身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2017年12月1日〜12月31日

●「横綱の品格」の馬鹿馬鹿しさ●加害の視点と問題意識●もっと真剣に怒るべきでは●「大学入学共通テスト」に違和感●無自覚というNHKの罪●情けないだんまり安倍外交●不当極まりない再審請求棄却●忘年会●NHKが世論調査ですべき質問●多摩西部地域●天声人語子を悼む●「ドクターX」最終回に涙●MXテレビの罪は重大だ●ハズレもないがアタリもなし●自称愛国者の歪んだ精神構造●「ボールルームへようこそ」最終回●大当たり「もつ焼き酒場」●年内最後の授業●また大当たりの店でした●詐欺まがいのクレーンゲーム機●1カ月の冬休み●違法捜査は氷山の一角●無責任弁護士●「論破された弁明」●目黒区東山と池尻を散策●年の瀬感が皆無●●●ほか


12月1日(金曜日) 「横綱の品格」の馬鹿馬鹿しさ

 白鵬の優勝インタビューが問題にされ、厳重注意されることの意味がまるで分からない。11日目の取り組みで立ち会いの不成立をアピールしたのは不適切だったと思うが、しかし「日馬富士と貴ノ岩を再び土俵に上げてあげたい」と自身の思いを述べることさえ許されないのは理解不能。万歳三唱を呼びかけたことだって、会場の大半の観客が納得して支持したのなら別にいいではないか。

 だいたいなんだよ「横綱の品格」って。そこまでがんじがらめに縛って、自分の考えや意見や思っていることを何も言えないような状態を維持するのが、「横綱の品格」だというのか。あまりにも時代錯誤だし、風通しが悪すぎないか。むしろそっちの方が異常で異様だと思うけど。

 日馬富士と貴ノ岩の「騒動」について。暴力が悪いのは言うまでもない。だが、親方の貴乃花は弟子である貴ノ岩の「意思」を本当に尊重し、代弁して行動しているのだろうか。そもそも当事者の貴ノ岩の「思い」はどこにあるのか。貴ノ岩は何を望んでいるのだろう。こんな大騒動にしたかったのだろうか。そこが何よりも一番大事なところではないか。真相が全く見えてこない中で、少なくとも現状の貴乃花の挙動からは、貴乃花が弟子とほかの部屋の力士と親方連中を振り回しているようにしか見えない。

 とまあ、いつまでも延々と続く日馬富士の暴行問題と引退をめぐるニュースを見ながら、あれこれ思うことがあったので一応感想を書いてみたが、憶測やら不確かな情報やら的外れな解説やら、どれだけこの話を引っ張って与太話を垂れ流せば気が済むのか、というのが最も強く感じたことだ。もういいんじゃないの。確定した事実だけを簡潔に伝えればそれで十分。ほかに伝えるべき問題があるだろうに。


12月3日(日曜日) 加害の視点と問題意識

 中国大陸を侵略した日本兵と満洲開拓団。日本兵による現地女性の強姦、捕虜殺害、民間人虐殺、ソ連兵に対する性接待を強いられた満洲開拓団の女性たち。そんな加害と被害の両面の記憶を、体験者の絞り出すような証言から切々と刻んでいくNNNドキュメント「記憶の澱」(山口放送=日本テレビ系)。思わず目を背けたくなる重苦しい内容が続くが、日本人として目をそらすわけにはいかない。劇場アニメ映画「この世界の片隅に」とは決定的に「戦争の描き方」が違う。加害の視点と問題意識の差が絶望的に大きい。歴史認識と自覚の有無の違い、と言っていいかもしれないなとも思う。


12月4日(月曜日) もっと真剣に怒るべきでは

 JNNの世論調査。森友学園への国有地売却問題の政府説明について「納得できない」と答えた人は81%で、「納得できる」との回答はわずか10%だった。それなのに「通常国会でも引き続き審議すべき」は55%で、「審議する必要はない」と考える人は39%。この数字には首を傾げざるを得ない。納得できないのに「審議の必要がない」とは、いったいどういうことなのか理解に苦しむ。摩訶不思議としか言いようがない日本の有権者。

