身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2016年4月1日〜4月30日

●「メール免職裁判」記事掲載●大岡川の桜●都教委の「犯罪行為」は許されない●記者志望の大学生●教室から学生があふれ出る●「裁判で原発を止める」●「メール免職裁判」の判決確定●政権批判こそ「公正な」報道だ●テレビの終わりの始まり●「重版出来」に超期待●ライブは聴衆次第●地震列島に原発は不要●原発事故が起きてからでは遅い●地震活動拡大と原発の危機●TBSの公共広告が多すぎる謎●意味不明で訳が分からない●「重版出来」第2話も秀逸●無自覚過ぎるNHKキャスター●命と安全よりも目先の利潤●世界が認める「報道の不自由な国」●既に政権の広報宣伝機関なのに●今期テレビアニメ評●権力監視機能を放棄したNHK●前の時間が休講だと●三菱は車の製造を止めるべき●「高校新聞と生徒自治」●プリンターのインク●●●ほか


4月1日(金曜日) 「メール免職裁判」記事掲載

 本日発売の「週刊金曜日」4月1日号の巻頭トピックスに、「『不適切メールで教諭免職』都教委の控訴棄却/生徒との信頼関係を認定」を執筆しました。これまで「身辺雑記」や雑誌などでも何回も発信してきましたが、東京都教育委員会の一方的な発表を鵜呑みにした各紙報道と、教育現場の実態とは全く違います。今回の控訴審判決とこれまでの取材を基に、事件の真相や背景を分かりやすく1ページの記事にまとめました。

 2週間ほどすれば、ネット(Yahoo!ニュースなど)でも記事が読めるようになると思いますが、それまでは「週刊金曜日」本誌でご覧下さい。


4月2日(土曜日) 大岡川の桜

【横浜・大岡川の桜1】まだ満開という感じではないが、日ノ出町の周辺は花見客で大賑わい。川沿いに並ぶ屋台はどこも盛況だった=写真(4月2日夕方、旭橋から下流のランドマークタワー方向を望む)。

【横浜・大岡川の桜2】まだ満開という感じではないが、日ノ出町の周辺は花見客で大賑わい。川沿いに並ぶ屋台はどこも盛況だった=写真(4月2日夕方、長者橋付近で)。

 都内の桜はどこも満開だそうだが、横浜市内の開花状況は都内と比べて結構タイムラグがある。自宅の近くや小学校の校庭、公園、駅前の桜はどれも7分から8分咲きといった感じ。それだけこれからまだまだ楽しめるということでもあるけど。それにしても肌寒いし曇り空だというのに花見客が多くて驚いた。僕は別件のついでに花見をしただけなのだが、結構和ませてもらった。

 だけど桜って本当は散り際が一番きれいなんだよなあ。小劇場の芝居のワンシーンみたいに桜吹雪がはらはらと舞い、川面や地面は桜の花びらでいっぱいになって、まるでピンクの絨毯を敷き詰めたようになるのは感動的だよね。


4月3日(日曜日) 都教委の「犯罪行為」は許されない

 都立高校の男性教諭が、懲戒免職処分の取り消しを求めた裁判の控訴審判決(3月24日付「身辺雑記」参照)の「週刊金曜日」の記事について、補足と背景説明を少しだけしておきます。

 「週刊金曜日」の記事では、控訴審判決の事実認定が、一審判決よりも格段に現実を冷静に踏み込んで分析していること、いかに東京都教育委員会の主張がおかしいかを判断していること、について読者に分かりやすく伝わるように執筆しました。それともう一つ、記事で強調したかったのは、都教委人事部職員課の相賀直・管理主事による校長陳述書の捏造の事実です。

 控訴審判決では触れられていませんでしたが、審理の中で陳述書捏造が明らかになったのは事実であり、これが都教委による「犯罪行為」「権力犯罪」であるのは明白ですから、徹底的に糾弾されるべきだと判断し、これまでの記事でも必ずこの件は指摘しました。今回の記事でも同様です。

