身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2011年2月1日〜2月28日

●追試問題●採点終了●私語対策と座席指定制●いかにもスタジオ●深夜にラーメン●傍若無人なキャリーバッグ●「私語対策と座席指定制」その2●いよいよ涙の戦闘開始だ●同時進行●編集会議●「沈まぬ太陽」●文字を大きくします●ツイッターとフェイスブック●フェイスブック・その2●禅問答●大量にプリントアウト●死刑判決は全員一致で●気まぐれ●MOは過去のメディアだった●管理と統制●思いがけない利息●切り抜きの整理●めっちゃ美味ラーメン●大量飛散は悲惨だ●半年ぶり髪の毛カット●ドア越し取材●時間の感覚●●●ほか


2月1日(火曜日) 追試問題

 教務から追試験の依頼が来たので、追試問題を作成する。しかしだなあ、なんというか、そもそも後期試験の答案採点がまだ終わってないんだよなあ(涙)。刻々と迫ってくる締め切り日。ダメだこいつ、早くなんとかしないと…(自爆)。


2月2日(水曜日) 採点終了

 定期試験の答案採点がやっと全て終わった。やれやれ、とりあえずほっとした。これに出席点とレポートの点数を加えたものに基づいて、成績評価(単位認定)することになる。採点を終えた勢いで一気に計算して、履修者全員の成績を確定。厳密に判定するとギリギリ不合格(不可)になる学生が3人ほどいたが、2回のレポートを出しているし、わずか2〜3点が足りないだけで不可にするのはかわいそうなので、底上げして単位認定する。というわけで、公式の成績表に清書してマークシート記入すれば作業完了だ。


2月3日(木曜日) 私語対策と座席指定制

 午後から大学。授業実践研修会に参加する。「私語対策と座席指定制の効果について」がテーマ。学生の質の低下やマナーの悪さが問題になっている。教室全体が騒がしく、注意しても静かにならないケースも出ていることから、教員の希望で座席指定制を導入する大学も増えているらしい。確かに昨年あたりから私語が目立ってきているようだ。そうした状況から今回は、実際に座席指定の授業を行っている先生2人が学生の反応や変化を報告。「騒がしさが収まる気配がなかったので最後の手段として座席指定に踏み切った」という先生はともに、「面倒ではあるが座席指定にして私語が全くなくなった」とメリットを強調した。「私語がうるさい」と不満を漏らしていた学生たちからも好評だという。

 中学や高校での生活習慣やいい加減な指導も背景にあると考えられるので、大学教員の対応だけで解決するような話ではないと思うが、注意しても私語が収まらないのであるとすれば、座席指定も一つの方法だろう。座席指定することがイコール「管理」とは言い切れない。教室での私語がほかの学生の学習権を侵害する行為なのは明らかで、教員には学生の授業を受ける権利と環境を守る責任・義務があるからだ。

 僕は今のところ、「注意しても騒がしさが収まらない」といった経験は、ゲストとして講義した総合講座で1回あったくらいだ。通常の講義では概ね、みんな真面目に聴いてくれている。しかし、その学年の雰囲気や割り振られた教室の大きさ、教室内の人口密度などによっては騒がしくなることがあるかもしれない。最悪のケースも想定して、その時はしっかり対処する覚悟と準備は必要だろうなあと思う。そのほか、注意の仕方、質問への受け答えなど、具体的な授業実践例も聞けて勉強になった。


2月4日(金曜日) いかにもスタジオ

 午後から東京・板橋。アニメーション制作スタジオで、業界重鎮のアニメ監督から話を聞く。いかにも「スタジオ」という感じで雰囲気のある建物が、閑静な住宅街にどっしりとたたずんでいた。監督は気さくで、ざっくばらんに3時間ほど話をしてくれた。いろいろ複雑怪奇なことがあるんだなあ。改めて勉強になった(謎)。


2月5日(土曜日) 深夜にラーメン

 午後から東京・荻窪。アニメーション業界の取材。アニメーターや演出家らの集まりに出席させてもらって、「アニメ村」の内部の突っ込んだ話に耳を傾ける。議論が沸騰し、話し合いは午後10時まで続いた。終了後、駅前の居酒屋へ。終電ギリギリまで歓談。横浜に着いたら、駅前のラーメン店がなぜかまだ営業していたので、ついふらふらと入ってしまう。深夜のこんな時間にラーメンを食べるとは…。店を出た後で激しく反省する。午前2時前帰宅。