 安倍首相を筆頭に、政府答弁がどれもこれもデタラメで嘘ばかりなのだから、引き続き国会で徹底的に審議するのは当然のことではないか。というか、佐川宣寿・前理財局長(現国税庁長官)と安倍昭恵夫人を証人喚問した上で徹底究明しろよ。国有財産を私物化され食い物にされたのだから、主権者たる国民はもっともっと真剣に怒るべきだろう。

JNN世論調査、森友問題の政府説明「納得できない」8割超す(TBS=JNN)

https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20171204-00000013-jnn-pol

◇◇

 佐川宣寿前財務省理財局長の国税庁長官人事について、安倍首相が「最もふさわしい人材を適材適所で配置」と参院本会議で答弁。「何を抜かすか、この税金ドロボーの大嘘つきが」と大多数の主権者たる国民(納税者)は怒り心頭だと思うよ。それにしてもよくもまあヌケヌケと答弁したものだ。国民を舐めきってるな。

国税庁長官は「適材適所」、首相、森友答弁めぐり、参院本会議 (時事)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171204-00000058-jij-pol


12月5日(火曜日) 「大学入学共通テスト」に違和感

 2021年1月から始まる「大学入学共通テスト」試行調査の問題の一部をざっと見た。設問と資料の量が無駄に膨大で、しかも設問や説明文がだらだらと長く要領を得ず分かりにくい。これを限られた時間内に回答するのは結構大変だ。「思考力や判断力を問うことを重視した」とのことだが、思考力よりもむしろ情報処理力を求めているようにしか思えない。

 例えば数学。高校の文化祭でのTシャツ販売をめぐって、価格設定や売り上げを考える問題は確かに面白い。しかし「身近な課題の解決に数学を活用できると高校生に実感させたい」(大学入試センター審議役)との思いはよいとしても、それは入試でやるのではなく、日々の授業の中でこそ実践すべきだろう。

 例えば国語。生徒会の部活動規約をめぐる生徒らの議論と資料から、問題点を把握し考察する問題だが、前提となる場面設定に違和感と突っ込みどころが多すぎる。まず生徒会規約で兼部が禁止されていること自体がおかしい。さらに登場人物の一人である新聞部の部長が、生徒会副会長を兼務している設定にも違和感がある。

 生徒会と一体化している新聞部に、独立した言論活動を期待するのは難しい。洞察力や問題意識のある高校生(受験生)ならそこに疑問を感じるだろうし、設問自体のあり得なさが気になって、その先に進めなくなるかもしれない。出題資料の一つとして新聞部の記事も示されているのだからなおさらだ。

 この国語の問題が、「示された資料から疑問点や課題を指摘し考察せよ」といった問いかけをしていたら、実に見事な良問になっていたのに。自治活動や人権やジャーナリズムのあり方を考えるきっかけになったかもしれないのに。しかしこの問題では無駄に膨大な資料が示されているだけで、そんな問いはどこにもない。出題者側の問題意識が希薄なので、高校生の知的好奇心を刺激するにはほど遠い。「思考力や判断力」を問うような問題には到底なり得ていないと思う。

【国語】センター後継試験の試行調査、問題例と分析(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASKCY4F20KCYUTIL022.html

 読解力や思考力や判断力や表現力を問うのは大事だけど、記述式答案の採点は相当難しいと思う。そもそも正しい採点など本当にできるのか。そこがクリアされないと、結局は情報処理の力だけを問うことになってしまうだろう。

生徒「今の授業のままでは解けない」、センター後継試験(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASKD141HLKD1UTIL01Y.html


