身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2017年11月1日〜11月30日

●相変わらず度し難い首相会見●加計学園認可の見通し?●みっともない国●独り言ですが●ひなちゃん頑張れ●秋期テレビアニメ評●恥ずかしい「公共放送」●拉致問題の政治利用●記者の本分●したたか中国外交●「ごり押し」そのもの●滑稽すぎる安倍「下僕」外交●「与野党半分ずつ」の不思議●権力チェック機能●根拠も議事録も記録もない説明●やっぱり久米宏のNステがいい●事なかれ主義の教師は最悪だ●ゆすりたかり●国会で徹底検証を●信じ難い無知と暴論●国民も税務署職員も怒り心頭だ●独裁者の習い●「日本人ってスゴイ」●クズ総理とクズ官僚の詭弁●絶妙なタイミング●やっぱり与党質問は無駄だった●●●ほか


11月1日(水曜日) 相変わらず度し難い首相会見

 安倍首相会見は相変わらず意味不明で、質問にまともに向き合わず、誠実に答える姿勢とはほど遠いものだった。野党の国会質問時間削減の感想を聞かれても、関係ない話をだらだら続けるだけで、促されてようやく最後に述べたのが「総理大臣としてはコメントを控える」。だったら最初からそのひと言だけ答えろよ。

 こうやって安倍首相は記者会見と同様に、国会でも野党議員の質問をはぐらかし、まともに答えず時間を無駄に浪費するだけ浪費して、「謙虚に真摯に誠実に丁寧に説明した」と言って立ち去るのだろう。その上さらに、野党の質問時間を減らそうと画策するのだから、議会制民主主義と議院内閣制と国民を愚弄する、とんでもない度し難い総理大臣だ。

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 記者が政治家や役人ら権力者と飲食するのは、必ずしも悪いことではない。割り勘で(奢られたら奢り返す)対等な関係であれば、親しくなって信頼関係を築いた上で情報を得るのは、必要な取材行為だ。大事なのは、仲良くなっても書くべきことは書く、批判すべきは批判することだ。

 権力と一体化して癒着し、「権力を監視する」という記者としての職責を果たさないのが問題なのであって、飲食自体が悪いわけではない。権力との距離を見極め緊張関係を保つ。それを忘れたら報道の仕事は成り立たない。権力者に都合のいい情報を垂れ流すのは広報・宣伝であって、報道・ジャーナリズムではない。


11月2日(木曜日) 加計学園認可の見通し?

 文部科学省大学設置審議会の専門委員会の意見がまとまり、加計学園獣医学部は今月10日の審議会答申で開学が認可される見通しだという(NHKニュース)。マジか。世論の動向を見極めて事前に地ならしするためのアドバルーンか。教授陣やカリキュラムなど教育環境だけ見ても、どう考えても認可不適当だと思うが。そもそも学生が集まるのだろうか。

 衆院選が自民党圧勝でなく、安倍首相が窮地に追い込まれるような結果であれば、文部科学省大学設置審議会は、加計学園獣医学部を認可する意見ではまとまらなかっただろう。安倍政権を延命させた有権者の責任は大きい。加計学園問題とは、それほど安倍首相が大きく関わる重要な政治案件ということだ。

加計学園獣医学部の来年4月開学、認可される見通しに(NHK)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171102/k10011208861000.html

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 【メモ】11月19日(日)=18日の土曜深夜1時20分から=NHK総合で、「ブレイブ勇敢なる者・えん罪弁護士」の2回目のアンコール放送が決定。NHKのプロデューサー氏から連絡をいただいた。今村核弁護士の奮闘と人柄を紹介し、「三鷹バス痴漢冤罪事件」にも触れた力作だ。見逃した方はぜひ。=画像は番組再放送のポスター。


11月3日(金曜日) みっともない国

 「美しい国」→「みっともない国」「情けない国」「恥ずかしい国」。安倍政権がやってることは何もかもが全然美しくない。みっともなくて情けなくて恥ずかしいことだらけだ。権力を私物化し、父娘ともに世界中で総スカンの米大統領の娘を異様に持ち上げ、国賓級の厚遇で会食し、念入りに接待ゴルフのための練習までする安倍首相。米英仏各紙からも揶揄され皮肉られる始末。ああ、みっともない。

