●「被害」展示だけで平和?●現行憲法はこの国の宝だ●失ってから気付いても遅い●事実をねじ曲げてはいけない●加害の自覚がない東電●鹿児島地裁の決定に即時抗告●批判や怒りの矛先が違う●親日派の学者たちのありがたい助言●ロシアとそっくりな日本の現状●繰り返し教える・伝える●独裁者トリオ●派遣労働固定化・拡大法案●加害者が言う台詞ではない●嘘と詭弁だらけの安倍会見●「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」●安倍首相の詭弁を道新が指摘●詭弁と恫喝の橋下徹が退場へ●「憲法改正国民投票」の予行演習●どれもこれも嘘ばかり●ネトウヨ総理の平常運転●ポツダム宣言も読んでない安倍首相●「クイズダービー」復活希望●NPT愚かさと思惑が浮き彫りに●「無知なアベコべ独裁者」を徹底批判●超満員の次はガラガラ●身勝手な独裁者●エアコン効かず非難轟々●安倍晋三またヤジを飛ばす●吉峯啓晴弁護士が急逝●ようやく出稿●嘘とヤジの安倍首相に懲罰動議を●吉峯啓晴弁護士の通夜に参列●●●ほか
大阪の平和博物館(ピースおおさか)が大幅改装して再オープンした。戦時中の加害行為に関する写真やパネルを撤去し、大阪大空襲の展示を大幅に増やしたというのだが、被害があったことだけ強調しても戦争の本質は伝わらない。反省すべきことや都合の悪いことも含めて、すべてつまびらかに示してこそ、本当の意味での「平和教育」や「平和の訴え」につながるはずなのに。
つまり、大阪の平和博物館(ピースおおさか)に出資する大阪府と大阪市は、戦時中の加害行為も含めた戦争の本質について、子どもたちに学ばせたくないということなのだろう。
→「戦時中の加害」展示撤去、空襲を拡充、ピースおおさか(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/ASH4W63QFH4WPTIL035.html?iref=comtop_6_01
◇◇ 1日は映画の日だったから「ビリギャル」(有村架純)を観に行きたかったけど、まだ風邪が治りきっていないので断念した。自分自身の体調そのものも理由ではあるが、上映中に咳き込んだりしたら顰蹙ものだもんなあ。残念。別の割引デーに観に行こう。
作家・島田雅彦氏の長文の寄稿「憲法という経典」(2日付・朝日オピニオン面)が論旨明快で秀逸だった。見出しだけを拾ってみても説得力と気迫が十分に伝わってくる。「暴力の連鎖断つ誓い」「戦後日本の信用の源」「改憲すれば全て失う」「理想でも遺物でもない現実的指針」。
そして島田氏の寄稿は、次のように文章を締めくくる。「好戦的な政治家たちは戦争責任など取る気はさらさらなく、自分たちを支持した国民が悪いと開き直るだろう。彼らが自殺行為に走るのを止めなければ、私たちだって自殺幇助の罪をかぶることになるのだ」「現行憲法は単にユートピア的理想を謳ったものでも、時代の要請に応えられなくなった過去の遺物でもなく、日本が歩むべき未来に即した極めて現実的な指針たり得ている」。全く同感。
→http://digital.asahi.com/articles/DA3S11734728.html?ref=pcviewer
◇◇ 勇ましく国家主義と戦争を煽る自称愛国者に、主権者たるわれわれ国民がいいように騙され踊らされたら、また70年前と同じことを繰り返すことになってしまう。そうすれば多数の死傷者はそれこそ「無駄死に」で終わってしまうだろう。無知と無責任と無関心は最大の罪だ。現行憲法はこの国の宝だ。愚かな政治家や自称愛国者の暴走を制御するためにも、しっかり守らなければならない。改めてそう思う。
沖縄を足蹴にし虐げて罵倒してひざまずかせ、福島を見捨てて日本全国の原発の再稼働を画策し、中国・韓国との対立を必要以上に煽って、立憲主義や法治主義を無視して平然と国民の営みを踏みにじる。そうして現行憲法を占領軍(米国)の押しつけだと非難しながら、米国にあからさまに追随して従属する。そんな安倍政権と政権を支持する人々は、この国をいったいどこに持っていこうとしているのだろうか。
◇◇ きょう2日に放送されたNHKの朝ドラ「まれ」は、これまでで一番印象深くて面白い話だったかもしれない。圭太の「(まれに)喝を入れられた」の一言に重みと強い思いを感じる。
◇◇ 今夜放送されたアニメ「プラスティック・メモリーズ」(MXテレビほか)の第5話。なんだかいろいろと話の展開が酷いアニメだなあ。キャラデザと作画だけのアニメっぽい。アンドロイドが暴走して理性が働かないのなら、もはや迅速に処理するしかないじゃないか。主人公たちが処分を躊躇する理由がさっぱり分からない。
原作と脚本が矛盾だらけで、設定や世界観が完全に破綻しているし、著しく説得力に欠ける。素材は良さげだったので期待していただけに、あまりにもったいなさ過ぎる。今期がっかりアニメのナンバーワン作品になってしまった。
憲法9条が「戦争を知らない私たち」を守ってくれている。そのお陰で戦争を知らずに生活していられる。戦地に赴かず人殺しもせず殺されることもなく平和でいられる。世界中でこれほど恵まれているのは日本くらいのものだろう。こんなに幸せなことはないはずなのに、愚かな政治家はこの憲法を必死になって消し去ろうとしている。なんともったいないことか。愚か過ぎる。
米国から無理難題を言われて戦争参加を求められても、「私たちには憲法の制約があるから無理です」と、この国には断るための言い訳(大義名分)がある。それを自分たちの手でみすみす捨ててしまうなんて、あり得ない話ではないか。
日本国憲法は風前の灯かもしれないし、もはやこの国では憲法の理念も立憲主義も有名無実なのかもしれないけど、しかしそれでもまだ現行憲法があるからこそ、愚かな政治家の暴走をかろうじて制御してくれている。このありがたみを、失ってから気付いてもそれではもう遅い。