12月6日(水曜日) 無自覚というNHKの罪

 NHK受信契約は義務とした放送法の規定を、最高裁大法廷が合憲とする初めての判断を示した。NHKは判決について「(NHKの受信料は)NHKの公共的性格を特徴づけ、特定の個人、団体または国家機関などから財政面での支配や影響が及ばないようにしたものだ」と紹介したが、その前提となる部分がそもそもおかしい。NHKの現状と激しく乖離している。実際のNHKは国家機関(安倍政権)の影響をもろに受けており、事実上の国営放送になっているではないか。

 NHKは「引き続き受信料制度の意義を丁寧に説明し、公平負担の徹底に努めていきます」とコメントしているが、問われているのはそこじゃない。公共放送・報道機関としての責務を果たさず、事実上の国営放送となって、政府の宣伝機関同然のニュースを垂れ流していることが問題にされているのだ。NHKにその自覚と深い反省がなければ、視聴者の支持と共感が得られることは絶対ない。

 今回の最高裁判決で唯一の救いは、NHKからの一方的な申し込みでは受信契約は成立せず、支払い義務も生じることなく、NHKが裁判で勝訴して初めて受信契約が成立するとした点だ。いずれにせよ、NHKが公共放送・報道機関として権力監視の役割をしっかり果たしさえすれば、大半の国民はNHKを見捨てたりはしない。NHKはそこのところを肝に銘じて自覚せよ。

 このところ3週にわたって、NHKに対する政府の圧力・介入、政治権力と報道が一体化する危険性、国家権力と報道との距離感、といったテーマで講義をしていることもあって、学生のNHKに向ける視線がとても厳しい。「真面目で信頼できる」という漠然としたNHKのイメージは、少なくとも雲散霧消したようだ。今回の最高裁判決にも関心を持ってくれたようで何よりだ。


12月7日(木曜日) 情けないだんまり安倍外交

 エルサレムをイスラエルの首都と承認したトランプ米大統領に対し、中東だけでなく英仏独各国の首脳も反対や深刻な懸念を表明しているが、安倍首相と日本政府はまともな反応を示していない。トランプ大統領のオトモダチだから、どこまでも黙って追随するつもりなのか。

 沖縄で米軍や米兵からどんなに理不尽で酷い目に遭わされても、文句も言わず(形だけの抗議はするかもしれないが)、忠犬のように尻尾を振るだけの日本政府のこれまでの姿勢と全く何も変わらない。おかしいことにはおかしいと敢然と意見を述べるのが、本当の友達ではないのか。度し難い奴隷根性だ。

 イスラエルとパレスチナとの当事者同士で平和的交渉によって解決すべき問題を、米国がイスラエルを支持して一方的に肩入れするのは、中東情勢に無用な混乱を招くことになる。むしろ火薬庫に火種を放り込むに等しい無謀な行為だ。トランプ大統領とは距離を置いて、毅然とした態度でたしなめることこそが、まともな国のまともな外交だろう。

 当事者ではない第三者として「傍観者」を決め込み、もっともらしく中立的な立場を装って知らんふりをするのは、最も卑怯で軽蔑される行為だと思う。いじめを黙って見ている小中学生と変わらない。そんな国の指導者が国際社会から尊敬されるわけがない。だんまりを決め込む安倍首相と日本外交は、相変わらず卑怯卑劣極まりなくて情けない。

◇◇

 横浜駅前のビル最上階にある居酒屋で、先輩記者の皆さんと忘年会。生ビールも美味しいけど、梅サワーもさっぱりした爽やかな飲み心地で結構いけた。落ち着いた雰囲気で店員さんの接客もまずまず。次からはここを指定店にということで意見が一致した。


12月8日(金曜日) 不当極まりない再審請求棄却

 「名張毒ブドウ酒事件」の第10次再審請求を、名古屋高裁(山口裕之裁判長)が棄却する決定。毎日新聞の記事にある通り、全くもって不当極まりない決定だと思う。そもそも奥西勝・元死刑囚が存命だった2005年4月に名古屋高裁刑事1部が出した再審開始決定を、翌年12月に同高裁刑事2部(門野博裁判長)が取り消したのが決定的に大間違いだった。

