身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2000年11月1日〜11月30日

●日程調整●ぎりぎり●ポストペットを再起動●もっと仕事!●飛行機と緊張感●風邪注意●米大統領選の怪●「サード」へのアクセス10万件●柔軟さの欠如●サツマイモの印象が一変●ロボット検索の謎●年賀はがき●若竹七海「スクランブル」を読む●最高裁の判断●「伝える」のは難しい●免許更新時の不利益?●味噌仕立てのカキ鍋●シンポジウムは難しい●トトロ大好きな小学生●福岡取材●不信任案の結末は当然…?●アメリカ人のジョーク●高校のマスコミ同窓会●猛烈批判…●面倒な作業●ペット問題?●「心を病んでいる人」●表現の自由への介入?●●●ほか


11月1日(水曜日) 日程調整

 講演やシンポジウムの依頼、取材の発注、飲み会のお誘いなどなど、いろんな連絡が急にばたばたと入ってきて、一気に予定が詰まり始めた。今月はゆったりしたスケジュールになるかなと思っていたんだけど、そんなに甘くはなかった。やっぱり貧乏人には暇なんかないのだった(苦笑)。もちろん原稿を書く時間だけは、しっかり確保しておかなければならない。その辺はきちんと考えて日程調整しないと、後で自分の首を絞めることになるからなあ。いずれにしても連絡が早く入ったものから優先的に、手帳のカレンダーは埋まっていくのであった。しかし今年もあと2カ月か…。う〜ん。

 腹ぺこでスーパーに行くと必要ないものまで買い込んでしまうというのは、いつも痛感するけどやはり本当だった。すきっ腹で上大岡のデパートの地下食料品売り場(デパ地下)とスーパーに行ったら、のり巻やらお好み焼きやら弁当やら惣菜やら、気がついたらなんでそんなに買うかね…というほど買ってしまっていた。ん〜、そんなに食えんよ〜と言いつつ、結局は食べてしまう。だから太るのかもしれない(おいおい)。まあ賞味期限は翌日までのものもあるから、そういうものはあしたの朝と昼飯に回そう。

 「セカンドインパクト」の「ルポルタージュ」のページに「部活動ができなくなる?/生徒不在の廃部騒動から」の記事を追加更新しました。さらに「セカンド」と「サードインパクト」の共通ページ「BOOKS☆INFORMATION」を新設しました。大岡みなみの著作物や新刊情報を紹介します。


11月2日(木曜日) ぎりぎり

 夕方6時のぎりぎりに銀行のキャッシュサービス・コーナーに駆け込んだ。6時を過ぎて預金を引き出すと、手数料105円を徴収されてしまうからだけど、そもそも預金している銀行から自分のお金を下ろすのに、利息よりも高い手数料を取られるなんて、どう考えても我慢ならない。愛車をすっ飛ばして駅前の銀行に慌てて滑り込んだのだった。そんなに銀行にお金を取られるのが嫌なら、もっと早い時間に行けよって話もあるんだけど…。でもって、銀行の隣のスーパーでパンを買って出てきたら外は土砂降りの大雨。道端に止めておいた車まで十メートルほど歩くだけで、すっかりびしょ濡れになってしまう。う〜む、やはりもう少し早い時間に行動しておけば、何も問題はなかったんだ。本日の教訓。ぎりぎりの時間に動くとロクなことはない(自爆)。


11月3日(金曜日) ポストペットを再起動

 2年半ぶりに「ポストペット」を起動させた。でもどうも調子が悪くてエラーを繰り返すので、今までのソフトをいったん破棄して再インストールした。だがしか〜し。このまま動かせば、サーバーに残っているメールを全部読み込んでしまうし、これから後もポストペット関係以外のメールを読み込んで整理が面倒になるだろう。そう考えてポストペットだけに対応するように、別のメールアドレスを新しく割り振る。設定もすべてやり直した。

