身辺雑記2022年3月

 身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2022年3月1日〜3月31日

●春の訪れ●お里が知れる●復刻版●狂人の暴走●放送業界本●詭弁と屁理屈●新年度もオンライン授業●日本国憲法のありがたさ●煽るニュース●開いた口が塞がらない●責任の所在●高校新聞部顧問の勘違い●確定申告●教師の思い上がり・その2●確定申告その後●ロシア国営テレビとNHK●本会議場での演説に意味がある●花粉症いよいよ●東北で震度6強●常套句●疑わない人たち●支持率の根拠●河野優司さんを悼む●節電●「紛争」?●ゼレンスキー大統領の国会演説●河野優司監督の追悼試写会●鎌倉の画廊●市ケ谷でも追悼試写会●詰めが甘い●花粉が多い●大岡川の桜●国民に銃口を?●●●ほか


3月1日(火曜日) 春の訪れ

 先週までの寒さが嘘のように暖かい。そんな暖かい空気と冷たい空気が上空でぶつかることで、天候が不安定になるという。北側には気持ちのよい青空が広がるのに、南の空には真っ黒で不気味な雨雲が漂っている。春の訪れはうれしいが、花粉の飛散だけはマジで勘弁してほしい。


3月2日(水曜日) お里が知れる

 維新の会が「核戦力の共有」や「非核三原則の見直し」の議論開始を求める提言をまとめたんだとさ。安倍晋三元首相が同様の発言をしたのに対し、岸田文雄首相が国会答弁で一蹴して完全否定したというのに、懲りない連中だ。国民民主党も非核三原則の見直しに言及した。お里が知れる。被爆国の政治家として論外で許し難い。怒りしかない。


3月3日(木曜日) 復刻版

 切ないタイムリープ漫画の傑作、伊藤伸平「はるかリフレイン」の復刻版(復刊ドットコム)を、ふらっと入った東京・神保町の書店で見かけた。オリジナルの白泉社版は持っているのに、思わずまた買ってしまった。ストーリーも絵柄も大好きなんだよなあ。探していたお目当ての別の本は見つからなかったけど、これはこれでいい買い物をしたと思う。

◇◇

 MacBook Pro(2019)にコピーしたホームページ作成ソフト「BlueGriffon」に、いくつか不具合が見つかって対応に振り回される。画像アップとリンク設定ができないのだが、無駄な時間を延々と浪費させられるだけなので諦めた。というわけで、原点に戻ってテキストオンリーに徹することにする。とほほ。


3月4日(金曜日) 狂人の暴走

 ロシア軍がウクライナ南部にある欧州最大級のザポリージャ原発を攻撃。「原発付近で放射線量上昇」との情報も(AP通信など)。爆発すればチェルノブイリ原発事故の10倍の大惨事になる可能性があるという。危惧されていることが次々と。もはや独裁者プーチンには常識も良識も通じない。破壊と虐殺を続ける狂人の暴走が止まらない。

 現時点では、ザポリージャの原発本体や原子炉は無事で、厳重警備区域の外側の建物(研修施設など)が火災になったとのことだが、プーチンとロシア軍に常識や良識が働かないという事実に変わりはない。一刻も早いプーチン政権の崩壊を強く望む。

 3・11の福島原発事故から11年目を前に、ロシア軍のウクライナ原発への攻撃を目の当たりにし、こんな悪夢に再びまた気を揉まなくてはならないなんて……。原発攻撃も核兵器の威嚇や使用も、だれの得にもならない。その先にあるのは人類の滅亡だけだ。


3月5日(土曜日) 放送業界本

 放送関係者の本をいくつかまとめて読んだ。吉田照美「ラジオマン」(ぴあ)、武田砂鉄「TBSラジオ公式読本」(リトルモア)、久米宏「久米宏です。ニュースステーションはザ・ベストテンだった」(世界文化社)、筑紫哲也「ニュースキャスター」(集英社新書)、金平茂紀「筑紫哲也『NEWS23』とその時代」(講談社)。「TBSラジオ公式読本」が一番面白かった。次点は久米さんの本かな。


3月6日(日曜日) 詭弁と屁理屈

 「『プーチン悪玉論』で済ませていいのか、伊勢崎賢治さんの知見」と題する毎日新聞の記事。東京外大の伊勢崎賢治教授に対するこのインタビュー記事を読んで、共感することはどこにもありません。詭弁だらけの屁理屈と無責任さに、むしろ怒りを覚えます。

