身辺雑記2023年3月

 身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2023年3月1日〜3月31日

●春の陽気と花粉●アキバの賑わい●まだ1カ月も先だけど●結論ありきの不当判決●アベ政治の常套手段●それでも原発に賛成なのか●「ブラック・ジャック」連載50周年●確定申告完了●「最後の砦」裁判官の罪深さ●風邪でダウン●横浜の満開まだ先●侍ジャパン世界一●ヤフーニュースにも掲載●横浜の桜ほぼ満開●桜が祝福●「取材現場は地方に宿る」●「赤ちゃんの虐待えん罪」●河野優司さんを墓前で偲ぶ●最後の見ごろ●●●ほか


3月1日(水曜日) 春の陽気と花粉

 昨日も今日も最高気温が20度近くまで上がった。4月上旬の陽気。気分はすっかり春なのは喜ばしいのだけど、南からの強い風に閉口する。児童公園の横を通りかかると、舞い上げられた砂埃をまともに浴びてしまった。駅前ではビル風が強くて前に進めないほど。そうなると心配なのは花粉だ。悩ましい。

 強風に乗って間違いなく大量の花粉が飛散している。鼻はむずむず、目はしょぼしょぼ。今朝はくしゃみが止まらず、ついに今年初めて鼻炎薬を服用した。くしゃみはピタッと止まった。おおっ見事な効き目。強力な薬だと体への負担も大きいので、服用はできるだけ最小限に抑えたい。


3月2日(木曜日) アキバの賑わい

 午後から都内の法律事務所で弁護団会議に参加した後、久しぶりに秋葉原の街を歩いたら、外国人観光客であふれ返っていた。韓国語、中国語、フランス語、英語、タイ語、ヒンディー語(たぶん)が飛び交う。コロナ以前のアキバの賑わいが戻ってきた様子。それと客引きのメイドがいたるところで声をかけてくる。これは迷惑。すぐ近くで地元自治会が、客引き禁止の警告アナウンスを大音量で流すもお構いなし。まさにカオス。


3月6日(月曜日) まだ1カ月も先だけど

 大学の教務課から、新年度の担当科目確認や学年暦、新しくオープンする関内キャンパスに関する質疑応答(回答一覧)、出校案内といった連絡文書が立て続けに送られてきた。前期(春学期)が始まるのはまだ1カ月も先だけど、そろそろ授業の準備を始めようかなという気持ちになってくるから不思議だ。


3月7日(火曜日) 結論ありきの不当判決

 午後から東京高裁。神奈川県警新人巡査の拳銃自殺事件の控訴審判決。遺族側が逆転敗訴。結論ありきの理不尽な判決だった。あまりにも一方的で酷すぎる。

◇◇◇

 神奈川県警泉署の新人巡査だった古関耕成さん(当時25歳)が2016年3月に同署内のトイレで拳銃自殺したのは、先輩や上司からのパワハラやいじめで精神的に不安定だったのに、拳銃を所持させたのが原因だとして、両親が神奈川県に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決。東京高裁(増田稔裁判長)は、県警の責任を認めた一審判決を取り消し両親の請求を棄却した。

 一審の横浜地裁は、「耕成さんは交番勤務ができなくなるほど落ち込み、仕事を辞めるかどうか決断しなければならなくなるまで追い込まれていた」と認定。「精神障害などの病気を発症していた疑いが否定できず、精神に不調を来している者に拳銃を携帯させた県警には、安全配慮義務違反の過失がある」として遺族の請求通りの損害賠償を命じた。

 これに対し東京高裁は、「(上司の警察官は)耕成さんが精神に不調を来している等の状況にあることを認識し、または認識し得たと認めることはできない」と判断。「管理責任者の署長が、拳銃を携帯させてはならない義務を負っていたとは言えない」とした。

 県警の主張を全面的になぞった逆転敗訴に、遺族側弁護団は「高裁判決は警察官の証言のみを信用し、母親の証言は信用できないとするが、警察官の証言からも巡査部長の尋常ではない叱責は裏付けられている。精神の不調を確認せず漫然と拳銃を渡した事実を評価していない。結論ありきの不当判決で、上告して断固闘う」と憤った。

 耕成さんの母親は「ハラスメントをなくすという世間の動きに逆行する判決。裁判を通じて警察の組織改革を願っていたが、怒りしかありません」と訴えて涙を拭った。<詳細は「週刊金曜日」の来週号に掲載予定。>


3月8日(水曜日) アベ政治の常套手段

 メディアへの圧力・介入・干渉は安倍晋三元首相の常套手段だった。影響力を知っていたからこその情報統制。中でもテレビ番組への常軌を逸した攻撃はアベ政治の真骨頂と言っていい。TBS、テレ朝、NHKは特に異常な執着で狙い撃ちにされた。取り巻きに加えアベ信者らネトウヨの動きも同様だ。