 朝から晩まで、大統領の娘を芸能人みたいに扱って喜んでいる日本のテレビも、相当異常で情けなくて恥ずかしい。馬鹿じゃないかと思う。本当にみっともない。テレビ朝日の「報道ステーション」とTBSの「NEWS23」が、批判的に取り上げていたのは救いだった。この国のテレビ報道が総崩れでなくて、ほんの少し安心した。

 それにしても、念入りに接待ゴルフのための練習までする安倍首相っていったい…。衆院選前に大仰に叫んでいた「国難」とやらはどこへ行ったんだ。

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 産経は「新聞」ではない。政党やどこぞの団体の機関紙どころか宣伝ビラ以下でしょう。大学の授業のレポート課題として、学生に新聞各紙の記事を比較検討するように指示した中には、とりあえず産経も入れたけど。

産経新聞コラムのウェブ版、「排他的」見出しに批判次々(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASKC1666HKC1UTIL04M.html


11月4日(土曜日) 独り言ですが

 ツイッターで、3カ月も前の世論調査の結果だとか、半年も前のニュースをツイートする人って何なのだろう。「これは最近の情報や出来事なのか、しかしそれにしては何か変だなあ」と元記事を確認すると大昔の話だったりする。何の脈絡も必然性もなくしれっと発信するたちの悪さ。そしてそれをリツイート(再発信して拡散)する人が続出する。困惑するばかりだ。

 あと、以前にどこかで見たようなツイートだなあと思って、確認してみたら案の定、一字一句すべて同じ文言の「他人のツイート」を、そのままコピペして自分のツイートとして繰り返し発信している人がいる。つまりはパクリ(剽窃)である。そしてこれまた、それを平然とリツイートする人がいたりして。まったくもって意味不明のカオス状態だよなあ。

 えーっとまあ、独り言です。気にしないで下さい。

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 「3月のライオン」(NHK)第2シリーズの第4話。陰湿ないじめで同級生を転校させて後悔すらしない連中に加えて、相談されながら何の対応もしない担任教師のクズっぷり。こいつらに天罰が下ればいいのにと心底思いながら見た。いじめられている友達を守ろうと全力で努力したひなちゃんと、彼女の行動を力いっぱい褒めた祖父に拍手。桐山零は百手先まで読んで解決策を探れ。きれいごとで済ますのではなく、クズ連中をきちんと詰ませる手立てを見いだしてほしい。

 ちょうど日本シリーズの決着がついたところで、気分よく絶妙のタイミングで始まった「3月のライオン」。内容は重く深く苦しくて深刻な展開だけど、ひなちゃんのことは川本の家族と桐山零がそろってバックアップしてくれそうなので、心配はしていないぞ(切なる願いも込めて)。


11月5日(日曜日) 秋期テレビアニメ評

 【秋期テレビアニメ評】◎ボールルームへようこそ(MX)=夏期から継続放送、◎3月のライオン第2シリーズ(NHK)、◎クジラの子らは砂上に歌う(MX)、◯ネト充のススメ(MX)、◯魔法使いの嫁(MX)、△キノの旅(MX)、△いぬやしき(フジ)、▲干物妹!うまるちゃんR(MX)、▲アニメガタリズ(MX)。【番外】◎中二病でも恋がしたい(TBS)再放送、◎シュタインズ・ゲート(MX)再放送。

 【編注】◎=かなり面白い。オススメ。◯=そこそこ面白い。楽しめる。△=論外ではないけど、ちょっと期待ハズレ。▲=暇だったら見る。

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 【メモ】心に残った今朝の新聞記事4本。余録(毎日)。「著者に会いたい・『大家さんと僕』矢部太郎さん」(朝日)。「悩んで読むか、読んで悩むか・『ウソはいけない』と教えるには、取り返しのつかない嘘もある、吉田伸子さん」(朝日)。「速水健朗の出版時評・図書館と文庫、対立生まぬ貸し出しに期待」(朝日)。朝日の3本は読書面から。

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 NHKの正午のニュース冒頭で、トランプ大統領が川越の霞ケ関カンツリー倶楽部に向かう様子を延々と生中継したのには呆れた。横田基地に到着し演説した内容を録画映像で淡々と伝えるならともかく、ゴルフ場に出向くライブ映像を正午のニュースの冒頭から全国中継するとは。なんとも恥ずかしい「公共放送」だ。

