身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2015年3月1日〜3月31日

●英王子の政治的利用●本質をはぐらかすNW9●実態は利益供与●都教委の隔離・幽閉施設●花粉が大量飛散●花粉猛威●道徳や教育を語るな●退屈な卒業式●安倍首相とは格が違う独首相●東電に放り投げたままのくせに●成績質問票●安倍信者は想像して自分で考えろ●大嘘つきで厚顔無恥それが安倍首相●怠け者の体質変わらず●過去と向き合うのが本当の愛国心だ●馬鹿で傲慢で恥知らず●静かで快適●残念すぎる●NHK私物化の元凶は安倍首相だ●「四月は君の嘘」の切ない余韻●違和感だらけのセンバツ開会式●馬鹿が戦車で●真っ当な司法に割れんばかりの拍手●安倍内閣は総辞職するしかない●沖縄は本気で独立を考えた方がいい●報ステ「暴露」巧妙な演出なら見事●異例の迅速作業●安倍批判の朝日記事2本●民意も法律の趣旨も無視●圧力などあるはずもない「番犬」●●●ほか


3月1日(日曜日) 英王子の政治的利用

 英国をはじめ欧米各国の多くのメディアでは、安倍首相は「極右政治家」「歴史修正主義のナショナリスト」と位置づけられ、これまで一貫して批判的に報じているが、英タイムズ紙は英王室のウィリアム王子の初来日を「日本の政治家に政治的利用」と批判的に報じている。

 NHK放送センターを訪問した英王子を籾井勝人会長が出迎えたことを、NHKニュースは「政治とカネ」の問題や福島原発の汚染水漏れをそっちのけにして得意満面に伝えていたが、これぞまさに政治的利用と言っていい。英国の公共放送BBCと日本のNHKは似て非なる存在で、事実上の国営放送と言っていい状態のNHKの問題点を、英王子の訪問が覆い隠すような扱いにしかなっていないからだ。英タイムズ紙はその辺りもきっちり指摘している。

 安倍首相とともに福島など東日本大震災の被災地を訪れた英王子の様子も、NHKや各テレビ局、新聞各紙は大きく取り上げたが、順調に進む復興と地元の歓迎ぶりを伝えるばかり。福島原発の傷跡や収拾がつかない状態が続いていることなど、まるで存在していないかのような扱いだった。安倍首相や安倍政権の面々としては、英王子を復興の宣伝に見事なほど上手く利用した格好だ。メディア戦略は完璧だったとほくそ笑んでいることだろう。

 英王室や英王子にとってはビジネスや文化交流の促進が目的の訪日なのだろうが、安倍政権は確実に英王子の訪日を政治的に利用し尽くした。英紙はそうした側面をしっかり指摘し批判したが、日本のメディアは残念ながら安倍政権の広報・宣伝機関としての機能しか果たさなかった。彼我の差を深く憂慮する。


3月2日(月曜日) 本質をはぐらかすNW9

 NHKニュースウオッチ9の大越健介キャスターが、番組トップ項目の福島原発特集を締め括るコメントで、「東京電力や地元に任せるだけでなく私たち一人一人が自分の問題として考えるべき」とアナウンスした。自分の問題として考えているからこそ、多くの人たちが「脱原発」「再稼働反対」と訴えているし、世論の大半もそういう意見なのではないか。安倍政権がそのような民意を全く無視していることが、まさに原発問題の本質だろう。そこに切り込まずに何を言ってるんだ。

 NW9の大越キャスターがいい加減で、もっともらしいコメントしかできないのはいつものことだが、いくらなんでもこの言い草は酷過ぎる。防護服もマスクもなしで中継ができるようになったと、うれしそうに述べて、あたかも問題が改善したかのように伝えるのも論外だと思うが、しかしそれ以上に、本質や論点をはぐらかすという意味で極めて悪質なコメントである。


3月3日(火曜日) 実態は利益供与

 国の補助金交付が決まった企業から、安倍晋三首相も寄付を受け取っていた。ところがまるでそのニュースを相殺するような形で、民主党の岡田克也代表にも企業献金があったと報じられた。「どっちもどっちだから与野党で企業献金のあり方をしっかり話し合うべきだ」などと解説する自称識者がいるが、しかし両者は全然違う。どっちもどっちというような話ではない。

 企業献金(寄付)を受け取った自民党の閣僚らは、補助金交付を知らなかったと自称するが、実態は利益供与そのものの税の還元にほかならない。一方、岡田代表が受け取ったのは補助金交付企業とは別法人で利益性もないとされる。両者が受け取った寄付の性質にはかなりの差があると言っていいだろう。そもそも政権与党と野党では、利権関与の意味がまるで違うのだから。自民党閣僚への献金は悪質さが際立っている。


3月4日(水曜日) 都教委の隔離・幽閉施設

 東京都教育委員会が命令に背いた教職員を隔離し幽閉する施設に潜入してきた。ブラック企業が、リストラに従わずに辞めない社員を狭い部屋に閉じ込めて、無意味な仕事を黙々とこなすよう強制したり、あるいは逆に何も仕事を与えずに放置したりする、いわゆる「追い出し部屋」とそっくりだった。何の落ち度もない教員に対しこの仕打ち。なんて非人間的・非人道的な対応をするんだろう。

 8畳ほどの広さの室内に机といすだけが置かれ、教員がたった一人でぽつんと置き去りにされている。監視カメラこそなかったが、ガラス張りなので実際には常時監視しているのと同じ状態だ。見かけない人間が一緒にいるということで、異変に気付いた担当職員がすぐにすっ飛んできた。所用で近くまで来たから、知り合いの教員に挨拶しに顔を出しただけ(それは本当)なのだが、それさえも許さないという雰囲気だった。

