身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2002年9月1日〜9月30日

●今こそ脱原発●納豆●続・納豆●てんこ盛りラーメン!●「不審船」って何?●キーボード壊れる●スーパー&コンビニ雑感●ADB規格●横浜市の住基ネット対応は良心的か●米国の「正義」●右翼3人に論告求刑●安くてうまい!●特許権と著作権●メールについてお願い●国と国が対立することの悲劇●出題!「首相官邸」●在日朝鮮人への攻撃●体育祭の「騒音」●不在配達●日本語を愚弄するNHK●阪神最後の意地?●住基ネット非通知申請をする●「カレカノ」第14巻●支持政党なし●深夜の空腹●農林水産省の食堂●●●ほか


9月1日(日曜日) 今こそ脱原発

 20年ぐらい前に見たテレビCMで、東京電力は「電力の4分の1は原子力発電です」と宣伝していた。それがいつの間にか「3分の1」になっているのを不安に感じていたら、現在は「半分」と宣伝しているんだよな。「火力、水力発電などとバランスよく…」などと東電がPRしていたのはまるっきりの欺瞞で、原子力発電の比率をひたすら高めてきたのが実態だったのだ。そこへきて長期にわたる原発のトラブル隠しと、検査データ改ざんの発覚である。原発そのものの安全性だけでなく、放射性廃棄物の処理、原発の現場底辺労働者の被ばく、さらに隠蔽やごまかしがまかり通る業界の体質など、原子力発電にはあまりにも問題がありすぎる。いったん事故が起きれば、取り替えしがつかない大惨事につながるというのに。脱原発の世界的潮流に逆行して、原発を推進する日本の電力会社の意図はどこにあるのだろう。公開性と信頼性にはほど遠いことが明らかになった今こそ、真剣に脱原発に方向転換すべきだ。


9月2日(月曜日) 納豆

 ここ最近のマイブームは納豆だ。毎日の朝食はほとんど納豆を食べている。ただでさえ安いのに、近くのスーパーで3パック100円とか98円で売っていて経済的だし、ご飯と納豆と味付け海苔だけで十分に満腹感が味わえるのだ。しかも健康食品だから、なかなか快便効果があったりする。関西出身者は納豆の嫌いな人が多い。そもそも関西人には納豆を食べる習慣があまりないし、うちの家庭でもそうだったのだけど、なぜか僕だけ納豆を食べるので不思議がられていたんだよなあ。ちなみに、とろろそばやなめこそばに納豆を混ぜて食べるのも、かなりイケてると思う。ネバネバ系の食べ物が好きなのかもしれない。そう言えばオクラも好きなんだよね。


9月3日(火曜日) 続・納豆

 きのうの「身辺雑記」で納豆について書いたら、兵庫県の宝塚育ちの男性の方から、「昭和20年代の小学生のころ、納豆売りから納豆を買って食べていました。一般的には関西は納豆がダメと言われていますが、宝塚や有馬など旅館街では客の影響もあってか昔から納豆が扱われていて、旅館だけでなく一般にも売られていたようです」というメールをいただきました。なるほど〜。もちろん個人差はあるのでしょうけど、必ずしも関西地方全域で納豆を食べる習慣が全くなかったというわけではなく、地域によっては昔から食べていたところもあったのですね。貴重なご指摘をいただき、ありがとうございます。勉強になりました。ちなみに「関西では昭和30年前半まで、餃子も一般的ではなかった」のだそうです。僕が子どものころはごく普通に食べていたので、これも意外な話ですね。食文化の歴史についていろいろ調べてみたら面白いかも…。

 ついでだが、関西納豆工業協同組合などによると、ここ最近は関西人の味の好みにも変化が出てきたようで、兵庫・大阪・奈良・香川・高知などで納豆の消費量が増えているという。もともと消費量が少ない地域だったから伸びが目立つこともあるのだろうが、スーパーの店頭に納豆が並ぶなど、決して珍しい食品ではなくなってきたらしい。関西家庭の食卓に着実に浸透しつつあるのは確かなようだ。もちろんそうは言っても、年間消費量は関東や北海道と比べたら全然少ないのだけど…。

 そんなわけで、きのうの「身辺雑記」で「関西人には納豆を食べる習慣そのものがない」と断定して書いてしまった部分を、「関西人には納豆を食べる習慣があまりない」と修正しました。


9月4日(水曜日) てんこ盛りラーメン!

