身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2015年6月1日〜6月30日

●ゲラチェック●ひたすら添削●「伝える意味」を教える●「戦争法案」が合憲のわけがない●「週刊金曜日」に記事執筆●解せないNHKと朝日の報道●安倍独裁政権は反社会的存在だ●奴隷という「楽な生き方」●無様すぎるにもほどがある●都教委が校長陳述書を捏造●民主・共産の抵抗は当然だ●独裁コンビは馬が合う●自ら独裁政権であると公言●権力監視と立憲主義●まずは憲法を遵守しろ●投票結果がこの事態を招いている●都教委が校長陳述書を捏造●道徳や法の支配を口にする政治家が●やっと異常さに気付いたか●ヤジや罵声は当然の反応だ●本当の意味での「主権者教育」●狂った政治家たちの暴走●さっぱり訳が分からん●右翼の立場からの提言●捏造デマ暴言は徹底追及すべきだ●怒り出す人工知能●集中力●●●ほか


6月1日(月曜日) ゲラチェック

 ゲラをチェック。なんとか原稿がページの枠内に収まって、本当によかった。ホッとした。


6月2日(火曜日) ひたすら添削

 学生の作文をひたすら添削。とっても疲れる。それにしても消耗するな。(以下省略)


6月3日(水曜日) 「伝える意味」を教える

 天気が悪かったせいか、きょうの文章講座の授業は出席率がやや低かった。実は欠席する学生が多いと、結果的に作文添削の負担が軽減されるので助かる。教える側としてはもちろんちゃんと出席してほしいと願う半面、労働者としては正直ちょっとうれしかったりする。いやマジで本当に大変なんだよ、文章指導って。

 だけど、赤ペンで添削された自分の文章や同級生の優秀作をしっかり吟味し、真面目に文章トレーニングに向き合っている学生は、著しい成長が手に取るように分かる。着実に文章表現力がアップしている。ものの見方や考え方や視点も磨かれている。そういうのを目の当たりにすると、苦労して指導した甲斐があったなあと思う。教師冥利に尽きると感じる瞬間だ。

 文章テクニックみたいなものよりも、一番大事なのは「何を伝えるか、何を伝えたいか、何をどう見るか」だ。そこが分かったら、テクニックなんて後からどうにでもなる。しかしそうは言っても、飲みたくない水を無理やり飲ませることはできないからなあ。水飲み場まで導いて、ヒントやきっかけを与えて、モチベーションを高めるのはできるけど、そこから先は各自の意欲と努力次第なので。

 全員に水を飲ませるなんてそもそも無理だよな。そんな芸当ができると考えること自体が、傲慢不遜でもあるし。「伝えたい」「伝えること(文章を書くこと)が楽しい」と思う学生が、とりあえず1人でも2人でも増えてくれたら、それはそれで素晴らしい。むしろ上出来だろう。


6月4日(木曜日) 「戦争法案」が合憲のわけがない

 衆院憲法審査会で、参考人の憲法学者3人全員が、安全保障関連法案(戦争法案)は違憲であるとの認識を表明した。「人選ミス」といった次元の話ではない。まともな知性と教養と常識があれば、普通は違憲だと判断するだろう。

 与党推薦も含む参考人3人全員が、安保関連法案(戦争法案)は違憲と表明したことに対し、菅義偉官房長官は「全く違憲でないと言う著名な憲法学者もたくさんいる」と反論。そんな著明な憲法学者がどこにたくさんいるんだ。具体的に根拠を示してほしい。安倍も番頭の菅もすぐばれる嘘を平気でつく。

 そもそも、他国の紛争にまで武器を持って出かけていく集団的自衛権の行使が「専守防衛」で、憲法違反でないなんて、あり得ない珍説だ。そんな馬鹿げたことを強弁し、とんでもない詭弁を弄するのは、知性も教養も常識もない安倍晋三首相や菅義偉官房長官をはじめとする、安倍政権の嘘つき連中だけだろう。ましてや、まともな憲法学者が「専守防衛を逸脱した集団的自衛権の行使」を合憲だなんて、そんな恥ずかしいことを公言するわけがない。

与党参考人が安保法案「違憲」/「人選ミス」で異例の事態、憲法審査会(産経)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150604-00000538-san-pol