原稿に書いてもいないことを、一方的な先入観と思い込みで勝手に想像し、事実と異なる虚偽・捏造の見出しをでっち上げる編集部に、心の底から呆れるとともに激しい怒りを覚える。
しかも、「事実と異なる見出しだから変更してほしい」との再三の指摘に対し、「読者を引きつけるため大袈裟なタイトルが必要」だとして拒むのは、開き直りとしか思えない。
虚偽の見出しを平然とでっち上げるなんて、そもそも報道に携わるものとして論外であるし自殺行為だ。絶対にやってはいけないし最も恥ずべきことだろう。それでは、捏造した証拠や証言や調書をでっち上げる検察と同じではないか。勝手な思い込みによって描いたストーリーをつくり上げて、事実と異なる調書を作文し、起訴するといった検察の手法とどこが違うのか。冤罪をつくり上げる捜査機関や司法を、どの口で批判するというのか。
事実をねじ曲げず正確に伝えるのは、報道に携わる者の最低限の職業倫理だ。そんな基本的なことさえ理解していないのでは、原稿執筆に責任が持てないし、とても一緒に仕事などできない。さすがに愛想が尽きた。
「震災前に実施した津波に関するシミュレーション文書」の提出を、東京電力が拒む理由が分からないし、そもそも東電は拒めるような立場にないと思うが。相変わらず不誠実で無責任で、加害者としての自覚がまるでない東電。
→福島第1原発:津波試算文書、東電が提出拒否、神戸地裁(毎日)
http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20150505k0000e040124000c.html
住民側は即時抗告の申立書で、「福島第一原発事故とその被害を直視せず、行政追随の旧態依然とした判断」と鹿児島地裁の決定を批判。全くその通りだと心から思う。原発事故や被害の起こり得る可能性から目を背け、福島から学ぼうとしない司法とこの国に明日はない。
→川内原発再稼働差し止め却下に即時抗告、申立人の住民側(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/ASH565SDZH56TLTB002.html
今に始まったことではないけれど、テレビ各局はどうでもいい話を大々的に取り上げて、朝から晩まで繰り返し伝える。ニュースの価値判断がおかしいしピントがずれまくりだ。最近は首相官邸のドローン、英王室の王女誕生、そして動物園のサルの名前。視聴者の怒りの矛先もおかしい。取り上げて批判すべき問題はもっとほかにあるはずなのに。
◇◇ 「日本にいちゃもんばかりつけて喧嘩を売ってくる」と中国や韓国を批判するのなら、立憲主義も法治主義も三権分立も無視して、主権者たる日本国民を愚弄し、やりたい放題の狼藉を続けている安倍首相に対してこそ、怒りの矛先を向けるべきだろう。沖縄も福島も切り捨てて「美しい国」だとか「日本を取り戻す」だなんて、どう考えてもまともじゃない。その矛盾に気がつかないのか。
◇◇ 米国の戦争に付き合わされて、遠く離れた戦地に自衛隊員を送り出し、オスプレイ17機を3600億円で買わされる。多額の税金を使って長期米国休暇を過ごし、ご機嫌の様子の安倍首相だが、しかしその代償はあまりにも大きい。憲法を改正し9条を骨抜きにしたら、間違いなくそれどころでは済まないし、さらに要求がエスカレートするのは必然なんだけどな。
◇◇ 最高裁の裁判官執務室に滝井繁男判事を訪ねて、話をうかがったことを思い出す。日本評論社の司法改革誌「カウサ」(2003年4月の第6号)に、インタビュー記事を書かせてもらったのが懐かしい。改めてご冥福をお祈りします。
→「弱者守る遺志継ぐ」滝井繁男さんしのぶ会に850人(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/ASH541D33H53PTIL03V.html
◇◇ 【おことわり】5月4日付から5月7日付の「身辺雑記」を、まとめて更新しました。
米国の日本研究者や歴史学者ら187人が連名で「日本の歴史家を支持する声明」を公表。著名で影響力があって、しかもいずれも親日的な学者たちが、日本の現状を憂えて友情あふれる助言をしてくれている。なんてありがたいことだろう。真摯に傾聴すべき文書だ。
米国の日本研究者らの声明は、戦後日本の民主主義や文民統制、科学貢献を高く評価し、続けて、韓国や中国の一部の政治家や活動家によって、慰安婦問題が民族主義的な目的のために利用されていることを厳しく批判。その上で日本政府に対し、慰安婦問題の史実から目を背けることなく、過去の植民地支配と侵略問題に向き合うように促している。公平でバランスの取れた説得力のある指摘だと思う。
→「米歴史研究者らの声明」全文(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11741698.html?ref=pcviewer
◇◇ 宮崎駿氏「沖縄の人たちがそういう覚悟をするなら支援するしかないと思いました」とコメント。沖縄の現状を普通に考えて良心があったら、当然のことながらそういう結論になるよなあ。全面的に支持する。
→宮崎駿さん、辺野古移設を反対する基金の共同代表へ(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/ASH585SYRH58TIPE021.html
◇◇ TBSテレビの金曜ドラマ「アルジャーノンに花束を」は力作だな。原作だけでなく脚本も演出も、そして出演陣の演技も秀逸だ。いろんなことを考えさせてくれるし泣かせてくれる。
