身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2016年8月1日〜8月31日

●暑気払い●夏だから暑いのだけど●デタラメにっぽん●原子力規制委は解体すべきだ●野良猫の主?●日テレのドラマ「時かけ」は酷すぎる●「象徴天皇」への強い思い●海洋研究開発機構●フジサンケイは「謀略機関」だ●たちの悪い冗談かと思ったら●吉祥寺で暑気払い●反省しない安倍首相●想定外の前泊●サウナ状態の蒸し暑さ●日本橋で暑気払い●湘南教研●無頓着な建設業者●警察権力の暴走●夏の終わりの風物詩●頑張れ広島と日本ハム●刺激を受けた●授業評価アンケート●ニュースサイト●泉田知事の出馬撤回が不可解すぎる●抽象的でよく分からない●●●ほか


8月1日(月曜日) 暑気払い

 毎日、共同の先輩記者と都内の居酒屋で暑気払い。久しぶりの再会。都知事選や事件や業界の裏話披露といった話題で大いに盛り上がった。最初の1杯はやはり生ビールというのが定番で、そこはどうしても外せないが、その次に頼んだゆず蜂蜜サワーがとても美味しかった。満足。


8月2日(火曜日) 夏だから暑いのだけど

 普通に歩いているだけで汗が噴き出してくる。暑い。労働意欲がまったくわいてこない。短い記事のゲラを確認して編集部に返信。

◇◇

 【おことわり】7月31日付「身辺雑記」の段落(掲載項目)の順番を入れ替えました。「収まりがいい」という単純な判断です。記事の内容や趣旨は変わりません。


8月3日(水曜日) デタラメにっぽん

 北朝鮮の弾道ミサイル発射について、安倍首相「わが国の安全保障に対する重大な脅威であり、許しがたい暴挙だ。毅然と対応していきたい」。相手が北朝鮮だと断固たる姿勢を示す安倍晋三。相模原の障害者大量虐殺事件にこそ、障害者差別や弱者排除に対する毅然としたメッセージを総理大臣として発信すべきなのに。

 相模原事件の容疑者と安倍首相が思想信条的に通じるところがあるのであれば、「障害者を抹殺するのは当然」という危険思想に対して、「重大な脅威」とか「許し難い暴挙」とか「毅然と対応していきたい」なんて、そもそも思うこともないのだろうけれど。

◇◇

 相模原の障害者大量虐殺事件を政治利用して、精神障害者の排除や予防拘禁のような方向に進むことを危惧する。治安維持法の再来になりかねない。「GPSを埋め込むことを議論すべきだ」(山東昭子・元参院副議長)なんて主張は論外である。公的な立場でありながらそういう発言を公然とする人間こそ、むしろ「監視対象」にされるべきではないか。

措置入院あり方、自民・民進が検討開始(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASJ8254N4J82UTFK00G.html?iref=comtop_latestnews_02

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 大分県警別府署が、民進党や社民党の関連施設に隠しカメラを設置して監視。「他人の敷地内に無断で立ち入った」ことよりも、そもそも法的根拠もなく、公党に対し監視カメラを設置して録画する行為自体が重大問題で、謝罪で済むような話ではない。県警本部長の責任問題に発展してもおかしくない。法治国家のはずの日本でこんなことがまかり通るとは。国家による管理統制、思想公安警察そのものの発想ではないか。いよいよ「たが」が外れ出した。

大分県警別府署、隠しカメラ、「民進党」関連建物敷地内に(毎日)

http://mainichi.jp/articles/20160803/k00/00e/040/195000c

別府署が野党側団体敷地に隠しカメラ、参院選期間中(大分合同)

https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2016/08/03/004950199

◇◇

 建設的な提言や批判に耳を傾けない組織に未来はない。新入社員に限らず派遣でもアルバイトでも下請けの声でも同じ。「風通しの悪さ」以前の話だろう。建設的な批判をした者(内部告発者)の処遇が心配だ。

