身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2003年7月1日〜7月31日

●梅雨空●料理復活●老舗版元のブランド●料理の腕前●近現代史学習会●言葉のパズル●お馬鹿な「ことえり」●お土産いろいろ●吸収●マジック●早大名簿提供事件で最高裁弁論●食器洗い●もうしばらく「ことえり」●めちゃ安スーパー●金髪先生に執行猶予●アポ取り●録音機器●5時間●整然●間抜けな厳重警備●拘置所の医療過誤●トトロ●出力●米●達成感●不規則発言●宝くじ●「おいしいコーヒーのいれ方5」●話の腰●●●ほか


7月1日(火曜日) 梅雨空

 昼過ぎに駅まで友達を迎えに行った。空はどんより曇っていたけど、天気予報によると雨は夕方から降り始めるだろうというので、傘を持たずに行ったらざんざん降ってくる。友達が持っていた小さな傘に入れてもらったが、まったく天気予報も当てにならないよなあ。2人ともかなり、びしょびしょに濡れてしまったよ(汗)。なんだか、ちょっと風邪っぽいかも。


7月2日(水曜日) 料理復活

 久しぶりに御飯を炊いて、おかずをちゃんと作って、味噌汁もダシから用意してみた。以前に買った料理の本を読み直してみたら、どれもこれもすっかり忘れている。お米がカップ1杯でお茶碗2杯分なんていう基本的なことからして、ああそうだっけという始末だ(おいおい)。だがしか〜し。醤油、味噌、砂糖といった基本的な調味料と野菜と肉を買ってきて、料理本に載っているメニューにオリジナルの味付けをして(要するにいい加減にやっただけ?)、ささっとやってみたら、結構それなりのものが出来上がった。おっ、なかなかやるじゃん。あー、でも片付けるのが面倒だ。食べたらそれで終わりという外食の方が、気分的には楽かも(笑)。ちなみに先月「作った」って書いたミートソースは、「作ってもらった」の誤りです。訂正します(爆)。


7月3日(木曜日) 老舗版元のブランド

 横浜駅前のホテルの喫茶店で、初対面の女性編集者と単行本の打ち合わせ。老舗ブランド出版社との仕事なのだが、先月末に別会社に吸収合併されて社名が変わったという。差し出された名刺には、くだんの社名は跡形もない。あらら、それはびっくりだ。不況でどこも大変なのか。しかしいくら親会社が変わったとはいえ、信頼ある老舗の版元の名前を捨ててしまうというのは、営業政策的にもどうなんだろうか。もったいないと思うんだけどなあ。あの読売新聞社でさえ、中央公論社を買収しても社名は変えなかったもんね。そのくらい老舗版元のブランドは価値があるのだ。僕としても個人的には、吸収合併前の出版社の名前で本を出してほしかったなあ。まあそうは言っても仕事は仕事だから、しっかりやりましょう。


7月4日(金曜日) 料理の腕前

 一昨日に作った料理の改良完全版(笑)を昼食として2人分作った。合わせ調味料を事前に作っておいたから、ちゃちゃっと20分ほどで出来上がるだろうと思っていたら、やっぱり手間取って40分もかかってしまった。おかずを完成させた後に調理した味噌汁のところで、少しもたついちゃったなあ。だけど、前回はやや濃いめだった味も落ち着いたし、ご馳走してあげた相手の評判も上々だった。ご飯もおいしく炊けたしね。着々と腕を上げつつあるのだ。


7月5日(土曜日) 近現代史学習会

 東横線の大倉山へ。市民グループ主催の近現代史学習会に招かれて、講師として話をする。睡眠不足のうえ朝10時過ぎから始まったので、かなりへろへろ状態だったけど、それなりにまとまった話ができたんじゃないかなと思う。質疑応答も活発で、話のつぼを押さえた質問が続出。2時間半ほどの学習会は充実したものになったように思う。僕が話したのは、メディアの実情とあり方について。ジャーナリズムがなすべきこと、できることは何か…みたいなことを、これまでの取材経験をベースに熱く語ってしまったが、参加者の皆さんは居眠りもせず、熱心にメモを取りながら聞いてくれていた。うーん、大学生相手の授業とは大違いだよな。終わってから近くのファミレスで、昼食を食べながら参加者の皆さんと3時間ほど懇談。さすがに途中で猛烈な睡魔に襲われて、何度も水を飲んで眠気と戦い続けたりして(汗)。新聞社の支局勤務時代に足を運んだことのある市民グループの主催なので、何人か顔見知りの方も参加されていて、こちらこそいろいろと励まされる学習会だった。


