身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2016年5月1日〜5月31日

●新人アニメーター講座●執筆者への筋と礼儀●憲法遵守するのは権力者側だ●懲りない日本外交●腐りきった都教委という組織●裁断廃棄はNGワード●あり得ない2連発●セコ過ぎるネズミ男●出稿●添削●情報統制●緊急地震速報●今夜の「重版出来!」●王将にて●かなりヤバいこの国●壊れたレコード●短い記事だけど●そこに米軍基地があるから●誤りを認めることの大切さ●ネット粘着の思い込み●日米地位協定の改定なぜ迫らない●仕事に不可欠な道具●気迫に欠けたオバマ演説●高水準の「主権者教育」●「不登校法案」●●●ほか


5月1日(日曜日) 新人アニメーター講座

 東京・田無(西東京市)へ。ベテランアニメーターのふくだのりゆき氏が主催する「ようこそアニメ業界へ/新人アニメーターオリエンテーション」を見学した。多忙を極める業界で、基礎を教わる機会のない原画マンや制作進行を対象に、アニメ制作の基本を伝授し交流の機会も設けるという自主講座だ。さまざまな制作会社(スタジオ)から約30人が参加。先輩の話に熱心に耳を傾けていた。新人を育てたいとの使命感に支えられた無償企画に拍手。


5月2日(月曜日) 執筆者への筋と礼儀

 きのう5月1日に放送されたTBSラジオの番組「渋谷和宏・ヒント」が、「週刊金曜日」の伊田浩之副編集長をゲストに招き、4月8日号に掲載された記事「原発の再稼働を認めた裁判官と再稼働を止めた裁判官の素顔」(拙稿)を取り上げた。記事を基に、原発訴訟をめぐる裁判官の人事異動などの「司法の闇」を紹介する内容だったが、執筆者について何ら触れることなく進行する番組には、不可解さと不信感を覚えざるを得なかった。

 原発特集に力を入れる編集姿勢を雑誌編集者が説明するのは大いに結構なことだし、担当裁判官の動向について説明するのも問題は何もない。各裁判官の経歴を紹介することも、公表されている事実だから遠慮するようなことは全くない。しかし、それぞれの経歴に対する「評価」をはじめ、人事異動の「背景や分析」などに関する事柄は、記事執筆者の独自取材と判断に基づいて書かれたオリジナルの著作物にほかならないのだから、引用者は自分の言葉とは区別して紹介すべきだろう。

 記事の文章を読み上げているだけにもかかわらず、あたかも出演者自身の取材結果や見解のように語るのは、執筆者への礼儀に反するばかりか、著作物に対する正当な扱いとしておかしくないか。記事の執筆者について何も説明されないまま、記事内容を自分の言葉として公共の電波に乗せるのは、引用・出典などの断りなしに記事や論文を書くのと同じではないか。取材の成果を掠め取られたような違和感と不快な思いを強く抱いた。

 番組では、「『週刊金曜日』4月8日号に掲載された『原発の再稼働を認めた裁判官と再稼働を止めた裁判官の素顔』という記事に注目した」と説明しているからそれで十分だ、と考えたのかもしれない。しかし、ラジオを聴いている人たち全員が「週刊金曜日」の当該記事を必ずしも読んでいるとは限らない。むしろ「そんな記事が掲載されていたのか」と初めて知った人の方が圧倒的に多いだろう。ゲスト(もしくは編集部員)による記事だと受け止めた聴取者は少なくないのではないかと推測する。

 だとすれば、記事の執筆者について「最低限の説明」はするべきではないか。それが筋であり礼儀ではないのか。メディアに携わる人間として信じ難い対応だ。番組のパーソナリティーである司会者もゲストも、どうしてひと言だけでも触れて説明しなかったのか理解に苦しむ。取材記者としても著作権者としても納得できない。

 【追記】「週刊金曜日」の伊田浩之副編集長から電話がありました。「番組側が触れなくても、編集者からひとこと執筆者について紹介するべきだった。慣れない出演でテンパっていたとはいえ申し訳なかった」との言葉をいただきましたので、了解しました。(2016/05/10追記)