 事実確認もせず、懲戒免職を一方的にでっち上げた都教委の行為は重大な問題で、都教委事務局はもちろん、教育委員の責任も厳しく問われるべきだと考えます。

 判決言い渡しの直後に、綿引万里子裁判長に対し、札幌高裁長官栄転の異動が発令されました。これは都教委に対してはある意味、相当なダメージになったのではないかと思います。箸にも棒にもかからない裁判官の判断でなく、「これだけ優秀な裁判官の判断だ」と思わせることになるからです。

 引っ込みがつかなくなった都教委は引くに引けず、完全に進退が極まってしまい、もはや泥沼から抜け出せない状態にあるのかもしれません。しかし彼らは全員が税金で養われている公僕です。主権者である都民に奉仕し学校現場を手助けすることこそが彼らの仕事です。ましてや事件をでっち上げ事実に反する公文書を捏造することなど許されるはずがありません。組織の解体も視野に入れた抜本的改革が望まれます。


4月4日(月曜日) 記者志望の大学生

 高田馬場の喫茶店で、早稲田大学の学生から4時間半ほど話を聞かせてもらった。記者志望ということもあって話が弾む。本来の取材だけでなく、先輩記者の一人として体験談や助言なども。余計なお節介かもしれないけどついつい。志があって問題意識もある若手の存在は、こんな時代だからこそ頼もしく心強くてうれしい。ぜひしたたかに入社試験をクリアして新聞記者になってほしい。

◇◇

 芳林堂書店が自己破産して閉店したのかと思っていたら、書泉が芳林堂の書店事業を引き継いだのか。高田馬場のF1ビルをのぞいたら、芳林堂書店の看板のままで営業が続いていた。以前の芳林堂とは別の「書泉カラー」の本屋さんになってしまうのだろうか。書棚の雰囲気がどこか違うような感じがした。


4月6日(水曜日) 教室から学生があふれ出る

 新年度の授業初日。1年生対象の定員28人の講義(作文演習)に2倍以上の学生が集まって、教室に入りきれずにあふれ出た。立ち見の学生もいる。仕方なく空いている近くの教室を勝手に使って臨時で収容したが、マジで困るし閉口する。新入生たちだって困惑するだろう。

 定員制の講義なのは分かっているのだから、事前に受講希望を取って抽選すればいいではないか。どうして開講前に抽選をしないのか理解に苦しむ。物理的にできるはずだと思うのだが。1回目と2回目の授業は履修者が確定しないので、無駄になってしまうんだよなあ。毎年毎年、懲りずに同じことが繰り返される。ちょっと信じ難い。


4月7日(木曜日) 「裁判で原発を止める」

 あす8日発売の「週刊金曜日」4月8日号の特集「裁判で原発を止める」に、「再稼働を認めた裁判官と再稼働を止めた裁判官の素顔/法曹界の超エリートたちは原発事故を直視しているのか」を執筆しました。「国策」に沿わない判決や決定を出すと左遷人事も。それでも憲法と良心と信念に従った判断を貫くのか、それとも上ばかり見て出世を考えて最高裁事務総局の顔色をうかがいながら判断するのか。だれのための何のための司法かが問われます。


4月8日(金曜日)「メール免職裁判」の判決確定

 【速報】「不適切なメール」を女子生徒に送ったとして東京都教育委員会から懲戒免職処分とされた都立高校の男性教諭が、処分の取り消しを求めた裁判で、処分を取り消した一審の東京地裁判決を支持し、都側の控訴を棄却した東京高裁判決(3月24日付「身辺雑記」参照)に対し、都側は定められた期日までに上告しませんでした。このため、懲戒免職処分の取り消し判決が確定しました。さすがの都教委も、上告しても到底勝ち目がないことだけは、愚か者なりの頭でどうにか理解したようです。