6月5日(金曜日) 「週刊金曜日」に記事執筆

 本日発売の「週刊金曜日」(6月5日号)の巻頭特集「誰が教科書を殺すのか/安倍晋三氏の異常な執着」に、記事を書きました。安倍首相とその仲間たちが、異常な執念で「教育再生」に執着してきた経緯・背景と、育鵬社の中学校歴史・公民教科書の異様さをクローズアップ。彼らの目的は国家による教育の管理統制です。教育現場の苦悩にも触れました。ぜひお読み下さい。書店での注文も可能です。

◇◇

 昨日の衆院憲法審査会で「3人の参考人全員が安保法案を違憲とした」ことを、NHKがニュースで詳しく伝えたことが話題になっている。「安倍政権の広報宣伝放送局」と広く認識され始めているだけに、意外に思われたのだろう。

 しかし、菅官房長官の「違憲の指摘は当たらない」という反論は報道しても、「全く違憲でないと言う著名な憲法学者もたくさんいる」と述べた菅の馬鹿げたトンデモ発言は伝えない。そこがいかにも政府広報らしいNHKの配慮だ。ハイライトは菅の大嘘発言なんだからさ。この台詞こそしっかりアナウンスしなきゃ。

 朝日の対応も解せないんだよなあ。マスコミ各社はインターネット(電子版)で、早いところは午前中から、遅いところでも午後9時過ぎには大きく伝えているのに、デジタル朝日は日付が変わった5日午前1時42分まで報じないのだから。もちろん昨日の夕刊でも取り上げず、きょう5日の朝刊は1面肩の扱い。毎日や東京は1面トップなのに。どういうことなんだろう。意味不明だよ。


6月7日(日曜日) 安倍独裁政権は反社会的存在だ

 京都大学名誉教授で憲法学者の佐藤幸治氏が都内で講演。「憲法の根幹を変えてしまう発想は英米独にはない。日本ではいつまでぐだぐだ(憲法の根幹を揺るがすようなことを)言うのか、腹立たしくなる」と述べ、憲法を巡る現状へのいらだちをあらわにしたという(毎日)。今月4日の衆院憲法審査会で自民党は、佐藤幸治氏に参考人を要請したが断られ、長谷部恭男氏を選んでいた。

 どのみち、すべての憲法学者が「安全保障関連法案(戦争参加法案)は憲法違反だ」と述べるのは自明の理だったということ。まともな憲法学者であれば、「安全保障関連法案(戦争参加法案)は合憲である」なんてことを言うわけがない。そんな恥ずかしいことを堂々と言い放つのは、安倍晋三首相や菅義偉官房長官ら、厚顔無恥な安倍政権の面々だけだよ。

 憲法は権力者の行為を縛る国の最高法規であり、すべての政治家と公務員は憲法を遵守する義務がある。その憲法をないがしろにして堂々と無視するなんて、独裁政権そのものと言っていい。安倍政権がやっていること、やろうとしていることは、事実上のクーデターではないか。安倍内閣は前代未聞の反社会的な政権だ。これほど正統性を欠いた違憲違法な政権の存在を、主権者たる国民は断じて許してはならない。とりあえず安保関連法案(戦争参加法案)は即刻撤回すべきだ。

安保法制、憲法学者が不信感、シンポに1400人(毎日)

http://mainichi.jp/select/news/20150607k0000m040079000c.html

憲法改正「いつまでぐだぐだ言い続けるのか」佐藤幸治・京大名誉教授が強く批判(毎日)

http://mainichi.jp/feature/news/20150606mog00m040002000c.html


6月8日(月曜日) 奴隷という「楽な生き方」

 腹黒い領主を倒して奴隷を解放した王子アルスラーンに対し、奴隷たちは怒って食ってかかった。奴隷たちがなぜ怒ったのか理解できない王子に、知略に長ける臣下ナルサスが解説する。「寛大な主人のもとで奴隷であることはある意味、最も楽な生き方なのです」。昨夕放送のアニメ「アルスラーン戦記」(田中芳樹・原作、荒川弘・画)第10話から。

 立憲主義を平然と踏みにじりつつ「法の支配が重要」とうそぶいて、国民を戦争へ駆り立てようと画策する。「消えた年金」はおろか「漏れた年金」を放置し、その尻拭いにさらに莫大な税金を使うばかりか、情報漏洩の被害補償はしないと抜かす。そんな安倍内閣を50%が支持する。まさに奴隷国家そのものではないか。奴隷という「楽な生き方」は、社畜と同じ思考パターンだとも言える。