 名古屋高裁刑事1部の再審開始決定を、同高裁刑事2部がわざわざ取り消した理由が、いくら考えてもまるで分からない。弁護側が示した新証拠を認めたからこそ、刑事1部は再審開始を決定したのだ。「疑わしきは被告人の利益に」であるはずなのに、扉くらい開いてもよいではないか。なぜあえて再審の道を閉ざす。裁判のやり直しさえ拒む理屈が全く理解できない。

 今回の再審請求棄却も、11年前の名古屋高裁刑事2部(門野博裁判長)の決定と同じだ。「疑わしきは被告人の利益に」を完全に無視し、人権の砦であるはずの司法の役割を放棄したに等しい。意味不明の不当な決定である。

名張毒ぶどう酒、「ずば抜けて不当」事実調べなく再審棄却(毎日)

https://mainichi.jp/articles/20171209/k00/00m/040/164000c

◇◇

 電車内で文庫本に没頭。小説の世界に入り込んでしまい、うっかり乗り過ごしてしまった。その前の別の路線で人身事故があって、ただでさえ遅れていたので踏んだり蹴ったりだ。もちろん乗り過ごしたのは完全に僕自身の自己責任なんだけど。そんなわけで、この日の弁護団会議には20分遅刻。情けない。


12月9日(土曜日) 忘年会

 東京・代々木の鹿児島料理の店で、高校時代の同級生7人と飲み会(忘年会)。卒業以来の懐かしい顔も。2次会も楽しかった。帰りの山手線と京急線は、終電にはまだ時間があるし土曜日なのにどういうわけか超満員。謎だ。


12月11日(月曜日) NHKが世論調査ですべき質問

 NHK世論調査。「NHKの受信契約を合憲とする最高裁判決が出ました。この判断に賛成ですか反対ですか」「NHKからの一方的な申し込みでは受信契約は成立しないと最高裁は判断しました。この判決を支持しますか支持しませんか」「NHKは特定政党・政権与党・国家機関の影響を受けていると思いますか」──。NHKは世論調査で、まずそこを聞くべきだろう。

 そしてもう一つ。「NHKのことを事実上の国営放送・政府の宣伝機関だと批判する人たちがいます。NHKは公共放送・報道機関として権力を監視する役割を果たしていると思いますか」。この質問もぜひ世論調査でしてほしい。最高裁の判決が出た直後(判決のニュースを流した直後)なのだから、むしろ当然すべき質問だ。しかし今回のNHK世論調査では、残念ながらこうした質問は全くなかった。

 安倍内閣を支持しない理由は「人柄が信頼できないから」が42%でダントツだった。「人柄が信頼できないから」とは、いつもながら異様としか言いようがない。権力私物化の常習犯で大嘘つきの税金泥棒だから当然ではあるのだけど、それでも内閣支持率は49%もある(NHK世論調査)という不思議。NHKが公共放送・報道機関としての役割をしっかり果たせば、きっとまた違った数字になるに違いない。


12月12日(火曜日) 多摩西部地域

 中学時代の友達と東京・福生、秋川などの多摩西部地域を巡る。JR八高線、青梅線、五日市線といった、ほとんど利用しない路線に乗車。車両ドアの開閉はいずれも手動ボタン式で、しかも単線軌道なのが感慨深い。ひっそりと寂し気にたたずむ秋川駅と比べて、福生や拝島や八王子は大都会なんだなあとしみじみ感じた。


12月13日(水曜日) 天声人語子を悼む

 先日亡くなられた元朝日新聞論説委員の辰濃和男さんには、高校のOBだったご縁で、僕が高校3年の時に朝日新聞の社内を案内していただいたことがある。天声人語をご執筆中で超多忙だったはずなのに、快く応対して下さった上に、有楽町の旧社屋の社員食堂でうどんまでご馳走になった。心よりご冥福をお祈りいたします。

