身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2015年10月1日〜10月31日

●盗人に追い銭●野田聖子氏はまともだ●どこまで国民を愚弄●「名張毒ぶどう酒」死刑囚が死亡●基本姿勢と理念●日本人以外もきちんと伝えて●ツタヤ図書館はいろいろおかしい●文学賞にふさわしい視点●一方的で傲慢な投書●歴史的事実をなぜ否定●そこまで言うなら全部返上しろよ●迷った時は買う●マイナンバーは棚上げに●臨時国会は召集すべきだ●決してあきらめない●予定稿の準備が難しい●休講にしてしまった●放送「大学」の自己否定●検察は「抗告ストーカー」止めよ●勝訴判決も疲労困憊●ギリギリ校了●補講は不人気●政治活動禁止が異常だった●瓢箪から駒●橋下徹を支持できる大阪人って●●●ほか


10月1日(木曜日) 盗人に追い銭

 安倍政権の広報宣伝機関も同然の「国営放送」に、金を払う必要性がそもそもどこにあるのか。泥棒にわざわざカネをくれてやるようなものではないか。しかもマイナンバーを利用して(悪用して)受信料を徴収するとは、国民を愚弄するにもほどがある。ふざけるな(激怒)。

受信料徴収にマイナンバー「積極的に検討」NHK会長(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASHB15VDPHB1UCVL00Y.html


10月2日(金曜日) 野田聖子氏はまともだ

 自民党・前総務会長の野田聖子氏はすごくまともだ。ストレートの豪速球で、しかし言葉を選んで言うべきことをしっかり言っている。安倍晋三首相とはえらい違いだ。そもそも安倍なんかと比べること自体が、ものすごく失礼だと思うけど。

 自民・野田聖子氏「法律は一回決まったらそれっきりじゃない。郵政民営化法だって民主党政権になったら変わった。だから今回もこれで終わりじゃない。(安保法制に)反対する人たちには、地元で国会議員に言ってくださいよ、と話している。これで終わったら終わりですよ」。

安保法制「これで終わったら終わり」自民・野田聖子氏(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASHB263DQHB2UTFK00J.html


10月3日(土曜日) どこまで国民を愚弄

 内閣改造で安倍晋三首相が目玉ポストとするのが「1億総活躍担当相」だという。何じゃそりゃ。よく恥ずかし気もなく、こんなアホらしいポストを立ち上げようと思いついたな。そもそも「1億総活躍」という言い方が気持ち悪いし、全く意味不明で中身がない。大臣と担当役人の部署新設で、無駄に税金を使うだけじゃないか。いったいどこの広告代理店、あるいはキャリア官僚の入れ知恵なのだろう。国民を馬鹿にしているとしか思えない。


10月4日(日曜日) 「名張毒ぶどう酒」死刑囚が死亡

 「名張毒ぶどう酒事件」で、一審無罪判決の後に最高裁で死刑が確定し、再審請求を続けていた奥西勝さん(死刑囚)が、収容先の八王子医療刑務所で死亡した。89歳。2005年に名古屋高裁がいったん再審の扉を開いたにもかかわらず、同じ名古屋高裁の別の裁判長(門野博=かどのひろし、定年退官して現在は法政大学大学院教授)が、再審開始決定を取り消した。

 犯人であるとするには疑問があると認めたからこそ、名古屋高裁は再審開始を決定したのに、その決定をわざわざ取り消して審理すらさせないとは、全く理解できないし許し難い。とりあえず再審を始めた上で、改めて有罪か無罪か証拠に基づいて判断すればいい話ではないか。再審決定を取り消した裁判官の罪は重い。

 門野博裁判長の所業や経歴・判例・人物像などについては、拙著「裁判官の品格」(現代人文社)に詳述しているので、関心のある方はぜひ参照して下さい。

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 【おことわり】10月1日付から4日付までの「身辺雑記」を、まとめて更新しました。