メディアに介入し圧力をかけ続けるロシアのプーチン政権。その結果、テレビと新聞の大半がプーチン政権の広報宣伝機関と成り果てて、政権にべったり寄り添う。それを支えるのがロシア国民に広がる国家主義だ。そんなロシアの暗澹たる光景から、ロシアとそっくりな日本の政治・メディア状況が透けて見えてくる。
政権に批判的な記事を書く記者が、今のところまだ暗殺されていないのが日本と違うだけで、あとはロシアと日本の政治・メディアの状況に、残念ながらあまり大差はないんじゃないかと思わざるを得ない。それくらい危機的状況は同じだということだ。
TBSの報道特集はいい取材をしたなあ。きょう9日に放送された「戦勝70年のロシア、言論の自由は」の切り口はとてもよかった。こういう変化球の搦め手から、言論・報道の自由の侵害とファシズム政権の異様さについて、しっかり問題提起する(直接的には触れていないが日本の状況も想起させる)のは、なかなか上手い伝え方だと感じた。
某アニメーターから聞いた同業者の言葉。「新人を教える先輩は『一度教えた事を二度三度と言わせるな』とか言いますが、二度三度ぐらいじゃ覚えられるわけないですよ、十回ぐらい言わなきゃ覚えられないですよね」。
なるほどなあ。確かにその通りだ。そう考えると大学の講義も気分が楽になる。「何回も言ってるのになんで分からないのかなあ」と苛立つことがたまにあるが、でも自分の学生時代や駆け出しのころを考えれば、すぐに全てが理解できないのは至極当然だ。何回でも繰り返し教える(伝える)のは大切なのだと再確認した。
【めも】安倍晋三首相、ロシアのプーチン大統領、橋下徹大阪市長は、いずれも似た者同士。自分に歯向かい楯突く者は容赦せず抹殺する。立憲主義や法治主義を無視する。平然と嘘をついて詭弁を弄する。メディアに圧力をかけ管理統制支配しようとする。そして仲間内にはめっぽう甘い。やはりどうしようもない独裁者トリオ。
なるほど。納得の指摘だな。「(安倍さんは)戦争をやってみたいんだと思います。自衛隊から犠牲者が出るのを待ち望んでいるとしか思えない。彼の自尊心が満たされるんでしょう」
「戦後を通じてこれほど知識層から嫌悪された首相はいないのでは。戦後レジームからの脱却と言いながら、対米従属をエスカレートさせるのは支離滅裂だし、「私が最高権力者」発言でもわかるように近代政治の常識を超えるようなことを平気で言う」
「ドイツの哲学者ヘーゲルは「重要なことは2度経験しないと本当には理解できない」と言っています。不謹慎に聞こえるかもしれませんが、再度悲劇が起きなければダメなのかもしれません」
→気鋭の学者・白井聡氏「首相は自衛隊の犠牲望んでいるのか」(ゲンダイ)
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/159617/7
◇◇ 経営者にとって都合のいい「使い捨て労働者」を大量に作り、これまで築き上げた労働者の人権と権利をことごとく奪うだけ。経済界は目先の利益しか見ていないが、長期的にこの国は疲弊し国力は確実に低下するだろう。
→派遣法改正案:規制緩和、急ぐ政府、3度目の審議入り(毎日)
http://mainichi.jp/select/news/20150513k0000m010083000c.html
◇◇ 労働者派遣法改正案を審議する衆院本会議で、安倍首相が「派遣先企業の責任を強化し、正社員になったり別の会社などで働き続けるようにするなど、派遣就労の固定化を防ぐ措置を強化する。一生派遣の労働者が増えるとの指摘は全く当たらない」と答弁。
まさにこれぞ詭弁そのもの。よくぞヌケヌケと。派遣労働の固定化を促進し、拡大するための派遣法改正案だろう。企業があえて派遣として使っている労働者を、わざわざ正社員にするはずないじゃないか。
安倍首相談話に向けて設置された有識者懇談会で、「歴史に関する和解の達成には、加害者・被害者双方の忍耐と妥協が必要だという指摘に賛同する意見が相次いだ」(NHKニュース)という。ある意味もっともな姿勢かもしれないが、しかしそれは加害者側が言うべき台詞ではないし、言ったらダメだろう。「それを言っちゃあ、お仕舞いよ」の最たるものだ。安倍首相とそのオトモダチは、どうしようもなく傲慢不遜過ぎる。安倍政権の末期症状にも、いよいよ拍車がかかったようだ。
安倍首相はよくここまで平然と嘘と詭弁を繰り返せるものだ。普通に羞恥心があれば恥ずかしくて無理だと思うが、それができるのは、良識も常識も持ち合わせていないからに違いない。きょうもまたいつも通り、嘘と詭弁で塗り固められた安倍首相の記者会見(独演会)だった。
まさしく嘘と詭弁だらけの安倍首相会見。「アメリカの戦争に巻き込まれるのではないかと漠然とした不安を持つ方もいるかもしれないが、そのようなことは絶対にあり得ない」。何を根拠に「絶対にあり得ない」などと言い切れるのか。
「戦争法案などといった無責任なレッテル貼りは全くの誤り」。国会の審議中に首相席から「日教組!日教組!」とヤジを叫んで、レッテル貼りするのは安倍首相の十八番ではないか。そもそも安全保障法制の関連法案は「戦争法案」そのものだろう。それのどこがレッテル貼りなんだ。
「自衛隊が、かつての湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことは、今後とも決してない」。日本から遠く離れた戦地に出かけていけば、それはすなわち戦闘への参加・加担・支援行為そのものなんだけど。国内でどのように言い繕うと、世界や他国は間違いなくそのように認識するんだよ。
「今までも自衛隊は危険な任務を担っており、発足以来1800人の隊員がさまざまな任務で殉職している」。詭弁もたいがいにしろよ。これまでの殉職は訓練中や災害救助の際のものであって、戦場や戦争で命を落とした自衛隊員はただの一人もいない。それが日本の自衛隊の誇りで栄誉だった。しかしこれからは違う。「戦争で」自衛隊員が殉職することになる。