 「つまり侵略ではなく、国連憲章が認めた集団的自衛権の行使だ、という主張です」とプーチンの言い分を紹介した上で、「いくらこじつけであっても、集団的自衛権の行使、つまり自衛のためであって侵略ではないという理屈は成り立ち得る」とするこの教授の見解・整理・解説は、こじつけどころではなく、詭弁でしかありません。こんな屁理屈が成り立ち得ることなど、断じてありません。

 米国のベトナムへの武力介入や、イラク侵攻が「侵略」であるのと同じように、ロシアのウクライナ侵攻も「侵略」です。どちらも明らかな「侵略」であるのを、「イラク侵攻こそ文字通りの侵略です」などと言って、わざわざ切り分けようとするレトリック・言葉遊び自体が、詭弁そのものでしょう。

 「(ウクライナのゼレンスキー大統領は国民に武器を与えて)『徹底抗戦』を呼びかけました。市民をロシア軍に立ち向かわせるというのです。これは一番やってはいけないことです」ともこの教授は言っていますが、この理屈でいけば、ベトナム戦争でベトナム人民(解放戦線)がゲリラ戦を展開し、徹底抗戦した歴史も否定されることになってしまうではないですか。こんな失礼なことはない。

 「市民に呼びかけるのなら、非暴力の抵抗運動です」とも述べていますが、無差別に爆撃され殺戮され侵略されつつある国の市民が、自主的に侵略に対して抵抗し闘う権利を否定するのは、あまりに傲慢で能天気で無責任ではないでしょうか。

 ウクライナがミャンマーの軍事政権と中国に武器や空母を売ったのはもちろん問題ですが、しかしその話を、ウクライナがロシアに侵略され爆撃されつつある今ここで持ち出すのは、全くの的外れでしかない。これも論点のすり替えでしょう。

 「もっともらしい大義名分」さえ示さずに他国を堂々と侵略し、核兵器を誇示するばかりか使用をちらつかせ、あろうことか他国の原子力発電所にまで攻撃を加え、言論・報道の自由・人権を平然と踏み躙ってロシア国内の市民も弾圧するプーチンが、極めて残忍で非情で危険な独裁者であるのは明白です。

 ここで国際社会が団結して「反プーチン」の意思を示すのは、ロシア以外のほかの国に対しても、「独裁者は許さない、許されない」というメッセージになり、大きな意味があるはずです。プーチン政権が四面楚歌になって内部崩壊することこそが、この侵略を止めることにつながるのではないでしょうか。

 いずれにせよ、プーチン政権に降伏するのか徹底抗戦するのか逃げるのか、最終的に判断して決断するのは、ほかのだれでもないウクライナの人たちです。

「プーチン悪玉論」で済ませていいのか、伊勢崎賢治さんの知見(毎日)

https://mainichi.jp/articles/20220304/k00/00m/040/254000c


3月7日(月曜日) 新年度もオンライン授業

 新年度の授業実施形態について、大学から通知がきた。ゼミや専門科目など全体の半分くらいが対面授業になるとのことで、僕の担当科目はいずれも今年度と同じくオンライン授業とされた。それはまあ予想通りで仕方ないと思うけど、対面授業の妨げにならないように、ライブ配信は認めないという。

 なんだかなあ。モチベーションが下がるなあ。ライブは臨場感が違うしリアルタイムで質疑応答もできるし、教員だけでなく学生だってライブ配信の希望者は少なくないはず。ライブの場合も追って時間差で録画を配信するわけで、何の支障もないと思うのだが。録画配信だけだともうほとんど通信教育と変わらない気がする。


3月8日(火曜日) 日本国憲法のありがたさ

 プーチンの暴走を見るにつけ、日本国憲法の大切さとありがたさを実感する。反戦デモに参加するロシア市民への暴力と弾圧。言論・報道の自由を踏み躙る不当な規制と情報統制。そして何よりウクライナに対する理不尽な武力行使と原発攻撃だ。権力を縛る憲法の重要性を改めて意識したい。

 それとともに、権力にとって都合のいいように憲法を変えようとする動きに対し、強い危惧と危機感を覚える。日本にとっても決して他人事ではないはずだ。改憲されてからではもう手遅れなのだから。日本国民も日本国内のメディアも、改憲の動きに真剣に向き合う責任がある。