10月5日(月曜日) 基本姿勢と理念

 公共図書館の民間委託(ツタヤ図書館)問題は、自治体が図書館のあり方をどう理解し、図書館の社会教育としての位置付けと運営責任をどこまで自覚しているか、ということに尽きる。公共図書館は民主主義と知る権利と表現の自由を守るための基本であり、利益や企業経営とは全く相容れない。市民の知的財産をどうやって維持し守っていくか、自治体の基本姿勢と理念の問題だ。

◇◇

 「図書館戦争」は今夜TBSで放送された特別企画のドラマよりも、きのう同局で放送のオリジナル映画の方がよかったな。個人的に好きなのはテレビアニメ版の「図書館戦争」だけど。いずれにしても、「図書館の自由」を守る図書隊の活躍とラブコメの絶妙なストーリー展開にはしびれる。「メディア良化法」による検閲や表現規制と支配統制がまかり通るという物語設定が、日本の近未来を予見しているかのような世界であるのも、社会派ドラマ好きな人間にはたまらない。

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 ノーベル医学生理学賞は3人の共同受賞なんだから、日本人だけでなくほかの外国人2人についても、詳しく伝えてほしいし伝えるべきだ。もちろん日本人の大村智・北里大特別栄誉教授の受賞はうれしく思うけど、同様にほかの2人の業績や経歴や人柄もしっかり報じてほしい。それこそ「客観的事実」を伝えるメディアの責任ではないか。

 日本人に関する話だけでは、ノーベル医学生理学賞の全体像は理解できない。それだと世界の中での日本人受賞の位置付けだって、きちんと伝わらないだろう。TPPに関するニュースも同様だ。米豪が合意したと言うばかりで、ほかの国の妥協内容や日本への影響には触れない。具体的な明暗(プラスとマイナス)や各国の利害関係が、特にNHKのニュースではさっぱり分からない。複眼的でないんだよなあ。


10月6日(火曜日) 日本人以外もきちんと伝えて

 スーパーカミオカンデで素粒子を観測し、ニュートリノに質量があることを証明した東大宇宙線研究所長の梶田隆章教授ら2氏にノーベル物理学賞。きのうの医学生理学賞の発表に続いて日本人の受賞は24人目。このニュースを伝える報道で、ニュートリノ研究で2002年に同賞を受賞した小柴昌俊教授について、きちんと本文で触れていないのは欠陥記事だ。小柴教授の直系の弟子として研究を続けてきたのが梶田教授なのだから。

 きのうも同じようなことを書いたけど、日本人の科学者のことを延々と伝えるだけでなく(それはそれでもちろん必要な情報だとは思うが)、共同受賞したカナダの名誉教授についても、もっと詳しく背景や人柄を伝えてほしいし伝えるべきだ。そうでないと、研究全体の意味や受賞の位置付けなどが理解できない。

 早っ。このタイミングで梶田教授が朝日新聞に寄稿とは(20時53分)。さすがだ。小学生向けにも科学に詳しい人にも、両面からご自身の研究の意味を説明している。個人的にはいまいち難しくて、ぼんやりとしか分からないけど(汗)。

梶田隆章氏が寄稿「宇宙に物質存在の謎、迫れる可能性」(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASH9W75GVH9WULBJ00B.html

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 大学の公式サイトで明日の講義の履修登録者名簿を確認したら、先週の後期(秋学期)1回目の時よりも、登録者が20人ほど増えているんだけど…。これで履修者は確定なのかな。全員が授業に出てくるとはとても思えないが、学生に配るレジュメと資料を多めに用意しないと。


10月7日(水曜日) ツタヤ図書館はいろいろおかしい

 ツタヤ図書館の一つである海老名市立図書館の公式サイトが「無断リンク禁止」を打ち出し、批判の声が上がっている。同市立図書館の「サイトポリシー」には、「本サイトのトップページへリンクを行う場合、リンク元のURLを事前にご連絡ください」「海老名市、海老名市立図書館、ならびに海老名市立図書館の指定管理者を誹謗・中傷するサイトからのリンクはお断りいたします」などと書かれている。

