身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2012年12月1日〜12月31日

●野毛の飲み屋に垂涎●毎日と朝日にはがっかりだ●原発推進が「まっとうな政治」ですか●気が滅入る究極の選択●カキ鍋は味噌仕立て●土肥元校長の控訴審が結審●「何を語らせるか」が大事●我慢も必要なのか●就職活動による深刻な影響●政治を逆戻りさせない●法定ビラ配布の男性釈放●往生際の悪い日本原電●よく考えて投票してほしい●極右政権に白紙委任していいの?●小さな一票の力で●憲法改正が射程距離に入った●リベラル護憲派の無自覚が心配●授業の心得●株価上昇はバブルでは?●活断層は杜撰な原発計画の証明●生徒のドヤ顔●「予防訴訟」一つの区切り●裁判のありようもさまざま●ひとり流行語大賞は「原発」●未来迷走「ダメだこりゃ」●午前3時まで●牛しゃぶ●ぐずぐず●物理的にも精神的にも●原発ゼロこそ現実的●●●ほか


12月1日(土曜日) 野毛の飲み屋に垂涎

 今夜放送のテレビ東京「出没!アド街ック天国」の舞台は横浜野毛で、スペシャルバージョンの15分拡大版だった。美味しそうな料理をメニューに揃えた飲み屋や料理店が、これでもかというほど次々に登場して文字通り垂涎もの。いいなあ。入ったことのない店がほとんどだ。常連客でなくても本当に気軽に入れるのかな。それにしても、あの野毛の界隈に600店舗もの飲み屋がひしめき合っていたなんて、しかも個人経営の店ばかりでいわゆるチェーン店がないなんてことも、この番組で初めて知ったよ。


12月2日(日曜日) 毎日と朝日にはがっかりだ

 未来の党の嘉田由紀子代表の発言をめぐって、「原発再稼働容認を示唆したがその後すぐに修正した」と伝えられているが、あまりにアンフェアな報道ぶりに驚く。毎日は「すぐ否定」「一転否定、発言ぶれる」、朝日は「一転『誤解だ』」「主要政策ふらつく」などと、悪意があるとしか思えないような伝え方をしている。

 「私たちは核のごみを増やさない」と嘉田代表が発言した部分に触れないのは、どういう意図があるのか理解に苦しむ。一方、共同通信は「未来の党代表の嘉田由紀子滋賀県知事は民放番組で『安全基準があるなら永久に動かしたらいい、というのは理屈として正しそうだが、核のごみは処理できない。私たちはごみをこれ以上、増やさない』と訴えた」と伝えている。この伝え方の違いはどこから生まれるのだろう。事実を基にして読者(有権者)に判断材料を提供するのが、選挙報道の基本であり大前提のはずだが、意図的に誘導するような一方的な伝え方をするのは、アジビラや機関紙の類いと変わらない。毎日と朝日にはがっかりした。

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 「維新の会が新人の立候補予定者に対し、公開討論会への参加を見送るよう指示していた」(読売)って酷いな。「準備不足の新人は討論会で袋だたきに遭いかねない」「新人が討論会で失言するとイメージダウンが大きく、落下傘候補は特に危ない」。有権者にまともに政策説明さえできない人物に、そもそも立候補の資格なんてあるのかよ。有権者を愚弄するにもほどがある。

 維新の会の橋下徹代表代行は、政権公約の政策実例に「既設の原発は2030年代までにフェードアウト(次第に消える)」と明記したことに関し、「政策実例は議論の叩き台。公約ではない」と述べたという(読売)。またまた噴飯ものの詭弁。笑わせるなよ。政党代表の石原慎太郎氏が、政権公約をまともに読んでさえいないことが露見したら、「あれは政権公約じゃありません」ってか。ああ言えばこう言うの典型じゃないか。呆れてものが言えない。デタラメを並べ立てるにもほどがある。

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 エアコンのフィルターを久しぶりに掃除したら、リビング全体がほかほかして暖かい(もっとこまめに掃除しろよ)。ちなみに少し離れた仕事部屋は若干寒い。

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 トンネルって本当に怖いなあ。閉所恐怖症ではないにしても、通過する時はいつも、一分一秒でも早く通り抜けたいと思っている。トンネル事故や火災のニュースを見ると、映画「ダイ・ハード」の脱出シーンを思い出してしまう。


12月3日(月曜日) 原発推進が「まっとうな政治」ですか

 「卒原発には賛成だが10年でというのは現実的ではない」と言うけれど、現時点で原発が2基しか動いていなくても電力は足りていて何の問題もない。むしろこのまますべて廃炉にすることこそ現実的な対応だ。原発を稼働すればするほど放射性廃棄物は大量に果てしなく増え続けて、その処分には気が遠くなるような莫大な時間とカネがかかるのだから。

 とりあえず、まずはすべての原発廃炉を決定すること。原子炉解体はそれからだ。原発解体作業にしても、放射性廃棄物の処分と同じく膨大な時間と費用と労力を必要とする。だからこそ一刻も早く原発とは手を切るべきなのだ。原発存置派(推進派)はなぜそれが分からないのか。

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 自民党の安倍総裁「まっとうな政治を取り戻すために戦いを勝ち抜く」「日本の領土・領海を守り、強い経済や日本の誇りを取り戻して行きたい」(NHKニュース)。大切な国土や河川や海を放射能汚染で破壊したのは自民党。それでも懲りずに原発推進しようとして、いったいどんな誇りを取り戻したいのですか。どんなまっとうな政治をするというのですか。

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 どん兵衛がサッポロ一番を特許権侵害で提訴。日清食品は「即席麺をストレートにすることできれいにほぐれ、なめらかなのどごしを味わえる。この製法は革新的な技術だ」と主張(産経)。どん兵衛がどうしてサッポロビールを訴えたのかと一瞬勘違いしたぜ(苦笑)。なめらかなのどごし…。生ビール飲みたい。