 NHKがお手本とするBBC(英国放送協会)が、こんなみっともないニュース番組を放送するだろうか。大統領の娘のイバンカ氏の取り上げ方も異常だったけど。

 どうせなら加計学園の加計孝太郎氏も霞ケ関カンツリー倶楽部に招待して、トランプ大統領と一緒にプレーすればよかったのに。安倍首相が「わたくちの腹心の友なんでしゅ」と紹介し、親密ぶりを世界にアピール。地獄絵図のような気もするが。


11月6日(月曜日) 拉致問題の政治利用

 北朝鮮の脅威を煽るだけ煽りつつ、拉致問題を都合よく政治利用し続ける安倍首相。本気で解決する気などさらさらないのに。トランプ大統領「拉致被害者の家族の悲しい話を聞いた。日本に帰国できるように晋三と緊密に連携協力していく」→「北朝鮮の脅威は容認できない」→「ミサイルを撃ち込む」。早紀恵さん「戦争はやめて」。哀れ、拉致被害者と家族たち。

 結局のところ、トランプ大統領は日本に武器や防衛装備品をたくさん売りつけたいのが本音で、安倍首相はその要求を丸呑みして莫大な税金を軍事予算に注ぎ込み、軍拡路線(と憲法改正)に向かって突き進みたいだけ。似た者同士の2人だから気が合うはずだ。国民はそっちのけ。権力の私物化しか頭にない。


11月8日(水曜日) 記者の本分

 権力を監視し、社会の矛盾や問題点を検証して、弱い立場にある人たちの声を伝え、事実を積み重ねて問題提起する、そんなメディアの本来あるべき姿を忠実に果た(そうと)している記者は多くても2割くらいかなあ。といったことを具体例を示しながら授業で話したら、結構大反響だった。ちなみに昨年までは「3割」と言ってきたが、今年は「2割」に下げてみた。それでも「甘い」「そんなにいない」という意見もあるけど。

 学生にとっては衝撃的な数字だったようだが、しかし権力の宣伝マン同然の記者ばかりではないからこそ、貴重な情報も世に送り出されることになる。「主体的にニュースを見て取捨選択する力を身につけようと思う」「いい記事には応援メッセージを送って積極的に反応したい」などの感想も多く寄せられ、こっちが逆に勇気付けられた。

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 同僚の大学の先生が、かなりマニアックなアニメファンで、日本国内だけでなく海外の聖地巡礼にまで出かけるほど、熱心なアニメオタクだということが分かった。授業が終わった後にそんな話で盛り上がって、次回講義の準備がほとんどできなかったけど、面白かったからまあいっか(笑)。


11月9日(木曜日) したたか中国外交

 なるほどそうか、訪中したトランプ米大統領を習近平・中国国家主席が歓待し、国賓を上回る扱いで手厚くもてなすのは、トランプが人権問題に欠片も関心がないことも背景の一つにあるのか。夕方の情報番組でそんな話を耳にしたが、妙に納得した。オバマ前大統領と違って、米国内はもとより世界の人権問題にもまるで興味を示さないのだから、そもそもトランプが中国の人権問題について言及も批判もするわけがない。

 中国政府にとってトランプ大統領は、この上ない安全牌というわけだ。むしろ御しやすいと考えているかもしれない。その上で習近平・国家主席は、米中の両超大国首脳の親密ぶりを誇示して、毛沢東に並ぶ指導者と称する自身の偉大さを、国内外にアピールする算段なのだろうか。入念に練られた戦略に脱帽するしかない。

 一方のトランプは、習近平のことは超大国を統べる大親分であると認め、対等な関係で接する相手として最大限に気遣いながら、単なる子分に過ぎない安倍晋三はパシリとして扱う。何でも言うことを聞く安倍首相はトランプ大統領にとって、しょせん下僕かポチのような存在に過ぎないのだろう。これが安倍首相の言う「美しい日本」ということらしい。情けないしみっともないなあ。なんだかんだ言って、中国外交が一番したたかかもしれない。


11月10日(金曜日) 「ごり押し」そのもの

 「他大学に比べて教育水準が著しく劣っている」「高齢の教員や学位のない教員ばかり」「国家戦略特区の条件を満たしていない」などと、大学設置審議会委員からも異論や疑問や反対意見が噴出したにもかかわらず、結論ありきの文科省側の「指導」「誘導」で、加計学園獣医学部の設置認可を答申。これぞまさしく「ごり押し」そのものではないか。

