●細部が杜撰で残念な「君の名は。」●架空のコメント捏造とは言語道断●ジャーナリストの誇りと自覚●不誠実で無責任な九州電力●「甘々と稲妻」に癒される●しっかりしろ民進党●公僕として説明責任を果たせ●面白くてためになる●事実確認もしない弁護士なんて●阪神ファンだけど広島おめでとう●これぞ政治家の尊敬すべき発言●怪獣映画を極右宣伝に使うな●豊洲は全面撤退した方がいい●何も問題ない「二重国籍」騒動●テレビ取材は大変だ●ゴミクズ製造機「もんじゅ」●「石原節」クズっぷり変わらず●沖縄は「憲法番外地」でいいのか●外堀も内堀も●本末転倒の議論と計画●原発神話は破綻しているのに●住民は逃げられない●「数の暴力」と日本国民●マジでキモい●おかしいと思うのが普通●ラーメンは味噌だなあ●そもそもあり得ない●批判も理解できない安倍首相●●●ほか
新海誠監督のアニメ作品といえば、背景や映像はものすごくきれいでていねいだが、物語は驚くほど面白くないことで知られている。「環境ビデオ」などと揶揄されることもある。僕もこれまで新海作品を何本も見てきたが全く同意見だった。でも現在公開中の新作「君の名は。」はとても評判がいいので、もう一度だけ、騙されたつもりで見てみた。
確かにこれまでの新海作品の中では、最も脚本がしっかり書かれていてまともだったと思うが、しかし残念ながら物語の細部(ディテール)に突っ込みどころがあり過ぎて、共感や感情移入がイマイチできなかった。悪い物語ではないとは思うけど、映像が美しいだけにもったいない。
例えば、3年前に彗星が直撃して町が全滅した大事件なら、町の名前は超有名だから、主人公だってもちろん記憶しているはずなのに、なぜすぐに「場所」が特定されないのか。曲がりなりにも何日か通ったはずの高校の名前は、なぜ手がかりにすらならないのだろう。彼女や彼の名前も、生徒手帳や表札で当然すぐに把握できているのでは。彼女の父である町長の名前も大事故で有名なのだから、調べればすぐに分かるはず。などなど。
細かいようだけど、あれこれつじつまが合わない矛盾でいっぱいなんだよなあ。「真実は細部に宿る」と言うが、細部がきちんと描かれていないと、全体がいい加減に見えてしまう。背景や映像が美しくて、作画も演出もしっかりしているだけに実に残念だ。次回作に期待したい。「映画の日」だから料金1100円だったので、まあいいか。
◇◇ もう1本。庵野秀明総監督の「シン・ゴジラ」も見た。こちらは庵野監督作品らしく、早口の台詞に目いっぱい情報を詰め込んで、不自然すぎるからもう少し整理すればいいのにとも思うが、これが庵野作品の特徴だから仕方ないか。最初の30分ほどは全体的に説明調でだらだらして退屈に感じたが、後半は迫力満点だった。
何も決められない日本の官僚機構や政界の政治力学、国際政治の非情さに対する皮肉も利いていたし、放射能汚染の恐ろしさへの警鐘もあったし。何と言ってもゴジラの音楽は心に残る。名曲だ。ちなみにゴジラの排除・殲滅は害獣駆除なんだから防衛出動とは関係ないだろう。純然たる災害派遣だと思うぞ。
◇◇ 生鮮食料を扱う場所なのだから何よりも食の安全が大事。にもかかわらず安全性が確認されるはるか前から、政治家や役人や一部業者らが築地移転にこだわるのは利権や利益誘導があるからだ。「森ビルに検討委託」の話はそのごく一部なのだろう。
→築地市場用地の利用、東京都、森ビルにひそかに検討委託、内部文書本紙入手、癒着明らかに(赤旗)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-09-01/2016090114_01_1.html
NHKニュースで放送された特集「貧困女子高生」をバッシングする記事で、ニュースサイト「ビジネスジャーナル」の捏造が発覚した。事実無根の誹謗中傷をした挙げ句、しかもNHKに取材してもいないのに、あろうことか「回答を得た」などと架空のコメントを捏造するとは笑止千万。ジャーナリズムの看板を掲げること自体が、およそあり得ないし許し難い。言語道断の呆れ果てた所業だ。
捏造記事では執筆者は「文=編集部」と記されていたが、「ビジネスジャーナル」の「お詫びと訂正」では「当該記事は外部の契約記者が執筆した」と説明されている。いったいどこのだれが書いた記事なのか、執筆者の実名を出した上で、改めて本人がきちんと経緯を説明し謝罪すべきだろう。検証作業も不可欠だ。勘違いや誤記ではない。悪意のある捏造なのだから単純ミスとは次元が違う。
執筆者本人と「ビジネスジャーナル」編集部には、それ相応の説明責任があるはずだ。提携関係にある「リテラ」がこれだけ責任を感じて、反省と後悔の念を表明しているのだから。