 今後は都教委が男性教諭に対して、どのような理不尽な追加の懲戒処分(再処分)をしてくるか、教諭がいつ教壇に立って授業ができるようになるか、が焦点になります。

◇◇

 【メモ】「メール免職裁判」の今後について、夕方から都内の法律事務所で開かれた弁護団会議(対策会議)に参加する。まずは判決確定を参加者全員で祝福した後、都教委がこの日の午前、男性教諭に対して強行した事情聴取の分析検討、再処分された場合の法的対応、校長陳述書を捏造した都教委人事部職員課の相賀直・管理主事らに対する法的手段、などが話し合われた。


4月9日(土曜日) 政権批判こそ「公正な」報道だ

 東京地検特捜部が甘利明・前経済再生担当相と同氏事務所の口利き問題をめぐって、あっせん利得処罰法違反の疑いで強制捜査に着手。TPP交渉の関連資料はほとんどすべて黒塗り。政府与党はまともな説明をせず、国会答弁も甘利前担当相の国会招致も証人喚問も拒み続けるばかり。デタラメ政権の徹底追及こそ「公正な」報道の責務であり役割だ。

◇◇

 「今の(安倍晋三)総理の言う自由は、総理がヤジを飛ばす自由、総理が憲法を勝手に解釈する自由、総理がメディアを規制する自由なんです」。まったくだよ。実に身勝手な総理だよ。これほど頭のおかしな総理にここまで好き勝手にやりたい放題させるとは、どこがどう「美しい」国なんだ。早くなんとかしないと。

安倍総理の言う自由は「ヤジ・憲法解釈…」民進・山尾氏(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASJ49751YJ49UTFK00C.html


4月11日(月曜日) テレビの終わりの始まり

 新装した「報道ステーション」(テレビ朝日)は「無難」なスタートだった。今後の番組スタッフの切り口やニュースの掘り下げ方と、コメンテーターがどこまで鋭く斬り込んだ発言をするかを注視したい。トップ項目の沢城みゆき(声優)のナレーションは悪くなかったが、その後のニュースのナレーションもすべて沢城みゆきが担当したのは、ちょっと食傷気味だったかも。

 新装「報ステ」はともかく、月曜夜のTBSとテレビ朝日のバラエティー番組のキャスティングには愕然とさせられる。差別主義者で詭弁家で二枚舌の関西系のテレビ司会者と自称弁護士を、なぜわざわざ使うのか理解に苦しむ。何らかの(政治的)配慮があったとしか思えないのだが、こんな反社会的な人物を、しかもよりによって比較的良心的な報道機関とされるTBSとテレ朝が、このタイミングでレギュラー出演者として公共の電波に乗せるとは…。いよいよ終わりの始まりなのか。

 バラエティーや情報番組だとしても、彼らのような人間はあえて一切使わない選択をして、意地でも自分たちの放送局と番組には関わらせない、という姿勢を強く打ち出すことはできなかったのだろうか(もちろんそんなことを公言などしなくてもいいのだけど)。もはやそんな余裕は両放送局にはないのだろうか。なんだかなあ。がっかりだよ。


4月12日(火曜日) 「重版出来」に超期待

 TBSのドラマ「重版出来」は面白かったなあ。ストーリー展開も魅力ある登場人物も俳優陣の演技も演出も、どれも申し分なかった。ここ最近のテレビドラマの中では秀逸の出来だと思う。志や意欲のある新人が前向きに頑張る「お仕事ドラマ」は見ていて気分がいい。主人公に感情移入して応援したくなるばかりか、こちらも奮闘しようという気にさせられる。来週以降にも超期待。


4月13日(水曜日) ライブは聴衆次第

 コンサートや演劇や落語などのライブは、会場に集まったお客さんの質だとか雰囲気に大きく左右されるという。演者や話し手の力量はもちろん重要だが、目の前にいる観客がライブを作り上げる大きな要素となる。演者だけでは決して成立し得ない。まさに二人三脚。演者と会場が一体化することで、初めて成功へと導かれるのがライブの真骨頂だろう。

