身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2017年10月1日〜10月31日

●今こそ「受け皿」に●原点回帰の好機●「立憲民主党」の書体(ロゴ)がカッコいい●唐突すぎる「原発ゼロ」●主権者としての自覚●苦境や窮地を好機に●言いがかり●異様さ際立った安倍首相●最高裁裁判官の国民審査●嘘つきでスカスカ●挙動不審だよ安倍首相●選挙の争点は「安倍政治」●満員電車でアイスを食べる女●一部勝訴●最高裁裁判官国民審査の判断●政権批判票の行方は●大内文一氏の急逝を悼む●どこも満席●次の総選挙へ始動せよ●安倍政権の信任ではない●気持ち悪いネット住民●「小池さんのおかげ」●国会審議を拒む民主主義●狂気を感じる茶髪指導●ついに野党の「質問封じ」まで●「事実」を大切にしない風潮●議会制民主主義の破壊●弁護団会議●●●ほか


10月1日(日曜日) 今こそ「受け皿」に

 民進党リベラル系議員は結束して、毅然と敢然と選挙戦を戦うべきだ。信念と誇りを胸に、立憲主義を理念に掲げる新しい集団を立ち上げる俊敏な行動力が欲しい。せっかく極右新党が「選別排除」してくれるというのだから、むしろこれは千載一遇の機会だ。右派議員が結集した「希望」と安倍自民党が相互に罵倒し、つぶし合っているのも好機と見るべきだろう。共産党や社民党とも共闘し、ためらうことなく徹底的に安倍政権批判を続ければよい。今こそ「受け皿」となるべきだ。


10月2日(月曜日) 原点回帰の好機

 民進党のリベラル派議員らが新党「民主党」の結成を検討。リベラル派のあるべき姿というか原点に立ち返る形になって、むしろよかったと思う。すっきりする。改憲・安保法制に賛成の極右議員と訣別できて、有権者にとっても分かりやすい。

<民進党>枝野氏ら新党結成へ、党名「民主党」を検討(毎日)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171002-00000006-mai-pol

 枝野幸男氏が新党「立憲民主党」の結成を発表。「希望の党の理念や政策は私たちが目指してきたものと異なると判断せざるを得ない」「民主主義とはみんなで議論して、納得した上で進めていくものだ」──。いいんじゃないかな。「立憲民主党」の書体(ロゴ)がカッコいい。「立憲」をやや小さめに「民主党」を大きめに描いて、文字をずらして右肩上がりに配置したバランスもよい。「民進党」のフォントデザインは美しくなかった。

 リベラル系の新党「立憲民主党」は共産党や社民党とも共闘し、ためらうことなく徹底的に安倍政権批判を展開し続ければよい。森友・加計問題や自衛隊「日報」隠蔽問題は終わっていない。憲法を蹂躙し国政を私物化する安倍政権の追及はこれからだ。もちろん脱原発(原発ゼロ)の道筋も。今こそ「受け皿」となるべきだ。「極右政党には投票できない」「安倍自民党は無理」という多くの有権者の希望となるはずだ。

 立憲民主党の結成会見で枝野氏。「この状況を喜ぶ方がおかしいが、ピンチはチャンス」。極右議員や「変節」議員があぶり出されることになって、かえって分かりやすくすっきりした。理想と理念を掲げ、前向きのプラス思考で進むことを期待したい。

<衆院選>表情硬く「厳しい船出」悲壮感も、枝野氏新党会見 (毎日)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171002-00000068-mai-pol

◇◇

 【メモ】各社の世論調査で再び、安倍内閣不支持が支持を大きく上回っている。▼安倍内閣を支持する37%(7ポイント減)、支持しない44%(8ポイント増)=NHK。▼支持36・9%(4・4ポイント減)、支持しない46・3%(6・7ポイント増)=ANN。▼支持40・6%、支持しない46・2%=共同通信。▼支持37%、支持しない61%=北海道新聞。


10月3日(火曜日) 唐突すぎる「原発ゼロ」

 希望の党(極右新党)が公認申請者に誓約を求めた「政策協定書」には、安保法制・憲法改正に賛成すること、外国人への地方参政権付与に反対することは明記してあるのに、脱原発(原発ゼロ)については一切触れていない。それなのにもっともらしく「原発ゼロは重要なテーマ」などと、唐突に語り出す小池百合子都知事。信じろという方が無理。うさん臭さしか感じられない。そもそもこれまでの小池都知事の言動を考えれば、原発ゼロや廃炉に本気で取り組むとは到底思えない。

◇◇

 小池都知事を当初から一貫して支援してきた3人の都議のうち、上田令子、音喜多駿の2氏が「都民ファーストの会」を離党する意向だという。「内部で情報統制され、自由に議論できなかった。知事が都政に専念しないのも残念」。さもありなん。

 軒先を貸して親切にしていたら母屋を乗っ取られ、挙げ句に手下のように扱われて、自由にものも言えない小池独裁体制。そりゃまともな感覚と理性と理念と自尊心を持っていれば、愚図愚図と小池一家にしがみついたりせず、一目散に逃げ出すだろう。

音喜多駿都議ら都民ファ離党へ、幹部「この時期に最悪」(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASKB3632RKB3UTIL03Q.html