 著作物の無断転載とは違って、そもそもサイトのページリンクは全くの自由であり、リンクに際して報告したりとやかく言われたりするものではない。しかも「誹謗・中傷」とする判断基準や定義が曖昧なので、正当な批判や批評や評論も一方的に「誹謗・中傷」と決めつけられかねない。図書館の指定管理者(ツタヤを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ=CCC)に対する自由な批判や評論は、認めないし許さないということなのだろうか。そんな公共図書館や公的施設・組織・団体があり得るだろうか。

 表現の自由や図書館の基本理念を理解していない私企業が、指定管理者として、公共図書館を運営すること自体にそもそも無理がある。やはりツタヤ図書館はいろいろおかしい。

CCCが運営する海老名市立図書館の公式サイトは「無断リンク禁止」(スラド)

http://it.srad.jp/story/15/10/06/0530242/

海老名市立図書館の公式サイト(トップページ)

https://ebina.city-library.jp/library/

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 きょうはノーベル化学賞が発表されたのだが、ノーベル医学生理学賞とノーベル物理学賞の日本人受賞の話題を延々と伝えてから最後に、「3日続けての日本人の受賞はなりませんでした」って、たったそれだけかよNHKニュースウオッチ9。せめて化学賞の受賞者(欧米の3氏)の名前と業績くらいアナウンスしろよ。というか報道番組を名乗るなら、最低限それくらいは伝えるべきだろう。酷すぎる。どうしようもないな。

 そして番組も終盤近くの21時43分になって、ノーベル化学賞の受賞が決まった欧米の3氏について、ようやくちょろっと伝えるNHKニュースウオッチ9。だったらノーベル医学生理学賞とノーベル物理学賞の日本人受賞のニュースの中で(しかも旧聞に属する話の繰り返しばかり)、なぜきちんと伝えなかったのか。訳が分からん。自称公共放送(実態は事実上の国営放送)の報道姿勢は、理解に苦しむことだらけだ。

 まあ、NHKだけが酷いわけではないんだよなあ。そこは公平に指摘しておく必要がある。民放も日本人の受賞者の話ばかりで、外国人受賞者についてはスルーしているわけで(報道ステーションも同様だった)。もちろん曲がりなりにも「公共放送」を名乗って受信料を集め、世界に向けて電波や映像を発信している分、NHKの責任は格段に大きいのだが。

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 「一億総活躍担当大臣」。何回聞いても腹がよじれて笑えるし、恥ずかしいことこの上ない。馬鹿馬鹿しいにもほどがある。全く意味不明な上に、しかも担当内容がほかの閣僚と重複する。無駄な大臣ポストと役人の部署を増やすだけで、税金泥棒そのものではないか。安倍意味不明改造内閣(実態は極右改造内閣)は、何から何まで理解に苦しむことばかりだ。


10月8日(木曜日) 文学賞にふさわしい視点

 今年のノーベル文学賞は、ベラルーシのスベトラーナ・アレクシエービッチ氏に。大学でジャーナリズム専攻、新聞社勤務を経てフリージャーナリスト。ソ連女性兵士やアフガン帰還兵、チェルノブイリ原発事故を取材し、福島原発事故についても積極的に発言を続けているといった経歴を、毎日や朝日やNHKが伝えている。ノーベル文学賞にふさわしい問題意識と視点の女性作家だと言える。一方、読売は「村上春樹氏は今年も受賞ならず」。それだけかよ。読売の違和感は何なんだろう。ため息しか出てこない。


10月11日(日曜日) 一方的で傲慢な投書

 「週刊金曜日」9月18日・25日合併号に、「不登校の子どもを追い詰める!?/保護者ら慎重さ求める声も/多様な教育機会確保法案」という記事を書いたことは、以前にこの「身辺雑記」(9月18日付)でアナウンスした通りだ。「学校外の多様な学び」を支援する法案をめぐる状況と問題点など、いま何が進行しているかを紹介したルポなのだが、法案推進派の「フリースクール全国ネットワーク代表理事」なる人物から、この記事に対する反論の投稿が編集部にあった(10月2日号の誌面に掲載)。あまりに一方的で非論理的で的外れな反論に驚き呆れている。