 聴衆の反応が影響するという点では、授業や講演や演説も全く同じだ。学生と一緒に作っていく授業の場合はなおさらそう思う。学生自身が「教材」の半分以上を占めると言っていい。学生によって授業内容は激変する。年度によって大いに助けられたり頭を抱えたりすることになるのだが、さて今年度は…。


4月14日(木曜日) 地震列島に原発は不要

 熊本県で、熊本地方を震源とする震度7の地震が発生。尋常ではない大きさではないか。これが原発の近くの震源だったらどうなるのか、電力会社と政府は想像してみればいい。鹿児島の川内原発の直下の地震だったらどうするつもりなんだ。全国各地で原発の運転差し止め訴訟を審理している裁判官たちは、この国の住民が大地震と隣り合わせで生きている事実をよく考えて判断せよ。

 熊本では震度7の地震に続いて、震度6弱や震度6強といった非常に強い揺れの余震が続く。日本列島は大地震の危険性に常にさらされているという事実を、今さらながら再認識させられる。原発の再稼働なんてあり得ない。ましてや老朽化した原発の再稼働など論外だ。

 余震でも震度6強って…。もはや本震とほとんど変わらない。そもそも震度7の地震は東日本大震災以降はなかった。それと同程度の大規模地震。被害が次第に判明するのが心配だ。何回でもしつこく言うが、原発事故が起きたら取り返しがつかない深刻な事態を招く。こんな地震列島で原発を稼働させるのは自殺行為だ。学習能力のない電力会社もアホ政権もいい加減に気付けよ。

◇◇

 熊本の大地震に関係なくさっさと引っ込んだ「NEWS23」の星浩キャスターと違って、「報道ステーション」の番組枠以降も引き続き、地震情報を伝え続ける富川悠太アナと小川彩佳アナのコンビに、報道&アナウンサー魂を見た。さすがに翌日(既に今日)の放送に影響がないか心配。若いから体力も気力もあるのだろうが、午前2時を過ぎてようやくほかのアナウンサーと交代した。

◇◇

 安倍政権になってからますます貧困格差は広がるばかり。教育立国を掲げ人材育成こそ最重要課題としてきたはずのこの国で、経済格差が拡大し貧困層が増えてくれば、当然それは子どもの教育機会にも大きな影響を及ぼす。何が「一億総活躍社会」だ。何が「美しい国」だ。実に「情けない国」だよ、まったく。

子どもの貧困格差、日本は先進41カ国中34位(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASJ4D6305J4DPTFC014.html


4月15日(金曜日) 原発事故が起きてからでは遅い

 昼過ぎから都内で取材。その足で永田町へ。午後2時半から衆議院第一義員会館。超党派議員連盟が成立を目指している「不登校法案」に反対し、白紙撤回を求める不登校当事者や保護者らの記者会見に顔を出す。親の会の代表、当事者の会の代表、NPO法人の全国ネットワーク代表、弁護士、教育学者ら10人以上が延々と意見表明するので、2時間半近くに及ぶ会見になった。長すぎるよぉ。

 その後さらに同会場で3時間近く関係者の意見交換会。そして首相官邸裏の溜池山王の居酒屋で懇親会。そんなわけで、またしても終電ギリギリで帰宅するのだった。超眠い。

◇◇

 熊本でまた震度6強の地震(16日午前1時25分)。さらに立て続けに震度6弱などの大きな地震が何回も発生。一昨日の14日から16日未明にかけて、もはやどれが本震でどれが余震なのか不明といった状況が続く。14日の激しい揺れとは全く別の地震が起きているとの説も有力だ。有明海と八代海沿岸には津波注意報も出された。愛媛でも大きな揺れを観測した。玄海原発(佐賀県)も川内原発(鹿児島)も伊方原発(愛媛県)も、とにかく原発はすべて危ないということだろう。

