身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2016年1月1日〜1月31日

●<早版>あけおめ●<遅版>年賀状●書き初め●憲法も国会も軽視●「読書通帳」●際限なく情報集約●新年初出勤●橋下維新の教育支配ここまで●「クロ現」キャスターも降板●「多様な教育法案」続報●改憲阻止へ「第三勢力」が必要●護憲派は「責任感が強くない」?●ベッキーやSMAPよりも●シラバス●新聞記事を「作品」に違和感●なんなんだ、この国は●テレ朝「検事の死命」●SMAP「騒動」は異様●一方的な「情報リーク」の危うさ●免職教諭の控訴審が結審●今期アニメ評●今やらずにいつやる野党共闘●辺野古移設反対は沖縄の民意だ●個人情報保護の意識が低すぎる●そもそも図書館の役割とは●安倍首相も辞任すべきだ●うんこの処理もできず再稼働●時代の正体●内閣支持率56%って馬鹿なの?●●●ほか


1月1日(金曜日) <早版>あけおめ

 午前0時を回ると、横浜港に停泊中の船が一斉に鳴らす汽笛が、風に乗ってかすかに聞こえてくる。近所のお寺の鐘の音も同時に届き始める。ようやく年末年始らしい気分になってきた。あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 <遅版>年賀状 今年も年賀状をたくさんいただいたが、僕は全く手つかず。オリジナルの短いあいさつの文面を考えただけで、まだ版下製作にも取りかかっていない。大幅に遅れそうだ。毎年のこととは言え、やっぱり相変わらずである。あらかじめ謝っておかなくては。遅くなります。申し訳ありません。


1月2日(土曜日) 書き初め

 新年早々に今年1本目の原稿を書いて編集部に送信した。書き初めである。不登校・多様な教育機会確保法案の関連原稿。短い原稿だから気分的には楽だが、しかし字数に制約があるだけに、あれこれ詰め込むわけにいかず、書くべきものと割愛するものとを峻別しなければならないのが厄介で面倒だ。長い原稿でも短くても、推敲する作業は同じなんだけど。


1月4日(月曜日) 憲法も国会も軽視

 通常国会が召集。何よりもまずただされ批判されるべきは、安倍政権が憲法を無視してずっと国会を開催しなかったことと、内閣改造後の閣僚の所信表明もなく、首相らの外遊報告もなく、TPPや安保法制や日韓関係をはじめとするさまざまな重要案件も、国権の最高機関である国会でほとんど議論されなかったことだ。安倍政権の姿勢は独裁政権そのものではないか。

 NHKニュースは朝から、参院選に向けて各党がアピールする論戦が始まるなどと、全く見当外れの伝え方をしているが、伝えるべきニュースのポイント・問題の本質はそういうことではない。憲法を無視し国会を軽視した安倍政権の姿勢が民主主義を危うくしていることを、きちんと取り上げてこその公共放送だろう。

 やっぱりいつも通り、NHKは政府与党の宣伝広報機関・国営放送ではあっても、権力を監視し批判する健全な報道機関ではなかった。残念ながら、今年もNHKのニュースにジャーナリズム精神は期待できそうにない。

◇◇

 ようやく年賀状の版下が完成し、住所録の整理も完了したので、印刷に取りかかる予定だ。しかし投函までの道はまだまだ果てしなく遠い(そんな大袈裟な)。でも遅くとも松の内(1月7日)までには投函しなければ。


1月5日(火曜日) 「読書通帳」

 小中学生の子どもたち(特に小学生)にとって、自分が読んだ本が増えていくのを目に見える形で確認できるのは、読書意欲がものすごくかき立てられるはず。僕自身の小学生のころの経験からも、とてもよく分かる。自分だけの「読書通帳」に読書歴が記録されていくなんて、子どもたちは間違いなくわくわくしながら、本を借りているに違いない。

 図書館に出かけてたくさんの本に触れることで、世界が大きく広がって、語彙力や文章表現力は高められる。多くの活字と出会うことで、考える力や想像力や豊かな感性も育まれるだろう。図書館という空間で、本に親しむきっかけともなるはずだ。素晴らしいアイデアで、素敵な試みだと思う。