2月6日(日曜日) 傍若無人なキャリーバッグ

 キャリーバッグが流行っているらしい。あっちこっちでゴロゴロガラガラと引きずっている人を見かけるが、傍若無人なマナー違反の利用者には憤りを感じる。このあいだ、混雑する山手線の新宿駅のホームで、50〜60歳くらいのオバハンのキャリーバッグに、足を思いっきりぶつけられた。これがめっちゃ痛いんだよなあ。移動する時に体に引き寄せないで、人込みの中で体から離して後ろに引きずっているから、こちらからはキャリーバッグが見えない。これでは避けることはまず不可能だ。全く気付かずにぶつかってしまう危険性が高い。オバハンは謝りもせずに去って行った。

 ごった返しているホームでキャリーバッグを引きずるとは、いったいどういう神経をしているのだろう。キャリーバッグを使うのは悪いことではもちろんないけれど、人込みの中では体との距離をあけないようにして、例えば押して運ぶとか、斜めにしないだとか、周囲に配慮するのが常識ではないか。そういえば最近は、ケータイの画面に釘付けになって脇目もふらず突き進んできたり、狭い道を数人で横に広がってふさいだり、電車を待って並んでいる列に平然と割り込んだり、そんな非常識なオバハンやオッサンが目立つ。

 むしろ若い世代の方が、傘を差してすれ違う時にちょっと傾けるとか、ぶつかったらすぐに謝るなど、他者への気配りがしっかりしているような気もする。世代論で片付けてしまうのはいささか乱暴で、年齢に関係なく人それぞれなのかもしれないが、それでもやっぱり「いい歳こいて何やってますのん」と言いたくなる人が多い。社会性の欠如した大人が繁殖し過ぎだ。どないなってんねん。


2月7日(月曜日) 「私語対策と座席指定制」その2

 このあいだ書いた「私語対策と座席指定制」(2月3日付「身辺雑記」参照)には、思いのほか反響があって、「もう立派な大人なのに」「小学校みたいですね」などといろいろコメントを頂戴したほか、外部リンクしていただいたりもしました。こちらも勉強になります。ありがとうございます。続編として今回は、別の大学で教えていらっしゃるSさんからいただいた感想メールに対し、僕が返信したメールを紹介します。「座席指定」や「私語」をめぐるあれこれです。固有名詞など一部表現は変えて抜粋しました。

◇◇

 ご無沙汰しています。メールありがとうございました。Sさんの大学の入学式で、学長に対して「はげ頭」と野次った学生がいたというエピソードは、笑うに笑えない困った話だなあと思いました。どこかの大荒れの成人式と、本当に大差ないですね…。

 200人を超える2コマで静粛を保たれているのは、Sさんの力量だと思われます。さすがですね。学生たちは「他人の学習権を妨げる行為は許されない」ということを自覚して、ほかの講義でも静かにするようにと願うばかりです。

 僕も「座席指定制」を導入してみようかなと考えることもありますが、今のところ授業中はおおむね静かですし、多少の私語があっても注意すれば収まるので、まあいいかと、何もせずそのまま続けています。しかし、導入していない一番の理由は、実は、面倒くさそうだからというものです(笑)。

 エクセルで学籍番号を打ち込むのは、どう考えても面倒くさいです。先日の授業実践研修会で報告されたベテランの教授は、「コピペで30分もあれば終わる」とおっしゃっていましたが、出席カードをチェックして名簿記入する作業だけでも大変なのに、100人を超える学生の座席配置を考えて、学籍番号をいちいち座席表にコピペするなんて、やっぱり躊躇してしまいますよね。

 それだったら、私語があった時点で注意した方が楽です(笑)。もっとも、注意しても収拾がつかないほどの事態に直面したら、背に腹は代えられないので座席指定を導入すると思いますが。

 ちなみに、ご質問があった「座席指定用のソフトウエア」は、うちの大学にはありません。「教務課で座席指定用のソフトを開発してくれ」という要望は教授会からも出ているみたいです。座席番号の入った教室ごとの座席表は、教務課が用意してくれますが、さすがに座席指定まで全部やってくれとは言えないので、いつになるか分からないソフトウエアの開発を気長に待ちます。