 「憲法は国民を縛るのではなく、権力を縛って暴走させないための最高法規なんだよ」と大学の講義で話すと、「憲法が権力を縛るだなんて初めて知りました」と驚く学生が少なからずいる。中学や高校ではどんな授業をしているんだろうとこっちが驚愕するが、社会の動きや課題をきちんと伝えず掘り下げないメディアの責任も大きいと思う。サボタージュ(不作為の作為)にもほどがある。いやマジで。


3月9日(水曜日) 煽るニュース

 原材料費の高騰、原料不足、ロシアやウクライナからの輸入停滞で、あれもこれもそれもあっちもこっちも値上がりするかもしれない、などとニュース番組でわざわざ「こと細かに」アナウンスしなくてもいいのに。そんなニュースを繰り返し流すことで、便乗値上げや買い占めを煽ってしまう悪影響があるのではと危惧する。だれが得をするのか。

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 岸田文雄首相が安倍晋三元首相から安全保障問題について、今さらアドバイスなんかしてもらう価値や必要なんてあるのだろうか。まあ20分の会談だというから、もしかしたら「一応聞いたふりをする」「顔を立てました」という岸田首相なりの高等戦術なのかもしれないけど。

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 アニメ「本好きの下剋上/司書になるためには手段を選んでいられません」。やっぱり第3期が始まるんだ。めっちゃうれしい。第2期の再放送の後に流された予告編CMを初めて見た。4月13日(水)から放送開始。楽しみにしている。


3月10日(木曜日) 開いた口が塞がらない

 「ウクライナの軍事施設が攻撃対象。市民に手は出さない」と言いながら、学校、幼稚園、病院、原発まで平然と爆撃するロシア軍。ロシアのラブロフ外相「われわれはどの国とも戦争するつもりはない」「ロシアはウクライナを攻撃していない」だとさ。さすがプーチンの犬。開いた口が塞がらない。


3月11日(金曜日) 責任の所在

 ウクライナの市民が避難する様子、負傷した母子や兵士へのインタビュー、爆撃されている場面がテレビで流されるたびに、どこの国のだれが撮影した映像なのか、きちんと表示してほしいと強く思う。BBCなのか、CNNか、AFPか、独立系のメディアか、ウクライナの市民や民兵の撮影か、ロシア軍による映像なのか。それとも自局の記者の取材なのか。

 ロシア国内の市民生活やデモなどの映像についても同じだ。撮影者(記録者)や撮影日時の明示は、責任の所在を明確にする上で必須のはず。フェイクニュースやデマや捏造や情報操作を排除するためにも。重要な判断材料となる。

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 3・11の福島原発事故から11年。大地震や津波で電源喪失すると炉心溶融し、いったん事故が起きれば取り返しがつかない悲惨な事態に陥り、稼働すればするほど放射性廃棄物が増えていく。処分先も処分方法もいまだに定まっていない。そうしたリスクに加えてわれわれは今回、侵略者による原発攻撃の恐ろしさも目の当たりにした。やはり原発は全廃しかない。それでも廃炉には何十年もかかる。原発は経済的コストも大きすぎる。

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 「借りたものはいつか返さなければいけない。本当の持ち主に」──。なるほどそういうことか。物語全体の構造と人格の入れ替わり(憑依)の仕組みがやっと分かった。どういうオチになるのだろうと謎だったが、なかなかうまくできているお話だ。金曜ドラマ「妻、小学生になる。」(TBS)第8話。


3月12日(土曜日) 高校新聞部顧問の勘違い

 高校新聞部の顧問教師の多くは、新聞部員を「教育」「指導」する対象と考えているようだ。勘違いも甚だしい。高校新聞を高校生の言論・報道機関・ジャーナリズム活動とは認識していないのだろう。もしそうした認識があるなら、余計な口を挟んだりはしないはずだ。

 スポーツや音楽などの「コーチ」とは違う。余計な口を挟まず、意見を求められた時にだけ助言し、あとは放置して黙って見ているのが、最良の新聞部顧問教師の態度(立ち位置)である。僕が現役の新聞部員だったらそう願う。

 どんなに技術的に稚拙で穴だらけであったとしても、人権侵害や法律に触れるような事柄に限った必要最小限のアドバイスにとどめるべきだろう。それこそが高校新聞部の顧問教師の役割だ。小学生や中学生の新聞とは別物なのだから。ジャーナリズム活動であることを意識してほしい。

