身辺雑記2019年11月

 身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2019年11月1日〜11月30日

●札幌は歓迎一色?●耳を疑う噴飯発言の数々●眉村卓さん死去●「安倍教育改革」を解説●安物買いの銭失い●一目瞭然●記述式の大量採点は無茶●サンマ定食●まとめ原稿アップ●さすがの太鼓持ち記者●「桜を見る会」なぜ中止?●総辞職が当然●私物化どんだけ〜!●公共放送の矜持が試されている●問われるメディアの姿勢●あまりに的外れで知能が低すぎる●松屋が完全セルフ化●下村博文元文科相の暗躍●主権者としての自覚●前川喜平元文科事務次官の記事●真冬の寒さ●要点を絞って凝縮●恥ずかし気もなく●長期政権でなく個人の資質の問題●語るに落ちた●詰んでいるのが理解できない●自覚のない馬鹿ほど●教研とシウマイ弁当●●●ほか


11月1日(金曜日) 札幌は歓迎一色?

 東京五輪のマラソンと競歩が札幌開催に決まったことについて、NHKは「札幌は歓迎一色に染まっています」と現地から伝えた。いつも通り一方的で世論誘導の姿勢が際立っている。「国策絡み」の話題を伝えるNHKのニュースはいつも度し難い。東京五輪誘致の際も、街頭インタビューを紹介するのは「東京でオリンピックが見たい」「大歓迎です」といった声ばかりで、反対意見の紹介は皆無だった。ものすごい違和感。

 一方、TBSのニュース番組では「札幌市民が全員喜んでいるかというと、戸惑いの声も多い」。TBSの方が実態に即した正確な伝え方だろう。


11月2日(土曜日) 耳を疑う噴飯発言の数々

 英語民間試験延期に対する安倍自民の発言がひどすぎる。萩生田光一文部科学相「私の不用意な発言で高校生をはじめとする皆様に大変なご迷惑をおかけしたが、より一層現状の課題を浮き彫りにすることができた」「現時点において、経済的な状況や居住している地域にかかわらず等しく安心して試験を受けられる配慮など、文部科学大臣として自信を持って受験生にお勧めできるシステムになっていないと判断せざるを得ない」←文科大臣としてお勧めできないって、何を今さら。そもそも当事者意識がまるでない。

 菅義偉官房長官「萩生田文科大臣は、自らの判断で責任を持って判断をされた」←無責任極まりない、の間違いでは。

 世耕弘成自民党参院幹事長「受験生の立場に立った非常に思いやりにあふれた決断だった」←思いやりにあふれた決断って何だよ。受験生を馬鹿にしてるのか。耳を疑うとはまさにこのことだ。

 利権と権力維持しか頭にない噴飯発言の数々。少なくとも、受験生本位の入試制度など眼中にないのは確かだ。主権者たる国民を舐めきっているとしか思えない。許し難い。


11月3日(日曜日) 眉村卓さん死去

 SF作家の眉村卓さん死去。85歳。大好きな作家だった。少年少女向けのSF作品と思われがちだけど、管理社会や全体主義への鋭い風刺と批判が、眉村卓さんの描くSF物語にはふんだんに織り込まれている。そんな作風が中学時代から大好きだった。機会があればぜひお会いして話をうかがいたいとずっと思っていたので、ものすごく残念で仕方ない。心からご冥福をお祈りします。合掌。


 眉村卓さんの小説で個人的にお気に入りの3作品を挙げるならば、「ねらわれた学園」「幻影の構成」「閉ざされた時間割」の3つ。角川映画と違って「ねらわれた学園」の原作は、実は鋭い社会風刺に満ちあふれている。学園生活や未来を描きながら、社会の矛盾や圧迫感をきっちり批判する姿勢は一貫している。ハルキ文庫の「幻影の構成」と「閉ざされた時間割」は残念ながら入手困難だけど、「ねらわれた学園」は講談社文庫版と講談社青い鳥文庫シリーズで読める。

「ねらわれた学園」「なぞの転校生」作家・眉村卓さん死去(読売)

https://www.yomiuri.co.jp/culture/20191103-OYT1T50124


11月4日(月曜日) 「安倍教育改革」を解説

 都内の大学の学園祭で講演を頼まれ、「憲法と教育とメディア」をテーマに話をした。萩生田文科相の「身の丈」発言にも触れながら、教育を食い物にして現場を疲弊させ、国家に国民を従属させようとする「安倍教育改革」の正体を駆け足で解説。