 労働に対して一定の休憩時間が確保されることは法律で規定されているし、その時間にだれと面会して何をしようと全く自由なはずなんだけどな。その程度の自由すら許されないのなら刑務所と変わらないではないか。理不尽きわまりない。都教委はまさに「ブラック企業」そのものだと改めて思った。

◇◇

 夕方、取材先の都内の弁護士事務所から外に出たとたん、くしゃみが止まらず、目がしょぼしょぼして痒くてたまらなくなった。経験から花粉が大量に飛散していることが瞬時に分かった。夕方まで大したことなかったのに…。予想はしていたので慌てて鼻炎薬を飲む。小康状態になったけどそれでもきつい。雨上がりの後で強い風が吹いているから最悪だ。労働意欲が著しく減退する。


3月5日(木曜日) 花粉猛威

 これまで規定用量の半分(用量は2錠だが1錠)だけ服用していた鼻炎薬を、きのうから用量通りに飲んでいるが、それでも相変わらず辛い。ティッシュペーパーを大量消費している。


3月6日(金曜日) 道徳や教育を語るな

 第1次安倍政権で辞任した閣僚は4人、首相に返り咲いた第2次政権では3人。森喜朗政権以降の15年間で、「政治とカネ」で辞任した閣僚12人のうちの大半が安倍内閣という異常。7人もの閣僚が辞任しながら、それでも崩壊しないし、平然としていられる安倍政権の厚顔無恥さに言葉を失う。

 こんな内閣はかつて一つとして存在しなかった(存在できなかった)。あり得ない。これだけカネまみれの政権が、道徳やら教育やらをしたり顔で語るなんてとんでもない話だ。

安倍政権メ疑惑スルーモ戦略が失敗!「政治とカネ」再燃で立ち往生(週刊朝日)

http://dot.asahi.com/wa/2015030400076.html?page=1


3月7日(土曜日) 退屈な卒業式

 久しぶりにネクタイを締めて都立高校の卒業式を取材。退屈なだけで面白くとも何ともない単なる儀式(セレモニー)だった。都教委通達で国旗・国歌が強制される前は、厳粛な中にも生徒自身が式次第を創意工夫し、思い出の映像上映や合唱なども取り入れた楽しい卒業式が結構あったのに。いったいだれのための卒業式なんだろう。

 卒業式会場の体育館は底冷えのする寒さ。真冬並みの気温に震えながら我慢して参列したが、卒業生の女子の大半は素足にミニスカート。かわいいとは思うけど寒くないのかなあ。やっぱり我慢してるんだろうな。若さだなきっと。

 午後から藤沢で県立高校の先生たちの勉強会に参加。その後は駅近くの蕎麦屋で飲み会。蕎麦湯で割った焼酎が意外といける。締めで頼んだけんちん蕎麦も温かくて、のどごしがよく美味しかった。


3月9日(月曜日) 安倍首相とは格が違う独首相

 ドイツのメルケル首相が来日。「欧州で和解が進められたのはドイツが過去ときちんと向き合ったから」「福島の事故を見て原発には予期できないリスクがあることが分かった。だから脱原発を決意した」。物理学者である知性に加えて知見と品性を備えた政治家。日本の安倍首相との格の違いを見せつけた。

 安倍首相は平気で嘘はつくし、国会で事実無根のヤジは飛ばすし、本人も安倍政権の閣僚連中もカネまみれだし、無責任だし、時代錯誤の歴史修正主義者だし、いいところが何もない。極め付きなのは正真正銘のネトウヨであること。こんな首相(大統領も)は先進国のどこを探してもいない。戦後日本にも一人としていない。恥ずかしい。

 安倍首相とドイツのメルケル首相を比べること自体が、そもそもメルケル首相とドイツ国民に対して失礼だった。メルケル首相に何を言われても、どれだけ含蓄のある言葉を語られても、安倍首相は聞く耳など持たないだろうけど(理解する頭もないだろうけど)、脱原発や過去の歴史と向き合う姿勢など、彼女のメッセージは日本人の心にはなにかしら届く(響く)はずだ。そう信じたい。

◇◇

 安倍首相べったりの右派系御用学者でさえこのように言う。「日本の歴史研究者の99%は『日本は全体として侵略し、悪い戦争をし、多くの中国人を殺して誠に申し訳ない』と言うと思う」

70年談話「侵略した、と言わせたい」北岡国際大学長(毎日)

http://mainichi.jp/select/news/20150310k0000m010083000c.html


3月10日(火曜日) 東電に放り投げたままのくせに

 安倍首相が東日本大震災からあすで4年となるのを前に記者会見し、また平然と大嘘をついた。福島第一原発事故について、「東京電力任せにせず、国も前面に立って、廃炉・汚染水対策に取り組んでいく」と述べたのだ。どうしてこんなにすぐにばれる嘘を平気で堂々とつくかなあ。東電に放り投げたまま、安倍政権は何もやってないしやる気もないのは明白じゃないか。

 世界中に向けて安倍首相が「福島の状況はアンダーコントロールされています」などと嘘八百を垂れ流し、そのまま東電に放り投げた結果、いったい何が起きたか。東電は汚染水流出を10カ月も隠蔽し対策も取らなかった。実際の福島原発では、人間が手の施しようのない事態(制御不能の状態)が今も続いているのに、原発再稼働だけは異常に熱心な安倍政権。なんて恥知らずなんだ。

