身辺雑記2023年2月

 身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2023年2月1日〜2月28日

●関内キャンパス見学会●だれにも迷惑かけないのに●採点と成績評価が完了●共産党の「先祖返り」●花粉症の季節●原発再稼働は短絡的●だれのための原子力規制委●エビチリソース●MacOS 12(Monterey)●妄言の垂れ流し●H3打ち上げ「失敗」●岡村梅林●沖縄返還密約と取材源の秘匿●鶏肉唐揚げ甘酢●●●ほか


2月1日(水曜日) 関内キャンパス見学会

 4月にオープンする、勤務校の関内キャンパスの見学会に参加した。横浜市営地下鉄の駅(関内と伊勢佐木長者町)から近いし眺望もよくてきれいだけど、いかんせん狭く、学習環境や設備面が不安。例えば関内キャンパスの図書館の蔵書数は、金沢八景キャンパスと比べると二桁も少ないという。図書館は大学にとって肝の施設であって、最も重要な知的資産の一つだと思うのだけど。金沢八景から関内に移転するのは経営や法など3学部。大丈夫かなあ。

 それにしても、見学会の集合時間が朝9時45分というのは個人的には辛い。朝早いのは苦手なので、できれば午後からにしてほしかった。個人的感想です。写真は、関内キャンパスをエントランスの前(大通り公園側)から見た全景。最上階の17階からの眺望。9階の大教室(約300席)。

◇◇

 横浜・日ノ出町の「やよい軒」で、鶏の水炊き定食(アジフライ付)を食べた=写真。甘じょっぱくてスッキリしたスープが、鍋にたっぷりの白菜や鶏肉、鶏肉団子にしっかり染みてなかなかの味わい。ポン酢などを付けなくても、このままで十分に美味しい。鶏の旨みも加わったスープと白菜だけでご飯がモリモリ進む。アジフライもサクッとして及第点。文句なし。


2月4日(土曜日) だれにも迷惑かけないのに

 ここまであからさまで露骨な差別発言に唖然とする。まともな政権では到底起こり得ない。性的少数者や同性婚について荒井勝喜首相秘書官が、「見るのも嫌だ。隣に住んでいるのも嫌だ。秘書官室もいんな反対する。同性婚を認めたら国を捨てる人が出てくる」などとオフレコ会見で述べたという。

 振り返れば衆院予算委員会で同性婚について、「家族観や価値観、社会が変わってしまう課題だ」と否定的見解を述べた岸田文雄首相の答弁が伏線だった。さらに遡れば、「LGBTには生産性がない」などの差別発言を繰り返してきた杉田水脈衆院議員を岸田首相が総務政務官に任命したのが、そもそもおよそあり得ない言語道断の人事だった。岸田内閣の度し難い姿勢は一貫している。

 夫婦別姓にしても同性婚にしても、これは個人の権利や意思を尊重するか否かの話であり、人権問題そのものだ。だれに迷惑をかけることもないし、それぞれ自由に生き方を選ぶだけで他人に強要もしない。そんな選択を否定し、一方的な価値観を押し付ける権利などだれにもないはずだ。すべての人には選択の自由がある。それを認めないなんて理不尽すぎるだろう。


2月8日(水曜日) 採点と成績評価が完了

 ようやく採点作業がすべて終わった。おそろしく出来の悪い学年から手を付けたら、すっかりやる気をなくして、ダラダラやっていたので締め切りギリギリになってしまった。優秀な答案とどうしようもない答案の落差が激しすぎる。何が書いてあるのかさっぱり分からない文章を読むのは苦痛。フォローしようがないのは不可にするしかない。なんだかなあ。採点をベースに成績評価(単位認定)を終えて、web登録も無事完了。


2月9日(木曜日) 共産党の「先祖返り」

 党首公選制を求めた共産党員の除名処分問題。党としての理屈や組織論としてはたぶん正しいのかもしれないし、そういう考え方もありなのだろう。しかし党員ではない一般市民や無党派層には違和感があり、なかなか受け入れられ難いと思う。無党派層に支持を広げるという最近の姿勢からはかけ離れており、戦略的にも疑問を感じる。方針転換したのかな。

