身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2004年2月1日〜2月29日

●記者の一線●現実逃避●採点奮闘●採点終了●牛丼の味●ポイントカード●メールサーバーに障害●カラオケ●鯨肉●黙って座れば●追試●取材ラッシュ●取材計画表●予定外●エピソード●苦戦●取材集中月間●余技●花粉●●●ほか


2月1日(日曜日) 記者の一線

 先週の金曜日発売の「ビッグコミックスぺリオール」の漫画「医龍」に、こんな台詞が出ていた。患者や家族との間に医者が一線をどう引くかについて、ベテラン医師が研修医に語る台詞だ。

 「一人の患者に時間を取られては、他の患者がおろそかになる。それに、患者や家族に近づきすぎて、同情や共感を抱え込みすぎると、感情におぼれてかえって判断が鈍くなる。医者は医者だからこそできる事がある。患者に同化してはいけない。だけど―――それを、わずらわしい患者から逃げる口実にしてはいけない。線を引くときは、自分にできるギリギリのところで引いてほしい」

 この台詞に出てくる「患者」を「取材相手」に、そして「医者」を「記者」に置き換えると、これはそっくりそのまま、記者と取材対象との関係をどう考えるべきかの説明になる。どこまで踏み込んで、どこに一線を引いたらいいのか。その線引きは実に微妙だ。取材者は当事者になるべきでないし、当事者になっては客観的に表現できなくなってしまう。かといって、まるでひとごとのように冷めた姿勢で観察するというのも、どうにも納得できない。真剣に記者をやっている限りずっと悩み続ける永遠のテーマだろう。


2月2日(月曜日) 現実逃避

 横浜は久々の雨。しかも冷たい。外はものすごく寒いので、きょうは部屋にこもりっきりで雑用をこなす。ついでに寝室の模様替えをしてみたりして。忙しいというのに何をやっているんだか。試験前になると、部屋の掃除を始めたりするのと似ている。いわゆる現実逃避ってやつなのかもしれない(おいおい)。


2月3日(火曜日) 採点奮闘

 期末試験の答案採点をする。風邪をひいたり本業が忙しかったりして、ちょっと間があいてしまった。あまりにも出来のいい答案が少ないので気分が乗らないというのも、しばらくぶりの採点の原因かも(涙)。それでも何とか答案の中のいい部分を見つけようとして、フォローしながら読むのでえらく時間がかかってしまう。真面目に授業に出席してレポートもそこそこの内容を出していると、単位不認定(不可)にするのは忍びないかなあ、せめてぎりぎりC評価(可)にするかなあ、なんてことを考えてしまうのだ。これって甘過ぎるかな。そうやって温情で少しゲタを履かせようなどと考慮してると、あっという間に時間が過ぎていく。あ〜あ。もちろん、どうにもならない論外の答案の上に、出席もレポートもお話にならない場合は、ばっさりきっぱり不可にするのは言うまでもない。


2月4日(水曜日) 終わらない…

 読んでも読んでも終わらない。答案の数が減らないじゃ〜ん。これじゃ、いつまでたっても取材に出られないよ。ってゆーか、早く採点を終わらせないと、提出期限が迫っているんだよな(汗)。


2月5日(木曜日) 採点終了

 ふう。やっと終わったよ採点。でもって、成績を採点簿に転記するのがこれまた面倒くさい。採点簿はマークシートになっていて、鉛筆でそれぞれの成績をマークした上に、ボールペンでも記号で成績記入しなければならないのだ。名前と成績がずれたり別人と取り違えたりしたら大変だから、何回も確かめて慎重に記入していく。おまけに、30枚近くのマークシート採点簿のすべてに、1枚ずつ印鑑を押すんだってさ。うわ、厄介だなあ。

 ちなみに成績分布は、期末試験を受けた学生のうち約2割がA評価で、F評価(不可)は35%だった。それでもかなり甘く採点したりして、何人かはC評価に拾い上げたんだけどなあ。授業に出ないでレポートも出さず、それで試験の答案も書けていないんじゃ、いくらなんでもフォローしようがない。もちろん授業をちゃんと聴いていないから、書けない(書けるわけない)んだろうけど。