三菱自幹部、新入社員の不正指摘を放置、調査委が報告書(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASJ825T0VJ82ULFA024.html


8月4日(木曜日) 原子力規制委は解体すべきだ

 原子力規制委員会は美浜原発(福井県)の1・2号機に続いて3号機も、稼働40年を超えて延長認可しようとしている。原子力規制委には原発を規制する能力も資格もない。政権や電力業界の言いなりになる「アリバイづくり機関」の機能しかいない。主権者たる国民を愚弄するこんなデタラメな組織は必要ない。

 貴重な税金を使って納税者の暮らしの安全を脅かすなんて、これほどふざけた組織は存在自体が犯罪だ。裏切り、背信行為そのものではないか。原子力規制委は即刻解体した方がいい。

◇◇

 独裁体制継続にはさすがに難色を示すのか。それでも内閣支持率は52・9%で前回調査から横ばい。稲田朋美の防衛相起用は「評価しない」43・0%、「評価する」32・1%だってさ。だったら安倍内閣なんか支持するなよと思うのだが(ため息)。

自民総裁任期延長に反対52%、共同通信世論調査(共同)

http://this.kiji.is/133854523896956412?c=39550187727945729


8月5日(金曜日) 野良猫の主?

 朝方、まだ暗いうちに、マンション1階の集積所にゴミを捨てに行ったら、止めてあったオートバイの座席にどっかと座っている大きな猫と目が合った。推定の体長は60センチくらい。わずか50センチほどしか離れていない至近距離。じっとこちらを凝視して逃げる気配もない。迫力も眼力も威圧感もある。僕の方が思わずこそこそと逃げ出してしまった。きっと野良の主に違いない。


8月6日(土曜日) 日テレのドラマ「時かけ」は酷すぎる

 筒井康隆の「時をかける少女」を原作にしたドラマ・映画・アニメの中で、日テレのドラマ「時かけ」はこれ以上ない酷い内容だった。時間の扱われ方や時間に対する概念があまりにも軽すぎる。時間を飛び越え、過去を変えてしまうことへの戸惑い・ためらい・おそれが、主人公の女子高校生と未来人の少年にまるでなく、疑問や葛藤や恐怖が全く描かれていないのは致命的と言っていい。

 これまでに製作されてきた数々の「時かけ」は、アプローチの仕方や表現の手法こそさまざまだったが、時間に対する畏怖の念や過去を改変する行為への躊躇は、どれもしっかり描かれていた。

 2006年に公開された細田守監督のアニメ「時かけ」でも、主人公の少女に幼なじみが思いを伝える行為を「なかったこと」にしてしまう「重さ」は、徹底して描写されていた。そもそも些細な出来事であっても過去の改変は許されないはずだが、人の心をもてあそぶ改変はさらに重大だとのメッセージが根底にあるからだろう。

 ラストシーンの「切なさ」は「時かけ」の肝となるはずの大切な部分なのに、日テレのドラマは時間に対する扱いがあまりにも軽すぎるので、共感性も説得力も何もない。感情移入のしようがないのだ。こんな酷い「時かけ」は初めて見た。「時かけ」に対する冒涜である。主演の黒島結菜がかわいいだけのドラマだった。

 薄っぺらな上に整合性もない。取って付けたような今夜放送の第5話(最終回)の内容が、このドラマの脚本のどうしようもなさを如実に物語っているようだった。視聴率が4〜5%というのももっともだと思う。「時かけ」の大ファンで、TBS日曜劇場「ごめんね青春!」からの黒島結菜ファンでもあるので全5話を見たけど、実に残念な「がっかりドラマ」だったなあ。