◇◇

 広島地裁の決定を覆し、広島高裁(野々上友之裁判長)が四国電力伊方原発の運転を禁じる決定。高裁が原発の運転を差し止めたのは初めて。権力の意向を気にする裁判官が圧倒的に多い中で、少しずつなのかもしれないが、それでも変化の兆しを感じる。定年退官間際の駆け込み判断であったのだとしても。

伊方原発3号機、運転禁じる仮処分、阿蘇噴火の影響重視(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASKD76K3XKD7PITB00V.html

◇◇

 翁長雄志・沖縄県知事「極東の安全保障を守る中で、沖縄だけが危険な目に遭い、子どもたち、県民の生命、財産が脅かされている。差別的な安全保障のあり方を政府と米軍にしっかり伝えないといけない」──。全くその通りだと思う。

小学校への落下物、米軍ヘリの窓、授業中の男児1人けが、沖縄(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASKDF3S2BKDFTIPE00G.html


12月14日(木曜日) 「ドクターX」最終回に涙

 「ドクターX〜外科医・大門未知子」(テレビ朝日)の最終回。大門未知子(米倉涼子)が死ななくて本当によかった。日本医師倶楽部の内神田景信会長(草刈正雄)の手術中に、大門さんが師匠である神原晶さん(岸田一徳)の教えを反芻しながら執刀する場面では、思わず泣いてしまったぞ。この日の一番の感動シーンだった。いい最終回だった。次の第6シリーズもきっとあるはず。期待して待っている。

◇◇

 MXテレビの番組「ニュース女子」に対し、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会が、「重大な放送倫理違反があった」とする意見を公表。放送されてから問題点を指摘するまで1年もかかるとは、BPOの判断は遅すぎるよ。

 「持ち込み番組」であっても、放送したテレビ局に責任がないわけでは断じてない。裏付けも事実確認もしない。そればかりか事実そのものを平然とねじ曲げる。そんな悪意に満ちた番組をチェックもせずに、そのまま垂れ流したMXテレビの罪は重大だ。

 しかもこのような悪質で反社会的な制作会社(「DHCシアター(現DHCテレビジョン)」)はそもそも出入り禁止にすべきなのに、いまだに同社の「持ち込み番組」として「ニュース女子」の放送は続いている。そのことからもMXテレビは反省する気などさらさらなく、そればかりかむしろ確信犯であることが強く疑われる。放送事業者としての適格性に著しく欠けると言っていい。MXテレビには公共の電波を預かる資格はない。

BPO「放送してはならぬ番組放送した」、MXに危機感(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASKDG5W83KDGUTIL045.html


12月15日(金曜日) ハズレもないがアタリもなし

 近所に住んでいる中学時代の友人が引っ越すとのことで、駅前の居酒屋で久々に会って飲む。忘年会シーズンなのでどこも結構混んでいたが、予約なしで某大手のチェーン店になんとか潜り込んだ。ちなみにチェーン店なので、酒も肴もハズレはない代わりにアタリもない。4時間ほど飲み食いしたが、どれだけ飲んで遅くなっても歩いて帰れるところが、これまたよし。


12月16日(土曜日) 自称愛国者の歪んだ精神構造

 批判・疑問・怒りの矛先を米軍や日本政府に向けるのではなく、被害者(弱者)である保育園や沖縄県民を誹謗中傷し罵倒するおぞましさ。不当な扱いを受けているのは同胞なのに。

 国民あってこその国家のはずではないか。それなのに国民の平穏な生活を守らないばかりか、国家(政府)に国民を従属させて支配しようとするのは、思考が完全に逆転している。住民を蹂躙する米軍や日本政府を批判せず、酷い目に遭わされている沖縄の人々を非難攻撃する不思議な発想。「自称愛国者」たちの倒錯した歪んだ精神構造に言葉を失う。