 東京・水道橋の新聞労連で、記者研修会の打ち合わせ会議。今年は秋に沖縄で開催。大まかな内容が決まった。会議が終わってから記者仲間のS氏に誘われ、高級クラシックカーに乗せてもらって赤羽のラーメン屋へ。慶応大学の正門前にある本店から、のれん分けされた人気店だそうで、夜中なのにずらっと行列ができている。出てきたラーメンを見てびっくりした。とにかく量が多い。麺も野菜もニンニクも、山のようにてんこ盛りなのである。それで650円。慶応の体育会系学生たちを中心に絶大な支持があるというのも、なるほどよく分かる。しかもこれだけ圧倒的なボリュームだというのに、最後まで食べさせてしまうのだからすごい。女の子でも全部平らげてしまう。う〜む…。味はややこってりした醤油ラーメンなんだけど、しつこくないところがいいのかもしれない。しかし店内は暑いし、食べても食べても減らないしで、もう汗だくだくである。比喩のたぐいなんかではなく、本当に瀧のように汗を流しながら食べた。こんなラーメンを食べたのは初めてだよ…。これほど大量のニンニクをラーメンに入れて食べたのも初めての経験だ。うまかったけど、たぶん強烈な臭いなんだろう。翌日は絶対に取材なんかできないなと思った。電車がないので、横浜まで車で送ってもらう。感謝。でも高級クラシックカー(外車)だから、冷房などという邪道なものはないのである。あ〜、暑い…。午前1時半帰宅。


9月5日(木曜日) 「不審船」って何?

 能登半島沖で「不審船」が見つかったそうだが、ものすごく意図的で不自然なものを感じる。日本政府の対応に対してである。船体には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の国旗を示し、北朝鮮の地名も明記していたというのに、それを「不審船」と呼ぶのはそもそもおかしいんじゃないか。しかも日本政府はそうした事実をなかなか公表しなかった。さらに「不審船」が見つかった場所も、実際にはロシアや北朝鮮の沖に近く、能登半島からは、はるかかなただったという。国土の周辺で監視活動をするのは主権国家として当然のことだと思うが、危機管理だとか「不審船」の警戒体制などと根拠もなく大騒ぎするのは、必要以上に危機感を煽っているようにしか思えない。事実を隠したり、ねじ曲げたりして煽るのを「謀略」という。意図的で怖いものを感じる。


9月6日(金曜日) 軟弱

 朝からずーっと雨。まるで梅雨みたいだ。こういう日は外出しない(おいおい)。涼しくていいと感じていたが、夕方になって雨が上がったら、またまた蒸し暑くなってきた。うーん、こりゃたまらんなどと言いつつ、止めていたエアコンのスイッチを入れてしまう軟弱な自分。ああ、情けない…。


9月7日(土曜日) キーボード壊れる

 愛機Performaで使っているキーボードの「リターン・キー」が壊れた。内部配線の接触部分は大丈夫なのだが、キーを支える下部が折れてしまったのだ。使い辛いったらありゃしない。いかに「リターン・キー」が重要で、しかも使用頻度が高かったか改めて認識した。そう言えば2年半前にも「リターン・キー」が壊れたため、現在のキーボードに買い換えたのだった。相当酷使しているんだなあ…。確かに文章がうまく書けなくてイライラしていたり、精神的に不愉快な気分だったりすると、特に「リターン・キー」に八つ当たりして、叩き付けるようにしてキーボードを打つようなことをしていたからなあ…。ごめんね…。ふか〜く反省しています。


9月8日(日曜日) スーパー&コンビニ雑感

 近所のスーパーに行ったら、納豆が3パック168円で売られていた。ちょっと待てよ、これじゃあ2パック108円で売っているコンビニよりも割高じゃないか。コンビニよりも値段の高いスーパーなんて意味ないっつーの。そんなわけで、しばらく朝の納豆はお休みだな。やれやれ…。コンビニと言えばセ◯ンイレブンの弁当って、ほかのコンビニよりも百円くらい高いんだよなー。しかも何気なくいつの間にか値上げされてたりもするし。確かに味の面では比較的まあまあ外れはないとは思うけど。味と値段を総合的に考慮して評価すれば、弁当はロー◯ンが一番かもしれない。

 新しいキーボードはまだ買っていない。とりあえず「リターン・キー」のカバーを取り外して、直接内部のボタンを押すようにして使っている。ちょっとぎこちないけど、何とか文章のリズムを崩さずに支障なくキーが打てるといった感じだ。…って、いいから早くヨド◯シカメラに買いに行けよな。


