身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2015年11月1日〜11月30日

●異様な記者会見●面白くて勉強になった●学園祭のシンポで講演●教室に見知らぬおじさん●非正規労働者が4割を占める異常●政府の報道介入をBPOが批判●沖縄は植民地そのもの●プライドが一番大事●政治介入に団結して拒絶を●報道番組の職責とは●露骨過ぎるだろ読売1面●頑張れジュンク堂●国会議員も多種多様●安倍首相の振る舞いもテロでは●「神回」だった報ステ●一面的な見方と伝え方では?●上意下達の独裁国家●フリースクール検討会議●戦時体制が着々と●大阪はもうアカンかもね●安倍政権はホクホク顔●教育すべてを国家が管理か●「現場の記者がかわいそう」●「報道のTBS」の正念場●言論・学問の自由は民主国家の基本●教研集会●水木しげるさん死去●●●ほか


11月1日(日曜日) 異様な記者会見

 日中韓首脳会議の共同記者発表は、首脳3人が会議の感想をただ述べるだけで、記者との質疑応答もないままで終わりなのか。安倍首相のいつもの会見も一方的でたいがいなものだけど、この共同会見も酷いな。「共同記者会見」でなく「共同記者発表」だからなのか。舞台が韓国だからなのか。

 いずれにしても各国の記者たちは、首脳3人の一方的な演説をただ拝聴するだけの会見に、納得した(している)のだろうか。そもそも3人の発言が終わるたびに、記者席から拍手が起きる会見なんて見たことも聞いたこともないよ。質問もしない(できない)し、そういう進行に抗議もなく異論も出ない。こんな記者会見あり得ないだろ。お披露目会の観客・見物客でなく、記者なんだから。どう考えても異様だ。


11月2日(月曜日) 面白くて勉強になった

 夕方から東京・代々木。「多様な教育機会確保法案」に反対する緊急集会を取材する。「法案は家庭の学校化や義務教育の民営化を招き、不登校の子どもや親をますます追い詰め、排除することにつながる」と訴える当事者らが企画。石井小夜子弁護士が法律の面から、金井利之・東大法学部教授は「フリースクールが食い物にされ自滅するだけの法案だ」との視点から、それぞれ問題点を詳しく解説した。

 不登校の当事者や経験者のリレートークもユニークで、とても面白くて勉強になる集会だった。終了後、参宮橋の駅前で懇親会に参加。午前2時過ぎ、渋谷駅前のカプセルホテルに泊まる。

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 【速報】元裁判官の守屋克彦氏が創設したNPO法人「刑事司法及び少年司法に関する教育・学術研究推進センター」(刑事・少年司法研究センター=ERCJ)は2日までに、2015年度の「守屋賞」を現代人文社の雑誌「季刊刑事弁護」に授賞することを決めた。刑事司法と少年司法の理論・実践活動の貢献が評価された。これまでに、被害者遺族の立場から司法に発言を続けてきた片山徒有氏や、映画監督の周防正行氏らが受賞している。

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 【訃報】病気療養中だった声優の松来未祐(まつきみゆ)さんが死去。38歳。「ハヤテのごとく!」の鷺ノ宮伊澄、「這いよれ!ニャル子さん」のクー子、「下ネタという概念が存在しない退屈な世界(下セカ)」のアンナ会長などを演じた。愛称「まつらいさん」。ご冥福をお祈りします。


11月3日(火曜日) 学園祭のシンポで講演

 国学院大学の学園祭(渋谷キャンパス)のシンポジウムに招かれた。テーマは「安倍政権が進める『教育再生』は何をもたらすのか?」。国旗国歌の強制を事例に、国民みんなを同じ方向に向けさせて、疑問や異論を許さない社会や空気を醸成する怖さについて、取材経験をもとに話した。教科書採択も改憲の動きも戦争法も、すべて国民支配と管理統制の一環だということを指摘。質疑応答も活発で熱心に聞いてくれてホッとする。

 シンポが終わったら学生が色紙を持ってきて、部室に飾るから何かメッセージを書いてくれと言われた。そんな恥ずかしいことは勘弁してと断ったのだけど、結局応じることに。何を書いたかはマジで恥ずかしいから秘密だ(汗)。罰ゲームかと思ったぞ(笑)。