 もちろん生徒側から手取り足取り指導を乞うのであれば、その時は教師が「指導」すればいい。自分自身の高校時代の経験から言えば、自由に新聞を作るのは楽しかったし、拙いながら充実感も達成感も成長も学びもあった。余計な口を挟む顧問がいなかった(名前だけの顧問だった)のは、プラスでしかなかった。

 「ごく少数の例を除いて、放っておいても生徒が勝手に成長してくれるようなことは起きない」と言い放つ高校新聞部の顧問教師の主張を聞いたことがある。なんて傲慢なんだろう。噴飯物だ。そもそも高校生に対して失礼ではないか。教師の思い上がりだと思った。残念ながらこういう教師は少なくない。


3月14日(月曜日) 確定申告

 自宅のパソコンから確定申告をした。税務署発行の「ID・パスワード」による申告書作成だ。昨年と同じように極めて簡単で順調に作業が進んだが、最後の最後でエラーが頻出。送信結果は良好なのに、「受付結果を確認する」段階でエラーになってしまうのだ。焦る。

 受付番号や受付日時はこちらに表示されているから、受理はされているのだろう。それでもやはり「結果確認」ができないと安心できない。国税庁のサイトに掲載されている「エラー対応方法」は何の役にも立たないし、地元税務署の電話は全くつながらない。そのうち午後5時を回って、ようやくつながった電話口からは「本日の業務は終了しました」とのテープの音声が聞こえてきた。勘弁してくれよ。

 何回も何回も「再度確認」と「エラー」を繰り返した末に、ようやく確認画面が表示された。申告最終日の前日ということもあって、アクセスが集中したことでエラー状態が続いたのかもしれない。ちなみにマイナンバーは一切使わなかった。

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 プーチン政権が崩壊するのと、ロシア軍の無差別攻撃にウクライナ市民が音を上げて白旗を掲げるのと、どちらが先なのだろう。もちろん前者であることを心から願っているけれども。

 一刻も早くプーチン政権が内部崩壊する(クーデターが起きる)か、あるいはロシア市民が蜂起して政権が瓦解するか、またはプーチンが暗殺されることを強く望む。


3月15日(火曜日) 教師の思い上がり・その2

 生徒を「教育」「指導」の対象としか考えていない例は、高校新聞部の顧問教師だけではない。生徒会や卒業式委員会などの生徒の自主的活動についても、同じような発想で向き合う高校教師は少なからずいる。「生徒だけで考えて行動などできない」と彼らは言うのだ。

 10年以上前、学校現場での「日の丸・君が代」の強制について、都立高校の生徒たちを取材したことがある。生徒会顧問の教師の一人は「うちの学校の生徒が、教師の指導もなく自分たちだけで判断し行動するなんてできるはずがない」と話した。なんて失礼な。これも教師の思い上がりと言っていい。

 自立した生徒たちが自主的に考えて議論して、自律し主体的に行動する例はいくらでもある。現にこの都立高校の卒業式委員会の生徒たちもそうだった。こうした生徒たちの姿を、教師はむしろ誇らしく思って自慢するべきだろう。

 無意味で理不尽な馬鹿げた「ブラック校則」がいまだにまかり通っている根底にも、生徒は「教育」「指導」して「管理」する対象だと考える教師の存在がある。新聞部、生徒会、卒業式委員会への接し方と同じだ。「教師の指導もなく生徒が自分たちだけで考えて行動などできない」といった発想は、教師の一方的で勝手な思い込みでしかない。

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 やっぱり国税電子申告・納税システム「e-Tax」には、14日から接続障害が起きていたようだ。原因は不明だという。

国税庁が確定申告の期限延長認める、システム障害で提出遅れた分対象(朝日)

https://digital.asahi.com/articles/ASQ3H32CCQ3HUTIL002.html

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 ロシア国営テレビの生放送で女性ディレクターが反戦メッセージを訴えたニュースを伝えるNHK。曰く「政権の意向に沿った報道を続けているロシアの国営放送で」「(女性が掲げた)紙にはプロパガンダを信じないで、あなたはだまされている、と書かれていました」──。NHKは自身の報道姿勢と報道内容も、しっかり見つめ直してほしい。他人事のように伝えるだけではなく。

