●初めてのホッピー●焼け太りは許されない●仕事しない内閣●強権・私物化・隠蔽は変わらない●太鼓持ちという「芸風」●びっくり仰天3連発●許し難い証拠隠滅と詭弁●頂点極めた官僚の嘲笑人生●暑すぎる今夏●教研レポート●冤罪生む日本の刑事司法●墓前でも大嘘の安倍首相●読売新聞は報道機関を名乗るな●科学者の罪に斬り込んだNスペ●愚かな指導者が招く悲劇●充実した湘南教研●親切な小学生に感謝●録画機能が復活●取材●アポ取り●結構消耗●「重大な脅威」って何だ●危機感煽る無気味さと気持ち悪さ●ヒトラー大好き太郎ちゃん●●●ほか
東京・新宿の居酒屋で、大学時代の友達と暑気払い。いつもこの店では「とりあえず生ビール」の後はサワーに移行するのが常だけど、きょうはホッピーを初めて飲んだ。今さらかよという突っ込みはさておいて、グラスに注がれた焼酎と氷を、低アルコール炭酸飲料のホッピーで割って飲む。
ちょうどいい感じの「薄さ」に自分の好みで調整できるし、飲みやすいしで、あまり酒に強くない僕にはなかなか合っている飲み物だった。「ナカ」と呼ばれる焼酎は最初の一杯で十分なので、氷だけ追加でもらえたら文句なしかな。
◇◇ 2日午前2時2分、緊急地震速報のチャイムがテレビから流れるのを久しぶりに聞いた。いつ聞いてもドキッとする。茨城や福島で震度4、埼玉、千葉、都内で震度3、横浜も震度2と広範囲で揺れを観測したとのことだが、横浜南部の自宅では全く揺れなかった。
迷走を続けながら、しぶとく生き残っている台風5号の動きが、安倍政権と重なって見える。どちらも一刻も早く消滅するのが「国民益」につながると思うのだが、このまま焼け太りして勢力拡大するような事態になれば、甚大な被害を及ぼすのは必定。国政を私物化し公私混同を続ける安倍政治の罪を、内閣改造でうやむやにさせてはならない。そんなことは断じて許されない。
◇◇ 【お笑い安倍改造内閣・組閣人事(案)】稲田朋美・自己防衛相(再)、山本幸三・痴呆創生相(再)、金田勝年・無法相(再)、今井絵理子・少子化対策担当相(新)、豊田真由子・1億総活躍担当相(新)、佐川宣寿・財務相(新)、籠池泰典・国家公安委員長(新)、加計孝太郎・文科相(新)。
誤「結果本位の仕事人内閣」→ 正「隠蔽本位の仕事しない内閣」。経験豊富で実力派の閣僚を多くそろえた重厚な布陣だとは思うけど、もはや「死に体」内閣であることは間違いない。安倍首相にこの次(次期総裁再選)がないことは確定したのではないか。注目ポイントは安倍政権がいつまで保つか、安倍の次はだれか、受け皿となるべき野党の再編がどうなるか、の3つだろう。
安倍首相は表向き低姿勢のように見えるが、強権・傲慢・隠蔽・私物化・公私混同といった政権の本質は全く何も変わっていない。だってトップが安倍晋三のままなのだから。稲田朋美と加計孝太郎と昭恵夫人の証人喚問を拒否すること自体がそもそも論外で、安倍政権が何ら反省などしていない証拠ではないか。疑惑の解明なしに内閣支持率上昇なんて、本来あり得るはずがないし、そんな馬鹿なことはあってはならない。
→世論調査:改造内閣支持率35%、不支持率は47%(毎日)
https://mainichi.jp/articles/20170804/k00/00e/010/319000c
横浜駅西口の居酒屋で、先輩記者の皆さんと暑気払い。高齢化社会の現状や医療や相続の問題などについて「レクチャー」を受けるが、僕にはまだあまりピンとこないなあ(笑)。そんな中、政権の太鼓持ちコメントを連発する某特別解説委員に対し、ボロクソ批判し嫌悪する声で盛り上がった。全く同感。
ちなみにこの某特別解説委員は毎朝、出演前に官房長官と会って「これから◯◯テレビと▲▲テレビに出ますが、きょうはどんなコメントをしましょうか」と打ち合わせ(御用聞き)をしているという。わざわざ打ち合わせするような話かね。この人が政権べったりの擁護発言しかしないのは、局側も視聴者もみんな分かってるよ。まあ、ある意味で磨き上げられた「芸風」というか、「古典芸能」の域に達していると言っていいかもしれないけど。失笑しか出てこない。