 真面目な雰囲気の会場から外に出ると、メイン広場には美味しそうな匂いが漂っていて、学生が切り盛りする屋台がいくつも並んでいた。鉄板の上でいい感じに焼き色が付いて、肉とキャベツがたっぷり入った焼きそばがとっても美味しそうだった。

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 「学校へ行こう!2015」(TBS)3時間スペシャル、なかなか面白かった。楽しい企画が盛りだくさんで気持ちよく笑えた。ぜひまた復活してほしいと思った視聴者も少なくないはず。「未成年の主張」のコーナーの最後で、中学校の先生が叫んだ「見逃し三振より空振り三振」(やらないで後悔するよりやって後悔)はいい言葉だよね。まったくその通りだ。


11月4日(水曜日) 教室に見知らぬおじさん

 きょうの4限の授業で、大教室の後ろの方に見知らぬ顔のおじさんが一人座っていた。どう見ても50代後半から60代だと思うんだけど(推定)。最後まで熱心に講義を聴いて帰って行ったが、どうせなら出席カードに感想や質問を書いてほしかったな。それにしてもどこの誰だったんだろう。近所の住民ではないかとの説もあるが謎だ。

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 大阪のダブル選挙(大阪府知事選と大阪市長選)について、選挙権のある友人から、「うんこ味のカレーかカレー味のうんこか究極の選択だ、どんな拷問やねん」という嘆きのメールが来た。確かにそうやね。お察しします。でもまずは何をさておいても、とにかく橋下維新という巨大なうんこを駆逐してほしい。最優先課題はそっちだ。大嘘つきの詭弁家・橋下を公の舞台から葬り去ることです。もう一つのうんこの始末はその後で。マジでお願いしますよ。(うんこ、うんこ、って連呼してごめんなさい。もう連呼しません。)

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 ツイッター公式で、いつの間にか「お気に入り(☆)」が「いいね(。)」になっている。フェイスブックみたいでなんだか違和感があるなあ。前の方がよかったのに。ちなみに僕は「お気に入り」の機能を使ったことは一度もないけど。


11月5日(木曜日) 非正規労働者が4割を占める異常

 派遣やパートなどの非正社員(非正規雇用)が労働者全体に占める割合が4割に達し、過去最高となった(朝日、JNNなど)。厚生労働省の総合実態調査。異常だ。企業に都合よく使い捨てにされる不安定な雇用形態は増加の一途。これで安心して暮らせる豊かな社会と言えるだろうか。アベノミクスなるものの恩恵を受けるのは一部の大企業と富裕層のみ。格差と貧困は拡大するばかり。このままでは、教育・福祉・健康・社会保険など、この国を支えてきたシステムは間違いなく破綻し崩壊するだろうな。

 一方、このニュースを日本テレビ(NNN)は「「不本意に非正規で働く労働者の割合が5年前より減った」と伝えていた。安倍政権に都合のいいように情報を垂れ流すだけで、これでは政府広報そのものではないか。ちょっと酷すぎないか。不安定で劣悪な雇用状態に対して不満も疑問も抱かず、不本意とも思わない。それって奴隷状態なのでは。ため息。

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 高速増殖炉「もんじゅ」を取り上げた社説。朝日と毎日は「もんじゅ/廃炉にするしかない」(朝日)、「もんじゅで勧告/運営者交代より廃炉だ」(毎日)と明快だ。一方、「もんじゅ勧告へ/核燃サイクル継続へ正念場だ」と、この期に及んでなおもんじゅに固執する読売。さすが安倍政権の広報紙だけのことはある。

 「単なる組織替えで済むわけがなく有力な後継組織も見当たらない。安倍政権は廃炉を決めるべきだ」(朝日)、「高速増殖炉は技術的にもコスト的にも課題がある。運営主体の変更で根本的な問題が解決するとは思えない」(毎日)。核燃料サイクルの破綻を指摘した上で、廃炉しかないと両紙は言明する。