 安倍首相が言う「アンダーコントロール」は、福島原発のメルトダウンや汚染水漏れのことではなかった。実は日本国民の多くが、安倍首相の嘘八百や詭弁に「アンダーコントロール」されているのだった。これが「美しい国」の正体なのか。安倍首相は、いったいだれから何を「取り戻す」と言うのだろう。少なくとも主権者たる私たち日本国民は、憲法を堂々と蹂躙する安倍独裁政権から、この国を一刻も早く取り戻さなければならないと思うのだが。

◇◇

 品川プリンスホテル最上階のラウンジで、アニメ関係者と打ち合わせ。アニメ制作現場をリアルに描いた「SHIROBAKO」よりも、はるかにディーブで興味深い話がたくさん聞けた。面白かった。まるで学生みたいに5時間ほどラウンジに居座って雑談を続けていたんだけど、空いていたからいいよね(汗)。至近距離にある東京タワーや、墨田区のスカイツリーまで、ラウンジから一望できる眺めは絶景。夜景はまたさらに一段と見事だった。


6月9日(火曜日) やっぱり徹夜

 学生の作文をひたすら添削。やっぱりか。文章講座の前日は、またしても徹夜になってしまう。


6月10日(水曜日) 無様すぎるにもほどがある

 憲法審査会で参考人の憲法学者3人全員が、「安保法案(戦争法案)は憲法違反」と表明したことに対し、「違憲ではないと言う著名な憲法学者もたくさんいる」と反論したことについて、衆院特別委で追及された菅義偉官房長官。「私自身が知っている方は10人程度いる。数ではないと思う」と答弁した。あんたが「著名な憲法学者」が「たくさんいる」と言ったんじゃん。「たくさんいる」と言いながら、追及されて挙げたのは百地章氏や長尾一紘氏ら3人だけ。往生際が悪いな。みっともないにもほどがある。

 さらに無様なのがもう一人。「現在の憲法をいかに法案に適用させていけばいいのか、という議論を踏まえて閣議決定を行った」と答弁したことについて、同じく衆院特別委で追及された中谷元・防衛相。「普通は法案を憲法に適応させるのであって、憲法を法案に適応させるのは立憲主義を否定している」と民主党の辻元清美議員に突っ込まれ、「憲法の解釈の範囲内で法律を作成したという意味だ。趣旨を正確に伝えられなかったということで発言を撤回し訂正したい」と述べた。論理が飛躍し破綻した憲法解釈と同様に、あまりにも荒唐無稽な言い訳だ。苦しすぎるだろう。

 そして、安倍詭弁内閣のデタラメすぎる衆院特別委での答弁を、NW9の冒頭で伝えたNHK。しかし放送した時間はわずか5分足らず。たったそれだけかよ。そもそも、NHKはどうして衆院特別委の安保関連法案審議を生中継しないのか。国会中継よりも「あさイチ」をきっちり目いっぱい放送する方が、「公共放送にふさわしい」とでも言いたいのか。「事実上の国営放送にふさわしい」と正直に言うのなら分かるけれども。安倍政権にとって都合の悪い放送は極力控えるという姿勢が、あまりにも露骨すぎる。


6月11日(木曜日) 都教委が校長陳述書を捏造

 午後から東京地裁。「女子生徒に不適切なメールを送った」として、東京都教育委員会から懲戒免職処分とされた都立高校の男性教諭(33歳)が、免職処分の取り消しと損害賠償を求めた裁判の第4回口頭弁論が11日、東京地裁(吉田徹裁判長)で開かれた。

 この日は3人の証人尋問が行われ、裁判所に提出された校長の陳述書が、都教委によって捏造されていたことや、女子生徒に事実確認することなく免職処分を決定した事実が明らかになった。証人尋問は、教諭の事情聴取や免職処分を終始リードした都教委人事部職員課の相賀直・管理主事と、女子生徒、男性教諭の3人に行われた。(詳細は「週刊金曜日」6月19日号に執筆。)


6月12日(金曜日) 民主・共産の抵抗は当然だ

 労働者派遣法改正案を巡り、衆院厚生労働委員会を民主党・共産党が欠席し紛糾するニュースを、番組開始から11分も経ってから伝えたNHKのNW9。労働者の権利を踏みにじる悪法を推進しているのはどこの党か、それに抵抗しているのはどこの党なのか、しっかり伝えろよ。

 「非正規労働者のキャリアアップを支援し、処遇の改善や正社員への転換を進める」(安倍首相)だなんて、そんなわけないだろ。「労働生産性を高め企業活動にも資する」。その言葉こそが本音で目的なのは間違いない。憲法も労働法も蹴散らす安倍政権。民主党と共産党が、デタラメな審議に抵抗し拒否するのは当然だ。