5月3日(火曜日) 憲法遵守するのは権力者側だ

 安倍晋三が改憲派集会に寄せたビデオメッセージ「憲法は国の未来、理想の姿を語るもので…」。改憲派の憲法観は根本的に間違っている。憲法は、天皇や首相や国務大臣や国会議員ら権力者の暴走を縛り、権力者がやっていいことと悪いことを示すために存在している。憲法を守る義務があるのは国民ではない。権力者側にこそ遵守義務がある。

 国の最高法規である憲法は権力者に守らせるためのもので、その憲法に従って政治を行うのが立憲主義だ。憲法は国民に守らせて国民を縛るための道具では断じてない。権力者の価値観を一方的に押し付けるための物語や作文でもない。権力者の都合のいい詭弁に国民は騙されてはいけない。権力者に勘違いさせてはいけない。

 そもそも改憲派の主張と論理は主客転倒している。「国民あってこその国家」「国民に奉仕するのが国家」であるはずなのに、改憲派は「国家あってこその国民」「国家に忠誠を誓い服従するのが国民だ」などと主張する。そのうえ御国のために死ぬのは当然とまで言ってはばからない。あまつさえ国家(政府)に異を唱える者を「非国民」や「反日」と決め付けて排除する。

 こんな乱暴で馬鹿げた国家観に従えるものか。いったいどこの軍事独裁国家だよ。こんな時代錯誤の乱暴な国家観に基づいた連中が起草した憲法草案など、それこそお里が知れるというものではないか。「思考停止」しているのは安倍晋三や改憲派の連中のオツムだと思うよ。

◇◇

 漫画家・小説家といった執筆者と編集者との関係は、確かに出会うタイミングや相性や運によって大きく左右されるよなあ。真摯で親身な対応をする人か否か、編集者に的確な助言ができるだけの知識や才能があるかどうかも重要だ。アタリもあればハズレもあるよね。今週もドラマ「重版出来!」(TBS)は、面白いだけでなく含蓄のあるいい話だった。

 何はともあれ、新人編集者の黒沢心さん(黒木華)が面倒を見た御老体が、漫画家デビューできたのはよかった(微笑)。

 同人誌即売会や出版各社も全面協力のドラマ撮影だったのか。すごい。道理でリアルなはずだ。細部まで手を抜かずしっかりていねいに描くドラマは、間違いなく良いドラマだと言っていい。

<ドラマ「重版出来!」に同人誌即売会コミティアが登場!本物のコミティアをスタジオ内に再現した異例の撮影現場を写真で紹介!!>(コミスン=comic soon)

http://comic-soon.shogakukan.co.jp/blog/report/juhan-tv-comitia-offstage-report/


5月7日(土曜日) 懲りない日本外交

 懲りない愚かな日本外交。ロシアはいったん自分のものにした領土を1ミリたりとも返す気などない。返すわけがない。安倍晋三はプーチンの台詞を都合よく解釈して得意満面のようだが、先方は歯牙にもかけないと思うよ。いつものように金だけふんだくられて、いいように利用されて適当にあしらわれてうやむやにされるのが落ち。同じことを何回繰り返せば気が済むのだろう。

 無駄にばらまく金があるなら国内に回せよ。いい加減に北方領土はあきらめて、福島原発の事故処理や福祉や年金や教育の分野に、貴重な税金を使った方がいい。そもそも安倍の自己満足としか思えない選挙前パフォーマンスのために、われわれの血税を浪費するなんて許し難い愚行だ。学習能力のない馬鹿ほど始末に負えないものはないという話。

安倍首相、対ロ経済協力表明=領土交渉進展へ切り札(時事)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160507-00000058-jij-pol