8月8日(月曜日) 「象徴天皇」への強い思い

 日本国憲法と国民統合の象徴である天皇のあり方に思いを刻み、社会の停滞や国民の暮らしに影響が及ぶことを強く懸念・憂慮し、生前退位の意向を強くにじませた天皇陛下の「お気持ち」表明のビデオメッセージ。さすがだ。憲法を無視し蹂躙し踏みにじってきた安倍政権や日本会議などの極右団体、自称愛国者らの混乱・錯乱・狼狽ぶりが目に浮かぶ。

 現行憲法を何よりも大切に尊重してきた天皇陛下の思いと、安倍極右政権の思惑が対極にあるだけに、なおさら両者の乖離がものすごい。憲法尊重・擁護の発言を繰り返してきた天皇を公然と非難する保守派の御用学者もいる。天皇を自分たちに都合よく人形のように操りたい姿勢が露骨。これこそが連中の正体だ。自称忠臣・自称愛国者の底が知れるというものだ。

◇◇

 生前退位の意向を強くにじませた天皇陛下のお気持ち表明に続いて、テレビ朝日系アニメ「クレヨンしんちゃん」の野原ひろし役の声優・藤原啓治さんが病気療養で休養のニュース。マジっすか。ひろしはまだまだ若いのだから、しっかり休養した上で現場復帰してもらいたい。

クレヨンしんちゃん、ひろし役声優が休養(デイリー)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160808-00000078-dal-ent

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 【メモ】イチローが米大リーグで3000安打達成、史上30人目/天皇陛下がビデオメッセージでお気持ち表明/リオ五輪/高校野球/猛暑/尖閣/(野原ひろし役の藤原啓治さん病気休養)。重要ニュースが盛りだくさん。紙面や電波でどう扱うか、ニュースの価値判断が問われる。


8月9日(火曜日) 海洋研究開発機構

 猛暑の中、朝から杉田の海洋研究開発機構横浜研究所、午後から追浜の同機構横須賀本部で取材。地球深部探査船「ちきゅう」による地震発生メカニズムを探る深海掘削調査や、有人潜水調査船「しんかい6500」による海底資源調査について話を聞いた。

 わずか2畳ほどの密閉空間に3人で9時間も過ごすなんて、閉所恐怖症の人には厳しい探査だよなあ。そもそも深度6500メートルの深海に潜るなんて、恐ろしすぎてちょっと想像できない。「しんかい6500」の元パイロットによると、危機的状況を経験した際でも恐怖心などは全く感じなかったそうだ。研究者と技術者が連携して、未知の領域を科学的に調査研究する姿はカッコいい。

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 冷房の効いた研究棟やスーパーコンピューターの並ぶ免震棟と、39度近い外との行き来を何回も繰り返していると、体がおかしくなってきそうだ。とにかく信じられないほどの猛烈な暑さだっただけに、夕方から追浜駅前の居酒屋で飲んだ生ビールの美味しさといったら。とにかくもう最高の喉越しだった。

◇◇

 小池百合子都知事がカジノ施設の誘致に前向きな姿勢を示す。いま以上にギャンブル依存症を増やしてどうするんだ。貧困層が着実に増加するだけだろう。外国人観光客の増加など「目先の利益」にしか頭が回らないなんて、カジノ誘致は間違いなく亡国の施策だと思うよ。そう言えば舛添前都知事はカジノの誘致には反対の姿勢を貫いていた。僕は舛添氏の考えを支持する。

小池都知事、カジノ含む複合型観光施設誘致に前向き(NHK)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160809/k10010627571000.html


8月10日(水曜日) フジサンケイは「謀略機関」だ

 天皇の生前退位は憲法改正などしなくても、法律(皇室典範)を改正するだけで十分可能だ。にもかかわらず事実に反する質問や文言をしれっと突っ込んで、どさくさに紛れて世論操作しようとするフジサンケイグループ。しかも彼らの行為は、護憲の姿勢を一貫して明確にし続けてきた天皇陛下の気持ちとは全く相反する。とんでもない自称「忠君愛国メディア」があったものだ。