9月9日(月曜日) ADB規格

 朝から都内の病院へ。手術後の経過は順調で問題なし。ヨド◯シカメラをのぞいてキーボードを探す。最近はUSBが主流なので、PerformaのADB規格キーボードは取り寄せになってしまうと店員さんに言われてしまった。あー、やっぱり…。確かに僕のパソコンはもうずいぶん古いしねー、時代に乗り遅れているのは分かっているけど、でもきっちり働いてくれて何の支障もないわけで、わざわざ新型機を買う必要がない。つーわけで、まだまだ現役で使うつもりだが、そうか取り寄せかあ…。だったら東京都内に出たついでに、秋葉原でADB規格のキーボードを探してくればよかった。近いうちにまた秋葉原に行くから、キーボードの買い換えはそれまで保留ということにしよう。

 「彼氏彼女の事情」第14巻などコミックスを2冊購入。まだ読んでいないので、読後感想は追ってカレカノのページにアップする予定だ。やぶうち優の読み切り作品「水色時代を過ぎても」(プチコミック)を立ち読み。内容は「うーん…」と言うしかなくて、ほかに感想が出てこない。うーん…。


9月10日(火曜日) 横浜市の住基ネット対応は良心的か

 横浜市から「住民票コードのお知らせ」という文書がようやく届いた。送られてきた封筒の中には、シール方式の通知はがきと、住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)への個人情報「非通知」申請の書類が一緒に入っていた。この「身辺雑記」でも繰り返し指摘しているように、さまざまな個人情報が集約され、それらの情報が国家に一元的に管理されるなど、住基ネット(つまり国民総背番号制)にはあまりにも問題点が多すぎるので、当然のことながら僕は参加を断固拒否(非通知申請)するつもりだ。

 だがしか〜し。書類が送られてきて改めて実感したが、非通知申請の手続きの面倒さといったら…。「非通知申出書」なる書類にごちゃごちゃ記入させられるだけでなく、本人確認できる書類(運転免許証など)を示して、居住地の区役所に申請しなければならないというのである。郵送でも受け付けてもらえるが、その場合は本人確認できる書類のコピーを同封しなければならない。一見すると横浜市の対応は、とても良心的で民主的に思えるかもしれないが、交通の便が悪いところに住んでいる人や体の不自由な人が、わざわざ区役所に出向くのは大変なことだ。郵送するにしても、いちいち本人確認できる書類のコピーを取って、封筒に切手を張ってポストに投函するなんてことは、よっぽどこのシステムに疑問や関心がなければやらないんじゃないか。「横浜市の個人選択制は一種の住民投票的な意味もある」なんて言って評価する人がいたが、冗談じゃない。最寄りの投票所に出かけて一票を投じるだけで終わる選挙の投票よりも、ずっとハードルが高いではないか。

 ふざけんなっつーの。どうして個人情報を守ろうとする側が、いちいちこんなことをしなければならないのか。横浜市が本当に住基ネットに異議を唱えているのなら、参加したい人の側に手続きしてもらえばいいではないか。あるいは平等に、住基ネットに参加するかしないか(個人情報を通知するかしないか)の意思を、それぞれ申請させるようにするべきだろう。

 横浜市の「住基ネット参加の個人選択制」について一定の評価はするが、中田宏市長の「個人情報保護法が成立すれば全市民がシステムに参加する」という発言に疑問を感じる。そもそも「個人情報漏洩」が問題なのではなく、「個人情報が集約されて国家に管理されること」が住基ネットの最大の問題点だからだ。


9月11日(水曜日) 米国の「正義」

 米国の同時多発テロから1年。ワシントンの国防総省(ペンタゴン)で命拾いをしたという男性のインタビューを、テレビで見ていて強い疑問を感じた。男性はこう主張した。「米軍の誤爆で死んだアフガニスタン市民は気の毒だと思うが、私たちはたった1日で3千人が殺されたのだ。理由もなく。同じようには比べられない」。テロ行為やテロリストを擁護するつもりは毛頭ないが、しかし理由もなくテロが起きたわけではないだろう。どうして米国はこれほどまで憎悪の対象となり、嫌われるのか。米国自身がそこに目を向けなければ、問題は何も解決しないのではないか。米国の信じる正義がすべてではないこと、その「正義」は時として一方的で傲慢な思い上がりであること、そしてそう考える決して少なくない人々が世界中にいる現実。そこから目をそらしたまま「テロを許さない」とか「報復戦争だ」などと力んでも、悪循環を繰り返すだけだ。