 地震列島のこの国では、いつどこでどんな大地震が起きるか分からない。つまりいつでもどこでも大地震に襲われる可能性があるのだ。そんな場所に原発を設置し運転するのはどう考えても無理がある。非常識極まりないと言わざるを得ない。直下型地震が発生したらどうするのか。とにかく原発はすべて今すぐ止めるべきだ。取り返しがつかない事態が起きてからでは遅い。


4月16日(土曜日) 地震活動拡大と原発の危機

 今後の地震活動について、専門家はさらに別の活断層が動く可能性を指摘。地溝帯沿いの多数の活断層は、四国や紀伊半島を通る中央構造線断層帯に連なる。地震活動が南へ拡大する可能性も。連動する地構帯や断層帯が刺激されたら、東にも南にも地震の活動範囲が広がり得るということではないか。川内原発(鹿児島)も伊方原発(愛媛県)もマジで危険だ。

 危険性が指摘され予見されたら、まずは安全確保のためにストップするのが基本中の基本ではないのか。新幹線だって在来線だって危険を察知したらただちに停止するではないか。なぜ原発は止まらない(止めない)のか。大惨事が起きてからでは遅いのに。電力会社や政府の思考は異常としか言いようがない。

「震源、じわじわと東に」別の活断層に影響の可能性(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASJ4J34VYJ4JULBJ00G.html

◇◇

 年間被ばく線量の国際基準について事実無根のデマを平然と公言するなど、環境相としての知識も見識もなく国会議員の資質にも欠ける丸川珠代に、原発についてあれこれ言う資格などないはず。とりあえずお前は黙ってろ。不愉快極まりない。

川内原発「停止させる必要ないと判断」丸川環境相(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASJ4J40XNJ4JULFA006.html

◇◇

 菅義偉官房長官「(振動が)基準よりも低いので異常がなく、現状において心配はない」。現時点の揺れが問題なのではない。いつ原発直下で大地震が起きるか分からない状況で、なぜ原発を停止しないのか、そこが問題なのに。最悪の事態を想定して、最善の安全対策を講じるのが危機管理ではないのか。「振動が低いので心配ない。現状で原発を停止する必要はない」だなんて、原子力規制庁の役人や政府首脳の発想はどう考えてもまともではない。国民を愚弄するにもほどがある。

官房長官「原発は異常なし」原子力規制庁から報告(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASJ4J4GNCJ4JULFA009.html

◇◇

 熊本地震に対する安倍政権の対応が的外れで不的確すぎる。大規模地震が頻発する中で「屋内避難を指示」なんてあり得ないし非常識そのもの。まったくどこまで被災者の神経を逆撫ですれば気の済む無能な総理大臣なのか。現場の状況や心情を察することなく、ほんのわずかな想像力も働かず危機管理能力も欠如。川内原発の即時停止をかたくなに拒むのも同様だ。

熊本地震:首相、屋内避難を指示、「現場を知らぬ」知事が不快感(毎日)

http://mainichi.jp/articles/20160416/ddp/001/040/003000c


4月17日(日曜日) TBSの公共広告が多すぎる謎

 TBSテレビ(情報7daysニュースキャスター)で流されるACジャパンの公共広告放送が異様に多い。なぜだろう。ほかの民放各局では比較的普通に企業CMが流されている。他局もたまには公共広告を流しているが、TBSの放送量は半端なく多い。熊本大地震に配慮した企業側の都合による自粛だけが、理由とも思えないのだけど。


4月18日(月曜日) 意味不明で訳が分からない

 まったくもって安倍政権の震災対策は意味不明で、さっぱり訳が分からない。被災地への対応だけでなく、原発も経済も外交も国会答弁も。

 まともに説明しないばかりか堂々と嘘八百を並べ立てる。都合が悪くなると逆ギレしてヤジを飛ばし誹謗中傷をまくし立てる。専門家さえも予想できない大地震が頻発している時に、止めるべき原発を止めない。耐用年数を過ぎた老朽化した原発の運転期間を平然と延長してさらに動かそうとする。

