身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


1999年5月1日〜5月31日

●拡大(縮小)再生産●自分の気持ちに正直に●阪神ファンの屈折した心理●「セカンド」へのアクセス1万件●広大な宇宙と未来を考える●重苦しい心●新しい名刺●編集局有志の声明●「ミンボーの女」を見る●「三くだり半」を出す●きょうから「記者」です●「大岡みなみ」がつながった?●ファミレスのテレビ●最新型PHSをゲット●毒物カレー事件の初公判●東京めぐり(^^)●「退職祝い」●味が分からないK記者?●「本当の取材」を始めよう●感謝!原稿依頼●人気投票●「十兵衛ちゃん」●マスコミ研究者と記者感覚●損得勘定抜きの人間関係●大漁〜♪●一番の「はなむけ」●小姑からの説教●強いなあ、阪神●ガイドラインと盗聴法●盗聴法案を強行採決●ZARDのベストアルバム●公明党議員の「暴走」●●●ほか


5月1日(土曜日) 拡大(縮小)再生産

 きのう付の「身辺雑記」で、僕が勤務する新聞社の状態を「末期症状ではないか」と書いて批判したら、元同僚記者からおしかりのメールが届いた。「あなたは甘い。僕が辞めた時点で既に末期症状を通り越していた。あなたが考えているよりずっと症状は悪く、すでにゾンビになっている」と言うのだ。ああ、ゾンビだったのか。なるほど確かにそうかもしれない。ゾンビが死人の仲間を増やすために次々に襲いかかってくるように、あるいは悪貨が良貨を次々に駆逐していくようにして、アホな編集幹部と経営陣の皆さんは拡大(縮小)再生産を続けているわけだ。いち早く会社を見限って、同業他社に移ったこの元同僚記者の言う通りかもしれないな…。


5月2日(日曜日) 自分の気持ちに正直に

 友達の家に遊びに行く。一人は社外の友達、もう一人は社内の友達である。今回の異動の「対応」について意見を求めに行ったのだ。と言うよりは、むしろ僕自身の考えを聞いてほしかったのだなあと思う。

 最終的にどうするかという結論はもちろん既に決まっているのだが、「三くだり半」を会社に出す時期で悩んでいたのだ。それによってボーナスが手に入るかどうかに影響してくるし、納得いかない仕事をしないで済むかどうかにも関係してくるのである。お金の問題が大事だということは僕も十二分に分かっている。だから一時は「受け取るべきものは受け取らなければ損だな」とも思った。しかし、これでも繊細な僕の心は「もうこれ以上は会社には関わりたくない」と悲鳴を上げているのだった。一刻も早く精神的苦痛から解放されたい思いが膨れ上がってきて、抑えられなくなってきたのである。これは論理ではない。損得勘定について頭では分かっているのだが、心と体が付いていかないのだ。社外の友達と話した時点ではまだ自分の心は揺れていたが、その後で会った社内の友達には結果的に、そんな思いを切々と訴えることになった。最終的には分かってくれた。

 何人かの同僚記者や社外の友達にもメールで考えを聞いた。意見は分かれた。みんながそれぞれ真剣に考えて答えてくれたメールを何回も読み返した。りがとう。いろいろ考えてみたけど、自分の気持ちに正直な方法を取ることにしました。それが僕らしくていいでしょ?


5月3日(月曜日) 阪神ファンの屈折した心理

 阪神タイガースがなぜか好調だ。2位である。ビリから2位ではなくて上から数えて2位なのである。きょうも勝った。しかも相手が巨人というのが泣かせてくれる。ぜひともこのまま突っ走ってほしいものだが、阪神ファンはあまり期待してはいけない。期待を裏切ってすぐにずっこけるのが阪神の醍醐味でもあるからだ。そもそも阪神ファンには「弱い阪神、駄目な阪神がかわいい」という屈折したところがあって、「ああまたか、アカンなあ」と愚痴をこぼすのが快感でもあったりするのだ。自虐的だなあ。だがしか〜し。巨人にだけは絶対に負けてはいけない。ほかのチームに負けるのは許すけど、とにかく何が何でも巨人にだけは勝たねばならないのである。それが阪神の至上命題なのだ。変でしょ、阪神ファンって。何なんだろうね、これって。まあファンみんながそうだとは言わないけれど、なぜかそういう傾向にはあるみたいだ。う〜む。

 出社。愛車でGOである。ほいほいと仕事を片付けて、さっさと帰ろうと思っていたのだが、最終版までの勤務になっていた。暇だから引き出しの中を整理して、不要なものはどんどん捨てた。深夜営業の本屋とラーメン屋に寄り道する。午前2時半帰宅。

 アクセス1万件 「セカンドインパクト」へのアクセス件数が1万件を超える。訪問者の皆さま、ありがとうございます。


5月4日(火曜日) あと1日

 昼間は大した雨量ではなかったのに、夜中になってから、まさに「バケツの水をひっくり返したような」という表現がぴったりの天気になった。台風でも近付いているような感じだ。雨が降っているのでもちろん愛車で出社したのだが、そんなにスピードを出さないで普通に走っていても、フロントガラスに叩き付けるように大量の雨が降り注いでくる。風も強い。ワイパーの稼働速度を最高にしても、前方が見えにくいので危なくて仕方ない。…などと言いながらも、結構スピードを上げていたりするのだった。おいおい、一歩間違えたら大事故につながるぞ。深く反省するべし。

 ところで、会社の引き出しの整理はほぼ終了した。組合の新研部関係の懐かしい書類がいくつも出てくる。そのほかに「マスコミ市民」や「琉球新報」「沖縄タイムス」にインタビューされた時の記事のコピーなども発掘されたが、必要最小限のものだけ残して、後は思い切りよく捨ててしまう。会社に行くのは、たぶんあと1日だけである。そう決めるまでは精神的に苦痛で苦痛で、まじで体調が良くなかった。昨日から少しずつ回復してきたような気がする。やはり、ここにいることによる精神的ダメージは計り知れない。


5月5日(水曜日) 広大な宇宙と未来を考える

 新聞休刊日。TBS系のテレビ番組「ヒトの旅、ヒトへの旅」を見る。21世紀を目前にして、これまでの人類の百年の歩みを振り返りながら、これからの人類の未来を考えるという内容の4時間ぶち抜き番組だ。構造的にも知能的にも限りなく人間に近付く「ロボット」、膨張を続ける「宇宙の謎」、細胞再生工学の進歩によって発展を続ける「生命科学」、虐殺や細菌兵器の開発が続く「人類の危機」といった4つの分野にわたって紹介されたのだが、SF小説や映画で描かれている近未来の世界なんて、すぐそこにあるんだなあと不思議な気持ちになった。「鉄腕アトム」や「ロボコップ」「スタートレック」「エヴァンゲリオン」の世界が、百年先には現実のものとなっているかもしれないのだ。もっとも、いくら何でもそのころまでは生きてはいないだろうから、僕がそれらの世界を体験することはできない。そう考えると寂しい気もする。