→「お詫びと訂正」(ビジネスジャーナル)
http://biz-journal.jp/2016/08/post_16526.html
→「ビジネスジャーナル」捏造事件、そしてリテラと株式会社サイゾーの関係についての謝罪と説明(LITERA/リテラ)
http://lite-ra.com/2016/09/post-2536.html
今朝放送のNHK朝ドラ「とと姉ちゃん」から。編集部に嫌がらせを続けるアカバネ電器の社長に対し、常子「私たちは屈しませんから。どんな卑劣な行為にもとことん戦っていくつもりです」。嫌がらせに動揺する社員たちに向けて、花山編集長「みんな、ジャーナリストとしての誇りを持て。いいか、われわれは庶民のためにならない、いかなる権力とも戦わなければならない。ジャーナリストとしての自覚なくしてはやってはいけないんだ。ペンは剣よりも強い」──。
記者・編集者はもちろん、ジャーナリズムに携わるすべての者の原点だ。改めて肝に銘じたい。誇りも自覚も気概も志も問題意識も理念もない「マスコミ人」や自称ジャーナリストが、あまりにも多すぎて暗澹たる気持ちになる今日この頃。
◇◇ 「週刊少年ジャンプ」の長寿漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所(こち亀)」が40年の連載を終了するという。作者の秋本治さん「(コミックスが200巻を迎える)おめでたい時に終わるのが一番かなと考えた」。引き際の美学を感じる。秋本治さんは単発の読み切り掲載も示唆。ともあれ一区切りお疲れさまでした。
→こち亀、40年の長寿連載に幕、コミックス200巻で完結(まんたんウェブ)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160903-00000005-mantan-ent
九州電力の瓜生道明社長が、三反園訓・鹿児島県知事の川内原発停止要請を拒否した。不誠実で無責任で不真面目としか言いようがない九州電力の対応に怒りを覚える。避難計画も活断層の調査もすべてが杜撰でおざなり。原発の安全確保に対する真摯さのかけらもない姿勢に呆れるばかりだ。
「経営安定に原発が欠かせない」と言うが、もし大事故が起きたらどう対応してどのように責任を取るつもりなんだ。そもそも老朽化した原発の廃炉には莫大な費用が必要なのに。原発で大惨事を招いたら取り返しがつかないことになって、経営破綻するのはだれの目にも明らかなのに。福島原発事故から何も学んでいない電力会社の馬鹿さ加減と無責任ぶりは、九州電力も関西電力も四国電力も東京電力もどこの地域でも同じだ。全く何も変わらない。
三反園訓・鹿児島県知事が九電社長に述べた「原発が安全だという意識を捨てて頂きたい」という言葉を全面的に支持する。「原発は危険な存在」という基本認識が持てない人間は、原発に関わるべきではない。いや、関わってはいけない。
→九電、川内原発停止要請に応じず、三反園知事「遺憾」(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/ASJ952T16J95TIPE003.html
今週も、つむぎちゃんのかわいい仕草と表情と声に癒された。小鳥の健気さや友人たちの優しさにもほっこりさせられた。食育ドラマにもなっているし、「甘々と稲妻」(MXテレビ、月曜深夜1時5分=火曜午前1時5分から放送)は本当にいいアニメだ。
自民党や安倍政権は支持しない、投票したくない、でも共産党はまだちょっと躊躇する、という穏健リベラルな有権者の受け皿となる政党が必要なのに、民進党はいったい何をやっているんだ。今こそ民進党は広範に強力に存在感をアピールすべき時ではないか。自民党と似たり寄ったりの大差ない主張をするなんて、民進党の面々は何がしたいのだろう。
民進党の代表選に立候補している3人と民進党の議員たちに問いたい。今の日本国憲法を変えたいのなら、そして個別的自衛権では飽き足らず集団的自衛権を行使したいと考えるのなら、自衛隊の海外派兵を推進したいなら、さらに原発を再稼働してこの国を原発大国にしたいなら、立憲主義や法治主義を尊重する考えやリベラルな路線に異論があるなら、別に民進党という政党にこだわらなくてもいいではないか。さっさと自民党に鞍替えすればいいではないか。なぜ民進党にしがみつく。
第二自民党や自民党の補完政党など、有権者はだれも必要としていない。民進党に期待しているのは、利権や戦争への道には毅然とした姿勢を示し、平和で穏やかで格差のない安定した豊かな暮らしを守ってくれる力量だ。自民党と同じ主張をする民進党に未来はない。それではだれもついてこないだろう。