 ポストペットはそれなりに面白いとは思うけど、文章を書いて送信するという実務的な作業機能に限って言えば、すべての動作があまりにもゆったりしているので、せっかちな僕はついイライラしてしまう。ペットがのろのろとメールを持っていくのを見ていると、早くしろよ、と思ってしまうんだよなー。そんなわけで、ずっと前に使うのを止めてしまったのだった。だけど思うところがあって、今度はあくまでも「遊び」に徹して再び使うことにした。で、原稿送信などの仕事や、友人との連絡などで使ったり、ホームページで公開したりしている従来のメールアドレスとは別に、ポストペット専用のメールアドレスを独立させたわけだが、これなら実務と遊びとがはっきり区別できるので、メールソフトの動作や反応が多少鈍くても我慢できるかもしれない。「仕事で使うのではなくて遊びなんだから、イライラしても仕方ないじゃん。ゆったり、まったりでも、まあいっか」とゆーわけである。


11月4日(土曜日) もっと仕事!

 夕方からフリーライターの友人H氏に誘われて、東京・有楽町のドイツビールの店で飲む。別のフリーライターN氏を紹介された。経済的に健全な生活を成り立たせながら、いかにやりたい仕事を続けていくかについて3人で議論&情報交換する。ん〜、それにしてもみんな働き者だなあ。怠け者の僕はただただ感心するばかりだ。いやいや、他人のことを感心している場合じゃない。「僕ももっと真面目に積極的に仕事をしなければ…」などと、大いに刺激を受けて労働意欲をかき立てられた。それだけでもきょうは収穫があったと言える。誘っていただいて大感謝である。続いて居酒屋に場所を替えてサワーなどを軽く飲む。ウイークデーとダイヤが異なるので京急の終電に間に合わず。JRに乗って横浜へ。中途半端な駅からてくてくと歩いて帰ったよ。午前2時帰宅。


11月5日(日曜日) 飛行機と緊張感

 ここ1〜2年くらい、飛行機に乗る機会が多くなった。あんな鉄の塊がどーして空を飛べるのか理解できない…。どうしてもそういう疑念がなかなか消えないので(笑)、これまではなるべく「地に足の着いた」電車を利用するようにして、飛行機は敬遠していた。でも、搭乗手続きの時間などを差し引いても、遠方に出かけるには飛行機の方が圧倒的に早いから、取材日程その他を考えると乗らざるを得なくなったのである。そのうちだんだんと飛行機に慣れてきた。以前はたまに乗ったりしたら、離陸や着陸の時には必ず足を踏ん張って緊張していたんだけどなあ…。今ではすっかり緊迫感に欠けてしまっている。だがしか〜し。先月の韓国旅行でソウルから成田に帰って来る時に体験した機体の大揺れや、台湾でのシンガポール機の離陸失敗事故のニュースなどを見ていると、やっぱり飛行機は「地に足が着いていない乗り物なんだ」と改めて感じる。全幅の信頼を寄せて安心して乗っていられるものではない、ということだろう。飛行機に乗る時には、やはりそれなりの覚悟が必要なのだ。う〜ん、初心に引き戻されたような気がするな。もちろん運航する側の人たちには、乗客以上に緊張感と責任感を持って任務にあたってほしいというのは言うまでもないんだけどね。


11月6日(月曜日) 風邪注意

 電話取材を真面目にこなした後、上大岡の書店で学習指導要領など資料書籍を買い込む。夕方から四谷の出版社で「月刊司法改革」の編集会議。大学の先生や弁護士さんたちは相変わらず元気いっぱいだが、編集者はみんな鼻声で元気がない。そのうちの一人は声が出なくて咳もひどいという典型的な風邪の症状で、ほとんどダウン寸前なのに会議だけ参加。僕の担当編集者なんだけど偉いねーっ。会議が終わったら速攻で帰って行った。実を言えば僕も風邪気味で喉が痛いんだよな〜。これから原稿の締め切りと取材ラッシュが続くんだけど、せめて現状だけはキープしなければ…。


