身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2002年4月1日〜4月30日

●現場感覚に納得●きりたんぽ鍋●執筆マシーン●迷惑勧誘●プレッシャー●トトロのページ30万件●裁判官の本やっと最終段階●脱力…●少人数学級●値引きシール●鶏ガラ醤油ラーメン●山手線の「日テレ電車」●集中力●コンビニのファクス●有事法制に反対する●執筆記事のご案内●アンチ巨人●DVDプレーヤー●まともな裁判官●ほのぼの運転手●電話のおかげ●メディア規制に反対●「オトナ帝国の逆襲」●独立した個人●ピンバッジ●「クレヨンしんちゃん」への反響●●●ほか


4月1日(月曜日) 現場感覚に納得

 都内で区立中学校の先生から話を聞く。先週、教職員組合の関係者を取材した時に、どうも腑に落ちないなあと疑問に感じる事柄がいくつもあったのだが、きょう会った先生の言葉は一つ一つがとても共感できた。現場の感覚を率直に語ってくれるのを聞きながら、組合取材で感じた違和感に間違いはなかったと安心した。組合活動家としての発想と、現場教師の言葉にズレがあることが分かったからだ。もちろん組合関係者といってもいろいろだけど、少なくともこの前の取材では納得いかないことが多かった。そんなわけで、先生には忙しいところ3時間以上も話をしていただいて感謝。喫茶店のおばちゃんが、さすがにとっても迷惑そうな顔をしていた。


4月2日(火曜日) きりたんぽ鍋

 ゲラのチェックをして、電話取材をして、原稿を書いて…と、ほとんど分刻みであわただしく仕事。夕方から藤沢へ。高校の先生たちに誘われて秋田料理の店で歓談する。秋田で採れた初物の山菜の天ぷら、刺身といった料理をつまんで秋田の地酒を飲む。極め付けは秋田名物のきりたんぽ鍋だ。比内鶏のダシたっぷりのスープがとてもいい香りで食欲を誘う。そこにネギ、シラタキ、マイタケ、セリが加わって、きりたんぽがどさどさと入る。うま〜い。うるち米をすり潰して作ったきりたんぽって、こんなにおいしいものなんだと新しい発見だ。野菜がたくさんで健康的だし、きりたんぽ鍋は体が芯からぽかぽか温まる。…とは言ってもきょうの神奈川は6月下旬の陽気で汗ばむほどなのだが、しかしそれでもうまいものはうまい。厳寒の冬に囲炉裏端で食べたりしたらもう最高なんだろうな。先生たちは、子どもや教員の置かれている厳しい状況について興味深い話を語ってくれて、すぐには記事にならないけど今後の取材のヒントになった。原稿の締め切りがあるので残念ながら2次会は不参加。帰宅して再び仕事(涙)。


4月3日(水曜日) 執筆マシーン

 そんなわけで、ほとんど徹夜で原稿書き。ちょっと仮眠はしたけど。結局、昨日から今日にかけて、長短いろいろ取り混ぜて計5本の原稿を書き上げた。めっちゃ疲れる。夕方から東京・目黒へ。友人のフリーライターの出版記念パーティーに出席。太平洋戦争中に中国で虐殺や人体実験などを繰り返し、戦後は中国で戦犯収容所に収容された旧日本軍の人々(中国帰還者連絡会)の話をまとめた労作だ。会場には80歳を超える老人が参集し、「自分自身の極悪非道な行為を告白したのは、事実をなかったことにしてはならないとの思いからだ」などと語っていた。飲み食いしていたら猛烈に眠くなってくる。帰りの電車は、混んでいる快特から空いている普通電車に乗り換えて、座席を確保した瞬間に爆睡。


4月4日(木曜日) 迷惑勧誘

 午前中はゆっくり寝ていたかったのに、玄関からチャイムの音が何回も響いてきて、そのたびに起こされ睡眠を妨げられる。聖書の宣伝オバサン、新聞勧誘オヤジなどなど…。朝から(実際は昼近くなんだけど)うざいっつーの。しかもY新聞は別々の拡販員が時間差でやって来て、どちらも丁重にお引き取り願ったのだが、ちゃんと担当範囲を統一してから拡販しろっつーの。