 さらにもう一つ。怒りを持って付け加えたいことがある。「私たちはたった1日で3千人が殺された」という言葉だ。じゃあ、一瞬のうちに数十万人の一般市民が虐殺された、広島と長崎への原爆投下はどうなるんだ。日本人として到底容認できる台詞ではない。こうしたとても正直で無邪気で、しかし無神経きわまりない発想にこそ、米国の一方的な「正義」が象徴されている。なんとも滑稽でオメデタクて笑うしかないのだが、けれども絶望的に悲しくなってしまう現実がそこにはあるんだよなあ。


9月12日(木曜日) 右翼3人に論告求刑

 午後から横浜地裁へ。女性団体主催の講演会に乗り込み、ビデオ上映の最中に大声で罵声を浴びせ、集会を中止させたなどとして、威力業務妨害や脅迫の罪に問われた右翼の男ら3人の論告求刑公判を傍聴取材する(初公判は5月20日付「身辺雑記」を参照)。

 検察側は「本件犯行は、自己の価値観・政治理念と相容れない言論や集会を、脅迫的言辞で封殺しようとするもので、罪質はいずれも悪質であり極めて執拗。計画性も認められる。反社会的で決して許されず、犯行動機に酌量の余地は全くない」と厳しく断罪した。さらに「社会に与えた影響は大きく厳しい処罰が必要だ。自己の正当性を主張してはばからないなど、被告らは反省の念が希薄で再犯のおそれが極めて高い」と述べ、被告2人に懲役1年6月、もう1人に懲役10月を求刑した。

 これに対し、最終弁論で被告弁護側は「主催者と異なる意見を発言すること自体は犯罪行為とならない。威力業務妨害の事前共謀があったというには極めてアバウトな事実認定だ。集会での野次は散発的だった」などと訴え、共謀や計画性を否認して無罪を主張。電話とファクスによる脅迫事件については罰金刑を求めた。また、被告ら本人は「裁判で右翼と決め付けられたのは心外。街宣車で走り回っているチンピラと一緒にされるのは迷惑だ。長期勾留は人権蹂躙もはなはだしい」などと陳述した。

 う〜ん、なんて身勝手で独善的な主張なんだろう。傍聴席から思わずため息が漏れた(ような気がした)。もっとも傍聴席には、加害者側の関係者の方が多かったんだけどね…。この日、弁護人と被告はそれぞれ、大物の右翼国会議員の国会質問(本件裁判について法務委員会で「左翼的観念で刑事司法を操っているのか」などと発言)を持ち出し、国会での糾弾活動を予告した。裁判官と検察官に対する恫喝(どうかつ)だなと思った。

 夕方から品川へ。愛媛から遊びに来たネット友達の女の子と、夕食を食べながら雑談。めちゃ眠い。午後11時半ごろ帰宅。


9月13日(金曜日) 安くてうまい!

 桜木町の台湾料理店で、旧知の編集者に誘われて記者仲間と飲み食い&雑談。編集者ご推薦の店なんだけど、小皿が100円〜600円などとめちゃくちゃ安いうえに、しかも結構な量があって、おまけにうまい。ファミリーレストランなんかだと、メニューの写真と似ても似つかない分量や盛り付けの料理が出されることがよくあるけど、この店は期待を全然裏切らない。桜木町にこんな優良店があったとは知らなかった。わざわざ中華街に行かなくても十分満足できる。とにかく値段と味が超良心的なのはポイントが高い。ピータン豆腐が200円なんて驚くばかりである。店のスタッフもきびきびしてて気持ちがいいし、特に女の子の笑顔は感じがよくて、すっかりファンになってしまった。午前零時半ごろ帰宅。


9月14日(土曜日) 風邪気味

 肌寒い一日。いつの間にか季節はすっかり秋って感じだ。風邪気味。短い原稿を1本だけ書いて送信。


9月15日(日曜日) 特許権と著作権

 「人工甘味料の特許製法を開発した『味の素』の元社員が、正当な対価を受け取っていないとして会社を提訴した」という記事を読んで、金銭的なことは別にして、新聞記者の書いた記事の著作権についても、同じような主張ができるだろうと改めて思った。業務内の発明でも特許権は会社でなく発明者にある、と特許法では規定されている。社内発明者の権利意識の目覚めを大いに刺激するというのが、今回の特許権訴訟のポイントだ。