 これまでのどんな内閣でもこれほど支離滅裂で酷いのはなかったんじゃないかな。これでもし再び原発事故が起きたら、いったいこの国はどうなってしまうのだろう。これほど明らかに頭のおかしな総理大臣と、強制的に心中させられるなんて絶対嫌だよ。勘弁してほしい。

◇◇

 3000字ほどの原稿をようやく書き終えて出稿。写真3枚も無事に送信して、ほっと一息。


4月19日(火曜日) 「重版出来」第2話も秀逸

 ドラマ「重版出来」(TBS)は2話目も抜群に面白かった。やる気と志と才覚と行動力のある人間は、どんな部署でも力を発揮するし、周りの人間もいい意味で感化され影響を受けてプラス方向に展開する。ドラマの中だけでなく実社会でも全く同じだ。こういう話は見ていて気持ちいいし、頑張ろうという気にさせられる。

 編集と営業と書店員さんの熱いスクラム。熱意と誠実さと真摯な姿勢が心を動かして、しかもそれがきちんと結果に結びつく。嘘っぽい作り話でなくて結構リアルな話であるだけに、余計に感動するよなあ。ええドラマやった。

◇◇

 環太平洋経済連携協定(TPP)の承認案と関連法案は、今国会での成立困難な情勢で先送りに。そうなることが分かっているのに、国会ではTPPに多くの時間を費やしながら、熊本地震に関する質疑はろくにしない。いったい何を考えているんだ。そして今月下旬には欧州外遊に出かけてしまう安倍首相。どうやら熊本地震の被災地支援や原発対応は二の次らしい。安倍首相の頭にあるのは、選挙対策と政権維持と憲法改正だけなのだろう。


4月20日(水曜日) 無自覚過ぎるNHKキャスター

 テレビは萎縮することなく伝えているか。各局の報道番組のキャスターたちに聞く朝日新聞の連載企画。1回目はNHKニュースウオッチ9(NW9)の河野憲治キャスター。「僕たちの現場で外から圧力を感じたり、萎縮して忖度したりすることはありません」。本気でそう思っているのだとしたら、あまりにも無自覚で鈍感過ぎるし、いろんな意味でアンテナの感度が摩耗し過ぎていると思う。

 NHKのニュース番組が、いったいどれだけ政権与党の意向に沿ったニュースを垂れ流していることか。別の言い方をすれば、伝えるべきニュースを伝えていないということだ。もはや報道機関などと称することはあり得ず、安倍政権の広報宣伝機関あるいは事実上の国営放送と表現するしかない。そんなNHKの現状を把握していないことと、その現状に危機感を抱いていないこと自体が、そもそもジャーナリストとして失格だ。

教えて!ニュースキャスター(1)表現の自由、「過敏」であるべき、河野憲治さん(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12318485.html?ref=nmail

◇◇

 大学の文章講座の授業2クラスで、昨夜のドラマ「重版出来」について少しだけ触れた。「自分の思いを相手に伝えるには、具体的に分かりやすく表現することが大事」という流れで話したのだが、ドラマに対する僕の感動の度合いがどれだけ伝わったかは分からない。最近の大学生はテレビを見ていないし、ましてやドラマなんて見ないみたいだし。そもそもテレビドラマには興味や関心があまりなさそうだもんなあ。でもやっぱりオススメ。


4月21日(木曜日) 命と安全よりも目先の利潤

 「福島第一原発事故への反省から決めたルールが、早くも骨抜きになろうとしている」「首相はなしくずしに方針を転換してきた」。朝日社説の指摘の通り。まさに本末転倒で支離滅裂で強引な原発推進策。全く理解できないし許し難い。安倍政権が何よりも優先するのは、国民の命と安全よりも、経済効率と電力会社の目先の利潤だ。こんな連中にこの国の未来を任せるわけにはいかない。だれがどこからどう見ても「亡国政権」そのものではないか。「愛国右翼」を自称する人たちはなぜ、安倍政権を徹底糾弾しないのだろう。不思議でならない。

原発40年規制、早くも骨抜きなのか(朝日社説)