米軍ヘリ部品発見の保育園、中傷メール・電話が相次ぐ、沖縄(朝日)

http://digital.asahi.com/articles/ASKDH5DS6KDHTIPE01X.html


12月17日(日曜日) 「ボールルームへようこそ」最終回

 アニメ「ボールルームへようこそ」。いい最終回だった。初回から最終話の第24話までゾクゾクする展開の連続だった。競技ダンスと出会った中学生の少年の成長を描いた秀作(原作は月刊少年マガジン連載)。ストーリーも脚本も演出も作画も声優陣も音楽も、どれも素晴らしい仕事をしてくれた。素敵な作品を見せてくれてありがとう。


12月18日(月曜日) 忘年会

 業界人とその周辺の人々の集まりに誘われて、東京・渋谷の居酒屋で忘年会。帰りの電車は、東武東上線の人身事故の影響で東急東横線が大幅遅延。おまけに僕には関係ないけど、横浜線でも人身事故で全線ストップとの車内アナウンスが。この時期になんとも迷惑な話だ。京急は平常運転。午前1時前に帰宅。

◇◇

 トム・ハンクス主演の映画「グリーンマイル」。先週と今週の2週にわたって前後編の放送(日本テレビ)を見た。「ノーカット放送」をうたうのであれば、エンドロールもきちんと流してほしかった。せっかくの感動作だったのに残念と言うしかない。しかもこんな深夜(午前2時から4時の時間帯)に放送しているのだから全編流せるはず。画竜点睛を欠く仕事ぶりにがっかりだよ。もったいないなあ。


12月19日(火曜日) 大当たり「もつ焼き酒場」

 骨折して入院した大学時代の友達を、東京・赤羽(本蓮沼)の病院に見舞った。朝から夕方までリハビリの毎日だそうだが、思った以上に元気な様子で安心した。順調に快復しているようで来月中旬には退院し、翌月からは職場復帰できると聞いてほっとする。

 一緒に見舞った友達と2人で、本蓮沼駅前の「もつ焼き酒場」に入る。初めての街で初めて入った店だったので、おっかなびっくりだったのだけど、出てくる料理がどれも驚くほど美味しくて感動した。「ゴボウと豚もつの塩煮込み」は臭みなどもちろんなく、コクのある上品な塩味が味わい深く食欲をかきたてる。一口食べて思わず「うまっ」と声を出してしまった。塩味のスープだけでご飯が食べられるし、ここにラーメンを入れても美味しいだろうなあと思わせる。

 串焼き(やきとん)はハツもシロもしっかり味付けされていて、七味なんか全く不要。しかも大振りで食べ応えがある。「チーズのせ豚つくね串」は、チーズとつくねが見事にマッチしたおしゃれな一品だった。そして最後の注文。赤だしのどて煮込みと生玉子をご飯に載せた「どて煮丼」はシメにぴったり。サッポロラガービール(赤星)に合うから、また再び飲み始めてしまう危険があるのが難点だ。

 もう一つ強調しておきたいのは、店員さんの接客が見事なこと。注文も料理の提供も迅速でテキパキしていて気持ちがよく、帰った客の後片付けの丁寧で清潔感にあふれていることと言ったら。小ぢんまりした店内はほどよい混み具合で、しかも安い。びっくりの値段だった。もう非の打ち所などありませぬ。今年一番の大当たり店かな。

◇◇

 米軍ヘリの窓が沖縄の小学校の校庭に落下した事実が判明した時点で、米軍トップは小学校にすっ飛んで来て謝罪すべきだった。ところが在沖米海兵隊のクラーク大佐が小学校を訪れたのは、事故から5日も経ってから。しかも「学校上空の飛行を最大限可能な限り避ける」とは、なんとふざけた言い草だろう。馬鹿にしてるのか。

 おまけに事故後わずか6日で同型機の飛行再開とは、いったいどういう神経なのか。米軍と米軍の無神経で傍若無人な振る舞いを容認する日本政府は、沖縄県民だけの敵ではなく、もはや明らかに主権者たる日本国民の敵としか思えない。