今の自民党はおかしい、自民党には投票したくない、安倍政権だけは勘弁してほしい、と思っている有権者は少なくない。それなのに投票先がなくて困っている有権者は少なくないはずだ。だから受け皿が必要とされる。だからこそ民進党が自民党と同じ主張をするなんてあり得ない。しっかりしろ民進党。今が踏ん張り時だ。
大分県警の隠しカメラ設置事件で、県警本部長が記者の質問を一切拒否。警察による選挙妨害・市民監視・違法捜査や盗撮盗聴・人権侵害が、組織ぐるみで日常的に行われているに違いない、と強く疑われる大分県警の対応だ。不誠実で横暴で傲慢不遜な体質を象徴している。
公僕として真摯に謝罪するのはもちろん、事件の経緯や背景を説明する責任が大分県警と本部長にはある。違法行為を働いた警察組織の最高責任者が記者の質問に答えないなど、そもそもあり得ないし到底許されることではない。大分県警本部長は、自分の立場を理解していないのではないか。主権者たる県民・国民を愚弄するにもほどがある。
いったいだれのために、何のために、どこを向いて仕事をしているのか、だれから給料をもらっているのか。警察官だけでなく、すべての公務員はこれを機に原点に立ち返って深く自省してほしい。公務員は採用時に全員が、公僕として憲法を遵守すると宣誓したはずなのだから。それが全体の奉仕者たる者の責務だ。
→大分県警・隠しカメラ設置、「質問拒む」本部長に県民から批判も(TBS=JNN)
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20160908-00000006-jnn-soci
◇◇ せっかく「地元広島で勝って胴上げ」という最高のお膳立てがそろっていたというのに、巨人が阪神に勝ったことで優勝が持ち越しになってしまった広島。カープファンがかわいそうだ。よりによって巨人に甲子園で逆転されてしまうとは、本当に役に立たない阪神だなあ。だらしないにもほどがある(ため息)。そして相変わらず全く空気が読めない巨人。まあしょうがないか。広島は自力で頑張れ。でも9日は広島の試合がないから、もしあす巨人が負ければ、盛り上がりに欠ける最低の優勝パターンになってしまう…。
それにしても、テレビの地上波では「広島ー中日」はもちろん、「阪神ー巨人」の試合も放送されないとは驚きだ。昔なら当たり前のようにプロ野球を中継していたのに。関東ではtvk(テレビ神奈川)が「横浜ーヤクルト」を中継するだけだった。
「プレバト!!」(MBS・TBS系、木曜夜7時)の俳句添削は、普通の文章を書く上でもとても参考になる。「重複する無駄な表現はしない」「情景が浮かぶように」「適切な場面転換を」。どれも僕が文章講座で大学生に繰り返し指摘している内容と一致する。芸能人らの実作に対する厳しくリアルなダメ出しは、具体的で面白くてためになるからみんな見た方がいいよ。
「週刊誌に書いてあるから」「具体的なことを書いている」しか言わない弁護士って…。事実確認もせず記事を鵜呑みにする法律家に絶句。そういう宇都宮健児氏のような無責任な姿勢こそが、数多くの冤罪事件を生み出してきた(現在も生み出し続けている)最大の原因ではないのか。警察も検察も裁判官も弁護士も、そしてそれはメディアや市民についても同様だ。
もちろん僕は鳥越俊太郎氏をめぐる「女性問題」を取材した訳ではないので、事実関係や真偽のほどは定かではない。しかし少なくとも「週刊誌に書いてあるから事実だ」などと、一方的に断定するようなことは僕には到底できない。
鳥越氏が政治家としてふさわしいか否か、ジャーナリストとして立派なのかどうかについてはともかく、少なくとも宇都宮健児氏の一連の言動はまるで理解できないし、そもそも弁護士として全く信頼に値しない。事実確認もせずに記事を鵜呑みにして、「女性の人権の問題」などと決め付けて拳を振り上げ、一方的に非難するなんてあり得ない。そんな弁護士に自分の弁護を依頼するなんてことは金輪際ないだろう。それだけは明確に断言できる。
→鳥越俊太郎氏と宇都宮健児氏、生放送中に「女性問題」で激しく言い争う(ハフポスト)
http://www.huffingtonpost.jp/2016/09/09/torigoe-argued-utsunomiya_n_11925390.html
◇◇ 築地市場の移転先とされている豊洲市場で、有害物質で汚染された土壌に盛り土もせず、その上に青果や水産卸売場などの建物3棟を建設し、しかもこれまで東京都は事実と異なる説明をしていたという。これでどこが「安全性に問題はない」などと言えるのか。
「水産卸売場棟▽水産仲卸売場棟▽青果棟─の3棟の建物の下は盛り土がされず、床下は全て深さ5メートルの空洞に」「深さ約2センチの地下水がたまっていた」(毎日)。絶句。