 「セカンドインパクト」を更新。な〜んと2カ月半ぶりの更新です。「論説・解説・評論」のページに「全員一律、従わせる怖さ」をアップしました。朝日新聞北海道支社報道部が、北海道の公立高校卒業式をめぐって「君が代議論、埋まらぬ溝」と題する特集を組んで、そこに書いた論説記事です。北海道版に掲載されました。


4月5日(金曜日) プレッシャー

 夜の7時半から都内のある教育委員会を取材する。日中は会議が詰まっていてそこしか時間が取れないそうで、僕の方は一向に構わないのでその時間にお邪魔した。連日夜遅くまで仕事だそうで、ご苦労なことである。しょっぱなから「どんな立場で記事を書かれるのか、せっかく取材に応じてもマイナスに書かれるのなら意味がない」などと、強烈なプレッシャーをかけられた。うーん、行政なのだから説明責任があると思うので、市民や報道記者にきちんと話をしてほしいということなんだけどなあ…。マイナスになることは説明しないというのは、公的機関の公的な立場としては通用しないんじゃないだろうか。どうもそこのところをあまり理解されていない様子だけど、そんな入り口で議論しても始まらないから、「あらかじめ先入観を持って取材することはない。どんな問題でも賛否両論があるわけで、それぞれの言い分や考えを聞いたうえで読者に判断材料を示したいと考えている。取材を通して是々非々で判断するのが記者の務めだ」と返答してとりあえず納得してもらうが、かなりの圧力を感じたのは事実である。

 まあ、一方的な主義主張を展開するのではなく、双方の言い分を公平に聞いたうえで、それをきちんと記事に反映させるのは大切なことだ。同人誌や機関誌じゃないんだから。内容が意に反する結論になっていたとしても、相手が納得できる書き方はしなければと思う。しかし、これが実は難しいんだけど。

 阪神タイガースがヤクルトに勝って、開幕6連勝。強い、強い、強〜い。勝率10割でセ・リーグ1位だ。46年ぶりの開幕4連勝だとか、64年ぶりの開幕5連勝だとか、もうほとんど歴史的なお祭り騒ぎだけど、どうかこのまま突っ走ってくれ。闘う阪神タイガースのパワーを持続して、無気力ブランドを返上だ。


4月6日(土曜日) 雲散霧消

 朝から川崎へ。都内の公立中学校の先生から話を聞く。取材している問題の背景やポイントを、実に見事に分かりやすく整理して話してくれたので、頭の中がすっきりした。「なーるほど、そうか、そういうことだったのかあ」といった感じである。どうもいま一つ行政の意図するものが見えてこなくて、霧がかかったように感じていたのだがこれで合点がいった。横浜に戻って図書館で調べものをしてから、大小の書店を5〜6軒ほど回って欲しい本を探すが見つからず。久しぶりにたくさん歩いた。


4月7日(日曜日) トトロのページ30万件

 報告するのが遅れてしまったけど、「となりのトトロのページ」の延べアクセス件数が、4月4日で30万件を突破した。「トトロのページ」はサイト全体を統括する「サードインパクト」の中のコーナーの一つであるわけで、その「サード」のフロントページの延べアクセス件数が21万件だから、本家をはるかにしのぐ訪問者がいるということになる。ちなみに「サードインパクト」のサイトがスタートしてから5日後に開設したのが「トトロのページ」で、2日後に作った「エヴァのページ」に次ぐ老舗ページなのだ。

 しかも本家のフロントページの方は開設以降のアクセスデータの累計だが、「トトロのページ」は、1997年9月の開設から2000年6月までのアクセスデータの記録は残っていないので、たぶん30万件よりもずっと大勢の方々が訪問してくれていると思われる。ちょこちょこいただく感想メールも、お母さんお父さん世代や小学生から大学生までとても多様で、いかに幅広い層からトトロが愛されているかがよく分かる。というわけで、更新頻度はゆっくりですが、これからも「トトロのページ」をよろしくお願いします。