日本の国土と国民を守るための殉職なら、自衛隊員たちも本望かもしれないが、政治家が無理やりでっち上げた「集団的自衛権」とやらのために遠方の戦場まで行かされ、他国の戦争で殺し殺されるなんて悔やんでも悔やみきれないだろう。そもそも「積極的平和主義」という言葉ほどデタラメで矛盾に満ちた言い方はない。どう考えてもおかしい。はっきり「積極的戦争主義」と言え。
◇◇ 安保法制の閣議決定に対する韓国の反応について、朝日と読売の伝え方が全く違う。朝日の見出しは「韓国『平和憲法の精神堅持を』安保法制の閣議決定に」。一方、読売の見出しは「韓国は一定の理解『平和と安定に寄与を期待』」。
読売の見出しにある「韓国は一定の理解」という文言は、韓国外交省報道官のコメントを引用した後に、「と述べ、一定の理解を示した」と結んだ読売記者自身の解釈の言葉だ。しかしそこを見出しに持ってくるのはさすがに反則ではないか。我田引水としか言いようがない強引さだが、いかにも読売らしい。やはり安倍政権公認の広報機関紙だ。
→韓国「平和憲法の精神堅持を」安保法制の閣議決定に(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/ASH5G61NXH5GUHBI02N.html
→韓国は一定の理解「平和と安定に寄与を期待」(読売)
http://www.yomiuri.co.jp/world/20150514-OYT1T50151.html
◇◇ 東京・神保町の出版社で雑誌の特集記事の取材打ち合わせ。こちらは僕1人なのに、編集者が3人も顔を揃えているのを見て、特集に対する編集部の力の込めようがよく分かった。それだけにプレッシャーも大きい(汗)。頑張ります。神保町の書店をいくつか見て回った後、久しぶりにキッチン南海で夕食。
◇◇ 【おことわり】5月10日付から5月14日付の「身辺雑記」を、まとめて更新しました。
5月15日(金曜日) 「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」(七月隆文著、宝島社文庫)読了。こういう切ない話って大好きなんだよなあ。タイトルの「ぼくは明日、昨日のきみと」とはいったいどういうことなんだろうと、一生懸命に考えたけれども、全く分からずそのまま読み進めた。どんなオチになるのかさっぱり予想できない。
途中で謎解きの場面が出てきてそれなりに理解はできたのだが、状況がややこしくてなかなか頭が整理できない。ようやく「時間の流れ」についていけるようになってきたら、読みながら涙があふれそうになって困った。
作者はこんな状況設定をよく考えついたなあ。なんとも切なくて泣かせてくれる。そんな物語だった。もしも自分が同じ状況に直面したら、頑張れる自信はないなあ。勘弁してほしいと思ってしまうかもしれない。いくつか矛盾や疑問を感じるところはあったが、そこはファンタジーとして受け流すことにする。
訓練中や災害救助の際の殉職と、戦死とでは全く意味が違う。自衛隊員の戦死者はこれまで1人もいない。それをあえて混同させて語る安倍首相の嘘と詭弁と論理のすり替え。
こんなデタラメを平然と堂々と述べる安倍首相に怒りを禁じ得ない。厚顔無恥なのか本気なのか馬鹿なのか。いったいどこまで主権者を愚弄しコケにすれば気が済むのか。騙されて支持する安倍信者もどうかしている。北海道新聞が安倍晋三の詭弁をきちんと指摘していることを心強く思う。
→首相「殉職自衛隊員1800人いる」「戦死者」への批判かわす狙い(北海道新聞)
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/politics/politics/1-0134402.html
大阪都構想の是非を問う住民投票は、反対票が賛成票を上回ることが確実になった、と午後10時半過ぎにNHKが速報した。ヒヤヒヤ・イライラしながら開票速報を見ていたが、ホッとした。橋下徹の政界退場が決まってとりあえずよかった。
そもそも「二重行政」などと言うなら、大阪だけでなく、大阪以外の政令指定都市でも、日本全国の地方自治体の都道府県と市町村の関係であっても、同じような指摘があり得るはずだ。地方と国の関係だって同じだ。沖縄の民意を無視したこの国(安倍政権)の仕打ちこそ、大いに問題にすべきだろう。
きちんと話し合って議論して調整すれば解決できることを、解決しようとしないことが何よりも問題なのに、一方的に「制度の問題」に話をすり替え、下手なパフォーマンスで大騒ぎして住民を混乱させ続ける。それが橋下徹という男の手法だ。自分の意見が通るまで、貴重な税金を使って選挙を何回も繰り返すなんて、民主主義をはき違えた行為としか言いようがない。
嘘と詭弁を並べ立てて、メディアを恫喝し管理統制しようとするのは、安倍首相とそっくり同じではないか。
◇ あれだけはっきりと公言したのだから、前言を翻したりせずに、政治の舞台からきっぱりすっきり姿を消してほしい。任期満了までなどとケチなことを言わず、即刻退場をお願いしたい。
→大阪都構想、反対多数確実、橋下市長引退へ(読売)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150517-OYT1T50141.html
◇ 橋下維新を応援していた安倍政権への打撃にも、確実になるはずだ。自民党大阪府連や自民党本部と、安倍政権との亀裂も広がるかもしれない。憲法改正の戦略にも影響は少なくないだろう。