 座席指定だと顔と名前が一致するので、学生を指名したりするのには便利で、コミュニケーションは取りやすくなるだろうなあと思います。プラス面とマイナス面も含めて、実際にやってみないと分からないですよね。私語対策はともかくとして、新学期の少人数クラスで実験的に導入してみようかなと、Sさんからのメールを読みながら、少々触発されました。


2月8日(火曜日) いよいよ涙の戦闘開始だ

 ここ数日間の横浜や東京は、3月下旬の陽気でとても過ごしやすかったが、それは同時に花粉症の季節の到来を意味する。日曜日あたりから鼻がむずむずして、くしゃみが止まらなくなったので鼻炎薬の服用をスタート。多少の睡魔に襲われるけれど、花粉症の辛さに比べたらそれくらいは屁でもない。今のところなんとか押さえ込んでいる。昨夕からきょうにかけて再びぐっと冷え込み、あす以降もしばらくこの寒さは続くみたいだ。でも、油断することなく花粉症対策は継続した方が無難だろうなあ。桜が満開になるころまで鼻炎薬は手放せそうもない。いよいよ戦闘開始(涙)である。


2月9日(水曜日) 同時進行

 リビングのフローリングをきれいに掃除して、カーペットを新しいコットンラグに交換した。気分一新だ。それはともかく、ここにきてどういうわけか、並行して進めなくてはならない取材や原稿依頼などが次々に入ってしまい、時間のやりくりをどうするか、同時進行で混在するストーリーや情報を、どうやって整理すればいいだろうかと四苦八苦している。司法関係、冤罪事件、社会、教育の4本だ。締め切りは微妙にずれているけれど、これで完全に余裕がなくなった。想定していなかった依頼はさすがに焦る。答案の採点と成績評価をさっさと片付けておいて、本当によかった。いっぺんに別々のことをやるのって、あまり得意じゃないんだよなあ。


2月10日(木曜日) 編集会議

 午後から東京・新大久保。雑誌「冤罪ファイル」の編集会議。会議に出された資料を見て、ここ最近は無罪判決や逆転無罪判決がいくつも出ているんだなあと驚かされる。もちろん有罪判決や逆転有罪も結構ある。いずれにしても、刑事裁判を報道する新聞やテレビのニュースだけを見て、「冤罪事件だった」とか「冤罪なのに不当な判決だ」「これは冤罪じゃない」などと決めつけるのは早計ではないか。判決理由の根拠とされているものや事実関係が、報道だけでは正確に把握できないことがあるので、先入観に基づいて断定してしまう態度は厳に慎むべきだろう。被告人の説明や発言についても、短い字数に凝縮されて報じられている場合が少なくないので、そこだけをとらえて「理解できない説明だ」「そんなわけないだろう」と突っ込むのは危うい。編集会議で、そのあたりのことをあまり理解していない出席者がいたのが少し気になった。

 検察審査会のあり方について認識が二分する。検察官の公訴権をチェックする機関としての検察審査会の役割そのものを、全否定する考えには賛成できないなあ。6時間半ほどで会議終了。首都圏でも夜遅くから雪が降り始めるとのことで、さっさと引き上げる。


2月11日(金曜日) 「沈まぬ太陽」

 朝からみぞれまじりの雪。深夜にかけて雪が降り続いて、都心や横浜でも積もるとの天気予報。こういう日は家の外には出ないのが一番だ。ホームセンターに注文していたリビング用の椅子が届く。配達員の方は、寒い中を本当にご苦労さまだなあと思う。仕事だとは言え、なんだか申し訳ない気がする。

 日本テレビ系の金曜ロードショーで「沈まぬ太陽」(原作・山崎豊子、主演・渡辺謙)を見る。地上波初登場、4時間ノーカット放送。何のために、だれのために仕事をしているのか、だれのために会社で働いているのか。そんなことを会社や役所などの組織で働くすべての人間に対し、厳しく問いかける社会派の内容だ。僕が会社を辞めた後に、僕の著書「日の丸がある風景」を読んでくれた中学の同級生が、「小説の沈まぬ太陽みたいだね」と感想を寄せてくれたのを思い出した。同書には新聞社を退職する背景の一つとして、読者の方を向いて仕事をしない編集幹部の実態が少しだけ収録されているのだが、そのくだりや僕の書いたほかの文章から、「沈まぬ太陽」を想起したようだった。問題の本質をよくとらえている秀逸な感想だなあと、感心させられたのを鮮明に記憶している。映画を見ながら懐かしくなった。それはさておき今夜の放送は、映画の内容や出来はともかく、CMがあまりにも多過ぎる。トイレ休憩を挟むにしても、これだけ頻繁だと集中力をなくしてしまう。