2月6日(金曜日) 牛丼の味

 もうすぐ牛丼の販売が全面的に中止になるらしいけど、確かにあの味とボリュームであの低価格というのは、かなり魅力的だよな。ちなみに僕は牛丼チェーン店では松屋のファンである。吉野家も嫌いじゃないけど、松屋の牛めしのやや甘ったるい味の方が好きなんだよなあ。それに吉野家よりも十円高いが、松屋の牛めしには味噌汁が付いてくるし、味噌汁は少し薄めながらワカメがたっぷり入っている。そんな松屋の味が僕の口には合っているのだ。吉野家の味噌汁はインスタントの粉をかき混ぜた感じがして、どうも好きになれない(吉野家の豚汁は絶品の味わいだと思うけど)。そんなわけで、久しぶりに松屋の牛丼を食べた。おいしかった(笑)。


2月7日(土曜日) ポイントカード

 採点簿を簡易書留で郵送するために、横浜中央郵便局へ。土曜日の午後だからか、ものすごく混んでいる。ついでにいろいろと買い物。ソ◯マップのポイントがたまっていたなあと思い出して、ポイントを使って映画「遠い夜明け」のDVDを購入。…しようと思ってレジカウンターに商品を出したところで、ポイントカードを忘れたことに気付く。そうしたらな〜んと、店員さんが「名前と生年月日と◯◯が分かれば検索できますから」と言ってくれて、カードがあることにしてくれたのだ。すごい。そんなことができるんだ。なんてサービスのいいお店なんだろうと感激した。

 横浜駅前の讃岐うどんの店に入る。前からうわさには聞いていたのだが、本場仕込みのセルフサービスの店で、客が自分でトッピングする方式である。やや値段が高いとは思うけど、うどんの腰はしこしこしていて、味もそこそこおいしい。


2月9日(月曜日) メールサーバーに障害

 プロバイダーのメールサーバーに障害が発生して、先週の土曜日からメールの送受信ができなくなっていたが、2日半ぶりにようやく復旧した。私信や迷惑メールがばらばらと100通ほど届く。まあ大半が迷惑メールやウイルスメールなんだけど、この手のメールがネット上に大量に出回っているから、サーバーに高負荷がかかって障害が生じたりするのだろう。本当に困ったものだ。いつもはメールソフトが「迷惑メール」を分類して、自動的にゴミ箱に直行させてくれているし、Macはウイルスメール被害の対象外だから実害はないのだが、サーバー本体がダウンしたらお手上げだもんなあ。取材が立て込んでいる時期や締め切り直前でなくてよかった。


2月10日(火曜日) 電気街

 東京・秋葉原のヤマギワソフト館のビルで、午後2時過ぎに火災があったという。最近は秋葉原にあまり行ってないが、電気街を歩くと必ずと言っていいほど立ち寄る店の一つだ。CDやDVDやビデオの品揃えが充実していて、ちょこちょこ利用していたので、火事は人ごとと思えない。電気街のビルはどこも通路が狭くて逃げにくそうだからなあ。報道によると、店員が迅速で的確な誘導をしたために、ビル内の客には負傷者はいなかったそうだ。人的被害がなくて本当によかったと心から思う。


2月11日(水曜日) カラオケ

 友達と東京・新橋のカラオケへ。カラオケなんて久しぶりだ。とはいうもののまだ明るいうちに入店して、な〜んと6時間も滞在してしまう。かなり飲み食いしたはずなのに、昼間の時間帯の料金が安かったのと、即席で作った会員証の割り引きのおかげで、思ったより割安だった。助かったあ。世間から牛丼が消えつつあるのとは関係なく、夕食は焼き肉でカルビとロースを食べる。国産か米国産か豪州産かは分からないけどうまい。やっぱり焼き肉はいい。


2月12日(木曜日) 鯨肉

 東京・渋谷の鯨料理の専門店で、鯨の空揚げを食べる。ランチメニューなので通常価格よりかなり安い。たまたま通りかかったのだが、今どきこんな店がまだあるんだなとびっくり。味は学校給食で食べた鯨の立田揚げそのもので、なんだかすごく懐かしい感じがした。夕食は自宅近くの店で、なぜかまた焼き肉を食べる(謎)。カルビが口の中でとろけるようにおいしい。


2月13日(金曜日) 電話集中

 朝から取材協力者や編集者から、ひっきりなしに電話やファクスなど。電話が集中してかかってくる日というのが、不思議なことにたまにあるんだよなあ。う〜ん、きょうがその日だったか…。