 そういう大事な情報を主権者たる国民に伝えて判断材料を提供するのが、報道の大事な役割だということも指摘した。事実上の国営放送となっているNHKの政治ニュースのおかしさや、政権べったりで辺野古や森友加計問題を小さく伝える読売新聞の異常さにも言及。最後の方は時間が足りず、かなり端折ってしまったけど。学生よりも近隣住民らしい年輩者の姿が目立つのが意外だったが、しっかり聴いてくれてほっとする。

 でもまあ、問題の本質を「身の丈」という言葉で端的に言い表して、英語民間試験を中止に追い込んだ萩生田文科相は、ある意味で功労者と言っていいかもしれない。もちろん文科相として適材適所だとは全く思わないし政治家としても不適格だし、そもそも安倍内閣は総辞職すべきだと思うけど。


11月5日(火曜日) 安物買いの銭失い

 新しいMacBook ProにはDVDドライブが付いていないので、Amazonで中途半端に安いDVDディスクドライブを購入した。しかし中途半端に安いだけあって、動くことは動くのだけど中途半端にしか動いてくれない。仕方ないのでもったいないけど、価格が約2倍する別メーカーのDVDディスクドライブを買い直した。申し分なく実に気持ちよく動く。うーん、最初からこっちを買っておけばよかった。今さらながらの教訓「安物買いの銭失い」。

◇◇

 TBSの情報番組「ひるおび」で元時事通信解説委員長の田崎史郎氏が、萩生田文科相は以前から英語民間試験を疑問視していて、導入延期は萩生田氏だからこそできた英断であるかのように力説しているのを見て、飲んでた茶を吹き出しそうになった。しかも首相官邸の意向ではなく萩生田氏が一人で決めたという。そんな馬鹿な。

 そこまで安倍政権(安倍首相のオトモダチ)をヨイショするかね。朝の番組では、民間業者に莫大な税金が流れていることに触れていたのに。同席していた伊藤惇夫氏がすかさず、「首相官邸の意向なくそんな(英語民間試験を導入延期する)決断ができるはずがない」と突っ込んでいたが。


11月6日(水曜日) 一目瞭然

 講義が終わってから感想・意見・質問などを書かせる出席カード(リアクションペーパー)を見ていると、学生の理解度の濃淡や話を聴いているか否かは一目瞭然だ。コメントを一読するだけではっきりわかる。読みやすい字でぎっしり書いてくる学生は大抵優れているが、分量は関係ない。わずか数行でも的確に問題点を捉えて自分なりに消化し、問題意識を感じるコメントはある。一方、まるでピント外れでトンチンカンなのも必ず数人いる。授業を聴いていないのは明確だ。そういう学生からは、まず間違いなく定期試験で不可の答案が返ってくるんだろうなあ。頭を抱えるしかない。でもまあ不可は不可だから仕方ないよね。


11月7日(木曜日) 記述式の大量採点は無茶

 記述式(論述式)の答案を採点するのはベテラン教員だって相当難しいんだよ。文意を読み取りつつ、採点基準を一定に保ちながら公平に、しかも読みにくい文字を判別しながら大量にこなす。眠くもなるし苛立つし時間の空費に焦りもする。それを学生アルバイトに任せるなんて無茶すぎる。あり得ない。

 大学入学共通テストはマークシート式でいいんだよ。むしろ大量の答案を短期間に公平に採点するのはそれしかないじゃん。大量の受験生に記述式答案を書かせるなんて正気の沙汰とは思えない。なぜこんな論外の試験がまかり通ろうとしているのか全く理解できないよ。


11月8日(金曜日) サンマ定食

 昼過ぎの遅い時間に中目黒を歩いていたら、サンマを焼く匂いが漂ってきた。昼食がまだだったこともあって食欲をそそられる。猛烈に腹が減ってきた。見ると、スナックのランチメニューに「サンマ定食」の文字が燦然と輝いている。思わず飛び込んで注文した。上品そうな年配のママさんが焼いてくれたサンマは、残念ながら細身で脂もあまり乗っていない。でもそこそこ美味しかったからまあいいか。それにしても、もはや日本で丸々と太ったサンマを食べるのは相当な贅沢で、そもそもそんなささやかな庶民の日常を望むのは、もう無理な話になってしまったのだろうか。悲しいし寂しい(ため息)。