ATM感覚「読書通帳」が人気、貸し出し倍増の図書館も(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASHDG6DSLHDGUEHF01W.html

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 「他人に知られないように」「持ち歩かないように」とされていたはずのマイナンバーカードに、ポイントカードも一本化するとは。着々と進む国家による国民管理・監視体制に驚愕する。安倍政権と中央官僚のこうした発想の背景には、巨額の利権も当然あるのだろう。

 予想されていたことではあるが、マイナンバーカードに際限なく情報が集約されようとしていることに、危機感と言い知れぬ恐怖を覚える。そもそもマイナンバーカードについて、まともに説明も周知もされていないばかりか、しかも情報管理の危うさがあちこちで指摘されているというのに。

総務省、ポイントカード一本化を検討へ(日本テレビ=NNN)

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20160105-00000060-nnn-pol

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 【年賀状の進捗状況】プリンターのトラブルも若干あったが、ようやく裏面と宛名面の印刷完了。よし、あと少しだ。


1月6日(水曜日) 新年初出勤

 新年最初の授業。キャンパス内も教室も講師控室も、人がやや少なめだった。まだまだ正月モードなのかもしれないな。


1月7日(木曜日) 橋下維新の教育支配ここまで

 政治による教育の支配・管理・統制も、いよいよここまできたか…。私学や大学の教育にまで口を出そうというのか。教育が国家に支配された戦前の歴史から何も学んでいないと言うか、まさに戦前回帰ではないか。大阪府民はこんな時代錯誤の施策を押し進める政治家もどきを、なぜかくもご大層に祭り上げて熱烈に支持するのだろう。まったく理解できない。

大阪府教委、私学所管も検討、組織改編し「教育庁」構想(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASJ165RTRJ16PTIL026.html

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 だれがどう考えても与党そのものじゃん。5万歩くらい譲ったとして「事実上の」与党だろ。

おおさか維新は野党?与党? 予算委の時間配分でもめる(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASJ174GBZJ17UTFK007.html

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 「維新の党」5人と「日本を元気にする会」4人が、参院で統一会派を結成。安保法制(戦争法)に賛成した「元気」と一緒になる時点で、「維新」のお里が知れるというものだ。憲法を蹂躙し立憲主義を無視する利権政党は、安倍自民の補完勢力そのもの。そんな政党と統一会派を組む維新とどう共闘するのか、民主党の判断を注視したい。

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 【投函しました】年賀状と寒中見舞いのはがきにひとことコメントを書いて、ようやく投函しました。遅くなって本当に申し訳ありません。ここ最近で最も怠惰な事態となってしまった(とほほ)。深く反省して恥じ入るばかりです。ごめんなさい。


1月8日(金曜日) 「クロ現」キャスターも降板

 ああやっぱり。NHKの報道系は着々と終焉に向かってひた走っているな。民放も似たような状況だが、NHKは曲がりなりにも公共放送を名乗っているだけに、余計に始末が悪い。

 政府広報みたいなNHK報道系の中で、「クローズアップ現代」は社会的問題を深く掘り下げる数少ない良心的な番組だったのに。だからこそ改編(事実上の解体)の対象にされたのだろうけど、実に残念だ。番組スタッフもさぞや無念なことだろう。心中をお察しする。

NHK「クロ現」の国谷裕子さん降板へ、出演は3月まで(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASJ1765P2J17UPQJ00K.html


1月10日(日曜日) 「多様な教育法案」続報

 不登校の子どもの教育支援を目的に議論されている「多様な教育機会確保法案」をめぐる動きについて、「週刊金曜日」1月8日号に続報を書きました。とても短い記事ですが、法案に反対する当事者・保護者らの声のほか、各会派や自民党内の動向など、現時点での状況はできる限り盛り込みました。ちなみにこの記事は、雑誌発行から10日ほどすれば、Yahoo!ニュースにもアップされる予定だそうです。


1月11日(月曜日) 改憲阻止へ「第三勢力」が必要

 安倍首相が夏の参院選についてNHKの番組で、自民・公明・おおさか維新の会など改憲派で3分の2以上の議席確保を目指す考えを示す(各紙)。これでも民主党は憲法改正に危機感を持たないのか。絶対阻止と言うなら本気で野党共闘に取り組まないともう後はない。それができないなら民主党に代わる集団を、台湾で活躍する「第三勢力」のように、若い世代が新たに立ち上げるしかないのではないかと強く思う。


1月12日(火曜日) 護憲派は「責任感が強くない」?