 産経新聞・フジテレビ(読売やNHKも同様)はジャーナリズムとは無縁の自民党御用達の極右広報機関というだけでなく、それ以上に世論操作し世論誘導する「謀略機関」であることが改めて浮き彫りになった。そもそも事実を堂々とねじ曲げた虚偽情報を平然と垂れ流す時点で、報道機関を名乗ること自体がまずあり得ないし許されない。とんでもない話だ。まあだからこそ「謀略機関」なのだろうが、厚顔無恥にもほどがある。

【産経・FNN世論調査】天皇陛下の生前退位「制度改正急ぐべき」70・7%、「必要なら憲法改正してもよい」84・7%(産経)

http://www.sankei.com/life/news/160808/lif1608080015-n1.html

「生前退位」可能となるよう改憲「よいと思う」8割超、FNN世論調査(FNN)

http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00332744.html


8月12日(金曜日) たちの悪い冗談かと思ったら

 伊方原発(愛媛)の北側には国内最大級の活断層がある。しかも原発は半島の付け根にあるので、大地震が起きれば住民は孤立し避難路を断たれてしまう。それでも強引に再稼働させる電力会社と政府の異常さには言葉を失うばかりだ。なんなんだろう、この国は。

 新規制基準に基づく再稼働は川内原発(鹿児島)、高浜原発(福井)に続いて5基目。高浜原発は大津地裁の仮処分決定で運転停止しているため、運転中の原発はこれで計3基となった。

伊方原発、3号機が再稼働、新規制基準5基目(毎日)

http://mainichi.jp/articles/20160812/k00/00e/040/164000c

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 夏休み中の安倍首相が、山口県長門市出身の童謡詩人・金子みすゞのブロンズ像を視察。安倍首相「1億総活躍社会の基本は(金子みすゞの詩の一節にある)『みんなちがってみんないい』。それぞれが個性を生かすことができる社会を作っていくということだ」。

 たちの悪い冗談かと思ったら本当だった。しかもブロンズ像の台座の「みんなちがってみんないい」という文字は、首相が揮毫したんだと。絶句。金子みすゞに対するこれほどの侮辱・冒涜があるだろうか。開いた口がふさがらない。馬鹿にしてるのか。

安倍首相、金子みすゞ像を視察、地元・山口入り(毎日)

http://mainichi.jp/articles/20160813/k00/00m/010/097000c


8月13日(土曜日) 吉祥寺で暑気払い

 夕方から弁護士や大学教授らいつもの飲み仲間と、吉祥寺北口の住宅街の中にあるフランス料理店で暑気払い。白ワインとともに、岩牡蠣、トウモロコシとカボチャの冷たいスープ、前菜盛り合わせ(=写真上)、魚と高森牛の2種のメインディッシュなどのコース料理をいただく。デザートはプリンアラモードと季節のフルーツ添え(=写真下)。

 どのメニューもとても美味しかった。お店のスタッフの接客もていねいで、配慮が行き届いていて感じがいい。4時間ほど歓談してほろ酔い気分で店の外に出ると、心地よい夜風が吹いてきた。今夜は暑さも比較的和らいで過ごしやすい。Gさん、素晴らしいお店を選んでいただいてありがとうございました。


8月15日(月曜日) 反省しない安倍首相

 日本武道館で行われた全国戦没者追悼式で、戦没者への「敬意と感謝の念」は示したものの、アジア諸国など戦争被害に対する「加害」と「反省」に4年連続で触れなかった安倍首相。一方、首相式辞の直後に、天皇陛下は「深い反省」を明言した上で、「戦争の惨禍を決して繰り返さない」と述べた。この違いを見るだけでも、安倍晋三の総理大臣としての不適格性と、人間としての器の小ささを決定的に物語っている。

 これまでも何回も書いたと思うが、過去の過ちを反省し未来に生かすのは何も恥ずかしいことではない。むしろ誇りに思っていいはずであり尊敬すべき姿勢だ。それと逆行するように、あろうことか過去の事実をなかったことにし、むしろ美化までしようとすることこそ、何よりも恥ずかしく情けなくみっともない。軽蔑される態度だと言っていい。