 初めて「多様な教育機会確保法案(仮称)」について話を聞いた時は、「学校以外の多様な学びの場を保障するのはいいことではないか」と素直な感想を抱いていた。言うまでもなく法案の趣旨そのものは評価されるべきもので、基本的な方向性に文句を言う人はほとんどいないだろう。法案に対し疑問の声を上げている人たちの多くも、法案を全否定しているわけではない。

 しかし問題点はいくつもあって、教育委員会による家庭への介入や学校的価値観の押しつけが、不登校の子どもたちをかえって追い詰めるのではないか、と心配する声が出されている。そうした不安や疑問を置き去りに十分な議論を尽くさないまま、あまりにも拙速に法制化を急いでいる実態が、取材を通じて浮かび上がってきた。まるでどこかの国の安保関連法(戦争法)のようだ。ルポではそういう視点をベースに、賛否両論を紹介しながら問題点や課題を提示した。

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 法案推進派の「学校だけが学びの場ではない」との主張はもっともだが、記事への反論投稿を寄越した「法案推進派のフリースクール全国ネットワーク代表理事」なる人物のように、「フリースクールのことしか眼中にない」かのような言動にはがっかりする。「学校以外の多様な学びの場」を必要としているのは、フリースクールに通っている子どもたちだけではないからだ。

 むしろ、精神的負担や経済的理由からフリースクールに通えない子ども、家から外に出られない子ども、自宅にずっと引きこもっている子どもの方が圧倒的に多い。フリースクールに通っていない子どもらの立場や不安や疑問の声に、しっかり向き合って十分な理解を得た上で、みんなが納得できる形で法案を成立させることこそが何よりも大事ではないだろうか。

 フリースクールを運営する責任者として、「多様な学びの場」を保障する法的根拠が早く欲しいと焦る気持ちは分からないでもないが、しかしもうちょっと慎重にゆっくりじっくり議論すればいいのに。それが取材を通じての率直な感想だ。

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 記事では触れていないが、安倍晋三首相は昨年9月に東京シューレを訪問している。わざわざそんなパフォーマンスをするのを目の当たりにすると、国家による教育管理・統制に並々ならぬ意欲を示している安倍政権だけに、法案を換骨奪胎する思惑があるのではないかと、余計な不安さえ抱いてしまう。だからこそなおさら、もっと慎重に議論を重ねて、幅広い合意形成に努めるべきではないかと思う。

 この「代表理事」なる人物は、僕がろくに取材もせず、法案も読まずに記事を書いたなどと指摘しているそうだが、何を根拠にそこまで断言できるのだろうか。

 取材もせず法案も読まずに、これだけの記事が書けるわけがないだろう。あまりに一方的で傲慢な姿勢と威丈高な物言いには、驚き呆れるばかりだ。法案推進派(たぶん全部ではなく一部だと思いたいが)の思い込みの強さと、他者への想像力の欠如と、そしてうさん臭さを、これまで以上に感じてしまった(ため息)。

 【おことわり】後段の文章と表現を一部修正しました。文章全体の内容や趣旨には全く影響ありません。


10月12日(月曜日) 歴史的事実をなぜ否定

 ユネスコの世界記憶遺産に、中国が申請した「南京事件」(南京大虐殺)の資料が登録されたことについて、日本政府は「国際機関の政治利用だ」と中国外務省に抗議するとともに、ユネスコ批判を強めている。歴史的事実を否定するなんて世界から笑われるだけだろう。過去の過ちをなぜ素直に認めようとないのか。

 過去の罪を反省することは恥ずかしいことでも何でもない。むしろ歴史的事実と真摯に向き合う姿勢を示してこそ、世界から尊敬される存在となるのに。それとも安倍政権は、大日本帝国と現在の日本国(現政権)は一体だとでも公言するつもりなのか。安倍政権の歴史認識と世界観は絶望的に狂っている。

 一方、自民党の二階俊博総務会長や菅義偉官房長官は、世界記憶遺産に南京事件(南京大虐殺)の資料が登録されたことを受け、ユネスコへの日本の分担金(拠出金)を停止や削減も含めて見直すべきだとの考えを示した。歴史的事実を否定しようとするばかりか、さらにみっともないことを言ってのけ、世界中に恥の上塗りをする安倍自民党の幹部ら。情けない。