「これまでの都の説明が事実と異なっていたことで、市場の移転計画に影響することも予想されます」(NHK)。生鮮食料品を扱う市場なのだから、安全性に不安を残すことは許されない。これほどのいい加減さで「影響がない」なんてあり得ないだろう。いや、影響がない方がどうかしている。
→豊洲新市場、一部で盛り土せず、都議会答弁とずれ(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/ASJ9B3D1QJ9BUTIL004.html
→築地移転先:豊洲、汚染対策の盛り土せず、都、異なる説明(毎日)
http://mainichi.jp/articles/20160910/k00/00e/040/246000c
→豊洲市場の汚染対策、事実と異なる説明、移転計画に影響も(NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160910/k10010679741000.html?utm_int=news_contents_news-main_004
◇◇ 阪神ファンだけど、広島カープ25年ぶりのリーグ優勝おめでとう! 東京ドームで巨人を倒して胴上げ、というのも結果的にはよかったかもしれない。優勝決定の瞬間から緒方監督を胴上げするまでの間、広島の選手たちがこれからどうしたらいいのか、戸惑っている感じだったのが微笑ましかった。黒田も新井もファンも泣いていて、なんだかとても感動的な胴上げだったなあ。
時事通信の9月8日の配信記事から。蓮舫代表代行について、民進党の岡田克也代表「多様な価値観はわが党にとって非常に重要なキーワードだ。お父さんが台湾出身で、女性であることは多様性の象徴であり、民進党代表としてふさわしい」「お父さんが台湾の人だからおかしいという発想があるとしたら極めて不健全だ。日本国籍を取得すれば日本人だし、リーダーになっていけないことは全くあり得ない」──。
こういう発言こそ民進党からもっと積極的にたくさん発信されるべきで、良識ある多くの日本人から長らく待たれていたはずだ。これこそ崇高な理念を掲げる政治家として、日本国内はもとより世界中に誇れる魂のこもった言葉と言っていいだろう。岡田代表はよくぞ毅然と宣言したと思う。心から敬意を表する。
差別主義者で排外主義者で時代錯誤で復古主義者の安倍自民党の極右政治家たちや、自称愛国者のネトウヨ市民らは恥を知って、少しは岡田代表を見習った方がいい。たぶん彼らには理解できないだろうけど。
→蓮舫氏は多様性の象徴=岡田氏・民進代表選(時事)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016090800778&g=pol
怪獣映画だからそういう風に描いてるんだよ。本当に安倍晋三ってばっかじゃないの。自衛隊が支持されているのは災害派遣での活躍と人命救助などの貢献であって、戦争での破壊や殺戮行為が支持されているわけじゃない。そもそも自衛隊はこれまで戦場で一人たりとも人を殺していないし、現状ではまだぎりぎり戦闘や殺戮行為に加担していない。安倍晋三は都合のいいように怪獣映画を極右宣伝に利用するな。
→「シン・ゴジラでも自衛隊が活躍。国民が支持」安倍首相(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/ASJ9D6618J9DUTFK013.html
豊洲市場は全面撤退して廃棄した方がいいと思うけど、そもそも大地震が起きたら豊洲市場は壊滅状態になるだろうな。地盤が緩いから建物は全壊するだろうし、汚染土壌でぐちゃぐちゃになるのは目に見えている。汚染対策もデタラメ。食の安全は二の次で、市場と道路建設の利権ありき。東京都庁と都議会の闇が深すぎる。
◇◇ 日本国籍があれば国会議員になれるし、そもそも日本国籍を取得した場合に外国籍を離脱するのはあくまでも努力義務だ。しかも日本政府は「国交のない台湾籍の人は中国の法律が適用される」との立場で、中国の法律では外国籍を取得した者は中国籍を自動的に失うのだから、法律的には何も問題ない。民進党の蓮舫議員が二重国籍だの何だのと、こんなことをわざわざ大騒ぎして問題にする方がおかしい。
繰り返すが、日本国籍があれば国会議員になれる。首相や外交を担う閣僚や外交官になるのであれば、その時点で二重国籍が解消されていれば何も問題はなかろう。民進党の蓮舫氏を「二重国籍だ」「スパイだ」などと非難し罵倒することで、時代錯誤の排外主義者だとか差別主義者と見られることを、むしろ日本人として恥ずかしいとは思わないのか。そっちの方が不思議でたまらない。