「都民ファーストの会」の議員が取材に応じる場合は、本部の許可を得る必要があるという。野田数代表「どんな取材を受けるのか本部が把握することは、民間企業なら当然の対応」。都民ファーストって民間企業だったんだ。じゃあ所属議員は社員なんですね。議員は自主自立している独立した存在ではないのですか。ずいぶんと変わった政治会派なんですね。びっくり仰天。
→都民フ都議:50人無回答、憲法、安倍政権アンケートに(毎日)
https://mainichi.jp/articles/20170806/k00/00m/040/132000c
◇◇ いったいこれのどこが「すべて公開し透明性が高い」会議だというのだろう。安倍首相「国家戦略特区WGの議事録はすべてオープンになっている」(内閣改造後に出演したテレビ番組での説明)。また一つ安倍首相の大嘘、虚偽説明が明らかになった。平然と国民に向かってデタラメを吹聴する内閣総理大臣。それが安倍晋三という前代未聞の勘違い男の正体だ。
→特区会議に加計幹部、議事要旨に出席・発言の記載なし(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/ASK844VWRK84UUPI001.html
◇◇ 「広島原爆の日」の平和記念式典で平然と、「唯一の戦争被爆国として『核兵器のない世界』の実現に向けた歩みを着実に前に進める」などと挨拶できる安倍首相の図太さ、厚顔無恥ぶりには世界が驚いたに違いない。唯一の被爆国なのに核兵器禁止条約に反対し署名も批准もせず、よくもまあ…。呆れ果てた恥知らず、という言葉しか出てこない。
◇◇ 朝日新聞の世論調査によると、安倍内閣の支持率は最低だった7月調査の33%と比べ、ほぼ横ばい。不支持率45%も前回調査の47%から大きく変わらず。「内閣改造は支持率回復にはほとんどつながらなかった」と朝日の分析。そりゃそうだ。納得。
→内閣支持率35%、ほぼ横ばい、朝日新聞世論調査(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/ASK865FTGK86UZPS001.html
若狭勝衆院議員が政治団体「日本ファーストの会」を設立。「日本ファーストの会」の「日本」って何なんだろう。日本の「国家」や「国家体制」を指しているのか、それとも「日本政府」や「政治体制」のことなのか。そもそもなぜ「国民ファーストの会」と言わないのだろう。一方では「東京ファースト」ではなく「都民ファーストの会」と名乗っているのに。「国家主義のにおい」がぷんぷんと漂ってくる。
◇◇ またしても証拠隠滅。しかも国民の財産であるはずの公文書の破棄とは。これって明らかに犯罪ではないのか。公表された議事要旨に記載がない加計学園側のヒアリング速記録を破棄。絶句。
内閣府の塩見英之参事官「議事要旨を作れば用済みになるので、元の速記録は破棄した」「説明補助者の発言は議事要旨に掲載しない。掲載しないという時点でなかったことになる」。あり得ないトンデモない詭弁だ。こんなデタラメがまかり通るなんて。断じて許してはならない。
→加計関係者発言の速記録「破棄した」、特区WGで内閣府(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/ASK875QB7K87UUPI004.html
◇◇ 迷走を続ける台風5号が関東にも近付いているということで、予定していた取材先から次々に「延期してほしい」との連絡が。段取りがすっかり狂ってしまう。まいったなあ。仕方ないからゆっくり休んで自宅でだらだらする……わけにもいかず、たまっている雑用を片付けなければ。
佐川宣寿・国税庁長官が就任会見を開かないと正式に決めた。もはや軽蔑・侮蔑・嘲笑の対象でしかない。なんとも情けなくみっともない官僚人生。役人としては頂点を極めたとしても、人としては完了している。慣例の就任会見にさえ応じない卑怯者。最低だ。
→森友問題答弁の佐川・国税庁長官、異例の就任会見なし(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/ASK8863YTK88UTIL048.html