 「自分の思い通りにならないと金を出さない」などと言うのは、「俺の言うことを聞かないなら金はやらん」と怒鳴り散らす頭の悪い親父と変わらない。「政府の命令に従わず国旗国歌の掲揚・斉唱をしない国立大学には金を出さない」と脅すのと同じではないか。しかしその金は国民の納めた税金であって、政府(安倍自民党)のものでは断じてない。


10月13日(火曜日) 追記掲載

 10月11日付「身辺雑記」の「一方的で傲慢な投書」に、諸般の都合で抜け落ちていた文章を追記しました。文中の「***」印から次の「***」印までの3段落分に相当する部分です。


10月14日(水曜日) そこまで言うなら全部返上しろよ

 ユネスコの世界記憶遺産に南京事件(南京大虐殺)の資料が登録されたことに、日本政府は「ユネスコを政治利用している」と反発し、ユネスコ分担金の支払い停止を公言している。そこまで言うなら、これまでの世界遺産登録をすべて返上すればいいじゃないか。都合のいいものは容認して受け入れるが、都合の悪いものは否定して威嚇し恫喝するのか。こんなご都合主義が国際的に理解されるわけがない。

 歴史的事実を公然と否定し、さらにカネで相手の横っ面をひっぱたく。そんな大人げない恥知らずな態度で、国連の常任理事国に名乗りを上げるなんて、安倍政権はどこまで厚顔無恥で非常識なのだろう。それでは世界の笑い者になるだけではないか。日本国民として本当に情けない。安倍政権とは一緒にされたくないと心の底から切実に思う。

 カネで相手の横っ面をひっぱたく傲慢不遜で居丈高な態度は、ユネスコの分担金だけでなく、沖縄への対応でも全く同じだ。安倍政権はどこまで沖縄に対する歴史的差別と基地負担を放置し続け、民意を踏みにじるつもりなのか。沖縄県知事の辺野古埋め立て承認の取り消しは民意だ。安倍政権は沖縄振興を人質にするな。

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 きょうの大学の講義では、逮捕イコール犯人ではないこと(推定無罪)と、事件報道のあり方について話した。出席カード(リアクションペーパー)に書かれた授業の感想を読んだ感じでは、9割くらいの学生は理解してくれたかな(たぶん)。居眠りもほとんどいなかったし。熱弁を振るった甲斐はあった(ような気がする)。

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 朝日のニュースから。祖父母になりすました別人が、長女の写真を使って「安保反対デモに連れていかれた孫が熱中症で死んだ」などとツイッターで発信。肖像権侵害はもちろんだが、こういうのを「謀略」と言う。徹底糾明を。

ツイッターで画像悪用し偽投稿、IPアドレス開示命じる(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASHBG46TBHBGUOHB014.html


10月15日(木曜日) 迷った時は買う

 都合の悪いものは事実でも堂々と否定し、憲法や法律を平然と無視して開き直り、声の大きさと金の力を背景に威丈高な威嚇・恫喝を執拗に繰り返す。そういう態度で一貫しているのが安倍政権だ。安保法制(戦争法)をめぐる強引過ぎる国会運営、南京事件(南京大虐殺)とユネスコへの高圧的姿勢、威圧的なメディア対応、沖縄に対する傲慢不遜な態度、民意を一顧だにしない原発再稼働…。数え上げればきりがない。

 そんな驕り高ぶった連中が、道徳や社会規範や法の支配とやらを偉そうに口にする。いくらもっともらしく声高に主張しても、全く説得力がない。まず何よりも安倍自民党の国会議員が、自分自身の言動を振り返ることこそが先決だろう。

 非常識なのは政治家だけではない。政権政党・政府のデタラメに倣っているかのように、企業の法令遵守や規範意識や倫理観も揺らいでいる。警察官の相次ぐ不祥事も同様。上から下までこの国は明らかにおかしくなっている。

◇◇

 「迷った時は買う」のはある意味正しい対応だ。書店の店頭で希少本を前に悩んだ時は、買わずに後悔したことの方が多い。次の機会にはもうなくなっていて、二度と巡り会えないという経験が何回もあるからだ。そんなわけで希少本ではないけど、画集「KING OF POP/江口寿史全イラストレーション集」(税込5400円)を購入した。