4月8日(月曜日) 裁判官の本やっと最終段階

 東京地裁と東京高裁のすべての部総括判事(裁判長)を対象に、経歴や主な担当事件、訴訟指揮、当事者に対する態度などを、実名を出して単行本にまとめる作業を続けてきたが、ようやく最終段階にたどり着く。東京・四谷の出版社で編集者と細かい表現の検討をして、第2校のゲラのチェックを約5時間かけて終えた。これでこちらの手はほぼ離れたことになる。あ〜、疲れた。取材やまとめに相当な時間をかけた割には、たいしてお金にはならないところが悲しい。いわゆるベストセラーになるわけないもんな。ページ数が多いのでちょっと定価が高いんだけど、でもそれなりに面白い本だとは思う。5月初めに出版予定。詳細が確定したらまた改めて、ネット上でもアナウンスするつもりだ。


4月9日(火曜日) 脱力…

 都内のある教職員組合に出かけた。ところが片道2時間近くかけて行ってみたら、約束していた担当者である組合幹部がいない。急に法事が入ったそうなんだけど、だったら事前に連絡くらいしてくれよ〜。往復4時間も無駄になるんだからさ…。おまけに事務所には代わりに事情の分かるような人はだれもいなくて、もうただ呆然と引き返すしか選択肢はないのだった。すっかり脱力する。


4月10日(水曜日) 少人数学級

 都内の小規模小学校を取材した。新入学の子どもが集まらないので、1学年に児童は10人ほどしかいない。当然のことながら各学年にクラスは1つだけで全校生は60人という状況だ。ところが児童が少ないから寂しそうで元気がないかと思っていたら、少人数であることを逆手に取って指導はきめ細かく、学年の壁も取り払って上級生と下級生の交流が活発化しているという。かつては1クラスに子どもを45人も詰め込んでいて、教職員組合などが30人学級の実現を求めたりしていたが、少子化の影響もあって期せずして「超少人数学級」が実現してしまったわけだ。まあ、もちろんいいことばかりではないんだけど、そういう学校で何ができるかということを校長さんも楽しんでいる様子で、いろいろ考えさせられることが多かった。夕方から、きのう空振りに終わった教職員組合へ。幹部会議の前になんとか時間をつくってもらう。こちらはお願いして話をうかがわせていただく立場なので、もちろん無理強いすることはないのだけど。そんなわけで予想していた通りのお話が聞けた。


4月11日(木曜日) 値引きシール

 横浜駅前のダイエーで午後10時過ぎに、惣菜などの食料品を買い込む。この時間に行くと値引きシールが張られて、正規の値段の3割引きとか半額とかになるのだ。午後9時半くらいから食料品売り場をうろうろしていたら、値引きシールが次々に上張りされて割引き率がどんどん上がっていく。そうして「半額」のシールが張られたところで、あらかじめ見定めていた品物を素早くゲ〜ット。ほかに百戦錬磨のおばちゃんたちも狙っているからね、早いもの勝ちなのだ。いろいろ買って全部で1400円ほど。これは安い。かなりの節約になった。ついつい余計なものまで買ってしまうことさえ気を付ければ、こうした値引き販売を利用しない手はないだろう。閉店間際のスーパーで食料品を安く買うというのは、まさに庶民の生活の知恵とゆーものだ。重宝してちょこちょこ安く買っている。話が貧乏クサイってか。つーか、貧乏なんだよっ。


4月12日(金曜日) 気心

 最初はつっけんどんで、なかなか心を開いてくれない人でも、何回も会ったり話をしたりするうちに、少しずつ気心が知れるようになる。そういう積み重ねによって人間関係をつくり、信頼関係を築いていくのは記者活動の基本だ。まあ、面倒くさいと言えば面倒くさいし嫌な思いをすることもたくさんあるし、相性の問題もあるんだけど、そんな一つ一つが大切な「財産」になるというのが、記者の醍醐味や楽しさだったりする。ほかの仕事でもそうだよな。