2月12日(土曜日) 文字を大きくします

 朝日新聞が3月31日付の夕刊から文字を大きくするという。文字の拡大ではっきり読みやすくなるのはいいことだが、当然のことながら情報量は減ることになる。「情報量を確保するために記事の書き方やレイアウトを工夫する」そうだが、果たしてどうなることやら。大雑把でざっくりしたレイアウトは確かに読みやすいが、1ページあたりの記事の本数が少なく、記事の中身も簡潔すぎてスカスカの読売新聞みたいにならないことを、長年の朝日の愛読者の一人として心から切望する。

 たまたま朝日が文字を大きくする社告を出したタイミングと重なるが、僕も名刺の文字をこれまでのものより一回り大きくした。肩書きと名前、住所、電話番号、メールアドレスなど、それぞれの活字を読みやすく拡大して、これまでは口頭で伝えていた携帯電話の番号もついでに加えて印刷してもらった。従来の名刺を使い終わったので、来週の取材からは新しい名刺を手渡すことになる。取材内容や原稿がスカスカにならないように、そして読みやすくなったのは名刺だけとならないように、気持ちを引き締めたい。


2月13日(日曜日) ツイッターとフェイスブック

 チュニジアやエジプトで、独裁政権を崩壊させる原動力になったとして大評判のフェイスブック。話のネタにとりあえず登録してアカウントを取得してみた。昨年4月に登録したまましばらく放置していたツイッターも、昨年末からあれこれいじって使い方を学習しているのだが(12月31日付「身辺雑記」参照)、フェイスブックはツイッター以上に使い方がよく分からない。ツイッターは最近ほんの少しだけわずかに輪郭が見えてきた(ような気がする)が、それでもやっぱり縦横無尽に使いこなすなんていうのは、はるか遠い先の日だと思われる。もっとも1日にせいぜい1言か2言ほどつぶやく程度なので、ツイッターになかなか慣れないのも仕方ないかもしれない。

 一方、フェイスブックの利用者は匿名でなく実名が基本なので、僕としては共感できる部分はたぶんかなり大きい。しかし残念ながらツイッターに輪をかけて、フェイスブックの公式サイトの使い方の説明はとても分かりにくい。さらに、友達を検索する仕組みもイマイチ理解できない。全く知らない人間ばかり大量に「知り合いかもしれません」と提示されるので、ただただ困惑するばかりだったりする。たまたま僕の同級生は検索に引っ掛かってこないのか、それともフェイスブックにあまり登録していないのか、その辺もよく分からないんだよなあ。先が思いやられる。というか、そもそもこんなことやってる場合じゃないんだけど(汗)。


2月14日(月曜日) フェイスブック・その2

 インターネットで遊んでる余裕はないなどと言いながら、天候不順を理由に自宅に引きこもって、始めたばかりのフェイスブックをごちゃごちゃいじっていると、知り合いが1人見つかったのをきっかけに、次々に友人知人がフェイスブックに登録していることが判明。こちらから連絡メッセージをいくつか送る。そのうち、検索では見つからなかった友人からも、「フェイスブックを立ち上げたらあなたの顔が表示された」といったメッセージが届いた。これがいわゆる「芋づる式」というものか。夕方には突然サイトの別窓が開いてチャットが始まった。そんな機能もあるのか。ご無沙汰していた旧友としばし会話を楽しむ。便利なんだか個人情報が駄々漏れする危ないツールなんだか、そこのところをしっかりと見極めながら利用する必要はあるんだろうなあと思う。

 ただ、フェイスブックがほかのネットメディアと違って、匿名でなく実名で発言するのが原則という点は高く評価したい。自分の発言に責任を持って実名で発信する方が、健全な社会であるように思うからだ。匿名であることに任せて、誹謗中傷を繰り返したり事実に反する無責任な発言をまき散らすのは、成熟したまともな社会とはとても言えないだろう。