→大阪都構想の住民投票、反対多数確実、大阪市は存続(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/ASH5K0377H5JPTIL01W.html
◇ 【メモ】報道各社の出口調査の結果では、「賛成と反対がほぼ同じ」(実際には賛成がやや多い)とされていたが、期日前投票分がいずれも加算されていなかったので、最終的には反対が上回ったのだろう。賛否が拮抗している場合の出口調査は、必ずしも予想通りの結果になるとは限らない。
何回でも書くが、きちんと話し合って議論して調整すれば解決できることを、解決しようとしないのが何よりも最大の問題だ。それなのに、一方的に二重行政などといった「制度の問題」に話をすり替え、下手なパフォーマンスで大騒ぎして住民を混乱させる。そんな橋下徹市長の嘘と詭弁にだまされ、賛成票を投じた人が半数近くに迫ったことが、大阪都構想の住民投票で一番の驚きだった。
嘘と詭弁を並べ立てて、メディアを恫喝し管理統制しようとする橋下市長の手法は、安倍晋三首相とまったく同じ。彼らの恫喝に屈して迎合するメディアの多さと報道陣の惨状を見ていると、暗澹たる気持ちになる。権力者の宣伝機関のような役割を果たしたメディア、特にテレビの影響は大きい。
大阪都構想の住民投票は、「憲法改正国民投票」の予行演習のように思えた。賛成派がじわじわと票を伸ばしていく様子を見ていると、話をすり替えて嘘と詭弁を繰り返す橋下市長や安倍首相のような権力者に、あっさりだまされる人たちがいかに多いか改めてよく分かった。そして何よりも、権力者の宣伝機関同然の役割を果たしたメディア(特にテレビ)の罪深さと、影響の大きを痛感する。
メディアと教育を管理統制し、有権者を支配しようとする安倍首相や橋下市長の手法は、権力者のやり口としてはある意味で間違っていない(もちろん断じて容認できないが)。こうした権力者の暴走を憲法が縛っているのだが、だからこそ彼らは憲法を改正しようと躍起なのだ。一連の政治状況をめぐる問題の本質はまさにここにある。橋下徹や安倍晋三のような詭弁政治家が、最終的に目指す本丸はやはり憲法改正なのだろう。
◇ ニュースで繰り返し流される橋下維新の関連映像に憤慨。橋下市長「自分なりにやれることはやってきた。大変幸せな7年半だった」。巨額の税金を使って好き勝手やりたい放題やって「幸せな7年半だった」とは、主権者を愚弄するにもほどがある。学者「大阪の民主主義の発展に貢献」だって。冗談じゃない。「民主主義の破壊を推進」の間違いだろう。
橋下市長が大量に雇い入れた民間人校長は不祥事や違法行為が続出。オトモダチの自称弁護士の教育長はパワハラ三昧の上に開き直り。憲法と法律で保障された労働組合に対しては、不当労働行為を繰り返した挙げ句に裁判でも敗訴の連続だ。どう考えても橋下政治は、民主主義や教育現場を破壊し続けた7年半だった。
そもそも嘘と詭弁と恫喝を平然と繰り返す政治家のどこが、潔くて男らしくて正々堂々として立派だと言うんだ。理解に苦しむ。まったく納得できない。橋下徹市長や安倍晋三首相の記者会見を評価する連中は、いったいどこを見ているんだろう。節穴すぎるにもほどがある。
◇◇ オスプレイに技術的な問題があって死亡事故が多いのは事実。沖縄や米空軍横田基地への配備に反対する声が強いのは当然だ。そんな危なっかしくて信頼性の疑わしいものを、通常よりも高額で大量に購入する(購入させられる)日本政府っていったい…。
→オスプレイ、ハワイで着陸失敗、1人死亡21人搬送(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/ASH5L3F9BH5LUHBI00T.html
「絶対に安全だから大丈夫」「完全に制御されている」「絶対にあり得ない」「決してない」「問題ない」。原発事故も、放射能汚染漏れも、米国の戦争に巻き込まれることも、自衛隊が戦闘に参加することも、武力行使も、そしてオスプレイも…? その嘘ホント? しかし実際はどれもこれも嘘ばかり。史上最低最悪の嘘つきが権力を握っているこの国の絶望感。だまされてはいけない。
◇◇ 土肥信雄・元都立三鷹高校長の裁判集会(4月27日、東京・日比谷文化館大ホール)で、主任弁護人の吉峯啓晴弁護士とともに、池添も登壇して話をさせていただいた。要点を押さえた主催者まとめ。質疑応答も。読み応えのある内容なのでぜひどうぞ。
→上告棄却抗議集会の報告(土肥元校長の裁判を支援する会)
http://www.dohi-shien.com/html/
学生の作文を徹夜で添削。2クラス50本ほどの作文に赤ペンを入れて、講評コメントを書き込む作業が、授業開始の1時間前にようやくすべて終わった。今回はもう間に合わないかと思ったけど、なぜかいつもギリギリでなんとかなるから不思議だ。大学に駆けつけ、優秀作文4本を選んで大急ぎで印刷する。滑り込みで授業に間に合った。
さすがに一睡もしていないのできつい。それでもしっかり講義は終えた。来週はさらに原稿の締め切りが重なるので、頭の中で今から警戒警報が鳴り響いている。段取りよくスケジュールをこなし、早め早めに作業を進めないと、マジでヤバい(汗)。
◇◇ 党首討論でも、安倍首相はいつものように話をはぐらかして質問にまともに答えようとせず、平然と嘘八百を繰り返すばかり。しかも自分自身は事実無根の捏造ヤジを執拗に飛ばすくせに、自分がヤジられると討論を何回も中断して、「議論の最中にいい加減にして下さいよ」「私が話をしているんだからちゃんと聞いて下さいよ」などとしつこく抗議する。本当に二枚舌で小心者の小学生みたいな首相だよなあ。「小学生並みのネトウヨ総理」というのも悲しくなる話だけど。