12月4日(火曜日) 気が滅入る究極の選択

 衆院選公示。どれもこれも、うんこみたいな政党と候補者ばかりで気が滅入る。どうしようもない選挙戦だ。それでも「よりマシな政党と候補者」に一票を託さざるを得ない。この国の政治状況はなんて情けなくて不幸なのだろうと、ニュースを見ながらしみじみ思う。

 憲法を変えて、自衛隊を国防軍にして、戦前戦中の国家主義の歴史から何も学ぼうとせず、国家や政治が教育に介入することを当然だと主張し、あろうことか福島原発事故の大惨事にも懲りずになお原発推進を平然と唱える、そんな政党と候補者にこの国を任せることだけは、絶対に拒みたい。

 自民党や維新の会が、着々と勢力を伸ばしていることに恐怖と不安を抱く。そう考えると、あれほど無能で期待外れだった民主党に託した方が、まだマシなのだろうかと思案する。それとも未来の党か。どこかに一票を託さなければ何も始まらないが、しかし「よりマシな選択」と言われてもなあ。「死に票」になってしまうのも困るし。まさに究極の選択だ。結構真剣に悩む。


12月5日(水曜日) カキ鍋は味噌仕立て

 先輩記者の皆さんと横浜駅前の居酒屋で飲む。生ビールと杏酒サワーをあおる。盛り上がってきたところでカキ鍋を注文。味噌仕立てだった。野菜やキノコもたっぷりで、うまっ。やっぱりカキ鍋は味噌がベストだな。締めは鯛茶漬け。こりっとした歯応えがあるのに、舌の上でとろけるような鯛の食感が味わい深い。残念だったのはお茶がぬるかったこと。惜しい。


12月6日(木曜日) 土肥元校長の控訴審が結審

 都立三鷹高校元校長の土肥信雄さんが、都教委の教育現場への不当な支配や干渉は違法だとして、東京都に損害賠償を求めた裁判の控訴審が結審した。土肥さんの最終意見陳述を聞こうと、元同僚や保護者、教え子ら大勢の人が詰めかけて傍聴席は満員。なんとか滑り込みで間に合って傍聴できた。「きょうの意見陳述に池添さんの名前が出てくるからぜひ聞いてほしかった」と土肥さん。ほんの少しでも真相解明のお役に立ててよかったです。判決言い渡しは、来年2月7日午後1時15分から東京高裁。

 法廷と報告集会には、立正大学の学生たちが、浪本勝年教授(教育法学)の授業の一環として見学に来ていた。2年生の男子学生は「現場教師の声が直接聞けて勉強になった」と話す。教室の講義だけでは分からない多くのことを学んだに違いない。「このあと大学に戻って6限の授業に出るんです」。えらいなあ。

(写真は、控訴審結審後に開かれた報告集会で、「都教委は事実と違う嘘ばかり主張している。これは冤罪事件なんです。私は平成の巌窟王として最高裁まで徹底的に闘います」と熱弁を振るう土肥信雄さん=2012年12月6日午後3時過ぎ、日比谷図書文化館)

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 弁護士の世界には派閥があって、弁護士会の中でもさまざまな権謀がめぐらされている。思想信条や支持政党の対立は大きいし、立場の違いから、かなり激しい非難合戦も水面下で日々繰り広げられていたりする。総選挙はもちろん、弁護士会長選でも司法制度改革でも裁判員制度でも。対立する人間関係に配慮しながら、言葉を選びながら相づちを打つ。弁護士取材は結構気を使う(汗)。

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 「言葉遊び」をしているのは、むしろ自民党と安倍晋三総裁の方だと思うが。政見放送を見て改めて強く疑問を感じる。「日本を取り戻す」ってだれが何をどう取り戻すんだ。「まっとうな政治」をそもそも自民党はやってきたのか。突っ込みどころが満載だ。

 政見放送の安倍晋三総裁の言葉には背筋が寒くなる。いじめ撲滅のために「何が正義なのかを子どもたちに植え付けていく」。「正義」「植え付ける」だと…。国家や政治が教育を通じてそんなことをやれば、それはすなわち「洗脳」「思想統制」だろう。戦争するのは正しいんだとでも教え込みたいのかと危惧する。


12月7日(金曜日) 「何を語らせるか」が大事

 大きく横に揺れるし、揺れている時間も長いし、マジで怖かったな夕方の地震。神奈川東部は震度4だった。青森、岩手、宮城、茨城、栃木の各県で震度5弱。津波警報も発令された。

 こんなに揺れて不安定な日本の国土に、それでもまだ原発が必要だと言い募る人々は、いったい何を考えているのでしょうか。僕には理解できません。それから何度でも繰り返して言いますが、大量に増え続ける放射性廃棄物の処理をどうするのか、真剣に考えてから発言してほしい。

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 テレビ朝日系「報道ステーション」の党首討論は、限られた時間の中で古館伊知郎キャスターのかなり強引な司会進行が際立っていたが、しかしそれ故にその采配と突っ込みによって、各党首のスタンスと発信力と人柄の一端までが鮮明になった。いい判断材料を提供したと思う。どんな質問をして「何を語らせるか」が大事だと改めて感じた。記者の仕事も全く同じだ。

 申し訳ないけど、社民党の福島瑞穂党首はうるさ過ぎる。いつも思うけど、まず人の話を落ち着いて聞くべきだ。発言したいのは分かるが、「私が私が」とあまりにも自分を前面に押し出し過ぎ。学級会で自己主張する小学生じゃあるまいし。あれでは支持者は別にして、多くの視聴者には反発されるだけで逆効果だと思うけどな。政策の評価はともかく。