 安倍首相「改憲に前向きな党もある。自公だけではなく、改憲を考えている前向きな、未来に向かって責任感の強い人たちと、3分の2を構成していきたい」(NHKニュース)。なんだこの一方的な発言は。まるで、改憲を考えていない人たちや政党は「未来に向かって責任感が強くない」と言わんばかりの物言いではないか。護憲派を根拠なく誹謗中傷する暴言そのものではないか。

 自分が逆のことを言われたら、「レッテル貼りだ」とかなんだとか興奮してまくし立てるくせに。憲法遵守義務を課されている最高権力者が憲法を蹂躙し、そればかりか憲法を擁護する立場の人たちを不当に中傷する。あり得ない先進国の姿だ。安倍首相本人はもちろんだが、こんな酷い発言を無批判に垂れ流すNHKにも強い憤りを感じる。

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 鹿児島の強姦事件で、被告人と異なるDNA型の再鑑定結果をもとに逆転無罪判決。福岡高裁宮崎支部は判決で、捜査当局が意図的に証拠を破棄捏造した疑いが強いことも厳しく批判した。懲りない警察と検察。動かぬ無実の証拠まで隠蔽しようとする。まったく酷い話だ。DNA型が特定されなければ、危うく犯人に仕立て上げられるところだった。だれのための刑事司法なのか。

 一審の鹿児島地裁「女性の供述は具体的で信用できる」。常套句を述べるだけで節穴だったボンクラ裁判官。福岡高等検察庁の中田和範次席検事「検察官の主張が認められなかったことは遺憾」。証拠を破棄し隠蔽しながら、まだこんなコメントを平然と並べる検察官。逆転無罪を言い渡した福岡高裁宮崎支部・岡田信裁判長の真っ当さ(これが本来あるべき当たり前の裁判官の姿なんだけど)が、よりいっそう際立つ。

 逆転無罪判決のニュースを伝える「報道ステーション」で、DNA再鑑定した日本大学の押田茂實・名誉教授(法医学)がインタビューに答える後ろの本棚に、僕の著書が2冊しっかり並べられていてずっとテレビ画面に映っていた。ちょっとうれしい。


1月13日(水曜日) ベッキーやSMAPよりも

 「ベッキーの不倫疑惑やSMAP解散騒動がネットやテレビで話題にされ大騒ぎになってるけど、それって君たちにとって本当に重大な問題なの? 原発事故や、非正規雇用の増大、少子高齢化、安保法制、消費増税といった問題よりも、ベッキーやSMAPの方が大事なの?」。授業でそう問いかけたら、さすがに大半の学生が「そんなことはない」「もっと大事なニュースを見失わないようにしなければと反省した」などと襟を正す反応を返してきた。若い世代もまだまだ捨てたものではないなと思ってほっとした。

 ベッキーやSMAPの話題がどうでもいいとは言わない。楽しみに見ていたベッキー司会の「モニタリング」が、これからどうなるのかには僕だって関心がある。だけどそれよりももっと重要で、自分自身の生活や人生に大きく跳ね返ってくる問題がたくさんあることに、学生たちが気付いて真剣に考えてくれたらそれでいいと思うんだけどね。

 それにしても、テレビ(ワイドショーだけでなく)の愚劣さと馬鹿さ加減は、度し難いとしか言いようがない。朝から晩まで愚にもつかないピント外れな情報ばかり垂れ流し、本当に伝えるべきことはほとんど伝えようとしない。いよいよもって愛想を尽かされ、テレビ離れが加速度を上げて進むのは間違いないだろう。業界人の自覚のなさと危機意識の低さには呆れるばかりだ。