7月6日(日曜日) 言葉のパズル

 会話を一つ一つ積み重ねることで人物像が浮かび上がり、相手との距離が少しずつ縮まっていく。相手のことがより一層理解できるようにもなる。これって、パズルが一つずつ組み合わさっていくのに似ているかもしれないよね。このところ、今さらながら言葉の大切さを痛感している。みんなそれぞれ違ったバックボーンや、歴史や価値観を持って生まれ育ってきているのだ。言葉にしなくても分かることなんて限られている。言葉にしなければ分からないことの方が多い。もちろんいくら言葉にしても、伝わらないことだってたくさんあるのだけれども。しかしそれでも、僕たちは少しずつでも言葉で伝えていくしかないのだ、きっと。


7月7日(月曜日) お馬鹿な「ことえり」

 Macのパソコンに付属しているワープロソフトは「ことえり」というのだが、こいつがもう馬鹿で馬鹿で仕方がない。ほとほと困っている。最新機種のeMacの「ことえり」の方が、Performaの時代よりもさらに無能になった気がする。例えば複数文節変換をさせてみると、まるで見当違いの漢字を表示するばかりか、助詞と名詞の組み合わせ自体がもうめちゃくちゃなのだ。「渋谷に出かけた」と表記すべきところを「渋谷・ニで・かけた」なんて組み合わせで変換するものだから、下手に複数文節変換をしてしまったら一つ一つ修正し直すのに異常に時間を取られてしまう。文章の前後の意味なんてまるで考えていない。その点は古い「ことえり」の方が、まだ適切な処理をしてくれていた。まあ、何年も使っていたから、少しは日本語について学習したのかもしれないけど。

 しかも新しい「ことえり」は、いわゆる辞書機能の「単語登録」を使っても、驚くべきほど物覚えが悪い。学習能力がまるっきり欠如しているのだ。中でも「にんげん」という単語については、かたくなに「人・減」とか「人・原」などと変換して、絶対に「人間」とは変換してくれないのである。どーしてなんだあ、わけがわからないよ。そんなに人間嫌いなのか(爆)。そもそも「にん・げん」なんて、わざわざ分けて変換しなくてもいいだろうに…。古い「ことえり」は、いくらなんでもそんな間抜けな変換はしなかった。パソコン付属のものなど使わずに、ちゃんとしたワープロソフトを買えってことなのか。あるいは根気強く学習させるしかないのかな。いやはや、あまりのお馬鹿ぶりに疲れ果てています。

 七夕。横浜は天気が悪くて、残念ながら天の川は見られそうにない。織姫と彦星は1年に1回だけのデートが、お流れになってしまうのだろうか。なーんてことを夜空を見上げながら考えるのも、たまにはいいかもしれないけど、星空はお預けなのだった。


7月8日(火曜日) お土産いろいろ

 午後から東京・四谷の出版社で、単行本の打ち合わせ。昨年5月に出して好評だった「裁判官Who's Who」の改訂新版の内容と取材の段取りなどについて。今秋から取材を始めて、来年6月ごろの発行を目指そうということになった。帰り際にジャーナリズム関係の新刊本をお土産にいただく。こういう役得があるから、打ち合わせ会議っていいよなあ(おいおい)。

 eMacのワープロソフト「ことえり」が馬鹿で仕方ないという話をしたら、女性編集者が「じゃあ、うちのワープロソフト使ってみる?」と言って、某ソフトをCD-Rに焼き付けてくれた…(小声)。家に帰って早速インストールして試してみたところ、少なくとも日本語変換は「ことえり」より賢いみたいだ。ただ、使い勝手がまだよく分からないので、しばらく試験的に使ってみようと思う。