 阪神タイガースは横浜に勝って10勝に一番乗り〜。できることなら、このめったにない「夢」が少しでも長く続くようにと祈るばかりだ。もちろんずーっと勝ち続けることを願っているけど…。


4月13日(土曜日) 鶏ガラ醤油ラーメン

 横浜市内の環状2号沿いに新しくできたラーメン屋で、なかなかうまい鶏ガラ醤油ラーメンを食べた。スープが澄んでいてコクもある。横浜のラーメンは「とんこつ醤油」と言って、そのほとんどはスープが濁っていて油ぎっとり。ひどいのになると表面に厚さ1センチくらいの油が浮いている。本当の九州のとんこつラーメンはこういうのじゃないと思うんだけど、横浜の人たちにとってはそれがうまいラーメンなんだそうな。僕には信じられない感覚だけど。そんなわけで、横浜で油ギトギトじゃないまともな醤油ラーメンを食べたのは、今回でようやく2軒目なのでちょっと感動した。細めの麺もシコシコしていて食感がいい。惜しいのはチャーシューがイマイチだったこと。店内には「当店自慢のチャーシューをどうぞ」なんて書いてあったけど、さほどうまくなかった。


4月14日(日曜日) 山手線の「日テレ電車」

 このあいだ山手線のホームで電車を待っていたら、車体に「日テレブランド」などと書いた車両が入ってきた。下品なCMをでかでかと刷り込んで、みっともないなあと思いながら乗り込んだら、なんと車内の中吊り広告も壁面広告も、とにかくすべてが日本テレビの番組宣伝という「日テレ電車」だった。まあ、早い話が日テレによる車両ジャックといった感じである。普通なら特に読む本がなくて眠くもない場合は、週刊誌の見出し広告を眺めたり、進学塾のクイズ広告を解いたりして暇をつぶすわけだが、日テレ関係の広告しかない車両だとほかに選択の余地はない。確かに乗客の会話を聞いていると、自然と日テレ番組に関するものばかりになっていったから、広告効果はそれなりにあったと思われるけど、中には不愉快に思っていた乗客もいたかもしれない。いろいろと番組の読み物的なものが書かれていて、熱心に読んでいる乗客もいたが、まるで無視して目を向けようともしない乗客もかなりいた。僕はへえーっ思って読んでみたけど、やはり「それしか選択の余地がない」という環境には、不快感や圧迫感や反発をもたらす側面もあるだろう。ところで日テレは「視聴率王」なんだそうだが、僕は日テレの番組ってほとんど見ないんだけど、そんなに人気があるのかな。


4月15〜16日(月〜火曜日) 集中力

 終日、取材のまとめと原稿執筆。その合間に電話で確認取材。超多忙らしい教育委員会の課長が、何回電話してもなかなかつかまらないので閉口する。それはさておき、集中力の欠如にはわれながら情けなくなる。徹底的に追い込まれないと集中できないなんて、プロとしてどうしようもないよなー。まったく。


4月17日(水曜日) コンビニのファクス

 写真を現像に出し、出来上がった写真をコピーしたものをコンビニから編集部へファクス。もちろん現物は後で届けるのだが、こういう写真を使いますという参考にしてもらうのである。初めてコンビニから送信したが、たった1枚をファクスするのに150円もかかるので驚いた。ホテルの通信料金も馬鹿にならないけれど、とにかく外でファクスするのはなるべくやめよう。夕方から横浜駅前の喫茶店で、月刊S誌の女性編集者と企画の打ち合わせ。司法関係など真面目な硬派のテーマもいいけど、漫画やアニメや映画など、軟らかい原稿も書きたいなあと打診してみる。せっかく硬軟両刀雑誌とお付き合いする機会ができたので、と思って言ってみたら前向きな反応があった。息抜きというのではないけど、たまには趣味を生かした仕事もして遊んでみたいです。よろしく〜。