10月16日(金曜日) マイナンバーは棚上げに

 国民の大半が不安を抱き、必要性に疑問が出ているばかりか、早くも役所で番号流出が相次ぎ、さらに詐欺や汚職事件も続いているマイナンバー制度。国民への理解や周知徹底の努力もなく、議論の積み重ねもない。まるで安保法制(戦争法)の拙速さと同じ構図ではないか。マイナンバー制度は、いったん棚上げにした方がいい(もちろん安保法制=戦争法も)。危なっかしくて怪しくて不安だらけで、このままでは取り返しがつかない事態になりそうだ。


10月17日(土曜日) 臨時国会は召集すべきだ

 安倍晋三首相の外交日程を理由に、臨時国会を召集しないっておかしいだろう。改造内閣の閣僚の所信表明を聞いた上で、ただすべきこと(閣僚の醜聞も含めて)はたくさんあるし、安保法制(戦争法)の採決過程やTPPの問題点など、追及すべき課題は山積している。政権側の都合で国会を開かないなんて、まともな民主国家とはとても思えない。安倍政権は立憲主義を平然と無視して、事実上のクーデターさえやってのけるくらいだから、何でもありなのかもしれないが、こんなことは到底許される話ではない。


10月19日(月曜日) 決してあきらめない

 【メモ】安保関連法(戦争法)の強行採決から1カ月。立憲主義が根底から破壊・蹂躙・愚弄・否定されたこの日を、決して忘れない。そしてあきらめない。それぞれ自分にできる方法で、できるところで、言葉の力を信じてしっかり声を上げ続けたい。ペンで、カメラで、マイクで、ネットで、口コミで、学校で、職場で、家庭で、地域で。

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 業者から金を受け取っていた4委員は「委員会の審議に寄付や報酬は影響していない」と話しているそうだが、そんなわけあるはずなかろう。違法でなくとも不正。典型的な癒着。賄賂そのものではないか。美しい沖縄の海を美しくない権力と業者がつるんで、徹底的に破壊し尽くす構図が堂々と展開されている。安倍政権が強引に推進する名護市辺野古への米軍移設計画(新設計画)は、どこまでも腐りきっている。

辺野古、環境委員に寄付・報酬、移設影響監視4人、業者側から(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12023053.html


10月20日(火曜日) 予定稿の準備が難しい

 夕方から東京・四谷の法律事務所。弁護団会議に参加。来週に言い渡される判決は明るい気持ちで聞けそうだが、しかし判決がどこまで踏み込むかという点に加え、相手側のリアクションにも不透明なところが多々あるので、課題は多く予断を許さない情勢だ。予定稿の準備が難しい。


10月21日(水曜日) 休講にしてしまった

 【お知らせ】きょうの授業、突然休講にしてしまって申し訳ないです。本日分は来週の水曜日6講時に補講をします。来週は4講時と6講時と、中途半端に講義が続きますがよろしく。

 ああ失敗した。大失態だなあ…。精神的ダメージが大きい。踏んだり蹴ったりだ。恥ずかしいから詳しくは述べないけど、自分の馬鹿さ加減に呆れる。学校には行っていたのに引き返すはめになってしまって、結局授業には間に合わなかった。教室に集まっていただろう学生には心から陳謝。ごめんなさい。


10月22日(木曜日) 放送「大学」の自己否定

 「現政権批判と取れる」として日本美術史の試験問題の前段部分(導入部分)を、学内サイトから削除した放送大学。大学側は放送法の規定に基づいて「政治的中立性に配慮が必要」だとするが、それは法律を曲解した自主規制だ。では学問と研究と表現の自由はどうする。個々の教授の学問内容への介入でもある。放送「大学」の自己否定にほかならない。自ら学問の自由を否定する、そんな大学があるか。

 削除された問題文の導入部分には「表現の自由を抑圧し情報をコントロールすることは、国民から批判する力を奪う有効な手段だった」などと書かれているが、まさにそっくりそのまま、今の放送大学と安倍政権の振る舞いと日本社会に当てはまる。ジョージ・オーウェルの描く世界そのものではないか。何とも皮肉なことだが、ある意味最大の反面教師になった。