 そういうこともあわせてフェイスブックを眺めていると、社会に向けて実名で発信している人や、30歳代〜40歳代あたりの参加が比較的多いような気がする。もちろん大学生など若い世代やもっと上の年代の方もたくさん登録していると思うけど、印象としてはミクシィは高校生や大学生や20歳代あたりが中心で、ツイッターはそれよりも上の世代が多く、フェイスブックはさらにもう少し世代がアップしているといった感じだ(あくまでも僕の個人的な印象です)。ちなみに、年賀状を毎年やり取りしている友人150人ほどをざっと検索してみたが、こちらはほとんど引っ掛かってはこなかった。フェイスブックにはほとんどが登録していないらしい。まあどちらかというと、日ごろからあんまりインターネットを積極的に活用している感じじゃない人が多いからなあ。


2月15日(火曜日) 禅問答

 昨夜の大雪から一転して横浜は快晴。数センチほど積もって白く雪化粧した路面も、昼前にはすっかり元通りの状態に。日の当たらないところに点々と名残りを見せる程度だ。午後から都内。杉並区内の大手アニメ制作会社へ。著名なベテランアニメ監督と一緒に、制作担当役員に面会して話をうかがう。なんだか禅問答のような感じで1時間ほど(謎)。押してみたり引いてみたり。まあ仕方ないか。それでもとりあえず事実関係についての確認は取れたので、これはこれでよしとしたい。

 デジタル一眼レフカメラの2号機(軽量版の少し安めのカメラ=パナソニックのLUMIX)が、ようやく取材現場デビュー。操作がすごく簡単でしかも軽くて使いやすい。もしかすると、デジタル一眼レフの1号機(本格派の高価なカメラ=ニコン)よりいいかもしれない。なんとなくこっちの方を愛用しそうな気がする。

 久しぶりに新宿駅東口の桂花ラーメンで、太肉(ターロー)麺を食べる。シャキシャキのぶつ切り生キャベツと、こってりとろけるような太肉と独特の固さの桂花の麺が、相変わらず絶妙な味わいをかもし出している。業績悪化(昨年11月に民事再生法申請)の影響からか、横浜店などいくつかの店鋪が閉店になっているが、ぜひなんとかつぶれずに頑張ってもらいたい。ジュンク堂と紀伊国屋書店をはしご。宮崎駿の画文集「トトロの住む家・増補改訂版」(岩波書店)、キネ旬ムック「BSアニメ夜話09・時をかける少女」(キネマ旬報社)、そのほか雑誌などを購入する。気がつくと4時間近く店内をうろうろしていた。


2月16日(水曜日) 大量にプリントアウト

 午後から大学。追試の採点結果を教務課に報告したついでに、講師控室と情報センターで、取材資料の整理やコピーやプリントアウトをする。結構な量になった。学校のパソコンを使って大量にプリントアウトできるのはとても助かる。教員はインターネットでダウンロードしたり持ち込んだりしたデータを、年間1000枚までパソコンから印刷することが可能なのだ。このほか教材として配布する資料・レジュメなどの印刷やコピーについては、もちろん枚数に制限なく利用できる。まあこれくらいの恩恵がなくっちゃなあ。取材の合間を縫って、授業の準備をしたりレポートや試験の採点をしたり、日ごろからそれなりに真面目に取り組んでいる(と思っている)ので、そういう特典は活用させてもらわなければ。学校の最寄り駅近くのラーメン屋で、味噌ラーメンと餃子を食べる。なかなか美味しい。しかも安い。


2月17日(木曜日) 死刑判決は全員一致で

 死刑判決を言い渡す際には裁判官と裁判員の全員一致を要件とする法案を、超党派の国会議員80人でつくる「死刑廃止を推進する議員連盟」が議員立法で今国会へ提出するという。裁判員裁判だけでなく、裁判官だけの控訴審や上告審でも死刑判断は「全員一致」を要件とするそうだ。これまでの刑事裁判では、多数決によって死刑判決が言い渡されている。