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12320288.html?ref=editorial_backnumber


4月22日(金曜日) 世界が認める「報道の不自由な国」

 「国境なき記者団」による「報道の自由度ランキング」で、日本は2010年の11位から年々順位を下げ続け、2016年の日本の順位は前年の61位からさらに下がって72位だったことについて、菅義偉官房長官が「わが国は憲法で表現の自由が保障されている」などと主張した。

 いくら憲法に立派なことが書いてあっても、政府がその最高法規を遵守せず、蹂躙し冒涜していることが問題なのだが。そう言えば中国政府高官も、言論弾圧や人権抑圧の批判に対して同じような反論をしていたが、安倍政権と中国政府の体質はそっくりではないか。

 そもそも「報道の自由度ランキング」で日本が坂道を転がり落ちるように順位を下げているのは、安倍政権になってからだ。先進各国のメディアや人権団体からこうした日本の言論状況が厳しく批判されながら、安倍政権はよく恥ずかし気もなくサミットの議長国なんかやれるものだと思う。たぶん各国の首脳も内心では安倍政権を軽蔑しているに違いない。みっともない。

報道の自由「極めて確保」菅氏、ランキング下落に反論(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASJ4P4WFDJ4PUTFK003.html


4月23日(土曜日) 既に政権の広報宣伝機関なのに

 NHKの籾井勝人会長が「原発については公式発表をベースに伝えることを続けてほしい」と理事や局長らに指示。もう既に十二分なほど安倍政権の広報宣伝機関の状態なのに、さらに大本営発表を徹底せよとは。心配性にもほどがある(皮肉)。

 テレビ画面のL字テロップでNHKは何回も何回も、「稼働中の鹿児島川内原発1・2号機、異常なく運転」「原子力規制委『川内原発、運転を続けても問題ない』」「停止中の佐賀・玄海原発、愛媛・伊方原発、松江・島根原発、異常なし」などと、一方的な政府広報をしつこく繰り返し垂れ流しているではないか。さらに広報活動を徹底強化せよと、余計なことは伝えるなということか。

 活断層と原発の危険性について徹底検証せず、原発の運転停止を訴える声にも触れず。権力を監視し批判する報道機関としての役割を、NHKという組織は完全放棄している。NHKの職員はこれでいいと本気で考えているのか。「おかしい」とか「なんとかしなければ」という思いはないのか。

 厳しい言い方になるかもしれないけど、何も行動せずものを言わないNHK職員も、籾井会長の共犯で同罪だと思う。「あのとき発言して行動していればよかった」では遅い。戦時中や軍事独裁国家ではまだないのだから、団結して行動することはできるはず。それこそがジャーナリズムの使命を果たすことではないだろうか。あまり期待せず、でもほんの少しだけ期待する。

熊本地震:原発報道「公式発表で」NHK会長が指示(毎日)

http://mainichi.jp/articles/20160423/k00/00m/040/126000c


4月25日(月曜日) 今期テレビアニメ評

 【今期アニメ評】はっきり言って今期放送のテレビアニメは不作だ。「毎週見るのが楽しみ」「どうしても次回も見たい」と思える新作は3本しかない。

 ◎「Re:ゼロから始める異世界生活」(テレ東)、◎「境界のRINNE第2シリーズ」(NHK教育)、◎「ふらいんぐうぃっち」(日テレ)、◎「ちはやふる」(MX=再放送)、◎「夏目友人帳シリーズセレクション」(テレ東=再放送)、◯「甲鉄城のカバネリ」(フジ)、△「少年メイド」(TBS)。

 このほかは残念ながら、見続けるのは苦痛としか言えないものばかり。あまりにも安直で馬鹿馬鹿しくて、ひねりも独創性もなくて二番煎じで、退屈すぎて視聴に耐えられないなあ。