◇◇

 きのうの新党結成発表の日にも書いたけど、やっぱり「立憲民主党」の書体(ロゴ)はカッコいいよね。デザインも書体もバランスも整っている。デザイナーが一晩で作ったのかあ。結党の意気込みや基本姿勢がデザインに体現されているからこそ、理念と意思が伝わってくるのかもしれない。とにかく書体そのものが個人的にとても好きだ。もちろん基本姿勢も。

 (以下再掲)「立憲民主党」の書体(ロゴ)がカッコいい。「立憲」をやや小さめに「民主党」を大きめに描いて、文字をずらして右肩上がりに配置したバランスもよい。「民進党」のフォントデザインは美しくなかった。

立憲民主党のロゴに注目集まる、デザイナーが一晩で作成、「民」の字が大きいのにも意味が(BLOGOS)

http://blogos.com/article/249908/


10月4日(水曜日) 主権者としての自覚

 先週に続いて今週の講義でも、学生に「主権者としての自覚」を促した。ニュース(判断材料)をしっかり吟味して投票で意思表示するのは、市民の権利なのだと繰り返し強調した。総選挙の投票日まであと2回、主権者としての自覚を促す機会がある。しつこく授業で鼓舞したい。

 ところで前回の後期1回目の授業と比べて、きょうは教室の学生がめっちゃ多いんだけど…。普通は2回目になると減るものではないのか。用意したレジュメと資料プリントが足りなくなってしまったじゃないか。授業が終わってから受講者リストを見たら、履修登録が2割ほど増えていた。まあ次回は少し落ち着いて出席者も減るだろう。


10月5日(木曜日) 苦境や窮地を好機に

 何のために政治家になったのか。何がしたくて政治家を志したのか。そもそも自分が目指す政治とは何なのか。民進党の希望の党への身売り「合流」騒動(選別排除)と立憲民主党の立ち上げは、政治家一人一人が、そういうことを改めて考えるいい機会になったのではないか。言うまでもないことだが、同時に有権者の選択眼も問われる。

 政治家として自分が進むべき道を見つめ直そうと、今さらながら熟考に熟考を重ねている議員も少なくないはず。人間は弱いから、追い詰められたら怯んだり日和ったりするのは、ある意味仕方ないと思う。筋を曲げることもあるだろう。

 大事なのはそこから先だ。いったんは怯んで日和ったとしても、初心を思い出して覚醒すればそれでいい。そんなきっかけが与えられたと考えれば、苦境や窮地も好機となるに違いない。もちろん、信念を貫いて筋を通すのが一番カッコいいに決まってるけど。

◇◇

 「諸般の事情により安倍総裁の演説は中止となりました」「こんな人たちに負けるわけにはいかない」「首相が逃げた」──。ダッせぇ。みっともない。無様。そんな言葉しか浮かんでこない。ヤジが怖くて、街頭演説の場所を慌てて変えた安倍首相。総理大臣らしくもっと正々堂々としなよ。

首相演説、ヤジ懸念し場所変更(毎日)

https://mainichi.jp/senkyo/articles/20171006/k00/00m/010/161000c


10月6日(金曜日) 言いがかり

 立憲民主党代表の枝野幸男さんも大変だなあ。新聞の短いインタビュー記事をまともに読みこなせず理解もできない、そんな読解力の欠如した思い込みだけが強い連中から言いがかりをつけられて、真面目に返答してもなお執拗な難癖と罵倒が続くなんて。気の毒すぎる。

 記事を何回読んでも、枝野さんの見解は至極真っ当な発言としか思えないのだけど。新手の「工作員」なのか、それとも本当に頭が悪いストーカーか、たちの悪い「活動家」なのか。

 <希望の党との連携については「安倍政権打倒」で動くなら、その限りでは連携できる。政権交代可能な2大政党化に取り組む。勢力の結集を目指す>。「その限りでは」と明確に限定しているのだから、そうであれば理解し得る戦略であって何も問題ない。

衆院選:「政権打倒なら希望と連携」立憲民主党・枝野代表(毎日)

https://mainichi.jp/senkyo/articles/20171006/k00/00m/010/192000c

◇◇

 度し難い安倍自民党・日本政府の中で、岸田文雄・前外相がまともな人でよかった。ほんの少しだけ救われた思いがする。NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のノーベル平和賞受賞に対し、コメントを出さない安倍政権と外務官僚は恥を知れ。情けないにもほどがある。

岸田前外相、平和賞を歓迎、核廃絶「それぞれの立場で努力」(共同通信=沖縄タイムス)

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/153037


10月8日(日曜日) 異様さ際立った安倍首相

 日本記者クラブ主催の党首討論会。安倍首相の異様さが改めて際立っていた。質問にまともに答えない、質問と関係ない話をだらだら続ける、一人だけ制限時間を守らない、要点を簡潔にまとめる能力がない、事実と異なる嘘を並べ立てる。森友・加計問題でも、臨時国会の冒頭解散問題でも、憲法改正や北朝鮮問題でもすべてこの調子だ。今さらだけど、不誠実極まりない態度を全国に知らしめることになった。記者クラブ側は結構突っ込んで質問したと思う。

 自己紹介の記述すらないツイッターの匿名アカウントで、「日本記者クラブ側の質問者が、肩書きすら名乗らず質問している。SNSで匿名で質問しているのと同じ状態」などと事実に反する難癖リツイートを飛ばしてくる滑稽さ。自己矛盾にもほどがある。恥ずかしいと思わないのか。ちなみに記者クラブ側の質問者は、司会者が全員フルネームで紹介している。質問者は各社の著名記者だ。