 霧のような小雨が降り続いていて、家の外に出るとかなりひんやりしていたというのに、なぜか半袖シャツのまま出かけてしまう。ジャケットくらい羽織ってくればよかったと後悔したが、せかせか街を歩き回っていたら肌寒さを感じなくなる。風邪をひかなくてよかった〜。でもって、寒さを吹き飛ばすニュースと言えば、阪神タイガースにマジック49が点灯〜♪。。。やったね。もう、あの2文字を公然と口にしてもいいだろう。あと49勝すれば「優勝」ってことなのだから。今年の阪神は本物だったんだね。


7月9日(水曜日) 吸収

 午後から教職員組合で、月に1回の新聞編集のお手伝い。高校の先生と雑談をしながら、なおかつ一生懸命に原稿を読み込みつつ見出しを考えて、ささっと4時間ほどで仕事を片付けてしまう。雑談の話題は広島教育界の問題や深刻な少年事件など。中央図書館で調べものをしてから、友達と待ち合わせて自宅近くの居酒屋で飲む。仕事のことやプライベートなことなどを話す。いろいろと鋭い突っ込みが返ってきて、考えさせられることが多かった。吸収の一日。

【おとこわり】きのう付の「身辺雑記」には、一部不適切な個所がありましたので、該当部分の文字ポイントを下げた上で「あぶり出し」にしました(笑)。


7月10日(木曜日) マジック

 一昨日の「身辺雑記」で阪神タイガースのマジック点灯について書いたら、早速「おめでと〜!」メールをいただきました。ありがとう、ありがとう。やったっ。阪神タイガース優勝だあ。今年の快進撃を横目でにらみつつ、それでもずっと「優勝」の2文字を口にするのを我慢していたけれど、もういいでしょう。今年の阪神は本物なのです。この際、虚人が最下位になろうがなるまいが、もうそんなことはどうでもいいです。できれば虚人に最下位になってほしいけど、連敗記録を塗り替えようとギネスブックに挑戦している神奈川の球団に、栄誉ある最下位の地位は進呈しましょう。ちょっと言い過ぎたかな。ごめんね、虚人と神奈川のファンの皆さん。なんて、取ってつけたようにフォローしてみたりして(笑)。

 オリジナル料理の第2弾の完成版を友達にご馳走する。今回もなかなか好評だった。シャキシャキのキャベツと、粒マスタードと醤油の味付け加減がポイントの逸品である。でもやっぱり、食べた後の後片付けは面倒くさいよ…。すべての食器が洗い上がった時の爽快感は、それはそれで捨てがたいものがあるんだけどね。


7月11日(金曜日) 早大名簿提供事件で最高裁弁論

 東京・千代田区の最高裁へ。中国・江沢民主席の講演会に参加した学生名簿を早稲田大学が警察に提供した事件の訴訟で、最高裁で開かれた弁論を傍聴取材する。きょうの首都圏はめちゃめちゃ暑くて、強い日ざしの中を傍聴のために並んでいると、汗がだらだら出てくるといった状態だった。僕のすぐ前に並んでいた女子大生も汗だくになっていて、そんな様子を見てるだけでさらに暑さが倍増してしまう。炎天下の公道に有権者を並ばせるなよなと思う。

 最高裁は何回訪れても対応がいちいち官僚的だ。建物自体が権威主義的なだけでなく、職員の態度もやたら偉そうなのだ。「扉が開いて裁判官が入廷したら皆さん起立してください」だって、笑わせるなよなって感じである。いったい何様のつもりなんだ。しかし、きょうの法廷は第2小法廷(滝井繁男裁判長)なので、今年2月に取材でお世話になった滝井さんに敬意を表して、不愉快な気持ちをぐっと押さえ込むことにする(笑)。

 早大名簿提供事件は、個人情報の保護やコントロール権の問題とともに、大学の独立と自治の根幹にかかわってくる問題だ。大学当局の姿勢そのものが大きく問われるはずなのに、大学側の弁論を聞いていると、問題意識のあまりの欠如ぶりに言葉を失ってしまう。どう考えても学生側弁護団の弁論の方が、論理的で説得力があるように思えてならない(格調も高かった)。判決は9月。

 閉廷後、霞が関の弁護士会で開かれた記者会見と報告集会に顔を出す。会見が始まってすぐに弁護士会館の全館が停電。「東京電力の電力供給がパンクして…」などとアナウンスが入ったから、猛暑のためにいよいよ東京大停電か、それとも、原発を稼働させるための口実として東電が意図的に停電させたのか、などと憶測が飛ぶ。結局のところは変電所からの供給ラインのトラブルが原因だったらしい。でも、原発稼働を再開させるためだったら、意図的な停電もやりかねないよなあ、なんてみんなに思わせてしまうところが、東電の「不徳のいたすところ」というものだろう。