4月18日(木曜日) 打ち合わせ

 東京・水道橋の雑誌編集部へ写真を持参する。帰ろうとしたら別の編集者に昼食に誘われ、食後に喫茶店で新しい企画の打ち合わせなど。面白そうな取材対象ではあるけど、やるとしたら長期戦になるだろうからなあ…。とりあえず資料などを読んでみて検討することにする。秋葉原でコミックスなどを買い物をしてから、横浜で中学時代の友人と飲む。


4月19日(金曜日) 有事法制に反対する

 有事法制関連3法案が閣議決定されたが、全面的に反対の姿勢を表明する。早い話が戦争ができる国への準備であり、すべての国民を国家のもとに一元化してしまう恐ろしい法律であることを、きちんと自覚しなければならないと思うんだけど、そういうことが結び付かない人の方がたぶん多いのだろう。「備えあれば憂いなし」などと、小泉首相は何とかの一つ覚えのように繰り返しているが、実際はまったく逆で戦争に巻き込まれるだけだし、そもそもこの法律の本質は「国民の私有財産や権利が一方的に制限を受ける」ところにこそある。詐欺的な論理のすりかえにだまされてはいけない。

 戦争はすべての幸福を根こそぎ破壊する。フツーの市民生活を根底から否定する最大の行為が戦争だ。だから、日本国憲法は武力による紛争解決(戦争)を明確に否定する。市民生活が破壊されるのはよそからの攻撃だけじゃない。平和な状態なら厳重に守られているはずの「私有財産」が、戦争になったら国家によって一方的に制限されることになる。自分の住んでいる家や土地に、軍隊が突然土足で踏み込んできても一切文句は言えない。放送局は政府の管理下に置かれ、言論の自由や集会や通信なども制限を受ける。「非常事態」を理由にさえすれば盗聴や予防拘禁など、問答無用の規制や管理がまかり通るだろう。財産も権利も人権もすべて制約を受けるのだ。武器でドンパチやるだけが戦争ではない。

 そうした戦争の本質を認識したうえで、日本国憲法の理念のすべてをないがしろにする「有事法制」に、それでも賛成するのかどうか。まさにその覚悟が問われているということを訴えたい。


4月20日(土曜日) 執筆記事のご案内

 執筆記事のご案内など。よかったら書店で手に取って読んでみてください。その1。エンターテイメント情報誌「サイゾー」5月号(4月18日発売)の小特集「トンデモ裁判ガイド」に、解説記事とコラムを書きました。「東電OL殺人事件」や「金髪先生」の公判を事例に、「トンデモ裁判事件簿」としてモンダイのある裁判官を紹介しています。「サイゾー」というのは「『噂の真相』をもう少し上品にビジュアル化してヤング向けにした」などと評されている月刊誌です。

 その2。来週の金曜発売の「週刊金曜日」4月26日号には、ルポ記事「学校選択制で揺れる地域」が掲載されます。学区を越えて希望する公立小中学校が選べる「学校選択制」のリポートです。導入が進む東京都内の様子を報告しながら、その背景や問題点を考えます。昨秋から単行本の取材・執筆作業にかかりきりだったので、久しぶりにようやく長めのルポが書けました。少し満足。


4月21日(日曜日) アンチ巨人

 きのうの阪神タイガースは巨人を10対2と大量得点で下したので、久しぶりにすかっとした。きょうは雨のため試合中止。それにしても、巨人をコテンパンにやっつけるとどうしてこんなに気持ちいいのだろう。巨人ファンの中には「阪神が強いと巨人ファンの自分でさえうれしくなる」などと、寛容なことを言ってくれる人もいるようだが、阪神ファンは巨人に対してそんなことはまるで思わない。「ほかのチームに負けても巨人だけには絶対負けるな」と言うのが阪神ファンだ。関西人は「アンチ東京」の気持ちが強くて、その延長線上に「アンチ巨人」がある。僕は大阪生まれだけど小学6年からは東京育ちだから、小学生のころと違ってさすがにもう「アンチ東京」感情はない。しかし阪神ファンのおっちゃんが必ず口にするように、やっぱり「巨人だけには絶対負けるな」の気持ちはとてもよく分かる。たぶんそういう思考パターンが、関西人のDNAに組み込まれているのだろう。星野監督も「アンチ巨人」の姿勢は徹底しているので、それが阪神気質にマッチしているのだと考えられる。野村前監督みたいに「アンチ長島」ではだめなのだ。