11月11日(月曜日) まとめ原稿アップ

 200行ほどのインタビューまとめ原稿をようやくアップした。倍近くの分量になった原稿を半分に削るのが大変だった。先方の確認の戻しを待っている段階。早く返ってくるといいなあ。編集部への正式出稿はその後になる。


11月12日(火曜日) さすがの太鼓持ち記者

 今朝のテレ朝「羽鳥慎一モーニングショー」で、元時事通信解説委員長の田崎史郎氏は「桜を見る会は昔からやっている」「民主党政権の時もあった」などと繰り返し安倍首相を擁護した。ポイントはそこじゃないだろ。安倍首相の地元選挙区の後援会から異様な人数を招待し、開催費用は巨額の税金が使われ、しかも招待客も費用も増え続けているのが問題なのに。

 公費で賄われる公的行事で後援会員を接待する行為が、露骨な選挙運動になっているのは明らか。公職選挙法違反の買収同然の悪質さだ。公私混同そのものではないか。後援会の支持者を接待するのなら、「桜を見る会」でもなんでも私費で開催して勝手にやればいい。公的行事を私物化するな。

 それにしてもさすが安定の太鼓持ち政治記者。その芸風を番組の最初から最後まで遺憾なく発揮する姿を見て、呆れながらも少し安心した。あの田崎史郎氏があれだけ擁護するのだから、やはり安倍首相と政権にとって相当やましくてヤバイ問題なのだろうと、全国の視聴者に分かりやすく知らしめたからだ。さすがです、田崎さん。

 田崎氏は「桜を見る会」の招待状はもらったが出席したことはない、と自慢げに話していたが、別に権力者と飲食しても「桜を見る会」に行っても構わないんだよ。そこで何を話しているのかウオッチするのが仕事なんだから。大事なのは権力をしっかり監視し毅然と批判することにある。それが記者の職責なのだから。勘違いしてるよね、田崎さんは。いつものことだけど。


 NHKニュースも田崎史郎氏と同レベルの伝え方。よりによって橋下徹のツイートをわざわざ引用し、「(桜を見る会で)野党が安倍政権を追及するのも茶番。旧民主党も桜を見る会を開いていた」「来年から即中止すべきだ」などの言葉を画面で大写しに。税金を使った公的行事を私物化して選挙活動をしていたのが問題なのに、そんな報道の仕方があるか。「公共放送」が聞いて呆れる。野党の政権追及は茶番などでは全くないし、「桜を見る会」を開催すること自体が問題なのではない。中止すれば済む話でもない。問題の本質をはぐらかそうとしているとしか思えない。


11月13日(水曜日) 「桜を見る会」なぜ中止?

 来年の「桜を見る会」を中止すると安倍首相は胸を張っているらしいが、中止すれば済む話では全くない。「桜を見る会」は続けていいんだよ。問題はそこじゃない。だれをどんな基準で選んで招待しているのか、公平公正かどうかが問われている。安倍首相が安倍晋三事務所の後援会の関係者を大量に招待し接待し、公的行事を私物化して税金で選挙活動(有権者の買収)をしていることが問題視されているのだ。話をそらすな。動かぬ証拠が次々に出て、火だるま状態になっているのに見苦しいよ安倍首相。完全に底が抜けてしまった安倍自民党。醜悪で不誠実でせこくて、おぞましすぎる。


11月14日(木曜日) 総辞職が当然

 安倍政権は「桜を見る会」その他(大臣辞任、大学入試、森友加計、公文書捏造廃棄)で火だるま状態です。せめて潔く真実を告白して説明責任を果たし、罪を認めて心から謝罪した上で、すべての公の場から退場して欲しいと切望しています。もっとも安倍首相は何が悪いか理解していないだろうし、良心のかけらも痛まない厚顔無恥な人物なので、いつものように開き直って居座り続ける可能性は否定できません。本来ならあり得ない異常事態だと思うのですが……。史上最低の下劣で卑劣で卑怯で姑息で下品な内閣総理大臣。普通なら内閣総辞職が当然です。この国の主権者たる国民は、もっと怒りの声を上げなければならないはずです。