 一方、「核燃料サイクル事業の継続のためには体制の立て直しが急務。政府として打開策を幅広く検討すべきだ」(読売)。技術力もなく安全管理面でも不祥事続出の無責任体制。しかも莫大なコストがかかる核燃料サイクル。読売はそれでも必死にもんじゅを擁護し、あくまでも継続を主張するのだった。いったいどこを向いて、だれのために紙面を作っているのだろう。どうしようもないな。

「もんじゅ/廃炉にするしかない」(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12051506.html?ref=nmail_20151105mo

「もんじゅで勧告/運営者交代より廃炉だ」(毎日)

http://mainichi.jp/shimen/news/20151105ddm005070043000c.html?fm=mnm

「もんじゅ勧告へ/核燃サイクル継続へ正念場だ」(読売)

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20151105-OYT1T50003.html


11月6日(金曜日) 政府の報道介入をBPOが批判

 NHK「クローズアップ現代」の「出家詐欺」報道の過剰演出について、BPOは番組側の重大な放送倫理違反を指摘する一方、「政府が番組内容に介入することは許されない」と安倍政権の番組介入を厳しく批判。総務相がNHKを厳重注意し、自民党がNHK幹部を呼びつけたことを、異例とも言える強い口調で非難した。

 これに対し、高市早苗総務相は「行政指導は法的拘束力があるわけでもなく、あくまでも要請という形で、いきすぎたとも拙速だとも思っていない」と反論した(朝日など)。開き直りにもほどがある。そういうのを詭弁と言うのだ。政権与党の威圧的な振る舞い自体が圧力そのものではないか。

 権力による報道への介入・圧力・支配は、民主主義社会を否定し根底から破壊することにほかならない。安倍政権の面々が、政権与党としての言動の影響力を自覚せず、報道の自由の意味を全く理解していないことが、BPO意見書の指摘で改めて鮮明になった。


11月7日(土曜日) 沖縄は植民地そのもの

 沖縄・名護市辺野古の警備に、警視庁の機動隊100人が投入された。無抵抗の市民に容赦ない精鋭部隊。有無を言わせず従わせようとする安倍政権の異様な姿勢が際立っている。もはや沖縄は本土の植民地そのものではないか。地元がこれだけ反対しているにもかかわらず、暴力的排除を伴って弾圧し強行するとは、これでは成田空港反対闘争の二の舞になるのではなかろうか。

 民意に耳を傾けようとせず、丁寧な説明や説得をする努力も一切しない。泥沼化するのが目に見えているのに、いつものことながら安倍政権には学習能力が全くないようだ。


11月8日(日曜日) プライドが一番大事

 やっぱりお金よりも何よりも一番大事なのはプライドだよね。そこは人としてどうしても妥協も放棄もできない最後の砦だ。そんなことを力いっぱい訴えてくる「下町ロケット」(TBSテレビ・日曜劇場)は、面白くて爽快でいい。日曜夜に見るのには最適なドラマだと言っていい。耐えて耐えて忍んで忍んで、そして最後には大逆転して挽回する。「半沢直樹」に通じるテイストだ。


11月9日(月曜日) 政治介入に団結して拒絶を

 BPOが自民党による政治介入を批判したことに対し、谷垣禎一幹事長や菅義偉官房長官が「指摘はあたらない」などと反論した。NHKのやらせ演出はもちろん論外だが、それと政権与党の報道への政治介入は話が全く別。安倍自民党の面々は、権力による報道への介入や圧力が民主主義と相容れないことをまるで理解していないようだ。

 政治介入を批判された自らの言動を、真摯に省みる謙虚さもなければ、戦前の報道統制によって世論操作された歴史から学ぶ姿勢もない安倍政権。憲法感覚もゼロなら歴史感覚もゼロ。民主主義や報道の自由についての理解度も、政治的センスやバランス感覚も全くない。認知症の末期症状としか言いようがない。

 ジャーナリズムは政権与党や政治権力におもねらず、独立して監視し毅然と批判するのが最大の職務である。間違いがあれば自主的に検証・反省・説明すべきであって、権力・政権与党からの介入や圧力に対しては、報道に携わるすべての者が一致団結して断固拒絶しなければならない。メディアが責任を負う相手は、読者や視聴者であって政治家ではない。それが民主主義国家のあるべき報道の姿だ。安倍自民党の開き直りと介入の正当化は、記者の一人として断じて容認できない。