◇◇ なかなか鋭く切り込んだ辛口のいい記事じゃないか。やるなあ、時事。「抽象論で法案審議を乗り切ろうとする首相の姿勢が鮮明となり、国民の理解は容易に深まりそうにないことを早くも印象付けた」「首相は『法案についての説明は全く正しいと思いますよ。私は総理大臣なんですから』と言葉尻を捉えて反論する場面もあった」。それにしても酷い首相答弁だ。情けない。
→安倍首相答弁、抽象論に終始「国民理解」程遠く、安保法制(時事)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201505/2015052000967&g=pol
きのうの党首討論で安倍晋三首相は「ポツダム宣言を読んだことがない」と平然と答えたが、新聞やテレビはこのやり取りをあまり大きく伝えていない。全国紙では朝日や毎日が、総合面や特集記事の中で取り上げた程度。党首討論をテーマとして扱った各紙の社説で、安倍首相のポツダム発言に触れた社はどこもなかった。
安倍首相が「ポツダム宣言を読んだことがない」というのは、安保法制の議論の本筋からは確かに外れた話だが、しかし首相の戦後政治に対する姿勢や基本認識に大きく関わってくる。決して小さな問題ではない。学生や一般市民が「そんなの読んだこともないよ」と言うのとは意味が違う。
そもそも安倍首相は、憲法違反の「戦争法案」を成立させようとしている張本人だ。しかも安倍首相は「戦後レジームからの脱却」だとか「押し付け憲法改正」などと、ずっと主張し続けているのだから、何はともあれポツダム宣言くらい、戦後日本の基本的文書としてしっかり読んで理解しているべきなのは当然であるし、議論の大前提だろう。
「ポツダム宣言をつまびらかに読んでいないので、直ちに論評することは差し控えたい」と述べた安倍首相。この答弁について、首相に質問した共産党の志位和夫委員長は会見で、「戦後日本の民主化の原点になった歴史的文書を読んでいないとは、それだけで首相の資格はない。日本自身の戦争の善悪の判断ができない首相に、戦争法案を出す資格はそもそもない」と批判した。まったくその通りだと思う。
「押しつけ憲法の改正」を主張しながら立憲主義を理解せず、著名な憲法学者やその著作についてもろくに知らず、「戦後レジームからの脱却」を唱えながらポツダム宣言すら読んでいないという。どこまで底が浅くて、無知で無教養で無責任な内閣総理大臣なんだろう。原発の危険性についての無理解も同様。あまりにもとんでもない話で涙が出てくる。
巨泉の「クイズダービー」(TBS)は面白かったなあ。「中居正広の金曜日のスマたちへ」の特別企画。22年ぶりに復活した昨年12月の放送に続いて、今回は約30分に8問出題と本放送並みの完全版。老いたとはいえ大橋巨泉の名司会ぶりは健在で、出場者や解答者との掛け合いは変わらず絶妙のテンポだったし、往年のはらたいらを彷彿とする漫画家やくみつるの3枠もはまり役だった。
番組はそのまま続いて、巨泉の大親友の藤子不二雄Aがゲスト出演。「ギミア・ぶれいく」放送当時のままの「笑ゥせぇるすまん」(86話「シルバーバンク」)の再放送もよかった。大橋巨泉の健康状態を考えると難しいかもしれないが、元気になったらぜひまた今回のような完全版の「クイズダービー」をお願いしたい。それが無理なら、安住紳一郎アナの司会で復活放送してほしいなあ。
核拡散防止条約(NPT)再検討会議の決裂は、核保有国のイスラエルを擁護する米・英・カナダが、「中東非核地帯化を目指す国際会議を開催する」と明記した会議文書の項目に強硬に反対したのが最大の原因だ。人類滅亡に直結する核の恐怖よりも勝るものがあると、いまだに考えている核保有国の愚かさ。
しかしその愚かさと対立の背景と思惑が、会議を通じて改めて鮮明に浮き彫りになったのには大きな意味がある。「1カ月も議論したのに全会一致にならなければ、公式記録はただの1段落も残らない。結果はゼロだ」(毎日)との声があるが、NPT会議の収穫は決してゼロではない。
◇ 在日米軍基地もオスプレイの配備や購入も、すべて米国に言われるがまま。それでいて、「戦後レジームからの脱却」などと矛盾した寝言を口にして、押しつけ憲法論といったピント外れな主張を振り回す安倍政権。戦後一貫して支離滅裂なので、唯一の被爆国として日本政府(安倍自民党)が、米国の不誠実で無責任な態度を、毅然と批判できないのはさもありなんだと思う。
長谷部恭男・早稲田大教授と杉田敦・法政大教授の対談(24日付、朝日・総合面)が面白かった。「政治の手を縛るのは非民主的だ。民主主義とは、選挙で選ばれた代表による期限付きの独裁なのだ」という立場の安倍首相や、橋下徹大阪市長の政治手法や政治観を、徹底的に喝破していて痛快だ。
安全保障関連法案を「平和安全法制」と名付けた安倍政権。この詭弁に対して、「戦争は平和である」の有名なフレーズを示した長谷部氏に、「ジョージ・オーウェルの小説『1984』で、独裁者が国民に植え付け、復唱させたスローガンでした」と杉田氏が鋭く突っ込む。
そして、「米国の戦争に巻き込まれることは『絶対にありえない』。自衛隊の活動範囲を拡大しても、隊員のリスクは高まらない。自分への批判は『レッテル貼り』だが、自らが行う批判は『言論の自由』。国会に法案を提出してもいないのに、米議会で『成立させる』と約束し、同時に民主主義のすばらしさを熱く語る。どれもこれもアベコベです」(長谷部)とばっさり。
さらに、「『無知は力である』も独裁者のスローガンの一つ。安倍首相は党首討論で、ポツダム宣言を『読んでいない』とし、先の戦争の評価についての質問に答えなかった。『戦後レジーム』からの脱却というなら大前提の知識ですが」(杉田)、「読んでもいないものから脱却しようとは、マジシャンそこのけです」(長谷部)と、的確なパンチは止まらない。