12月8日(土曜日) 我慢も必要なのか

 作家の今野敏さん「官僚が政治を動かす構造を変えるには、有権者もここは我慢をしなくてはいけない。1年や2年で何かできるわけではない。自分が期待した政権にはある程度の期間は我慢して、なおかつ応援することが必要です」

 「日本人の国民性の最大の特徴は、いい国を作ろうという気持ちよりも、名君に治められたいという気持ちが強いこと。自分たちの代表を、政界に送り出そうという気持ちが薄い。上の方で変わってくれるだろうと。どこか人任せなんです」

 「でも、それで本当にいいんでしょうか。かつての原発推進の政策に逆戻りしていいのか、じっくり考えてほしい」(朝日新聞8日付オピニオン面)。

 なるほど。深く考えさせられる言葉だ。その中でも「自分が期待した政権にはある程度の期間は我慢して」の部分には、ううーむ確かにそうかもなあ、我慢も必要なのかと考え込んでしまった。

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 琵琶湖の畔から上京中のフォトジャーナリストと4時間以上話し込む。未来の党の嘉田由紀子滋賀県知事のこと、安倍自民党極右政権が誕生してしまうこの国について、ビルマ政治の今後、出版社と新聞社の危機的状況などなど。そして結論は「パソコンのデータはこまめに保存すること」(笑)。肝に銘じます。


12月9日(日曜日) 就職活動による深刻な影響

 このところ、就職セミナーや企業説明会のために授業を欠席する3年生が多く、「来週は就活で授業に出られません」との申告が目立つようになってきた。大学生の就職状況が厳しくて大変なのはよく分かっているから、仕方がないなあとは思うが、セミナーと授業が重なった日に3年生がごっそり抜けるのは、やはり残念でならない。講義をする側のモチベーションにもビミョーな影響を与える。

 これまで熱心に話を聴いてくれていた学生にしても、居眠りばかりしていた(ように見える)学生にしても、その日の講義のテーマがすっぽり抜け落ちてしまうわけで、聴いてほしかったなあと心から思う。せっかく順序立てて全体の授業計画を組み立てているのだから、できればすべての授業に参加してもらいたい。

 しかしたぶん、ほかの授業も同じような出席状況で、どこの大学も同様だろう。今後の人生が左右されるのだから、就職活動を優先するのは仕方がないとは理解するものの、これで大学教育のレベルや質は維持・確保できるのだろうかと危惧する。深刻な事態だ。授業も就活も両立できるいい方法はないものか。

 就職協定が廃止されて就職活動が長期化し、学生たちは精神的にも肉体的にも消耗し疲弊していると聞く。就活のせいで授業どころではなくなって、本気でまじめに勉強したいと思っている学生はかわいそうだ。まじめな学生でなくても、せっかく授業を通じて社会問題などに興味関心を抱き始めているのに、そのきっかけを摘んでしまうのは、本当にもったいないと思う。

 就職活動のために大学3年生がまともに授業に出られないなんて、どう考えても異常だろう。そもそも企業にとっても、しっかり学んで自分の意見や考えを表現できる学生が育たないのは、結果的には大きな損失になると思うのだが。企業としての社会的立場や理念や倫理が、まさに問われていると言っていい。大学側がこうした事態にしっかりとモノを言わず、あろうことか企業側の就職協定廃止の意向に唯々諾々と従ってしまう理由が理解できない。


12月10日(月曜日) 政治を逆戻りさせない

 原発の再稼働や推進はもちろんのこと、戦後日本の平和と繁栄を守ってきた憲法の理念を根底から引っくり返し、国民の思想・表現や教育の自由を制限し、心の中にずかずかと土足で踏み込もうとしている自民党や維新の会。そんな時代錯誤の政治に逆戻りさせないために、どこに投票するべきか。熟考したい。

 「植え付ける」「押し付ける」「強制する」ことが大好きな安倍自民党。教育で最も大切なのは、自分の頭で考えさせて、自分なりの考えや意見を構築させること。しかし安倍氏の発想はこれとは全く逆だ。こんな政治家だけは絶対に御免蒙る。安倍氏の政治思想の本質をしっかり見極めよう。

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 敦賀原発だけじゃない。地震大国の日本の国土は断層や活断層だらけでどこも不安定。そんなところで原発を稼働させること自体がそもそも非常識極まりない。すべての原発を即刻廃炉にするのが科学的に真っ当な判断だ。

 →「敦賀原発の直下に活断層が通っている可能性がある、と原子力規制委員会が見解」(毎日)。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121210-00000032-mai-soci

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 都知事選の終盤情勢。「猪瀬直樹氏が大きくリードし、宇都宮健児氏、松沢成文氏が追う展開」(時事)。「猪瀬氏が優位に戦いを進めている。宇都宮氏は共産、社民両党の支持層に浸透。松沢氏、笹川尭氏らが追いかける展開」(読売)。この記事表現は、つまり猪瀬氏が圧勝するということを意味する。

 有権者の3割は態度を決めていないというが、「13年半の石原都政を評価する76%、評価しない22%」(時事)。これではどうしようもないなあ…。東京都民はいったい何を考えているんだろう。候補者の知名度やキャラクターうんぬん以前の問題だ。


12月11日(火曜日) 法定ビラ配布の男性釈放

 「現行法では事業者に運転停止や廃炉などを命じる法的権限はない」「判断は原電自身に委ねられる」「強制力はない」。これまでいかに原発がいい加減にデタラメで、電力会社にとって都合よく運営されてきたかを示している。「<敦賀原発>規制委、廃炉に法の壁」(毎日)。

 → http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121210-00000073-mai-soci