11月10日(火曜日) 報道番組の職責とは

 説明や言い訳が二転三転しても気にせず、平気で嘘がつける人間は、たぶん自分の中では何の違和感も良心の呵責もないのだろう。もしかすると嘘をついている自覚もないのかもしれない。明らかに心を病んでいると思う。どこかの国の復興大臣とか官房長官とか、そして総理大臣とか。

 そうでなければ、自分自身は憲法や法律を堂々と無視しながら、他国に対して「法の支配」を説いたり「法律を守れ」と批判したり、そんな厚顔無恥な振る舞いができるわけがない。

◇◇

 やっぱりNHK「ニュースウオッチ9」は、ジャーナリズム・報道番組とはほど遠いお気楽ワイドショーだった。トップ項目でドーピングや野球賭博の話を延々と伝えて、番組開始から20分も経ってからようやく国会閉会中審査(しかもわずか2日間だけ開催)のニュースに移ったのを見れば、この自称報道番組のスタッフがいったいどこを向いて、だれのために何を伝えようとしているかは一目瞭然だろう。

 一方、ニュースのトップ項目で国会閉会中審査の論戦を紹介し、それに続いて高木毅復興相の香典支出・下着泥棒問題を伝えるテレビ朝日の「報道ステーション」は、どう考えてもNHKとは比較にならないほどジャーナリズム精神を遺憾なく発揮している。主権者に判断材料を提供するのがメディアの最大の職責なのだから。

 ニュースを伝える順番はニュースの価値判断に直結する。今に始まったことではないが、NHKの伝え方は明らかにおかしい。取り上げる順番も内容も伝え方も。


11月11日(水曜日) 露骨過ぎるだろ読売1面

 11月11日は「チンアナゴの日」だそうだ。きょうの授業で配布した出席カードにも、女子学生が講義の感想や質問とともにチンアナゴのかわいいイラストを描いてきた。確かに1が4つ並んで分かりやすいな。

11月11日は「チンアナゴの日」水族館で展示一新(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASHCB5HD5HCBPLZB01K.html

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 きょう11日付の読売朝刊には驚き呆れるよりものけぞった。読売の1面トップはロシアのドーピング問題。巨人3選手の野球賭博処分は1面カタで目立たない見出し。読売なりに精いっぱい工夫した跡が見られる。分かりやすいと言えば分かりやすいのだが、露骨過ぎるだろう。野球賭博処分の扱いも失笑ものだが、とにかくまず国会閉会中審査の論戦をしっかり書けよ。話はそれからだ。

 そんな読売の紙面構成について、授業の枕でも少し触れた。安保法制(戦争法)や原発再稼働を推進する社論を掲げ、世論調査では回答を誘導する質問文を示し、社論に反する意見は露骨にスルーするなど、「多様な意見を紹介し読者に判断材料を提供する」という観点から、読売や産経の突出した異様な紙面作りがよく理解できたのではないかと思う。


11月12日(木曜日) 頑張れジュンク堂

 書店が独自のカラーを出して特色ある書棚作りをしても別にいいではないか。それが書店の個性というものだろう。一番大事なのは品揃えと書店員の豊富な知識に基づく適切な対応だ。あまりに不快な品揃えばかりだったり、そもそも欲しい本に巡り合えないような品揃えだったり、書店員が無知で馬鹿すぎたりすれば、そんな書店では二度と買わないだけだ。頑張れジュンク堂。


11月13日(金曜日) 国会議員も多種多様

 国会閉会中でも議員会館で職務をこなしている議員と、早々に地元に帰ってしまう議員と。国会議員もそれぞれ多種多様なんだね。どっちがいいとか悪いといった話ではもちろんなくて、与野党の国会議員にあっちこっち連絡して改めて実感した。議員の状態や政治状況をしっかり把握している秘書もいれば、そうでもない秘書もいて、それもまたなかなか興味深い。