 昨日の授業で、安倍首相の「桜を見る会」の私物化と、元時事通信解説委員長の田崎史郎氏の政権べったりのおぞましさに少し触れたけど、学生の食いつきは今ひとつだった。大学生はワイドショーなんか見ないから田崎史郎なんて知らないのかな。そもそもテレビや新聞もほとんど見ていないし。でも税金の私物化と権力者の横暴への不信感や怒りが、確実にあることだけはよく分かった。そこに大いに期待している。


 NHKの「桜を見る会」報道の潮目(論調)が変わったように見える。局内の政治部と社会部の力関係が逆転しつつあるのかもしれない。しかしこれはNHK局内の権力闘争でもあるから、森友・加計問題の時と同様にどこでどう再逆転するか分からない。もう一つ、自民党内で安倍政権に匙を投げる、あるいは距離を置く動きが出始めた可能性も。政権と癒着している(距離感が異常に近い)放送局であるだけに、NHKの報道姿勢を眺めていると、自民党内部や局内政治の動向が薄らと透けて見えてくる。


11月15日(金曜日) 私物化どんだけ〜!

 「桜を見る会」のニュースの度に、繰り返し流される美容家IKKOさんの雄叫びが耳から離れなくて困る。「(安倍首相の私物化)どんだけ~~~!」「(安倍政権を)背負い投げ~~~!」。IKKOさんの隣でヘラヘラ笑っている安倍首相が滑稽すぎて草。


11月16日(土曜日) 公共放送の矜持が試されている

 NHK夜7時のニュースで延々と流された「検証・安倍政権の功罪」は、与野党の政治家4人を登場させて一見公平公正に検証しているように見せかけながら、与党政治家には安倍首相を過度に持ち上げさせ、野党政治家には野党側の選挙対策の不備をひたすら語らせるという形で、実態は安倍政権擁護の姿勢が一貫していた。

 政治部の岩田明子が登場してまとめる姿を見てもそれは一目瞭然だった。たぶんNHKの内部では今、「桜を見る会」独自報道で奮闘しつつある社会部系と安倍シンパの政治部系が、熾烈な権力闘争を繰り広げているのだろうと推察する。NHKの公共放送・報道機関としての矜持と姿勢が試されている。負けるな、NHK社会部。


11月17日(日曜日) 問われるメディアの姿勢

 沢尻エリカの麻薬取締法違反容疑での逮捕が(権力による)目くらましかどうかはさておき、沢尻エリカの話題を延々と垂れ流すメディア側の姿勢と問題意識こそが問われている。目くらましのリークであったとしても女優逮捕はさらっと流して、権力犯罪(税金の私物化と民主主義の冒涜)をしっかり伝えればいいだけの話だ。

 芸能ネタが目くらましのリークかどうかは、どうでもいいことだ。問題の本質はそこじゃない。何を重点的に伝えるべきか、だれのために何を伝えるか、その姿勢が問われている。今しっかり伝えなければならないのは、安倍首相による権力と税金の私物化の問題なのは明らかだろう。ここで踏ん張らないと視聴者からも読者からも見放されて、既存メディアに未来はないことを自覚した方がいいと思うよ。


11月18日(月曜日) あまりに的外れで知能が低すぎる

 「桜を見る会」や安倍首相を擁護する連中は、的外れな発言で話をはぐらかし矮小化するのに懸命らしい。というかそもそも彼らの知性そのものを疑う。安倍首相の元秘書の前田晋太郎下関市長「おじいちゃん、おばあちゃんたちがうれしそうに新宿御苑に向かう。ものすごく地方に元気を与えてくれる会と思っている。そんな名誉なことを受ける方々が増えていくのは悪いことなのか」──。だったら全国各地のお年寄りを招けばいい。なぜ地元の支持者だけ招待するのか。問われているのはそこではないか。

 さらに「意外と中身は質素で、そんなに過剰に振る舞っているわけではない」──。質素か豪華かといった問題じゃない。支持者を厚遇し税金で買収したことが問題なのだ。ピントがずれているにもほどがある。知能の低さを疑うレベル。あまりの頭の弱さに度肝を抜かれる。