詭弁を弄してやりたい放題の「憲法に縛られない期限付き独裁者」。彼らの知性も教養もない発想と手法を、こてんぱんに批判する対談。なかなか面白い。
→考論・安保法制、安倍政権の「話法」から考える(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11770977.html?ref=pcviewer
◇◇ 照ノ富士の優勝インタビュー。白鵬と日馬富士の取組を支度部屋で見守った時の心境について、「(白鵬に)何とか勝ってもらいたいなっていう気持ちで」と伝えるスポニチ。どう考えても「(日馬富士に)何とか勝ってもらいたい」の誤りだろう。明らかにスポニチ記者の読解力はおかしい。
ヤフーニュースの見出しも、スポニチの記事に引きずられて「照ノ富士、白鵬の勝利望んでた」となっているが、ミスリードではないか。「日馬富士の勝利を望んでいた」が正しいと思うよ。
→照ノ富士、優勝決定戦「やるつもりで待っていた」に場内から大歓声(スポニチ)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150524-00000138-spnannex-spo
→照ノ富士、白鵬の勝利望んでた(Yahoo!ニュース)
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6161111
◇ ちなみに日刊スポーツの記事では、「今日の一番は(日馬富士に)何とか勝ってもらいたいなという気持ちで、でも自分ではもう1番勝つつもりで、やるつもりで待っていました」となっている。これが照ノ富士の正直な気持ちだろう。前後の文脈からも、優勝インタビューを聞いていても、僕もそのように受け取ったけどなあ。
→照ノ富士、日馬の援護射撃「涙が出そう」一問一答(日刊スポーツ)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150524-00000099-nksports-fight
午後2時28分ごろ、埼玉県北部を震源とする大きな地震(茨城県南部で震度5弱)。その影響で京急も大幅な遅れ。夕方から都内へ取材に向かったが、通常の1・5倍ほどの時間がかかる。帰りもホームに人があふれていて、到着した快特電車は超満員。次の快特電車を待って乗車したら、なぜか下車駅までずっとガラガラのままだった。1車両に20人ほどしかいない。なぞだ。極端すぎる。臨時ダイヤだったからかな。
◇◇ 弁護士会の名称に都道府県名が入っていないのは、北海道を除いて横浜、仙台、金沢だけなのだからこそ、よその弁護士会と横並びになんかならず、あえて伝統を貫いて個性を主張し続ければいいのに。「横浜弁護士会」が「神奈川県弁護士会」に名称変更する議案を可決。「横浜弁護士会だと横浜市の弁護士会と誤解される」ことなんかないと思うけど。
自分は平気で他人にレッテル貼りをするのに、他者からの批判はレッテル貼りだと決めつけて声高に非難する。自分は事実無根のヤジを堂々と飛ばすのに、自分に対するヤジや批判は、それがどれほど正当な内容であっても絶対に許さない。なんとも身勝手だがそれが、立憲主義を無視してやりたい放題の安倍晋三首相という独裁者の姿だ。
◇◇ 特定秘密保護法案の国会審議の時もそうだった。国民にとって重要だけど、しかし政権政党が国民に知らせたくない(理解させたくない)法案の国会中継を、NHKはなるべく放送しない。政権の意向を忖度するのだ。
→安保関連法案:審議の衆院本会議「原則外」NHK中継せず(毎日)
http://mainichi.jp/select/news/20150527k0000m040049000c.html
◇◇ 具体的な根拠は何も示さず、維新側の主張だけを鵜呑みにした一方的な酷い偏向記事だな。典型的なネトウヨが垂れ流す典型的なデマを、週プレという曲がりなりにも大手の一般誌で展開するとは。「反対の発信源は学校の教師たち」だとか「子どもたちに吹き込んでいた」って、今どきの教師にそんな力も気力もないよ。時代錯誤もはなはだしい現状認識だ。
そもそも、週プレの記事が列挙している「橋下氏が教育委員会や教師たちの抵抗を押し切って断行した主な改革」なるものは、どれもこれも見事に破綻した非難囂々の失策ではないか。どこまで無知で取材力がないボンクラの記者なんだろう。明らかに維新の議員らからしか取材していないのが、記事を一読しただけですぐに分かる。取材のイロハも分かっていないらしい。
→「大阪都構想」惜敗で勝負を左右したのは、教師たちの反対と共産党だった(週刊プレイボーイ)
http://wpb.shueisha.co.jp/2015/05/26/48387/
午後から授業。気温は30度近いというのに、教室のエアコンはまるで効いていない。集中管理なので教室からは操作できず、学生からは非難轟々(そりゃそうだ)。窓を全開にしてもまだ暑い。勘弁してほしいなあ。夕方から講師懇談会。学部新設の説明あり。しかしそれで果たして入学希望者が増えるのかなあ。疑問だ。
自分へのヤジには異常なまでに激しく反応して抗議するが、他者には平然とヤジを飛ばす。ヒラの1年生議員ではなく内閣総理大臣が。しかも質問にはまともに答えずはぐらかす。あるいはダラダラと関係ないことを答え続けて答弁を引き延ばす。おまけに嘘つき。そんな首相が、愛国心や道徳教育や祖国の防衛をもっともらしく語るこの国の異様。「安倍晋三よ、お前は首相の器ではない」。そうはっきり言っていいだろう。もしかしたら精神に異常を来たしているのではないか、とさえ思う。
→安倍首相やじ「早く質問しろ」抗議受け陳謝、衆院特別委(時事)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150528-00000082-jij-pol