11月15日(日曜日) 安倍首相の振る舞いもテロでは

 安保関連法(戦争法)が成立した9月19日を、日本記念日協会は「いけんの日(平和への思いを忘れない日)」と決めた。違憲、意見、異見を聞く大切さ、に掛けていてなかなか上手い。どんな記念日の名前にするか結構難しいと思っていたけど、よく考えられたネーミングだなあ。感心した。

9・19「いけんの日」安保法成立、記念日協会決定(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12068511.html?ref=pcviewer

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 憲法を無視した解釈を勝手に閣議決定し、憲法を無視した法律を適正手続きさえ無視して強行採決し成立させて、憲法を無視して臨時国会も開かない。安倍晋三首相がやってることも十二分に非道卑劣なテロであって、「いかなる理由でも許されず、断固として非難されるべき」だと思うけどな。


11月16日(月曜日) 「神回」だった報ステ

 パリの同時多発テロ事件を扱った今夜のテレビ朝日「報道ステーション」は「神回」だった。悲惨なテロ被害の実態を伝えると同時に、旧植民地からの移民が受けてきた差別の歴史と背景、第一次大戦での欧州諸国の戦争責任、さらには中東での空爆や誤爆の問題など、全く反対側の視点からも「テロ」を取り上げ、しかもそれに加えて、テロ対策を口実にした国家による情報管理と人権侵害にも言及した。宗教が絡む問題だけにまさに「神回」だった。あっぱれな突っ込み具合だ。拍手。


11月17日(火曜日) 一面的な見方と伝え方では?

 ベルギーで移民が多数暮らす地区を指して「テロリストの巣窟」と何回も繰り返すNHK「ニュースウオッチ9」。移民の現状や差別の歴史にはほとんど触れず、対立と偏見を煽るかのような伝え方だ。国内政治ニュースだけでなく、国際ニュースでもNHKは相変わらず酷い。あまりに一面的だろう。

 一方的な空爆と敵対心とナショナリズムの高揚だけでは、テロは止まらない。むしろ泥沼化に突き進み、憎悪と報復の連鎖・悪循環を生むだけだ。どんなことでもそうだと思うが、歴史的背景から目を背ける世界に明るい未来も展望もない、と思うよ。


11月18日(水曜日) 上意下達の独裁国家

 安倍政権と沖縄県の対立について、かつて国に反対し抵抗した元首長たちはどう思うか──(朝日朝刊・社会面から)。住基ネットから離脱を決めた根本良一・前福島県矢祭町長は、「すごいプレッシャーがあった。今、翁長さんもそうだと思う」「地方はイコールパートナーだなんてうそばかり。国はいつも上意下達だ」。

 米空母艦載機の岩国基地移転に反対した井原勝介・前山口県岩国市長は、「永田町や霞が関は、根本的に民意への敬意がない」「国家の中枢にいる政治家や役人は、すべてをコントロールできると信じ込んでいる。沖縄の民意が意のままにならないことにかつてなくいら立っている」。

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 「民主党には任せられない」「民主党政権だけは二度とごめんだ」という気持ちは分からないではないが、しかし安倍政権より酷い政権はほかにはないんじゃないかな。平然と憲法を蹂躙して無視する安倍自民党よりは、民主党の方がまだマシだと思うけどなあ。少なくとも立憲主義を理解しているだけ、マシだと思うよ。

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 NHKが公共放送であるのを知らず、国営放送だと思っていた学生が、予想以上に多いという事実に驚きを禁じ得ない。いやもちろん現実的にNHKは安倍政権の広報宣伝機関であって、「事実上の国営放送」なんだけど、マジで国営放送だと信じていたという。僕も驚かされたが、一部の学生にもきょうの講義内容は驚きだったらしい(汗)。うーん。しかしまあ、授業を通じて社会の実態をしっかり理解してくれたら、それはそれで教えた意味もあるわけで…。


11月19日(木曜日) フリースクール検討会議

 午後から取材。東京・虎ノ門の文部科学省へ。学校外の学習について有識者が議論する「フリースクール検討会議」が19日、文部科学省で7カ月ぶりに開かれた。

 国会で進む超党派議連による新法制定(多様な教育機会確保法案=仮称)の動きについて、委員の一人から「法案のために検討会議は半年止まっていた。不登校の子どもの保護者には期待と不安があり、個別学習計画の扱いなどが議論を呼んでいるが、法案成立までこの会議ではその内容を検討しないのか、それとも検討できないのか。検討会議で出された委員の意見を、文科省から国会議員には伝えてもらえるのか」との質問が出された。