5月9日(月曜日) 腐りきった都教委という組織

 【速報】「メール免職裁判」で懲戒免職処分を取り消す判決が確定した都立高校の男性教諭に対し、東京都教育委員会は9日、停職6カ月の再処分を発令した。

 複雑な家庭環境で親から虐待されていた女子生徒を男性教諭がフォローし続けていた事実が東京高裁で認定され、都教委による懲戒免職処分の不当性を厳しく批判する判決2016年3月24日付「身辺雑記」参照)が確定したにもかかわらず、人権侵害とも言えるこうした処分を平然と、しかも執拗に行う都教委という組織は(事務局だけでなく処分を認めた教育委員も)腐りきっている、と改めて思う。

 男性教諭を停職処分にする(これ自体不当だが)と言うのであるならば、事実に反する校長の陳述書を捏造(公文書偽造同行使)して裁判所に提出させた都教委幹部(人事部職員課の相賀直・管理主事)こそ、信用失墜行為で懲戒免職されなければおかしいのだが、現時点で男性教諭以外の処分発令は確認していない。

 捏造した証拠を堂々と裁判所に提出し、法定での審理を公然と愚弄し、確定判決の事実認定を一顧だにしない。これほど理不尽で不公正な処分と著しく社会正義に反する教育行政が、まかり通っていいのだろうか。当初から取材を続けてきた記者としても一人の市民としても、全く理解できないし納得できない。ふつふつと怒り(私憤ではなく公憤である)がわき上がってくる。

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 【北朝鮮そっくりニュース】日本の公共放送NHKの取材班が、アベジョンイル体制や原発政策について不適切な報道を行ったとして、モミジョンイル一派の事情聴取を受け、放送や取材の中止を命じられ、番組改編や左遷人事などの処分を受けていたことが分かりました。BBCなどが9日、伝えたものです。男性記者がおよそ8時間にわたって放送内容について尋問を受けたということです。

 アベジョンイル政権の当局者は、AP通信などの取材に対して「事実をゆがめた報道をし指導部を批判した」と述べました。アベジョンイル政権は、国内外のメディアによる体制批判に神経をとがらせており、過去にもメディア関係者が当局の恫喝や圧力を受けるなどしたケースが起きています。

◆なぜかそっくり参考記事=北朝鮮当局、英BBC取材班を一時拘束、退去処分に(NHKニュース)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160509/k10010513621000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_006


5月10日(火曜日) 裁断廃棄はNGワード

 今夜放送のドラマ「重版出来!」第5話も面白かったが、出版関係者や著者には間違いなく身につまされる辛い話だった。単著を出して数年後、担当編集者に「倉庫に本を置いておくのにもお金がかかる」と言われたことを思い出した。裁断廃棄処分の危機は免れたけど、残念ながらその本は重版出来にはならなかったなあ。裁断廃棄は辛過ぎるNGワードだ。

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 【おことわり】5月2日付「身辺雑記」の文末に「追記」を掲載しました。


5月11日(水曜日) あり得ない2連発

 イオン金沢八景店(旧ダイエー)の2階ホールで午後7時前、中学高校生らしい男子生徒5人ほどが騒いでいた。衣料品売り場のすぐそば。男女の店員数人は分かっているはず(大声で騒いでいるのは聞こえているはず)なのに放置したまま。信じられない。こんないい加減な店で買い物をする気になるだろうか。そのうちエレベーターで悪ふざけしたり、カートに乗って通路を走ったりと次第にエスカレートしていった。それでも注意も制止も何もしない。

 「注意しないのですか」と店員に尋ねると顔を見合わせて「分かりました」。接客業としてあり得ない対応だろう。快適な環境で買い物を楽しんでもらおうという客に対する気配りも、やる気も熱意もプロ意識も全く感じられない。道理で客もまばらなはずだ。ダメだねこの店。こういう店に未来はないと思う。少なくとも僕はもう利用しないし近付かないことにする。ご愁傷様。

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 突っ込みどころがあり過ぎて、しかもなんら説得力がなく、詭弁とも言えないお粗末な言い訳ばかり繰り返す舛添要一・東京都知事には、あきれてものが言えない。湯河原の別荘に通っていたことについて「今後は公用車は使わない」。問題はそこじゃない。毎週末に任地から離れてしまうことが、東京から遠く離れた湯河原に出向くこと自体がそもそもあり得ない話だ。無責任にもほどがある。そして公私混同。