 安倍晋三がやってきたことは中国やロシアの独裁政権と変わらない。民主主義を支える報道の自由の意味をまるで理解していない。そんな振る舞いは今にいたるまで連綿と続く。自由と民主社会を根底から破壊してきたのが安倍一派だった。腐敗したツボを押さえる重石が失せたからこそ、放送法をめぐる総務省の行政文書が明るみになったのだろう。「捏造」だの「不正確」だのと必死になって取り繕い、問題の本質から目を逸らそうと足掻く姿は滑稽で痛々しい。


3月9日(木曜日) それでも原発に賛成なのか

 東日本大震災から12年。何より衝撃だったのは福島原発事故だ。「天災」ではなく「人災」だった。原発事故が深刻なのは、被害が大規模で広範囲に何十年も続くことにある。メルトダウン(炉心溶融)した原発からは、今この瞬間も大量の放射能が放たれ続けている。しかも放射性廃棄物(核のゴミ)の処分さえままならない。それでも原発再稼働に賛成するのか。日本人はそんなに学習能力がなく忘れっぽいのか。だとしたら救い難いと言うしかない。


3月10日(金曜日) 「ブラック・ジャック」連載50周年

 「ブラック・ジャック」連載開始50周年記念イベントを、横浜駅西口の「マルイシティ横浜」に見に行った=写真。尊敬する手塚治虫先生の作品の中でも特に大好きな「B・J」。複製原画の展示は8枚だけだったが、手塚先生の描く線が見られてよかった。BJ&ピノコの手拭いとピンバッジを購入。満足。


3月12日(日曜日) 確定申告完了

 昨年に続いて今年も確定申告書を国税庁のサイトで作成し、そのまま電子版(e-Tax)で提出した。税務署にわざわざ出向かなくても、自宅のパソコンで作成と提出ができるので楽ちんだ。源泉徴収票や原稿料の支払調書などに記載されている数字を打ち込むだけで、よくわからない計算も自動でやってくれるし、添付書類の提出も省略できるので助かる。

 しつこく「マイナンバー」「マイナンバー」と聞いてくるのだけは煩わしかったけど、そういうのはすべてスルーして完了。マイナンバーカードがなくても、事前に税務署に届け出てあるIDとパスワードがあれば問題なく手続きできる。国税庁は「暫定的な対応」だとしているが、ぜひともIDとパスワード方式はこのまま継続してほしい。


3月13日(月曜日) 「最後の砦」裁判官の罪深さ

 刑事裁判が延々と続くのは、袴田事件もそうだが、再審決定に対して検察が即時抗告や特別抗告をするからだ。通常裁判でも無罪判決に対し検察は控訴や上告を繰り返す。まるでストーカーではないか。証拠を捏造して犯人をでっち上げる警察は論外。だが、最も罪深いのは再審決定を取り消す裁判官だ。

 「疑わしきは被告人の利益に」という基本動作を怠り、捜査機関の主張を鵜呑みにするだけの裁判官が多すぎる。彼らの「人権の最後の砦」としての意識の希薄さは本当に度し難い。少数派の良識ある裁判官の言い渡す無罪判決は「疑わしい」「疑わしきは罰せず」という判断でもあるのだから、せめて検察は控訴や上告や抗告ができないルールを定めるべきだろう。


3月17日(金曜日) 風邪でダウン

 風邪でしばらくダウンしていた。頭と喉が痛くて、粘着系の鼻水と咳がたくさん出て苦しい。熱はないので新型コロナではないと思う(たぶん)。市販の風邪薬を飲んでひたすら寝たら、かなり良くなった。風邪のせいか花粉症はどこへやら。ダウンしている間は鼻炎薬の出番はなし。このまま今年の花粉症がフェードアウトしてくれたら助かるんだけどなあ。


3月20日(月曜日) 横浜の満開まだ先

 やっぱり春は桜。一番好きな花だ。中でも上品で淡い色合いのソメイヨシノがいい。でも横浜市内の桜はまだ満艦飾にはほど遠い。すっかり満開になって薄いピンクの花が咲き誇る木と、ひたすら沈黙を続ける木の落差が大きい。久良岐公園の桜は満開は皆無。近所の児童公園は10数本のうち3本が満開。日ノ出町の大岡川沿いは満開は数本のみだった=写真。見ごろは来週かな。あいにくの天気が続きそうだけど。


3月22日(水曜日) 侍ジャパン世界一

 侍ジャパンの世界一で盛り上がった野球のWBC。あえて3つの話題に注目してみると……。その1)31人目の選手と言っても過言ではない通訳の水原一平さんの大活躍。その2)朝からテレ朝が生中継した決勝戦を今夜TBSが録画放送したこと。録画中継の権利はTBSにあるという。へえ、そうなんだ。びっくり。その3)大谷翔平の活躍でアニメ「メジャーMAJOR」が再注目されていること。大好きだった作品だけにすごくうれしい。

 もちろん数々の名プレーはいうまでもなく、優勝記者会見での大谷翔平の杉谷拳士(日本ハムの元同僚)への「塩対応」など、ほかにもWBCの注目ポイントは山ほどあるんだけど、あえてマニアックなところに絞ると個人的にはそんなところ。