6月14日(日曜日) 原稿執筆

 原稿執筆。なんとか間に合った。


6月15日(月曜日) 独裁コンビは馬が合う

 安倍首相と橋下大阪市長は昔から大の仲良し。2人とも平然と嘘八百を並べ立てて詭弁を弄し、そして厚顔無恥。独裁ファシストで価値観も同じ。類は友を呼ぶの典型だ。実に分かりやすい。

 維新の党が安倍自民党の補完勢力なのは前から明白だった。橋下市長はそれを改めて分かりやすく示したに過ぎない。弱い立場の労働者(非正規雇用)を、劣悪な条件で都合よくボロ雑巾のように使い続け、負のスパイラルから抜け出させないように固定化する労働者派遣法改正案に、平然と与する政党など論外。維新がどんな立場でだれの味方の政党かは明らかだ。

 民主党は維新の党とは一線を画すべき。自民党と立憲主義について激しく論戦できる政党を目指すべき。橋下維新はハシズムにとらわれ、嘘八百で言を左右し、安倍政権との一体化を重視しようとしている。嘘と詭弁とデマでは国民は納得できない。独裁と好戦を重視する橋下維新と民主党は決定的に違うはず。(橋下大阪市長のツイートのパロディー)


6月16日(火曜日) 自ら独裁政権であると公言

 権力者を縛る最高法規の憲法を堂々と無視し、違憲な法案を合憲だと言い張り、判例を曲解して開き直る安倍政権に、もはや正統性のかけらも大義もない。自ら独裁政権だと公言したに等しい。首相だけでなく官房長官も閣僚も自民党幹部も、立憲主義を放棄したと考えていい。安倍内閣は反社会的集団である。

 言うまでもないことだが、安倍政権と同様の暴言詭弁を平然と繰り返す橋下維新も同類だ。このようなファシストは、一刻も早く公職から追放されなければならない。日本が民主国家・法治国家であり、法の支配が全うされる国であるならば。


6月17日(水曜日) 権力監視と立憲主義

 選挙権の年齢を18歳以上に引き下げる改正公職選挙法が成立。若い世代の声を政治に反映させるというのなら、何より大切なのは「主権者教育」だ。高校や中学の段階で、主権者たる国民が権力を監視することの意味、そして立憲主義についてしっかり教えなければならない。

 「主権者教育」の必要性が叫ばれ、メディアや教育現場では「模擬投票」の取り組みがもてはやされている。しかしそんな形や格好だけの「主権者教育」をしても、ほとんど何の意味もないし、本質的な「主権者教育」には結びつかない。最も必要なのは主権者としての自覚であり、権力を監視する意味と立憲主義の意義を理解させることだ。

 そのためには、国家権力が教育に不当な干渉をしないことが求められる。主権者たる国民が権力を監視することの意味や立憲主義について教えることを、権力が嫌がらないはずがないからだ。

 しかし残念ながら、教育現場で本当の意味の「主権者教育」を実践すれば、権力は間違いなく介入し圧力をかけてくるだろう。特に立憲主義を全く理解していない安倍政権は、憲法を堂々と否定し踏みにじってきた「実績」がある上に、教育とメディアの管理・統制に異常な執着を見せているだけに要注意だ。

 国家権力(政府)による教育とメディアの支配は、主権者から情報を遮断し、主体的・批判的に考えて判断する力を奪うことに直結する。戦前と同じ過ちを繰り返してはならない。


6月18日(木曜日) まずは憲法を遵守しろ

 憲法を守らない政治家が、国民を守れるわけがないだろう。安倍首相の国会答弁を聞いていると、こっちの頭がおかしくなりそうだよ。

 そもそも対案だとか修正協議だとか、そんな次元の話じゃない。安全保障関連法案(戦争推進法案)そのものが明確に憲法違反なんだから、即刻撤回して廃案にするしかないんだよ。維新も安倍自民も度し難い馬鹿ばっかだな。何が「責任ある政治家として」「政治家としての責任」だ。憲法を遵守してから言え。主権者たる国民を愚弄するにもほどがある。

◇◇

 【おことわり】6月11日付から18日付までの「身辺雑記」をまとめて更新しました。めちゃめちゃ多忙だったので。


6月19日(金曜日) 投票結果がこの事態を招いている

 不安定な雇用を固定化して、使い捨てをより強固にする労働者派遣法の改正案が衆院を通過。雇用者側(企業)には便利で有利な内容だが、労働者はますます不利な立場から抜け出せないことに。こんな悪法がまかり通るのも安倍政権と補完政党・維新の数の力による。民主・共産が反対してもあっさりねじ伏せられる。