10月9日(月曜日) 最高裁裁判官の国民審査

 あす公示の衆院選と同時に、最高裁判所裁判官の国民審査も告示される。現在の裁判制度や司法のあり方を全否定するなら、対象となる7人の裁判官全員にX印を付けるという選択もアリだろう。しかし、裁判所の現状を認めた上で改善すべきだと考えるなら、各裁判官ごとに取捨選択し可否を判断した方がいい。

 最高裁判所裁判官の国民審査の際に判断材料として必要なのは、裁判官の人柄や趣味や面白いエピソードなどではない。端的に言って人柄はどうでもいい。性格が悪かろうが良かろうが、大事なのはどんな判決を言い渡したかという事実だ。憲法と良心に従い、裁判官として人権と民主主義を擁護する姿勢で行動したか否か。それだけだ。

 憲法の番人・最後の砦である最高裁判所の裁判官に国民が求めるのは、「憲法と良心に従って人権と民主主義を擁護する姿勢で行動したか」その一点だけだと言っていい。主権者たる国民の判断基準はそこにこそある。憲法と法律を平然と無視し蹂躙する安倍政権下での総選挙・国民審査だから、なおさら重要な意思表示となる。

 国民審査で問われるべき最高裁裁判官の姿勢の一例。原発の再稼働、違憲立法審査権、冤罪事件への対応はどうだったか、再審請求の門戸を開いたか、国家権力の理不尽な介入や横暴(警察・検察・入国管理局・刑務所の不正や暴力を含む)にどのように向き合ったか、思想・良心・表現の自由を擁護したか。

◇◇

 「安倍総理大臣をしっかりと前面に出して選挙を戦いたい」(自民党選対委員長)だってさ。安倍首相を前面に出せば出すほど、票を減らすだけだと思うけどなあ。なんと言っても街頭演説の日時や場所を公にせず、ひたすら逃げ回ってゲリラ戦を展開するほど、国民の目を恐れている安倍首相だからね。安倍政権が既に「死に体」なのは間違いない。

 安倍首相の大親友が「特別扱い」されて便宜をはかられていること自体が、あり得ない国政の私物化であって、著しく公正さに欠ける。国民の7割以上が安倍首相の説明に納得していないし、公文書などの情報の隠蔽に怒っている。にもかかわらず安倍首相はまともに説明せず、質問の答えをはぐらかす。証人喚問にも応じない。

 TBS「NEWS23」の党首討論でも、そんな安倍首相の姿勢は変わらず。「日本のこころ」中野正志代表の森友・加計問題に対する擁護・援護射撃が、どう考えても安倍首相にとってありがた迷惑になっているのが笑えた。いいぞもっとやれ。

◇◇

 あまりに理不尽。あまりに残酷。あまりに悲惨。あまりに無念。自分の横暴や無法を棚に上げて逆ギレし、他者を攻撃する呆れた運転手がこのところ目立つ。テレビ朝日「報道ステーション」でも伝えていたが、進路を塞いだ男の責任は重大だ。難癖をつけて車を止めさせた危険行為の悪質さはもちろん、追突事故を招いた因果関係も十分すぎるほどある。事実だとすれば卑劣極まりない。

進路塞がれ停車、追突され夫婦死亡、6月の東名事故(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASKB85SBPKB8ULOB00Y.html


10月10日(火曜日) 嘘つきでスカスカ

 いまだかつて「丁寧に説明」したことなんかないのに、「質問には丁寧に説明する」などと事実に反することを並べ立てる安倍首相。しかも「愛媛県の加戸知事が」「ワーキンググループの八田さんが」と、壊れたレコードのように同じ言い訳を繰り返すばかり。そもそも援護射撃している全員が安倍首相の「オトモダチ」じゃないか。本当に呆れ返るばかりの嘘つき総理だよなあ。

 パラダイム、ワイズスペンディング、メルクマール。いったいどれだけもっともらしく「カタカナ言葉」を並べれば気が済むのだろう。極右なら極右らしく「美しい日本語」で分かりやすく国民に説明しなよ、希望の党代表の小池百合子都知事。話の中身がスカスカすぎる。

 創価学会の教義や、歴代創価学会会長の思想や教えに背くことをやっているとは思わないのかな、公明党の山口那津男代表。真っ当な創価学会員なら、安倍自民党と一緒になって平和憲法や立憲主義や民主主義を踏みにじるのは、仏法に反し万死に値する行為ではないのか。

 筋が通っていて論理的で冷静で真摯で真っ当な覚悟が感じられるのは、やはり共産党の志位和夫委員長と立憲民主党の枝野幸男代表だった。理想と理念を踏まえた上で、現実にも即した対応を示している。議論を重ねた上で、納得が得られる方向に政治を進めるのが民主主義の基本。専守防衛は平和国家たる日本の国是のはず。共闘が上手くいくことに期待する。


10月11日(水曜日) 挙動不審だよ安倍首相

 テレ朝「報道ステーション」の党首討論でも、しゃべればしゃべるほど嘘や矛盾やごまかしが露呈する安倍首相。森友・加計問題で、極右政党のこころや維新が援護射撃すればするほど、むしろ安倍首相の吊るし上げに等しい状況につながって、どんどん追い詰められていく安倍首相。自業自得ながら、まさに公開処刑のような様相になっているのが笑える。