 日本古来の神社宗教とは全く無縁の「国家神道=カルト宗教」である靖国神社を、懲りもせず崇め奉る安倍首相ら極右政治家と自称愛国者たち。靖国参拝を繰り返す彼らこそ実は、戦没者への「敬意と感謝の念」から最もかけ離れた場所に立っている。無知蒙昧な上に無自覚。救い難い頭の悪さ。この事実を僕たち日本人はしっかりと心に刻んでおきたい。改めて強くそう思わせた終戦の日だった。


8月16日(火曜日) 想定外の前泊

 台風7号の関東接近で、あす17日朝にかけて激しい雨が予想されている。交通機関の乱れや運休も考えられることから、取材先の最寄り駅近くのホテルに前泊することになった。想定外だけど仕方ない。取材を取りまとめている担当編集者(プロデューサー)氏の判断はもっともだと思う。

◇◇

 唯一の被爆国の内閣総理大臣として、言っていいことと悪いことの区別もつかないのか。情けないというよりも、むしろ悲しい。米国(オバマ大統領)が「先制不使用政策」を示したとしても、そもそも核兵器を所持しているだけで、十分に抑止力になっているだろうに。もちろん核廃絶こそが日本の国是であり続けるべきなのは、言うまでもないことだけど。

首相、核先制不使用政策に反対、米司令官に直接伝達と米紙(共同)

http://this.kiji.is/138045647755740666?c=39550187727945729


8月17日(水曜日) サウナ状態の蒸し暑さ

 朝から平塚市の奥地にある神奈川県農業技術センターへ。効率的で農家の負担を軽減し収益も増やそうと、未来の農業のあり方を模索する話を聞いた。いろいろと勉強になった。それにしても死ぬかと思うほど蒸し暑い。台風一過で快晴なのはいいけど、見学したビニールハウスの実験場の中はまさにサウナ状態。データ管理する計測機器は39度以上を表示しているが、体感温度は間違いなくもっと高温だ。汗が吹き出て止まらない。たまらん。夕方、駅前の居酒屋で生ビールを飲んで息を吹き返す。


8月18日(木曜日) 日本橋で暑気払い

 大学時代の友達4人と、日本橋の創作和食の店で暑気払い。先付けの生湯葉豆乳ロワイアルから始まって、サーモンのみぞれ寄せ、季節の野菜サラダ、カレイの天ぷら、牛ロース肉とフォアグラ、穴子の炊き込みご飯、デザートに冷菓などの会席コース。それぞれの分量は少ないけれど、どの料理もとても美味しかった。この内容で飲み放題1人4千円以下の料金設定なら、結構リーズナブルだと思う。店員さんもよく気がつく人で楽しく過ごせた。いつもの新宿の居酒屋以外で飲むのも、たまにはいいよね。リオ五輪のニュース対応でT君が参加できなかったのは残念だけど。お店の選定や段取りを一手に引き受けてくれたI君に深く感謝。


8月20日(土曜日) 湘南教研

 朝から藤沢市内の小学校で湘南教職員組合の教育研究集会。日本語教育の分科会に共同研究者(助言者)として参加する。前年までは「聞く」「話す」に特化した授業実践レポートばかり並んでいたが、「書く」ことにも力を入れてほしいと毎年しつこく言い続けたためか、今年は中学校の書かせる授業報告が充実。「受信と発信することの相互作用」についての指摘や考察などもあって、とても濃くて面白い分科会だった。

 午後は、道徳の教科化に関する分科会に一般参加した。児童・生徒の「心」を評価することへの疑問や不安だとか、そもそも教科として道徳を教えることが可能なのかといった問題意識や危機感が、現場の先生にあまりにも希薄な実態が浮き彫りになる。それこそがこの分科会に参加しての最大の収穫だった。それはそれである意味とても悲しい。