 獣医学の専門家たちから、これほど低レベルな大学施設はないといった「お墨付き」を得ながら、「世界に冠たる素晴らしい大学」(菅良二・今治市長)、「世界に冠たる素晴らしい獣医学部」(加計孝太郎理事長)などと、恥ずかし気もなく胸を張って公言できる神経がそもそも理解できない。しかし詐欺師の言葉と考えれば、それもまた至極当然の発言なのかもしれない。

 森友・加計学園と原発問題に関してだけは、NHKのニュース部門にも熱心で志のある記者がわずかに残っているようだ。認可答申の「ごり押し」の実態と異様さがよく分かる。

「加計学園」獣医学部、大学設置審、最終段階でも緊迫の応酬(NHK)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171110/k10011219211000.html


11月12日(日曜日) 滑稽すぎる安倍「下僕」外交

 安倍首相がバンカーで転んだことについて、トランプ大統領「私は見ていないが、ヘリコプターが上空から(転ぶところを)撮っていた。私は感動した。今まで見てきたどの体操選手よりも素晴らしかった」。明らかに完全に馬鹿にされている。どう考えても下僕か子分か手下の扱いではないか。少なくとも親しい相手や尊敬する他国首脳に対する言葉ではない。

 これだけ馬鹿にされながら、それでもへらへらとトランプに擦り寄る安倍首相の滑稽で無様なことと言ったら。これ以上の恥辱はないはずだけど、自称「愛国者」の安倍政権支持者たちは、対米追従に終始する安倍「下僕」外交を、いったいどのように評価しているのだろうか。

首相バンカー転倒、トランプ氏「どの体操選手よりも…」(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASKCC6WR0KCCUHBI01R.html

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 映画「シン・ゴジラ」のテレビ放送(テレ朝)は、やっぱりエンドロールはカットか。まあテレビだからしょうがないか。いずれにしても「シン・ゴジラ」の迫力シーンは、やっぱり映画館の大きなスクリーンで見ないとね。テレビ放送だと、どうしても限界があるよなあ。


11月13日(月曜日) 「与野党半分ずつ」の不思議

 それでも世論調査で安倍内閣の支持率がアップする、この国の不思議。JNNやNHKなど各社の世論調査で、それぞれ安倍内閣の支持率が不支持を上回った。しかし何よりも愕然としたのは、国会の質問時間を「与党と野党で半分ずつにすべき」との回答が38%だったことだ(NHKの世論調査結果)。議会制民主主義・議院内閣制への無理解が、これほど多いことに絶句する。

 議席数に応じて「与野党を公平に」というと、いかにももっともらしく聞こえるが、野党が質問してこそ政権をチェックできるわけで、そもそも与党議員による厳しい政権追及などあり得ない。政府側の答弁イコール与党側の主張であって、その時点で既に「与野党半分ずつ」になっている。与党の主張は詭弁で、説明責任を果たさずに済ませるための方便に過ぎない。

 【追記】一方、毎日や朝日の世論調査では、国会の質問時間について「野党に多く配分する」が54%(毎日)、「野党の質問時間を減らす自民党の提案に反対」が55%(朝日)という数字が出ており、NHKの調査結果とは相当な隔たりがある。これは質問と回答文の示し方の影響が大きいと思われる。

 NHKの調査結果は、「現状を維持すべき」26%、「野党に多く配分するものの、与党の時間を増やすべき」14%、「与党と野党の時間を半分ずつにすべき」38%、「議席数に応じて与党に多く配分すべき」11%となっているが、これらの回答文の文言には巧妙な誘導意図を感じる。違和感が拭いきれない。NHKニュース部門スタッフの報道姿勢と問題意識を疑う。

安倍内閣「支持する」46%、「支持しない」35%、NHK世論調査(NHK)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171113/k10011221971000.html


11月14日(火曜日) 権力チェック機能

 記者会見を主催するのは権力者側ではなく、本来は記者側(記者クラブ側)でなければならない。といったことを先々週の授業で話したが、大事な問題なので要点をまとめて再掲しておく。

 記者会見を開くか開かないかは、だれが判断し、だれが決めるのか。だれにとって会見は必要ないのか(必要なのか)。そこがポイントだ。権力者の恣意的な判断で会見が開かれたり開かれなかったりすれば、権力者の都合のいい時に都合のいい質疑だけが行われ、記者側による権力チェック機能は果たせなくなってしまう。だれが質問するか、だれがどの質問者を指名するかも重要だ。