 舛添都知事が強弁を重ねれば重ねるほど、怒りと嫌悪感と不信感は増すばかりだ。間違いなく都民の反感は急カーブを描いて上昇していることだろう。冗談みたいな見苦しい言い訳を偉そうに重ねることが、どれほど納税者である主権者の怒りを増幅させているか、たぶん本人は分かっていないのだろう。辞任も秒読みかな。


5月13日(金曜日) セコ過ぎるネズミ男

 本当に会議をやっていたにせよ、やってなかったにせよ、重要な会議だったにせよ重要でなかったにせよ、いずれにしても家族旅行の宿泊費や飲食費をまるごと政治活動費だと言い張る舛添都知事の言い訳に、納得する都民がいったいどれほどいるのか知りたい。

 ネズミ男の非常識さと厚顔無恥な言い訳の酷さに呆れるばかり。見苦しいしみっともないよなあ。有権者を愚弄するデタラメで珍妙な弁明ばかりだが、とにかくセコい。セコ過ぎる。小銭をちょろまかすにしても、そのやり方や言い訳のすべてがセコい。

 「定例会見後、湯河原の別荘に行くんですか?」。爆笑。昨夜の囲み取材での記者からの質問とのことだが、きょう13日の都庁会見でも同じ質問をすればよかったのに。

舛添都知事「会見後湯河原行くんですか」に怒気も(日刊スポーツ)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160513-00000083-nksports-pol


5月14日(土曜日) 出稿

 50行ほどの短い原稿を2本書いて出稿。


5月15日(日曜日) 添削

 学生の作文を読んで添削。なかなか労働意欲が湧いてこなくてエンジンがかからない。ちなみに作文の内容そのものは次第によくなっていて、確実にレベルアップしている。文章表現力はもっと勉強する必要があるけど。


5月16日(月曜日) 情報統制

 取材を受けることで「生徒が過剰な負担を感じる場合もある」と宮城県教委は説明するが、それは生徒本人が自主的に判断することだろう。官製情報しか外に出すな、と学校や教員に事実上の圧力をかけているのと同じではないか。これこそまさに「情報統制」。どこかの島国の政権がやっていること(やろうとしていること)とそっくりだ。

宮城県教委、生徒への取材仲介「不適切」と通知(NHK)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160516/k10010522651000.html?utm_int=news_contents_news-main_005

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 茨城県北部で震度5弱。茨城南部、栃木南部、埼玉、千葉、神奈川東部などで震度4。東京、神奈川西部などは震度3。横浜南部の自宅も結構強い横揺れを感じた。揺れ始めるとほぼ同時に、久しぶりにケータイの緊急地震速報が鳴った。地震が起きるといつも大騒ぎする自宅裏山のカラスどもは、なぜか今夜は静かだった。

 こんなふうに、いつでもどこでも大きな地震が起きる国に僕たちは住んでいるのだから、原発なんか造るな、動かすなといつも言ってるじゃないか。悪いことは言わないから、さっさとすべての原発の廃炉に向けて動き出しなさい。


5月17日(火曜日) 今夜の「重版出来!」

 今夜の火曜ドラマ「重版出来!」(TBS)は、「新人ツブシ」の異名を取るベテラン編集者にスポットが当てられた。所属していた漫画週刊誌がかつて廃刊に追い込まれ担当漫画家との関係が壊れたトラウマから、熱血編集者が「サラリーマン編集者」に変貌した過去が明らかになる。

 担当編集者を一方的に非難する漫画家もどうかと思うが、それがきっかけで「9時─5時」勤務の「サラリーマン編集者」に徹するようになって、会社の利益「だけ」を優先させているというのも、あまりに極端すぎるのではないか。話自体は相変わらず面白く、出演陣の演技も魅力的なのは変わらないし、編集者の心情も分からなくはないけど、しかしそれでも紋切り型な「トラウマ編集者」の描き方がちょっと引っかかった。