 前代未聞の悪法が堂々と成立してしまうのも、憲法を平然と無視し立憲主義を踏みにじる安倍政権の横暴がまかり通るのも、民意に反して原発が再稼働され、移転と称して沖縄の米軍基地が拡大されるのも、すべては選挙の結果だ。投票した結果が一連の事態を招いている。いくら民主党がだらしなくて欠陥だらけでも、少なくとも自民・公明・維新よりはマシだろう。

 安倍自民にフリーハンドを与えることだけは、何があっても絶対に避けなければいけない。もしそうなればこの国は狂った独裁者に支配され、ジョージ・オーウェルの「1984」の世界になってしまう。自民・公明・維新に投票するより少しでもマシな選択をしなければ、取り返しがつかなくなることだけは間違いない。


6月20日(土曜日) 都教委が校長陳述書を捏造

 横浜市内で開かれた神奈川教育法研究会の例会で、東京都教育委員会が都立高校教諭の「不適切行為」を捏造し懲戒免職処分にした事件を報告。東京地裁で免職処分の取り消し裁判が大詰めを迎えているが、都教委はさらに、裁判所に提出した校長の陳述書まで捏造していた、という前代未聞の事実も明らかになった(現在発売中の「週刊金曜日」6月19日号に詳細執筆)。これって法廷侮辱罪に当たるのではないかと思うのだが、いずれにしても都教委が相当追い詰められているのは確実だ。

 研究会終了後、横浜・石川町の焼き鳥屋で生ビールとハイボールをあおる。参加者の皆さんと2時間ほど楽しく談笑。ピリリと辛めのもつ煮込みに、程よい焼き加減の焼き鳥が美味だった。


6月21日(日曜日) 道徳や法の支配を口にする政治家が

 道徳教育だとか愛国心をもっともらしく口にする政治家が、憲法を平然と蹂躙する。しかもそんな連中が法の支配や法治国家という言葉を声高に繰り返す。権力者を縛る最高法規の憲法を、堂々と踏みにじる安倍晋三首相とその仲間たちこそ、この国の 法秩序と社会規範を根底から破壊する最悪の犯罪者だ。

 憲法に縛られるはずの権力者が、憲法を堂々と無視して踏みにじる。道徳も規範も法の支配も何もない。そんなことが許される社会に未来はない。権力者の暴走は犯罪である。自覚のない馬鹿ほど始末に負えないものはない。主権者たる国民が敢然と断固NOの意思を示し、安倍政権を公の舞台から一刻も早く排除しなければならない。心からそう思う。


6月22日(月曜日) やっと異常さに気付いたか

 安倍首相が参院決算委員会で、「われわれには国民の命と平和な暮らしを守り抜く大きな責任がある。国民の命や国土・領海・領空を守ることができるのか、考え抜いていく責任を放棄してはならない」と主張した。

 寝言をぬかすんじゃない。そもそも「憲法を遵守するという責任(義務)」を放棄するな。憲法遵守もできない政治家に、国民が守れるはずがないだろう。日本は独裁国家じゃないんだ。まともな先進国の民主国家では、政治家が憲法を踏みにじることはあり得ないし、あってはならないんだよ。馬鹿総理は顔を洗って出直してこい(激怒)。

◇◇

 内閣支持率39%に下落(朝日)。常軌を逸した安倍政権の異常さに対する認識が、ここにきてようやく広がり浸透し始めたか。立憲主義と法の支配を踏みにじる、安倍政権の傲慢不遜・厚顔無恥な姿勢にもっと大勢が気付いて怒ってほしい。

 リベラルな人に聞いても、保守的な人に聞いても、多くの人から「安倍首相は完全におかしくなってる」「明らかに精神に異常を来たしているとしか思えない」という答えが返ってくる。二枚舌だし詭弁ばかりだし開き直りが露骨だし、質問にまともに答えない(答えられない)し、普通に考えて言動がまともじゃないもの。ごくごく当然の自然な反応だよなあ。

内閣支持率39%に下落、朝日新聞世論調査(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/photo/AS20150622004385.html

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 午後から特別授業。第1次安倍内閣から第2次安倍内閣の現在に至るまで、NHKの番組に圧力をかけ、前代未聞の命令放送をし、経営委員や会長の人事に露骨に介入し、終始一貫して情報統制を続けてきた安倍政権の手法を講義した。不当な干渉に抵抗することもなく、安倍政権の宣伝機関(事実上の国営放送)と化したNHKの実態も紹介。