 例えばトランプ米大統領は記者会見をほとんど開かない。ツイッターで自分に都合のいいことを一方的に発信するだけだ。お気に入りの記者以外の質問は受け付けず、質問してもまともに答えないことが多い。しかも都合の悪い話は「フェイクニュースだ」と断じて退ける。

 こうした対応が、主権者たる国民の疑問に答え、説明責任を果たしたことになるだろうか。問題があってもなくても会見に応じ、都合の悪い質問でも誠実に対応して答えるのは、公人(権力者)の最低限の義務であり責任だ。これは国会での野党質問と政府答弁にも通じる問題だと言っていい。

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 介護が嫌でお年寄りの入居者を溺死させるなら、最初から高齢者施設で介護の仕事なんかするな。障害者を殺害した障害者施設の職員も同様だ。それと同じようにメディアで働く人間に対しても、権力監視の取材をする気がないなら、最初から記者やディレクターになるな、と言いたい。

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 【メモ再掲】11月19日(日)=18日の土曜深夜1時20分から=NHK総合で、「ブレイブ勇敢なる者・えん罪弁護士」の2回目のアンコール放送。有罪率99・9%の日本で14件の無罪判決を勝ち取った今村核弁護士を紹介し、「三鷹バス痴漢冤罪事件」にも触れた力作。見逃した方は、この機会にぜひ。=画像は番組再放送のポスター。


11月15日(水曜日) 根拠も議事録も記録もない説明

 「行政が歪められて私物化され不当な利益誘導(=認可)がされた」ことが検証されるべき国会の加計学園獣医学部の審議で、「国家戦略特区」の条件を満たす具体的根拠も説明できない、認可に至る根拠も示さない、議事録もない、記録もない、という政府答弁のデタラメ。そもそも「根拠」自体がないのだから、説明できるわけがないのだけど。

 そして案の定、与党側の質問は全くの無駄。むしろ害悪でさえあった。当事者だった自民党の義家弘介・前文部科学副大臣は延々と30分も使って、「メディアの恣意的報道と野党の結論ありきの姿勢が問題」などと質問(主張)。ネトウヨが吹聴しているデマと変わらない、根拠のない誹謗中傷を並べ立てた。これが謙虚で丁寧で真摯な説明なのか。こんなふざけたやり取りがまかり通るなんて、もはやこの国の国会には、議会制民主主義も立憲主義もない。

 ちなみに「日本維新の会」の議員は与党側と同じ。安倍自民党の補完勢力と言うより、むしろ一心同体。国会での質問を聞いていれば一目瞭然で、小中学生でも容易に分かる話だ。存在そのものが百害あって一利無し。今さら言うまでもないことだけど。


11月17日(金曜日) やっぱり久米宏のNステがいい

 やっぱり久米宏の「ニュースステーション」は、ほかのどんなニュース番組よりも最高に素晴らしかったなと改めて思った。前からずっとそう確信していたけど、今夜の「金スマ」を見てその思いを再確認した。ぜひテレビに復帰して久米宏のNステを再開してほしい。今でもそう切望している。

 でも73歳だからさすがにもう無理だろうなとあきらめていたのだが、「古館伊知郎の報道ステーションを見て、Nステを辞めなければよかったと思った」「今でもできるかもしれない」との久米宏の言葉を聞いて、だったらぜひNステをもう一度やってほしいと強く思った。その心意気があるのならできる。再登板してよ。

 今夜のTBSテレビ「中居正広の金スマ」は久米宏の特集。テーマは「久米宏のニュースステーションの原点はザ・ベストテンだった」。久米宏と黒柳徹子が登場して、Nステ誕生の背景を骨太にしかも面白く楽しく伝えてくれた。いい番組だった。番組スタッフとキャスターとゲスト出演者のテレビに対する愛を感じた。

 Nステ最終回で久米宏が語った「戦後生まれた日本の民間放送は戦争を知りません。国民を戦争に向かってミスリードした過去は民間放送にはありません。これからもそういうことがないことを祈っています」という言葉にしびれる。すべての志のあるニュース番組スタッフの心に深く響いた台詞だと思う。生放送にこだわり、中学生にも分かるニュースにこだわり、未来に向かってニュースを伝えることにこだわった久米宏のNステ。その精神の根っこにある思想だ。