7月12日(土曜日) 食器洗い

 昨日、一昨日とかなりくたくただったが、きょうは元気回復したので、ほったらかしにしてあった洗い物を一気に片付けた。密閉状態のケースに収納していた食器の一部にカビが生えていることが判明したため、カビが生えていない食器も念のためすべて洗い直す。せっかく洗ったばかりなのに、まったくトホホである。しかしちゃんと乾燥させないで密閉容器に片付けたりすると、こういうことになるんだなあってことを初めて知った。梅雨だとかそういうのに関係なく、風通しのよいところに置かないと、湿気てしまいカビが繁殖するのだと友達に注意される。学習しました。短い原稿を1本書いて送信。昨日に引き続き、またまた阪神が大量得点で虚人をこてんぱんにやっつけてくれたので、とても気分がいい。


7月13日(日曜日) エアコン

 昼過ぎまで爆睡。だがしか〜し。どうも寒いなあと思ってリビングのエアコンを見たら、冷房がつけっぱなしになっている。道理で毛布にくるまっているのに寒く感じるわけだ。いつも寝る前にエアコンは消すようにしているんだけどなあ。電気代がもったいないだけでなく、これじゃあ風邪をひいちゃうよ。大失敗。


7月14日(月曜日) もうしばらく「ことえり」

 某出版社の女性編集者から◯◯した(サ変の動詞ですが自主規制しました=汗)ワープロソフトは、自宅のパソコンにインストールしたもののうまく働いてくれないので、アンインストールしてお払い箱となった。残念ながら、どうやらMacOSXにうまく対応していなかったらしい。仕方がないなあ、お馬鹿な「ことえり」にもうしばらく付き合って、手取り足取り地道に学習させていくしかないのかあ。でも、ほかのソフトについても研究してみよう。


7月15日(火曜日) めちゃ安スーパー

 夜中にゲラのチェックなど雑用を済ませておいたので、きょうはほぼ完全オフ。いろいろやるべきことはほかにもあるのだけど、まあいっか。横浜で約束していた買い物を済ませてから、自宅近くの駅前スーパーで食材の買い出し。ここのお店は野菜も肉もめちゃめちゃ安いので、昼間からおばちゃんたちが大勢詰め掛ける盛況ぶりである。鳥肉の立田揚げと特製トマトサラダを作ってもらった。空揚げと立田揚げの違いは何なのだろう。僕にはさっぱり分からないのだが、とてもおいしかったので何も文句はありません(笑)。


7月16日(水曜日) 金髪先生に執行猶予

 朝早くから霞が関の東京高裁へ。睡眠3時間ほどなので、ものすごく眠い。校長に車をぶつけてけがをさせたとして、傷害罪に問われた「金髪先生」の控訴審判決を傍聴取材する。なんと、被告本人は不出廷のまま公判が開かれた(おいおい)。原田國男裁判長は、一審判決(懲役1年2月の実刑)を破棄し、懲役同、執行猶予3年を言い渡した。「懲戒免職され社会的制裁を受けている」というのが執行猶予を付けた理由だが、高裁独自の判断は何もなく、一審の内容を丸ごとそのまま受け継いだ判決だった。車の前に立ちふさがるなどした校長らの行動や証言には高い信用性があり、一審判決に事実誤認や矛盾はないけれども、大層な事件でもないから実刑はかわいそうだよね…、とまあ、こういうことらしい。何とも政治的で玉虫色といった感じにまとめた判決だよなあ。

 午後から自宅に戻って、あっちこっちに電話をかけまくり、別件の取材の準備などを本格的に始める。


7月17日(木曜日) アポ取り

 東京の八王子で予定していた取材が中止になったため、ひたすら取材のアポ取り電話かけに専念する。ほかに短い原稿を一つ書いて送信。スケジュールから考えると、これでよかったみたいだ。