 新聞記事の著作権も同じではないか。紙面掲載する権限やその後の管理などはもちろん会社(新聞社)にあるとしても、著作権そのものは執筆した記者にあると考えるのが、知的財産権や知的所有権のあり方からすれば常識的だろう。単に事実を並べただけの一般記事はともかく、独自の調査報道や署名記事は、実際に取材し執筆した記者の個性や判断による部分が大きいからだ。業務内の執筆でも著作権は会社でなく記者にある。

 日本新聞協会などは、記事の著作権はすべて会社側にあるとの見解らしいが、特許をめぐる権利意識と比べてみても、かなり一方的で乱暴な考え方だと思う。サラリーマン的な発想しかできない記者を、よりいっそう育てることにしかならないんじゃないか。そうしてますますつまらない紙面を作っていく。自分で自分の首を絞めているのは一体だれなんだろう。


9月16日(月曜日) メールについてお願い

 いかがわしい広告メールやウイルスメールなど、迷惑なジャンクメール(ごみメール・がらくたメール)が、またまた増えてきた。ロボットやメールアドレス収集業者などを介してうさん臭い商売をしている人とか、嫌がらせやいたずらを目的とする暇な連中がたくさんいるってことだ。ネットの世界には、こうした不要な迷惑メールが数多く駆け巡っている。

 僕のパソコンはMacintoshだからウイルスの被害はないし、送信者名やタイトル部分から判断して、迷惑メールらしいものは開く前にごみ箱に捨ててしまうので実害はないが、やたらと数が多いのには閉口している。さらに、いくつか加入しているメーリングリスト(ML)からもクズみたいなメールがたくさん送られてくるのだが、こちらも特定の送信者のメールは読まずにごみ箱へ直行だ。それならMLを退会すればいいのだけど、少ないながらたまに有益な情報も紛れ込んでくるから、なかなかそう簡単にはいかない。

 とにかく、いかがわしいメールや読む必要がないと思われるメールは、仕分け作業の段階でさっさとごみ箱に捨てている。タイトル部分が不自然な英文だったり、何も書かれていなかったりするものは、すべて機械的に削除してしまうのが最近の日課だ。そんなわけで、ちゃんとしたメールをくださる皆様方は、どうかタイトルを忘れないでしっかり書いてください。怪しいメールと間違えて捨ててしまうことになりますので。よろしくお願いいたします。


9月17日(火曜日) 国と国が対立することの悲劇

 日朝首脳会談で、日本人拉致事件の被害者の安否が確認され、生死の明暗が分かれる残念な結果になった。今さらながら「国や民族が対立することの悲劇」を痛感する。中東紛争も同時多発テロも、問題はそこにある。だからこそ、いかに国と国が対立しない関係を築いていくか、それを模索し続ける外交努力が必要になってくるのだ。拉致事件など絶対に許されないことだし、被害者家族の心情は筆舌に尽くし難いものがあるだろう。しかしそれでも「北朝鮮に対して報復や制裁措置を取れ」といった主張は、いかにも後ろ向きで非建設的な発想だと言いたい。国交がない異常な関係が長く続いたから、こんな不幸で不愉快な事件が起きた上に、しかも安否確認さえできなかったのだから。国民の生命と安全を守るため、日朝関係の改善は国益にかなうとの立場から、話し合いによる関係改善(国交正常化交渉)に動き始めた小泉首相の判断を評価する。

 残念ながら日本人拉致事件は、タカ派議員や右翼活動家の宣伝に利用されているように思えてならない。「国と国が対立することの悲劇」を回避しようと動くのではなく、むしろ「国と国が対立する方向」へ煽ろうとしているようにしか見えないからだ。被害者家族の会見放送を見ていて改めてそう感じた。北朝鮮への制裁措置を求める声明をタカ派議員が読み上げると、会見を生中継していたテレビ各局はNHKを除いて、慌てて両首脳が登場する別シーンに画面を切り替えていた。政治宣伝の場に利用されるのを避けようとしたのだろう。そもそも被害者家族の声より先に、タカ派議員の主張を延々と発表するといった会見の構成が異様だった。生放送によるテレビ報道の難しさである。何をどのように選択して伝えるか、報道の在り方が問われる一幕だった。