5月18日(水曜日) 王将にて

 餃子の王将で餃子定食を頼んだら、隣の席に座っていた年輩の男性が、「あんちゃん今、定食を注文したやろ。これあげるわ」と言って定食の割引券をくれた。見ず知らずのおじさんは食事を終えて帰るところだったようで、「ほな」と店を出て行った。親切なおじさん、どうもありがとう。(ちなみに実際の男性の台詞は大阪弁ではありません。雑文執筆上の演出です。)

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 中学生でも知っている「行政、司法、立法」の区別すらつかない安倍晋三は、やはり正真正銘の筋金入りの馬鹿だった。憲法を読まず理解できず、立憲主義も知らない内閣総理大臣。だからこそ何でもアリなんだな。かなりヤバいよ、この国。

安倍首相「私は立法府の長」衆院予算委、混同し発言か(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASJ5L6H5HJ5LULFA03N.html


5月20日(金曜日) 壊れたレコード

 「厳しい第三者の目で調査してもらう」と、壊れたレコード(死語)のように同じ答えを延々と繰り返す舛添都知事の記者会見。全く中身のない答弁をエンドレスで繰り返すだけ。酷い。もはや詰んでいるのが明らかな「へぼ将棋」を、ただただ引き延ばしているだけじゃん。質問の答えになっていない答弁をひたすら繰り返すのは安倍首相も同じだけど。

 アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」の「エンドレスエイト」よりも酷いものを、舛添都知事の記者会見で目の当たりにした感じ。ネズミ男は都民や有権者や記者を馬鹿にしているとしか思えない(僕は元都民だけど有権者ではあるぞ)。

 間違いなくお手盛の「厳しい第三者の専門家」になるのだろうけど、もしも「厳しい第三者の専門家」に軒並み断られたらどうするのだろう。調査結果が出せないから公表もできないし説明もできない、という屁理屈(詭弁)になるのかなあ。

 【悲報】「厳しい第三者の目」が今年の流行語大賞の候補に急浮上か。三省堂「新明解国語辞典」も注目か。→(語釈候補)【厳しい第三者の目】「政治家の生態を公衆に見せるため専門家に調査を依頼すると称し、突きつけられた多くの疑惑や使途不明金に対し、お手盛りのごまかしを算段し、公私混同の事実をうやむやにする、都知事をはじめ政治家独特の手法。」

舛添知事、辞任は否定、支出問題は第三者に調査依頼へ(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASJ5N4QBHJ5NUTIL022.html

◇◇

 またもや沖縄の米軍関係者(元米兵)による凶悪犯罪で、地元沖縄の住民に犠牲者が。安倍晋三は本気で「強い憤りを覚える」のなら、何はともあれ沖縄の基地負担をまず軽減しろよ。「綱紀粛正と再発防止を求めていく」などと十年一日の世迷い言を繰り返すのではなく。

安倍首相「強い憤り覚える」米国に厳正対応を要求、米軍属逮捕(時事)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160520-00000027-jij-pol

 根本的な解決策は基地撤去しかないだろう。ましてや名護市辺野古に米軍基地を新しく造るなんてあり得ない。「米軍普天間飛行場の移転先の選択肢は辺野古だけ」と馬鹿の一つ覚えのように繰り返す安倍内閣は亡国政権だ。

社説「米軍属女性死体遺棄、日米両政府に責任、防止策は基地撤去しかない」(琉球新報)

http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-282393.html


5月21日(土曜日) 短い記事だけど

 「週刊金曜日」5月20日号に、「『不適切メール』免職教諭に停職6カ月の再処分」と「教育機会法案を4党共同で衆院提出」の短い記事2本を執筆しました。

 「停職6カ月の再処分」の記事は、これまでもこの「身辺雑記」で報告してきたように(2016年3月24日付「身辺雑記」ほか参照)、東京都教育委員会の異常さと暴走ぶりを整理しコンパクトにまとめたものです。都教委の一方的な発表を鵜呑みにして、ろくに取材もせず書いている一部報道が、事実とは全く異なっていることがよく分かる記事です。ぜひお読み下さい。