 それにしても、どこまでも果てしなく広がり続けている宇宙というものは、謎でいっぱいだ。「宇宙の外側」や「宇宙の果て」は果たしてどうなっているのだろうか。そもそも「宇宙の外側」というものは存在しないのだろうか。そういった宇宙全体の概念自体が僕にはよく分からないけど、いずれにしても、地球という小さな星の中の小さな国でせこせこと動いている「ヒト」なんて、宇宙全体から見たら本当に小さな存在だなあと改めて思う。でも、もしかしたら地球以外の星には「ヒト」のような生物はいないかもしれないわけで、だとしたら「ヒト」は奇跡的な存在なんだよなあ。


5月6日(木曜日) 重苦しい心

 異動の内示が出てから胃のあたりがずっと重苦しい。今の会社とはもうすっぱり縁を切るという「決意」を既に固めたわけだから、精神面では解放されて晴れ晴れしたはずなのに、なぜだろうかと考える。転職した後にしばらく無職の期間を経験している同僚記者によると、次の職場が決まるまでは胃が痛くなるのは仕方がないことなのだと言う。「同じような状況になれば、10人中の9人までが同じような苦しい思いをする。胃が痛まない方がおかしいよ」。新聞というメディアへの思い入れが大きければ大きいほど、そんな状態になるのは当たり前のことだ、と叱られた。

 確かに気持ちの悪い会社ではあったが、そこそこ安定していた生活が崩されることへの動揺が少なからずあるのだろう。そのほか、それなりに会社の内部変革をしようと努力してきたこれまでの活動に対するむなしさ、同僚記者に対する言い知れぬ苛立ち、これからの進路に対する目に見えない不安感、精神的プレッシャー、ストレス…などといったものが複雑に絡み合って、僕の心に負荷を与えているのかもしれない。これは「人間の弱さ」「幅の広さ」「性格」といったレベルの問題とは違うのだと、同僚に諭された。たぶん新天地が決まるまでは、そうした鬱々とした思いがずっと続くのだろう。辛いけど、それにはきっちりと耐えなければならない。

 新しい名刺 個人的な名刺をデザイン事務所に注文してみる。肩書きはシンプルに「記者」の2文字。フリーランスの記者としても使える名刺である。ちょっぴりカッコいいデザインだ。まあ、これからどういう展開になるにせよ、しばらくはこれを使って取材活動をするのだ。出来上がりは約10日後。楽しみ〜♪


5月7日(金曜日) 雑用の一日

 家具店に出かける。懸案だった大型の本棚を選ぶためだ。部屋にあふれてきた本を何とか収納しなければ、事務作業をするスペースが確保できなくなってきたのである。1軒目に訪れた近所の大規模家具店では、値段をちらっと見ただけですぐに退散する。あまりにも品揃えが高級すぎた。想定している購入価格と完全に一桁違うのだ。2軒目は町中の小さな家具店。奥行きと収容量があって、それなりの価格の本棚が見つかる。1万5千円。まあ、こんなものだろう。あすの昼過ぎに配達してもらうことにした。ついでに、上大岡のNTTドコモに立ち寄る。今、僕が持っているPHSは契約した時に無料でもらったものなのだが、やたらに大きくてほとんど付加機能がないという代物なので、機種変更しようかなあと思って、様子を見に行ったのである。ちょっと高い。カタログを見てしばし検討することにする。それにしても、新規契約の時と違って、機種変更の客への対応はかなりテキトーな気がする。営業姿勢に熱意が感じられないのだ。利幅が少ないからなのか。それとも所詮はお役所仕事だからだろうか。う〜む。図書館で調べもの。きのう大量にファクスが送られてきて用紙切れになったので、コンビニでファクス用紙を購入。あ〜あ、雑用で一日が終わってしまった。


5月8日(土曜日) 編集局有志の声明

 同僚記者からファクスが送られてきた。今回の人事異動について、編集局有志がきのう会社に出した抗議文(申入書)だという。合計15人の同僚記者が名前を連ねていた。たった15人という見方もあるかもしれないが、あのような「物言えば唇寒し」のファシズム体制の中で、よくこれだけ賛同者が集まったと思う。しかし、そもそも労働組合がしっかりしていれば、「編集局員の局間異動」などという非常識な事態は起こらなかったのだろうけど。会社側と対等な立場できちんと発言するなど、所属単組が組合としての本来の機能を果たしていれば、今回のような信じられない異動は許されないはずなのだ。新聞労連本部でもそう言われた。まあ、僕が所属する単組は事実上の御用組合だし、おまけに「何が問題なのかが理解できない」組合員の方が多いのだから、今さらそんなことを言っても無意味なんだよなあ。だって、これまでも「局間異動」は時々行われていて、みんな「仕方ないなあ」と言って受け入れてきたというのだから。あきれて何も言えない。僕は予定通り、あす出社して「三くだり半」を出すだけである。この件に関しては、同業他社の記者やフリーランスのライターの方々からも励ましのメールをいただいていて、とてもうれしく思っている。感謝です〜。

 本を整理整頓 きのう注文した本棚が届く。部屋の掃除と模様替えをしてから本棚を設置。でもって、あちこちに積み上げてあった本や雑誌、漫画単行本、ビデオテープなどを、新しい本棚に次々に並べて整理整頓していく。この瞬間が何とも言えなく楽しい時間なのだ。う〜ん、快感〜。部屋の中も机の上もすっきりした。

 「ミンボーの女」を見る フジテレビの洋画劇場で「ミンボーの女」(伊丹十三監督)を見る。民事介入暴力(民暴)専門の女弁護士と、ホテルマンたちとの共闘ぶりを描いた社会派の娯楽作品である。女弁護士役の宮本信子の演技が相変わらずいい味を出しているが、作品の成功は、やはり伊丹監督の脚本・演出の冴えに負うところが大きい。実際には、ここまできれいには暴力団を撃退できないと思うが、なかなか迫力ある描写の数々は伊丹監督の綿密な取材に支えられているだろうことは、画面を見ていてよく分かった。それに、暴力団組員の鉄砲玉に宮本信子が刺されるシーンは、とてもリアリティーがあった。ここまで暴力団の実態を執拗に描けば、描かれた側は当然のことながら心よくは思わないわけで、伊丹監督に暴力の刃が向けられるのも十分に考えられることなのだった。で、「身の危険を感じる」と言えば、これは記者にとっても決して他人事ではないのだなあと思った。本質を突いた取材活動を真剣に進めれば、さまざまな脅迫や嫌がらせを受けることにもなるからだ。正直なところ少し怖さを感じた。