 ところがこのデタラメな安倍首相会見を、NHKニュースウオッチ9は午後9時半になってから、わずか2分間、「新たな復興支援の枠組みを策定」「東電任せにせず国も前面に立って」とだけ伝えた。原発事故を東電任せにして、丸投げし放置する安倍首相の無為無策を批判することなく。これでは安倍首相の広報・宣伝番組と変わらないではないか。安倍発言を完全無視した方がまだマシだ。

 「アンダーコントロール」されているのは、福島原発ではなく日本国民だ。安倍首相が「アンダーコントロール」しているのは、福島原発でなくNHKニュースとNHKのスタッフだろう。

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 成績が不可だった(単位認定できなかった)学生から、教務課経由で「成績質問票」が届いた。ここ最近は5年くらい質問票がこなかったので久しぶりだ。学生が自分の成績評価に疑問がある場合に異議申し立てできる制度だが、しかし講義はほとんど欠席で試験の答案も合格水準以下だと、残念ながら救済しようがない。中にはレポートも提出せず試験も受けていないのに、「不可はおかしい」などと言ってくる猛者もいる。そういうのに比べたら、はるかにかわいいとは思うけど。


3月11日(水曜日) 安倍信者は想像して自分で考えろ

 俳優の西田敏行さん「原発が再稼働されようとしている地域の人たちには特に言いたい。わが故郷・福島の人たちは『原発は安全・安心だ』とずっと信じてきました。でも、起こらないはずのことでも起きてしまうのです。『俺のところは大丈夫だ』と本当に信じていいのですか?」(11日付朝日・別刷り特集フロント面)。きょう最も印象に残った(心に響いた)言葉・記事。

◇◇

 この期に及んで、まだ安倍首相を妄信し支持できる神経に驚き呆れる。いったい何を見て何を聞いているのだろう。何回でも繰り返して言うが、安倍首相はこの国を破滅に導く最低最悪の政治家だ。福島原発を放置しながら再稼働に邁進し、平気で嘘をつき、国会で事実無根のヤジを飛ばし、カネまみれで無責任でしかもネトウヨ。

 どれだけ酷い目に遭わされて、いつまでだまされたら気が済むのだろう。安倍首相が弱者のために、非正規労働者のために、あるいは自分のために何をしてくれたというのだろう。国家を背負ったつもりで大言壮語しヘイトスピーチをする前に、自分の目で見て自身の頭でしっかり考えてみるといい。

 安倍首相を熱烈支持している連中は、自分自身の生活に結びつけて冷静に考えてみればいい。自身が弱者になるかもしれない可能性も含めて想像してみればいい。安倍政権が何をしようとしているのか、だれのための何のための原発再稼働か、戦争になったらどんな生活が待っているか。想像力を目いっぱい働かせて、しっかり考えた方がいいよ。

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 放射性廃棄物(核のゴミ)の最終処分場をどうするかさえ先送りで未解決状態だというのに、原発再稼働なんてだれが考えてもあり得ない話だろう。ところが日本の電力会社や原発利権関係者は、再稼働と最終処分場はリンクしないと主張する。馬鹿じゃないか。日本の常識は世界の非常識。これが日本の原発推進派の現実であり、頭の中身だ。

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 橋下徹・大阪市長のオトモダチで自称弁護士の中原徹・大阪府教育長。最後の最後まで往生際が悪かったが、橋下一派以外から四面楚歌の状態で遂に辞職へ(と追い込まれたか)。正義は勝つんだなあ。感慨深い。

大阪府教育長が職員へのパワハラ問題で辞職(毎日)

http://mainichi.jp/select/news/20150312k0000m040060000c.html


3月12日(木曜日) 大嘘つきで厚顔無恥それが安倍首相

 「汚染水はコントロールされていると誰か(安倍首相)が言っていたが、全然コントロールされていない。よくもあんなマヤカシが言えるな」と小泉純一郎元首相。いったいだれが一番の大嘘つきかは明白だ。

「政府は嘘を言っている」小泉元首相が福島で吠えた深謀遠慮(ゲンダイ)

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/158010

 「全然(コントロール)されてない。よくもああいうことが言えるなと思う」「原発は一番コストがかかる」「再稼働させればまた(使用済み燃料が)増えていく」と小泉元首相。全くその通りだ。安倍批判が冴えわたる。

「汚染水コントロールされてない」小泉氏、首相を批判(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/DA3S11645144.html?ref=pcviewer

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 きのうの震災4年の追悼式典で、天皇陛下は「この震災により、原子力発電所の事故が発生し、放射能汚染地域の立ち入りが制限されているため、多くの人々が住み慣れた地域から離れることを余儀なくされました」と述べた。一方、安倍首相は「原発事故」とは述べたが、「放射能汚染」の「ほ」の字も触れなかった。天皇陛下と安倍首相の追悼あいさつの言葉遣いに表れた決定的な違い。安倍首相の本質が実によく見て取れる。

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 情けないのはあんただよ、安倍首相。民主的な先進国のまともな政治家なら、理性と良心が邪魔して到底恥ずかしくてできない「言論・報道への圧力」を、こんな詭弁で開き直るとは。狂ってる。

 「厚顔無恥」という言葉がこれほど適切かつ見事に当てはまる総理大臣は、安倍首相以外にはいない。頭が悪くて、大嘘つきで、無責任な上に身の程知らず。そして聞く耳を持たない中学生レベルのネトウヨ。取り巻き連中も同類。最低最悪だ。