 「週刊金曜日」に「教育機会確保法案を衆院に提出」の原稿を出して校了した後に、衆院文部科学委員会が衆院採決を先送りにして継続審議にする方針を決定したという話が入ってきた。雑誌ではタイムリーに対応できないのが辛いところ。時期的にピントのずれた短信記事になってしまった感は拭えないなあ。

 参院の民進党から、今夏の参院選の野党共闘を見据えて、「共産党と社民党が反対している。全会派一致でないとまずい」との声が上がったのが先送りの判断理由のようだ(朝日)。そもそも超党派議連は一貫して「全会派一致で成立を目指す」と言っていたのだから、それなら最初から法案提出などしなければよかったのに。魑魅魍魎の政界の動きはもう何がなんやら。

 みんなが納得できるように、もっとたっぷり時間をかけてじっくり議論すればいいじゃないか。なぜそんなに拙速に法案を成立させようとするのだろう。そこが何よりも一番の問題だ。

 しかし今国会の会期末までまだもう少し時間はあるので、「あくまでも今国会での法案成立」を目指す動きも水面下では続いているようで、まだまだ紆余曲折がありそうだ。


5月22日(日曜日) そこに米軍基地があるから

 「沖縄はまさに現在進行形で『戦場』だと言える」「この国の政府は明らかに沖縄の側でなく、何か別の側に立っている」

<社説>「殺害」示唆、植民地扱いは限界だ、許されない問題の矮小化(琉球新報2016/05/21)

http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-283046.html

 「これらの犯罪は、沖縄に基地が存在していなければ起きていなかった。県民は基地あるが故の犯罪にさらされ続けているのだ」

<社説>全基地撤去要求、日米政府は真剣に向き合え(琉球新報2016/05/22)

http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-283584.html

 「『最悪のタイミング』という言葉に象徴されるように、サミットや米大統領の広島訪問、参院選への影響を気にするだけで、沖縄の人々に寄り添う姿勢が感じられない」

社説[女性遺棄事件]声上げ立ち上がる時だ(沖縄タイムス2016/05/21)

http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=169189

 「沖縄では基地が女性の人権を侵害する『暴力装置』のような存在になっている。当たり前に生きる権利すら保障できないような政府はもはや政府とはいえない」

社説[米軍属暴行殺害供述]再発防止策は破綻した(沖縄タイムス2016/05/22)

http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=169307

 そしてまた再び沖縄で米兵が。「綱紀粛正」なる言葉にどれほど意味があるのか。米兵の犯罪が何回も繰り返されるのは、そこに米軍基地があるから。

沖縄米兵、酒気帯び運転容疑で逮捕、綱紀粛正誓ったが…(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASJ5Q421LJ5QTPOB001.html?iref=comtop_8_04

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 「池田大作=創価学会=公明党」と合体している自民党が、民進党と共産党などの野党共闘に難癖を付けるなんて、ちゃんちゃらおかしい。自己矛盾もはなはだしいだろ。「志が小さい」のはどっちだよ。

自民・谷垣幹事長「民進が共産などと連携」を批判(NHK)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160522/k10010530981000.html?utm_int=news_contents_news-genre-new_002


5月23日(月曜日) 誤りを認めることの大切さ

 「謝罪は何も変えない。しかし『原爆投下はどうあっても間違いだ』と言うことは謝罪より重要で、未来を変えると考える」。至言だと思う。

→オバマ米大統領広島へ「誤り認める、謝罪より重要」ピーター・カズニック氏=アメリカン大教授(朝日、22日付国際面)

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12370216.html?ref=pcviewer

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 「4球投げなくても、球審に敬遠の意思を示せば打者を歩かせられる」という米大リーグのルール改正について、「もしそうなれば、本塁打を打ったとしてもベースを一周しなくていいことになってしまう」とイチローが批判。全くその通り。さすがイチローだ。