 これに対し文科省側は、「法案は国会の動きであって文科省の動きとは別だ。この検討会議では子どもの学習支援について、フリースクールと学校との連携を基本としながら、何ができるかを審議してもらえれば。審議結果については国会に伝えたい」と述べるだけで、法案についての説明は一切なかった。

 委員からは、「全国から委員が集まっているのだから、せめて法案の審議状況や経緯について、文科省から説明があってもいいのではないか」と不満の声が上がった。

◇◇

 「侍ジャパン韓国に逆転負け」というYahoo!ニュースのコメント欄に、日韓両国の選手をたたえる言葉が並んでいるのを見て、実に清々しく爽やかな気分になった。いつもなら目を覆いたくなるような、民族差別を煽る罵詈雑言で覆い尽くされるのに。悔しさを表しつつも韓国の粘りを称賛し、日本選手の健闘を褒めるコメントが圧倒的だったのだ。

 「どっちの選手も頑張った」「韓国があきらめず粘った結果だ」「韓国は普通に強かった」「負けたけど仕方ない。おめでとう。決勝も頑張れ」「好投していた大谷をなぜ交代させた」「完全に小久保監督の采配ミスだった」といった言葉がずらり。さらに、韓国人からも大谷投手をたたえる書き込みがあって、それに日本人が感謝の言葉で応じていたり。いいね。ちょっと涙が出そうになった。


11月20日(金曜日) 戦時体制が着々と

 本日発売「週刊金曜日」11月20日号に、<「多様な教育」法案に東大教授も異論>を書きました。不登校の子どもの「学校外での学び」をめぐる議員立法について、「フリースクールが食い逃げされ自滅するだけだ」「第二の学校になる」などと、厳しく批判する東大法学部・金井利之教授の見解を紹介しました。

 同じく「週刊金曜日」11月20日号に、短信記事<「身分剥奪」の暴挙に出た都教委「逸脱」認めず控訴>を書きました。女子生徒に不適切なメールを送ったとして、懲戒免職された都立高校の男性教諭の処分を、取り消した東京地裁判決。都教委は女子生徒の家庭での虐待事実を把握せず、生徒の話を聞かずに処分を決めていました。判決後の都教委の理不尽な対応についても報告しました。

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 「予備自衛官の雇用を増やした企業に1人あたり40万円の法人税を控除する」って、間接的な事実上の徴兵制じゃないか。自衛官確保が困難になってきたので企業を優遇し、しかも貧困層にも照準を当てるということか。教育・報道・司法を管理・統制・支配し、さらには事実上の徴兵準備まで。戦時体制を着々と進める安倍自民党っていったい…。

予備自衛官雇用で法人税控除案、自民党部会(日テレ)

http://www.news24.jp/articles/2015/11/17/04315124.html


11月22日(日曜日) 大阪はもうアカンかもね

 大阪はもうアカンかもしれんね。どうしようもない。横浜市民だけど大阪生まれだから、はっきり言い切ってもいいと思うが、大阪人は下品で厚かましいだけでなく、本当に馬鹿ばっかりだな。度し難いにもほどがある。しかしこの醜悪な結果はあくまでも「大阪」という地方都市限定の茶番劇に過ぎない。これで全国に打って出るだけの力が証明されたとか、国政政党としての存在感を示したなどと抜かすのは、世迷い言や寝言のたぐいだと思うぞ。勘違いも甚だしい妄想だ。いずれにしても嘘と詭弁を平然とまき散らし続ける橋下某は、著しく公序良俗に反する存在だから、もう二度と公の舞台に出てくるな。大阪地域のローカル限定で生息してろ(怒)。


11月23日(月曜日) 安倍政権はホクホク顏

 来年夏の参院選はマジでヤバすぎる。たぶん衆参同日選になるのではないかと思うけど、大阪ダブル選のねじれと混乱の影響で、野党再編統一はかなり難しくなったし、そもそも民主党があの体たらくで、共産党との選挙協力さえできないといった有様なので、安倍政権はホクホク状態だ。橋下某の支配下にある大阪維新は、野党再編や共闘を阻むために、安倍が差し向けた刺客だったんじゃないかとも思うほど、政党間の関係をぐちゃぐちゃにした。