 報道機関が「政権の意向に沿った報道」を続け、「政権のプロパガンダ」を垂れ流すことで、どんな社会を生み出し、政権がどれだけ好き勝手して暴走するか。NHKの政治部とスポーツ関係部局は特に、胸に手を当てて猛省してほしい。NHK以外の報道関係者も自問自答してほしい。あまり期待していないけど。


3月16日(水曜日) 本会議場での演説に意味がある

 ウクライナのゼレンスキー大統領が、日本の国会でのオンライン演説を希望しているという。自民党国対委は「スクリーンのある国会内の会議室などで議員に聞いてもらう」ことを検討しているそうだが、そこは特注スクリーンを設営して本会議場でやるべきだろう。そもそも見栄えが違うし、何よりウクライナ支援と連帯の姿勢を世界に向けて明確に示すことになる。

 レンタルの臨時スクリーンでいいじゃん。ゼレンスキー大統領はこれまで英国やカナダの国会でも、本会議場でオンライン演説をしている。国会内の会議室なんてセコくてみみっちいことを言ってる場合じゃないだろう。本会議場で演説することに意味がある。国際社会が注視している。もちろんロシアも。

◇◇

 昨日から目が痒くて痒くて仕方ない。しばらく小康状態だった花粉症が、今週に入っていよいよ厳しくなってきた。家の外に出たくないけど、出ざるを得ない。今朝はしっかり鼻炎薬を飲んだので落ち着いていたのに、夕方になると猛烈な痒みが。さらに加えて鼻水とくしゃみも。あーあ(ため息)。

◇◇

 午後11時36分ごろ、宮城、福島で震度6強の地震。両県の太平洋沿岸に津波注意報が発表された。横浜南部でも、めっちゃ気持ち悪い揺れ方だった。上下左右にミシミシと。しかも長い(1分近く)。

 横浜でこんな揺れ方をして、宮城と福島で震度6強とは。もっと大きな地震でもおかしくないのでは、と思うほど大きく揺れた。複数ある大きな本棚がどれもギシギシ、ガタガタと音を立てて揺れるなんて、ここ最近なかった。本棚が倒れたり本が外に飛び出したりすることはなかったが、かなり恐怖を感じる地震だった。横浜南部は震度3(横浜東部は震度4)とのこと。

 東京電力管内の関東1都8県の約209万戸で大規模停電が発生。うちは停電していない。東北電力管内は5県で約15万6千戸が停電。NHKによると、福島第一原発と第二原発、東海原発、宮城県の東北電力女川原発に異常がないか現在確認中だという。大きな地震のたびに、原発の心配をしなければならないことが悲しい。激しい怒りを覚える。


3月17日(木曜日) 常套句

 「使い古された決まり文句(常套句)を使うな」と先輩記者からよく言われたものだが、テレビの映像にも当てはまる話だろう。ワウチン接種を終えた人に「全然痛くなかった」と言わせるとか。副反応の症状にこそ意味があるのに、なんだかなあ。地震の際に使われる情報カメラの風景やコンビニの商品が床に散乱する映像も同じだ。

 行政や市民団体の無料相談を伝えるニュースの冒頭シーンも、ワンパターンだといつも思う。電話の呼び出しベル音を1回鳴らしてから、担当者が「はい、◯◯弁護士会の△△相談です」と答える。必ずと言っていいほど律儀に毎回流される映像だが、この場面って本当に必要だろうか。思考停止してるよなあ。


3月18日(金曜日) 疑わない人たち

 荒唐無稽な嘘やデマや陰謀論を撒き散らし、何の疑いもなく信じ込む──。トランプ支持者やネトウヨ、独裁専制国家の国民、新興宗教の信者らに共通する行動パターンだ。ただし、そんな彼らを笑って馬鹿にしている人たちも、この機会に改めて自身の情報受信環境も見つめ直した方がいい。

 日ごろ見ているサイトやネットの書き込みやテレビ番組を鵜呑みにしていないか、膨大な情報をしっかり見定めること。疑問や矛盾や不確実な点があれば吟味して確認して調べること。その上で自分で考えて判断すること。当たり前のことなんだけど。嘘や詭弁を鵜呑みにする人が多すぎる。


3月20日(日曜日) 支持率の根拠

 「プーチン大統領のロシア国内の支持率は依然高い」とNHKも民放もさらっと伝えるが、どういう組織や機関が、どういう方法で調査した数字なのかをきちんと伝えろよ。だれがどのように調べたのかによって意味が全然違ってくる。