11月18日(土曜日) 事なかれ主義の教師は最悪だ

 アニメ「3月のライオン」第2シリーズ第6話(NHK総合)。ひなちゃんの女性担任は、やはり根っこから腐ってるクズ教師だった。黒板に誹謗中傷を書かれた被害者のひなちゃんを、真っ先に問いただし職員室に呼びつけるなんてあり得ないし言語道断。クラスの状態を把握する力量がなく無能な上に自覚もない。しかも事なかれ主義。マジ最低最悪の教師だな。

 桐山零をはじめ、クラスの外にいる人たちがひなちゃんを支えてくれているのが救いだが、いじめている側を改心させるのはまず不可能だろう。どうすれば加害者側を包囲して追い詰めることができるのか、できないのか、どんな解決策を導き出して着地させるのか、目が離せない。


11月20日(月曜日) ゆすりたかり

 赤旗日曜版に続いて時事通信が報道。政治家(権力者)による業者への「ゆすり」「たかり」そのものじゃないか。最低だな。完全にアウトだろう。

鶴保議員後援会長に多額資金か、業者が証言、選挙応援も、刑事告発を検討(時事)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171120-00000129-jij-soci


11月22日(水曜日) 国会で徹底検証を

 森友学園への国有地売却問題について、「値引きの十分な根拠が確認できない」と会計検査院。しかも「文書が保存されていないので検証が十分に行えない」「極めて異例だ」──。財務省と国土交通省の異常な対応。何から何まで異様で杜撰でデタラメすぎることが、会計検査院の検査で改めて明白になった。安倍首相らのこれまでの説明は何だったのか。

 会計検査院の報告は、安倍首相が国会答弁で説明してきた根拠そのものが揺らぐ内容なのだから、国会で徹底究明するのは当然だ。与党議員の質問なんか時間の無駄だから要らない。野党議員からの質問に対し、安倍首相をはじめ関係閣僚と官僚は、謙虚に真摯に丁寧に誠実に説明する責任と義務がある。

国有地売却「値引きの根拠不十分」会計検査院が報告(NHK)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171122/k10011232451000.html

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 殺人罪などに問われた元海兵隊員(元米軍属)が初公判で黙秘したことに対し、琉球新報が社説で「黙秘権行使は許し難い」などと非難した。琉球新報の論説委員長は、「黙秘権の行使は被疑者・被告人に認められた正当な権利である」という刑事司法の基本原則を知らないのか。だとしたらあまりにもお粗末すぎないか。にわかには信じ難い無知と暴論に唖然とする。

琉球新報社説「黙秘は許しがたい」、弁護士会が懸念表明(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASKCQ63QHKCQTIPE03H.html

<社説>米軍属女性殺人初公判、罪と正面から向き合え(琉球新報)

https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-615039.html

11月17日付琉球新報社の社説に関する会長談話(沖縄弁護士会)

http://www.okiben.org/modules/contribution/index.php?page=article&storyid=159


11月23日(木曜日) 国民も税務署職員も怒り心頭だ

 佐川宣寿・前理財局長の国税庁長官就任直後から、各地の税務署には「書類を廃棄したと言えば許されるのか」「あなたに適正公平な行政を語る資格があるのか」といった苦情が寄せられている。当然の反応だろう。

 記者会見も開かず、税務署職員への謝罪も説明もない佐川国税庁長官。国税職員の労働組合は「何を聞いてもやり取りがかみ合わないのは国会と同じ。来年の確定申告ではさらに苦情が寄せられ、現場が混乱する恐れもある」。国民も税務署職員も怒り心頭だよ。安倍も加計も佐川も大嘘つき。権力を私物化する厚顔無恥の税金ドロボーだ。主権者・納税者として断じて許すわけにいかない。

<森友>「破棄した」答弁の佐川長官、国税内部も批判(毎日)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171122-00000127-mai-soci


11月26日(日曜日) 独裁者の習い

 プーチン大統領がロシア国内で活動する外国メディアの管理強化法案に署名。大統領選挙を控え、外国メディアに神経をとがらせているという。不都合な言論・メディアを管理統制し排除しようとする体質は安倍政権とそっくり。米国のトランプ大統領や中国の周近平・国家主席も同じだ。独善的で傲慢で頭のおかしな独裁者は、みんな似たような動きをする。