早稲田大学の西原博史教授と研究室で4時間以上も話し込んだ上に、サインとメッセージを入れた著書まで頂戴した。「うさぎのヤスヒコ、憲法と出会う/サル山共和国が守るみんなの権利」(太郎次郎社エディタス)。ご多忙のところ示唆に富む話をたくさん聞かせていただき感謝。その後、上野に移動して都立高校の先生を3時間ほど取材。こちらも有意義な話が聞けた。
それにしても暑い。歩くだけで体全体から汗が噴き出してくる。夕立が一服の清涼感をもたらしてくれた気がしたが、それも一時しのぎに過ぎない。今夏は暑いというよりも暑苦しい。
湘南教職員組合から、来週開催される教研集会のレポートが事前に送られてきた。どれもとても読みごたえがあった。これまで共同研究者(助言者)として毎回のように、繰り返し問題提起し続けてきたことがしっかり反映されていた。かつてない充実ぶり。「もしかして馬の耳に念仏か」と最近少し虚しさを感じていたけど、しつこく言い続けてきたのは無駄ではなかった。そう思うと素直にとてもうれしい。来週の教研が楽しみだ。
万引き強要を疑われた中学生2人が警視庁高井戸署員の任意聴取で、暴言を浴び自白を迫られた事件が明るみになったが、多くのメディアが「少年に対し警察の態度は酷すぎる」といったトーンでしか伝えていないのは疑問だ。最初から犯人だと決め付け、警察が取り調べで被疑者を威圧し威嚇し恫喝するのは日常茶飯事。常態化している。否認の訴えに耳を傾けることはまずない。
それは少年事件でも成人相手でも変わらない。警察や検察の一方的な思い込みと非科学的な態度は一貫している。捜査当局のこうした姿勢が冤罪を生み続けている。そうやってでっち上げられた自白調書を鵜呑みにする裁判官も同様だ。だから誤判や冤罪被害は後を絶たないのだ。高井戸署の事件は氷山の一角に過ぎない。
警察官も検察官も裁判官も、憲法と刑事訴訟法を堂々と無視していることが問題なのだ。日本の刑事司法はまず、憲法と刑事訴訟法を遵守するところから始めなければ、冤罪はなくならない。江戸時代のお白州じゃないのだから。この国の刑事司法はずっと異常な状態のままだ。メディアはそこをきちんと指摘し続けなければならない。
◇◇ きょう11日付の朝日新聞朝刊1面トップ記事の見出しが分かりやすくて秀逸だった。安倍晋三首相の招致を与党が拒否し、NHKの国会中継がなかったことも明示すれば、文句なしの満点だったけど。
→閉会中審査「ない」尽くし、稲田氏や前次官いない/報告有無明言しない/日報再調査応じない(朝日・東京本社最終版)
地元の山口で墓参りをした安倍晋三首相。父親の墓前で「初心に返り、謙虚に誠実に丁寧に、全力を尽くす」と誓ったとか。またまた大嘘ばかり。森友、加計、日報問題の対応のいったいどこが「謙虚に誠実に丁寧に」なのか。「隠蔽に全力を尽くす」の間違いだろう。
「謙虚に誠実に丁寧に」と言うのなら、どうして国会できちんと説明しない。なぜ閉会中審査に安倍首相自身も稲田前防衛相も出てこない。どういう了見で証拠文書を隠すのか。父親の墓前でも、国民に平然と嘘を並べ立てる安倍首相。なんて罰当たりなんだ。
→安倍首相、墓前で信頼回復誓う「初心に返り全力尽くす」(NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170812/k10011097731000.html
フジテレビの情報番組の「新聞読み比べ」コーナーで、お笑いタレントのプチ鹿島氏が、2016年8月10日の「首相動静」を伝える新聞記事を紹介。朝日には「加計孝太郎」の名前があるのに、読売にはなかった事実を指摘したところ、翌週から読売新聞の記事が番組で使用できなくなったという。
ただ単に新聞記事を読み上げて紹介するのではなく、各紙を比較検討して「論評」するのであれば正当な引用だ。しかも報道目的の引用であれば使用許可など必要ない。そもそも読売が政権ベッタリの政府広報なのは周知の事実ではないか。それなのに今さら何を隠そうとすることがあるのか。図星を突かれて逆ギレとは最低すぎるな読売。みっともないにもほどがある。
念のために書いておくが、最高権力者である首相がだれと会って何をしたのか、きちんと調べて紙面に掲載するのは、権力の動向を監視する報道機関の当然の責務だ。にもかかわらず意図的に情報を隠蔽し、読者(主権者たる国民)に判断材料を提供しなかったのであれば、ジャーナリズムとしておよそあり得ない自殺行為だ。読売新聞に報道機関を名乗る資格はない。