 ロシア国内の独立系や反政府系のメディアは、プーチン政権の弾圧・脅迫・暗殺によって軒並み潰され、生き残っているのは政権の広報・宣伝機関が大半だ。そうでなくても世論調査は調査方法と質問内容が何より重要で、それを明示するのは報道の大原則なのだから。


3月21日(月曜日) 河野優司さんを悼む

 友人の映画監督の河野優司さんが急逝した。69歳。突然の訃報に愕然としている。狼狽と動揺が隠せない。第一報を受けたのは昨日20日夕方だった。「滞在先の宮崎のホテルで亡くなったらしいが、詳細は分からない」。河野さんと親しい横浜市立高校教職員組合の元委員長からの電話だった。何かの間違いであってほしいと願ったが、今日21日朝になって悲しい現実と判明した。

 河野さんは横浜市立高校教諭を経て映画監督に。昨年夏、初監督作品として安倍政権を検証したドキュメンタリー映画「2887」を完成させた。横浜や都内など各地のミニシアターで公開されたほか、今月は江古田映画祭でも上映。来月には日本外国特派員協会で英語字幕版の試写会も予定されていた。

 20日に宮崎市の「宮崎キネマ館」で作品上映後に舞台挨拶の予定だったが姿を見せず、関係者が宿泊先を訪れると浴槽で亡くなっていたという。前日19日にも行われた舞台挨拶後の打ち上げに参加し、ホテルに戻ってから入浴したらしい。関係者の話では事件性はないという。

 「宮崎キネマ館」のサイトの上映予定ページには、河野監督の舞台挨拶開催の告知が、そのまま掲載されている。大分県日田市の「日田シネマテーク・リベルテ」のサイトの上映スケジュールにも、21日に予定されていた「河野監督トークショー」の文言が残っている。なんとも無念だ。

 河野さんとは3日前に電話で話したばかりで、今後の上映会の計画や新作について意欲満々だった。安倍政権を検証したドキュメンタリー映画「2887」を、「憲法」「沖縄」「福島原発」の3つの短編に分けて再編集し、よりいっそう見やすくして上映したいと語っていた。それだけに残念でならない。

 既に完成した「憲法」バージョンの「壊すな憲法、守ろう九条」は、24日に横浜・桜木町の横浜市社会福祉センター、26日に東京・市ケ谷の全国教育文化会館、30日に大船の大船学習センターで、いずれも午後2時から試写会がある。主催者は追悼試写会とするそうだ。桜木町と市ヶ谷では、河野監督とともに僕もトークに参加予定だったが、僕だけで話をすることになってしまった。

 新聞記者時代に取材で出会ってから、河野さんとは30年近いお付き合いになる。映画では、澤地久枝さんら登場人物のインタビューに協力させていただいた。公私ともにお世話になりました。まだまだこれから存分にご活躍されるはずだったのに。心からご冥福をお祈りします。合掌。


3月22日(火曜日) 節電

 地震と寒気の影響で電力需給が極めて厳しい状況になるとして、政府は東京電力管内の1都8県と東北電力管内の7県に電力需給逼迫警報を発令。22日午前8時から午後11時の時間帯に節電への協力を呼びかけた。1都8県で200万軒~300万軒の規模で停電の恐れがあるとも。生真面目で実直で従順な人ほど暖房を止めたり、エアコンの設定温度を下げたりして、風邪をひく高齢者が多数出そうな予感。

◇◇

 なんだこりゃ。「紛争の一方の当事者の言い分を、国権の最高機関たる国会を使っていいのか? 中国・台湾紛争でも台湾総統の演説を国会で流すのか?」「どんなに美しい言葉を使っても所詮紛争の一方当事者だ」──。「紛争」って、いくらなんでもその言い草はないだろう。一方的な侵略・殺戮・破壊そのものとしか思えないが。愕然とするツイートを目にしたが、引用のためにリツイートするのも嫌なので、コピペ引用にとどめました。