◇ 【再掲】時事通信の9月8日の配信記事から。蓮舫代表代行について、民進党の岡田克也代表「多様な価値観はわが党にとって非常に重要なキーワードだ。お父さんが台湾出身で、女性であることは多様性の象徴であり、民進党代表としてふさわしい」「お父さんが台湾の人だからおかしいという発想があるとしたら極めて不健全だ。日本国籍を取得すれば日本人だし、リーダーになっていけないことは全くあり得ない」──。
勤務先の大学の大教室で、NHKの特集番組のカメラ取材を受けた。実際に僕の話が使われるのはせいぜい30秒か長くても1分ほどだと思うけど、照明や音声の準備のほかにカメリハも含めて拘束時間は2時間以上。とにかくテレビは、特にNHKは機材もセッティングも大々的だ。映像と音が欠かせないテレビのクルーは大変だよなあと思う。
これまでも新聞や週刊誌からコメントを求められたことは何回もあるが、電話で10分か20分ほどの取材というケースが多い。中にはわずか10行のコメントのためにわざわざ会いに来て、2時間以上も熱心に話を聞いて帰る記者もいるが(僕はこちらの取材タイプだ)、それでも活字メディアの取材はテレビと違って、大規模で大仰なことにはならない。
僕自身が記者としていつもやっていることなので、できるだけ取材依頼には協力するようにしているし、取材そのものに驚くことは何もない。だけどNHKのテレビ取材がこんなに大掛かりなものだとは。知ってはいたけど改めて少しびっくりした。民放だと30分くらいで終わりだもんなあ。いろんな意味で勉強になった。しかしやっぱり緊張したあああ(冷や汗)。
ちなみに最初は「自宅でカメラを回したい」と頼まれたのだが、資料や本が散乱しているし狭いし掃除もしていないので、さすがにそれは勘弁してほしいと遠慮した。それでもぜひと粘られ、「近くで建設工事をしているので音が拾えないと思う」と伝えたらようやくあきらめてくれたのだった。夏休み期間中の大教室を快く使わせて下さった大学広報課に、心から感謝を申し上げます。
◇◇ 共産党都議団がすっぱ抜いて白日の下にさらした豊洲新市場の汚染土壌対策疑惑(謎の豊洲地下空洞問題)。民進党に続いて、きょう14日になって公明党も地下に潜ったんだってさ。共産党の二番煎じっぽいが、そもそもどうして民進党や公明党は今まで追及しなかったのか、むしろそこが気になる。でもって、自民党は豊洲新市場の主要施設の床下にはいつ潜るのだろう。今さら潜れないし潜るわけないか。そもそも自民党都連は建設業界と密接で濃厚なズブズブの関係にあるもんね。
ろくに運転もしていないのに、これまでに事業費として1兆円もの税金をドブに捨ててきた高速増殖炉「もんじゅ」(福井県)。さらに毎年約200億円の維持費を無駄にしているという。それでも巨額の税金を平然と浪費し続けるのは、そこから莫大な利益を得ている連中がいるからだ。まさに税金ドロボー。しかも事故は起こすし、管理運営は杜撰でデタラメ。ふざけるなという言葉しか出てこない。ゴミクズ製造機である「もんじゅ」は、やはり1秒でも早く廃炉にするしかない。
相変わらずの「石原節」が全開だ。都合の悪いことを聞かれると記者を恫喝し、全く見当違いの逆質問(一見もっともらしいが実際はまるで意味不明)を繰り出して、平然と開き直る石原慎太郎・元都知事。在職当時の記者会見で、石原知事自身が豊洲新市場の「汚染土壌の盛り土処理」を否定する発言を繰り返し、その映像が残っているのにそれでも堂々と嘘をつく。石原知事のクズっぷりは昔のままだ。そして腐り切った都庁も変わらず現在に至る。
◇◇ 「二重国籍」問題は人権問題だと思うから、蓮舫氏に対する攻撃は不当で情けなく恥ずかしいという考えに変わりは全くないけど、しかし野田佳彦前首相の幹事長起用には唖然呆然だ。それでは自民党とほとんど何も変わらないではないか。次の選挙で大敗し民進党は自滅するつもりなのか。今からでも遅くはない。考え直してほしい。
名護市辺野古の埋め立て承認を取り消した沖縄県の翁長雄志知事を国が訴えた訴訟で、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)は沖縄県全面敗訴の判決を言い渡した。国の主張をほとんどそのまま追認し、「米軍普天間飛行場の危険除去と基地負担軽減には辺野古の埋め立てしかない」「選挙で何回も示された沖縄県民の民意なんか国は相手にしなくていい」「そもそも国が決めたことに地方自治体が口を挟むなど許されない」と、威丈高で高飛車に断じたに等しい実に乱暴な判決だった。