5月9日(日曜日) 「三くだり半」を出す

 そんなわけで、あすが異動の発令日なので、きょうが編集局員として最後の出社である。前夜に書き上げた「三くだり半」を所属部長に出す。部長には申し訳ないけど休日出勤してもらった。すんなり受理される。どうして提出日をきょうにしたかと言うと、自己満足かもしれないが、少なくとも編集局員として会社に「三くだり半」を出したかったのだ。でもって、退職願の本文の分量はマジでホントに、ちょうど「三行と半分」になるようにして書いた。これもまた自己満足かもしれないけど、僕なりのこだわりと言うか意思表示である。僕は、こういうことには少しばかりうるさいのだ。

 退社予定日は6月3日。それまでは「新聞社の社員」だが、あすから身分的には僕は「新聞記者」ではなくなる。どこか別の新聞社に再就職できれば再び「新聞記者」になるが、そうでなければ、今後はただの「記者」として取材活動を続けることになる。まあ、肩書きがどうなるにせよ、僕が「記者」であることに変わりはない。そのために、今の会社を辞めることにしたのだから。あすからは有給休暇をフルに使うので、出社するのは事務手続きの1〜2日だけである。就職活動日でない日はたぶん暇なので、遊びに誘ってください〜。

 「きょうは仕事しないで帰ってもいいよ」と部長に言われたのだが、せっかくだから早版終了まで最後のお仕事をする。日曜日なので出社している記者はあまり多くいない。早版の終了間際に、同僚記者2人から「飯でも食いに行こう」と誘われる。桜木町駅前の中華料理屋で慰労&激励してくれた。中華をつまみながら、同僚はビール、僕は愛車で来ていたのでウーロン茶である。心ある多くの記者が今の会社には心底絶望していることが、よく分かった。親しい仲間だけで改めて飲み会をやろう、ということになる。午前3時帰宅。いくつか激励の留守電やメールが入っていた。感謝。


5月10日(月曜日) きょうから「記者」です

 「このページと作者について」と「セカンドインパクト」の表紙に書いてある「新聞記者」の表現は、しばらくそのままにしておこうと思う。きょうから僕は「新聞記者」ではなくなったが、それでも僕が「記者」であることには変わりはないわけだし、しばらくしたら別の新聞社で再び「新聞記者」をやる可能性がないとも言えないからだ。このことについては、きのうの「身辺雑記」でも書いたんだけどね。最終的に「フリーランス」でやっていくことに固まれば、その時点で文章表現は書き改めようと思う。まあ、これもまた僕なりのこだわりだったりするのであった。とゆーか、実は単にページを直すのが面倒くさいだけだったりして(汗)。おいおい。

 書店で「無職生活マニュアル」という本が平積みになっているのを見かけたので、思わず立ち読みしてしまう。退職前と退職後の手続きや、ボーナス、退職金、健康保険、厚生年金、失業給付金、生活のあれこれ、再就職、などが事細かに書かれていて、ふむふむと納得しながら読みふける。それによると、いろんな人に聞きながらやったこれまでの手続きに関しては、間違いはなかったようだ。神奈川県自動車税管理事務所から「自動車税納税通知書」が郵送されてくる。請求額は3万4500円。今月末までに納めろという。ええ〜っ。来月から無一文になるかもしれないのに…。う〜む。


5月11日(火曜日) 「大岡みなみ」がつながった?

 横浜市立学校の見知らぬ先生からメールをいただいた。自宅で寝ながら「ニフティ・スーパーインターネット」をたまたま読んでいたら、僕が同誌で連載しているコラム「大岡みなみのホームページ・ジャーナリスト」を見かけたので、びっくりして思わずメールを書いてくれたのだという。この先生は、学校に毎月配布されてくる横浜国際人権センターの機関誌を読んでくれているのだが、コラム「風速計」を書いている大岡みなみってどんな人物なのだろうと興味を持っていたそうなのである。しかも今度、コラム「風速計」の文章が、横浜市内の全教職員に配られる予定の平和教育の小冊子(横浜市教職員組合が発行)に転載されるというのだ。「大岡みなみ」が偶然にも1本のラインにつながったので、この先生も驚かれたのだろう。いやいや、僕も驚きました。そんなわけで、「ニフ・スパ」でコラムの連載を始めてから、いろいろな方々から感想メールなどをいただいている。ホームページへのアクセスも少しばかり増えたかもしれないな。これからも、よろしくご愛読を〜(^^)。

 でもって、その小冊子に転載されるのは、先月号の「日の丸・君が代の法制化に思う」というコラムの文章なのだが、このコラムが掲載された機関誌が、教育委員会を通じて各学校に配布されてきた時には、「市教委はよく配布を許したものだ」と学校でひとしきり話題沸騰したという。確かに「日の丸・君が代」の掲揚・斉唱を強要している市教委の姿勢に、真っ向から反論・批判しているのだから、各校配布を意外に感じるのも不思議ではない。しかしたぶん、いつも配布している人権センターの機関誌を、今さら配らないわけにはいかなかったのだろうと思う。そんなことをすれば、大問題になるのは火を見るよりも明らかだからだ。なかなか笑える。まあ、僕としては教育現場の皆さんに広くコラムを読んでいただければ、記事を書いた甲斐があったというわけである。

 夜になって友達が遊びに来る。しばらく僕の部屋で雑談してから近くのファミレスで食事&雑談。午前3時半に帰宅。し、しまった〜。留守電のボタンを押すのを忘れて外出していたぞ。う〜ん。そんなに電話はかかってこないだろうから、ま、いっか。


5月12日(水曜日) ファミレスのテレビ

 ファミレスの「GUSTO(ガスト)」で食事をした。ここは店内でテレビ放送をずっと流しているのだが、テレビ画面があるのは喫煙席だけで、禁煙席に行くと音声だけが大音量で延々と流されるのだった。で、僕が選択したのは禁煙席で、流されていたのは「ルパン3世」などディレクTVのアニメ番組(の音声)だった。ルパンは好きだけど、画面が見えなくて、ルパンや次元、銭形警部の声だけがでかい音量で聞こえてくるというのは、ものすごく落ち着かない気持ちになるなあ。何となくイライラしてくる。この感じは喫煙席にしても同じで、どの席からもテレビ画面が見えるわけではないから、状況はたぶん似たようなものなのだろう。「テレビなんか店内で流したら、客の回転が遅くなって経営的には不利なのでは」などと思っていたら大間違い。居心地が悪いから、客の回転が早いこと早いこと…。見ていると客はみんな、食事が済んだらさっさと店から立ち去ってしまうのだった。な〜るほど、考えたなあ。水やドリンク類はセルフサービスを徹底して人件費を節約しているし、おまけにディレクTVの宣伝にもなるわけだし。こうして食事の低価格が実現されているのだな。だがしか〜し。落ち着いて食事をしようと思っている客にとっては、実に困った店であるぞ。