3月25日(土曜日) ヤフーニュースにも掲載

 あまりにも理不尽で一方的な逆転敗訴。結論ありきの論外の判決だった。東京高裁の増田稔裁判長は、東大卒の39期。司法行政を長く経験した「司法エリート」の典型。権力に寄り添った判断をするのもさもありなん。残念ながら「大ハズレ」の裁判官に当たってしまったようだ。3月7日の判決~17日の雑誌掲載からかなりタイムラグがあるが、22日のヤフーニュースにも僕の記事が出ていた。

 この極めて杜撰で理不尽な逆転判決に対し、「精神変調に上司が気付くのは無理」「指導とパワハラの線引きは困難」「貸与された拳銃で自殺するな」といった的外れな反応が返ってくるところに、社会の劣化と想像力の欠如を感じる。これでは、いじめやパワハラがなくならないわけだ。愕然とする。トンデモ裁判官や警察組織の肩を持つ意見は意図的(組織的)なものなのだろうか。

神奈川県警新人巡査の拳銃自殺、遺族側が逆転敗訴、「結論ありきの判決」に憤り(週刊金曜日)

https://news.yahoo.co.jp/articles/5306a308d93521252a5b22bfa93275f477238dbf


3月27日(月曜日) 横浜の桜ほぼ満開

 横浜近辺の桜をいくつか見て回った。久良岐公園の桜はほぼ満開。週末の冷たい雨の影響か、早々と散り始めている木もあるけれど、まだもう少しは楽しめそう=写真。

 日ノ出町の大岡川沿いの桜は、満開の木と蕾の木が混在してやや寂しい感じ。以前は一気に咲き誇って見事なアーチを見せていただけに物足りない。見物客も少ない。10軒ほど並ぶ屋台もほとんど閉店状態。それでも行き交うクルーズ船や遊覧船、屋形船が雰囲気を高めている=写真。

 中央図書館の先にある野毛山公園の桜はしっかり満開。ピクニック気分で花見を楽しむ大勢の親子で賑わっていた。せっかくなので久しぶりに野毛山動物園(入園無料)に立ち寄った。サービス精神満点のレッサーパンダがカメラ目線でポーズを決めてくれる=写真。幼稚園児の子どもたちが「かわいい!」と大騒ぎ。のどかで微笑ましい。


3月28日(火曜日) 桜が祝福

 東京・四谷に出かけたついでに四ツ谷駅前の桜を見物。上智大学で学位授与式があったらしく、ソフィア通りや中央線沿いの土手(堤)は、記念撮影する袴やスーツ姿の学生でごった返していた=写真。朝からの冷たい雨も午後には止んで青空が広がり、満開の桜が祝福しているようだった。


3月29日(水曜日) 「取材現場は地方に宿る」

 元朝日新聞記者の原裕司さんから、新著「取材現場は地方に宿る/新聞記者 封印40年の記憶」(東京図書出版)をいただいた。連続幼女誘拐殺人事件やオウム事件など20本の取材エピソードを通じて、記者生活40年を振り返るとともに、「取材現場は地方にこそある」と訴える一冊だ。「官房長官の記者会見を主戦場だと勘違いする人もいるが、あれは現場ではない」との主張に深く頷く。

 一方で、新聞社が地方支局を閉鎖して記者数を減らし、地方取材網がズタズタにされている現状を、原裕司さんは「地方から記者を撤退させることは、権力監視という役割の放棄につながる」と危惧する。「新聞記者は現場を取材し確認できた事実だけを書いている。それが新聞の強さであり信頼性でもある。地道な作業があるからこそ権力者を監視できるのだ」「新聞の斜陽化で笑っているのは権力を行使する人間だろう」との言葉がずっしり重い。334ページ。1800円+税。


3月30日(木曜日) 「赤ちゃんの虐待えん罪」

 「赤ちゃんの虐待えん罪」(秋田真志、古川原明子、笹倉香奈編著、現代人文社)をいただいた。乳幼児を揺さぶって死なせた、とされる事件の無罪判決が相次ぐ。具体的な裁判事例や当事者の思いを紹介し、法律と医学の観点から問題点を検証。親子分離や訴追の実態を明らかにする一冊。123ページ。1500円+税。


3月31日(金曜日) 河野優司さんを墓前で偲ぶ

 元横浜市立高校教諭で映画監督だった河野優司さん(享年69)の急逝から1年。横浜市営三ツ沢墓地を訪ね、元同僚教員ら15人と墓前に線香を手向けて故人を偲んだ=写真。河野さんは安倍政権を検証した映画「2887」を初監督。昨年3月20日、舞台挨拶のため滞在していた宮崎市のホテルで亡くなった。憲法、沖縄、福島原発などをテーマにした映画「2887」は、その後も各地で上映会が続いている。

◇◇◇

 横浜・日ノ出町の大岡川沿いの桜は花びらが舞い始めているが、それでもいい感じに咲き揃って最後の見ごろとなっている=写真。遊覧船や自家用船が行き交うと、水面に浮かぶピンクの絨毯が大きく揺れ動く。立ち漕ぎパドルボードを練習する一団も、満開の桜を楽しんでいる様子だった。


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