1月14日(木曜日) シラバス

 2016年度のシラバスを作成した。講義全体のテーマや概要のほかに、各回ごとのテーマや概要も書かなくてはならず、しかも今回から字数制限が厳しくなったので、さらに面倒さの度合いがアップした感じだ。昨年度は詳細に記入するようにという話だったのになあ。短く凝縮して説明する作業が結構厄介だったりする。

 そんなわけで、なんだかえらく時間を費やす羽目になってしまった。とりあえず大学のサイトに仮登録する。締め切りはもう少し先なので完了ボタンは押さず、修正できるように保留にしておく。


1月15日(金曜日) 新聞記事を「作品」に違和感

 予想され噂されていた事態がまた一つ確定した。報ステ、クロ現に続いてNEWS23も。社会問題を掘り下げ政権与党に臆することなく切り込む硬派の報道番組が、相次いで解体されていく。

「NEWS23」岸井成格アンカー降板へ、3月末で(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASJ1H54QQJ1HUCVL00P.html

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 自分の行為や言動がどれほど悪質で反社会的で、それがどれだけ多方面に悪影響を及ぼし被害をもたらすか、まるで想像できない人たちがこの国には予想以上に大勢いる。自分の仕事にプライドや責任を感じていない(自覚がない)ことの裏返しでもある。廃棄処理されるはずのビーフカツの横流しも、マンション偽装工事も、自民党の桜田義孝衆院議員の「慰安婦は娼婦」発言も。

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 「新聞労連、ジャーナリズム大賞に毎日新聞の3作品」(毎日)。新聞記事を「作品」と表現するのには違和感があるなあ。言論・報道は「作品」とは異質な存在だと思うのだが。受賞記事そのものはとても優れた内容だと思うけど、毎日新聞の紹介記事が、受賞記事を「作品」と呼ぶのは納得いかないし理解もできない。記者としても読者としても。

 【追記】朝日新聞も「作品」と表現していた。新聞労連のサイトの発表記事(ニュースリリース)に「作品」と書かれているのを、そのまま無批判に記事にしたのだろう。関係者や新聞記者の問題意識の希薄さにがっかりする。(2016/01/16追記)


1月16日(土曜日) 課題山積

 やらなくてはならないことが公私ともに山のようにあって、しかも次から次に出てくるし、片付けても片付けても終わらない(ため息)。

 【おことわり】1月15日付「身辺雑記」の末尾に、追記を掲載しました。


1月17日(日曜日) なんなんだ、この国は

 ファンの人たちがSMAPの動向と今後について、心底心配し動揺するのはとてもよく分かる。しかし元アイドルのおじさんグループと芸能プロダクションとのいざこざに、政財界が動くとは異常ではないか。政治家がやるべき仕事はほかにたくさんあるはず。選挙での得票目当てとしか思えない。なんなんだ、この国は。

SMAP分裂回避へ政財界も動く、想定超える世論に事務所も驚き(デイリースポーツ)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160117-00000003-dal-ent

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 ピーター・バラカンさんの異様な体験。広尾から六本木へ歩いていたところ、2人の警官に呼び止められたという。「どこかへ抗議に行かれる予定ですか」。え?「あなたの服に9条と書いてありますので」──。

 「9の字が見えたらだれでも警官が呼び止めるのでしょうか。仮に僕がデモに行く途中だったとしても、それはそれでとんでもない話。日本は何だか危ない方向へ行ってませんか」──。バラカンさんの疑問と懸念は正常な感覚であり、実に真っ当な指摘だ。この国はいったいどこへ向かおうとしているのだろう。そう思わざるを得ない異常なことが次々に起きている。

(日曜に想う)「9条シャツ、9条せんべい」特別編集委員・山中季広(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12163289.html

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 痴漢事件を扱ったドラマスペシャル「検事の死命」(テレビ朝日)、なかなか見ごたえがあって面白かった。さほど期待していないまま見始めたから余計に。最後の法廷シーンはリアルさに欠けていたけど、ドラマらしい演出だと考えればそれもアリかなと。現実社会の組織や人間関係の中でも、このドラマのようにきっちり筋を通して理念を貫く人々がもっともっと増えればいいのに。そうすれば今よりもずっと住みやすい社会になるのに。心からそんなふうに思わせる力作だった。