11月7日(火曜日) 終日自宅

 取材のアポ取りや電話取材をこなしつつ、自宅で終日原稿執筆。とってもとっても忙しい。と言いつつ、しっかり息抜きもしてたりするんだけどね。夕方、久しぶりにNHK教育テレビの「おじゃる丸」を見た。まあ、その程度の息抜きなんだけど…(苦笑)。


11月8日(水曜日) 立ち食い

 電話取材や原稿執筆。夕方から東京・飯田橋で、司法改革の市民集会を取材。大急ぎで帰宅して再び原稿執筆。きょうの食事は3回のうち2回が立ち食いカレーと立ち食いそばだった。う〜ん、これは最低だ。情けないものがあるな…。


11月9日(木曜日) 米大統領選の怪

 アメリカの大統領選挙は笑えるなあ。当確が二転三転しただけでなく、開票作業をやり直すことになって、しかもいまだに当選者が決まっていない。おまけに投票箱がなくなったとか、未開票の投票箱が見つかったなどという情報が飛び交うなんて、まるで発展途上国か軍事独裁国家の選挙みたいな混乱ぶりだ。だけど、そもそもアメリカの大統領選って選挙方法が変なんだよなあ。中学校の社会科の授業で先生から聞いた話を今もはっきり覚えている。「得票率が多くても選挙人の数で逆転されて、大統領になれないこともあるんだよ」。話を聞きながら「なんじゃそりゃ…」と思った。州ごとに複雑な選び方をして国民をエキサイトさせ、選挙に集中させるのが多民族国家のアメリカ大統領選なんだ、というような説明も聞いた記憶がある。ん〜、まさかそういう現実を目のあたりにするとは、思いもしなかったが、あの時の先生の話が実感をもってよみがえってくる。本当に得票率と選挙人の数が逆転しそうなんだもん…。焦点になっているフロリダ州だけでも、再投票した方がいいんじゃんないかな〜。疑惑のまま当選したら寝覚めが悪かろう。どこかの国の首相みたいに、密室で決められるのとは違うのだろうから。

 午前中は電話取材と原稿執筆。午後から横須賀へ取材に出かけたのだが見事に空振りする。う〜ん、時間がもったいなかったけど、気分転換になったから、まあいっか。上大岡で来年のカレンダーと手帳を買う。カレンダーはやっぱり来年も「トトロ」に決定。手帳も今年と同じく「能率手帳」の普及版にした。表紙の色だけは茶色に変えてみようかとも考えたが、やはり黒がシンプルでよい。ついでに高級ボールペンも買おうかと迷ったが、こっちは保留である。衝動買いを繰り返していては、お金がいくらあっても足らない?

 「サード」へのアクセス10万件 「サードインパクト」へのアクセス件数が10万件を超えた。皆様のご訪問に感謝します。


11月10日(金曜日) 柔軟さの欠如

 このところ睡眠不足が続いていたので、昼過ぎまで爆睡してしまう。でも、たっぷり眠ったおかげで風邪気味だったのが少しは楽になったような気がする。学生時代なら連続徹夜もいざ知らず、やっぱり寝る時間はきちんと確保しておかなければ。夕方から横浜で開かれた「日の丸・君が代」の市民集会に顔を出す。2次会で居酒屋へ。市民運動の在り方や課題について、主婦や女性教師たちと有意義な議論になった。いつも同じ仲間だけで集まって問題意識を深めるのも大事だろうけど、それでは世間に話が広がらない、なのにそこのところの努力がされていないというのである。ん〜、努力が足りないというよりは、運動の進め方や姿勢に問題があるのかもしれない。「自分たちは絶対に正しいことをしているのだから、付いてこないのはおかしい」という姿勢が見えてしまうのである。別の言い方をすれば「押し付けがましい空気」が際立っているから、多くの人たちは引いてしまうのだ。いろんな考え方を聞いて認めて、それから議論するという柔軟さが決定的に欠如しているから、運動に広がりが出ないと言ってもいいのだろうか。これは市民運動に限らず、どんな問題についても同じことが言えると思う。そういう意味では、保守派や草の根右翼と呼ばれている皆さんの方がやり方としてはよほど上手と言えるかもしれない。もっとも、それこそがファシズムのファシズムたるゆえんなんだろうけど(爆)。しかしそんな話を市民運動をしている人たちにしても、きちんと受け止めてくれる人は少ないんだよな。…というような話で盛り上がった。午前零時過ぎ帰宅。