桜を見る会「地方に元気を与えてくれる会」下関市長(朝日)

https://digital.asahi.com/articles/ASMCL5WDYMCLTZNB01C.html

◇◇

 香港のデモは独立運動・独立闘争というか、独立戦争の様相を呈しつつあるように見える。大学生や高校生ら若い世代を中心に、世代を超えて広範な市民の支持を得ていることで、中国政府は相当な脅威を感じているに違いない。だからこそ今後も熾烈な弾圧と攻撃はさらに続くだろう。もちろん僕は香港デモ(独立闘争)を熱烈支持する。自由と民主主義のために負けないでほしい。身の安全だけはどうか気をつけて。遠く離れた日本からささやかながらエールを送る。


11月19日(火曜日) 松屋が完全セルフ化

 リニューアルオープンした牛丼の松屋に入ったら、完全セルフサービスになっていた。券売機で食券を購入して待っていると番号が呼ばれる。自分で窓口に取りに行って、お茶や水も自分で入れて、食べ終えたら自分で食器を返却口に戻す。注文から会計まですべてを接客にこだわる吉野家とは対照的だ。ちなみに味の差はメニューによって違うかな(個人的感想)。味噌汁付きの牛丼は松屋の味が好みだけど、牛すき鍋膳は野菜たっぷりの吉野家が断然美味しいと思う。

◇◇

 「文部科学省から導入してもらえるよう東大に働きかけたらいいのではないか」というのと「活用を前提に文科省から東大に指導しろ」では意味が全然違うではないか。下村博文元文科相が実際に発言した後者は、明らかに政治圧力で不当な介入。「学問の自由」「大学自治」「不当な支配の禁止」を定めた憲法にも教育基本法にも反する。下村博文氏がいかに民間試験導入に必死なのか、いかに暗躍してきたかが実によくわかる証拠の一つだ。NHKの社会部(たぶん)は極めて重要な仕事をしている。政権べったりの政治部に負けることなく、職務を全うしてほしい。

英語民間試験、下村氏「東大に活用するよう指導を」党内会議で(NHK)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191119/k10012183121000.html


11月20日(水曜日) 主権者としての自覚

 公共放送であり報道機関であるはずのNHKと国家権力(政権与党)の歪んだ関係、さらに政治部と社会部系のせめぎ合いについて講義。安倍首相が一貫してメディアに圧力をかけてきたこと、税金と公的行事を私物化する「桜を見る会」や英語民間試験などの問題に触れながら、権力監視の意味を解説した。きょうの授業はいつも以上に学生の食いつきがよかった。例年以上に学生の理解や考察が深い(ように感じる)。

 板書が思った以上に納得の出来(当社比)だったことも大きいかもしれない。しかしそういう時に限って「写真に撮って残しておけばよかった」と、消してから気がついて後悔するんだよなあ。うーん、残念。

 授業に対する感想を眺めていると、学生に主権者としての自覚が育ってきて、権力と税金を私物化してやりたい放題の政権の危うさを、学生たちが自分の問題として理解し始めたような気がする。少しずつかもしれないけど。しつこく熱弁をふるっているのも無駄ではない(と信じたい)。


11月21日(木曜日) 前川喜平元文科事務次官の記事

 今月上旬、元文部科学事務次官の前川喜平氏に都内でインタビューした。萩生田光一文科相の「身の丈」発言や、文科省がセンター試験改革(英語民間試験と記述式導入)にこだわった背景、政治家から言われたことに唯々諾々と従う文科官僚の体質、憲法と教育基本法への思いなどについて、2時間近く話してくれた。明日22日発売の「週刊金曜日」の教育特集に掲載されます。


11月22日(金曜日) 真冬の寒さ

 横浜・野毛の老舗の洋食店センターグリルで、元横浜市立高校の先生とランチを食べた。チキンピカタ、エビフライ、スパゲッティ、サラダの盛り合わせセット=写真。プリプリした身のエビフライが美味しかった。横浜の気温は昼間でも7度ほどで真冬の寒さ。降りしきる冷たい雨のせいでさらに体が凍える。厚手のセーターとコートは必須。


11月23日(土曜日) 要点を絞って凝縮

 100を取材して、そのうち10を書くと凝縮されていい記事になる。10を取材して10を書くのは凡人。10の取材で100も書くなどもってのほか。論外である。授業も同じだ。伝えたいことを全部話そうとすると、むしろ何も伝わらないことが多い。言いたいことを絞って話すと、しっかり届いて理解も深まるようだ。

 でも、そうはいっても、あれもこれも盛り込みたくなるんだよなあ。多くの人がそこで苦労するのだと思うけど。絞り込んで取捨選択してバッサリ切り捨てるのがなかなか難しい。原稿も授業も。