 僕が安倍の立場だったら、衆参同日選をやるだろうな。今のままだと確実に圧勝できるから。そうなったらもうやりたい放題だ。憲法改正の国会発議だってできてしまう(汗)。

 テレビの影響は想像以上に大きい。若い世代はテレビをあまり見なくなったと言っても、それでも新聞よりもはるかに大勢が見ているし、高齢者と主婦層と引きこもりは圧倒的にテレビ信者と言っていい。東京のテレビ局もたいがい酷いけど、しかし関西(在阪局)はそんなもんじゃない。大阪のダブル選挙に相当な「悪影響」を及ぼしたのは間違いない(ため息)。

 この国のメディアが権力をしっかり監視しないという末期的状況と、権力によるメディアに対する恫喝や圧力や介入が、主権者の判断力低下を招いている。情報が操作されて統制されれば、真っ当な判断のしようがないからだ。報道の自由と健全な批判精神が発揮されない社会に、民主主義は存在し得ない。


11月24日(火曜日) 教育すべてを国家が管理か

 フリースクールは安倍政権の毒牙にかかって、「自由な学びの場」だったはずの環境が実質的に破壊されそうになっている。大手フリースクールを運営する人たちは、どういうわけかそこに気付いてないようだ。フリースクールが文部科学省や教育委員会の管理下に置かれたら、フリーでも何でもなくなってしまうのは自明の理ではないか。

 既存の学校を管理統制し支配するだけでなく、これまで自由にやっていたフリースクールも、そして学校から自由になりたくて自宅に逃げている不登校の子どもたちも、すべて国家や行政の支配下に置くのが、安倍政権の本当の狙いだろう。話を聞けば聞くほど、そうとしか思えない。

 そもそも不登校全体から言えば、フリースクールに通っているのはごくわずかに過ぎない。それなのに「多様な教育機会確保法案(仮称)」のことを、朝日新聞などは「フリースクール法案」みたいに書いているのだが、それは大いなる勘違いではないかと思う。実際には、自宅にいる圧倒的多数の子どもが実害を被る法案ではないのか。なんだかなあ。

 「子どもたちに多様な教育を」という理念の部分は真っ当だったのに、そんな法案がどんどんあらぬ方向にねじ曲げられ、歪められようとしているのは、見ていて実に痛々しく同情を禁じ得ない。気の毒すぎる。


11月25日(水曜日) 「現場の記者がかわいそう」

 きょうの出席カードに書かれていた授業の感想から(最も印象深かったうちの1枚)。「政権から報道機関への圧力で、現場の記者や編集者には記事・ニュースの決定権がなくなってしまっているように思える。きょうの授業で一番感じたのは、現場の記者や編集者がとてもかわいそうだということです。これでは報道機関そのものが弱体化してしまうのではないかと不安になりました」。いやほんまに。


11月26日(木曜日) 「報道のTBS」の正念場

 この岸井成格キャスター降板情報が事実だとすれば実に由々しき事態だ。この国の民主主義はもはや風前の灯だと言っていい。強い危機感を抱くとともに慄然とする。政権の報道圧力と連携した格好の右派による攻撃の異様さもさることながら、こんなことがまかり通る社会に背筋が寒くなる。そうした動きに屈せず毅然とした対応ができるかどうか、「報道のTBS」の真価がまさに問われる。頑張れTBS、踏ん張れTBS。ここは正念場だ。

『NEWS23』でキャスター岸井成格の降板が決定の情報!「安保法制批判は放送法違反」の意見広告にTBSが屈服?(LITERA/リテラ)

http://lite-ra.com/2015/11/post-1718.html

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 実はものすごく真面目で、めっちゃ面白くて勉強になる記事だった。言葉の時代性や社会との関係性、国語辞典のあり方などがとてもよく分かる。なんて知的で教養あふれる企画記事なんだろう。超おすすめ。