 さらに、秘密保護法案や安全保障関連法案の国会審議を生中継せず、伝えるべきことを伝えないNHKが、もはや公共放送・独立した報道機関とは言えないことも指摘した。大昔の戦時下の情報統制ではなく、いま現在起きている生々しい話であるだけにタイムリーな講義になった。「アンダーコントロール」されているのは福島原発ではなく、NHKであり国民だ。そんな時代だからこそ、自分にできることをしっかり果たさなければと思う。


6月23日(火曜日) ヤジや罵声は当然の反応だ

 戦後70年の沖縄慰霊の日。沖縄戦没者追悼式に、恥ずかし気もなくのこのこやって来た安倍首相の挨拶は、やはりいつも通り紋切り型で空疎で、だれの心も揺さぶることなく全く中身がなかった。会場からは「帰れ帰れ」「嘘を言うな」といったヤジや罵声も。テレビ中継の音声がしっかり拾っていた。当然の反応だろう。

 憲法を蹂躙し、沖縄県民の声を聞こうともしないばかりか、安全保障関連法案(戦争参加法案)を成立させようと、立憲主義や法の支配そのものを平然と踏みにじり続けているのだから、安倍首相への罵声はむしろ生温いくらいだ。一方、翁長知事は「辺野古移設反対の民意は示されている。移設作業中止の決断を」と訴えた。会場の拍手の大きさに、沖縄の思いが明確に表れていた。天晴れ。

 それにしても安倍首相はよく堂々と沖縄の戦没者追悼式に顔を出せたな。捨て石としか考えていないのに、いったいどのツラ下げて沖縄にやって来たんだろう。並大抵のまともな神経では考えられない厚顔無恥さ。というか無神経きわまりない。


6月24日(水曜日) 本当の意味での「主権者教育」

 午後から授業。前日の沖縄の戦没者追悼式に関連して、沖縄と本土との関係に触れるとともに、原発再稼働や安全保障関連法案(戦争推進法案)など、民意や憲法を堂々と踏みにじる安倍政権の現状を解説。情報を取捨選択して、主権者としてしっかり判断できる力を身につけることこそ、何よりも大事な勉強だと強調した。

 1年生対象の授業の中で、雑談として15分ほど時間を割いて話をした。彼ら彼女らは来年の参院選では選挙権を行使することになる。もちろんそういうことを踏まえてコメントしたのだが、本当の意味での「主権者教育」になったのではないかと思う。

 自分自身の学生時代を振り返ってみても、授業の内容そのものはあまり覚えていないのに、むしろ雑談の方が印象や記憶に残っていたりするんだよなあ。僕の話も頭の片隅でいいからとどめておいてくれたらうれしい。

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 安倍晋三首相は、戦後70年の「安倍談話」を閣議決定しない意向。政府の公式見解ではなくて、首相個人の談話と位置づけるという。ああよかった。頼むから安倍晋三が個人的に私的な立場で勝手にやってくれ。靖国神社の合祀じゃあるまいし一緒くたにされて、日本国民も安倍首相と同類だと思われたら困る。大迷惑だ。

時時刻刻「個人の談話」あえて選択、安倍首相、閣議決定見送りへ、村山談話「上書き」せず(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/DA3S11822585.html?ref=pcviewer


6月25日(木曜日) 狂った政治家たちの暴走

 自民党が、教育公務員特例法を改正して高校教員の政治活動を制限し、違反には罰則を設けるという内容の提言案を示した。「教職員の政治的中立性を担保するため」と言うともっともらしいが、要するに、政府与党に都合の悪い批判的な言動は許さないということだろう。

 しかし、批判精神のない「主権者教育」なんてそもそもあり得ないし、批判力がなければ主権者として正しい判断も選挙権の行使もできないはず。政権に都合のいい教育しか認めないのなら、戦前の国家統制教育の再現でしかない。安倍独裁政権の野望(暴走)が、また一段階ギアチェンジしようとしている。

高校教員の政治活動に罰則、18歳選挙権で自民提言案(共同)

http://www.47news.jp/CN/201506/CN2015062501000972.html

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 安倍晋三首相に近い自民党若手議員が、憲法改正を推進する勉強会を開催。安保法案を批判する報道について、出席議員からは「マスコミをこらしめるには広告料収入をなくせばいい」との声も。さらに、沖縄の地元紙が政府に批判的だとの意見に対し、講師として招かれた自称作家の百田直樹氏は「沖縄の2つの新聞はつぶさないといけない」と主張したという。なんなんだろうこの連中は。