 僕は必ずしも死刑廃止の立場ではないが、死刑判断には慎重さが必要であると考える。多数決で死刑を決めてしまうのではなく、だれもが「死刑はやむを得ない」と全員一致で合意できる場合に限られるべきだろう。誤審は絶対に許されないし、国家権力によって一人の生命を奪い去ってしまう究極の刑罰なのだから、最低限それくらい慎重の上にも慎重に考えて判断されなければならない。そういう意味で、この法案は早急に成立してほしい、というか絶対に成立させるべきだ。国会は政府も与党も野党もぐちゃぐちゃになっているが、流れてしまっていい法案では断じてない。

◇◇

 取材を進めている複数の案件について、朝から関係者に事実関係を電話で確認するほか、必要な基本データを集めたり取材日程を調整したりと、ひたすらそんな作業が続く。夕方から近くの家電量販店へ。取材資料のバックアップ用にMOディスクを探すが、今どきMOなんて時代遅れなのか、ちょっと見ない間に商品がほとんど姿を消している。製造中止ではないが、この店ではもう入荷予定はないとか。ショック。かなり便利で信頼性の高いメディアだと思うんだけどなあ。1年ほど前はソニー製もマクセルも三菱も並んで、選り取り見取りだったのが夢のようだ。系列のほかの店では扱っているとのことなので、そちらで入手することにする。面倒だなあ。


2月18日(金曜日) 気まぐれ

 日中は3月下旬から4月上旬の陽気で、コートの前を閉じなくても平気なくらい暖かいのに、夕方からはぐっと冷え込み、明け方には0度近くまで気温が下がる。一日のうちでも気温の変動が激しい上に、積もるほどの雪が降ったかと思うと、叩き付けるような強い雨が降って、めちゃくちゃな強風が吹き荒れる、といった実に変化に富んだ天気がこのところ続いている。そういう季節なんだろうけど、まったくなんて自由で気まぐれなんだ。こんな猫の目みたいな毎日だと、体調を崩してしまいそうじゃないか。気ままな天気に合わせたわけじゃないが、短いボランティア原稿をちゃちゃっと片付ける。依頼の電話を受け取ってから2時間もしないうちに仕上げてしまうなんて、怠け者の僕にしては上出来だ(自爆)。


2月19日(土曜日) MOは過去のメディアだった

 午後から東京・新宿。アニメーション制作現場についての取材。業界団体の会議にオブザーバーとして参加・傍聴させてもらう。その後、一線で活躍するベテランのアニメ監督から2時間以上も話を聞かせてもらった。制作現場と業界の地位向上のために何ができるかを、真剣に考えていることはよく分かった。ざっくばらんに話をしていただいて感謝。たまたま個人的に大好きだったテレビシリーズの監督でもあったので、余談として作品の裏話的なことがちょっと聞けて役得だった。このほか中堅アニメーターにも取材。

 新宿西口のヨドバシカメラにソニー製のMOディスク(Mac仕様)があった。ほかのメーカーの製品はなかったが、売られているだけでありがたい。迷わず5本パックを2セット購入する。お店の人に確認すると店頭にあるだけだとか。そもそもMOドライブそのものの製造も中止になっていて、コンパクトサイズは既に店にはなく、ものすごくでかいドライブが残っているだけだという。「現在ご利用のものを大切に使って下さいとしか言えませんね」とのことだった。そうなのか。もう完全にMOは過去のメディアになっているんだなあと、しみじみ実感する。そんなことになっているとはつゆ知らず。大切なデータは、ポータブルのハードディスクに保存するのが最適なのかもしれない。でもまだ現役でMOも使うけど。


2月20日(日曜日) 管理と統制

 都立高校の先生たちから、ここ最近の学校現場の状況について話を聞く。東京都教育委員会による卒業式や入学式の国歌斉唱の際の締め付けは相変わらずだが、校内人事や異動でもさまざまな介入が強まっているという。管理職である校長がみんな強権的で高圧的というわけでは必ずしもなくても、現場の教職員が意欲をなくすような不自然な学校運営をせざるを得ない、そういう立場に校長も追い込まれているようだ。なんともやるせない。困るのはそんな学校に通う生徒たちだと思うが、都教委としては現場の士気や学校の雰囲気などはどうでもいいことで、教職員が一糸乱れず命令通りに従ってさえいれば問題はないというスタンスなのだろう。管理と統制で学校現場を縛ろうとする教育行政は、やはりまともじゃない。