12月20日(水曜日) 年内最後の授業

 年内最後の授業。「メディアのあり方を考え、ニュースの本質を見極める力を養うのは主権者の責任でもある」という流れの締めで、被災地の復興・原発問題・沖縄の基地問題への無関心を風刺した「ウーマンラッシュアワー」の漫才を取り上げた。「国民の意識の低さ」「お前たちのことだ」の決め台詞は、社会問題を俎上に載せる表現方法として極めてジャーナリスティックだったからだ。反応はまずまず。納得したとの感想が結構あった。


12月22日(金曜日) また大当たりの店でした

 大学時代の友達と、東京・品川の山陰郷土料理の店で忘年会。いつもは新宿の居酒屋に集まることが多いけど、今回は初めて品川駅前に集合。馬鹿話をして大笑いしながら、社会問題やメディアの課題といった真面目な話もできて楽しい。やっぱり落ち着く。先日誘われて顔を出した業界人の飲み会は、目指す方向も職業観も会話もかみ合わず、どうにも場違いな感じが払拭できなかっただけに、なおさら今夜は居心地がいい。

 「新規開拓」の店は料理も雰囲気もとてもよかった。鯖の魚醤焼き、豚トロ粕漬け炙り焼きは、適度な塩味と甘さが口いっぱいに広がる。ふっくらふんわりと仕上げられた自家製だし巻き卵と、やさしくさっぱりした大山ポークのシーザーサラダも箸が進むし、上がり蕎麦はつるっと喉を通って文句なし。

 年の瀬になってまたもや大当たり。今週は素敵なお店に2つも巡り合えてうれしい。日程調整やお店の予約をしてくれた幹事のI君には、もう感謝の言葉しかありませぬ。本当にありがとう。


12月24日(日曜日) 詐欺まがいのクレーンゲーム機

 「絶対に取れないクレーンゲーム機」を運営していたゲームセンター経営者らが詐欺容疑で逮捕されたが、「絶対に取れない」とまでは言い切れなくとも、「ほとんど取れない」設定にしているゲームセンターは、ほかにも少なからずある。アームの力が著しく弱くて、「景品をつかめたとしてもほぼ間違いなく引き上げることができない」状態であれば、もはや詐欺まがいとしか言いようがないだろう。

 うちの近所にもそういうゲームセンターが存在する。最初のころはアームが景品をがっちりつかんでいたが、最近はアームがゆるゆるで、どう考えても景品が持ち上がるわけがない。実際に何回やっても持ち上がらない。たまたまなのかと思っていたが、常態化しているから確信犯なのだろう。もう二度とあそこでは遊ばないと学習した。

 何回か経験すればさすがに懲りて、そういう店には近寄らなくなるはずだけど、それでも初めての客は無駄にお金をつぎ込んでしまうようだ。「詐欺」とは言えないにしても、「詐欺まがい同然」であるのは間違いない。アームがゆるゆるのクレーンゲーム機は反則だ。店の信用を決定的に失うと思うよ。


12月25日(月曜日) 1カ月の冬休み

 今年最初の授業は1月4日だった。そんな年始のしょっぱなからやるのかと愕然としたが、暦の関係でそうなってしまったので、運が悪かったとあきらめるしかなかった。学生だってがっかりするよなあ。来年の授業は1月17日がスタート。年内最後の授業が12月17日だったので、まるまる1カ月も冬休みがある。2018年はよい年になるかも(笑)。


12月26日(火曜日) 違法捜査は氷山の一角

 「令状なしのGPS捜査は違法」と最高裁判所が判断を示したにもかかわらず、容疑者の車に令状を取らずにGPS端末を取り付けていた三重県警の警部補。適正手続きや法律を無視した捜査であっても、公判維持できると思っているからこそ、平気でこういうことをやってしまうのだろう。たぶん氷山の一角に違いない。盗聴(通信傍受)にしても、同じような違法捜査が行われているのではないかと危惧せざるを得ない。

三重県警、最高裁判断後も令状なしでGPS端末取り付け捜査(NHK)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20171226/k10011272451000.html