 DVDプレーヤー 念願のDVDプレーヤーを購入した。説明書をざっと読んで機能や使い方を理解して、セッティングを済ませると結構な時間になってしまう。ソフトを見るのはまた後日にしようと思っていたけど、とりあえず調子だけ確かめておこうと思って再生を始めたら、やっぱり延々と見てしまった。せっかく買ったんだから、どうしても見入っちゃうよな…。「水色時代」の1〜6話を見た。ていねいに製作されているのがよく分かるし音楽もいい。なかなか楽しめる。DVDはビデオとは比べ物にならないほど高画質で、おまけに頭出しや早送り再生も瞬時にできて感動的だ。


4月22日(月曜日) まともな裁判官

 午後から東京地裁へ。「君が代」の伴奏を拒否して処分された都内の小学校教員が、処分の取り消しを求めて提訴した訴訟の第2回口頭弁論を取材。今回から単独法廷の裁判官が交代した。訴訟指揮を見ている限りはざっくばらんで、理解力もかなりありそうな若い裁判官だ。「君が代を伴奏するのは教員の職務なんですか」「録音テープを流して歌ったのにそれでも処分するのですか」と、不思議そうな顔をしながら被告の東京都側に質問するのを聞いていて、きわめてニュートラルな裁判官だなあと感じた。しかし原告側代理人(弁護士)は「対応はフランクでも判断は硬直している場合もあるからね」と簡単には信用しない様子だ。法廷はこの後、単独から合議に変更される可能性が高い。「老練な裁判長が登場すれば、若い裁判官の判断はあまり考慮に入れられず、審理の行方はあまり期待できなくなるだろう」と弁護士は鋭い分析をするのだった。なーるほど。久々にまともな裁判官に会えたと思ったんだけど。四谷の出版社に寄って、別の出版社からファクスしてもらったゲラをチェックする(おいおい)。編集部員と軽く雑談して帰宅。


4月23日(火曜日) 雑用

 短い原稿を2本ほど書いて送信。電話取材やアポ取りなど。片付けなければならない雑用がたくさんあって、なかなかDVDソフトを見たり本を読んだりできない。地道にこなすしかないのは分かっているけど…(涙)。


4月24日(水曜日) ほのぼの運転手

 郊外型の大規模量販店で買い物。駐車場を出ようとしたら、すぐ前に「仮免許運転中」のプレートを付けた乗用車が…。おいおい、そんなの付けて買い物に来るなよな〜と思っていると、初心者マークの付いた乗用車がすーっと合流してきた。う〜ん、危なっかしいから、あんまり近寄りたくないな。幹線道路に入ると今度は、後ろの窓のところに「たれぱんだ」のぬいぐるみを、ぎっしりと十個以上も並べた車が…。そうか、きょうは「ほのぼの運転手」の皆さんが、ゆっくり落ち着いて走る日なんだ。そう考えると心がなごんでくる。でも、仮免許の車にはやっぱり近付きたくないけど。暴走運転手が傍若無人に猛スピードで走り回るよりは全然いい。


4月25日(木曜日) 電話のおかげ

 朝方に寝たので昼過ぎまで爆睡していたら、編集者からたまたまかかってきた電話に起こされた。いつの間にか目覚まし時計を止めていたらしい。やっべ〜。このまま寝ていたら、約束に間に合わなくなるところだった。電話のおかげで助かったよ…。夕方から都内の教職員組合へ。「教育改革」の学習会を傍聴取材させてもらう。学校選択制がテーマ。ちょうどあす発売の「週刊金曜日」に書いたルポ記事と、報告された内容の一部がダブっていたが、僕の取材の方が充実していて深く突っ込んでいるな、などと心の中でひそかに自画自賛しながら討議に耳を傾ける。「学校選択制」に関心のある先生方や保護者には、ぜひ記事を読んで参考にしてもらいたい。