→【MLB】イチロー「投げずに敬遠適用」懸念「それも野球の一部」「野球変えてしまう」(Full-Count)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160523-00010013-fullcount-base

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 どういうわけか自宅では仕事に集中できない。喫茶店や図書館など外だと作業がはかどるのはどうしてだろう。しかしそういうのって僕だけではないと思うんだけどなあ…。例えば、漫画家とか作家とか。

 時間制限があって、緊張感を強いられる特別な空間にいることによって、自分自身を追い込んだ状態に置いているからこそ、外の方が集中できるのかもしれない。自宅だといろんな意味で誘惑だらけだし。


5月24日(火曜日) ネット粘着の思い込み

 独りよがりな妄想をかき立て、身勝手な錯覚や一方的な感情を強要しようとするのは、何も女性アイドルの一部のフアンだけに限った話ではない。インターネット上でも見ず知らずの他人に対し、勝手な思い込みに基づく意味不明な妄想を、一方的にぶつけてくる頭のおかしな人は少なくない。

 僕も何度かそういう人に粘着されたことがある。送られてきたメールに儀礼的な謝意を一度返しただけで、先方が勝手に親しみを感じてくれるのは別に構わないのだが、しかしいったん先方が意に沿わないと感じた文章や言葉を目にしたら、突然攻撃的になり一方的に批判を始め、罵詈雑言を浴びせてくるのだ。

 勝手に親しみを覚えて、勝手に怒り狂って、勝手に非難して、勝手に思い込んで妄想する。スルーしていても相手をしたとしても関係ない。そもそも見ず知らずの他人で、直接会ったこともないし、まともに言葉を交わしてもいないのに。とにかくすべてが一方的なのだ。思い込みが激しくて厄介で困った人はどこにでもいる。

 幸いなことに僕は、そういう厄介な人との接触はネットの世界だけで、これまでのところ実害はないが、念のために気をつけた方がいいのだろうなとは思う。世の中にはいろんな人がいるもんなあ。善意の人ばかりではないし。女子大生アイドル刺傷事件のような災難は、いつだれの身にも起きても不思議ではない。


5月25日(水曜日) 日米地位協定の改定なぜ迫らない

 不平等条約である日米地位協定について、改定を強く迫らない日本政府はいったいどこを向いているのか。だれのための何のための政府なのだろう。日米首脳会談後の安倍首相とオバマ大統領の共同記者会見で、安倍首相は「悲惨な事件を起こさないためあらゆる手を尽くす」と、何ら具体性のない使い古された曖昧な言葉を繰り返すだけ。これでは植民地の司令官と何も変わらないではないか。

 安倍首相の言葉には具体性が全くない。沖縄で起きた事件について「断固抗議した」「強い憤りを覚える」などと強い口調で述べるだけでは、沖縄で何回も何回も延々と繰り返される悲惨な凶悪犯罪(殺人、強盗、強姦、ひき逃げ)の根本的で本質的な解決には何の役にも立たない。異常な基地負担の軽減と地位協定の改定なしに、「安心安全な当たり前の日常」は沖縄には戻ってこない。

 馬鹿の一つ覚えのように「再発防止策の徹底など厳正な対応を求めた」と繰り返す安倍首相。沖縄の人たちは捨て駒なのか。この男はどこの国の総理大臣なんだ。北朝鮮や中国に対するのと同じくらい厳しい態度で、日米地位協定の改定や沖縄の基地負担軽減を、どうしてオバマ大統領に迫らないのか。


5月26日(木曜日) 仕事に不可欠な道具

 仕事でいつも使っているボールペンのインクが切れた。0・7ミリの赤。書き味も文字の太さも濃さもインクの出具合も言うことなしで、しかも値段も格安の1本98円。学生の作文添削には不可欠なんだけど、いつも購入しているコンビニのどこにもない。品切れでなく棚のコーナーそのものが消えていた。えっ。少なくとも先月末まではあったのに。他店も同様で入荷予定もないという。