11月11日(土曜日) サツマイモの印象が一変

 三越で買ったワインを持参して、夕方から神奈川・座間市の高校のN先生宅へ。「秋野菜料理を楽しみ歓談するパーティー」にお招きを受けて参加する。ナスやネギやシシトウなどの天ぷら、京野菜と豚肉の鍋、白菜やカブのサラダ、ニラ入り卵焼きなど、どの料理もうまくてお腹いっぱい食べる。野菜はいずれもN先生の家庭菜園や、ほかの先生の実家で採れた新鮮なものばかりだ。さらに、丸ごと1匹のサケといろんな野菜を圧力鍋で煮た石狩汁も美味だった。五穀を混ぜたおにぎりもよい。う〜む、ほとんどの材料は野菜だから、どんなにたくさん食べても体にはいいはずだよなあ〜。あえて体に悪いものと言うならば、ビールやワインなどのアルコール関係だけだろう(笑)。

 おっと、忘れてはならないものがあった。デザートに出てきたサツマイモの自家製ケーキだ。材料はサツマイモのほかに、卵とミルクと砂糖とマーガリン。サツマイモと言うとどうしてもパサパサで食べにくいという印象があるが、これはまるで違ってそんなサツマイモのイメージを完全にひっくり返してくれた。口の中でイモがとろけるようで、ほどよい甘さがふわっと広がるのだった。文句なしの絶品。サツマイモに対する認識が一変した。本当に素敵な料理の数々を食べさせていただき、ご馳走さまでした。そんなわけで、午前1時過ぎ帰宅。


11月12日(日曜日) ロボット検索の謎

 ロボット型の検索エンジンに自分の本名を打ち込んだら、九州のある大学の図書館が岩波ブックレットを蔵書の一角に加えてくれたらしく、その大学の図書館案内サイトがリストアップされてきた。書籍データとともに僕の名前がしっかり記されている。へ〜っ、こんなところにも登場するんだなあと少し感慨深い。ところが別の日に、同じ検索エンジンに同じように打ち込んで検索してみたら、図書館案内サイトは出てこなかった。そのサイトが消えてなくなったわけではなくて、ちゃんと生きているのだが、検索エンジンに引っかかってこないのだ。う〜ん、ロボット型の検索エンジンっていうのはなぜか、日によってリストアップされたり、されなかったりするものがあるんだよなあ。そう言えば前にもそういう経験があったことを思い出した。ロボット型の検索とは一体、どういう仕組みになっているのだろう。とっても不思議だ。


11月13日(月曜日) 年賀はがき

 健康保険や電話料金の支払いで郵便局に行ったついでに、来年の年賀はがきを買う。購入したのはパソコン印刷用のインクジェットはがきだ。各地で品不足になっていると聞いていたけど、まだまだ結構な数が残っていた。入手しにくくなっているのは、売り切れ郵便局の続出が報じられていた関西方面だけの現象かもしれない。昨年は買うのが遅かったこともあって、インクジェットはがきが手に入らず普通はがきに印刷したが、たぶん今回はインクのノリもいいだろう。とりあえず用紙は確保した。問題はいつ書き始めるかである。今年こそは年内発送の「野望」が達成できるのかなあ…。

 ゲラ(雑誌や本に印刷される前の試し刷り)がたくさん上がってきたのを読んでチェックしていると、なんだかとても仕事をした気分になる。いや、もちろん真面目に仕事をしたからこそ、ゲラが何枚も上がってくるわけなんだけど。