11月25日(月曜日) 恥ずかし気もなく

 訪日中のフランシスコ・ローマ教皇と官邸で会談した安倍首相は、「日本とバチカンは核なき世界の実現、貧困の撲滅、人権、環境などを重視するパートナー」などと心にもない、しかも事実に反する言葉を平然と口にした。恥ずかしい。核廃絶と核兵器の犯罪性を率直に真摯に訴える教皇とは、比較にならない器の小ささが際立つ。

 安倍首相がローマ教皇と対等な立場だと考えているとしたら、勘違いも甚だしい。立ち居振る舞いも表情もそして信念も言動も、教皇と安倍首相ではほど遠いものがある。まさに一目瞭然。そもそも比較すること自体が教皇に失礼だ。よくもまあ堂々と教皇と会談して、恥ずかし気もなくこんな言葉を口にできたものだと思う。


11月26日(火曜日) 長期政権でなく個人の資質の問題

 権力と税金を平然と私物化する安倍政権のデタラメぶりは「長期政権の弊害」などではなく、総じて安倍晋三という「個人の資質」の問題だろう。憲法を蹂躙して立憲主義を無視し、まともに説明も答弁もせず、平然と嘘を並べ立てて開き直り、挙げ句の果てに公文書を改竄・廃棄する。絶対にやらせてはいけない人物が総理大臣(政治家も)をやっていることが、そもそもの間違いなのだ。この国に生きるすべての人々にとって悲劇であり喜劇でもある。1分1秒でも早く公の場から退場することを心から強く願う。


11月27日(水曜日) 語るに落ちた

 西村明宏官房副長官「反社会的勢力のみなさまが(桜を見る会に)出席されたかどうかは、個人に関する情報であるため、回答を差し控えたい」──。言うに事欠いて「反社会的勢力のみなさま」とは。いやはやなんとも噴飯ものの言い草としか言いようがない。本音か本心か、怪しい人たちと安倍自民党との関係性が思わずポロリ。「語るに落ちた」とはまさにこのことだろう。失笑。


11月28日(木曜日) 詰んでいるのが理解できない

 どこからどう見ても完全に詰んでいるのに、詰んでいることさえ理解できないから、いつまでたっても投了しない。そんな愚者が指す将棋を見ているようだ。しかも駒を隠したり(証拠となる公文書を隠蔽廃棄したり)意味なく長考したりして、次の一手を指そうとせず(説明せず)逃げ回るから始末が悪い。前代未聞の馬鹿総理。

 わずかでも教養や良心があればとっくに降参しているだろうに、常識も良識も全く通じない恥知らずが相手だと、いつまでも際限なく無益なやり取りが続く。攻める方も疲れるよなあ。そんな首相を支持し擁護している連中もまた、負けず劣らず相当に無知で無教養で理解力が足りず自覚もないのだろう。残念ながらそれがこの国の「民度」なのかもしれない。

 さらに、招待者名簿などの公文書はシュレッダーにかけて廃棄したので詳細が分からない、などと言い張る霞が関の官僚たちの哀れさよ。名人戦の棋譜を捨てたので手順は分からない、なんてふざけた言い訳をする記録係は、将棋会館にも日本棋院にもいないだろうよ。この恥知らずめ。


11月29日(金曜日) 自覚のない馬鹿ほど

 自覚のない馬鹿ほど、始末に負えないものはない(ため息)。


11月30日(土曜日) 教研とシウマイ弁当

 朝から藤沢市の県立湘南高校へ。神奈川県高等学校教職員組合(神高教)の教育研究集会(全体会と日本語教育の分科会)に参加した。当然ながら大学入試共通テストの英語民間試験や記述式試験も話題に。教研のテーマが「ことばの教育と、教育のことば」というだけあって、言葉やコミュニケーションに関して示唆に富む内容が多く勉強になった。

 神高教と言えば崎陽軒のシウマイ弁当。もちろん昼食はシウマイ弁当をいただいた。久しぶりに口にしたシウマイと筍煮は相変わらず冷たくても美味しい。筍煮大好き。個人的にはシウマイと筍煮だけでも十分満足できる。弁当箱の経木の蓋にへばりついたご飯を見ると、なぜか懐かしくてホッとする。


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