7月18日(金曜日) 引き続きアポ取り

 きのうにも増して、集中的に取材のアポ取り電話をかけまくる。さすがに疲れてしまったが、手帳のカレンダーには、だだだ〜っと取材予定が並んだ。取材するのはどれも第一線のベテラン弁護士ばかり。それぞれに面談してインタビューをして、原稿にまとめなければならない。なんだか気が遠くなるなあ。

 作家の村山由佳さんが直木賞を受賞。きのう、そんなニュースを耳にして、ファンでありながら「え、どうしてこの時期に?」なんて思ってしまったが、とにかくめでたい。受賞作品の「星々の舟」はまだ読んでいないけど、なるべく早いうちに読んでみよう。ってそんな時間の余裕あるかな。


7月19日(土曜日) 録音機器

 取材で久しぶりに録音機器を使うので、いろいろ調子を確認したりしてメンテナンスする。小型テープレコーダーの電池やテープを入れ替えるとともに、買ったままずっと使っていなかったデジタルボイスレコーダーの説明書を読んで、慌てて基本操作を習得したりした。いかにも泥縄だよなあ。使い慣れているテープ式のテレコが安心できるのだけど、念のためにデジタルボイスレコーダーも、この際だから併用デビューさせてみようと思ったのだ。

 そもそも僕は、取材には録音機器を使わないことが多い。話を聞いたらその場で取材ノートにメモを取って、後でそれを見ながら原稿を書くのが基本パターンだ。大勢の人から話を聞くことによって問題点が浮き彫りになり、記事全体のストーリーや構成が組み上がるといった手順だと、よほどしっかり言質を取っておかなければ危ない場合以外は、いちいち録音を聞き直していたら時間がかかって仕方ないし、執筆のリズムが崩れるということもある。

 でも、個人に対するロングインタビュー記事だと、なかなかそうも言っていられない。きちんと録音を取って、微妙な表現や専門用語などは取材ノートに目をやるとともに、録音を聞き直しながら原稿にまとめた方がいい場合が多いのだ。そういう時には録音機器の登場となるのである。しかし本音を言えば、相手もこちらも緊張するからあまり使いたくないのだけど。


7月20日(日曜日) 5時間

 午後から東京・六本木へ。2時間ほどインタビューすればいいかと思っていたら、なんと5時間も話を聞くはめになってしまう。朝からほとんど飲まず食わずで、なおかつ室内の冷房がえらく効いていたので、最後の方は頭が痛くなってしまった。話の内容もそれなりに難しいことが多くて、もうぐったり。

 横浜に戻ってきたら、街の中は浴衣姿の女の子でいっぱいだ。横浜開港記念の花火大会があったから、浴衣があふれているらしい。いいなあ、こっちはお仕事だったというのに…。閉店寸前のヨド◯シカメラに駆け込んで、ファクス用紙と乾電池とカセットテープを大量に買い込む。かなり消費しそうだ。


7月21日(月曜日) だらだら執筆

 昨日は午前4時過ぎまで、今朝は気がついたら午前6時過ぎまでチャットをしてしまう(汗)。んー、いったい何をやっているんだか。そんなわけで昼過ぎまで爆睡。だらだらと取材テープを聞きながら原稿を書いたり、経費の計算をしてみたり。日中は時折、激しい雨が降っていたけど、夕方になると日が射してきた。


7月22日(火曜日) 整然

 朝の8時半ごろまで原稿執筆。ふう、ぐったり…。仮眠。夕方から、東京・有楽町で編集者と待ち合わせて取材。きょうの話はポイントが押さえられ理路整然としていて、しかも面白く豪快だったので、精神的疲労度は少なかった。午前零時前に帰宅。


7月23日(水曜日) 間抜けな厳重警備

 午後から東京・赤坂見附で取材。外資系生命保険会社のやたらとでかいビルを訪ねたのだが、なーんと、ビルの中にある法律事務所に行くためには、1階カウンターで訪問票に氏名と電話番号を書かされた上に、身分証明書の提示まで求められ、荷物検査を受け、改札みたいなゲートを通過しなければならないのだった。そうしないとエレベーターにも乗れないのだ。新聞社や放送局や政府機関が人の出入りをチェックするのは、まだ理解できる部分があるけど、ただの民間企業が、どうしてこれほど厳重な警備をする必要があるのだろう。こんなビル初めてだよ。わけがわからん。しかも、身分証明書は名刺でも構わないというのである。名刺なんて偽造だってできるし、他人からもらったものも使えるじゃん。厳重警備の割には実に間抜けで、ますます意味不明だ。ビルのオーナーである外資系生保は別にこれでもいいかもしれないが、ほかのテナント会社の人たちや、さらにはそこを訪ねてくるお客さんはものすごく迷惑で不愉快だろうなあ。実際のところ、意味のない警備だという声を聞いたし…。いやいや、珍しいものを見せてもらった。