1月18日(月曜日) SMAP「騒動」は異様

 SMAPのメンバー5人がそろってフジテレビの番組に出演した。草なぎ剛「今回、ジャニーさんに謝る機会を木村君がつくってくれて、今、僕らはここに立てています」。この言葉に象徴されている今回のSMAP騒動。ものすごい皮肉を込めた精いっぱいの発言だと思うよ。よくぞ言った感がなんとも言えない。暴力団か暴走族の足抜けかよ。とんでもないブラックな芸能事務所だと改めて感じる。実に気持ち悪かった。

 そもそもメディアがこれほど寄ってたかって大騒ぎすることが異常だろう。スポーツ紙やテレビのワイドショーだけならまだしも、一般紙やテレビのニュース報道までが尻馬に乗って踊らされてあおり立てるなよ。ほかにもっと伝えるべき重大な「何か」から、国民(主権者)の目をそらそうとしていることに加担させられている、としか思えないぞ。それって自殺行為じゃないか。「既存メディア離れ」がますます進むという危機感や自覚はないのか。

 ちなみにフジテレビの番組の「生放送」と称する冒頭部分は、芸能事務所の「指導」あるいは「要望」のもとに制作されているのが見え見えで、戦前の軍部の大本営発表か、北朝鮮のプロパガンダ放送のようだった。たぶん視聴者の多くは、そんな異様さを十二分に感じたのではないだろうか。この国のマスメディアの状況は本当に救い難いし情けない。


1月19日(火曜日) 原稿整理

 単行本の予定原稿の一部をまとめて整理して、編集部に送信。そのほか頼まれている講演の準備とか、諸々の雑用をこなす。


1月20日(水曜日) 一方的な「情報リーク」の危うさ

 後期最後の授業だったので少し時間を割いて、原発再稼働問題とSMAP騒動に興じるこの国のメディア状況を論じた。権力者からの一方的な情報リークを無批判に垂れ流すメディアと、それを鵜呑みにすることの危険性について解説する。意図的な情報に踊らされる危うさと、主権者として問題意識を持ち続ける重要性についても指摘。学生の反応は上々だった。よかったよかった。われながら上出来の内容だった(自画自賛)。

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 衆院予算委員会で、経済的格差が広がっていることを問われた安倍首相。「日本はかなり裕福な国だ」。聞かれたことにまともに答えず、論点をはぐらかし見当外れな答弁をする。むきになって興奮して反論する。問題の本質を把握も理解もしていないからなのか。自分の知っている狭い世界の中でしか想像できないからか。

 いずれにせよ主権者たる国民は、安倍晋三首相に馬鹿にされている(コケにされている)ということだ。われわれ国民はもっと怒るべきだし、その怒りを行動で示さなければいけない。それは主権者としての権利であり責任であり義務であるはずだ。

貧困率の増加について聞かれた安倍首相「日本は裕福な国」と反論(ハフポスト)

http://www.huffingtonpost.jp/2016/01/19/income-poverty-japan_n_9015616.html

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 「ちはやふる」は何回見てもほんまにええアニメやなあ。原作も演出も作画も声優の演技も、どれ一つとっても文句の付けようがない素晴らしい出来だと思う。他局のアニメを再放送してくれて、ありがとうMXテレビ。今期放送のアニメは再放送の作品がずば抜けて面白い。


1月21日(木曜日) 免職教諭の控訴審が結審

 朝一番で東京高裁へ(早朝は苦手なので午前10時の開廷はきつい)。「女子生徒に不適切なメールを送った」とする都教委の一方的な捏造情報によって、懲戒免職処分された都立高校の男性教諭の控訴審を傍聴取材する。東京地裁は裁量権の逸脱を認めて免職処分を取り消したが、都教委は教諭の出勤を拒み控訴した。この日の裁判で綿引万里子裁判長は、審理の引き延ばしが目的としか思えない都教委側の証人申請について必要ないと判断して却下し、審理の終結を宣言。控訴審は一回の弁論で結審した。