安倍首相「番組それぐらいで萎縮、情けない」予算委(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASH3D5PYLH3DUTFK00R.html


3月13日(金曜日) 怠け者の体質変わらず

 スタジオジブリのアニメ「かぐや姫の物語」(高畑勲監督)がテレビ初放送。脈略なくあまりにも頻繁にCMが入って話がブチブチ切れるので、集中力が途切れてしまうし、なんだか訳が分からん。せめてもうちょっと番組全体の構成を工夫すればいいのに。というかいくらなんでもCMが多いし長過ぎるだろ。そのせいかどうか途中で眠くなった。月からの迎えがやってくるシーンの映像や音楽はイメージ通りだった。

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 油断してのんびりしていたら、予定外の原稿執筆依頼がいくつも舞い込んできて、急にスケジュールが立て込んできた。断るべきではない重要なテーマと媒体の依頼は、原稿の締め切りが多少きつくても、無理してでも引き受けなければと思う。新年度の講義が始まる前に、どこまで取材できるかが勝負のポイントかな。

 前倒し前倒しで取材して原稿を書いて、雑務もしっかりこなして片付けておけば、いつどんな突発事態に直面しても(急な原稿依頼があっても)、余裕で対応できるはずなのに。分かってはいるんだけど、いつも締め切りギリギリになるまで動かない怠け者の体質を深く反省している。


3月14日(土曜日) 過去と向き合うのが本当の愛国心だ

 ドイツのメルケル首相が来日中、「欧州で和解が進められたのはドイツが過去ときちんと向き合ったから」「過去の総括は和解の前提になっている」と発言し、ナチスの反省に触れて遠回しに助言したのはまぎれもない事実だ。来日講演の際にも、安倍首相との会談後の記者会見でも明言している。

 日本人の未来のために(安倍首相のためだけではない)、これほど率直に配慮と含蓄のあるアドバイスをしてくれる友人は、そうはいないだろう。メルケル首相の友情と思いやりと愛情あふれる真摯な言葉を、素直に聞けない安倍首相ら自称愛国者とネトウヨ連中の、何とも狭量な姿勢と事実に向き合おうとしない態度には愕然とするばかりだ。

 菅義偉官房長官が、「民主党の岡田克也代表との会談でメルケル首相は過去の問題には触れていない、とドイツ政府から説明があった」と主張している。その主張の内容の真偽はともかく、それとメルケル首相が来日中に「過去の総括と和解」について公言した「事実」とは別の話だ。まさに問題のすり替え。詭弁そのものだ。

 民主党の岡田代表との会談の中で、メルケル首相が「過去の問題を日本政府がどうすべきか」に触れたか触れなかったかは、前述したメルケル首相の「過去の総括と和解」の発言とは全く別の問題だし、それでメルケル発言が消えてなくなるわけでもない。もちろん過去の歴史的事実や日本の反省すべき材料が、消滅するわけでもない。

 そんなことで話をそらして、日本国民の耳目を遠ざけたつもりになっているのだとしたら、これほど主権者と歴史を愚弄した態度はない。

 大事なのはメルケル首相が来日中に述べたように、「過去ときちんと向き合う」「過去の総括は和解の前提」と理解し実践することだ。恥ずかしいことでも何でもない。反省すべき過去があればきちんと反省し、総括して未来に生かせばいい。それでこそ日本は尊敬され誇れる国になる。それが本当の「愛国心」じゃないの?


3月15日(日曜日) 馬鹿で傲慢で恥知らず

 「民意を平然と踏みにじる安倍晋三政権の姿勢には驚くばかりだ」の書き出しで始まる15日付の北海道新聞の社説。「国民よりも国家を上位に置く安倍政権の政治姿勢が透けて見える」との指摘に深く頷く。

辺野古調査再開、なぜ民意に背を向ける(道新)

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/598223.html

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 公共放送を国営放送と勘違いし、放送内容も予算も平然と私物化しようとするNHKの籾井勝人・会長。その体質は国民を管理・統制・支配し、国民の税金や公的資金・政治資金を堂々と流用して開き直る、安倍首相や閣僚らと全く同じ。

籾井会長が私用車代をNHKに請求、監査委が調査(毎日)

http://mainichi.jp/select/news/20150315k0000m040121000c.html

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 ご冗談ばっかし。どの面下げて。厚顔無恥にもほどがある。

百田氏「もう一度参画したい」元NHK経営委員(共同)

http://www.47news.jp/CN/201503/CN2015031301001663.html

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 「トップが助言に耳を傾けず、冷静な判断ができなくなって経営につまずく」「自信過剰になり周囲が見えなくなる」。これってどこかの島国のネトウヨ首相(安倍晋三あんただよ)そのものじゃないか。

「傲慢」は人格障害か、英学会が対策研究、経営者も注目(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASH3C0HR8H3BUHBI02W.html

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 熱烈支援。福島原発の轍を踏まぬよう、台湾の未来のためにしっかり頑張ってほしい。「稼働中の原発の速やかな廃炉や建設凍結原発の廃止などを訴え、原発立地の地元住民や野党・民進党の蔡英文主席ら幹部も参加」。

台湾各地で反原発デモ(毎日)

http://mainichi.jp/select/news/20150315k0000m030065000c.html


3月16日(月曜日) 馬鹿で恥知らず・その2

 稼働すればするほど、果てしなく増え続ける核廃棄物の問題すら何も解決できていないのに、なんと無責任な。目先の利益しか考えられず学習能力のない死の商人。そもそもトータルで考えれば、原発は高コスト以外の何ものでもない非効率なエネルギー源なのに。