 きのう午後十時過ぎに有楽町のビルを出たら、ものすごく寒く感じてブルっときたけど、きょうもまたとても肌寒い。初春か初秋のような陽気だ。用心してジャケットを着て出かけたが、それくらいの格好でちょうどいい感じ。それもそのはずで、横浜は4月下旬の気温だった。本来なら今ごろが一番暑いはずなんだけどな。


7月24日(木曜日) 拘置所の医療過誤

 午後から東京地裁へ。東京拘置所に拘留されていた男性が、脳硬塞の適切な治療をされず放置されて重度障害が残った、として国に損害賠償を求めている裁判を傍聴取材。提訴の時に記事は書いたのだが、きょうは拘置所医務官として男性を診療した医師らが証人として出廷するというので、法廷をのぞいてみた。精神科や消化器外科が専門の医師が脳硬塞の診療をしており、どう見ても知識不足といった感じの証言が続く。こんな医師に診られるのでは、いくら命があっても足りないよなあ。罪を犯したからといって、何をされてもいいというものではないだろう。隔離された空間で身体拘束されて病気になることの怖さを、つくづく感じさせられた。

 取材で使っているショルダーバッグがほころんで、中身が出そうな状態が続いていたが、新橋の鞄修理店で直してもらう。専門店に持ち込むと1カ月くらい平気で待たされるし、修理費も高い(経験済み)のだが、この店はわずか三十分で完全に修理してくれた。おまけに安い。結構値段の張る革製の鞄で、とても使いやすい愛用品なので、簡単に手放すわけにはいかないのだ。ほっと安心。


7月25日(金曜日) トトロ

 アニメ「となりのトトロ」を見たことがないという友達に、自宅でビデオを見せてあげた。配線がよくないからかモニター画面がやや暗くて、ちょっと画像がよくない状態だったけど、気に入ってもらえたかなあ。僕はすべての映画の中で、ベストスリーに入る作品だと思っているんだけど。夕方から土砂降りの雨になる。


7月26日(土曜日) 出力

 昼前に一度は起きたのだが、体調や気分が今いちなためか、夕方まで爆睡してしまう。その後もだらだらとテレビを見たりして。原稿を書かなければならないのに…。

 仕事でも生き方でも、割り切ることができればかなり楽になるんだろうけど、少なくとも僕にとってそんなに簡単なことではない。力の入れ方としては、どんなことにもかなりの部分で全力投球してきたつもりだが、臨機応変に少し手を抜いた方がいいのかもしれないなあ。対象に向けて全開にしていた出力を、ぐぐっと絞り込むことも必要かもしれない。そうしたら一歩引くことになって、気分も楽になるのだろう。これまでの僕のやり方とは違うんだけど。


7月27日(日曜日) 米

 いつもは秋田県産の「あきたこまち」を食べていたが、きょうは宮城県産の「ひとめぼれ」を買ってみた。別に宮城北部地震の被災地に気を使ったわけではないのだが。近くの百貨店の地下にある米販売センターの製品は品質がしっかりしていて、しかも安くておいしいので米はいつもここで買っている。「あきたこまち」は2キロで940円、「ひとめぼれ」は2キロで920円。そこらのスーパーよりも百円ほどお得だ。2キロ単位で買うのは持ち運びに便利だからである。本当は5キロとか10キロで買った方が、はるかに得なのは言うまでもない。


7月28日(月曜日) 達成感

 いやあ、どういう課題に取り組んでいても、それぞれ「達成感」というのはあるんだあ、ということが分かりました(謎汗)。そんなの考えたこともなかったけど、言われてみて、ああなるほどぉと思った次第です(さらに謎汗)。何のことだかさっぱり分からないでしょうが、まあ、そういうことなんです。たまにはこういう意味不明な「身辺雑記」もあるのだなということで(おいおい)。