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 三鷹市内の団地で都知事選法定ビラを配布していた宇都宮候補陣営の男性が、住居侵入容疑で逮捕された事件で、東京地裁立川支部は検察の勾留請求を却下したという(弁護団情報)。「法定ビラ配布で住居侵入罪の成立はあり得ない。選挙運動に対する意図的な妨害行為以外に考えられない」と弁護団。男性は釈放された。

 住民の警告や忠告を振り切ってサラ金や宗教勧誘のビラ配布を強行したのならともかく、都知事選の「法定ビラ」配布での住居侵入容疑は、さすがに無理があると判断せざるを得なかったのだろう。弁護団の見解に全く同感だ。明らかな選挙活動妨害で、警察と検察の対応は常軌を逸している。勾留請求を却下したのが「気骨のある裁判官」だったのかについては、なんとも評価しようがない。

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 自分が気に入った人を選んだTL(タイムライン)に特定の考えや政治思想しか登場しないことを根拠に、新聞の選挙報道と傾向が違うとして、報道批判するのは論理的ではない。もちろん選挙の情勢分析や世論調査報道が、必ずしも的を射ているとは言えないとは思う。しかし、それとこれとは話が違う。全く別の問題だろう。

 → 内田樹氏 @levinassien のツイート「それにしても僕のTLにはどこまでスクロールしても、『自民党支持』『改憲賛成』と立場を明らかにしている人が一人も出てきません。それなのに新聞では『自民圧勝』報道。この非対称はすでに誤差の範囲を超えていると思います」


12月12日(水曜日) 往生際の悪い日本原電

 自立した報道機関とはとても思えないNHKの政治との距離感のなさについて、きょうの講義で説明。その中で、安倍 氏ら自民党幹部のNHKに対する執拗な圧力や介入の事例を紹介した。安倍氏のタカ派的な姿勢や強権的な体質は学生たちも気付いているようで、反応はまずまずだった。少し安心した。

 この日の講義の締めくくりとして、「ニュースや情報を鵜呑みにせず自分で考えて判断しよう。主権者としてしっかり選挙権を行使してほしい」と学生に発破をかけた。「週末の総選挙が人生初めての選挙となるので、きちんと一票を投じてこようと思います」「選挙には行かないつもりだったけど、行ってみようと思いました」などの反応が返ってきた。頼もしいなあ。ぜひ悔いのない一票を投じてほしい。

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 「敦賀原発の敷地内を活断層が走る可能性が高い」との原子力規制委員会の判断に対し、日本原電が「科学的見地から疑問がある」とする質問状を突きつけて、「活断層ではない」と主張したという(朝日)。何という往生際の悪さ、厚かましさ。これこそまさに開き直りというのだ。図々しいにもほどがある。自分たち電力会社にとって都合の悪いデータは、これまで隠蔽し続けたくせに。

 自民党が単独過半数を確保するとの衆院選の情勢報道に力を得たのか、電力会社や原発推進派や原発利権政治家が、ここぞとばかり巻き返しを図っているように見える。日本原電が原子力規制委に質問状を突きつけたのは、その最たるものだ。自民党が政権復帰すれば、原子力規制庁も規制委員会も意のままになると踏んでいるのだろう。そうでなければ、この期に及んでこんな開き直りができるはずがない。

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 【メモ】1)尼崎連続変死事件の角田美代子容疑者が兵庫県警本部の留置場で自殺。2)北朝鮮がミサイル発射し沖縄上空を通過。3)京都舞鶴の女子高生殺害事件で一審無期懲役の被告に対し大阪高裁が逆転無罪判決。

 午前中のわずか2時間の間に大ニュースが3連発。新聞各社から号外が次々に発行されたようだ。


12月13日(木曜日) よく考えて投票してほしい

 自民党の安倍晋三総裁の経済政策を批判していた経団連の米倉弘昌会長が、一転して電話で支持を伝えた。衆院選で優勢とされる自民党に財界トップが異例のおわび(朝日)。なんと露骨な擦り寄りか。カネのためならなりふり構わず原発推進、自民支持。節操がなさ過ぎるが、それを上手く利用して宣伝する安倍氏のしたたかさ。そもそも経団連と自民党はもともと一心同体なんだけどね。

 → 経団連会長、安倍氏に謝罪「全面的に経済政策を支持」(朝日)。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121213-00000012-asahi-pol

 自民党憲法改正推進本部が徴兵制導入の検討を示唆。改憲草案に修正を加えて5月までの成案取りまとめを目指す(共同)。露骨に本性を見せ始めている自民党は本気だ。若い人は徴兵されても本当にいいの? こんな政党をマジで支持するの? よく考えて投票してほしい。過去記事だけど、本性を見せ始めた自民党のこの姿勢はブレることなく一貫している。期待外れで裏切られたから、民主党を懲らしめるために自民党に投票するというのは間違っている。

 → http://www.47news.jp/CN/201003/CN2010030401000592.html

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 「お帰り!グーグルマップ iPhone5で利用可に」。アップルが独自開発した地図アプリに間違いが多く、世界中で批判が高まったため、アップルは13日から各国でグーグルマップのアプリを使えるようにした(朝日)。いい見出し。いい判断。過ちは素直に認めて改めるのが吉。アイフォン買おうかなあ(思案中)。

 → http://www.asahi.com/digital/mobile/TKY201212130601.html

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 「ジブリ新作、2作一挙公開!宮崎駿&高畑勲作品でジブリ史上初!」(シネマトゥデイ)。宮崎監督の新作は「風立ちぬ」。高畑監督の新作は「かぐや姫の物語」。宮崎アニメのタイトルに「の」が入っていない。上映時間は2作品で合計4時間以上。異例ずくめだが、肝心の内容がどうなるか心配というか不安だ。

 → http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121213-00000022-flix-movi


12月14日(金曜日) 極右政権に白紙委任していいの?