10月23日(金曜日) 検察は「抗告ストーカー」止めよ

 小6女児が焼死した「東住吉放火殺人事件」で、無期懲役が確定した母親ら2人の再審開始決定を大阪高裁が支持した。毎回のように指摘されることだが、非科学的で杜撰な捜査と自白強要が冤罪被害を生む。捜査当局はまず最低限、取り調べの可視化を徹底すべきだ。そして検察は、裁判所の判断を不服として執拗に無駄な抗告を繰り返す「ストーカー行為」を即刻止めよ。

 「名張毒ぶどう酒事件」も「袴田事件」も「布川事件」にしても、検察側の往生際の悪さによる執拗かつ無駄な抵抗が、これまでどれだけ冤罪被害者を痛め続けてきたことか。再審決定に何回も異議を繰り返す検察のこうした「ストーカー行為」は、犯罪と言っても過言ではない。それほど罪深い。

◇◇

 橋下徹大阪市長って維新の党を離党したんじゃないのか。離党して新党結成した橋下市長が、どうして口を出したり勝手に解党宣言したりするんだ。支離滅裂で意味不明。住民投票で決着がついたはずの大阪都構想を、何回も何回も執拗に持ち出すくらいだから、自分の思い通りになるまで際限なく病的に粘着するのだろう。詐欺師同然の手法でストーカー的な振る舞い。気持ち悪すぎる。

◇◇

 西田敏行がスーさん(鈴木一之助)、濱田岳がハマちゃん(浜崎伝助)を演じる新しい「釣りバカ日誌」(テレビ東京)。これまでのシリーズと比べて、設定にかなりアレンジが加わっていたけど、なかなか面白かった。次回も期待。


10月26日(月曜日) 勝訴判決も疲労困憊

 午後から東京・霞が関の東京地裁。女子生徒に不適切なメールを送ったとして、東京都教育委員会から懲戒免職処分とされた都立高校の男性教諭(33歳)が、処分の取り消しと500万円の損害賠償を求めた裁判で、東京地裁(吉田徹裁判長)は10月26日、「免職は裁量権を逸脱し濫用している」として、処分を取り消す判決を言い渡した。その後、弁護士会館、司法記者クラブ、都教委などを取材で回って、新宿西口の居酒屋へ。慰労会兼検討会議みたいな。いろんな意味で疲労困憊。夜遅く帰宅して原稿執筆。

◇◇

 この国の最高権力者として君臨する安倍晋三首相を筆頭に、独裁政権の面々が憲法も法律も蹴散らしてやりたい放題だから、いろんなところで法治主義の基本ルールにガタが生じ始めている。トップが率先して憲法を蹂躙することで、遵法精神や倫理観が当然のように軽んじられる。そんな社会の行く末に不安を覚える。


10月27日(火曜日) ギリギリ校了

 親から虐待を受けていた女子生徒の求めに応じ、相談に乗る形でメールをやり取りして無事に高校を卒業させた都立高校の男性教諭が、なぜ懲戒免職されなければならないのか理解に苦しむ。これまでの取材を通じての率直な感想だ。

 免職処分を取り消した昨日の東京地裁判決と処分背景などを、記事にまとめて出稿した。再校ゲラのチェックもすべて終わったのは午後6時過ぎ。ギリギリじゃん。3日後の30日発売の「週刊金曜日」に掲載される。

 都教委の一方的な発表を鵜呑みにするなよ。女子生徒に「不適切メール」を送ったとして懲戒免職された都立高校の男性教諭を非難し、「免職を取り消すなんて裁判長は頭がおかしい」「こんな教師は免職が当然だ」などと、無責任に罵詈雑言を浴びせるネット民たちに愕然とする。

 東京地裁は昨日26日の判決で免職処分を取り消した。今年7月に僕が書いたこの記事を読んで、それでもなお男性教諭を非難できるだろうか。あまりに無責任すぎないか。ネット民も、都教委の発表を裏付けも取らずに報道するメディアも。