これほど非論理的で説得力のない一方的な判決を、恥ずかし気もなく堂々と開陳する裁判官とは。憲法の番人としての矜持も法曹の誇りも良心も、すべてかなぐり捨てたんだなあ。呆れ果てるというよりも哀れみさえ覚える。安倍政権・安倍自民党だけでなく裁判官も、沖縄は「憲法番外地」で構わないと考えているのか。
豊洲新市場の盛り土問題で、外堀も内堀も着実に埋められていく石原慎太郎・元都知事。この男の無法さやデタラメ無責任ぶりはこれだけではないが、とりあえず莫大な損害を私費で全額賠償してもらいたい。食の安全を確保することが不可能な豊洲新市場はもはや使い物にならず、巨額の税金をドブに捨てることになったのは明白なのだから。
石原知事と都庁の担当役人は、相応の責任を取るべき立場にあるはずだ。都合が悪くなると恫喝し開き直って平然と大嘘をつく。傲慢不遜で厚顔無恥なふざけた態度が、いつまでもどこまでも通用すると思ったら大間違いだ。すべての都民に土下座し、全財産を差し出して謝罪すべきだろう。
→建物下に盛り土なし工事、石原元知事が契約承認(TBS=JNN)
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20160919-00000049-jnn-soci
そもそも「豊洲」なんていう汚染されたとんでもない場所に、築地市場の移転先を決めたこと自体が大問題だし、あり得ない話だ。水産物や青果を扱う市場では、まず何よりも「食の安全」こそ最優先されるべきなのは当たり前の話ではないか。本末転倒の議論や計画がまかり通るこの国の不思議。原発の再稼働や武器輸出や憲法違反の安保法制(戦争推進法)にしても同じだよなあ。あれもこれも本末転倒なことばかり。
◇ 水産卸売場棟の地下で採取した水から、環境基準では不検出であるべきシアン化合物が検出。元日本環境学会長「猛毒のシアン化合物が検出されたことは極めて重大。地中にはより高濃度で残っている可能性がある」。豊洲を市場として使うのはもう無理だろう。
→地下採取の水からシアン化合物、豊洲市場、都議会公明(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/ASJ9N6FQ5J9NUTIL049.html
◇◇ 【メモ】今では欧米を中心に世界の半分ぐらいの国々が、法的に重国籍を容認している。人々の国際移動や国際結婚が増え、人権擁護が重視されるようになったことも重国籍容認を促した。近藤敦・名城大教授(憲法)「二つのルーツを持って生まれた子に片方だけを選ばせるのは酷だ、という感覚が一例です。個人のアイデンティティーという点でも多元性が大事になっています」。
日米両国籍を持つ国際社会学者の佐々木てる・青森公立大准教授「両方の国を大事に思えばこそ、両国が戦争にならないよう平和な関係を築こうとする可能性もある。これからの国際社会を考えれば、重国籍というだけでリーダーとして不適格だとみなすのはそぐわない。多様なルーツを持つ人材として活用する選択もありえるのではないか」。
(20日付朝日朝刊・文化文芸面/「重国籍から見える『今』、二国の法律守る『不可能でない』」から)
福島第一原発の廃炉や賠償だけでなく、ほかの原発の廃炉費用も政府は消費者(国民)に負担させる方針。8兆円超の莫大な額になるとのことだが、たぶん今後さらにもっと膨らむだろう。なんと理不尽な。原発が安くて経済的で安全だという嘘八百は既に破綻している。しかも放射性廃棄物(核のゴミ)の処理と管理が、また別の大きな問題として横たわっているというのに。
それでもそんな原発を再稼働させて推進するというのか。目先のほんのわずかな利益に目がくらんで、取り返しのつかない泥沼に突き進んでいることになぜ気がつかない。ごく一部の人間がその場だけ潤って豊かな気分になるために、多くの国民が多大な負担を未来永劫ずっと背負わされる。いい加減に目を覚ませよ。
→福島の廃炉、国民負担8・3兆円、新電力にも負担要求(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/ASJ9N51B1J9NULFA01T.html
◇◇ 高速増殖炉「もんじゅ」は廃炉するも、その一方で核燃料サイクル政策は維持するという。そもそも原発も核燃料サイクルも既に破綻しているのに、未練がましいというか往生際が悪いにもほどがある。つまり莫大な税金をこれからまた無駄にドブに捨てて、さらに気が遠くなるような負担を国民に強いるというのか。信じ難い。馬鹿じゃないか。安倍自民党も原発利権の関係者も、みんなもれなく狂っているとしか思えない。
→核燃サイクルを維持=廃炉含め抜本見直し、もんじゅ閣僚会議・政府(時事)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160921-00000128-jij-pol