プーチン大統領、外国メディアの管理強化法案に署名(NHK)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171126/k10011236341000.html


11月27日(月曜日) 「日本人ってスゴイ」

 ようやく始まった衆院予算委員会。安倍首相は「真摯な説明を丁寧に行っていくことで理解を得たい」と馬鹿の一つ覚えのように繰り返すだけで、森友・加計問題について「具体的な説明」はこれまで同様に一切なし。国有地売却の大幅値引きの根拠を「不十分」と会計検査院から指摘されたことに対しても、「真摯に受け止める」と繰り返すばかり。馬鹿にしてるのか。

 これまでの国会質疑で「適切だ」「適正だ」と言い張っていた自身の虚偽答弁を、認めることも謝罪することも全くなかった。いったいこれのどこが「真摯で丁寧な説明」なのか。主権者たる国民と国会を愚弄し続ける安倍首相。完全になめ切っている。大嘘つきの厚顔無恥にもほどがある。こんなデタラメな男が総理の席に座り続けているのを、許している不思議な国。それでもまだ「日本人ってスゴイ」などと言えるのか。滑稽すぎる。

 どれだけ矛盾を指摘されて動かぬ証拠を突き付けられても、絶対に非を認めず、虚偽答弁を繰り返し、まともに答えず質問をはぐらかし、そしてはるか過去の話題に戻ってまた嘘をつく。この虚しいやり取りが延々と続いて、ひたすら無駄な時間を浪費することになる。まるで囚人の苦役そのもの。なんて不誠実で厚かましくて恥知らずな総理大臣と官僚(公僕)なんだ。

 野党議員の質問がおかしかったり、不十分だったり、無駄だったりするのでは断じてない。安倍首相と官僚の答弁がおかしいのだ。不誠実で虚偽だらけで公文書を隠蔽する安倍政権が異常で異様だから、国会での質疑がかみ合わないのだ。ことの本質をしっかり見極めなくてはいけない。

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 「パソコンは知人に借りることができる」として、自立更生の費用とは認めない判決。非常識な判決だなあ。東京地裁の林俊之裁判長は、自分のパソコンを平気で他人に貸すことができるんだ。スゴイ奇特な方ですね。だけど仮に林俊之裁判長がそうだとしても、みんながそんな危険で不用心なことができるとか、日常的にやってるとは到底思えないけど。

「PCは人から借りられる」生活保護費の返還命じる判決(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASKCW62D3KCWUTIL05H.html


11月28日(火曜日) クズ総理とクズ官僚の詭弁

 虚偽答弁を繰り返していた佐川宣寿・前理財局長(現在は国税庁長官)について、「誤解を招いたとすればおわびする」「金額のやり取りはあったが価格交渉ではない」「その時の状況・法令・ルールに則って答弁した」と後任の太田充・理財局長。「詭弁もいい加減にしろ。当時と法令もルールも変わってない」と立憲民主党の逢坂誠二衆院議員が怒るのは当然だろう。全国民の怒りでもある。そしてまたもや「真摯に受け止めたい」といつもと全く同じ答弁を、馬鹿の一つ覚えのように繰り返すだけの安倍首相。このクズ総理にして、このクズ官僚あり。

 森友学園だけが、ありとあらゆる点において特別扱いされたのは明白な事実だ。加計学園も同じ。行政が歪められて私物化されたのは明らかではないか。つまり主権者たる国民が愚弄され、国民の財産が「総理のお友達」に掠め取られたということにほかならない。これに怒らない日本国民がいるとしたら、それこそ驚愕で噴飯もので信じ難い話だ。

 「森友・加計学園問題はもう国民に飽きられている」なんて、とんでもない。寝言は寝て言え。こんなふざけた無法がまかり通ることに怒りを感じないなんて、民主国家のまともな主権者・納税者ならまずあり得ない。

 圧倒的多数の日本国民はみんな森友・加計問題に大いに関心があるし、大いに怒ってると思うよ。だって税金ドロボーだよ。権力の私物化だよ。大嘘つきの総理と官僚がふんぞり返って平然としてるんだよ。怒らないはずないじゃん。