電源構成比率>関経連会長「おかしな話、原発再稼働を」(毎日)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150316-00000062-mai-bus_all

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 どこが問題とされる発言なのかさっぱり分からない。福島第一原発にたまる一方の高濃度の汚染水処理は全く解決のめどが立たず、しかも大量に漏れ出ている。東電は垂れ流しを長期にわたって隠蔽する始末。もちろん炉心は制御不能。何もかもが「アンダーコントロール」なんかされていない。この状況で不安に思わない方がどうかしている。大塚愛を批判する方こそおかしい。

大塚愛が原発放射能めぐりトンデモツイート「未だに食品には不安が多く」に批判集中(J-CASTニュース)

http://www.j-cast.com/2015/03/16230443.html?p=all

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 菅義偉官房長官は「私が承知する限りにおいては全く問題がない」との認識を示したのだそうだ。さすがはカネまみれ安倍政権の番頭さんらしい予想を裏切らない応答。公私のけじめとはどういうことなのか、という社会常識さえも理解できないらしい。

NHKの籾井会長、ハイヤー私的利用の事実認める(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASH3J410BH3JUCVL00L.html

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 馬鹿なのか無知なのか天然なのか、それともそれら全部なのか。あまりの時代錯誤ぶりに、たぶん自民党の首相経験者ら長老の皆さんも唖然呆然だろう。「大東亜共栄圏」の基本政策だよ。侵略戦争を正当化するためにでっち上げた詭弁そのもののスローガンだよ。狂ってる。

三原じゅん子氏「八紘一宇は大切な価値観」予算委で発言(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASH3J6R68H3JUTFK00N.html


3月17日(火曜日) 静かで快適

 春休みの大学は人が少なくて静かでいい。取材資料を収集して裁判資料などをプリントアウトするために、夕方から勤務校の情報科学センターに出かけた。学生は数人しかいないのでとても快適。共用パソコンが立ち上がるまで10分ほどかかったが、起動した後はさくさくと仕事が捗る。200枚近くの分厚い書類の束を持ち帰った。重い。

◇◇

 大阪地検が公判中に拘置所の独居房を捜索し、弁護人宛ての手紙を押収したのは違法と判断。当然の判決だが、捜索令状を発付した裁判官の責任も厳しく問うべきだ。裁判所の判断はいつも、裁判官個人の「犯罪的行為」に対して甘過ぎる。

接見交通権:公判中の捜索は違法、110万円支払い国に命令、大阪地裁(毎日)

http://mainichi.jp/shimen/news/20150317ddm012040067000c.html


3月18日(水曜日) 残念すぎる

 見応えがあったテレビ朝日「相棒」の最終回スペシャル。ドラマのエンディングからそのまま番組を引き継ぐ形で、「報道ステーション」のオープニングトークを始めた古館伊知郎キャスターだったが、一番大事なところで、「見応え」を「見覚え」なんて噛んだら(いい間違えたら)アカンやろ(苦笑)。残念すぎる。

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 私用ゴルフで使ったハイヤー代金をNHKに支払わせていた籾井勝人会長は、不自然な説明に終始して往生際が悪すぎるし、そもそも言動が社会常識とあまりにもかけ離れすぎている。NHK監査委員会が経緯を詳しく調べているくらいだから、局内的にも異常でおかしいとの認識なのだろう。ぜひ「クローズアップ現代」で特集して、徹底的に取り上げてもらいたい。…ん?

 NHKでは数少ない良心的な報道番組の一つである「クローズアップ現代」は、保守派からことあるごとに非難や攻撃の対象にされてきただけに、右派系メディアの批判をそのまま鵜呑みにすることはできないけど、NHKの一部記者によるやらせ行為がもしも事実だとすれば残念すぎる。


3月19日(木曜日) NHK私物化の元凶は安倍首相だ

 NHKの籾井勝人会長の私用ハイヤー代金問題で、NHK監査委員会が報告書をまとめた。報告内容はともかく、「小平市内のゴルフ場に行くため車の手配を頼みたい」などと言って、私用目的の配車を秘書室に要請すること自体が、そもそも公私混同でおかしいだろう。

 「公用車を使わず、公私の区別をつけておりました」などと籾井会長は言い訳じみた説明をしているが、私用目的のハイヤー配車を秘書室に要請し、支払いを丸投げしたことのどこが公私の区別をつけていたというのか。「受信料で成り立つNHKにとって公私の区別が極めて重要。会長のハイヤー利用の在り方を検討する必要がある」「秘書室の対応はずさん」と監査委は指摘している。それくらい小学生でも分かる話だ。

 しかし籾井会長の最大の問題はそこではない。致命的なのは「政府が右と言うことを左とは言えない」と公言してはばからない籾井会長の姿勢そのものだ。籾井氏がふさわしいのは公共放送・報道機関の会長ではなく、政府の宣伝機関である国営放送の会長だ。

 そんな人物をNHK会長として意図的に任命し、「アンダーコントロール」し続けている安倍首相の責任は何よりも大きい。NHKを本当に私物化しているのは籾井会長ではなく、実は安倍首相であることを忘れてはいけない。公共放送としてのNHKを決定的に破壊しているのは安倍首相その人である。

会長ハイヤー問題でNHK監査委が報告書(NHK)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150319/k10010021501000.html