◇◇

 東京高裁の岡口基一裁判官(51歳)のツイッターに対し遺族が抗議。「被害者の尊厳への配慮が全くなく、ちゃかしていると感じる書き込みで、強い憤りを覚える」として、同高裁に処分を求める文書を提出。

裁判官が女子高校生殺害事件をツイート、遺族が抗議(NHK)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20171226/k10011272431000.html

 数分後に岡口裁判官のツイートは削除されたが、説明や謝罪はなかったという。遺族は「被害者の尊厳への配慮が全くなく、現役裁判官がしたことに憤りを感じる」と話した。

裁判官ツイッター、不愉快な思い、遺族、処分求める(毎日)

https://mainichi.jp/articles/20171227/k00/00m/040/099000c

◇◇

 暴風雪と波浪警報が出されている北海道で、留萌港の灯台が高波で倒壊。灯台が根元からポッキリ折れて倒壊するなんてびっくり。それだけ低気圧の発達で大荒れの天候だったのだろう。名寄市の国道では、吹雪による衝突事故で約百台の車が一時立ち往生。


12月28日(木曜日) 無責任弁護士

 刑事事件の公判(しかも重要な局面の期日)に、1時間以上も遅刻してきた主任弁護人(しかも著名弁護士)を知っている。当事者にとっては死活問題でもあるのだから、さすがに無責任のそしりは免れない。弁護士もいろいろ。体調不良やのっぴきならぬ事情もあるのだろうけど。

弁護人不在のまま判決言い渡し、「体調崩してしまった」(朝日)

https://digital.asahi.com/articles/ASKDX5GNCKDXTIPE01R.html


12月29日(金曜日) 「論破された弁明」

 【メモ】貴乃花親方、論破された弁明(Yahoo!ニュース)→脇の甘さ突いた協会、貴乃花親方解任案(時事)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171228-00000097-jij-spo

 【メモ】やくみつるさん「捜査機関への協力を優先させたという言い分は、後付けのように聞こえた。事態を矮小化させたくないという意図はわかるが、抵抗のための抵抗になったことが、今回の処分を招いた」。

相撲協会:やくみつるさん「処分、重いとは思わない」(毎日)

https://mainichi.jp/articles/20171229/k00/00m/050/080000c


12月30日(土曜日) 目黒区東山と池尻を散策

 中学時代の同級生3人と、中目黒→目黒区東山→世田谷区池尻の周辺を散策。中学生のころに過ごした街を30年ぶりくらいに訪れてみると、街並みはすっかり様変わりしていて、懐かしさよりもむしろ衝撃の方が大きい。まさに「激変」していた。

 驚愕の激変トップ3は、その1)4階建ての国家公務員宿舎がすべて高層住宅になっていたこと。その2)中目黒駅の周辺がこぎれいでおしゃれになっていたこと。その3)東山からは結構離れていて広大だと思っていた世田谷公園が、記憶よりもずっとすぐ近くにあって狭く感じたこと。

 逆にホッとした懐かしい風景トップ3は、その1)7階建ての国家公務員宿舎4棟は健在だったこと。その2)フラワーマンションも変わらずに残っていたこと。その3)世田谷公園の噴水広場のたたずまいはそのままだったこと。おまけ1)首都高の大橋ジャンクションの外観は壮大だったけど、屋上の天空庭園からの眺望はイマイチだった。おまけ2)池尻大橋駅に直結していた書店「オレンジキャット」が跡形もなくなっていたのは寂しかった。


12月31日(日曜日) 年の瀬感が皆無

 今年の年末は、なんだかいつもと比べて「年の瀬感」や「新年を迎える高揚感」がまるで感じられない。街なかの風景にしても、歩いている人々の立ち居振る舞いや雰囲気にしても。クリスマスの時も同じようなことを思ったのだけど、どうしてだろう。謎だ。


ご意見・ご感想などは<こちら>まで

身辺雑記の総目次ページへ戻る

フロントページへ戻る

[NEW][EVA][カレカノ][トトロ][映画][セカンド][リンク][作者][BBS]