9月18日(水曜日) 出題!「首相官邸」

 学生時代に、いわゆる青田買いの「マスコミ就職セミナー」をいくつか受けたことがある。その中の一般常識の模擬試験で、内閣総理大臣が執務する公邸の名称を書かせる問題があった。模擬試験が終わってから、政治部か社会部の幹部記者と思われる男性が現われて「正解は首相官邸です」と得々と解説していた。テレビ画面に官邸が映し出されるたびに、この時の場面をついつい思い出してしまう。「首相官邸」でも「総理官邸」でも「総理大臣官邸」でも、そんなことはどうだっていいじゃないか。現に新聞やテレビを見れば分かるように、これら3つの言い方はどれも報道現場で立派に通用している。しかし、どこの新聞社のセミナーだったかは忘れたが、その幹部記者は「総理官邸じゃだめだ、正しく首相官邸と書かなければ、君たちの原稿はデスクに直されるんだぞ」などと、記者志望の学生たちを前に得意げに解説してみせたのだった。なんて馬鹿馬鹿しいんだ。どうせ話をするのならもっと大事なことがあるだろうに、出題するのならもっと本質的なことを問えばいいだろうにと、がっかりしながら話を聞いた記憶がある。そんなどうでもいい珍問や、重箱の隅をほじくるような難問を見事にクリアした「優秀な人たち」でなければ、マスコミ各社になかなか就職できないというところに、日本のジャーナリズムの悲しさがあるんだよなあ。事務処理能力の高さは確かに測れるかもしれいけど、本当の意味での記者活動の能力とはまるで関係ないだろう。記者採用にそんな見当違いの次元のことが問われるなんて、実に滑稽で仕方ない。たぶん僕なんかは、たまたま破れていた網の目をすり抜けてしまったようなものだったのだろう。もう会社は辞めちゃったけど。


9月19日(木曜日) 在日朝鮮人への攻撃

 やっぱりと言うか、またと言うか、在日朝鮮人の子どもたちに対する嫌がらせが始まった。民族学校に通う生徒たちに向かって「朝鮮へ帰れ」と罵声を浴びせたり、脅迫電話がかかってきたりする事件が各地で起きているという。

 「大岡みなみのコラム風速計・No.46」や、拙著「日の丸がある風景」などで何回も書いたが、大韓航空機事件、核開発疑惑、テポドン発射事件など、北朝鮮がらみの事件が起きるたびに、在日朝鮮人の子どもたちが嫌がらせの標的にされてきた。今回は日朝首脳会談で拉致事件の悲惨な結果が明らかになったことで、単細胞な一部の右翼的日本人が、憎悪と怒りの矛先を在日朝鮮人に向けているらしいが、何とも卑劣でお門違いな行動としか言いようがない。

 在日の子どもたちは、拉致事件と何も関係ないではないか。そんなことも分からずに「北朝鮮の国家犯罪に制裁を」とか「拉致被害者の家族の気持ちを考えろ」などといくら叫んでも、説得力なんてまるでない。卑劣さでは北朝鮮と全く同じだ。同じ日本人として情けなくなってくる。結局は、拉致被害者や家族のことなんかどうでもよくて、拉致事件を利用して国家対立とナショナリズムを煽ることが、本当の目的だったのだと思われても仕方ないだろう。

 髪の毛を短くカット。美容師さんとの会話は芸能ネタとか宝くじの話など、楽しく笑える話題で盛り上がるのがいい。心が和む。安売りしていたので、ストレートタイプのジーンズ2本購入。


9月20日(金曜日) 体育祭の「騒音」

 朝寝坊してベッドの中でうとうとしていたら、近くの中学校の校庭から、拡声器のボリュームをいっぱいに上げた掛け声や音楽が聞こえてきた。体育祭が始まったのだ。朝まで起きてたから昼までこのまま目を閉じて寝ていたかったが、そりゃもう下手くそなアナウンスと大歓声で、とても惰眠をむさぼるどころではない。仕方なくベッドから起き上がった。予行練習などで数日前から午前中はこんな調子だ。しかし不愉快な気分になったり迷惑に感じたりしないのは、中学校の校長名で「近隣の皆様」あてに、体育祭とその準備の騒音で迷惑をかけるがよろしくという趣旨のペーパーが、近くのマンションなどに全戸配布されていて、事前にそれを読んでいるからだろう。あらかじめ状況を理解しているというのは大きい。「事情があるんだからお互いさまだよな」と納得する作業が行われているかどうか、そういうことによって人間の感情は結構左右されるものだ。情報開示と根回しによる意思疎通の大切さは、なかなかどうしておろそかにできない。ましてや国家的な大問題となると、スケールと影響は格段に倍加する。ますます情報開示による意思疎通が重要になってくるのだ。