 つまるところ、安倍昭恵夫人や加計孝太郎理事長ら関係者を国会に呼んで、証人喚問すればいいだけの話なのに、安倍首相が頑に応じようとしないのって変だよね、という結論に落ち着いた格好の党首討論。テレビを見ていた多くの人もそう感じたに違いない。

 それにしてもいつでもどこでも、相変わらず一人で延々としゃべり続ける安倍首相。独り善がりで身勝手で冷静さに欠け、視線は定まらず落ち着きもなく説得力もない。そして支離滅裂。無理だとは思うけど、もっと落ち着いて論理的に説明して。

◇◇

 きょうの講義のテーマは事件報道(被疑者の人権と被害者の人権)。「逮捕イコール犯人」とは限らないことを強調。自白偏重捜査の実態や裁判の流れ、冤罪が後を絶たない現状などを踏まえて説明する。時間配分を間違えて後半駆け足になったけど、今年の学生は大半がしっかり理解してくれたみたいで、ほっとひと安心。


10月12日(木曜日) 選挙の争点は「安倍政治」

 きょう12日付朝日社説。「首相が国民に繰り返し約束した『丁寧な説明』はまだない。首相はどのように説明責任を果たすのか。それは、選挙戦の大きな争点である」。その通り。

朝日社説「衆院選、安倍首相、説明になっていない」

http://digital.asahi.com/articles/DA3S13175627.html

◇◇

 あくまでも「被告人」の立場の人物に対する内閣総理大臣の問題発言。「推定無罪」の原則を無視し、さらに「司法の独立」を侵してはばからない安倍首相の発言に批判の声。そもそも権力を私物化する大嘘つきの詐欺師は、安倍首相自身ではないか。「お前だけには言われたくないよ」の典型でもある。

<首相>「籠池被告は詐欺を働く人物」、法曹関係者が批判(毎日)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171012-00000077-mai-soci

◇◇

 衆院選序盤情勢。「自民堅調」(朝日)、「自民、単独過半数の勢い」(読売)、「与党300議席に迫る勢い、自民単独安定多数も」(日経)、「自公300超うかがう」(共同)など、各社軒並み自民圧勝を伝えているが、某全国紙系記者の話では、自民圧勝とは言えないデータもあるらしい。あくまでも序盤情勢だ。絶望し諦めるのはまだ早い。

◇◇

 帰宅時に乗った下りの京急快特。満員の車内で立ったまま、カップのアイスクリームを食べる女性(推定20歳くらい)がいた。激しく揺られて前後左右の乗客にぶつかりながら、それでも黙々とアイスをむさぼる姿に驚愕。大惨事に至らず、無事に完食したことに安堵するとともに唖然。1メートルほど離れた場所にいたからいいけど、こういうのがすぐ隣だったら勘弁してほしいよなあ。


10月13日(金曜日) 一部勝訴

 「憲法九条俳句掲載拒否訴訟」で、さいたま地裁(大野和明裁判長)は、公民館側が公民館だより不掲載の理由を十分に検討していないとして、さいたま市に慰謝料5万円の支払いを命じた。しかしその一方、「公民館だよりという特定の表現手段を制限されたにすぎない」として、表現の自由を侵害されたとする訴えを認めず、俳句掲載請求も認めなかった。

 判決後、弁護団や原告側は「画期的判決だ」と評価し喜んでいたが、画期的とまでは言えない微妙な判決だなと感じた。元教員である公民館長らの個人的責任(不作為や裁量権逸脱)は指摘したが、硬直した行政システムや、市民の表現行為に行政が恣意的に介入制限する違法性を、判決は認めていないからだ。原告側は怒っていいと思う。

 東京地裁と違ってさいたま地裁は、傍聴整理券の配布や垂れ幕の扱いなどもユルくていいなあ。裁判所職員も警備員も穏やかで威圧感はなく、のんびりしていて温厚な対応に終始していた。駆け出し新聞記者時代に、当時の浦和地裁を担当していたころと全く変わっていない。こういうところが埼玉らしくて好きです。

◇◇

 【メモ】「言葉や行動の一貫性を見ていく」──。政治家・候補者を見る目として、特に今回の選挙に際しては大事な判断基準になる。けだし名言。報道ステーションで、ゲストの生物学者・福岡伸一氏のコメントをまとめた富川悠太キャスターの言葉から。


10月15日(日曜日) 最高裁裁判官国民審査の判断

 今回の最高裁裁判官国民審査の審査対象は、小池裕、戸倉三郎、山口厚、菅野博之、大谷直人、木澤克之、林景一の7人(告示順)。個人的には、少なくとも次の4人には「X印」を付けるべきだと思う。▲小池裕(裁判官出身)、▲大谷直人(裁判官出身)、▲木澤克之(弁護士出身)、▲菅野博之(裁判官出身)。

 ▲小池裕(裁判官出身)と▲大谷直人(裁判官出身)の2人は、2015年の夫婦別姓訴訟(最高裁大法廷)で、夫婦別姓を認めない現行の民法の規定(強制的夫婦同姓制度)を合憲とし、選択的夫婦別姓を求める訴えを退けた。