3月23日(水曜日) ゼレンスキー大統領の国会演説

 ウクライナのゼレンスキー大統領がオンラインで国会演説。以下要旨。「チェルノブイリ原発事故の廃棄物を埋めた森の土の上を、ロシア軍の戦車が粉塵を巻き上げて通り過ぎて行った。国内にある原発はロシア軍の攻撃を受けて危険な状況にある。ロシア軍はサリンの使用も準備している。ロシアは道徳的には最小の国だ。ロシアの侵略で世界が不安になっている。アジアで初めてロシアに圧力をかけたのが日本だ。日本の支援に感謝している。ロシアへの制裁継続をお願いする」──。同時通訳は在日ウクライナ大使館の職員だと聞いたけど、たぶん事前に用意した原稿が手元にあったのだろう。

 「原発」「サリン」「アジアで初めてロシアに圧力」「日本文化」といった言葉を使ったところに配慮を感じる。「日露戦争」「広島、長崎」「福島原発事故」などの単語を使わなくても、言いたいことはそれなりに伝わってきた。米欧と違って日本に軍事的支援は期待できないのだから、まあこんなものだろう。

 日本政府は日本国憲法を「厳守」し、できる範囲でウクライナを最大限支援するとともに、ロシアの侵略に対して毅然と対応すればいい。日本には核兵器も原発も必要ない。もちろん世界中の国にも。少なくともそのことは改めて深く理解した。


3月24日(木曜日) 河野優司監督の追悼試写会

 急逝した河野優司監督の追悼試写会が24日、横浜・桜木町で開かれた。上映されたのは「壊すな憲法、守ろう九条」。安倍政権を検証した河野さんの初監督作品「2887」を、「憲法」「沖縄辺野古」「福島原発」の3つに分割再編集する予定だった短編バージョンの1本。ほかの2本も鋭意製作中だった。

 映画は、お笑い芸人の松元ヒロさんが冒頭で日本国憲法前文を暗誦。弁護士の伊藤真、米国人映画監督のジャン・ユンカーマン、作家の澤地久枝さんが憲法への思いと改憲の危機感を語り継ぐ。最後にヒロさんが「主権者が国を縛っていることをみんな知らない。憲法に合わない政府なら政府を変えろ」と一喝して締めくくる。

 会場からは、「とても分かりやすい映画だった。河野さんは素晴らしい作品を残してくれた」「憲法が危ない、こんな時代だからこそ多くの人に観てもらいたい」「私の地元でも自主上映会をぜひ開きたい」といった声が相次いだ。

 河野監督は舞台挨拶のため滞在していた宮崎市のホテルで急死。亡くなる数時間前まで近くの飲食店で地元の人たちと語らい、カラオケを楽しんでいたという。河野さんは横浜市立高校の元社会科教諭。かつての教員仲間は、「物おじせずどこでも出かけて誰にでも会いに行ける人。保守系の重鎮政治家にも話を聞きに行った」と行動力を偲び、突然の死を悼んだ。


3月25日(金曜日) 鎌倉の画廊

 中学で同級生だった画家・瀬川智貴君の個展を見るため、鎌倉の画廊に出かけた。東京・目黒から鎌倉に居を移して8年。地元の風景が独特のタッチで表情豊かに描かれている。古都の名刹や海や富士山が素敵だ。落ち着いて創作に打ち込める環境ということもあって、最近はパステルよりも点描を描くことが多いという。鎌倉市雪ノ下のギャラリー「ジ・アース」で。27日まで。

 鎌倉駅から鶴岡八幡宮へ向かう小町通りは、若い女性客らでごった返していた。まるで東京・原宿の竹下通りのような賑わいだった。ギャラリー「ジ・アース」は駅前から徒歩5分ほど。小町通りの路地裏の閑静な住宅街にたたずんでいる。

◇◇

 選挙演説中の安倍晋三首相(当時)にヤジを飛ばした市民2人が、北海道警の警察官に不当に排除され、表現の自由を侵害されたとして損害賠償を求めた訴訟で、札幌地裁が道警側に賠償を命じる判決。よかったよかった。戦前の日本やプーチン政権下のロシアみたいな社会になるのを、ほんの少しだけ止めることができて。


3月26日(土曜日) 市ケ谷でも追悼試写会

 横浜・桜木町に続いて、河野優司監督の追悼試写会が26日、東京・市ケ谷の全国教育文化会館で開かれた。安倍政権を検証した初監督作品「2887」の短編版「壊すな憲法、守ろう九条」を上映し黙祷。観客の多くは河野監督の急逝を知らず、上映会で会えると思って来た人が大半だった。