 権力を監視して批判し、主権者たる国民に判断材料を提供するのがメディア(ジャーナリズム)の役割だ。政治家が批判される対象なのは民主主義国家では当然のことだろう。そんな基本的なことすら理解していないのか。あまりにも独善的で傲慢で、頭の悪い自民党若手議員とクズ作家の発言に言葉を失う。異常すぎる。

百田尚樹氏「沖縄の2つの新聞はつぶさないと」発言(共同=日刊スポーツ)

http://www.nikkansports.com/general/news/1497679.html

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 驚くほど差別と偏見に満ちた発言だな。こんなことを議会の一般質問で堂々と述べるなんて信じ難い。「女子校や男子校などでは同性カップルが多い。環境によって後天的に同性愛者になる」。

「HIV感染の中心、懸念の声」宝塚市議発言で紛糾(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASH6S5QGWH6SPIHB026.html


6月26日(金曜日) さっぱり訳が分からん

 少し遅い夕食を食べようと牛丼チェーン店に入った。座って注文した品を待っていると、ミュージシャン風でタンクトップの兄ちゃんが僕のすぐ隣の席に座った。店内はガラガラに空いているのになぜわざわざ隣席に。しかも体が全体的に近いよ、近すぎる。すると顔を近づけてきて「ここの店って高くないですか?」と声をかけてきた。いきなりそんなこと聞かれても返答しようがないじゃん。そう思いながらも「はあそうですかね」と曖昧に返す。

 しばらくして今度は、カウンターに置かれた僕の食券を手に取って店員に、「これまだですか、早くして下さい」と催促を始めた。いやいやそんなこと頼んでないし。そもそも注文してからそんなに時間も経っていないし。うーん訳が分からん。

 兄ちゃんは自分の食事を平らげた後もしばらく席にとどまっていたが、僕に会釈しながら店を出て行った。もしかして僕の知り合いだったのか。それとも取材先かどこかで会った人なのか。考えてみたけど知らないなあ。記憶にないんだけどなあ。

 謎に包まれつつ、ひょっとしたら僕の講義を受けたことのある学生かなあとも考えた。大教室の授業を履修した学生だと、顔と名前が一致しないだけでなく、むしろ顔も分からない学生の方が多い。申し訳ないとは思うけど。だけどもしそうだとしたら、「先生の授業を受けていた◯◯です」みたいに、向こうからあいさつしてくるよなあ。うーんやっぱり訳が分からん。

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 「ていねいな説明」も「沖縄との信頼関係」も「報道の自由の尊重は民主主義の根幹」も、どれもこれも安倍首相とは全く無縁な言葉ばかり。おまけにあろうことか「報道の自由を尊重するのは一貫した私の立場」とは、冗談もたいがいにしてほしい。よくもまあヌケヌケとそんなことが言えるな。衆院特別委で答弁する安倍首相の言葉は空疎であるばかりか、いずれも事実に反する嘘だらけ。自称作家の百田尚樹の虚言暴言と同じだ。

 しかも安倍首相の答弁は終始、話をそらすばかりで、質問に対する答えに全くなっていない。しかしそんな支離滅裂な受け答えを余すことなく映し出すのは、まさにこれぞ生中継の醍醐味と言えるだろう。編集なしの生放送の国会中継だからこそ、安倍首相の言動の異常さや醜悪さ、不誠実さが鮮明に伝わってくる。


6月27日(土曜日) 右翼の立場からの提言

 横浜市内で開かれた一水会最高顧問の鈴木邦男さんの講演(九条を守る神奈川高校教職員の会・主催)を聴いた。テーマは「右翼の立場から安倍改憲を考える」。大盛り上がりで最高に面白かった。特に印象に残ったのは、「自分を客観視できず、自分が絶対的正義だと思っている人たち、人の欠点を見つける天才がいっぱいいる。少しでもいいところを見つけて仲間になろうとするのではなく、罵倒し攻撃する。日本全体が連合赤軍化している」という言葉。そしてもう一つ。「自由のない自主憲法よりも、自由のある押し付け憲法の方がいい」。おっしゃる通りだ。


6月28日(日曜日) 捏造デマ暴言は徹底追及すべきだ

 百田尚樹氏の自民党若手議員の勉強会での発言は、講演後の質疑応答の中での話だ。一般的に言って講演の一部に含まれる。だから「雑談」でも何でもない。ましてや冗談やギャグ、飲み屋での軽口などといった言い訳で済む話でもない。それこそ冗談もたいがいにしろよ卑怯者、である。しかもマイクを使った講演や質疑の声は室外に漏れていた。それを記事にするのは通常の正当な取材行為だ。