 除名された党員を共産党幹部が「党に敵対する行為」「突然攻撃してきた」といった激しい言葉を使って非難し、断罪するのにも驚かされる。除名処分を社説で批判した朝日新聞に対しても、「指図されるいわれはない」「介入であり干渉であり攻撃だ」などの言葉で反論している。あまりにも頑なで硬直した態度としか思えない。このところかなり柔軟でオープンに見えた共産党に、何があったのだろう。

 民主主義を根幹から破壊するアベスガ自民党の不正を真正面から問いただし、弱者に寄り添う共産党の姿勢には共感するところが少なくない。選挙で共産党に一票を投じたことは何回もあるし、「赤旗」の取材を受けたこともある。それだけに今回の党員除名と処分をめぐる共産党の対応は残念でならない。


2月10日(金曜日) 花粉症の季節

 鬱陶しい季節がまた始まった。今月に入って花粉の飛散を実感する。鼻がムズムズしてくしゃみが出始めたから間違いない。気象会社は関東地方の今年の花粉飛散量を昨年の2・1倍と予報。東京都は都内の飛散量を昨春の2・7倍と予想する。いずれにしても憂鬱なのは変わらない。ため息。


2月11日(土曜日) 原発再稼働は短絡的

 ひとたび原発で大事故が起きたら取り返しのつかない惨事になり、気が遠くなる巨額の費用と労力と時間がかかる。大事故が起きなくても、老朽化した原発の廃炉には莫大な費用が必要になる。原発から出る放射性廃棄物の処理や保管も同様だ。こうした費用は結局、すべて消費者が負担することになるんだよ。

 「発電の原材料費が高騰し、電気料金が高いから原発を再稼働してほしい」という声は、あまりにも浅はかすぎる。目先の利益しか見ない短絡的な発想でしかない。原発再稼働なんてとんでもない。論外だ。


2月13日(月曜日) だれのための原子力規制委

 原子力規制委員会は原発の運転期間60年超を認める新制度を、委員5人のうち4人の賛成多数で決定した。全会一致でない決定は極めて異例だという。安全性軽視。科学技術的根拠の欠如。拙速。原発を推進する側(財界、電力会社、政府自民党)の都合に沿った「結絵恩ありき」の審査。いったいだれのための何のための「規制」委員会なんだ。

 老朽化した原発の運転期間を延長するなんて正気の沙汰とは思えない。普通のコンクリート建築物だって耐用年数は重大問題なのに、原発の運転期間が60年超なんてあり得ないだろう。

 そもそも無事故の原発解体や廃炉さえまともにできない現状なのに、その原発を軽々に扱おうとする神経が理解できない。古い原発は設計図もきちんと保管されておらず、汚れて判読できないという信じ難い杜撰さだ。福島原発の事故から何も学ぼうとしない姿勢に驚愕する。津波による電源喪失の警告を無視し福島原発の大惨事(炉心溶融)を招いた連中に、原発を委ねていること自体があり得ない。


2月15日(水曜日) エビチリソース

 横浜・上大岡の町中華で、エビのチリソース定食を食べた=写真。いつもながらのお得なランチ。ぷりっぷりの芝エビがたっぷりで、とても美味しい。丼いっぱいの卵スープに、冷奴、デザートの杏仁豆腐も付いて大満足。これで700円はやっぱり安い。満腹。客としてはありがたい限りだが、サービスのしすぎで経営が心配になるレベルの内容だ。


2月16日(木曜日) MacOS 12(Monterey)

 MacBook Pro の MacOS 11(Big Sur)を、MacOS 12.6.3(Monterey)にアップデートした。今のところ問題は起きていない。昨秋にリリースされた最新版 MacOS 13(Ventura)の一つ前のバージョンだ。新しい MacOS がリリースされても、すぐに更新すると不具合が生じないかと心配になる。なのでずっと様子見していたのだが、いくらなんでももう大丈夫かなと考えて、最新版の一つ前のバージョンを導入した。石橋を叩いて渡るにしても、慎重すぎるんじゃないかとは思うけど。


2月17日(金曜日) 妄言の垂れ流し

 「高齢者は老害化する前に集団自決すれば」などの発言が物議を醸している経済学者の成田悠輔氏で思い出すのは、深夜のバラエティー番組が「格差拡大」を取り上げた際の言葉だ。「格差は昔もあった。なぜわざわざ問題にするのか」という趣旨のコメントをしたのだ。何という詭弁、論点のすり替え。