◇◇ これは酷い。情報公開請求の情報を漏らした富山市職員は懲戒免職処分とされるべきだろう。断じて「軽微な事案」などではない。情報公開制度と個人情報保護法の趣旨に反するだけでなく、重大な信用失墜行為だ。富山市と議会事務局は、事態の深刻さを果たしてどれくらい認識しているのだろうか。
→職員がTV局の公開請求漏らす、元富山市議が口裏合わせ(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/ASJ9N6759J9NPUZB00Z.html
沖縄の米軍機墜落事故に対して住民の声が切実だ。事故と沖縄の基地問題の本質を的確に語っていると思う。沖縄の負担や被害が突出して大きすぎることを、安倍政権も本土の人間もどれだけ理解しているのか疑わしい。
<嘉手納町の住民「パイロットはパラシュートで逃げることができるかもしれないが、地上に墜落すると住民は逃げることはできない。口ばかりの負担軽減ではなく、基地を撤去してほしい」>(9月23日付東京朝刊)
→米軍機墜落「基地ある限り起きる」、ハリアー、沖縄で事故18回(東京)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201609/CK2016092302000133.html
多数が少数を一方的に従わせて虐げるのは、民主主義でも何でもない。それは横暴で傲慢な「数の暴力」だ。選挙で勝てば何をしてもいい、ということではけっしてないはずだ。
選挙で示された沖縄の圧倒的多数の「民意」には一切耳を貸さず相手にもしないくせに、「圧倒的多数を占める本土」が「圧倒的多数の国民に支持された政権の決定だから服従しろ」と言わんばかりに、沖縄住民の生活と安全と人権を平然と踏みにじる。そんな民主主義があるか。なんとおぞましい「先進国」なんだろう。
◇ 【メモ】<本土でなら起こりえないことが多すぎる──沖縄の多くの人のやりきれぬ胸の内だろう。「沖縄差別」の声が噴き出すゆえんだ。本土という99%が1%に負担と屈辱を押しつけ、幸せは私、苦しみはそちら、と言い放つのなら、そこには民主主義をうたう政治はない。>(日曜に想う「沖縄、99%が押しつけるもの」編集委員・福島申二)(25日付朝日3面)
◇ 【メモ】<(「日本時代」の台湾の)おばあちゃんも、おとうさんも、かつては「日本人」だったのだなと今更ながら気がついた><元日本人の父と日本人の母の子として、日本で生まれ育ち、日本国籍を選択した蓮舫氏。それでも二重国籍が問題視され騒がれる。「純粋な日本人」であることは、それほど大切なのだろうか?>(政治断簡「日本人って、だれだろう」編集委員・松下秀雄)(25日付朝日4面)
安倍首相の所信表明演説中に、大多数の自民党議員が一斉に立ち上がって拍手し続けた。なにこれマジで気持ち悪い。各党の反応「異様な光景だ」「北朝鮮か中国共産党大会みたい」。確かに。
北朝鮮や中国共産党政権を率先して批判している安倍首相と安倍自民党が、実は最も北朝鮮的で、最も中国共産党的な体質や姿勢を見事に体現し実践している。次はナチスドイツか大日本帝国でも模倣するのかな。
それにしても各社の記事をどれを何回読んでも、やっぱり安倍政権は最低最悪でキモい。パフォーマンスとかそういったレベルの話ではないと思う。安倍政権の根本的体質と時代の「危うい空気」を象徴している。
そもそも国民に銃口を向けて威圧し監視し排除する「暴力装置」「国家権力の犬」の役割を担って(担わされて)、沖縄の辺野古や高江の現場で住民弾圧の任務を果たしている海上保安庁・警察・自衛隊を、国会の場で無批判に褒めたたえる安倍首相と自民党議員の行為には違和感や疑問が大いにある。そういう無神経な言動こそ厳しく問われるべきだろう。沖縄での海保や警察の対応には落胆し衝撃を受けた人も多いはずだ。災害救助などの活躍とはまるっきり正反対の役割だし、全く別次元の問題だ。
→自民、演説中に立ち上がり拍手、野党「異様な光景」と批判、所信表明(時事)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160926-00000101-jij-pol
→首相の呼びかけで自民議員が起立・拍手、衆院議長は注意(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/ASJ9V5K7MJ9VUTFK012.html
→首相の拍手に自民議員一斉起立、「北朝鮮か中国」と野党(共同)
http://this.kiji.is/153104600219747828