 日本の右傾化を常日頃から批判している中国は、尖閣諸島周辺の海上や上空をこれ見よがしに航行し飛行することで、日本の極右政権誕生に力を貸していると自覚してほしい。「領海・領空侵犯」のニュースを目にするたびにナショナリズムをかき立てられて、自民党の安倍氏らの勇ましい発言に溜飲を下げる有権者も少なくないだろう。

 しかし、もしかしたら中国政府にとっては、日本に極右政権が誕生することこそが、むしろ望ましいと考えているのではないかと思ったりもする。中国国内のナショナリズムを鼓舞することにつながり、中国人民の不平不満や中国政府への批判の目を、外に向けさせることになり得るからだ。

 自民党圧勝の衆院選情勢に愕然としつつ、自民党人気のもう一つの理由を考える。株価と為替だ。「安倍総裁になって株価が上がっている。2万円も夢じゃない」と同僚の大学教員が無邪気に喜んでいた。安倍効果で円安も進んでいる。経済的な理由から自民党復権を応援する、という人も少なくなさそうだ。

 ナショナリズムの高揚に気分を良くし、株価上昇に懐を潤すのもいいが、その代償として、大切な自由や基本的人権が著しく制限される事態が待っていることに気付くべきだ。誕生間近の極右政権は憲法を改正し、その憲法で国民の自由と人権を縛ろうとしている。憲法は本来は権力を縛る存在であるはずなのに。

 さらに極右政権は教育に土足で踏み込んで、一方的な価値観や道徳を子どもたちに植え付けようと画策している。国家や政治家が教育内容に介入することを可能にしようと狙っている。国民を教育で洗脳した戦前の日本と同じではないか。そんな政党にこの国のかじ取り(権力)を白紙委任していいのだろうか。

 経済活動を理由に原発推進も公言する極右の安倍自民党。福島原発事故の放射能汚染は今もなお続き、不安定な地震列島で原発の安全を確保できる当てもなく、大量にたまっていく放射性廃棄物(核のごみ)の処分についても全くめどがついていないのに。「民主党を懲らしめるために自民党へ」という判断でいいはずがない。立ち止まってよく考えてほしい。

 悪夢のような極右政権誕生がいよいよ秒読み段階に…。悪い冗談だとしか思えない。恐怖です。

 安倍自民党のテレビCMが耳に響く。「日本を取り戻す!」「権力を取り戻す!」「利権を取り戻す!」「国家への従属意識を植え付ける!」(と叫んでいるように聞こえる)。


12月15日(土曜日) 小さな一票の力で

 自民党の安倍総裁が遊説のためにJR東海道線の普通列車で移動中、初老男性に注意される。JR職員がおさえていた席に、後から乗ってきた安倍氏が座ったため。安倍氏は「だからすみませんって言ってるじゃないか」と怒り、その後は座ったまま目を閉じる。男性は隣に立ち続けた。〈決戦24時〉(朝日)。これが自民党総裁その人だ。いつもは道徳やら正義やらを振りかざしているのに、安倍氏っていったい…。

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 悪夢のような極右政権誕生がいよいよ秒読み段階に…。悪い冗談だとしか思えない。国民の基本的人権や自由が制限されて、電力は足りているのに原発を再稼働して、戦争に大きく踏み込むかもしれないのに、本当にそれでいいの? 後悔しない? 今ならまだ止められる。小さな一票の力で。

 憲法と人権を踏みにじろうとする自民党に白紙委任してしまうなんて、考えられないけどなあ。騙されて乗せられて投票する方も投票する方だけど、北朝鮮のロケットミサイルや尖閣の領空侵犯でことさら大騒ぎし、選挙情勢報道で「自民党単独過半数の勢い」なんて煽り立てた大手マスコミの罪は大きい。「有権者の判断をゆがめて誘導する選挙妨害」と批判されても、反論できないんじゃないかと思う。そんな情勢分析記事を書くよりも、自民党の改憲草案について、もっとしつこく詳しく大きく取り上げるべき(だった)。もう遅いけど。

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 大阪府市エネルギー戦略会議が、「維新の会のために原発ゼロに向けた実行計画を作成しているのではない」との声明文を全委員の総意として公表。橋下市長が未来の党の原発ゼロ政策を批判していることを、「理解に苦しむ」と指摘した(共同)。理に叶ったもっともな声明文だ。

 → http://www.47news.jp/CN/201212/CN2012121401002146.html

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 パソコン遠隔操作事件の誤認逮捕で、警視庁、大阪府警、神奈川県警、三重県警が検証結果を公表したが、「不安を助長し当惑させる言動があった」「ウイルスに対する認識が薄かった」と不適切な取り調べを認めながら、「自白の強要や誘導はなかった」としている。言い訳がましいにもほどがある。潔く過ちを認めて謝罪し猛省すべきだろう。自白の強要や誘導があったのは歴然としている。

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 最高裁判所裁判官国民審査は全部にX印を付けるべし。そもそも過去の判断姿勢を吟味してみても、審査対象の10人とも「人権の砦」「憲法の番人」としての職責を果たしているとは言い難い。ちなみに選管配布の「審査公報」に掲載されている「関与した主要な裁判」自体も、都合のいい内容が大半で恣意的な記載だ。裁判官の人柄や趣味なんて情報はどうでもいい。国民が真に知るべき情報は「裁判官が関与した裁判」だろう。本当に重要な「判断」が掲載されていないというのは致命的ではないか。それでいったいどんな審査をしろというのか。欺瞞としか言いようがない。

 【再掲】最高裁判所裁判官国民審査は「本来の機能が失われており、やめた方がいい」と元最高裁裁判官の泉徳治弁護士。「最高裁へのチェック機能を働かせたいなら、裁判官の選考課程を透明化した方がよい。今は誰がどういう理由で選ばれたのか分からない」。全く同感。国民審査は全部にX印を付けるべし。