→(プチ鹿島氏のツイート)twitter.com/pkashima/status/895925273522077696
◇◇ 今夜放送されたNHKスペシャル「731部隊の真実/エリート医学者と人体実験」は見ごたえがあった。「死神博士」たちが怖すぎる。平然と人体実験を繰り返し、戦後も何ら責任を問われず出世するエリート医学者の非人間的振る舞いが、余すことなく描かれていた。Nスペの取材に協力し資料提供する京大と、組織的関与を否定する東大との対応の差も興味深い。軍事研究に協力する科学者の罪にも触れた秀作だ。
戦前の話にとどまらず今の時代の問題でもある。軍事研究の推進を正当化する科学者や、無自覚に軍事研究に協力する科学者の罪深さについて、問題提起する内容にもなっている。戦争を正当化し、侵略に抵抗する現地の人たちへの憎悪・敵対心を煽るメディアの醜悪さと、それに呼応して戦意高揚へと突き進む世論のおぞましさも指摘。事実上の「国営放送」「政府広報」と化したNHKニュース部門の製作姿勢とは、まるで大違いの志の高い番組だった。
都内で取材。
NHKスペシャル「戦慄の記録・インパール」。どんより重苦しい気分になる内容だけど、考えさせられる番組だった。無能で傲慢で横暴な指導者(権力者)ほど罪深いものはない。愚かな作戦と命令で、やらなくていい戦いをして、多くの人々を無駄死にさせる。
しかも連中はすべてが破綻した後も、反省したり責任を認めたりするどころか、例外なく平然と嘘をついて自分を正当化しようとする。隠蔽工作もする。無能で狂った権力者が招く悲惨な結果。戦時中も今も全く何も変わっていない。
そしてNスペの力作が放送された後、いつものように始まった愚にもつかないNHK「ニュースウオッチ9」。特集番組スタッフの問題意識や志の高さと、事実上の「政府広報」と化しているニュース部門スタッフのこの格差。
取材準備。アポ取りなど。
朝から湘南教職員組合の教育研究集会(教研)。「日本語教育」の分科会に共同研究者(助言者)として参加する。今年の研究発表レポートは力作ぞろいで、とても充実した内容だった。受信が発信につながること、自分の考えを整理して明確に表現すること、「知りたい・書きたい・伝えたい」という気持ちが大事なこと。そんな授業実践報告が並んだ。
報告を聞いていて質問したいことが次々に浮かんでくるのは、それが優れたレポートであるという証拠だ。どれだけ先生方の役に立てたかは分からないけど、質問や意見をできるだけたくさん述べさせてもらった。こちらこそ勉強になったし、現場での意欲的な実践を心強く思った。早起きして出かけた甲斐があった。せっかく飲み会に誘っていただいたのに、参加できなくて申し訳ありません。
◇◇ 午後7時前からひっきりなしに雷鳴が轟き、まるで絨毯爆撃のような落雷が続く。午後7時20分過ぎにはバケツをひっくり返したような土砂降りの雨。ほとんど常套句と言っていい実に陳腐な表現なんだけど、でもそういう言い方がぴったりの天候。夕方まであんなに晴れていたのに。都心と数時間の時差で横浜南部でも天候が急変した。
飲み会に誘われていたけど断念して、早めに帰ってきて正解だったなあ(汗)。雷鳴と激しい雨の音がうるさくて、テレビ(ブラタモリ)の音が聞き取りにくい。
東京・江戸川区内で迷って、小学生の女の子2人に「子ども未来館」への道を尋ねたら、わざわざ一緒に付き添って目的地まで連れて行ってくれた。ありがとう。おかげで無事に取材できた。ただ物騒な世の中なので、もしも相手が悪意のある大人だったらと考えると、優しい気持ちと親切心が仇となることもあり得るのがちょっと心配だ(嫌な社会だよなあ)。
もちろんきちんと見極めて判断した上で案内してくれたのだと思うけど、くれぐれもそこだけは気をつけてと心から願う。本当にありがとうね。
テレビの録画機能がようやく復活した。これで見たい番組の放送時間に、テレビの前でリアル待機しなくてもよくなった。それまでの録画内容を思い切ってすべて破棄し、外付けHDDを初期化して再起動させたら直ったのだが、再び視聴したいと思うような番組もさほど多くはないし、まあいいか(消去してしまうのは惜しい録画もいくつかあったけど)。