5月13日(木曜日) 最新型PHSをゲット

 上大岡のNTTドコモショップで、これまで使っていたPHSを最新型に機種変更する。手数料を含めると1万円近くかかったけど、最新型は小さくて軽い上に、しかもいろいろな付加機能が付いている。中でも重宝しそうなのが、バイブレーターと本体付属の留守録音機能だ。今までPHSの番号をほとんど人に教えず、こちらから電話する時を除いて電源そのものを切っていたのは、状況に関係なく着信音が鳴り響くのが嫌だったからである。でもこの2つの機能があれば、安心して電源を入れておけるというものだ。だがしか〜し。やたらと各種機能が付いていて、設定操作が覚えきれないぞ。情けないけど、僕は自他ともに認める機械音痴なのだ…。

 毒物カレー事件の初公判 和歌山の毒物カレー事件の初公判。「ああ、またか」と思う。取材対象にマスコミ各社が群がるいつもと同じ光景を見ていると、この業界に身を置いていることに強い嫌悪感を覚える。この違和感は何だろう。みんなと同じ風景を写し出し、みんなと同じコメントを取って、みんなと同じ場所で同じような話をリポートし、みんなと同じように取材対象を現場で待ち構えて帰って行く…。そんなことをいつもいつも繰り返して一体何の意味があるのだろう、という不快感なのだ。しかも、記者たちの伝える内容ときたら、いつもと代わり映えしない定型映像や決まり文句に彩られた原稿が、大量に垂れ流されてくるだけなのである。いい歳した大人がそういう仕事に何百人も従事させられていて、疑問を感じていないのだとしたら絶望的になる。もしも疑問を感じていながら同じことを繰り返しているのだとしたら、さらに事態は絶望的だと言わざるを得ない。興味本位で見物にやって来た人たちと、現場で押し合いへし合いしているマスコミとの間に大差はない。自分にしかできない取材をしなければ、と心から思う。


5月14日(金曜日) 東京めぐり(^^)/「退職祝い」

 午後から、東京・水道橋の新聞労連本部へ行く。委員長からいろいろと助言を受ける(謎)。参考になった。で、せっかく東京に来たついでだから、いつもお世話になっている出版社がいくつかあるので、顔でも出してみようかなと連絡を取ってみる。一番近い場所にある猿楽町の出版社の編集者は不在だったので、二番目に近い神保町に本社のある出版社に遊びに行く。なんやかやと歓待されて3時間も雑談する。そこの社長によると、僕は新聞よりも雑誌向きなのだという。そうかなあ…。きょうはこれでもう、ほかの出版社に顔を出す時間はないなと思っていると、社長から「じゃあ夕飯でも食べに行くか」と誘われて、虎ノ門の飲み屋へ連れて行かれる。ここは店主が各地の酒蔵に直接出向いて銘酒を買い付けてくるという店で、酒も肴も滅法うまい。日本酒がほとんど飲めない僕は少しなめて味見する程度だったが、確かにうまい酒だった。続いて、銀座の会員制クラブに繰り出す。「退職祝いだ」とのことで、1本◯万円もする高級ワインを2本も空けてしまった。「ワインの蘊蓄/ちょっといい話」(笑)をレクチャーされる。すみません、半分くらいしか分かりませんでしたが、ご馳走さまでした〜。帰りの京浜東北線の最終電車は恐ろしく混雑していた。午前2時帰宅。


5月15日(土曜日) 味が分からないK記者?

 同僚K記者宅で夕食をご馳走になる。K記者の妻Mさん手作りのご馳走が食卓にずらりと並べられた。まじでうまい。僕はご飯を2杯もおかわりした。ところが、こんなにうまくてコクのあるロールキャベツや味噌汁に対して「味が薄い」などとK記者は罰当たりなことをのたまうのだった。う〜む。君は食べ物の味がまるで分からないのだね。そー言えば、駆け出し記者だったころに、K記者のアパートで「特製鍋」と称する得体のしれないものを食べさせられたことがあった。K記者は「味付けだ」と言いながら、醤油やみりんやポン酢など、そこらにある調味料を何でもかんでも構わず鍋にぶち込んでいくのだ。そして、それを「うまいだろう」と言いながら僕に食べさせてくれるのだった。当時は僕も常に腹を減らしていたし貧乏だったから、出されたものはどんなものでも食べたけど、はっきり言ってあの鍋はうまくはなかったぞ。少なくとも「素材をぶち壊しているなあ」とは感じていた。まあ、K記者はそういう人だから、きっと食べ物の味は分からないに違いない。原稿は上手なんだけどなあ、いかんせん味音痴なのだ。ちなみに僕と一緒に夕食をご馳走になったH記者も「うまい、うまい」と涙を流しながら食べていたから、妻Mさんの料理はやっぱり間違いなくうまいのである。それにH記者は「料理人」だから、その評価はたぶん正しい。

 名刺だよ 予定よりも早く、新しい名刺が出来上がってきた。さっそくK記者とH記者に進呈する。肩書きはシンプルに「記者」と刷り込んであって、なかなかカッコいいのだ。紙質と紙色もなかなかだったりする。でもなあ、これって1枚60円もするんだよなあ…。次回からは版下料金がかからなくなるから1枚30円ほどになるそうだけど、それでもやっぱり高いことは高い。だけどそもそも、取材相手に渡すために作った名刺なのだ。渡すのを渋っていてどーする。人に渡して威力を発揮する商売道具なんだから、どんどん配らなければ仕方ないぞ。…と自分に言い聞かせるのだった。

 電話錯綜 きょうはなぜか電話が錯綜しまくった。自宅の電話回線で大事な話をしていたら、PHSに何回も電話がかかってきて、そっちに出たら出たで、すぐに別の用件で再び自宅の電話回線がコールされるといった具合なのである。PHSに出られないから慌てて留守録音モードにしようとしたのだが、機械音痴の僕は切り替え設定操作がうまくできなくて、あたふたするばかりだった。ああ、疲れる。こういう場合はどうすればよいのだろうか。自宅にいる時はPHSの電源を切っておいた方がいいのかな。それとも、留守録音モードに設定しておいた方がいいのかなあ…。はっきり言って僕は、機種変更後のPHSをまだ使いこなせていません。