 「(道徳の授業も評価も)不安だけどやれと言われたらやりますよ」という現場の声に言葉を失ってしまった。相模原の障害者大量虐殺事件やヘイトスピーチについて、「生徒に考えさせるような授業はできないのでしょうか」と振ってみても、若い先生方はあまりピンとこない様子。それもまた衝撃的だった。これはいったいどうしたものか。ため息しか出てこない。

 教研終了後、組合の先生や共同研究者らと藤沢駅前の居酒屋で打ち上げ。蒸し暑い一日だっただけに生ビールが最高だ(いつものことか)。安倍首相がオバマ大統領と飲んだ「獺祭(だっさい)」という入手困難な日本酒がある、と勧められたので注文。飲みやすくてまろやかで美味しかった。教育談義で大いに盛り上がる。


8月22日(月曜日) 無頓着な建設業者

 台風9号の影響で朝から暴風雨だというのに、近所の工事現場では相変わらずお構いなしに作業を続けている。馬鹿じゃないか。いや馬鹿なんだろう。祝日でも工事するくらいなのだから。騒音や振動が迷惑なだけでなく、高く積み上げられた土砂の山が崩れたり、強風で足場が壊れたりしないか心配だ。

 周辺住民への配慮もなく現場の労働環境にも無頓着。しかも役所の環境課や建築指導課や住民に指摘されるまで、建築基準法に基づく建設業許可票の掲示もなかった。その一点だけ見ても、いい加減で不誠実な建設業者だとしか思えない。そんな業者について「これまでも工事をお願いしている最も信頼できる建築会社だ」などと住民に説明する施工主の企業にしても、誠意は感じられないし信用ならない。それでよく地域住民を相手に客商売しようなんて発想が出てくるものだ。馬鹿じゃないか。いや馬鹿なんだろう。

◇◇

 リオ五輪の閉会式に登場した「安倍マリオ」は、ちょびヒゲを付ければヒトラーに瓜二つだった。惜しい。ちょびヒゲなしでも総統にそっくりだったけど。それにしても安倍晋三はますますヒトラーに似てきたな。言動だけでなく、立ち居振る舞いも顔付きも。


8月23日(火曜日) 警察権力の暴走

 警察が暴走し一線を越えている。沖縄のヘリパッド(米軍訓練場)建設反対運動を取材中の地元紙記者2人が20日、警察に強制排除・拘束された。翌21日には、経済産業省前の脱原発テント撤去への抗議活動を取材していたカメラマンが公務執行妨害容疑で不当逮捕された。いずれも明らかな取材妨害。報道の自由の侵害だ。大分では、別府署が労働組合の施設に隠しカメラを設置していた事実も発覚している。

 どう考えても一線を越えている。メディアや市民運動に対する警察権力の強権的で乱暴な振る舞いが止まらない。国家権力がやっていいことと悪いことの区別もできない。憲法も法律も無視してこれだけ警察が傍若無人に暴走しているのは、まさに憲法番外地の安倍政権だからこそだろう。

 国家権力の頂点が、権力を縛っているはずの憲法を率先して蹂躙し冒涜し無視し続けているのだから、権力の末端が違憲違法な行為を繰り返すのも当然かもしれない。残念ながらこの国はもはや法治国家の体をなしていないのではないか。そういう領域に着実に近付きつつある。明日はわが身。決して他人事ではない。

 警察の強権的な振る舞いは一部の市民や取材記者に向けられたものだから、普通の市民には関係ない、米軍基地や原発に関心のない一般人には無縁だ、と思うのは大間違いだ。このままだとそのうちアニメや漫画の表現規制にも、突然の解雇にも、冤罪での不当逮捕にも抗議できなくなる。気付いたらがんじがらめで、何もできなくなっているかもしれない。それでは遅いのだ。何回でも言うが、他人事ではない。