12月16日(日曜日) 憲法改正が射程距離に入った

 福島原発の大惨事から最初の総選挙。一番問われるべきは「原発の是非」だろう。まずそれを基準に考える。原発のありようを考えれば、憲法に明記された国民の「基本的人権」や自由の尊重についても考えることになるはず。原発推進や戦争に踏み込もうとする政治家や政党には一票を託さないこと。そう考えて一票を投じたのだが、結果は…。

 ああやっぱりね、という感想しか出てこない。それにしても酷すぎる結果ではある。投票率の低さも民度の低さを表していると思うが、「民主党がダメだから自民党へ(維新へ)」という、この国の有権者の単純すぎる投票行動・思考パターンに愕然としている。こんなに多くの日本人が、原発推進や軍備増強や憲法改正を望んでいるというのか。国民の基本的人権や自由が制約されることになるんだよ。もしそんなことすら分からずに投票しているのだとすれば、もう何も言うことはない(と思わず考えてしまう)。

 みんなよっぽど民主党にうんざりし怒りを感じていて、鉄槌を下したかったということなのか。そうだとしても、もう少し考えて投票してくれよ、と思う。原発推進や憲法改正に白紙委任したも同然なのに、それで平気なのだろうか。それがこの国の有権者のレベルだ、判断なのだと言われればそれまでだけど。

 今の日本国憲法は日本語としても好きだし、内容もとても考え抜かれて吟味されて書かれていると思うんだけどなあ。「憲法が政府(権力)を縛るんだ」という姿勢で一貫しているし。だからこそ自民党は現在の憲法が邪魔で仕方がないのだろうけれども。自民党や維新の会が、憲法で国民を縛ろうとしていることに恐怖する。そしてそれはいよいよ現実味を帯びてきた。

 自民党と維新を合わせたら衆院定数の3分の2を超えるじゃないか。公明党など必要なくなるのは言うまでもなく、参院の意思を無視できるのはもちろん、憲法改正もできるということ。いよいよ改憲が射程距離に入ってきた。来夏の参院選が本当の勝負だと思われる。国民の基本的人権や自由が著しく制限されてしまってから、こんなはずじゃなかったと言ってももう遅いんだよ。

 選挙結果を見ていると、日本のために頑張ろう、この国のために取材して記事を書こうという気力が萎えてくる、と考えていたら、同じように考えている記者がほかにもいるんだなあと分かって、なんだか悲しい気分になってくる。

 【補足】憲法改正は、衆院と参院のそれぞれ3分の2以上の賛成で発議され、国民の過半数の賛成を要するので、参院選の結果次第ということになる。今さらながら国会が二院制で本当によかったと思うが、参院をなくそうと画策している人たちの狙いは、ここにあったのかと改めて気付かされ衝撃を受けている。


12月17日(月曜日) リベラル護憲派の無自覚が心配

 総選挙の結果を報じる朝刊紙面から各紙の見方やトーンがよく分かる。朝日は「民意の怒りが民主党に向けられた」と淡々と報じ、毎日は「自民党は果たして変わったのか」とこだわりを見せ、読売は「敵失による勝利だと謙虚に自覚せよ」と自民党を激励する、という感じで一貫していた(東京本社最終版)。

 東京新聞は相変わらず独自の姿勢で、「脱原発の民意と隔たり」(1面)、「脱原発意志つなぐ」「守る九条と暮らし」「市民ら望み捨てない」(社会面)などの大見出しが紙面に並ぶ。言わんとすることや気持ちは分かるが、客観的な結果分析や冷静な事実報道とはほど遠く違和感が残る。運動団体や政党の機関紙ならアリだと思うけど。

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 谷垣禎一氏が自民党総裁から追い払われた時点で、自民党はハト派のウイングを失って、懐が深く幅の広いかつての「国民政党」では完全になくなってしまった。ハトとタカが上手い具合に共存していた自民党ならまだ、政権を任せるにしても少しは安心感があったのに、安倍自民党はもはや強面の面々だけが異様に目立って、危険な香りしか残っていない。選挙結果と同様に、まさに二者択一の小選挙区制のなせるわざのように思える。

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 リベラル派や護憲派は「改憲の危機」をどこまで本当に自覚しているのだろうか。もちろん口ではそう主張するだろうと分かっているが、あまりにも井の中の蛙で、視野が狭すぎるようにしか感じられなくて、悲観的にならざるを得ない。共倒れになるような戦い方をしないことはもとより、「知名度のある勝てる候補を立てる」といった基本戦略や、自陣営だけでなく保守層や 無関心層にどれだけ響くように訴えるかなど、ほとんど自覚できていないようで、参院選でも自滅してしまうような不安を感じてしまう。杞憂であってほしいと心から願っているが、今回の総選挙や都知事選を眺めていると、残念ながらそうした印象が払拭できない。

 小選挙区制では「死に票」が大量に出るなど、民意(得票数)が獲得議席に必ずしも反映していないという問題点は、的を射た正しい指摘だと思う。しかしそれだけで、自民党が大勝して民主党が大惨敗し、リベラル派や護憲勢力が壊滅状態になったとは言えないのではないか。都知事選で歴史的最多票を獲得した猪瀬直樹氏は、2位の宇都宮健児氏にダブルスコア、トリプルスコアどころではない4倍もの得票(クアドラプルスコア)で圧勝した。リベラル派や護憲派は、そのことの意味をよく考えて戦略を練り直すべきだ。