 男性教諭の代理人の加藤文也弁護士は、都側の控訴理由書への反論を口頭で主張した。その中で加藤弁護士は、「最高裁判例違反は全くないこと、都教委が主張する非違行為は存在せず、家庭で虐待を受けていた女子生徒の求めに応じ、助けを求める内容に応える形で教男性諭はメールを返信したこと、事実確認せず都教委の発表だけで記事を書いた新聞報道には重大な問題があること、男性教諭を悪者のように描いた一方的な新聞報道で、一番傷ついているのは女子生徒自身であること、都教委の強圧的なやり方が教育現場を何よりも混乱させていること」──などを約10分にまとめて端的に弁論。懲戒免職処分にいたる実態を正確に把握し、速やかに結審して男性教諭が職場復帰できるよう裁判所に求めた。(この弁論の中では、都教委の発表だけで書かれた新聞雑誌報道と対比する形で、僕の書いた記事が提示され引用紹介された)

 弁護団は新年度からの男性教諭の教壇復帰を強く主張。裁判所も迅速な審理と判決の必要性に理解を示している模様だ。綿引裁判長は「判決言い渡しに先立ち職権で和解勧告する」と発言した。

 日比谷公園内の松本楼で弁護士や関係者と一緒に昼食。験を担いでカツカレーを食べる。めっちゃ美味かった。昼食時ということもあって松本楼には長蛇の列ができていたが、それにしても今冬一番の寒さの中、テラス席で食事する強者の姿にはびっくり。見ているだけで身が凍える。驚きが隠せない。


1月22日(金曜日) 今期アニメ評

 【今期放送アニメ評】僕だけがいない街(フジ)◎、赤髪の白雪姫2期(MX)◎、ハイキュー2期(TBS)◎、昭和元禄落語心中(TBS)◎、だがしかし(TBS)◎、この素晴らしい世界に祝福を!(MX)◯、紅殻のパンドラ(MX)◯、ファンタシースターオンライン2(TBS)△

 【再放送】ちはやふる(MX)◎、ラブライブ(ETV)◎、化物語(MX)◯


1月24日(日曜日) 今やらずにいつやる野党共闘

 野党統一候補構想の現状がとても分かりやすい記事。「民主に危機感がない」「野党が分裂すれば必ず倒れる」との声はもっともだろう。まったく、今やらないでいつやるんだ。

 立憲主義を守るという一点で今ここでまとまらなければ、取り返しがつかないことになるのは自明なのに。民主党や連合関係者の危機意識のなさはどうしたものか。理解に苦しむ。

「野党統一候補」調整なお途上、参院選向け民主・共産、「一点共闘」熊本では成立(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12175050.html?ref=nmail_20160124mo

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 甘利明・経済再生相の金銭授受疑惑について、自民党の高村正彦副総裁。「録音されていたり写真を撮られていたり、わなを仕掛けられた感がある」。もし仮にそうだったとしても、おとり捜査の手法と同じで、不正な金を受け取った時点で完全にアウトではないか。擁護するにしても無理やり感がありすぎるだろう。


1月25日(月曜日) 「辺野古移設反対」は沖縄の民意だ

 沖縄県宜野湾市長選で、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設を推進する現職の佐喜真淳氏が再選。辺野古移設に言及せず「ステルス作戦」に専念した政権与党と現職陣営。一方、毎日新聞の出口調査では、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対と答えたのは56%で、賛成の33%を上回った。

 普天間飛行場の返還は沖縄県民の当然の願いだが、それと辺野古移設とは別の問題で、返還と移設先は必ずしもイコールでは結びつかないというのが民意だろう。安倍政権はどこまで沖縄県民を苦しめ分断し、地元住民同士を争わせれば気が済むのか。

 過去の選挙で、何回も繰り返し明確に「辺野古移設反対」の民意が示されても一顧だにせず、そのくせ争点を隠しながら都合のいい選挙結果が得られたら、論点をすり替えて「これぞ民意だ」と言い募る。どれだけ姑息で不誠実で厚顔無恥な政権なのだろう。