2月21日(月曜日) 思いがけない利息

 きのうに引き続いて、別の先生から紹介された都立高校の先生の話を聞く。しばらく話をうかがった後に、「実は何年か前に◯◯高校の正門前で立ち話をしたことがあるんですよ」と言われた。当時の印象的だった様子を聞いて、「ああそう言えばあの時の」と思い出した。僕の書いた記事も読んでいただいているという。内部告発のようなことも率直に語ってくれるのは、信用してもらっているからこそなのだろう。感謝。すっかり忘れていた過去の貯蓄というか利息が、思いがけない場面で払い戻されている気分だ。


2月22日(火曜日) 切り抜きの整理

 新聞記事の切り抜きの整理は頭痛のタネだ。毎日少しずつ地道にたまっていくから、気付くと大変な量になってしまう。僕がいつも切り抜く記事は大まかに分けると、「取材の資料として参考になる記事」「内容が面白くて刺激を受けた記事」「こんな文章を書けるようになりたいと感銘した記事」「ジャーナリズムのあり方を考えるための記事」「教材として授業で使える記事」の5種類になる。切り抜く記事が1本もない日もあるし、5本も6本も切り抜く日もあるが、だいたい1日に1〜2本といったところだろう。

 これとは別に雑誌記事が加わる。雑誌をまるまる取っておくとスペースの確保が大変なので、面白い記事が掲載されていると、その部分だけを切り離して後は捨てている。ちなみに自分の書いた記事が掲載された雑誌は、一応そのまま保管している。じゃまになるので四苦八苦しているわけだけど。

 新聞記者時代はマメにスクラップをしていたが、この10年くらいは新しいものから上に積み重ねたり、まとめて袋に突っ込んだりという感じだ。それでもなんとかなっているからそれはそれでいいけど、問題は結構な分量になっていることなんだよなあ。本や書類や取材資料の整理も頭を悩ませるが、こういう切り抜きなんかはみんなどういうふうに管理しているのかなあ。何年か時期を区切って一気に捨てたりしているのかなあ。うまい整理方法とかあるのだろうか。いろんな人にことあるごとに意見を聞いているが、これはと思えるような名案がなかなか出てこない。


2月23日(水曜日) めっちゃ美味ラーメン

 午前中から横浜市内の高校教職員組合へ。図書担当職員が用意した新聞記事のスクラップにざっと目を通して、「この1年間の教育ニュースについて」をテーマにした座談会に参加する。子ども手当て、高校授業料無償化、朝鮮学校の無償化除外、貧困問題、多発する生徒のいじめ自殺、相次ぐ「問題教員」のクローズアップ、教職員の精神疾患増加、PISA(OECD生徒の学習到達度調査)の国際比較、などのニュースについて自由に(好き勝手にとも言う)コメントさせてもらった。夕方から大学へ。図書館と講師控室で教材用の資料を準備する。図書館では閉館時間を過ぎてしまっていたのに、課長さんがあれこれ便宜を図ってくれた。無理を言ってすみません。本当に助かりました。大感謝です(ぺこぺこ)。

 らあめん花月嵐で、冬期の期間限定「道豚堀(どうとんぼり)あまウマラーメン」を食べた。めっちゃ美味しい。醤油系のスープに豚バラとニラとたっぷりの白菜と麺が入っているだけのシンプルな内容だが、まるで水炊きを食べ終わった後の鍋にラーメンを入れたような味わいだった。しかも麺は決してふにゃふにゃになっていなくて、こしがあってつるつるしこしこ状態なのだ。出汁がしっかり溶け込んだ状態のスープが、麺にとてもよく絡んでいるのがこれまた絶品。思わずスープを最後まですべて飲み干してしまった。この店のラーメンってこんなに美味しかったっけと思わず自問自答してしまった(ごめんなさい)。いやしかし本当に美味しかった。どうしてこのラーメンが冬期限定なんだろう。ずっと1年間を通して通常のメニューとして出せばいいのに。とにかくオススメです。


2月24日(木曜日) 花粉が大量に?