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 講義がない日だったけど、レポートを採点するために登校。自宅だとなかなか進まないしやる気も起きないし、分量が多くて重いから学校に置きっぱなしにしてあるので仕方なく。3時間ほどかけて大半の採点は終わったけど、残念ながら少し残ってしまった。あすの講義終了後に、また続きをやろう(ため息)。


11月29日(水曜日) 絶妙なタイミング

 「北朝鮮が弾道ミサイルを発射した」と韓国の通信社。さらに朝日、NHKなどが速報。それにしても、国会で安倍首相が追い詰められて窮地に立たされると、どういうわけかとって付けたように絶妙なタイミングで、北朝鮮がミサイルを発射する不思議な偶然。あまりに出来過ぎだろう。これで森友・加計問題のニュースは隅っこに追いやられ、テレビはしばらく北朝鮮と日馬富士の話題であふれ返るに違いない。

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 NHK「ニュースウオッチ9」は冒頭から、北朝鮮のミサイル発射と横綱日馬富士の引退のニュースを32分間。この2つを延々と流したその後で、ようやく伝えた参院予算委での森友学園問題はわずか3分にも満たず。これがNW9スタッフのニュースの伝え方なのか。主権者たる国民に示す「判断材料」の伝え方がこれでいいのだろうか。僕はおかしいと思う。

 テレ朝「報道ステーション」のトップ項目は日馬富士引退。午後10時20分まで、CMを入れてなんと25分間(ため息)。続いて北朝鮮のミサイル発射のニュースは10時34分まで。トランプ大統領も平静で大騒ぎせずにおとなしくしているのだから、5分で済む話だと思うけど。次いで麻生財務相の中国サラ金比喩発言が2分。唖然。なんじゃこりゃ。報ステもダメダメだった。

 TBS「NEWS23」も日馬富士引退がトップ項目。午後11時19分までCMなしで放送。二番手は北朝鮮のミサイル発射で9分間。関連ニュースとして北からの不審船が1分足らず。少しはマシな時間配分かなと思って見ていると、その後は公立中学校の制服の値段について。これは意表を突かれた。11時38分からようやく参院予算委の森友問題。1分未満。森友・加計問題は繰り返し繰り返し、しつこいほどたっぷりと伝えるべきだ。


11月30日(木曜日) やっぱり与党質問は無駄だった

 午後一のベストの時間に参院予算委員会で始まった共産党議員の質問。与党議員や維新などの質問が、いかに茶番で無駄でチェック機能を果たしていないか、その違いが際立ってよく分かる。不誠実で不遜極まりない安倍首相や理財局長の反社会的態度が、見事にさらけ出された格好だ。

 衆院に続いて参院予算委でも、森友・加計問題について問われた安倍首相は「真摯に受け止めている」と従前通りの言葉を何回も並べ立て、質問をはぐらかし論点のズレた答弁を延々と繰り返す。その上、「音声データは一部を切り取られたもの」「正式な文書ではない」「メモに過ぎないから廃棄した」「非公式な記録だから公表しない」などと開き直る。「公僕」からほど遠い、非常識で不誠実極まりない安倍首相と理財局長の不遜な態度は、主権者たる国民を愚弄しきっている。

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 高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)は、原子炉容器内の液体ナトリウムの抜き取りを想定していない設計になっていた。昨日の毎日新聞が伝えたニュースだけど、原発事業者の無能で杜撰でデタラメな体質が改めて明らかになった。「設計当時は完成を急ぐのが最優先で、廃炉のことは念頭になかった」(日本原子力研究開発機構の幹部)。およそ考えられない非常識さだ。信じ難い驚愕のいい加減さ。これでいったいどうやって廃炉作業を進めるというのか。

 実際のところ、このような原発の杜撰な実態は「もんじゅ」だけでない。ほかの原発も似たような状況にある。そもそも廃炉の想定もせずに設計し稼働するなんてあり得ない。原発再稼働なんてとんでもない。原発の是非を云々する以前の問題だ。

もんじゅ設計、廃炉想定せず、ナトリウム搬出困難(毎日)

http://mainichi.jp/articles/20171129/ddm/001/040/162000c

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 関東学院大学の金沢八景キャンパスに、今年もクリスマスツリーのイルミネーションが登場した=写真。校舎のガラスや池の水面に映った光がさらに輝きを放ち、華やいだ雰囲気が広がる。でもここ最近はツリーと電飾の数が減っている感じがする。景気の悪さが影響しているのかもしれない。


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