 小池裕はこのほか、森友学園の国有地売却交渉記録の証拠保全申し立てについて、保全を認めないとした東京高裁の判断を支持し、特別抗告を棄却した。

 厚木基地騒音訴訟では、自衛隊機の夜間早朝の飛行差し止めを命じた一、二審判決を取り消し、二審判決が認めた将来の騒音被害に対する損害賠償も却下した(最高裁第一小法廷・小池裕裁判長。大谷直人と木澤克之を含む5人の裁判官全員一致の意見)。

 ▲木澤克之(弁護士出身)は、学校法人加計学園の元監事。加計孝太郎理事長の同級生。安倍政権オトモダチ人事による異例の任命。

 ▲菅野博之(裁判官出身)は、沖縄・辺野古への米軍基地移設をめぐって、埋め立て承認を取り消した翁長雄志知事を国が訴えた訴訟の上告審で、沖縄県側の上告を棄却した。(敬称略)

(=関連記事10月9日付「身辺雑記」参照)


10月16日(月曜日) 政権批判票の行方は

 中盤情勢でも自民党は300議席を超える可能性があるという調査結果の一方で、安倍首相の続投を望まない声が47%を占めた。必ずしも自民党が積極的に支持されているわけではなく、政権批判票が分散しているのが自民優勢の原因だろう。比例代表の投票先では与野党が拮抗しているのに。残念ながらそれが小選挙区制の選挙だ。

 しかし情勢はまだまだ変わる。安倍政治に嫌悪感を抱いているのなら、そして安倍退場を求めるのであれば、政権批判票を分散させることなく、護憲・立憲勢力に投票を集中させるべきだ。

毎日新聞調査「安倍首相続投望まず」47%(毎日)

https://mainichi.jp/senkyo/articles/20171016/k00/00m/010/127000c


10月17日(火曜日) 取材

 午前中から都内で取材。とても勉強になった。


10月18日(水曜日) 大内文一氏の急逝を悼む

 「権力者が国民の税金をどう使っているのか、適正に使っているのか使っていないのか、憲法と法律に従って行政が公正に行われているか、そういう権力者の動向を監視・取材し、判断材料として伝えるのがメディアの役割だ。主権者たる国民は情報を吟味して一票を投じる権利がある。それが選挙権だ。次の日曜日は主権者としてしっかり意思表示してほしい」。総選挙直前の講義となるので、そんなふうに学生を叱咤激励した。

◇◇

 夕方、授業を終えると電車に飛び乗って埼玉・大宮へ。雑誌「新聞と教育」編集長の大内文一氏の通夜に参列。僕が都立高校の新聞部長だった時に、大内氏から総合ジャーナリズム研究所賞をいただいて以来の付き合い。大学生の時に同誌に連載を頼まれ、新聞記者になってからも折に触れて原稿を依頼され議論した。師匠でもあり大先輩でもあり同志のような存在だった。

 東日本大震災で福島原発事故が起きた際に、「どうして高校新聞部は原発や原発事故のことを記事にしないのですか。どうしてそのことを、大内さんをはじめ高校新聞の関係者は問題視しないのですか」といった趣旨の手紙を大内氏に書いたことがある。大内氏はすぐさま反応し、「衝撃を受けた。教え子に教えられた。猛省しなければならない」と、「新聞と教育」の巻頭言で見開き2ページにわたって長々と自己批判した。そんな機敏さと柔軟性を持ち合わせた人だった。「高校新聞はジャーナリズムだ」という信念で一貫していた。僕の主張とも共鳴していたと思う。

 記者になってから、新聞や雑誌で何回か大内氏を取り上げて記事を書いた。昨年4月に「週刊金曜日」に執筆した「高校新聞と生徒自治」(原発を紙面で批判した高校生)は、憲法特集の一つだったこともあってとても喜んでくれた。たぶんこれが、マスメディアが大内氏を取り上げた生前最後の記事ではないだろうか。享年86。心よりご冥福をお祈りいたします。合掌。

◇◇

 コンビニで焼き鳥を買って食べながら歩いていると、猫が物欲しげにじーーーっとこっちを見つめている。立ち止まってもぐもぐ食べていると、猫はさらに食い入るように僕を凝視する。でもあげない。ごめんね。


10月20日(金曜日) どこも満席

 午後から横浜駅地下街の喫茶店で、弁護士ドットコムの中の人から取材を受ける。なるほどなあと思わせる視点や発想を聞くことができて、こちらも勉強になった。それにしてもどこの喫茶店も、やたらと混んでいて満席なのはなぜだ。いつもは空いているホテルのラウンジでさえ何人も並んでいる始末。謎だ。


10月22日(日曜日) 次の総選挙へ始動せよ

 衆院選の投開票日。自民・公明で310議席超。次の総選挙で、立憲民主党がどれだけ候補者を立てて、どれだけ当選者を積み重ねられるかが、憲法改正にブレーキをかける重要ポイントとなる。今回は政権批判票が割れた(分散した)ことで、本来なら落選してもおかしくない自民党候補が小選挙区で漁父の利を得た側面が少なくない。

 立憲民主党は確実に、アンチ安倍自民党の受け皿になった。今のままの姿勢と勢いが続けば、立憲民主党は今後も大きく躍進するはず。できれば共産党にも頑張ってもらいたい。大事なのは次の総選挙だ。積極的に自民党を支持した有権者は決して多くはないのだから、次を見据えてしっかり動いてほしい。希望の党と維新に将来性はないし、早々に消滅するのではないか(と期待する)。