 発売されたばかりの「ちょびっツ」第5巻を購入。初回限定版には缶入りのパズルがおまけで付く。単行本だけの通常版よりも値段が高いのでしばし思案するも、結局は限定版を買ってしまった。

 トンデモ運転手 きのうとは逆に、きょうは危なくて乱暴な運転をするとんでもない連中が多くて、実に怖い一日だった。車一台分しか通れない細い道を徐行もせず、しかもクラクションを鳴らして歩行者を威嚇するように走り去った車だとか、見通しの悪い信号機のない交差点をブレーキもかけずに、そのまま右折してきた車だとか。特に後者は暗がりだったんだけど、もしも進行方向に人がいたらどうするつもりだったんだろうと考えると、ぞっとする。


4月26日(金曜日) メディア規制に反対

 一昨日の24日に人権擁護法案の審議が参院で始まり、25日には個人情報保護法案の審議が衆院で始まった。この2つに、青少年有害社会環境対策基本法案を加えると「メディア規制3点セット」になるわけだが、先の有事法制関連3法案とともに、強く反対の意思を表明する。…ってゆーか、これまでも何回かこのホームページで書いているんだけど、いよいよ審議入りしたというのはかなり由々しき事態なので。しかし、盗聴法や国旗・国歌法や周辺事態法や住民基本台帳法改正(国民総背番号制)などと同じように、これもまたすんなりと可決・成立してしまうような気がする。ことの本質を理解していない議員(政党)が、賛成してしまうだろうから。この期に及んで、ようやくメディア各社も反対キャンペーンに乗り出したみたいだけど、本当は選挙の時にこそこういう問題は訴えておくべきだったんだろうなと、今さらながら思う。

 それにしても本来は、名簿や個人情報の流出による迷惑な勧誘電話やダイレクトメール対策とか、行政機関による人権侵害などへの対応が目的だったはずだ。それなのにそうした問題とメディア規制がごっちゃにされて、いつの間にかメディア規制そのものが目的のようになってしまったのは、さすがと言うしかない。そもそも法律のネーミングが耳に心地よくてウマイよな。もちろんメディアの側に問題があるのはその通りだ。個々の記者にも問題はある。何のために記者になったのか分からないようなのもいれば、まともな取材もしないでカッコだけつけている評論家みたいなのもいるし、堂々と人権侵害そのものの取材をしてニュースにする連中が存在するのも事実だ。しかしだからと言って、ミソもクソも一緒にしたメディア規制を受け入れるわけにはいかない。言論・報道・表現の自由を不当に制約・規制し、公権力が介入するものであって、結局は市民の利益(知る権利)を損なう重大な行為だ。

 何回も繰り返し反復して訪ねて、都合の悪いことや話したくないことや隠しておきたいことを聞き出して、問題の背景や本質に迫ることこそジャーナリズムの基本だ。それは市民が判断する材料を提供するために、市民の目と耳の役割をメディアが担っているからこそでもある。本来の役割を果たそうともせずに不法行為を続けるメディアに対しては、現行の法律と訴訟で十分に対抗できる。公権力によるメディア規制がまかり通れば、最終的に損害を被るのは市民の側であることを認識してほしい。

 だけど実は僕が一番不愉快に思うのは、ジャーナリズム本来の仕事に取り組む努力もしないで、したり顔でエラソーなことを言ったり書いたりしている連中なのだ。評論するのはだれにでもできるっつーの。記者だったらとにかく取材してみろよな。大変だとかデスクがアホだとか言ってるだけ。「じゃあ、お前はどんな記事を書いたんだよ」って突っ込みたくなるんだよなー。厳しくて困難な状況のなかで、できることをやってから言わないと説得力ないだろ。