5月16日(日曜日) 「本当の取材」を始めよう

 このところ毎日、いろんな人と電話で話をしたり直接会ったりしている。既知の人もいれば初対面の人もいる。これまでつくり上げてきた取材&交流ネットワークのおさらいであると同時に、新たな出会いがあったりもする。会社の中でうだうだやっているより、こういう生活の方がはるかに僕としては気持ちがいい。まあ、就職活動の一環でもあるのだが、広い意味では毎日が「取材」のようなものだ。だがしか〜し。しょせんは顔つなぎの延長に過ぎないわけで、やっぱり「本当の取材」をしなければいけないなあと、実は反省しているのだった。せっかく自由な時間ができたわけだから、しばらくの間はどこの組織(新聞社や出版社)にも属することをしないで、純粋にフリーライター(フリージャーナリスト、フリールポライター)として、自分が本当にやりたいテーマを取材するために時間を使うのもいいかなあ、いや、そうすべきだ、と思い始めたのである。これまでは自由に使える時間がなかったから保留してきただけで、実際のところ、前から準備を進めている取材対象はいくつかあるのだ。企画意図だけ出版社に説明しておいて、原稿ができてから正式に雑誌掲載を依頼すればいいかなあ、などと考えている。うん。ちょっとその線で検討してみよう。

 そんなわけで、フリーライターとしては大先輩である友達の一人に、いろいろと相談に乗ってもらう。午前1時半帰宅。


5月17日(月曜日) 感謝!原稿依頼

 午後から東京。出版社の編集者と待ち合わせをしていたお茶の水へと急ぐ。約束の時間に10分遅刻で滑り込めるかなあというところだったのだが(そもそも遅刻するなって>自分)、八王子駅構内でポイント故障発生だとかで、中央線が神田駅でストップしてしまう。う〜む、こういう時に限って…。慌ててタクシーに乗り換えるが、こういう時にはやっぱり、お約束通り渋滞にハマるのであった。そんなわけで編集者には会えず。電話で平謝りして、改めて別の日に会うことにする。ああ…。信濃町にある出版社に顔を出す。フリーライターとしての仕事を早速頂戴した。これが第1号になるのかな。裁判傍聴記の原稿依頼である。感謝〜。夕方から、久しぶりに「人権と報道・連絡会」の例会に参加。今回は、週刊誌による捏造記事でっちあげの実態報告だった。午前零時に帰宅。

 ところで、携帯電話かPHSの取り扱い説明書を見ながら、必死の形相で操作に取り組んでいるおねーちゃんを、中央線車内で見かけた。おお、僕だけではなかったんだ、操作手順が分からずに悪戦苦闘しているのは。思わず「頑張れよ」と応援したくなったぞっ。


5月18日(火曜日) 人気投票

 この前、僕がコラムを連載している雑誌「ニフティ・スーパーインターネット」編集部で、掲載記事の人気投票一覧表を見せてもらった。で、その結果なのだが大岡みなみのコラムは「面白かった記事」では真ん中よりも少し下位のあたりで、「つまらなかった記事」では上位の方に入っていたのだ。ええ〜っ…。絶句…。少なからずショックと怒りにワナワナとなっていると、編集長が僕にこう言った。「面白かった記事でも票が入っているし、つまらなかった記事でもしっかり票を獲得しているというのは、読まれている証拠だからいいんです」。それは執筆者への単なるフォローなのか、それとも真実なのか。確かに読まれているからこそ、どちらにも票が入っているということはあるだろうけど…。「それに、あのコラムは雑誌の社説みたいなもので、難しく偉そうにまじめに論ずるのがコンセプトですから」。う〜む、それはまあ、そういうことだったけどね。しかし、どこが「つまらなかった」のかなあ。ちなみに僕は、おだてられたり褒められたりすると調子に乗るというか、うれしくて図に乗るタイプです(単純)。

 人権センターのホームページ 紅葉坂にある横浜国際人権センターに顔を出す。近く一般公開される予定の人権センターのホームページを見せてもらう。なかなかの出来だ。いや「なかなか」どころではなくて、小学生から大人までが楽しんで見られるように配慮された「大した」作りなのだ。正直言ってびっくりするやら感心するやらである。ビジュアル的にも工夫してあるし、文章も分かりやすく書いてあって、しかも書くべき要点はきちんと押さえてあるのだ。3カ月もかけて練りに練った、とスタッフが言うだけのことはある。苦労した跡がはっきり分かる。大岡みなみのページもしっかりリンクされてあった。正式アップされたら、もちろん僕のページからもリンクさせていただきます(^^)。夕方、市内某所で後輩記者とお茶を飲みながら軽く雑談。精力的に特ダネを書いているとのことで、僕も頑張らなければなあとやる気にさせられる。

 「十兵衛ちゃん」 関内のヤマギワソフト館で、PHSのストラップを買う。ちょっと高かったけど、木製の根付けと革ヒモの醸し出す雰囲気がカッコよかったので衝動買いである。ついでに、テレビ東京の深夜アニメ「十兵衛ちゃん/ラブリー眼帯の秘密」のメインテーマソングCDを購入。このアニメは実に馬鹿馬鹿しくも下らないギャグがオンパレードの番組なのだが、そこが面白くてなぜか毎回のように見ているのだった。で、テーマソングが往年の「少女隊」のヒット曲「Forever」のリメーク版だったりする。意外と耳に残ってしまうので思わず買ってしまった。


5月19日(水曜日) マスコミ研究者と記者感覚

 夕方から東京・水道橋の新聞労連本部へ。きょうは記者研修会の事務局会議である。「東大の社会情報研究所(旧新聞研究所)をはじめとする新聞研究関連学科の学生と連携してはどうか」という意見が出た。だが、それはちょっとばかり方向が違うのではないかと僕は思う。新聞労連の記者研修会は「記者仲間が主体となって一線記者を育てよう」というスタンスで始まった企画で、記者の現場感覚を刺激するのが目的のはずだからだ。大学の新聞学科やコミュニケーション学科などでマスコミ研究をしている学者や学生の皆さんは、あくまでもマスコミと社会との関係性について「学問をしている」のであって、記者の現場感覚とは似て非なるものだろう。記者が取材対象者と切り結ぶ時の悩みや苦悩、心が通い合えた瞬間の感動、社会の矛盾に向き合って怒りに打ち震えるような思い…。そういう喜怒哀楽の感覚を共有して発奮し、今後の記者活動に生かすのが記者研修会の本質なのだ。マスコミ研究をやっている学者や学生とは、そもそも目的や方向が異なるのではないだろうか。

 そういう意味では、マスコミ研究をしている学者(大学教員)も大別すると二つに分かれると思う。大学などの研究機関でずっと学問を続けてきた教員と、取材の一線に身を置いたことがあって大学教員に転じた人の二種類である。どちらが上だとか偉いだとか言うのではない。要するに学問の分野と研究目的が違う、ということなのだ。前者の授業は文献やデータなどの研究が主体となって、後者の授業はたぶんフィールドワークが主体になってくるだろうし、後者の学生は研究室に残ることよりも、マスコミ現場を就職先に希望する割合が高くなるだろう。そういう違いである。