「チャンピオン」や「りぼん」から国語辞典にのせたい言葉を探す(デイリーポータルZ:@nifty)

http://portal.nifty.com/kiji/151125195134_1.htm


11月27日(金曜日) 言論・学問の自由は民主国家の基本

 小森陽一、中沢けい、上野千鶴子氏ら54人が「いかに歴史を解釈するかは学問の自由の問題。公権力が踏み込むべきでない」と韓国検察の教授起訴を批判。まともな民主主義国家ではあり得ない起訴だっただけに、至極当然の抗議声明だと思う。全面的に支持する。

 一面的な見方を排し、多様な視点から「従軍慰安婦問題」を検証した「帝国の慰安婦」。そういう姿勢こそ言論・学問のあるべき姿だろう。そもそも「秩序維持のためには言論・学問の自由は制限される」などとして、著者の韓国人教授を起訴するなんて、まともな民主主義国家ではあり得ない。

 憲法を踏みにじって、教育・報道・司法に対し平然と干渉して圧力をかける日本の安倍政権も、韓国の朴政権と同じようなことをしようとしているのだろうけど、自由と民主主義と人権を理解していない権力者は、古今東西どこの国でもやることも考えることもみんな一緒だ。日本も韓国のことを笑えない。そこがなんとも悲しくも情けない。

日米の学者ら抗議声明「帝国の慰安婦」著者の在宅起訴(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASHCV468SHCVUTIL01H.html

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 オウムの元信者・菊地直子被告に逆転無罪判決。「テロ行為を認識して手助けしたと認めるには合理的な疑いが残る」というのが判決の肝で、そもそも「検察側が事実を立証できなかった」ということに尽きるようだ。なるほどさすが東京高裁の大島隆明裁判長らしい。

 教団元幹部の井上嘉浩死刑囚の証言について、「不自然に詳細かつ具体的で信用できない」との指摘も、硬直したほかの法廷の裁判官とは全く逆だよなあ。典型的な冤罪事件の有罪判決の場合だと、「証言は詳細かつ具体的で信用できる」と一方的に断じるのが大半だから。

 しかしまあいずれにしても、被告人が認識していたか否かは別にして、結果的に重大な犯罪に手を貸してしまった(手伝ってしまった)のは事実なのだから、法律的にはともかく道義的には、当時の自身の行為について深く自省してほしいところではある。


11月28日(土曜日) 教研集会

 午後から神奈川県高等学校教職員組合の教研集会に顔を出す。特別分科会に参加。労働法やブラックバイトを扱った授業実践報告、主権者教育に関する授業実践報告が面白かった。終了後、報告者の先生らと一緒に横浜駅前の串焼き屋と居酒屋をはしご。とってもいい気分で帰宅。


11月29日(日曜日) 学習会

 午後から東京・国分寺。教育系市民団体の学習会を取材。18歳選挙権がテーマ。終了後、久々にお会いした元都立高校の先生らと駅前の居酒屋で飲む。いろいろと裏話なども聞けて楽しかった。


11月30日(月曜日) 水木しげるさん死去

 えええっ! 水木しげるさん亡くなられたんだ…。93歳。子どものころから大好きな漫画家の一人でした。「ゲゲゲの鬼太郎」は小中学生の時には何回も何回も繰り返し読んで、幻想的で不思議な世界に引き込まれました。怖さの中に笑いや風刺や、人間と人間社会に対する鋭い批判精神もあって面白かったよなあ。たくさんの名作ありがとうございました。

 妖怪たちや奥様に囲まれて100歳を超えても意気軒昂であるに違いない、と信じて疑いませんでした。それだけに突然の訃報に驚きは大きいし、とても残念です。心よりご冥福をお祈りします。

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 サッカーJ1のG大阪の選手への人種差別ツイートは、埼玉県内の男子高校生の投稿だった。各社とも「埼玉県内の男子高校生」と表記しながら、毎日が「同県学事課によると」と書いていた。それだと私立高校と言ってるも同然じゃん。そう思っていたら産経だけは「埼玉県内の私立高校」とはっきり書いていた。やはりなんでもありの産経だった。ちなみに、公立高校を所管するのは県教育委員会で、私立高校の所管は県学事課。


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