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 都知事選で史上最多の434万票を獲得して当選した猪瀬直樹氏が「民意を僕が代弁しているということを尊重していただきたい」とコメント。どこかで聞いたような言葉だな。大阪の橋下市長の得意のフレーズじゃないか。石原慎太郎氏といい、橋下氏といい、猪瀬氏といい、偉そうで横柄で他者を見下したような態度はブレずに一貫してる。


12月18日(火曜日) 授業の心得

 不当免職処分撤回を求めた控訴審の傍聴取材で東京・霞が関へ。帰り道に、原告の市立高校の元教諭が「生徒みんなに分からせようなんて思わなくていい。教室の1人か2人に話しかけるつもりで話せばいい。必ず何人かの心には届いているはずだから」と教えてくれた。確かに200人とか300人の学生全員が真面目に講義を聴いて、みんなが分かってくれるなんてあるわけないよなあ。「きょうはあいつに向けて」といった感じで話せばいいのだという。さすがベテランの先生の言葉だけに説得力がある。ずいぶんと気分が楽になった。あすの講義で早速実践しよう。

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 吉田秋生の傑作短編集「夜明け」を購入。定価2600円(税別)の豪華本だ。大ヒット連載の前日譚番外編を収録した一冊。「海街diary」の座談会や作者インタビューを集めた「スペシャル別冊」も付いている。しかし1週間前に買った「海街diary5〜群青〜」もまだ読めていないのに…。いつ読むんだ。


12月19日(水曜日) 株価上昇はバブルでは?

 日経平均株価が1万円台に上昇。全く何も実体を伴っていないのに…。まさにバブル。安倍新政権の大型補正予算や金融緩和策に期待したらしいが、株価が下落する時はたぶん一気に急降下するに違いない。バブルが弾けるのはいつか、その前にどのタイミングでだれが売り抜けるのか、これぞギャンブルの典型ではないかと思う。

 財源なんてないから借金を重ねての巨額の公共事業。建設業界は大いに期待し、おまけに東京電力株まで上昇しているという。福島原発は今も大量の放射能をまき散らし、被災者への補償や廃炉に莫大な費用がかかるのに…。東電に何を期待しているのだろうか。投資家の感覚はまともじゃない(というかさっぱり理解できない)。でもまあ富裕層のギャンブルだからなんでもアリなのだろう。

 潤沢に金のある階層はバブルで浮かれて、投資ギャンブルにいそしむ。ここぞとばかりに金をつぎ込み、どの段階で売り抜けようかとベストの時期を見定めている。一方で格差は拡大し、職もなく生活保護で食いつなぐ人や、路上生活者も増えている。新政権の金融財政政策で、この国の経済が破綻することはないのかなあ。経済に疎い素人なりに、疑問と不安を感じる今日このごろだ。


12月20日(木曜日) 活断層は杜撰な原発計画の証明

 原子力規制委員会の専門家調査団は、「青森県の東北電力東通原発の断層も活断層の可能性がある」との見解で一致した。福井県の敦賀原発に次いで2例目の判断となる。これまでいかに原発がいい加減で杜撰な審査で計画され、デタラメに建設されてきたかの証明にほかならない。それでもなお開き直って「活断層ではない」と言い張る恥知らずな電力会社に、原発なんて危ないものを任せるわけにはいかない。再稼働なんてとんでもない話だ。

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 安倍新内閣(予定)の組閣人事は、5年前に政権を投げ出した時とほとんど変わらない面々を集めている。しかも「教育改革」と称して政治の干渉や介入を主張し、メディアに対しても執拗に圧力をかけている超タカ派がずらり。予想通りだとはいうものの、まるっきり時計の針が逆戻りしたように感じる。谷垣禎一前総裁の入閣もあるそうだが、アリバイづくりのようにしか思えない。

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 フェイスブック友達が「となりのトトロしいたけ栽培セット」を紹介してくれた。これはいいなあ。トトロが栽培しているような感じが楽しそう。普通のキノコ栽培キットと比べたらかなり割高だけど、トトロがかわいいから、トトロファンとしては許容範囲の値段かな。購入を前向きに検討したい。

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12月21日(金曜日) 生徒のドヤ顔

 取材で話を聞いた都内の公立中学校の先生の言葉から。「勉強のできない生徒が問題が解けて、どうだ俺ってすごいだろうと得意そうにした顔を見るのが一番うれしい。教師って仕事は本当に楽しいですよ」。そう話す先生の顔は輝いていた。この先生は痴漢冤罪事件で起訴休職中だ。一日も早い職場復帰を心から願う。

 この先生は、取り調べの際に刑事から「お前は覚悟が足りないようだから言っておく。俺らはお前を有罪にするために証拠を集めている。俺の仕事はお前を有罪にすることなんだよ」と言われた。憤慨して思わずこう反論したという。「最初からやってないと覚悟を持って話をしているのに、どうしてそんなことを言われなくてはならないんですか」。よくぞしっかり言い返した。あっぱれ。


12月22日(土曜日) 「予防訴訟」一つの区切り

 夕方から「日の丸・君が代の強制に反対する予防訴訟」の9年をふりかえる記念の会に参加。最高裁判決をとりあえず一つの区切りにするとのことで、東京・永田町の星陵会館に関係者ら100人が集まった。簡単なコメントを頼まれたので、総選挙と都知事選の結果に触れて挨拶させてもらった。

 「総選挙で大勝した自民党は必ずしも大量には得票していないというが、維新などのタカ派は多くの票を集めているし、都知事選で猪瀬氏は宇都宮氏の4倍も得票した。この現実を真剣に受け止めた上で、無関心層や保守層にも広く訴えかけるべきだと思う。改憲の動きは目の前に迫っている」