8月24日(水曜日) 夏の終わりの風物詩

 この時期になるといつものことだけど、マンションの廊下にセミの死骸がたくさん転がっている。なんとも物悲しい光景だ。ところがこれが深夜だと、死骸だと思っていた物体が突然動き出し、狂ったように飛び回るので閉口する。驚かすなよ、びっくりするじゃないか。慣れたら慣れたで鬱陶しくて仕方ない。最後の力を振り絞って命を燃焼しているのだとは思うが、それでもやっぱりウザい。


8月25日(木曜日) 頑張れ広島と日本ハム

 夕方から都内。東京都教育委員会の不当処分をめぐる裁判の弁護団会議に参加。都立高校教員に対する処分そのものは教員側勝訴の東京高裁判決が確定しているが、その後の再処分の理不尽さを訴える本訴が近く予定されている。突っ込んだ法律論が交わされ今後の対応策が話し合われた。「教員にとって授業ができないことがどれだけ苦痛か」という言葉がずっしり重い。充実した3時間。勉強になった。

◇◇

 セリーグは広島が巨人を下してマジックを18に減らした。日本ハムはついにパリーグ首位に。いやあきょうは気分がいい。阪神の体たらくはこの際まあ置いといて。広島と日本ハムにはこのまま頑張って、ぜひ最後まで突っ走ってほしい。優勝してほしいなあ。

◇◇

 英ガーディアン紙が「あれが本当にスーパーマリオに見えたか」と、安倍首相のリオ五輪閉会式でのパフォーマンスを失笑&酷評。英紙の指摘は実に的を射ている。それに対してこの国は…。日本のメディアは、真に伝えるべきことをもっと的確に本気で伝えるべきだ。

 そもそも「安倍マリオ」は五輪の政治利用が疑わしいと思われる振る舞いだったのだから、もっと厳しく辛辣な伝え方をしていいはずだし、むしろ批判的に伝えるべきだった。東京PRの映像そのものはカッコよかったと思うけどね。

 ジャーナリズムとしての職責をしっかりと果たさなければ、存在意義そのものが根底から疑われることになる。自分で自分の首を絞めるかのような日本のメディアの現状は、自殺行為に等しい。


8月26日(金曜日) 刺激を受けた

 NHKのドキュメンタリー番組のプロデューサーから横浜・関内で2時間半ほど、冤罪事件や刑事弁護、日本の司法の問題点に関する取材を受けた。政権の広報のようなニュース部門と違って、同じNHKでも特集部門の記者やディレクターは問題意識があって志の高い人が少なくない。僕自身も大いに刺激を受けて勉強になった。

◇◇

 夕方から関内駅前の居酒屋で元同僚記者と暑気払い。めちゃめちゃ安くて、そこそこボリュームがあって、それなりに美味しい料理を提供してくれて、しかも2時間飲み放題。営業を続けているのが不思議に思える奇特な店だ。このままずっと頑張ってほしい。生ビールとゆず蜂蜜サワーを飲んで大いに盛り上がった。

◇◇

 オリンピック報道を取り上げた、きょう26日付朝日新聞の「池上彰の新聞ななめ読み」。日本選手の敗北について、読売新聞の解説記事<環境が恵まれ過ぎているのだろうか。最近、オオカミのような目つきの日本選手に出会えない>。池上氏「驚きました。いまの時代、精神論で解説する新聞があるとは」──。爆笑。そして、あっぱれ。


8月28日(日曜日) 授業評価アンケート

 今年度の春学期(前期)の「授業評価アンケート」の集計結果が送られてきたので、大学サイトに教員からのコメントを入力する。アンケートの結果は総じて好評。学生の自由記述(匿名)に「春学期に受講した講義で一番よかったです」とあって、素直にとてもうれしい。あれこれ工夫した甲斐があった。