安倍首相の所信表明演説中に自民党議員が一斉に立ち上がって拍手したことについて、小泉進次郎衆院議員が反省の弁。「あれはない。ちょっとおかしいと思いますよ。よくアメリカとかの議会で見るのは分かるけど、なんとなく自然じゃないですよね。僕もびっくりしてつい立っちゃったよ」。自民党内からまともな声が聞けて少しほっとした。
◇ 安倍首相の演説中に自民党議員が一斉に立ち上がって拍手したのは「自然発生的だった」(佐藤勉議運委員長)という説明だったが、実際は萩生田光一官房副長官の事前指示が飛び交っていたのだという。つられて立ち上がった議員も何人かいたらしいけど。なんだよ、やっぱりやってることは中国や北朝鮮の全体主義と何も変わらないじゃん。
→首相演説に一斉起立・拍手、事前に「指示」飛び交う(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/ASJ9W55NWJ9WUTFK00D.html
◇◇ 【おことわり】9月23日付から9月27日付の「身辺雑記」をまとめて掲載しました。
横浜・上大岡のデパートの北海道物産展で札幌けやきの味噌ラーメンを食べた。やっぱりラーメンは味噌が断然いい。味噌ラーメン大好きだ。中太の縮れ面に三種類の味噌と、白髭ネギやキャベツなど野菜の甘さが見事に絡んで味わい深い。最高に美味しかった。脂ギトギトの横浜家系のラーメンはたまに食べるのはいいけど、うーんどうも家系は苦手。
◇◇ 日本ハムファイターズ、パ・リーグ優勝おめでとう! 15奪三振で完封勝利という見事なピッチングを見せた大谷翔平と、ホームランで貴重な1点をチームにもたらしたレアードにあっぱれだ!
適切な処理がされていないから有害物質が検出されたのだ。漏出したのはあくまでもごく一部にすぎない。豊洲の地下にまだまだ猛毒がたっぷり残されているのは容易に想像できる。きっかけがあれば、今後いくらでも有害物質が表面に出てくるのは間違いない。
いくら立派な上物が既に完成済みであっても、「もう決まったことなのだから移転は仕方がない」とはならないし、そんな本末転倒なことがあってはならないはずだ。そもそも安全性が担保できないような場所で、食品を扱うなんてあり得ないと思うけど。
→豊洲新市場の地下水、環境基準上回るベンゼンとヒ素検出(TBS=JNN)
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20160929-00000079-jnn-soci
→<豊洲地下水>有害物質基準超え、小池知事、移転判断影響も(毎日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160929-00000094-mai-soci
◇◇ 血税を湯水のように無駄に使って、しかもドブに捨てるような使い方を平気でする。東京五輪の計画も、豊洲新市場の建設も、そして高速増殖炉「もんじゅ」や原発でも。そうした無駄金で私腹を肥やし潤っている政治家や役人や企業が確実に存在する。一方で、適切に税金が使われないことで困っている人たちが大勢いる。納税者はもっと怒るべきだ。
所信表明演説中に自民党議員が総立ちして拍手したことを、衆院予算委員会で批判された安倍首相が、「米国議会ではよくある。どうしてこれがことさら問題になるのか理解できない」と興奮して反論。どうして問題視されているのかも分からないのか。自分自身で拍手しながら議場の国会議員たちにも拍手を促し、どこかの国の将軍様のように振る舞った滑稽さも理解できないとは。むしろよほど痛いところを突かれたと感じているからこその逆ギレだろう。
前にも書いたが、そもそも沖縄の辺野古や高江の現場で「住民弾圧」の任務を果たしている海上保安庁・警察・自衛隊を、国会の場で無批判に褒めたたえる無神経な言動こそ厳しく問われるべきだろう。災害救助などの活躍とはまるで正反対の「権力の手先」。そんな役割を担う(担わされた)特定の職業だけを、なぜあえて賛美して褒めたたえるのか。われわれ国民(主権者)はその異様さに気付かなければならないと思う。
◇ 自民党議員が総立ちで拍手したことに対し、自民党の高村正彦・副総裁が「民主党政権の時に、鳩山総理の所信表明演説に民主党議員がスタンディングオベーションした時には、少なくとも自民党は抗議などしなかった」と反論。鳩山首相の時は演説が終わった後の拍手で、今回は安倍首相の演説の最中。全然違う。事実と異なるデマを流して、どっちもどっちであるかのように論点をすり替えるのは、安倍自民党の常套手段だ。一方的なデマをそのまま垂れ流し、問題点を指摘しないメディアの責任は大きい。