 維新と希望が小選挙区で壊滅的な戦況なのは喜ばしい。まさに「希望」が持てる結果だ。トンデモ候補たちの落選も救いだった。立憲民主党が自民党を蹴散らして小選挙区で着実に当確を積み重ねたのは、必ず次につながると思う。

 それにしても元防衛相の稲田朋美に、早々と当確が出てしまうこの国には絶望するしかない。馬鹿なの。アホなの。どこ見て何を考えて投票してんの。といった言葉しか浮かんでこないのだけど。元法相の金田勝年の当選も、稲田朋美の圧勝と同じくらい許し難い。国会と国民を愚弄するにもほどがあるこんな輩を、再び国政の場に立たせるなんて呆れてものが言えない。度し難い。犯罪的だ。

 これは酷い。「町職員が前回選挙のデータを印刷し、確認を怠ったことが原因。有権者の指摘で判明した」。デタラメにもほどがある。埼玉県神川町の選管職員は懲戒処分ものだろう。

前回衆院選の政党名掲示=埼玉(時事)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171022-00000056-jij-soci

◇◇

 購入から15年以上働いてくれたエアコンが壊れたので、仕方なく買い替えた。暖房がストップした部屋で寒さに震える毎日だったのだ。設置工事が終わってスイッチを入れると世界が一変。ポカポカで快適。マジでうれしい。


10月23日(月曜日) 安倍政権の信任ではない

 「ニュースウオッチ9」でNHKの政治部長が「安倍政権が信任された」と解説していたが、それは違う。そんなことはない。トンデモない詭弁による悪質な世論操作だ。各社の世論調査でも出口調査でも「安倍首相の続投はNO」の声がいずれも多数だった。小選挙区制のもとで結果的に自民党が圧勝したが、民意とはかなりズレているし、「支持政党は自民党」と答える人が最多であっても、それは安倍政権支持とイコールではない。

 そもそも総選挙で自民党が圧勝しても、だからといって有権者は安倍政権に「白紙委任」したわけでは断じてない。勘違いされては困る。


10月24日(火曜日) 気持ち悪いネット住民

 無所属の山尾志桜里氏(衆院選愛知7区)が小差で勝利し、1万票を超える無効票があった開票結果に対して、不正選挙だなどと抗議が殺到しているという。しかし無効票1万票(4%)という数字は決して「異常に多い」わけではない。「自分と似た考えの意見ばかり目に入るSNS時代。自分に見える世界がすべてと思い込む」(大学准教授の談話)。自分自身の無知蒙昧を棚に上げて、「投票締め切りと同時にテレビで当確が出るのはおかしい。不正だ」などと騒ぐのもこれと同じだろう。

 右だとか左だとかのイデオロギーに関係なく、自分の信じる狭い価値観や世界観しか目に入らず、思い込みと決め付けだけで声高に他者をバッシングする無知なネット住民って、本当に気持ち悪い。痛々しいことこの上ない。

 そもそも不倫「疑惑」は個人的な話であって、他人が騒ぐような話ではない。基本的には家族の問題だろう。政治家の政治手腕とは関係ない。個人の人柄やキャラクターを疑問視するのであれば、選挙区の有権者がそれぞれ判断すればいい。

<衆院選>なぜ炎上しているのか、山尾氏辛勝と無効票1万超 (毎日)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171024-00000074-mai-pol

◇◇

 国民にとって実に分かりにくい最高裁裁判官の国民審査だけど、投開票日の数日前に友人からの要請に応じ、解説と雑感などを判断材料として簡潔にまとめて送った。その後、メールは数十人に転送拡散されて、好評だったとのお礼の返事をもらった。フェイスブックでも結構シェアされていた。

 残念ながら国民審査の結果は相変わらずで、対象の裁判官7人は全員信任。そもそも「X印」を付けなければそのまま信任になってしまう投票の仕組み自体に疑問がある。現行の審査方法は、主権者たる国民を愚弄している。信任の意思を示す「◯印」を記入する方法に改め、「◯印」が少なければ不信任(罷免)とすべきだ。対象裁判官が関与した判例情報も不十分で分かりにくいし、詐欺のような代物としか思えない。

 ちなみに同じ友人からのメールには、「教育も体制維持の道具」と書かれていた。とても重くて深い言葉だ。本質を的確に突いた指摘だと思った。


10月25日(水曜日) 「小池さんのおかげ」

 極右団体「日本会議」の集会に自民・維新の国会議員らが参加して、改憲へ気勢をあげたという。自民・公明に維新と希望を加えると衆院の議席は8割を占める。「小池百合子さんのおかげで民進党が真っ二つになった。こういう状況をつくってもらった」(衛藤晟一・首相補佐官)。

 まともな民主国家とは思えないような状況が、着々と積み上げられていくことに戦慄を覚える。それにしても「小池さんのおかげで」って…。まあそういうことなんだろうけど、しかし改憲はそんなに簡単には進まないと思うよ。この国の国民はそこまで馬鹿じゃない(と信じたい)。

改憲派「天の時を得た」、「日本会議」主導の集会で訴え(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASKBT5RGMKBTUTFK00W.html