8月29日(月曜日) ニュースサイト

 インターネットのニュースサイトの編集者と、横浜市内のホテルで会った。月に1回あるいは複数回、好きなテーマで自由に記事を書いてほしいと依頼される。先方からあらかじめテーマや題材を指定されるのではなく、僕の好きなように書いていいというので、二つ返事で引き受けた。9月末から出稿開始予定だ。

◇◇

 安倍内閣が「共謀罪」法案の国会提出を検討している。参院選ではそんな素振りは露ほども見せなかったのに。姑息で卑怯卑劣で不誠実で非民主的な政権の体質そのものではないか。毎度毎度の話で今に始まったことではないけど。

 同じような手口で繰り返し蚊帳の外に置かれて、好き勝手にやりたい放題されても、何の反応も怒りも示さないこの国の主権者もどうかしていると思うが、しかしだからこそ、安倍自民党は傍若無人の振る舞いを何回でも平然と行うことができる。つくづくおめでたい国だよなあと思う。

 「選挙が終わるやいなや、市民の自由や権利を脅かしかねない政策を推し進める。特定秘密保護法や安全保障法の制定でもみせた、この政権のふるまいである」(29日付朝日社説)。

「共謀罪」法案、政権の手法が問われる(朝日社説)

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12532834.html?ref=editorial_backnumber


8月30日(火曜日) 泉田知事の出馬撤回が不可解すぎる

 4選を目指して立候補表明していた新潟県の泉田裕彦知事が、出馬を取りやめる意向を表明。地元紙の新潟日報の第三セクター契約トラブル報道をめぐる対立などが理由だというのだが、各紙の報道を何回読んでもさっぱり分からない。いったい背景に何があるのだろう。東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に対し、泉田知事は一貫して慎重で理性的な姿勢を堅持していただけに不可解すぎる。

 原発再稼働に厳しい姿勢を取り続けてきた泉田知事に、政財界をはじめさまざまな業界から相当な圧力があったことは想像に難くない。地元紙にしても東電とは広告収入という形で濃厚な関係があったのかもしれない。そんな中で泉田知事はよくぞ頑張ってきたと思う。実に心強い存在だった。

 でもだからこそ、安全性重視を訴え続ける泉田知事には続投してほしかった。せっかく鹿児島では三反園訓知事が誕生し、川内原発の避難計画の見直しや一時停止を申し入れたというのに。そもそも圧倒的多数の国民世論は、原発再稼働に賛成などしていないのだから。

 泉田知事の不出馬は残念すぎる。安全を軽視し不誠実でいい加減な東電の経営体質に真正面から疑問を呈し、福島第一原発事故の検証を求め、主張すべきことをきちんと主張し続け、原発再稼働に慎重姿勢を崩さなかった泉田知事の理性的な姿勢が今後、なし崩しにされてしまうことだけは避けてほしい。


8月31日(水曜日) 抽象的でよく分からない

 新潟日報が、泉田裕彦知事に対し「正当な記事へ圧力」とする編集局長の見解を掲載した。

 「報道機関に対する圧力にも等しく、許しがたい行為」「一連の報道は、綿密な取材と事実に基づくもの」「新潟日報社の社会的信用・評価をおとしめる行為」などと並べられた言葉は仰々しくて勇ましいが、具体性に欠け抽象的で事態の真相や背景は依然よく分からない。

 「新潟日報社の原発報道は一貫して県民の安全を最優先に取り組んでいます」との文章にしても同様だ。何がどのように「県民の安全を最優先」の原発報道だというのだろう。同社はこのほかに社説とコラムでも反論記事を掲載しているのだが…。

「正当な記事へ圧力」本社執行役員編集局長・服部誠司(新潟日報)

http://www.niigata-nippo.co.jp/news/politics/20160831276892.html

「泉田氏出馬断念、説明責任を果たすべきだ」(新潟日報社説)

http://www.niigata-nippo.co.jp/opinion/editorial/20160831276818.html

→日報抄(新潟日報)

http://www.niigata-nippo.co.jp/opinion/nipposho/20160831276815.html


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