3月20日(金曜日) 「四月は君の嘘」の切ない余韻

 昨日深夜に最終回を迎えたアニメ「四月は君の嘘」(フジ)のなんとも切ない余韻がいまだに消えない。その1時間半ほど前に放送された「SHIROBAKO」(MX)の痛快で感動的な展開に涙していたら、そんな気分を吹き飛ばすほど、心を揺さぶられる思いにさせられたのが「四月は君の嘘」だった。

 特にBパート。映像と台詞が頭から離れない。ヒロイン(宮園かをり)の幼少時からの思いが、主人公(有馬公生)への手紙で語られるシーンには、それまでの2人の短くも濃密だった時間が重なって、思わずうるうるしてしまう。なんて切ないんだ。

 全22話の中には一部くどさを感じる描写もあったけど、総じて音楽と映像と演出が見事にリンクし、登場人物の心理状態など終始ていねいに描かれた作品だった。幼なじみや親友やピアニストのライバルら、脇役陣の立ち位置や描かれ方も秀逸だった。

 悲しい結末ではあるのだけれども、ヒロインの思いは報われたと考えれば、ハッピーエンドだったと言えるのかもしれない。できればその後の主人公の話を、単発でいいからぜひ作品化してほしいと切望する。とてもいい作品を見せてもらった。「四月は君の嘘」の制作スタッフのみなさんに深く感謝したい。

◇◇

 データの解析からほとんどの燃料が溶融していることは分かっていたが、その実態が改めて具体的に確認された福島第一原発。どうにも手の施しようがない深刻な状態が明らかに。まさしく制御不能の危機的状況なのだが、東電と安倍政権はいったいどう収拾するつもりなんだ。再稼働どころではないはずなんだけど。

炉内燃料、ほぼ全量溶融、福島第1原発1号機(共同)

http://www.47news.jp/CN/201503/CN2015031901001803.html

 1号機に続いて、2号機でも炉心溶融が裏付けられた。炉心の核燃料はほぼすべて溶け落ちたということ。人間はだれも近づけず、手の出しようがない状態が続く。

福島原発「ミュー粒子」利用、2号機も炉心溶融を確認(毎日)

http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20150320k0000e040252000c.html


3月21日(土曜日) 違和感だらけのセンバツ開会式

 センバツ(選抜高校野球大会)が開幕。開会式のテレビ中継を見たが、選手たちの入場風景はまるで軍隊か刑務所の行進のように目に映った。「いっち、にっ、いっちにっ」「いっち、にっ、いっちにっ」と選手が繰り返すかけ声も、まさに刑務所内を受刑者たちが移動する時の行進にそっくりだ。なんだかなあ。

 しかも開会式で国歌を独唱したのは、全日本学生音楽コンクール声楽部門・高校の部で全国1位の高校3年生の女子生徒だった。高校生にそんなことまでさせるのかと驚く。自ら進んで歌うのならそれはそれでいいと思うし、たぶんこの高校生は大変な名誉だと考えて、自分の意思で開会式に臨んだのだろう。

 さすが声楽部門1位だけあって声量はあるし歌もうまかったが、しかしもしも内心では国歌独唱はどうしても嫌だと思って、断りたいと考える生徒がいたら、関係者や周囲はどうするのだろう(どうなるのだろう)。懸命に説得するのだろうか、それでも応じなかったら非難して白い目で見るのだろうか。そもそも断れるような雰囲気なのだろうか。

 生徒をそんな状況に追い込む可能性があるプログラム自体に、教育的配慮があるようには到底思えない。政治とカネで渦中にある下村博文文部科学大臣(代理ではなく本人)まで登壇して、大層な祝辞を述べていたし、いろんな意味でとても違和感のあるセンバツ開会式だった。


3月22日(日曜日) 原稿執筆

 原稿執筆。


3月23日(月曜日) 馬鹿が戦車で

 徹夜で原稿を書き上げてシャワーを浴び、夕方から都内へ。八重洲の居酒屋で先輩記者たちと飲み会。帰りは豪勢に京急ウイング号で。200円増になるだけなんだけど確実に座って帰れる。ものすごくささやかにリッチな気分(笑)。

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 「馬鹿が戦車でやってくる」をそのまんま実践する男だよなあ。本音を上手に覆い隠す才覚も知恵もないんだな。「袈裟の下から鎧が覗いた」というより、もうずっと見せまくりだが、しかし少なくとも「お前の軍隊」じゃないことだけは確かだよ、安倍首相。

安倍首相、自衛隊を「我が軍」参院予算委で述べる(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASH3R6D4TH3RUTFK00M.html


3月24日(火曜日) 真っ当な司法に割れんばかりの拍手

 きょうの東京高裁。埼京線痴漢冤罪事件の被告人の男性に対し、河合健司裁判長が「それでは判決を言い渡します。主文。原判決を破棄する」と述べた瞬間、満席の傍聴席から拍手がわいた。「よしやった」「ありがとうございます」の声も次々と。続けて裁判長が「被告人は無罪」と告げると、再びどっと拍手が。

 さすがに裁判長は「拍手はやめて下さい」と注意するが、あまり強い調子ではない。「主文は以上の通りです。被告人は座って下さい」。30分間にわたって判決理由を述べて、裁判長が「犯罪の証明がないので無罪の言い渡しをする」と締めくくると、再び割れんばかりの拍手と、裁判官に向けて「ありがとうございました」の声がわき起こった。被告人の男性は深々と頭を下げた。