10月26日(木曜日) 国会審議を拒む民主主義

 政府・自民党は、首相指名選挙を行う特別国会を開いた後、臨時国会の召集を見送る方針。所信表明演説や代表質問にも応じないという。そもそも今年6月に憲法の規定に基づいて、野党4党が臨時国会召集を要求したのに3カ月以上も放置したばかりか、審議を一切行わないまま、安倍首相は臨時国会冒頭で衆院を解散した。またかよ。まさに独裁国家ではないか。

 総選挙後もまた同じ手法で国会審議を拒み、説明責任を果たさない。森友・加計学園問題の追及から逃げるため、情報を徹底的に隠蔽し国会審議に応じない安倍政権の卑劣な姿勢は一貫している。国会と国民を愚弄した、こんな無法がまかり通るなんて。もはや民主国家の体をなしていない。

 憲法を無視して、自己都合で国会審議に応じなくてもとがめられず、好き勝手に国会を解散し、権力を私物化しても平然としていられる。そんな安倍政権下のこの国の政治状況は、中国や北朝鮮の独裁国家体制と全く何も変わらない。

◇◇

 本音で思ってることをいつもそのまま言葉にする麻生太郎・副総理兼財務相。この人は、何を言っても自分の地位は絶対に揺るがないと確信しているのだろうが、そんな政治家を許している(放置している)側にも問題がある。そもそも国民の不安を煽って「北朝鮮の脅威」を選挙戦に利用した安倍政権の幹部が、自ら「北朝鮮のおかげ」などと放言するとは、主権者たる日本国民を二重三重に馬鹿にしている。許し難い。

衆院選勝利「北朝鮮のおかげ」麻生氏(時事)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171026-00000130-jij-pol


10月27日(金曜日) 狂気を感じる茶髪指導

 髪の毛の黒染め強要は違法な指導だ、と女子高生が提訴。大阪府立高校教諭ら「生来的に金髪の外国人留学生でも、規則では黒染めをさせることになる」。何という理不尽。何という傲慢不遜。教師失格というよりも人として異常。狂気さえ感じる。

 そもそも髪の毛は黒色でなければならないとする感覚と、強制的に他者の髪の色(髪の毛の長さも同様)を変えさせようとする発想自体がおかしい。人権侵害であるし犯罪行為でもある。体罰も同じだと思うが、こういうことに積極的で熱心な教師は、相手(生徒)を「教え諭す」のではなく「支配する」という意識が強いのだろう。根本的に勘違いしている。ほかの教師から異論や疑問の声は出なかったのか。だとしたらなんともおぞましい教師集団だ。教育委員会も同罪だ。

「黒染め強要で不登校」生まれつき茶髪の女子高生が提訴(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASKBS6D22KBSPTIL024.html

◇◇

 スペインのカタルーニャ州議会が独立宣言を賛成多数で可決。これに対しスペイン議会上院は、州の自治権を一部停止する政府案を承認。州と中央政府との対立は決定的に。民族自決の原則を尊重するならば、民意に基づく独立宣言を力でねじ伏せるのはいかがなものかと思うけどなあ。似たような動きは世界各地で起きている。深刻な問題だ。


10月28日(土曜日) ついに野党の「質問封じ」まで

 今度は、野党の質問時間を減らすことを政府・自民党は検討しているという。これほどあからさまに野党の質問封じをするとは。政府・与党は一体化しチェック機能が果たせないからこそ、野党に質問時間が多く配分されているのに。そんな極めて常識的な慣例さえ叩き壊すとは、安倍自民党はどれだけ姑息で傲慢で傍若無人なのだろう。どこまで慢心し増長するのだろう。これのどこが「謙虚」で「丁寧に説明」する態度なのか。そもそも与党議員の質問ほど無駄なものはないが、それ以前に、国会審議自体に応じないというのだから救い難い独裁政権だ。

野党の衆院質問時間、削減検討、政府・自民、配分で(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASKBW5J39KBWUTFK010.html


10月29日(日曜日) 「事実」を大切にしない風潮

 野党の国会質問時間削減を取り上げた28日の朝日新聞デジタルの「第一報」記事に対し、「朝日新聞の論調の弱さはどうだろう。とんでもないと言え」と猛烈に批判する人たちがいる。「批判していない、甘くてぬるい、新聞社の姿勢が見えない」と言うのだ。

 28日の朝日の「第一報」記事からは、この問題の深刻さを懸念し、問題提起する姿勢がしっかり伝わってきた。朝日は事実に基づいて批判的に大きく報じている。朝日新聞デジタルの記事を引用して発信する数多くのツイートからも、それは十分に証明されていると言っていい。

 デジタルの記事だけでない。同日付の新聞紙面では1面カタの本記のほかに、4面の関連記事でも大きく伝えている。4面ではトップで「『質問封じ』野党は批判」と3段見出しを掲げ、図解入りで詳しく問題提起した。朝日の「第一報」記事の、どこがどう甘くてぬるいのだろう。さっぱり分からない。

 「新聞紙面では1面のほかに4面にも大きく記事が掲載されている」と指摘すると、「2面に記事がない」「新聞社としての見解はどこにもない」「デジタル版しか読まない層にも端的に伝えるべきだ」といった頓珍漢な批判が飛び出すのだが、2面や3面でなく、4面に関連記事が掲載されていると何か不都合があるのだろうか。