◇◇ 衆院平和安全法制特別委員会で、ベトナム戦争やイラクの大量破壊兵器問題を例に、日本政府の米国従属姿勢を追及する志位和夫・共産党委員長。理詰めでじわじわ問いただして外堀を埋めていく。安倍首相も外相もしどろもどろでまともに答えられない。はぐらかすのが精いっぱいだった。迫力満点。質問が終わると、静まり返っていた委員会室に拍手がわき起こる。見ごたえある国会質問、論理的追及とは、こういうことを言うんだなと感心した。
「この戦争法案が通れば根本的に事態は変わってくる。米国の無法な戦争を無条件で支持協力し、自衛隊が武力行使をもって参戦することになる。日本が侵略国の仲間入りすることになる。政府が持ち出してきた法案は、憲法9条を幾重にも踏みにじる違憲立法である。戦後最悪の安倍政権による戦後最悪の戦争法案は廃案にすべきである」(志位和夫・共産党委員長、衆院特別委)。
→https://www.youtube.com/watch?v=L5KOpNZ3Zug&feature=youtu.be
◇◇ 【訃報】吉峯啓晴弁護士が昨夜遅くに急逝された。65歳。先月の土肥信雄・元都立三鷹高校長の裁判集会でご一緒した際はお元気だったので本当に驚いた。君が代ピアノ伴奏拒否裁判、清武英利・元読売巨人軍代表の内部告発裁判など、数多くの社会的事件を主任弁護人として担当し、人権派弁護士として知られていた。
15年以上もずっと取材で大変お世話になった。裁判資料などいち早く融通してもらったし、ほかの記者が入れない弁護団会議にも同席させていただいた。とてもかわいがってくれたばかりか、同志のようにも扱って下さった。最も信頼している弁護士のお一人だっただけに、ショックは大きい。
平和と人権と民主主義を一貫して大切にし、弁護活動以外でもさまざまな会合で積極的に発言されていた。それだけに、このきな臭い安倍政権下の時代で、「戦争支援法案」や憲法改正が現実味を帯び、教育やメディアに国家が露骨に介入するのを目の当たりにするさなか、突然天に召されてしまったのは、本当に不本意で心残りだったろうと思う。まだまだこれから多方面でご活躍される年齢なのに。若すぎる。残念でならない。心よりご冥福をお祈りします。
→5月31日付「身辺雑記」に関連記事(通夜に参列)。
ようやく原稿を書き上げて出稿した。盛り込まなくてはならない問題点やエピソードがたくさんあり過ぎて、依頼字数の倍近くに膨れ上がる。どう構成すればいいか、どこを削って割愛するべきか四苦八苦。予定の締め切りを大幅に超過してしまった。申し訳ありませんでした。「教育改革」に執着する安倍政権と教科書問題を分析したやや長めの原稿。
久しぶりに胸のすくような切れ味鋭い筆致の朝日社説だった。「こんな言い訳で済まされる話ではない。安倍首相のヤジによって侮辱されたのは国会そのものであり、国会議員を送り出した国民でもある。国会全体として首相に対し、改めて強い怒りを表明すべきだ」。まったくその通りだと思う。安倍首相のヤジは、陳謝や謝罪のたぐいで済むレベルの話では断じてない。
国民の代表が、法案の中身についてただしているのだ。首相や大臣には、説明責任を誠実に果たす義務がある。しかも憲法違反の疑いが濃厚な法案の審議。懲罰動議を出すべきである。
→首相のヤジ、立法府と国民への侮辱(朝日社説)
http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=com_gnavi
◇◇ 「何を聞かれても正面から答えずに話をそらす。明らかな嘘をさも本当のように言い張る」。安倍晋三の異常な言動は、小学生の時からだったという。生育環境に原因が…。
ものの善悪や倫理判断を指導しきちんとただす大人が周囲にいたか、といった生育環境は、祖父・岸信介との関係も含め、安倍首相のその後の思考や言動を大きく左右し影響も及ぼす。ましてや国民注視の国会審議の場で、嘘や詭弁を平然と弄する首相の分析なのだから、生育歴の検証はなおさら重要だ。(補足追加20150603)
→安保法案答弁でも嘘とヤジ、安倍晋三は小学生時代から嘘つきだったという新証言が…(LITERA/リテラ)
http://lite-ra.com/2015/05/post-1145.html
◇◇ 30日午後8時24分ごろ、東京都小笠原村で震度5強を観測した(M8・5)。3・11の時と同じくらいの揺れに感じた@横浜南部。震度4。うちは横浜市内でも割と地盤が強固な地域で、他地域と比べて普段もあまり揺れないのだが、きょうの地震はちょっと恐かった。横揺れが強かったし、しかも結構長く続いたから。3分くらい揺れたもんなあ。
震度5強でM8・5って相当大きいじゃん。震源地が小笠原諸島の西方沖で津波の心配がないのが不思議だけど、とりあえず津波がないのはよかった。震源が590キロと非常に深かったのが幸いしたようだ。地震が起きるといつも思うけど原発は大丈夫だろうな。火山の噴火に地震が頻発する日本列島に、原発は危険すぎる。原発は要らない。再稼働なんて論外。
28日に急逝された吉峯啓晴弁護士の通夜に参列した。千葉県市川市の斎場に定刻より少し遅れて到着すると、式場から人があふれかえっている。野田佳彦・元首相や民主党の衆院議員、労組関係者の姿も。1500人近い長蛇の列が続き、式場に着いて2時間以上経ってようやく献花できた。
「弱い者や困っている人のために奔走した弁護士だった」との弔辞のほか、ご遺族の「本当に突然のことでした」「弁護士として同じ事務所で働いているが、いつも夜遅くまで仕事をしていた父だった」「兄弟3人で母を支え、父のような大人になりたい」との挨拶が涙を誘う。改めて、心よりご冥福をお祈りします。お世話になりました。
→5月28日付「身辺雑記」に関連記事(訃報)。