 (最後の段落部分はどうしようか迷ったが、どうにも我慢できずに書いてしまった。最近は、なるべくこーゆー刺激的なことは書かないようにしていたんだけど。書いても理解できずに反発する人が世間にはいるもんで。まあいっか)


4月27日(土曜日) 「オトナ帝国の逆襲」

 2週間前にたまたまテレビで、映画「クレヨンしんちゃん」第9弾「嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」(2001年GW公開)を見た。これがなんとも泣かせる話で、「クレヨンしんちゃんもなかなか侮れないな〜」と実はひそかに感動していたのだが、さすがにちょっと恥ずかしくて黙っていた。ところが、深夜のラジオ番組でパーソナリティーが「テレビで見たけど泣かされた。監督も、子ども向けでなくて最初から大人を相手に作ったと話していた」とコメントするではないか…。まさに、わが意を得たり。

 映画は、春日部で「二十世紀博」というテーマパークが開かれたところから始まる。60年〜70年代の懐かしいテレビ番組や街並みや暮らしが再現されて、喜んだ大人たちは仕事や家事を放り出して子どもの心に戻って昔の世界を楽しむのだが、本物の子どもたちの未来が否定される「オトナ帝国」から、しんのすけたちは両親を取り戻そうとする…という内容だ。懐かしさの根源には「におい」がある、昔はさまざまな「におい」があふれていた、という指摘には思わずうなずかされる。大阪万博のパビリオンなどのディテールにこだわるなど、一つ一つの描写のリアルさにも感心させられる。

 それにしても、感動したことを恥ずかしく思うなんてわれながら情けない。自分が感じたことや思ったことは、たとえ少数派であっても自信を持って主張すべきなのに、「こんなふうに考えるのは自分だけではないか」と思って黙ってしまうとは、まだまだ人間の修養が足りない証拠だ。つーか、小心者なんだろう。反省。まあ、人間だれでも異端の存在にはなりたくはないものではあるけど。


4月28日(日曜日) 独立した個人

 後輩記者から、記事を読んだという連絡と異動のお知らせをもらった。そのなかに「どんな環境であれ『独立した“言論機関”としての個人』は維持します」との文章があった。う〜ん、なかなかいい言葉だなあ。会社組織の論理に盲従するだけの「社畜」にはならずに、ジャーナリスト個人として独立した気概で頑張りたい、ということなのだろう。その意気と決意を全面的に支持したい。


4月29日(月曜日) ピンバッジ

 ピンバッジ(ピンズ)が好きだってことを、前に書いたような気がする。どういうのが好きかというと、トトロやヒョウタンツギなど、お気に入りキャラクターのピンバッジである。イイ感じのを見つけるとちょこちょこ買っているのだけど、阪神タイガースのピンバッジもあるのだろうか。そもそも「阪神グッズ」はどこで売っているのだろう。甲子園球場とか阪神デパートに行けば球団応援コーナーがあって簡単に手に入るのだろうが、関東地方だと入手はかなり難しいかもしれない。東京ドームあたりにはありそうだが、そもそも野球場なんて行かないからな。だからせめてピンバッジで応援しようと思っているんだけど。


4月30日(火曜日) 「クレヨンしんちゃん」への反響

 先日このページで「クレヨンしんちゃん」の映画「オトナ帝国の逆襲」について書いたところ、「身辺雑記」を読んでくださっている方々から「私も見て感動しました」というメールをいくつかいただいた。「子供に引っ張られてやって来た親たちに見てもらおうと作ったんだなって思った。しんちゃんて結構面白かったんだなと再認識しました」とか、「映画上映時からオトナに評判がよかったらしい。私もしんちゃん侮れないと思いました」などと、みんな意外な面白さに受けている様子だ。ちなみに「クレヨンしんちゃん」の劇場版は、どのシリーズもいつもクオリティが高いという。お子様アニメだからと言って手を抜いていないところが、自然と高い評価につながるのだろう。みなさん、劇場版をテレビで見て、クレヨンしんちゃんの奥深さを改めて実感したってところかな。


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