 最初は朝日の「第一報」記事について批判していたはずだったのが、そのうちいつの間にか、翌日以降の紙面での扱いや社説の有無に論点がずらされていった。当日や翌日の紙面に社説を掲載しないことが、朝日の政権批判のぬるさそのものだと言うのだ。

 ちなみに多くの場合、社説は論説委員室での討議を経て執筆されるので、掲載までタイムラグが生じる。当日掲載の記事に社説で即日対応するのは難しく、翌日以降に紙面化されることが多い。毎日新聞は翌日の29日付の社説で、この問題を取り上げた。僕も毎日のその判断を支持する。翌日の紙面に社説を掲載すべきだと個人的には思うが、しかしそれは朝日の「第一報」記事に対する評価とは全く別の問題だ。

 そもそも朝日デジタルの「第一報」の記事と見出しだけでも十分に、この問題の深刻さは伝わっている。朝日新聞としての姿勢も伝わってくる。なるべく早く社説を書いた方がいいとは思うが、「翌日に」社説を掲載しないだけで、朝日新聞を非難し罵倒する理由が理解できない。事実に反する放言は、安倍首相の朝日批判と大差ない。この人たちはいったいだれと何と戦っているのだろう。

 そして批判の矛先は、「的外れな批判」を指摘したこちらにまで及んできた。僕は「第一報」以降の朝日の記事や紙面での扱いについて、全く言及などしていないというのに。

 衆院選前の日本記者クラブ主催の党首討論会で、安倍首相は「朝日新聞は加計学園の問題で、愛媛県の加戸前知事の国会証言を報じていない」と唐突に批判を始めた。しかし実際には朝日は翌日に見出しを立てて報じている。前提となる事実が間違っているのに、事実と異なるデマを堂々と吹聴し正当化してはばからない。そんな風潮が広がっていることに愕然とする。

 これまでも何回か述べたが、自分たちの狭い世界と価値観でしか物事を判断できず、思い込みだけで事実に反した一方的な言説を繰り出す人にはうんざりするばかりだ。事実と異なる発信はデマ。そうしたデマを拡散するのも同罪だ。狭量で思い込みが強い人たちには理解できないだろうけど。

 事実を大切にせず、確認もせず、思い込みだけでデマを振りまく人たちがはびこる風潮を深く憂慮する。でもまあ、国のトップがアレだから仕方ないか。

【本稿の冒頭部分を加筆修正しました。趣旨は変わりません】


10月30日(月曜日) 議会制民主主義の破壊

 「国会議員が等しく質問できるように、議席数に応じた質問時間を配分するのは当然」などと主張している菅義偉官房長官や自民党の若手議員やネトウヨは、議会制民主主義・議院内閣制を根本的に理解していないようだ。政府をチェックするのが野党の役目。その野党議員の質問時間が与党議員よりも多いのは、むしろ当然ではないか。

 そもそも政府・与党側は「答弁」という形で、自分たちの主張を十分過ぎるほど発信しているではないか。安倍首相は質問にまともに答えず、質問と関係ない話をだらだらと続け、しかも事実と異なる嘘を並べ立てる。その上さらに、野党の質問時間を削減するなんてとんでもない。議会制民主主義の破壊にほかならない。

野党の質問時間削減に枝野氏反発「とんでもない暴論」(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASKBZ3GD8KBZUTFK003.html

 立憲民主党の枝野幸男代表は「とんでもない暴論」、共産党の小池晃書記局長も「非常に姑息でせこい」と批判。だよね。全くその通り。自民党に一票を入れた有権者は、与党議員の質問で埋め尽くされる、そんな「翼賛国会」を本当に望んでいるの?

国会:自民が質問時間増を要求、追及回避狙い、野党は反発(毎日)

https://mainichi.jp/articles/20171031/k00/00m/010/119000c


10月31日(火曜日) 弁護団会議

 昨日と今日と立て続けに、行政訴訟と国家賠償請求訴訟の弁護団会議に参加した。事件の当事者や被害者遺族の切実な訴えに直に接して、陳述書や準備書面の構成や訴訟の組み立てを学べて、意見を述べる機会も与えられる。信頼してもらえて、そういう場に出席させていただけるのはうれしい。記者として大変ありがたいことだ。感謝。

◇◇

 さすがハロウィーン。渋谷のスクランブル交差点だけじゃない。昼下がりの東京・四ツ谷でも夕方の横浜でも、猫耳を付けた女の子やスパイダーマンのコスプレをした大学生(たぶん)が、ごく普通に当たり前のように闊歩していた。全く違和感なし(笑)。

◇◇

 ツイッターのクライアント「ついっぷる」がきょうの午後1時でサービスを停止した。夜に帰宅してから別の新しいクライアントを使っているのだが、まだ慣れていないこともあって全然しっくりこない。タイムラインの閲覧も投稿もぎくしゃくして上手く使いこなせていない。うーん。早く馴染めるといいなあ。「ついっぷる」復活してくれないかなあ。

◇◇

 【おことわり】10月29日付「身辺雑記」の冒頭部分を加筆修正しました。記事の趣旨は変わりません。


ご意見・ご感想などは<こちら>まで

身辺雑記の総目次ページへ戻る

フロントページへ戻る

[NEW][EVA][カレカノ][トトロ][映画][セカンド][リンク][作者][BBS]