 そもそも「辺野古移設(実態は米軍基地の新設)しか選択肢はない」などと、馬鹿の一つ覚えのように繰り返すだけの安倍政権こそ無能そのものであり、外交力が全くないことを露呈しているのではないか。沖縄を本土の植民地のように扱いながら、「一億総活躍社会」だとか「美しい国」とは笑わせる。

沖縄・宜野湾市長再選、政府と県、混迷さらに、首相「勝利大きい」(毎日)

http://mainichi.jp/senkyo/articles/20160125/ddm/003/010/057000c


1月26日(火曜日) 個人情報保護の意識が低すぎる

 レンタルソフト大手のツタヤが、マイナンバーの通知カードを新規会員登録や更新の際の本人確認に利用していたという(朝日、毎日など)。やはりこの会社・グループは、個人情報の取り扱いの基本をまるで理解しておらず、いい加減で杜撰なんだなあと改めて感じる。

 個人情報保護の意識が低すぎる。そんな企業が公共図書館の業務を担うのは、あまりにも危険すぎる。市民の知る権利と思想・良心の自由を保障するために、「図書館の自由に関する宣言」を命がけで守ることなんて、ツタヤ図書館の図書館員にはとても期待できそうにない。

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 甘利明・経済再生相の金銭授受疑惑(口利き疑惑)問題よりも、野々村竜太郎・元兵庫県議の初公判を優先して大きく伝えるNHK「ニュースウオッチ9」。昨今のNHKニュース系スタッフの「国営放送電波芸者魂」を見た。さすがですね(棒)。


1月27日(水曜日) そもそも図書館の役割とは

 「そもそも公立図書館の役割とは何なのか」を考えるための論考3本(朝日・オピニオン面)。民主主義を支える人材を育て、そのために必要な情報を提供し、地域社会を育む。読書習慣のある人を増やし活字文化を守る。図書館が公教育の一環であり、民主主義社会の礎であることを再認識させられる貴重な特集記事だ。

 企業の論理を前面に出し利潤・効率を最優先するツタヤ図書館のような姿勢と、民主主義を支え社会教育を担う公共図書館とは、やはり根本的に相容れないものなのだ。改めて強くそう思う。

耕論・図書館の原点(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12179198.html?ref=nmail_20160127mo

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 朝日新聞の日曜コラムや政治記事などを読んでいると、星浩・特別編集委員の姿勢(正体)は一目瞭然。田崎史郎・時事通信解説委員よりはマシだろうけど。

「NEWS23」新キャスターはやっぱり星浩!元朝日記者は集団的自衛権容認の親米保守、「骨なしクラゲ」の評も(LITERA/リテラ)

http://lite-ra.com/2016/01/post-1923.html

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 この期に及んで野党共闘の足を引っ張る「連合」執行部。崖っぷちに立つ「立憲主義」の正念場であり、まさに瀬戸際だというのに。どうにかならないものか。

進まぬ野党共闘…「黒幕」は共産党嫌いの「連合」神津会長(日刊ゲンダイ)

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/174091

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 「覚えておりません」「そんな程度の記憶もございません」(野々村竜太郎・元兵庫県議)、「記憶を整理したい」「記憶があいまいなところもあり、きちんと整理をしたい」(甘利明・経済再生担当相)。ほかのことは詳細に覚えているのに、都合の悪い記憶だけなぜかきれいに消滅するらしい。見事なマッチングに失笑するばかり。海外で話題になり笑われている点でも一緒。どちらも王手で詰んでいるのも同じだ。

 それでも甘利氏を続投させる意向の安倍首相。聞く耳など一切持たずにこれまで通り突っぱねて開き直れば、いつものように逃げ切れると考えているのだろうか。「適材を適所の閣僚に任命した」と述べる首相本人が、最も不適材で不適所だと思うのだが。「責任は首相の私にある」というのは安倍首相の常套句だけど、そもそも責任を取ったためしがないのだが。