 諸般の都合でアップしていなかった「身辺雑記」を、4日分まとめて更新しました。諸般の都合ってなんだ、などという突っ込みはしないように(笑)。


2月16日(月曜日) 黙って座れば

 午後から東京・新橋の法律事務所で弁護士取材。要領よく的確に話をしてくれるので、短時間のうちに理解が深まって助かる。夕方から水道橋の編集部へ。担当編集者と打ち合わせを兼ねて、近くの小さな料理屋に飲みに出かける。黙って座っていればいちいち注文しなくても、店のおやじさんが適当に見つくろって、その日のお薦め品を出してくれる店だという。タマゴぎっしりのカレイの煮つけはおいしかったなあ。焼酎のお湯割りもうまかった。店内は暖房があまり効いていないので寒い。基本的に客はほったらかしのお店なのだ。まあ、そこがいいのだろうけど。小腹が減ったので神戸らんぷ亭で牛丼を食べる。280円。まだ牛丼やってるんだね。そう言えば、松屋の牛めしも土曜日に販売していたな。午前零時帰宅。


2月17日(火曜日) 追試

 きょうも東京・新橋で別の弁護士取材。霞が関に近いこともあって、この近辺は法律事務所を構えている弁護士が多いのだ。取材を終えてから、久しぶりに秋葉原の電気街に立ち寄る。火事で燃えたヤマギワソフト館の前を通ると、一週間も経つというのに、火災現場特有の焦げた臭いがつーんと鼻をつく。生々しいなあ。

 帰宅すると、大学から追試答案が速達で届いていた。インフルエンザで期末試験を受験しなかった学生の答案だ。さんざん迷った末に、追試も本試験とほぼ同じ内容の問題を出したのだが、質問の答えになっていない答案は追試でもやっぱりあった。まともな答案を書けないのは出題文のせいかと思って、かなりストレートな文章に変えてみたんだけど、要するに授業をちゃんと聞いてなくて、勉強もしてないだけの話なんだね。脱力。


2月18日(水曜日) 取材ラッシュ

 午後から東京・新宿の都庁記者クラブへ。「日の丸・君が代」強制に反対する都立高校生の保護者有志の記者会見。保護者の率直な声が次々に語られる。記者クラブで市民に1時間以上も話をさせるというのは、かなり異例ではないかと思う。幹事社はよく容認したなあと別の意味で感心した。切羽詰まった案件や発表が、たまたまなかったからなのかもしれないけど。会見後、関係者と喫茶店で雑談などをしている間に、編集者からいくつも電話がかかってくる。取材がめちゃくちゃ立て込んでいるところに、さらに原稿の発注をされたんだけど、編集長から「なんとかなるだろう?」と言われて引き受けてしまった(おいおい)。夕方から、赤坂の法律事務所で弁護士取材。死刑廃止運動やオウム麻原被告の主任弁護人で、人権派として有名な安田好弘弁護士の話を聞く。安田さん自身の不当逮捕と無罪判決について。これについては、法律雑誌の連載記事で取り上げる予定だ。


2月19日(木曜日) 取材計画表

 あっちこっちに電話して延々と情報収集。取材のまとめをしながら、取材進行計画表も作成。似たような題材を同時取材して、微妙に違うテーマで複数の記事を書かなければならない。取材範囲が複雑に広がりつつあるので、整理して一覧表にしてみたのだけど、これは意外と使える。それはともかく、電話取材に時間が取られて、別件の原稿が全然進まないじゃん。まずいなあ(汗)。


2月22日(日曜日) 予定外

 都立高校の学校行事の状況を把握するために、午後から都内某所で某高校の先生から話を聞く。2時間の取材予定が5時間以上にも及ぶ。うへっ。予定がすっかり狂っちゃったなあ。大急ぎで横浜に戻ると夜の十時を回っている。かなり微妙な時間だけど、別の高校の先生に電話取材。初めて電話したにもかかわらず快く応じてくれて、1時間も詳しく話をしてくれた。感謝。でもって、これから別の原稿を書かなくちゃならない。ふう…。

 きょうの東京は二〇度以上の気温で、5月上旬並みのぽかぽか陽気。厚手のコートなんか着て出かけたのは大失敗だった。電車の中はまさに猛暑といった感じだ。何人もの乗客が上着を脱ぎ出し、暑い暑いと顔を手であおいだり汗を拭ったりしている。車掌は車内温度の調整くらいしろよな、と思う。夜になって強い雨と風。


2月23日(月曜日) エピソード

 昨日とは別の都立高校の先生から話を聞く。あすは入試なので校内の立ち入りはまずいだろうと、学校近くの喫茶店へ。こんなに面白い出来事があったのか、という興味深いエピソードが山盛りだった。こういう話を書かなくちゃと思うんだけど、類似テーマを扱っているほかの記者は、どうしてあんなにつまらない論文みたいな記事を展開するのだろう。まあ、僕とは感性も視点も表現手法も面白いと感じる対象も、まるで違うので別に構わないんだけどさ。