 もちろん、マスコミの在り方を巡る事件があった場合に、大学教員がマスコミ研究者の立場から「識者コメント」を新聞に出したり、研究論文を発表したりするのは意味があることだと思う。しかしあくまでも、学問研究は学問研究であって、そういう意味では現場記者の取材感覚とはまったく世界が違うのである。


5月20日(木曜日) 損得勘定抜きの人間関係

 夕方から桜木町で、取材を通じて親しくなった高校の先生たちと寿司をつまみながら飲んだ。最近すっかりご無沙汰していたのだが、僕が会社を辞めるという話を聞いて激励会を開いてくれたのである。土曜日にも別の先生が同様の飲み会を計画してくれている。教育担当を外れてからもう5年近くになるけれど、今でも関係は切れていないし、ちゃんと覚えてくれているのだった。「新聞社を辞めても、◯◯さん(僕の本名)とはずっと付き合っていきたい」と言ってくれた。本当にありがたいと思う。

 人との交流というのは面白いもので、役職や組織を離れたらもうそれっきりになる人と、仕事上の関係がなくなっても付き合いが続く人とがいる。それって結局は、組織の看板や肩書き、損得勘定だけで人間関係を築いているかどうかの問題なのだろう。例えば、教職員組合の本部を取材していた時に親しくなって、役員を退いた後もずっと個人的に仲良くしてもらっている先生がいるのだが、この先生は現役の執行部役員や教育委員会からも慕われているという。きっと肩書きだけで仕事をしていなかったからこそ、そういう人間関係が続いているのだろう。それでは、僕は会社の看板や肩書きに頼った取材をしてこなかったと言えるだろうか。初任地・埼玉の自治体職員や市民グループなどの皆さんとは、いまだに付き合いが続いているし、横浜までわざわざ遊びに来てくれたこともあるけれど…。会社の看板に頼った仕事をしないように注意してきたつもりだが、それでもこれからは、今まで以上に「自分の人間性」が問われてくる場面が増えてくるに違いない。う〜ん、緊張するなあ。

 僕の友達に、自分が書いた記事が載った雑誌や本を送ってきてくれるライターがいる。僕が記者だから、送れば紹介してくれるだろうなどという「下心」はまるでない。純粋に読んでほしいと思うから送ってきてくれるのだ。そういう友達がいることを僕は誇りに思う。大事なのは、損得勘定を抜きにした人間関係がどれだけつくれるか、ということなのだろう。

 本社勤務の同僚記者が「何かの役に立てばと思って」と、取材で使う「必需品」をたくさん宅配便で送ってきてくれた。会社に所属していればいくらでも必要資材として調達できるが、会社を辞めれば自分でお金を出して調達しなければならないものである。フリーライターとしてスタートする僕の金銭的心細さを心配してくれたのだ。涙が出るほどうれしい心遣いだった。ありがとう。本物の思いやりに心を打たれました。


5月21日(金曜日) 大漁〜♪

 たっぷり取材してきた。少し長めのルポルタージュを書くための「予備取材」である。あくまでも「予備取材」であって、面白そうなエピソードやポイントを大ざっぱに知り、骨組みを把握するのが目的なのだが、とてもたくさんの収穫があった。大漁と言っていい。一つ一つの単品だけでも、十分に一級品のニュースとして成立するような話がいくつも採集できた。しかも、次から次へと芋づる式に重要な情報が集まってくるのだ。いい方向へ、いい方向へと回転しているといった感じである。疲れたことは疲れたけど、これは心地よい疲れだ。骨組みを肉付けしていくための本格的な取材は、これから進めていく。言うまでもないが、取材内容は一切秘密である(当たり前)。


5月22日(土曜日) 一番の「はなむけ」

 そんなわけで、夕方から関内で飲み会。懐石料理の居酒屋で飲んでから、ポップス系のライブ・スナックへ。取材でお世話になった高校の先生が「退職祝い」を開いてくれたのだ。一昨日の身辺雑記で紹介した教職員組合の本部役員を退いた先生と、同じく組合本部から現場に復帰した女性の先生の2人である。僕「た、退職祝いですか…。とほほ、ですね」。先生「う〜ん、まあ、新しい門出をお祝いする会だなあ」。それにしても、以前からこの2人の先生には、取材のヒントと言うか、基本的な考え方みたいなものをいつも助言してもらっていて、ものすごくお世話になっている。きょうもまた、お2人からは、僕が今取り組んでいるテーマの指針となるような話をうかがうことができた。僕にとってはこれに勝る「はなむけ」はない。本当にありがとうございます。そうしたご厚意に対して現在の僕にできるのは、いただいた助言の数々をもとにして、恥ずかしくない記事やルポルタージュを書くことくらいで、それが一番のお返しになるのかなあと思っている。努力します。

 小姑からの説教 ところで昨夜、僕の後見人と言うか、兄貴分のような同僚記者から電話がかかってきて、「今後の生活設計はできているのか」ときつく叱られた。僕「いやあ、取材が楽しくってさ。面白いように大漁なんだ」。同僚「それはそれでいいんだけど、今すぐに別の新聞社に入れるわけではないんだから、基本的な収入が保証されなければ生活できないんだよ」。僕「はい…」。まあ、そうやって小姑のように説教してくれる人間がいないと、怠け者でいい加減な僕の生活は、ずるずると楽な方に流れていくということを心配してくれているのだろう。ご指摘の通りです…。


5月23日(日曜日) 強いなあ、阪神

 阪神がめちゃめちゃ強い。首位奪還まであと少しだ。首位に躍り出るまで、しばらくはこの話題に触れるのを止めておこうと思っていたのだが、我慢できなくなってしまった。だって、あの宿敵巨人に連勝してくれたばかりか、ついに首位中日に0.5ゲーム差まで迫ったのだから。関西方面では早々と「阪神優勝」の雰囲気で街が浮かれまくっているという。でも、前にも書いたけど、それは少しばかり気が早すぎるかもしれないな。阪神を甘く見てはいけない。ファンの期待をきっちり裏切ってくれるのが、阪神の基本セオリーなのだ。それにまだ、ペナントレース終了まで5カ月もあるし、夏の高校野球のためにホームグラウンドである甲子園球場を明け渡さなければならないしね。だがしか〜し。確かに見ていると今年の阪神は、これまでの阪神とは違うからな〜。「ゆ◯しょう」というのも、あながち有り得ないことでは…。いやいや、そんな大それたことを考えてはいけない(と言いつつ含み笑い消えず)。