東京・国立市内で取材。
東京・永田町の国会周辺で取材(国会関係の取材ではない)。
取材のアポ取りのため、ひたすら電話をかけ続ける。自宅や職場の固定電話とケータイなど、とにかく知り得る限りの連絡先に繰り返しチャレンジ。しかし夏休み中なのか、どなたもなかなか捕まらない。タイミングが合えばさくさくと話が進むのだが、合わないとこういう悪循環に陥る。精神的に疲労困憊で苦戦中。
取材先とようやく連絡が取れた。いずれも快く取材に応じてくれることになったので、ほっとひと安心。アポが取れたら取材の半分は終わったも同然。とは言うものの、これが結構消耗するし疲弊するんだよなあ。いやマジで。
朝9時に起きてテレビを付けたら、菅官房長官の顔がアップで映し出された。まさかと思って確認したら、NHKの朝ドラ「ひよっこ」が録画されていない。また録画機能が壊れたのかと焦る。北朝鮮の弾道ミサイル発射の特番放送のため、朝ドラは放送中止になったと判明した。マジかよ。
◇◇ NHKはじめテレビ各局は、北朝鮮の弾道ミサイルが「日本の上空」を通過して太平洋上に落下したと大騒ぎしているが、そんなに大層な話なのか。国際宇宙ステーション(高度約400キロ)をはるかに超えて、ミサイルは大気圏外の高度約550キロを飛行しているのに、「日本の上空」もへったくれもないと思うのだが。
日本を狙ったわけでもなく、北朝鮮のミサイルが日本に落ちてくるわけでもない。落ちてきても一般市民は対処のしようなどない。政府や自治体は「Jアラート」(全国瞬時警報システム)とやらを仰々しく鳴らして、「逃げろ」「避難しろ」と警告するが、そもそもどこに逃げてどうやって避難して、どのように身を守れというのか。無茶ぶりにもほどがある。
仮に落ちてきたとしても、防ぎようがないものに対して避難警報を発信するなんて、もっともらしい危機感と恐怖心と不安を大袈裟に煽るだけとしか思えない。実に馬鹿馬鹿しい。日本政府がすべきなのは一に外交、二に外交のはずだ。とにかく外交努力しかないはずなのに、安倍政権は何か努力したのだろうか。
安倍首相は「わが国を飛び越えるミサイル発射という暴挙は、これまでにない深刻かつ重大な脅威だ」などと焚き付けるが、同様のミサイル発射は過去にもあった。「これまでにない深刻かつ重大な脅威」とは北朝鮮よりもむしろ、権力を私物化して公私混同し、憲法も法律も蹂躙し続ける安倍首相を指す言葉だと思うよ。
◇◇ 都内で取材。ものすごくお元気で気品にあふれていて、たたずまいも表情も言葉も凛としている、77歳の素敵なおばあさまに話をうかがった。素晴らしい年齢の重ね方をされているなあ。ちょっと感動した。
「北朝鮮のミサイル発射に対して日本は騒ぎ過ぎでは」という視点が、この国の報道にはなさ過ぎる。それが何よりも気になる。テレビのチャンネルがすべて特別番組に切り替わって、その後も延々と危機感や不安を煽り続けるメディアの姿勢は異常としか言いようがない。まるで戦時体制のような不気味さや気持ち悪さを感じる。
北朝鮮のミサイル発射をこんなに騒いでいるのは、世界中で日本(安倍政権とメディア)だけだろう。日本のメディアはなぜもっと冷静になれないのか。なぜ安倍政権の「過剰な反応」を批判しないのか。そもそも不必要に騒ぐことは、北朝鮮の思惑通りになるだけだと思うのだが。むしろ危機感を煽る安倍政権の思惑こそ、不気味に思えて仕方がない。
麻生太郎・副総理兼財務相が、ナチスやヒトラーを大好きなのは改めてよく分かった。そして聞き間違える余地など全くない発言であっても、平然と正当化して釈明・反論することもよく分かった。「悪しき政治家の例としてヒトラーの話を出した。全体の話を聞いていた人で、私がヒトラーを賛辞したと聞こえた人はいない」(会見での麻生氏の釈明)。そんなわけないだろ。
麻生氏が主張するように、仮に麻生氏の真意と発言内容への一般の解釈が異なるのだとすれば、それはつまり自身の考えをきちんと言葉にして正確に伝える能力が麻生氏にはない、ということにほかならない。それって政治家としては致命的ではないのか。いずれにしても公職を辞し、公の舞台から退場することをお勧めする。もちろん安倍首相も一緒にね。