 そもそも百田発言は「沖縄の地元紙をつぶさなあかん」という部分だけが問題なのではない。もちろんこの発言は、報道の自由を威圧し愚弄する大問題だが、度し難いのはそれだけではない。沖縄の基地や米兵のレイプ犯罪について、事実に反した根拠のない虚偽とデマを繰り返したこと自体が、すべての沖縄県民を侮辱している。許し難い暴言だ。

 それに、百田氏はNHKの経営委員ではなくても、公人に準ずる存在と言っていい。安倍首相と極めて近い立場でもある。そういう百田氏と、百田氏を講師として呼んで暴言を並べたてた自民党国会議員たちと、どちらが深刻な問題かなどと比較するような話ではない。どちらも重大問題でそれぞれ厳しく糾弾すべきなのは言うまでもない。

 一方、百田氏の言い分を朝日新聞がコメントとして記事にしたことが話題になっている。もちろん発言者(百田氏)の「真意」を確認するのは記者の基本作業の一つで、当然やるべき取材だ。それ自体は批判される話ではない。ただしそれなら、「米軍基地の成り立ち」や「米兵のレイプ犯罪」などのデマ発言についても、しっかり釈明を載せるべきだろう。

 「沖縄の地元紙をつぶさなあかん」という発言に対する釈明や言い分を聞くだけでなく、「もともと普天間基地は田んぼの中にあった。周りに何もない」「沖縄の米兵が犯したレイプ犯罪よりも、沖縄県全体で沖縄人自身が起こしたレイプ犯罪の方がはるかに率が高い」といった、事実に反する悪質なデマ発言の根拠や「真意」も、きちんと聞いて記事にすべきではないのか。

 もし百田氏がその質問に答えなかったのなら、「答えなかった」という事実をしっかり記事に書けばいい。中途半端なコメント記事を書いた朝日記者の取材は、あまりにお粗末すぎる。都合のいい釈明だけを聞いて記事にするのでは、報道とは言えない。百田氏は最初から最後まで一貫して虚偽やデマを述べ、詭弁や開き直りを展開しているのだから、徹底して追及しなければ、何度でもまた同じことを繰り返すだろう。

 同じように百田尚樹氏に発言の「真意」を聞くにしても、朝日新聞と沖縄タイムスでは、質問と記事の内容に歴然と差がある。読み比べれば一目瞭然。取材した記者の力量と問題意識の違いだろう。

百田氏「軽口、冗談のつもりだった」沖縄紙つぶせ発言(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASH6V5JXVH6VUHBI028.html

百田尚樹氏に一問一答「沖縄2紙は嫌い」「つぶれてほしい」(沖縄タイムス)

http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=121683&f=t

◇◇

 悪意そのもの。フジテレビの「池上彰・緊急スペシャル『反日韓国』特集」番組で、韓国人へのインタビュー映像の字幕が捏造されていたことが判明。「韓国人の発言を捏造して反日に仕立て上げて放映し、日本人の嫌韓感情を煽った。これはれっきとしたヘイトスピーチです」

池上彰のフジテレビ「嫌韓」報道番組で韓国人へのインタビュー字幕が捏造されたとネットで大炎上(BUZZAP/バザップ)

http://buzzap.jp/news/20150627-fuji-ikegami-hate/

 露骨すぎる。分かりやすい捏造だったからばれたとも言える。氷山の一角か。

フジテレビ『池上彰 緊急スペシャル!「反日韓国」特集』が字幕/吹き替えを「捏造」した疑惑→確定?(NAVERまとめ)

http://matome.naver.jp/odai/2143532063382458901


6月29日(月曜日) 怒り出す人工知能

 すごく面白い。そして人工知能の反応が興味深い。「研究者がプログラムに対しmorality(道徳)という言葉を定義するよう何度も要請すると、プログラムは苦戦し途中で怒り出した」

人工知能マシン、プログラマーに怒る(ウォール・ストリート・ジャーナル)

http://jp.wsj.com/news/articles/SB12090554170328684804804581077034213786172


6月30日(火曜日) 集中力

 ひたすら取材。その合間に図書館やマックで、同じくひたすら学生の作文を添削。自宅だとどうしても集中力を欠いて、テレビを見たりネットで遊んだりして仕事が捗らないが、外の公共空間だとやはり作業に集中できるな。


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