4月26日(火曜日) 権力監視機能を放棄したNHK

 ドラマ「重版出来」(TBS)は主人公の新人編集者の黒木華が断然はまり役だ。副編集長のオダギリジョー、先輩編集者の荒川良々、編集長の松重豊といった面々も文句なし。第3話の今夜は出番がなかったが、重鎮漫画家の小日向文世(第1話)や営業部長の生瀬勝久(第2話)の演技もさすがだった。話が面白いのはもちろんだが、俳優陣の演技もこのドラマの大きな魅力だ。視聴率がどういうわけかイマイチ低いというのが残念で、ものすごく謎である。

◇◇

 衆院総務委員会で籾井勝人会長が、「原子力規制委員会が安全である、続けていいということであれば、それをそのまま伝えていく」と説明。権力監視機能を完全放棄したNHK。現時点で原発に異常がないことと、大地震で壊滅的被害が出る危険性があることとは全く別だ。規制委の判断や政府の主張を鵜呑みにせず、批判的に検証することこそが報道の役割ではないか。

 何回でも言うが、「稼働中の鹿児島川内原発1・2号機、異常なく運転」「原子力規制委『川内原発、運転を続けても問題ない』」というテロップを、繰り返し流し続けるNHKはどう考えてもおかしい。川内原発に今は異常がなくても、直下地震が起きれば取り返しのつかないことになる。だから運転停止を求める声が広がっているというのに。これでは報道機関でなく広報宣伝機関だろう。公式発表だけをそのまま伝えるNHKの姿勢を、籾井会長は公然と肯定し正式に認めたわけだ。もうどうしようもないな。

NHK会長「原発はコメント加味せず報道」再び持論(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASJ4V7560J4VUCVL02P.html


4月27日(水曜日) 前の時間が休講だと

 前の時間の講義が休講だと、次の講義の出席状況にも影響が出ることを初めて知った。やけに欠席者が多いと思ったら、前の時間から続いてそのまま次をさぼっちゃうのか。まあ気持ちは分からなくもないけど。「時間つぶしをしていたら授業時間を間違えて出られませんでした」と授業終了後に、わざわざ申告に来た学生がいた。意外(?)に真面目で律儀じゃないかとちょっと感心。

◇◇

 仏の顔も三度まで。そもそも3人死傷事故を起こした欠陥車リコール隠しの時点で致命的だった。そんな反社会的な会社が存続していること自体が不思議なほど。燃費データ偽装どころの話ではなかろうに。僕なら三菱の車は絶対に買わない。

 三菱自動車はもう会社組織そのものを解散して、車の製造を止めた方がいい。むしろ自動車製造業から完全に足を洗うべきだと思うよ。信用失墜云々以前の問題で、公道を歩き車で走るすべての人にとって生死に関わる問題だ。危なくてしょうがない。

三菱自の客離れ深刻、1日当たりの新車受注半減(読売)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160427-00050084-yom-bus_all


4月28日(木曜日) 「高校新聞と生徒自治」

 「週刊金曜日」4月29日・5月6日合併号の「日本国憲法特集」に、「高校新聞と生徒自治/原子力教育を紙面で批判/受け継がれる不屈の記者魂」を執筆。新聞が持つ批判力や監視機能を受け継ぎ、ジャーナリストとしての感性を発揮する高校新聞部の記者魂をレポートしました。

 本来の高校新聞は、学校の「広報」ではなく「ジャーナリズム」そのもの。新聞部や生徒会は高校生の言論・自治活動です。生徒自身の自由な取材と紙面制作(記者活動)を保障することこそ、本当の意味での「主権者教育」なのではないかと思います。


4月30日(土曜日) プリンターのインク

 プリンターを買い替えてからインクの減り方が激しい。前のプリンターと比べて2倍とまでは言わないけれど、1・5倍くらいのスピードで「インク残量がわずかになりました」と表示される気がする。プリンターの製造販売メーカーはインクの販売で大きな利益を得ているという話を聞いたことがあるが、ちょっとあこぎすぎないかと思わざるを得ない。


ご意見・ご感想などは<こちら>まで

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