 裁判長はもう何も言わず黙って座っていたが、きっと内心は満足していたに違いない。証拠をきちんと吟味すれば、捜査の手法と検察の主張に無理があり、自称被害者の供述には整合性がなく、有罪を言い渡した一審判決が異常であるのは明らかなのだから。感動的な法廷シーンだった。

 まともな裁判官で本当によかった。ちなみに、河合健司裁判長は「三鷹バス痴漢冤罪事件」の控訴審でも逆転無罪判決を言い渡した人だ。やはり裁判官には当たり外れがある。しかしそれではいけない。すべての裁判当事者が、等しくまともな裁判官に公正な審理と判断を受けなければ困る。改めてそう思う。これは権利なのだ。国にはそうした裁判を保障する義務と責任があるはずだ。


3月25日(水曜日) 安倍内閣は総辞職するしかない

 これを開き直りと言う。完全な確信犯。日本国憲法と戦後70年間積み上げてきた憲法論議を、根底から否定するとんでもない発言だ。内閣総辞職しないと、もはやどうにもならないだろう。

菅氏「自衛隊も軍隊の一つ」首相の我が軍発言巡り(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASH3T3TZKH3TULFA00T.html

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 「籾井会長はハイヤー問題について24日の参院予算委員会で『まったく身に覚えのない公私混同のぬれぎぬを着せられた』と述べた」(朝日)。どこまでふざけた男なんだ。私用目的のハイヤーの配車を秘書室に頼んだこと自体が公私混同なんだよ。それも分からないのか。NHK予算案は承認せずが妥当。


3月26日(木曜日) 沖縄は本気で独立を考えた方がいい

 「中国の脅威から日本を守る」などと称し、沖縄の大多数の民意を無視して、しかもこの上ない犠牲を強いて非礼の限りを尽くしながら、辺野古の海を埋め立てようとする安倍政権。尖閣諸島と米国のために沖縄を切り捨て、多数の沖縄県民を敵に回してもいいと本気で考えているのだろうか。失うものが大き過ぎることになぜ気付かない。算数もできないのか安倍政権は。

 安倍信者の自称愛国者たちは「政府の決定に従わない反日サヨクの沖縄」「中国の手先かスパイ」などと沖縄の人々を非難し罵倒するが、沖縄が日本という国を構成する大切な一員だと本気で考えていたら、そんな乱暴な言葉は出てこないはずだ。沖縄県民や琉球列島よりも尖閣諸島が大事なのか。

 安倍政権や自称愛国者らの沖縄に対する失礼極まりない扱いと、常軌を逸した搾取や収奪がこれ以上続くようなら、沖縄は本気で独立を考えた方がいい。

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 テレビ朝日「報道ステーション」レギュラー・コメンテーターの恵村順一郎さんは、今夜26日の放送が最後の登板だった。リベラルで筋が通っていて、理路整然とした語り口の解説はバランス感覚もあった。古館伊知郎キャスターとの相性も申し分なく、安定感と安心感もあっただけにもっと続けてほしかった。もったいない。

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 編集者の実に的確なヒント(助言)で、原稿の結びの章を全面的に書き直したら、最初に出稿した時からずっと引っかかっていた違和感が完全に払拭。自画自賛できる納得いく原稿になった。心より感謝。原稿のポイントを押さえて過不足なく意見を述べ、筆者を誘導し鼓舞してくれる。編集者の鑑だなあ。


3月27日(金曜日) 報ステ「暴露」巧妙な演出なら見事

 今夜の「報道ステーション」では、金曜コメンテーターで元経済産業省官僚の古賀茂明氏が、官邸からの圧力で番組を降板することになったいきさつなどを放送中に語り始めて、それに異議を唱える古館伊知郎キャスターと応酬を繰り広げる場面が続いた。古賀氏の降板は分かっていたことなので、番組の中で何かあるだろうことはあらかじめ予測できた。ニュースサイトや自身のツイッターでも情報が発信されていたから、テレビ朝日サイドや番組スタッフもその辺はある程度は分かっていたはずだ。

 舞台裏である楽屋話や、根拠を示さないと真偽のほどがよく分からないような話など、言わなくてもいいことまで脈絡なく語った部分にはみっともなさを感じたが、しかし、古賀氏の言わんとすることは理解できる。なによりも生放送ならではの「バトルショー」として、視聴者の一人としてはとても面白かった。いずれにせよ最後の登板ということで、覚悟の上でのコメントだったのだろう。表現の仕方としては、なんだかなあと思うけれど。

 生放送中にコメンテーターとキャスターとがやり合うというハプニングが、話題になって波紋も呼ぶだろうということも含めて、古館キャスターが全部分かった上で、一連の「言葉の応酬」を意図的にやったのだとすれば大したものだと思う。2人の間で打ち合わせなどはなかったにしても、もしかしたら阿吽の呼吸で古賀氏に言いたいことを言わせて、あえて反論したのではないか、というように思えなくもないのだ。

 古賀氏がフリップを出そうとするのを遮った場面が一度だけあったが、しかしそれ以外は、なんだかんだ言って古賀氏に最後まで話をさせているからだ。「アイ・アム・ノット・アベ」のフリップを出して説明するのも拒まなかったし、ガンジーの言葉を引用しながら「圧力や自粛に負けないで」と檄を飛ばす古賀氏に、最後まで言いたいように言わせてから、コマーシャルに入るといった番組進行をしている。

 出演者やスタッフの人事異動(更迭)問題への言及に対して、古館キャスターが声を大にして激しく反論する形を見せるのは、古館氏の立場的には至極もっともなことであり、実はとてもよく計算されていたのではないかとも受け取れる。官邸サイドから圧力があったことについて、古館氏は全く否定も反論もしていないし。