9月21日(土曜日) 不在配達

 住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)への「非通知申請」は、横浜市民だけの「特権」らしいが、何人かの友人と話してもやっぱり「手続きが面倒」と感じるのは同じようだ。そんなわけで、僕もまだ手続きをしていないのだが、ほかにも区役所に出かける用事ができたのと、不在中に配達されていた小包を区役所近くの郵便局本局で受け取るため、来週初めにも「非通知申請」の手続きに行こうと思う。それにしても宅配便や小包や書き留め郵便というのは、最初に行き違いになって受け取れないと、再配達してもらうにしても時間指定ができないので何かとやっかいである。自宅にいるからといって、シャワーを浴びていたり電話をしていたりなどと、必ずしも玄関に出られる状態ばかりではない。午前中とか午後くらいの希望はできるみたいだけど、それもかなり大ざっぱな指定だから、それだったらこっちから受け取りに行ったほうがいいや、なんて思ってしまうのは単に気が短いだけなんだろうな。


9月22日(日曜日) 日本語を愚弄するNHK

 NHKのアナウンサーの言葉で「ばっかじゃねーの!」と前から思っているのは、野球のナイターを「ナイトゲーム」とわざわざ言い替えていることだ。英語では「ナイトゲーム」というのが正しいからだそうだが、冗談も休み休み言えっつーの。ほかにも「ツーストライク」ではなくて「トゥーストライク」なんて言ってるのを聞くと、もうアホらしくてアホらしくて…。それじゃあ、NHKのアナウンサーがカタカナ言葉はすべて英語(外国語)らしく発音しているのかというと、必ずしもそうではない中途半端さなのである。そもそも、NHKのアナウンサーが話しているのは紛れもない「日本語」ではないのか。「ナイター」も「ツーストライク」も、既にもう立派な「日本語」になっているのだから、そのまま発音すればいいのだ。カタカナで表記される外来語部分だけを、わざわざ外国語ふうに発音するなんて、どこかの国の植民地なのかと思ってしまう。ほとんど冗談としか思えない滑稽さである。NHKのアナウンサーが「正しい日本語を話す」ことを使命としているのなら、日本語は日本語として「日本語らしく」発音するべきだろう。日本語を愚弄するのはいい加減に止めてもらいたい。


9月24日(火曜日) 阪神最後の意地?

 阪神タイガースのダメさ加減は予想通りだけど、さすがにきょうの巨人戦では意地を見せて勝ってくれたのでほっとした。試合中に巨人の優勝は決まっていたが、負けて巨人に甲子園球場で胴上げされるなんて、いくらなんでもそれだけはちょっと…。そんなみっともないことにならなくて本当によかった。できれば甲子園球場の阪神ファンには六甲おろしの大合唱をずーっと続けてもらって、巨人はどこかよそで胴上げしてくれたらよかったのに。

 まあ、いずれにしても阪神タイガースのふがいなさは今に始まったことじゃないから、もう今さら何も言うことはない。今年は開幕後の1カ月を楽しませてくれただけで十分だよ…。


9月25日(水曜日) 住基ネット非通知申請をする

 横浜市内の区役所で、住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)への本人情報の非通知申請をした。所定の用紙に住所・氏名・生年月日・電話番号を記入して、戸籍課の担当窓口に提出し、運転免許証などを提示すれば終了する。わずか1分ほどですべての手続きは済んだ。僕が書類に記入している間にも、夫婦が「あ、住基ネットの受け付けはここだよ」などと言いながらやって来た。窓口に行列ができているわけではないが、非通知申請の手続きに来る人は結構いるという。…とまあ、このように手続きそのものは何と言うこともない簡単なものなんだけど、しかし地理的な理由や時間的な制約などで、区役所の本庁舎まで足を運ぶのが大変な人がいるということを忘れてはいけない。しつこいようだが、個人情報を守りたい側にとってアンフェアな手続きだと強調しておく。


9月26日(木曜日) 「カレカノ」第14巻

 コミックス「彼氏彼女の事情」第14巻の感想コメント。自身の出自に対する憎悪と恐怖といったトラウマを抱え、心の中に堅固な壁をつくる有馬。そんな有馬が心の奥底を自分に隠していることを感じ、閉ざしている有馬の心の扉を開くのは自分しかいないと考える雪野。「カレカノ」の本来のメインテーマが、大きく展開されていく読み応えのある内容です。もう少し詳しいコメントを「カレカノのページ」の「メディアの事情」にアップしました。アップするのが遅くなってしまったことをおわびします。