 同社の別製品や他社製品をいくつも試したが、どれも使い勝手が悪くて話にならない。仕事のモチベーションは下がる一方だ。あきらめきれず、同系列や他系列のコンビニや文具売り場をしつこく探し回って、十数軒目でようやく発見した。残り5本。もちろんすべて買いましたとも。もしかしてこのまま製造中止なんてことになったらどうしよう。自衛手段として引き続き探索を続行し、とりあえず見つけたら即座に購入するつもりだ。


5月27日(金曜日) 気迫に欠けたオバマ演説

 広島に行かないよりは行った方がはるかにいい。それ以上でも以下でもなかったオバマ大統領の広島訪問、というのが率直な感想だな。原爆資料館(平和記念資料館)の見学はわずか10分。約17分のスピーチは「所感」でなく「演説」だと思うけど、話を広げ過ぎて抽象的で曖昧でほとんど心に響いてこなかった。

 もちろんオバマ大統領は何一つ悪い発言はしていないし、未来に向かって戦いのない理想の世界を希求し、そのための勇気を訴える演説はむしろ崇高だと思う。それだけに教科書的で総花的で、気迫や熱さが感じられず不満に感じた。

 米国内の世論に配慮し相当苦心して練り上げたスピーチだったのだろうとは思うけど、原爆資料館や平和記念公園で実際に感じた空気や「思い」がどこにも反映されていないのだから、気迫や臨場感や熱気に欠けるのは当然だろう。安倍首相の演説は論外。いつも通り空疎で全く中身がない。みっともなくて恥ずかしい限りだ。オバマ大統領は、隣に突っ立ていた安倍のことなど全く眼中になく、はなから相手にしていないと思う。

◇◇

 「G7の場ですよ。各国の首脳がそろった場でこういう資料を出して、リーマン・ショックの前と同じような状況になるかもしれないというようなことを言われたことは、非常にショックだ」(岡田克也・民進党代表)。

 まさに自殺点を叩き込んだ安倍晋三。何の根拠も説得力もないのに「リーマン・ショック級の危機再来」などと繰り返しても、各国首脳から一斉に異議が出るのは当然だろう。選挙直前なので有権者の反発を抑えようと、消費増税再延期の言い訳を安倍政権が必要としているのは明白。日本国内ならいつも通りの嘘八百が通じるかもしれないけど、世界を相手にそんな馬鹿げた話が通用するはずもない。間違いなくG7の首脳や各国メディアから安倍は嘲笑されている。恥ずかしい。

「総理自身の知性、非常に気になる」民進・岡田代表(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASJ5W6S9TJ5WUTFK00W.html?iref=comtop_8_08


5月30日(月曜日) 高水準の「主権者教育」

 午後から「戦争とマスコミ」をテーマに講義。舛添都知事の公私混同疑惑、甘利明・前経済再生担当相の金銭授受疑惑、安倍首相のサミット合意捏造発表と消費増税再延期、ベッキー不倫報道といった話題のニュースに触れながら、主権者としての権利を行使し意思表示することの意味と、権力を監視し判断材料を提供するメディアの役割や責任について話をした。

 学生の反応はまあまあかな。最低限伝えたいことは伝わったんじゃないかと思う。高水準で有益な主権者教育をしたつもり。目前に迫りつつある国政選挙では、主権者としてしっかり怒ってしっかり意思表示してくれるものと信じている。夕方から午後9時過ぎまで大学の図書館で、学生の作文添削をひたすら続ける。眠い。疲労困憊。


5月31日(火曜日) 「不登校法案」

 午後から永田町。参議院議員会館で開かれたフリースクール超党派議員連盟の合同総会を取材。継続審議になった「不登校法案」がどうなるか、さらに不透明さ(いろんな意味で)を増していることだけは分かった。さらに衆参議員会館内を回って、各会派の議員や秘書から話を聞く。背景や今後の展開がほんの少しだけ見えてきた(ような気がする)。


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