 もちろんこれらは憶測の域を出ていないけれども、番組の流れを見ていると、あながちあり得ない話ではないように思える。いずれにしても「報道ステーション」をめぐって、安倍自民党を中心にいろんな圧力や抗議やバッシングがあって、その中で番組が作られている異様な状況については少なくとも全国ネットで周知された。視聴者の注意を引きつけて、なんだかよく分からないけど面白いバトルがあったと知らしめたという意味でも、巧妙な演出だったと言えるのかもしれない。とは言え、こういう形でしか内情を伝えることができないのだとすれば、この国のテレビ業界と言論界と民主主義はかなり危うい事態に直面している。


3月28日(土曜日) 異例の迅速作業

 1カ月も先の集会で依頼されているミニレクチャー(講演)のレジュメを作成する。通常ならタイムリーな話題を入れることも考えて、直前になって慌てて作るのだが、諸般の事情から僕としては異例の迅速な作業。これほどの前倒しは実に珍しい。


3月29日(日曜日) 安倍批判の朝日記事2本

 「安倍政権の激走」の見出しは「暴走」の方がふさわしいと思うけど、安倍政権を皮肉たっぷりに批判した朝日社説。<「わたし」を中心にものごとを都合よく把握し、他者の存在をまったく考慮に入れない。狭隘かつ粗雑な世界観><ブレーキのない車のクラクションが鳴り響く社会。メディアが耳をふさいでやり過ごしてはならない>(朝日社説)

http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=com_gnavi

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 「我が軍」「言論の自由」「日教組!」といった安倍晋三首相の言葉から、透けて見えてくるものとは。品格も品位もない安倍政権の正体とメディアの鈍さを、明確に解説した長谷部恭男・早稲田大教授と杉田敦・法政大教授の対談記事。分かりやすい。(朝日3面)

http://digital.asahi.com/articles/DA3S11676488.html?ref=pcviewer


3月30日(月曜日) 民意も法律の趣旨も無視

 沖縄県知事が沖縄防衛局に対し、米軍普天間飛行場の辺野古移設作業を停止するように求めた指示について、林芳正農林水産相が知事の指示効力をいったん無効とする執行停止を決定したが、防衛局長が行政不服審査法に基づいて知事の指示の取り消しを申し立てて、それを農水相が審査すること自体が茶番で、公正な審査などあり得るはずがない。

 そもそも行政不服審査法は国民の権利と利益を守るためのもので、国が国に不服を申し立て審査請求するなど論理の飛躍もはなはだしく詭弁でしかない。沖縄の民意も、法律の趣旨も無視して、基地拡大と環境破壊を強行する安倍政権の傲慢・愚劣。民主主義を愚弄し壊滅させる恐怖政治そのものではないか。


3月31日(火曜日) 圧力などあるはずもない「番犬」

 27日の報道ステーションで、コメンテーターの古賀茂明氏が「官邸からバッシングされた」などと述べたことに対し、菅義偉官房長官が「事実に反する。まずテレビ局がどう対応されるかを見守りたい」と記者会見で批判した。この菅官房長官の発言自体がまさに報道への介入・干渉・圧力で大問題だが、これを取り上げた31日のよみうりテレビの芸能ワイドショー「ミヤネ屋」がまた輪をかけて酷かった。

 報ステでの古賀氏の表現の方法には必ずしも賛成できない部分もあるが、しかし発言内容そのものは、安倍政権のメディアに対する異様とも言える干渉・圧力への真っ当な批判だ。安倍政権の執拗で異常なメディア介入は、歴代の自民党政権でもなかった異常事態と言っていい。古賀発言の核心はそこにある。ところが「ミヤネ屋」にはそのような視点はまるでなく、「公共の電波を使って人事や更迭といった個人的な話をするな」といった調子で、一貫して問題を矮小化させる方向で取り上げた。

 しかも言うに事を欠いて、「うちらの番組には官邸から批判など来たこともない」「そんなことはあり得ない」などと、司会者だけでなく、コメンテーターとして番組に出演していたよみうりテレビの解説委員までが語るのだ。そりゃそうだろう。安倍政権や政府に都合の悪いことは伝えず、批判なんかしないのだから、圧力も批判も受けるわけがない。さすが政府の番犬。

 それにしてもよく恥ずかし気もなく、そういうことが平気で言えるなあと思わず笑ってしまった。「政権批判や権力監視なんてやってません」と公言するようなものではないか。およそジャーナリズムからはほど遠いところで番組を作っている人たちなんだと、彼らの立ち位置というものが改めてよく分かった。

 しかしきょうの「ミヤネ屋」の放送は思っていた以上に酷かった。酷すぎるにもほどがある。芸能ワイドショーなら芸能ワイドショーらしく下世話なネタに徹していればいいものを、もっともらしく「報道」を掲げて「報道ごっこ」を展開していることが噴飯もので、まったくもって許し難い。報道やジャーナリズムの世界に対する冒涜だ。

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 沖縄の辺野古をめぐるニュースについて、沖縄バッシングを執拗に続けているネトウヨ(自称愛国者)の大量の書き込みを見ていると、暗澹たる気持ちになる。事実を知らず、歴史を学ばず、現地でずっと我慢を強いられている人たちの痛みを思いやる想像力が決定的に欠如している。中でも想像力の欠如は度し難いものがある。なんとも哀れなネトウヨに合掌。


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