1月28日(木曜日) 安倍首相も辞任すべきだ

 甘利明・経済再生担当相が記者会見で、2回にわたって計100万円の金銭授受を認め、閣僚辞任を表明した。記者との質疑応答の中で耳を疑うような「質問」があった。お金を渡した側が悪者であるとの前提で、「(支援者を装った人物に引っ掛けられる事態を)どうしたら防げると思うか」などと、甘利大臣に長々と「お伺い」するフジテレビの自称記者。いったいなんなんだ。甘利氏を被害者であるかのように位置付けた質問は、権力を監視して問題点を問いただすのが職務のジャーナリストとはほど遠く、文字通り「太鼓持ち」そのものとしか思えないのだが。

 そもそも2回の金銭授受は言い逃れできないとして、甘利氏は事実関係を認めざるを得なかったわけで、先方に悪意があろうがなかろうが、不正な金を受け取ったのは間違いない。それこそが決定的な問題ではないか。甘利氏はすべて秘書のせいにして、安倍政権の崩壊だけはなんとか防ぎたいと考えたのだろうが、安倍首相の任命責任は重大だ。甘利氏が閣僚を辞任すればすべて解決して、それで終わりというような話ではない。

 安倍首相は「任命責任は私にある」と言うなら、「国民に深くおわびしたい」などと軽く口にするだけでなく、自分自身も潔く責任を取って総理大臣を辞めなよ。甘利氏も事務所・秘書の監督責任を痛感したとして大臣を辞めたのだから、安倍首相も監督責任を痛感するべきでしょう。

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 大阪維新はさすが安倍政権べったりの第二自民党だ。汚職事件をスキャンダルと決め付けて矮小化し、「議論しても国民にプラスにならない」「政権を揺るがすような話ではない」とは恐れ入る。自民党の補完政党は全くブレることがない。

甘利担当相辞任、おおさか維新は国会追及しない方針(毎日)

http://mainichi.jp/articles/20160129/k00/00m/010/185000c


1月29日(金曜日) うんこの処理もできず再稼働

 関西電力の高浜原発3号機が3年11ヶ月ぶりに再稼働。「原発を動かせば使った核燃料がどんどん増えるが、その処理もためておく場所も決まっていない」。うんこ(核のゴミ)の処理をどうするか、そんなごくごく基本的な部分の見通しも立たないまま原発を再稼働するなんて。これほどデタラメでふざけた話があるだろうか。

使用済み核燃料、たまり続ける「お荷物」高浜再稼働(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASJ1V4JR4J1VPLFA002.html


1月30日(土曜日) 時代の正体

 神奈川新聞の後輩記者(報道部次長)の講演を横浜市内で聴いた。在職時には勉強会を毎月のように開いて一緒に議論した仲間の一人だ。「ほのぼのした当たり障りのない話題」や「程よくつまらない記事」を書いて満足し、僕たち記者が書くべきことを書かずさぼっていた、だから人権侵害や差別的な酷いヘイトスピーチが現実にのざばっているのだ、との怒りを込めた指摘に深くうなずく。「時代の正体」の背景を語る姿勢は一貫していて実に心強かった。

 僕たち記者がさぼっているから、酷い差別主義者や安倍政権がのさばっている。当たり障りのない記事を書いて、批判したつもりになっている方が確かに楽だろう。萎縮し問題から逃げるばかりで、行政や権力をチェックする仕事を新聞記者はしていない。そもそもそういう自覚さえない記者が多いのが、残念ながら情けない現実なんだよなあ。そんな中、頑張っている後輩記者の存在を頼もしく思う。


1月31日(日曜日) 内閣支持率56%って馬鹿なの?

 毎日新聞の世論調査によると、安倍内閣の支持率は51%で前回調査から8ポイント上昇したという。あれだけ露骨に憲法を無視し蹂躙する安倍政権のいったいどこに、どれだけ支持する要因があるというのだろう。しかもあれほど露骨な口利き汚職事件による閣僚辞任が、内閣支持率に影響しないとは。理解に苦しむ。受け皿となる野党が見当たらないにしても。

 ちなみに読売の世論調査では、内閣支持率は前回の54%からほぼ横ばいの56%だそうだ。こちらも甘利氏辞任の影響は見られないという。馬鹿なの?

毎日新聞調査、内閣支持率51%、甘利氏問題は影響せず(毎日)

http://mainichi.jp/articles/20160201/k00/00m/010/062000c


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