 会場には当の本人である宇都宮健児氏も顔を見せ、挨拶で「多くの都民に支持してもらった」と強調していたが、むしろ支持が広がらなかった事実を踏まえて、そこから護憲の戦略を再構築した方がいいんじゃないかと思うんだけどなあ。来夏の参院選で自民や維新が3分の2を取れば、改憲の動きは一気に進むのだから。

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 「記念の会」から感謝状をいただいた=写真。東京都教育委員会の通達と提訴から9年。僕は記者として取材し記事を書いただけなんだけど。でもまあ「一つの区切り」ということで。


12月23日(日曜日) 裁判のありようもさまざま

 教え子が卒業してから40年以上経っても旧交を温め、慕われている先生の話を聞くと心が自然と温かくなってくる。一方で、卒業生に年賀状なんて出したこともないと言い切る先生もいて、この違いはどこからくるんだろうと考え込んでしまう。教育行政のありようを問う裁判でも、傍聴席に教え子が詰めかける先生とそうじゃない先生とがいる。いろんな裁判を取材しているが、最後にモノを言うのは人間関係なのだろうと改めてしみじみ感じる。裁判の風景やありようもさまざまだ。


12月24日(月曜日) ひとり流行語大賞は「原発」

 「IKEZOE_Noriakiのひとり流行語大賞2012」。この1年間にツイッターで一番多く発言した単語を診断してくれるサイトがある。面白そうなので試してみたところ1位は「原発」。2位以下が「日本」「問題」「稼働」というのはなんとなく分かるけど、5位「自民党」、9位「朝日」、10位「読売」って…。

 ◇その他のランキングはこちら→ http://hitomoji.agilemedia.jp/twitter/tango.php?id=138258113


12月25日(火曜日) 原稿執筆

 ずっと原稿執筆中。書いても書いても終わらない…。


12月26日(水曜日) 未来迷走「ダメだこりゃ」

 「未来の党」主導権争いでごたごたが続いて混迷。「分党」の方向で調整も。あーあ。そんなことやってる場合じゃないだろうにと思うが、半ば予想された事態でもある。民主党や社民党や阪神タイガースと同じお家騒動。ひと言で言うと「ダメだこりゃ」。たぶん圧倒的多数の感想だと思う。しかしひどい迷走ぶりだな。


12月27日(木曜日) 午前3時まで

 東京・新宿のアルタ裏の居酒屋で大学時代の友達5人と忘年会。学生時代から必ずこの店で飲んでいる。どんな時でもとにかく最初の1軒目はここなのだ。安くて気取らず、酒の肴はそこそこ美味しい(これが大事)。思いっきり笑って近況報告や昔話に花を咲かせる。今夜は他店に移動せずにずっと腰を落ち着けた。横浜組は自宅近くの居酒屋でさらに午前3時まで(笑)。来年からは年末だけでなく、盆暮れの2回は集まろうということで意見が一致する。


12月28日(金曜日) 牛しゃぶ

 お誘いをいただいて四谷で出版社の忘年会に参加。編集者やデザイナーの皆さんと大笑いしながら楽しい時間を過ごす。黒毛和牛のしゃぶしゃぶが超美味っ! すごく柔らかくて口に入れた瞬間にとろけてしまう。A4ランクだとか。同時に出されたブリしゃぶもトロっとして美味しかったけど、僕は牛肉の方が好きかな。盛岡の大吟醸がまろやかな味わいで、日本酒はあまり強くない僕にも合っている飲みやすい酒だった。ご馳走さまでした。


12月29日(土曜日) ぐずぐず

 風邪を引いたみたいで朝からぐずぐず状態。このところ睡眠不足続きだったし、昨晩は寒かったからなあ。しばらく様子を見ていたが、今年最後の忘年会への参加は見合わせる。吉祥寺のスペイン料理店だったので楽しみにしていたのに残念だ。


12月30日(日曜日) 物理的にも精神的にも

 できそうもない仕事(締め切りに間に合いそうもない仕事や気が進まない仕事も含む)を安易に引き受けると、結局は多方面に迷惑がかかるし不誠実で無責任な結果になってしまう。分かっているんだけど。もともと怠け者だし器用に適当に片付けるなんて芸当はできないので、容量を超える仕事はしないことにする。そもそも気分が乗らないからエンジンがかからないし、集中力も欠如し労働意欲そのものがわいてこないのだ。精神衛生上よろしくなくて不快な気持ちになることは、なるべくやらないようにしよう。


12月31日(月曜日) 原発ゼロこそ現実的

 安倍首相や自民党首脳は「原発稼働ゼロは現実的でない」「脱原発や卒原発は言葉遊び」などと言い切って、原発新増設に前向きな姿勢を鮮明にしているが、今すぐに廃炉の準備を始めることこそ現実的だと思うぞ。実際に原発稼働ゼロで電力供給に問題はない。そもそも核廃棄物処理も満足にできないのに、原発の再稼働や新増設に踏み切ろうとするなんて、それのどこが「責任あるエネルギー政策を進めていく」ことになるのか、さっぱり分からない。自民党の原発政策こそ無責任だろう。

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 「東京にオリンピックを誘致しよう」と連呼している民放のテレビ番組に絶句する。五輪誘致に反対する声は依然として相当多いのに、一方的な主張だけを伝えるのは公正さに欠けるだろう。スポーツ系バラエティーでも許されないと思う。東京都の広報番組か御用宣伝機関だと開き直るつもりならいざ知らず、少なくとも独立し自立した公平公正な報道機関を名乗るのであれば、猛省すべし。

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 晴れて穏やかな年の瀬。駅前に買い出しへ。お腹が空いているわけではないのに、美味しそうな食べ物が並んでいるのでつい余計に買い込んでしまう。精算の際に極めて事務的に淡々と処理する店員がいる一方、別のスーパーではお姉さんが「よいお年を」と声をかけてくれた。好感度が全然違うよなあ。


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