 確かに格差は昔もあっただろう。しかしいま問題になっているのは、その格差が「広がっている」ことではないか。呆れた詭弁を並べる人物だと確信したのを鮮明に覚えている。そもそもこういう人物を使って、妄言を公共の電波で無批判に垂れ流す側にも問題がある。無責任極まりない。見識を疑う。ひろゆき、古市憲寿、三浦瑠麗らも同様だ。


2月18日(土曜日) H3打ち上げ「失敗」

 着火信号が正常に送られずH3ロケットは計画通りに発射できなかったのだから、打ち上げは「失敗」だったと個人的には思うが、技術者やJAXAが「失敗」ではなく「中止」だという理屈や心情も分からないでもない。そういう意味では記者会見で食い下がって質問した共同通信の記者は、JAXAの考え方を知る言葉を引き出せたわけで、ジャーナリズムの役割をしっかり果たしたと言っていい。捨て台詞(駄目押し)のような最後の一言は、言わなくてよかった(言わない方がよかった)と思うけれども。

 でもまあやっぱり、悪天候などでH3打ち上げを「能動的」に「中止」したのではなく、着火されるはずだった信号が正常に届かず、「計画通り」に発射されなかったのは「失敗」だよなあ。大日本帝国の軍部が「撤退」を「転進」と言い換え、文部省が「侵略」を「進出」とした屁理屈を想起してしまう。


2月25日(土曜日) 岡村梅林

 横浜・岡村公園の岡村梅林に梅を見に行った。園内に植えられているのは約500本の白梅と紅梅。白やピンクの小さな花が咲き誇る=写真。大勢の市民が東屋のベンチに腰を下ろしたり散策したりしながら、少し早い春の訪れを楽しんでいた。でも、まだちょっと寒い。


2月27日(月曜日) 沖縄返還密約と取材源の秘匿

 せっかくの権力追及ネタを台無しにし、そればかりかジャーナリズムへの信頼も台無しにしたのが西山太吉事件だった。本来なら沖縄返還「密約事件」と呼ばれるべき話を「西山事件」に矮小化させてしまったのは、西山太吉氏自身の取材手法にあった。何より情報提供者(取材源の秘匿)を守れなかったのは致命的だった。

 なんとも罪深く残念極まりないと言わざるを得ない。目的が正しくても、いや目的が正しいのであればなおさら、その手法や過程には慎重さと注意深さを重ねる必要がある。権力に足元をすくわれ逆襲され弾圧されないためにも。目的が正しければ何をやってもいいとはならないはずだ。

 西山太吉氏ご本人から、沖縄返還の「密約スクープ」を正当化する論理や主張を直接うかがったことが何回かあるが、どうしても納得できなかったし最後まで共感も支持もできなかったのは、やはりその「取材手法」と「取材源の秘匿」の問題だった。「気持ち悪さ」が払拭できなかった。

 日米政府の密約という国家権力の欺瞞を引き出した西山太吉氏の成果はもちろん評価する。ジャーナリズムの果たすべき職責をしっかり体現したのは間違いない。しかしだからこそ、なおさらその取材手法とアフターケアには「気持ち悪さ」が残る。残念でならない。元毎日新聞記者の西山太吉氏が亡くなった。91歳だった。ご冥福をお祈りする。

 【関連記事】=2012年1月22日付「身辺雑記」<沖縄密約「運命の人」と取材手法>。→ http://ookaminami.kakurezato.com/zakki2012-1.html#20120122

 沖縄返還密約事件を描いた山崎豊子さんの小説「運命の人」(文春文庫)には、僕の編著書「裁判官Who’s Who」も参考資料の一つに挙げられている。


2月28日(火曜日) 鶏肉唐揚げ甘酢

 今日のランチは「鶏肉の唐揚げ甘酢かけ定食」=写真。このところよく行く、上大岡駅近くの鎌倉街道沿いの町中華で食べた。700円。中国人の夫婦(父娘?)がやっている店で、とにかく安くていつも美味しい。今日も満腹のボリュームで満足のいく味だった。


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