5月24日(月曜日) ガイドラインと盗聴法

 新しい日米防衛協力のための指針(ガイドライン)関連法が、自自公の3党の賛成多数により成立した。「周辺事態」が起きた際に、日本が米軍を支援する枠組みが決められたわけだ。要するに日本の周辺で戦闘状態が起きたら、日本も戦争に巻き込まれる可能性が濃厚になったのであって、米軍の作戦遂行に日本国民も自治体も協力しなさいという法案である。言葉の定義や概念が極めてあいまいで、解釈次第でどうにでもなるところが、まずもって怖い。そして、「非常事態」とさえ言えばどんな超法規的行為でもまかり通ってしまいそうなところが、さらに不気味さを倍加している。

 でもって、この法律と同じように怖いのが、同じく今国会で成立する見通しの「組織犯罪対策法案=通信傍受(盗聴)法案」だ。一体だれが、何を根拠に、だれの何をどこまで、どうやって…、というのがこれまた極めてあいまいなまま、権力によって国民のプライバシーが侵害されようとしているのである。まるで身に覚えのない事件に「関係あるかもしれない」というだけで、自分の大切なプライバシーがいつの間にか、すっかり丸裸にされてしまう可能性があるのである。電話も、インターネットによるメールの内容も、すべてが筒抜けになってしまうのだ。そんな危険な法律が今まさに、ガイドライン関連法と同じ構図で成立しようとしている。これは他人事では決してない。断固反対の立場を明確に表明しておきたい。

 ラフスケッチ 「ニフティ・スーパーインターネット」で毎月連載しているコラムのラフスケッチができ上がった。今後5回分についてである。とりあえずの方向性みたいなものが自分の中で組み上がったというのは、なかなかホッとするものだ。それから、先に小姑(笑)から指摘された「基本的な生活設計」についても、大まかなアウトラインが固まった。まあ、これでイケルだろう(^^)。


5月25日(火曜日) メキシコの友人が一時帰国

 メキシコから一時帰国した友人から電話をもらう。僕「会社を辞めたよ」。友人「何で相談しなかったんだ」。僕「え〜、メール出したじゃん」。友人「中南米をずっと旅行してたからパソコンは触ってないんだよ」。何とこの友人の勤務する会社(政府系機関)では、年1回の公式一時帰国の期間が1カ月以上あって、赴任地から帰国する際には「途中立ち寄り」が認められている。それで途中に観光旅行をしてきたというのだ。さすがは親方日の丸だなあ。国内での仕事をちょろっと終わらせたら、またまた休暇がたっぷりあるというから、横浜に遊びに来てくだされ。そしたら、静岡の友人宅へ一緒に遊びに行くかな。僕も時間はそこそこ自由になるから。

 インターネット界の有名人に取材でお会いする。内容は秘密。詳しくは、来月発売される「ニフティ・スーパーインターネット」の大岡みなみの連載コラムをお楽しみに〜(^^)。ちなみに、朝日新聞にも広告が出ていたけど、今月の「ニフ・スパ」(7月号)はきのう発売されました。連載コラムをよろしく〜。「酒鬼薔薇事件」とインターネットについての考察である。

 きょうの阪神 実に丸々6年ぶりの単独首位(苦笑)奪取をかけて、中日との頂上対決に臨んだきょうの阪神タイガース…。ファンはこの日が来るのをずっとずっと、しかしそれほど期待せずに待ち続けていました。だがしか〜し。某日本テレビは最下位・巨人と4位広島とのどうでもいい試合を中継しているのだった。馬鹿め。でもって結果は9回裏に逆転サヨナラ負けで、阪神の単独首位はお預けになってしまった。まあ、阪神ファンはそのくらいのことは、至極当たり前の出来事なので何とも思わない。でも、やっぱり今年の阪神は何かが違う。スポーツニュースで少し見たけど、首位攻防戦にふさわしく、両軍とも熱のこもった試合だったのは本当だ。


5月26日(水曜日) また阪神の話題です

 「私も阪神ファン」という同業他社の記者氏から、「今はまだ首位に立つ必要はないのでは」というメールをいただいた。うん、確かにそうかもしれないな。今の段階では2位できっちり追走している方が、阪神ナインは伸び伸びとプレーできそうだ。焦ることはない。どうせこれまで6年間、一度も首位になったことがないのだから。そして、終盤になってからサクッと抜き去り、見事リーグ優勝を果たし、さらに日本一になる。もちろん、巨人はビリだ。

 選手の意気込みが違う今年ばかりは、まじで阪神に期待していいかもしれない。だって、同じ負けるにしてもゲームを途中で放り出したりしないで、相手に必死で食らい付いていくし、やるべきことをやって負けているから、次回ゲームの糧になっているのだ。期待していないふりをしながら、しっかり応援しようと思う。そんなわけで、きょうの首位攻防戦は阪神の勝ち。またまた、中日との差はしっかり0.5ゲーム差に縮まったのであった(^^)。


5月27日(木曜日) 意思が弱くって…

 きょうは終日、原稿書きの日にしようと決めていたのだが、だめですね、意思が弱いもので。昼前に一度は起きたものの、昼食を食べてから再び爆睡してしまいました。えっと、これから精魂込めて原稿を書きます。ごめんなさい(>たぶんこの「身辺雑記」を見ているであろう編集者の皆様方)。

 きょうの阪神 首位攻防戦の3日目。残念ながら負けてしまったものの、最後まで粘りに粘る姿勢は本物だ。中日に7点差から1点差まで詰め寄ったのだから。本当によくやったという試合展開だった。うんうん、負けてもいいよ、そこまでやれば。それに引き換え、最下位の巨人はまたしても金にものを言わせて、外国人選手(マルちゃん)を獲得したのだそうだ。まったくどこまでも情けない球団だな。まあ、阪神ファンとしては全然オッケーですが。

 「セカンドインパクト」に「大岡みなみのコラム風速計」最新版を追加更新。「新聞社批判は公益にかなう」と題して、新聞社内の「異様な実態」を新聞社外(読者)に伝えるのは記者の責任であることを論じました。


5月28日(金曜日) 盗聴法案を強行採決

 「組織犯罪対策法案=通信傍受(盗聴)法案」が衆院法務委員会で、自民・自由・公明の3党によって強行採決された。これは実に危険な憲法違反の法律である。はっきり言って、日本は今後とんでもない管理・監視社会になる恐れがあるのだ。このことを僕たちはしっかりと認識しなければならない。

 「一般市民はこの法律とは無関係だから、決して盗聴されることはない」などと政府・自民党などは説明しているが、それはとんでもない大うそだ。例えば、あなたの友達の友達が覚せい剤に手を出していたとする。「犯罪に関係している恐れがある」との理由で、警察があなたの友達の電話を盗聴するうちに、あなたと友達との会話まで聞かれる可能性は十分にあるし、場合によっては「友達も共犯の疑いがあるので、友達が外からあなたにかけてくる会話を聞く必要がある」と警察が言い出せば、あなた自身の電話が盗聴されてしまうことだってあり得るのだ。盗聴の範囲や対象はどこまでも際限なく広がる。本人の知らないところで会話や通信が筒抜けになる危険性は極めて高い。