9月27日(金曜日) 支持政党なし

 民主党の代表選とその後の党役員人事の混乱を見ていて、心の底からがっくりきた人はたぶん少なくないだろう。今後の政策や路線に大きく影響する代表選の結果が、期待していたものではなかったなどというのではなく(それもあるかもしれないが)、あまりにも「民意」とかけ離れたやり方(組織票)によってもたらされたのが見え見えだったからだ。おまけにそうした「民意」をまるで意に介さずに、党役員人事が進められる茶番を目のあたりにしたら、もう苦笑するしかない。どこが対抗・批判勢力として政権を目指す政党なのか。政府・与党を応援するために存在しているようにしか見えない。じゃあ、ほかにどんな政党があるのかというと、これまた実に困ってしまう。旧態依然とした硬直路線をひた走るところとか、官僚的な教条主義から逃れられない集団とか、カリスマ教祖の呪縛と盲信にのみ生きる団体とか…。かえって自民党の方が幅が広くて懐も深くて、まだマシなのではないかと思えてしまうくらいだ。選挙の度に「無党派層」が増えていくのはとてもよくわかる。支持したいと思える政党が本当にどこにもないのだから。選択できるものがたくさんあるように見えるけれど、選択したいものがないという状態は、実際には選択の余地がないのと同じだ。かくして、政治不信と無関心が高まるばかり。なんて不幸なニッポン民主主義…。


9月28日(土曜日) 深夜の空腹

 夕方早い時間に夕食を食べて夜中まで起きていると、しばしば猛烈な空腹感が襲ってくる。「こんな時間に食べたら太るだけだ」と自分に言い聞かせ、ぐっと我慢していると落ち着く。しばらくするとまた何か食べたくなってきて、でも再びこらえるということの繰り返しが延々と続くのだ。これってやった経験はないけど、薬物中毒の禁断症状とやらに似ているんじゃないか(あと、禁煙中の人の我慢とか)。夕べがまさにそういう状態だった。ちょっと早めに晩ご飯を食べたものだから、深夜にはお腹が空いてたまらなくなったのである。冷蔵庫の中にこれといった食糧はない。買い置きのポテトチップスも切らしている。すぐ近くのコンビニで弁当やスナックを買って食べたいという願望が大きくふくらむ。だがしか〜し。何度となく襲ってくるそんな誘惑との死闘に、僕はついに勝利したのだった(そんな大袈裟な…)。たまたまうちにめぼしい食べ物がなかったのも大きな勝因の一つだが、外が雨だったのがよかった。コンビニで買い物したいという衝動を食い止めたのは、何と言っても雨である。立ち上がって出かけようとする度に、濡れて面倒くさいからと考え直す作業を何回繰り返したことか。外出をおっくうがる気持ちが、食欲に見事打ち勝ったのだった。でもって結論。自宅に余分な食べ物は置かない。コンビニとは距離を置く。う〜ん。なんだかえらくショーモナイ文章を書いてしまったような…。


9月29日(日曜日) ぼそっ…

 アゴヒゲアザラシのタマちゃんって、かわいいですか? ちっともかわいいと思わないんだけどなあ…(ぼそっ)。それだったらさあ、むしろもう1匹のワモンアザラシのウタちゃんの方がかわいいと思う(ぼそぼそっ)。


9月30日(月曜日) 農林水産省の食堂

 朝から東京高裁へ。女性団体主催の集会を中止に追い込んだなどとして、威力業務妨害や傷害の罪に問われた右翼の男ら2被告の控訴審初公判を傍聴取材する(9月12日付「身辺雑記」で書いた事件の先行分離公判の2審)。証人の1人くらい採用するかと思っていたら、裁判長は合議で、弁護側の申請した書証や証人をことごとくすべて却下。わずか20分ほどで結審してしまった。判決期日も3週間後に設定。まあ犯行は極めて悪質で、あまりに自己中心的な上にでたらめな主張だし、これは刑事事件の控訴審だからこういう対応も仕方ないだろう。これでもう判決はほぼ決まったようなものでは…。つーか、最初から相手にされてないって感じだった。

 農林水産省の食堂で昼食。やっぱり農水省はご飯がおいしい。新米かな。しかも裁判所地下の食堂よりもずっと安い。台風が近付いているせいか、蒸し暑くてじっとり淀んだ空気に覆われたような感じだ。気持ち悪い。あすは関東地方を直撃するコースらしい…。

 JR山手線で編成車両のすべての車体に、朝日新聞の広告をペイントした電車が走っているのを見た。そこには鉄腕アトムがポーズするイラストと「大学入試に大きなパワー」といった言葉が。おいおい、まじかよ。新聞の存在意義と使命は「大学入試」のためにあるのか。あきれて空いた口がふさがらなかった。


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