 いよいよ花粉がたくさん飛び始めている感じがする。くしゃみや目のしょぼしょぼ感や痒み、鼻のむずむずが激しい。鼻炎薬をしっかり服用する。別に花粉の飛散が理由ではないのだが、ちょっとスケジュールを変更して、取材資料の整理をしたり企画書をまとめたりして過ごす。そのおかげもあって、近所のスーパー2店の安売りセールで買い物ができた。なんともささやかな幸せである。


2月25日(金曜日) 大量飛散は悲惨だ

 午後から都内。以前から懇意にしていただいている元裁判官の弁護士事務所に顔を出す。取材対象をめぐる法律問題に関して、あれこれレクチャーをしてもらった。「それはあり得ない話でしょう」と弁護士もあきれ顔。「やっぱりそうですよねえ」と僕。法律家の見解はとても参考になった。予定よりも長居してしまって、慌てて駅ビル内の喫茶店へ。このところ取材を続けている問題について、関係者から状況などを聞く。興味深い話が次々に出てくる。驚くやら絶句するやら。気付いたら午後8時過ぎ。コーヒー1杯で4時間も居座ってしまった。吉祥寺のショットバーで、編集者と軽く飲みながら打ち合わせ。午前零時半帰宅。

 きのうもかなり暖かかったが、きょうはそんなもんじゃない。日中はジャケットを羽織っていると汗ばむほどで、4月下旬のぽかぽか陽気だ。しかし風が強い。こういう日はまず間違いなく大量の花粉が飛散する。朝から鼻の調子がよくないと思っていたら案の定、目がしょぼしょぼして痒みも一段とひどくなってきた。鼻もぐずぐずだ。いつもより多めに鼻炎薬を服用しているんだけどなあ。電車に乗るとマスクをしている人やくしゃみを連発する人、鼻水をすすり上げる人が、そこかしこにわんさかあふれている。悲惨だ。


2月26日(土曜日) 半年ぶり髪の毛カット

 なんと6カ月ぶり(!)に髪の毛をカットする。タイミングを逸してついつい先延ばしにしてしまい、ほったらかしにしていたら半年が経っていたのだが、さすがにこれは最長新記録だ。肩まであったのをばっさりカットしてもらった。でも一気に短くすると寒そうなので、いつもよりもほんの少し長め。ああ、すっきりした。


2月27日(日曜日) ドア越し取材

 午後から東京・田無。アニメーション制作団体の総会。会場内に入ることは許されなかったので、質疑の様子がかすかにドアの外に漏れてくる場所を見つけてそこで耳を傾ける。新人の新聞記者時代にやった取材を思い出してしまった。まさか今どきこんなことをするなんて、とほほだよなあ。中にいる参加者から録音データを後でいただいたり話を聞いたりするのだから、わざわざそんなことをしなくてもいいのかもしれないが、しかしライブで少しでも情報を得ようとするのは記者の習性だったりする。それに途中で何が起こるか分からないわけで、不測の事態に即応できる状態でいることが重要なのだ。基本的な取材姿勢かもしれない。開会から6時間後。予定の終了時刻を3時間半もオーバーしてようやく総会は終わった。いやはや、なんだかなあといった感じである(謎)。

 きょうもまた花粉が大量に飛んでいる。鼻炎薬をこれまでの2倍〜4倍(これが本来の適正服用量)も飲んでいるというのに、鼻のむずむず感と目の痒みがなかなか治まらなくて辛い。暖かくて過ごしやすい陽気なのはありがたいけど、そうすると、ここぞとばかりに花粉が乱舞するかのごとく飛散するのだ。まいったな。


2月28日(月曜日) 時間の感覚

 あっという間に今年も2カ月が過ぎてしまった。先日、髪の毛をカットした際に美容師さんが、「時間が経つのがとても早く感じるのは、先のことをいろいろ考えるようになったからかもしれませんね」と話していた。なるほど。確かに子どものころは、手帳に先のスケジュールを書き込むことなどなかったし、そもそも手帳なんて必要なかったが、社会人になると手帳のない生活は考えられない。手帳や予定と無縁だったころの1日や1年という時間は、ものすごく長かったという印象だ。それに比べて、スケジュールに管理されるようになってからは、時間があっという間に過ぎてしまうことを実感する。子どものころは今のその瞬間を生きることに精いっぱいで、先のことをいちいち気にする余裕はほとんどなかったということなんだろう。子どもと大人の時間の感覚は全く異なる。


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