 昼間はそこそこ暖かいけど、すごい強風。飛んできた砂が顔に当たって痛いほどだ。夜になるとぐっと冷え込む。さむっ。こういう寒暖の差が激しい気候が一番厄介なんだよな。

 芥川賞特集の「文藝春秋」三月号を購入。実はこの雑誌を買うのはこれが初めて。芥川賞の受賞2作品(金原ひとみ「蛇にピアス」と綿矢りさ「蹴りたい背中」)を全文掲載している。綿矢りさは文藝賞受賞の「インストール」が面白かったから、ちゃんと単行本を買ってもよかったのだが、全文掲載のほかインタビューも付いているので雑誌で読むことにした。忙しくていつ読めるかは不明だ。この三月号は大増刷をしたというが、東京・新橋の書店はどこも軒並み売り切れ。一方、横浜の某大手書店ではレジ横に積み上げてあった。客層の違いで売れ行きに差が出るのかもしれない。


2月24日(火曜日) 苦戦

 慌てて突っ込んだ短信記事のゲラのチェックや電話取材の合間を縫って、締め切り直前の連載原稿を執筆。今回はめちゃくちゃ苦戦しているというのに、集中もできないという最悪の状態だ。敗因は自分自身の勉強不足と、記事全体の構成がしっかり把握できていなかったことにあるわけで、要するに自業自得なんだけど。


2月25日(水曜日) 取材集中月間

 連載原稿と写真は朝一番で無事に出稿。あとはもう、ひたすら電話取材と情報収集に明け暮れる。これから一カ月ほどの間に、中編ルポ2本と長編ルポ1本の計3本の締め切りが集中。一カ月に2本というのは過去に経験があるけど、3本は初挑戦だから正直なところかなりびびっている。時間内に書き上げなければという心配もさることながら、期待に応えられるだけの材料とエピソードが集められるかどうかを考えると、胸がドキドキというか胃がシクシクしてくる。一定の原稿レベルを維持するだけでなく、署名原稿なんだから一定以上の高い評価を得られるレベルまで持っていきたい。いずれにしても、綱渡り状態なのはいつもと変わらずだよなあ。


2月26日(木曜日) 余技

 月に一回の編集手伝いの日。教職員組合の新聞レイアウト2号分を完成させる。途中で雑談したり電話取材をいくつかかけたりもしたので、実質労働は6時間といったところだろうか。もっと早く片付けて帰りたかったのだが、やや手間のかかる内容だったため遅くなってしまった。まあ、プロの技を生かした仕事といえばそうかもしれないし、かなり効率のいい仕事なのは確かだけど、あくまでもこれは「余技」であって、本業は報道取材である(汗)。


2月27日(金曜日) 花粉

 このところどうも鼻がむずむずして、くしゃみが頻発すると思っていたら、知らない間にすっかり花粉の季節に突入していた。こんなに早い時期に始まるんだっけと戸惑うばかりなのだが、もうかなりの量の花粉が飛び散っているらしい。そんなわけで今年初めて花粉症の薬を飲んだ。花粉の症状は楽になるんだけど、眠くて眠くてたまらない。鼻炎薬の飲み始めはたいてい頭がぼーっとして、意識もうろう状態で労働意欲も低下するんだよなあ。まあ、じきに慣れてくるだろうが、本当に困ったものだ。さっさと終わってほしい。


2月28日(土曜日) 睡魔

 午前中は電話取材。午後から東京・早稲田で市民集会を取材。食事休憩を取った夕方以降は、猛烈な睡魔に襲われて居眠りしてしまう。これといった収穫はなかったけど、久しぶりに会う人たちも大勢いるので、顔つなぎにはなったかもしれない。午前零時帰宅。


2月29日(日曜日) 情報収集

 朝から夜遅くまで、あっちこっちに取材電話をかけまくる。貴重なエピソードや情報が次々と入ってくる。話を聞きたい人や聞くべき人がそれこそ山のようにいて、時間はいくらあっても足りない。できるだけいろいろな立場の人にたくさん会って、意見や感想や怒りや苦悩を語ってもらいたいのはもちろんなんだけど、しかし残念ながら締め切りがあるので、いつまでも延々と取材を続けるわけにはいかないんだよなあ。だれにどこまで話を聞くか、電話か直接会うのか、間接取材でもいいかなど、状況を判断しながら進めなければならないのだ。時間の使い方についての悩みは尽きない。


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