→(関連記事「都教委が校長陳述書を捏造」=拙稿)Yahoo!ニュース

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150702-00010000-kinyobi-soci

→(関連記事「都教委が校長陳述書を捏造」=拙稿)金曜日公式ブログ

http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/?p=5288

◇◇

 図書館流通センター(TRC)が、ツタヤの運営会社(CCC)に関係解消を申し入れた。図書館に対する考え方の違いが原因だという。公共図書館のあり方に対する基本理念や哲学が、根本的に違うのだから当然だと思う。TRCの「図書館の充実こそ民主主義の砦である」との思想を心から支持する。

ツタヤ側と関係を解消へ、図書館400館以上運営の会社(朝日夕刊)

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12038055.html?ref=pcviewer


10月28日(水曜日) 補講は不人気

 午後2時40分から始まる4時限に通常授業をした後、先週休講にした授業の補講を6時限に行った。予想していた通り出席はかなり少なかった。午後6時からだもんなあ。

 「バイトの代役が見つからないのでどうしても出られません」と申し訳なさそうに言ってきた学生もいたけど、バイトのほかにも部活なんかもあるだろうし、まあ仕方ないよな。だけど出席してくれた学生たちは貴重な話が聞けて、決して損はしなかったはずだと思うよ、たぶん(自画自賛)。

◇◇

 安倍政権の沖縄に対する仕打ちは、本当に酷すぎる。あまりにも理不尽だ。同じ日本国民に対する対応とはとても思えない。黙って言うことを聞け、文句を言わずに従え、歯向かうのなら容赦はしない、徹底的に酷い目に遭わすぞ。まさにそんな強引で傲慢不遜な態度だ。しかも法律の抜け道を最大限に悪用する。これがまともな民主国家の政府がやることだろうか。ため息しか出ない。

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 【おことわり】ものすごく多忙だったため、10月26日付から28日付までの「身辺雑記」をまとめて更新しました。


10月29日(木曜日) 政治活動禁止が異常だった

 文部科学省がずっと禁止してきた高校生の政治活動を、学校外では認める通知を出した。授業や生徒会や部活動など、学校内での政治活動の制限・禁止は仕方ないが、学校外での行動は全く個人の自由と責任の範疇だろう。これまで禁止していたことが異常だった。主体的に判断できる自立した市民なのだから。

 中学生以下の児童・生徒と違って、高校生は主体的に判断できる自立した市民の一人であるはず。少なくとも言論・表現・政治思想の自由に関することについては、独立した個人として認められ、憲法に基づいて個々の尊厳は最大限尊重されるべきだ。


10月30日(金曜日) 瓢箪から駒

 所用で出版社の近くまで来たのでふらっと編集部に顔を出した。編集者とあれこれ雑談や馬鹿話をしていたら、どういうわけか瓢箪から駒で、単行本の企画があれよあれよという間にまとまって、来夏までに(できるだけ速やかに)新著を出すことになった。予想外の展開だ。「ページが少な目でも早く出した方がいいよ」との言葉に、かなり気分が楽になる。モチベーションが上がった。


10月31日(土曜日) 橋下徹を支持できる大阪人って

 政治から足を洗うと公言したはずの橋下徹が、大阪維新(おおさか維新の会)なる政治団体の代表に就任するって、小学校の学芸会より酷い茶番劇だな。しかも自ら離党した政党を勝手に解党宣言してみせたりする意味不明さ。平然と嘘をついて詭弁を弄する「政治家」って致命的じゃないの? そんな人物を(大阪人が)どうして支持できるのか理解に苦しむ。

 こっそり嘘をついたり、さりげなく前言を翻し弁明したりというのは昔からあったが、ここまで平然と嘘をついて堂々と詭弁を弄して開き直るのは、橋下徹や安倍晋三や菅義偉らが実践して日常風景にしてしまったと言っていい。道徳や法令遵守など社会規範なんか踏みにじってもよいのだ、と率先して世間に知らしめた罪は重い。

 これが彼らの言うところの国を愛する心であったり、美しい国の姿だったりするのだろう。呆れ返ると言うよりも吐き気がして、心底うんざりする。


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