 野党に日程相談もせず、ろくすっぽ審議もせず、公聴会も開かない。なぜ、こんなに急に慌てて法案を成立させようとしているのだろうか。それはこの法律の実態や本質が、広く国民に知られて大騒ぎになると困るからだ。この期に及んでもまだ、この法律の危険性や本質はよく理解されてはいない。だから今のうちに、どさくさに紛れて成立させてしまおうというのである。僕だって自分が権力者の側だったら、同じようにするからね。

 正直に言って、盗聴法案がこんなにあっさり成立することになるとは思ってもみなかった。「まさか、こんなとんでもない法律が国会を通過するわけないじゃん」と思っていたのだ。きっと、ほかのマスコミ関係者も同じように驚いている人間が多いだろう。このような事態になったのは、公明党が自民・自由両党と手を組んだことによるのは間違いない。けれども、この法律の危険性をきちんと報道してこなかったマスコミの責任が大きいのだ。僕も含めて。

 思えば2年前、東京の出版社・現代人文社がいち早く出した「盗聴法がやってくる」というブックレットを、僕は編集長から贈呈されていたのだった。さらに昨年は、第2弾である「盗聴法がやってきた」という続編もいただいていながら、「まさかね…」で終わってしまい、真剣にこの法律の危険性を訴えることをしなかったのである。もちろん、たかだか僕一人が記事を書いたからといって、事態がどうなるとも思えないが、それでも少なくとも、法案の問題点を考えてもらう材料を1本でも2本でも送り出すべきだったのだ。ジャーナリストであるならば。深く後悔・反省している。

 ◆そんなわけで遅ればせながら、「サードインパクト」のフロントページに「盗聴法に反対する」というメッセージを掲載した。

 ◆それから、これは異例の呼びかけです。この「身辺雑記」をご覧になっている皆さんにお願い。公明党の支持母体である創価学会には、盗聴法に反対の人が相当の割合でいるそうなので、皆さんの知り合いに創価学会員がいたら、ぜひ「盗聴法賛成に回った公明党はおかしい」との意見を伝えましょう。まだ間に合います。

 連載執筆で煮詰まる 次回「ニフ・スパ」の連載コラムは、テーマの関係から3回で1セットにならざるを得ないのだが、原稿の分量配分がうまくいかないので、四苦八苦している。書くべき内容はほぼ固まっているのだけれど…。う、う〜む…。煮詰まった。

 ZARDのベスト 予約してあったZARDのベストアルバムと、「カレカノ」サントラ盤の第3弾を、上大岡の新星堂で購入する。ZARDのベストアルバムは、発売初日に早々と初回プレス分が売り切れになっていた。予約していなかったら買えなかったな。すごい人気だ。テレビや新聞での前宣伝も大量だったしなあ。少年エース増刊号「エヴァンゲリオン/コミックス総集編」を買う。う〜ん、まだまだ「エヴァ」から卒業できない…。


5月29日(土曜日) InfoWebのCM

 富士通がやっているプロバイダーのInfoWebのCMが笑える。宇宙人が地球征服にやって来てビルを破壊するのだが、何と宇宙人がInfoWebに加入していることが分かり(笑)、地球防衛軍らしき組織が電子メールで「カエッテクレ」と送信(?)すると素直に帰ってくれるというのだ。おいおい、どういう通信の仕組みになっているんだよ(爆)。で、宇宙人がInfoWebに入っていたので地球が救われたことが、今回の事件の教訓として語られるのである。馬鹿馬鹿しさが徹底していて、テレビを見ていて爆笑したぞ。あ、そういうことを言っている場合ではなかった。原稿である。煮詰まっていた「ニフ・スパ」のコラムは何とかめどが付いた。あとは、うまいこと今回のシリーズをまとめるだけである。ふう…。

 テレビ朝日の「ザ・スクープ」を見る。小児医療の問題点がきょうのテーマだったが、なかなかよく取材している特集だった。見習いたい。で、こういうのを見るといつも思うのだが、大学病院の勤務医は本当に大変である。「研修医なな子」(漫画&ドラマ)でも描かれていたが、通常勤務の後すぐに他病院での当直アルバイトに入り、朝までほとんど睡眠時間もなくて、再び通常勤務という具合の激務が続く。しかも、勤務医は給料も安い。看護婦もそうだが、こうした医療関係者の勤務状態も改善されなければ、安全で信頼できる医療は実現しないだろうと、改めて痛感した。


5月30日(日曜日) ZARDのベストアルバムを聴く

 「ZARD」のベストアルバムを聴く。気持ちのいいメロディーラインに、幸せと元気を感じさせる歌詞が心地よい。ところで、今回のアルバムには初回限定で、LPサイズの写真集「ARTIST FILE」が付いてくる。「オールカラー豪華36ページに、デビューからの未公開写真が満載」という歌い文句にうそはなかった。坂井泉水ってかわいいだけではなくて、いい表情をしている。ふ〜ん、この人が全部の歌詞を書いているのかあ…。これまで、そのことを知りませんでした。掲載されている関係者のコメントの数々も、ZARDというミュージシャンを知る上で興味深かった。

 「ニフ・スパ」のコラムは、無事にシリーズ3回分をまとめて出稿する。プロフィールの改訂版も併せて出稿。ほっとしたのもつかの間、今度は「コラム風速計」の締め切りがあったのだった。とほほ…だな。


5月31日(月曜日) 公明党議員の「暴走」

 会社を辞める報告をまだしていなかったので、知人の聖教新聞記者に電話する。で、当然のことながら話は、成立寸前の盗聴法案のことになった。聖教新聞は創価学会の機関紙で、そこの記者である知人はもちろん創価学会員である。「いや、公明党の国会議員には本当に困っているんですよ、もう支持しないぞって話していますよ」。かなり怒っている様子だ。公明党との連絡会議の席で、支持母体である創価学会から「盗聴法案の問題点」について申し入れしているのに、公明党の国会議員は全然言うことを聞かないのだという。「支持者の存在をすっかり忘れている。だれのおかげで議員になったと思っているんですかね」。怒りはごもっともだと思う。

 公明党の指導者は、自分たちのやっていることが政党として本末転倒であることに、たぶん気付いていないのだろう。「自自公」の枠組みの中で、キャスチングボートを握るという党利党略が最優先され、政党本来の「政策や理念」をすっかり忘れてしまっているのだ。選んでくれた支持者の声を代弁することこそが議員の仕事であるのに、とんでもない勘違いをして暴走しているようである。公明党と創価学会との間には大きな矛盾が生じているが、不幸にもこれが盗聴法を成立させる大きな要因になっているのだった。合掌。創価学会員の皆さん、何とか頑張ってくださいよ…。


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