるで戦前の特高警察です。このままだと大事故が起きますよ」(地元住民)。反対住民だけでなく、辺野古沖の埋め立て予定地の規制ラインから遠く離れて取材する報道陣に対しても、警備と称して強制排除にかかる海保。法的根拠など何もないのに。その異常さは地元紙や全国紙も社説やコラムで厳しく批判する。沖縄県民に銃口を向けた戦前の日本軍と何も変わらない「海猿」の正体。もちろんそれは安倍政権の正体そのものでもある。

辺野古の「海猿」に批判噴出! 移設反対市民を羽交い締めに(ゲンダイ)

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/152972


8月31日(日曜日) 今期アニメベスト3(暫定)

【今期アニメベスト3=暫定】<1位>◎ばらかもん(日テレ)訳あって西端の離島・五島で一人暮らしを始めた都会育ちの若手書道家が、島の子どもらと触れ合い成長する姿を描く。ハートフルコメディー。深夜の遅い時間でなく土曜か日曜の夕方に放送すればいいのに。

<2位>◎アオハライド(MX)中学時代に突然転校した初恋相手と高校で再会した女子高生の恋の行方。別冊マーガレット(別マ)連載漫画のアニメ化。

<3位>◎月刊少女野崎くん(テレ東)無愛想な現役男子高生が実は人気少女漫画家。彼に好意を寄せる女子高生と周辺を描く学園ラブコメ。テンポよく笑わせてくれる動画工房グッジョブ。

<番外>◎神様ドォルズ(MX)=東日本大震災の年にテレ東で放送された作品の再放送。「案山子」と呼ばれる謎のからくり人形を「神の抜け殻」とあがめる閉鎖的な故郷の村。そこから東京に出てきた大学生の主人公と妹をめぐる日常と非日常を描く。

◆恒例の「勝手に今期アニメ評」7月27日付「身辺雑記」に掲載しています。


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