 肉じゃがを作ってもらって食べる。しばらく使わない肉を冷凍保存する手法を学ぶ。ちなみに「ひとめぼれ」は、もちっとしていてなかなかうまい。いつもより多めの3合炊きだったからかも。


7月29日(火曜日) 不規則発言

 朝起きたら体がだるくて風邪っぽい。目覚まし時計のアラーム時刻を少しずつずらしながら、起きるのをぐずぐず引き延ばして昼前まで寝る。午後から新宿の都庁へ。東京都人事委員会の公開口頭審理を傍聴取材。傍聴席からの不規則発言が多くて閉口した。いい加減な証言に怒る気持ちは分かるが、証人の発言の矛盾やでたらめさを浮き彫りにするのがこの日の証人尋問の狙いなのだから、とんでもない証言を証人にたくさんさせる方がいいのだ。そもそも、証人の発言をさえぎるようにして野次を飛ばすというのでは、「あの人たちは人の話をじっくり聞くこともできない…」と決めつけられ、偏見を抱かせるだけではないか、と余計な心配までしてしまうのだが。というよりも、うるさくて証人の発言が聞き取れない。しかもそれに呼応して、人事委職員が「静かにしてください」と注意するから、さらに証言が聞き取りにくくなるのだ。とても迷惑なので不規則発言はやめてください(汗)。人事委審理が終了後、夕方から大手町で弁護士の取材。ああ、もうぐったり。


7月30日(水曜日) 宝くじ

 東京・有楽町の西銀座デパート・チャンスセンター前に、ずらっと長い列ができていた。サマージャンボ宝くじを買い求める人たちの行列だ。ここの宝くじ売り場からは何本も当たり券が出ているため、御利益に預かろうという人々の人気スポットになっているのだろう。僕は気が向いたら遊びで1枚だけ買うことにしていて、別の場所で先週1枚買ったのだが、そんなに人気のスポットなら試しにもう1枚買ってみようかなと思って、取材が終わってから再びチャンスセンターをのぞいてみた。相変わらずの長蛇の列だった…。みんな真剣なんだ。うーん、だけど僕は並んでまで買おうとは思わないなあ。やっぱり、そこまでしないと当たらないのかもね。

 「おいしいコーヒーのいれ方5」 村山由佳の小説「おいしいコーヒーのいれ方5」を読み終える。シリーズ第5弾のタイトルは「緑の午後」。今回のストーリーはなかなか切ない。5歳年上のいとこ・かれんと付き合っている大学生の勝利に、思いを寄せていた同級生の星野りつ子は、勝利からかれんとの関係を聞かされて激しく落ち込む。拒食症寸前まで追い込まれてしまった星野を、勝利が懸命にフォローしようとして…という話が展開される。友情と恋愛感情とのはざまで揺れる心がとっても切ない。村山由佳はこういう話も得意なんだよなあと感心する。直木賞受賞作はまだ読んでいないけど、集英社文庫版の「おいしいコーヒー」シリーズは楽しみにしている作品の一つなので取り急ぎ読了。


7月31日(木曜日) 話の腰

 取材に同行している編集者が、記者の質問や取材相手の発言をさえぎって話し続けるってどういうことなんだ。相手に語らせることが重要なのであって、結論や自分のことを聞き手が口にしてどうする。せっかく相手が面白そうなことを話そうとしているのに、相手の言葉に耳を傾けないで、話の腰を折るように口を挟んだらインタビューはぶち壊しじゃないか。そもそもこちらは、相手の話に合わせながら質問の展開を考えているのだ。それをさえぎるようにして編集者が話に口を挟んでくるから、取材のリズムはめちゃくちゃになってしまう。だったら、自分一人で勝手に取材しろよ。

 仏の顔も三度まで。さすがにきょうは、取材の途中でキレそうになってしまった。露骨に迷惑そうな表情を浮かべたり、遠回しに注意をしたりしてみたが、この次も同じような感じだったら、はっきり厳重抗議して、最悪の場合はこの仕事から降りよう。とてもじゃないけど、このままでは責任を持って取材執筆なんかできないよ。要所要所のポイントを的確に押さえた質問や助言をするのなら分かるし、まさにそれこそが編集者の役割だと思うが、これはもう取材の邪魔としか言いようがない。


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