 この日は、お笑い芸人の松元ヒロさんが来場。軽妙な話芸で会場を爆笑に包みながら、河野さんとの突然の別れを悲しんだ。

 映画冒頭で日本国憲法前文を暗誦する松元ヒロさんは、改憲にこだわる安倍政治への怒りを率直に語り、主権者が権力を縛る憲法の大切さを分かりやすい言葉で紡いでいく。随所で登場するヒロさんの存在が映画全体に統一感を持たせる。説得力のある作品に仕上がったのは、ヒロさんの役回りが大きい。

 「憲法に合わない政府を変えるべきだ」と訴える松元ヒロさんの映画ラストの台詞は圧巻だ。「余人をもって代え難いですよね」と言うと、本人は「もっと褒めてください」とおどけて見せた。


3月27日(日曜日) 詰めが甘い

 「大相撲千秋楽の結果がたった今、入ってきました」(日テレ「バンキシャ!」)──。優勝決定戦からもう1時間以上も経っている午後7時前なのに、「たった今、入ってきました」ってなんじゃそりゃ。それはともかく敗れた高安はここぞという時に詰めが甘くて焦りすぎ。せっかく相手を追い詰めても土俵際で転ばされてしまう。昨日もそんな感じ。応援しているんだけどなあ。来場所こそは頑張って優勝して。

◇◇

 米国のバイデン大統領がプーチンを強く非難。「この男を権力の座に残しておいてはいけない」。これまでも呼び捨てで「戦争犯罪人」「人殺しの独裁者」などと述べている。「内政干渉の発言だ」という解説もあるが、むしろ至極もっともな言葉と評価だと思う。現に国際法を無視し、他国の領土に踏み込んで一方的な爆撃と殺戮を繰り返しているのだから。


3月29日(火曜日) 花粉が多い

 花粉がめちゃくちゃ飛んでいる。目が痒くて鼻水やくしゃみが止まらないので、鼻炎薬を飲んだら猛烈な睡魔が……。ちょっとだけ仮眠するつもりが爆睡してしまった。やっちまったぜ。みんな花粉が悪い。

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 事実上、ロシア(プーチン政権)の敗北と言っていいのではなかろうか。撤退と戦線縮小とウクライナとの停戦交渉を考えると。プーチン政権内部にも何やら不穏な空気が漂っているようだし。知らんけど。とにかく一刻も早く、ウクライナに以前と同じ平和な日常が戻ってきますように。心から願うばかりだ。

◇◇

 「探究」「探究」と文部科学行政がことさらこだわるのであれば、日本史や公民などの教科書の「従軍慰安婦」「強制連行」といった記述への政治介入についてこそ、生徒に「探究」させて深く考察させるべきだろう。言論・報道・表現・思想・良心・学問の自由と国家権力との関係についても。


3月30日(水曜日) 大岡川の桜

 横浜・大岡川の桜を見るために日ノ出町に出かけた。背景が突き抜けるような青空でないのが残念だったけど、川沿いの桜はほぼ満開の状態。人出がさほど多くないのがまたいい。まだまだもうしばらく見ごろが続くはず。オススメは散り際。川面がピンクの絨毯になって絶景だ。


3月31日(木曜日) 国民に銃口を?

 陸上自衛隊が「新たな戦い」にテロやサイバー攻撃とともに「反戦デモ」を例示。不適切との指摘を受けて回収し修正したが、保存期間内に廃棄したという。

 国民の重要な権利である「反戦デモ」を敵とみなすとは。政権の意に沿わぬ国民に銃口を向けるのなら、ロシアや中国と変わらない。戦前の帝国陸軍と同じ発想ではないか。しかも保存期間内に廃棄(つまり公文書を証拠隠滅)したという。二重三重に大問題だ。恐怖すら感じる。

 そもそもその「戦争」が正しいかどうか、異議を唱えるか否かを判断するのは国民であって、政府や軍隊ではない。政権の意向に従わないなら弾圧する、制圧対象にするなどという発想は断じて許されない。そうした国家権力の暴走を縛っているのが現行憲法だ。「NO」を訴える権利は常に国民にある。

 不適切との指摘を受けて回収し修正したというが、そもそもこんな文書を陸上自衛隊が出してくること自体が、極めて危ういと思う。国民を守るのではなく、政権を守る暴力装置そのものの発想でしかない。だからこそ現行憲法を維持する意味、大切さを改めてひしひしと感じる。

新たな戦いに「反戦デモ」を例示、陸自、不適切と指摘受け修正(共同)

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