11月14日(火曜日) 若竹七海「スクランブル」を読む

 若竹七海の「スクランブル」を読み終える。都内の私立女子高を舞台にした学園ミステリー小説だ。校内のシャワールームで少女の殺害死体が見つかるが、事件は解決されないまま15年後の1980年、当時高校1年生だった文芸部員たちが友人の結婚披露宴の席で顔を合わせ、ようやく真相に到達しようとする…。謎解きや犯人探しをどうこうするよりも、登場する少女たちの学園生活や心の揺れに懐かしさのようなものを感じてしまう。夢や希望をいっぱい胸に抱きつつ、社会や学校や教師や同級生を批判的にシニカルに見ながら、しかし説明できない将来への不安も併せ持ち、さらに言えば社会のことを何でも分かっているようでいて、実は何も分かっていなかったりする…。そんな、高校生の時にだれもが心の中にあったはずの気持ちの揺れが、素直に描かれているのだ。高校生時代と社会人になってからの場面や会話を交互に出しながら、「あの時のことは、こういうことだったんだ」と大人になってからやっと理解する彼女たちの姿は、われわれ自身の姿でもあるんだなあと思わせる。最初の方にちょっと分かりにくい文章があったり、説明文が重複している部分があったりしたのは気になったが、雑誌連載を修正しないでそのまま収録したからだろう。総じて面白かった。

 最高裁の判断 とってもうれしいメールをいただいた。盲腸で息子を亡くしたご両親が病院側を相手に医療過誤訴訟をしているのだが、最高裁が口頭弁論を開くことを決めたというのだ。横浜地裁で全面勝訴したものの東京高裁で全面敗訴し、判決を不服とする両親は最高裁に上告していた。最高裁が口頭弁論を開くのは、原判決(高裁判決)を覆す場合に限られるから、高裁判決が破棄されることはまず間違いないだろう。はっきり言うが病院側が出した鑑定書と高裁判決はとんでもない代物だったので、当然といえば当然の裁判所の判断だと言える。しかし医療過誤訴訟で患者や遺族側が病院や医師を相手に勝訴するのは、日本ではとても難しいのが残念ながら現実だ。亡くなった息子さんへのご両親の思いと、弁護士の熱意と、そして何よりも病院側の措置のおかしさを示す「事実」が最高裁判事の心を動かし、口頭弁論への道を開いたのだと思う。ご両親は、この事件を取材して僕が書いた「月刊司法改革」の記事を最高裁に提出したそうで、それが最高裁を動かしたとおっしゃってくれた。そんな力はないと思うけれど、記者としては何よりうれしい言葉だった。いい内容の判決を期待しています。


11月15日(水曜日) 「伝える」のは難しい

 午後から、横浜市立高等学校教職員組合(浜高教)の教育研究集会(教研)に招かれ、「日の丸・君が代」問題の分科会に講師として参加する。「一人一人の教師がどんな行動をするか、個人の生き方が問われているのではないか」というような話をした。参加者はみなさん熱心に耳を傾けてくれる。僕自身も人に話をすることで、単行本に書く予定の文章の論点整理ができてとても助かった。実を言うと3時間半ほどしか寝ていなかったから、うまく話せるだろうかと少し不安だったんだけど、それなりに好評だったようで講師の役目はなんとか無事に果たせたみたいだ。ほっとする。

 教研が終わってから東京・四谷の出版社に立ち寄って、依頼されていた本読みのゲラと、来週の取材で使うデジカメを受け取る。すぐさま、大急ぎで東京・駒込の居酒屋へ。別の出版社の編集者や大学教授、高校教師らと約束していた飲み会に顔を出す。いかにも頑固おやじといった風情の店主が経営するシブイ店だ。ふわっといい香りのするベルギー産の白ビールが、コクもあっておいしい。でもアルコール度数が高いので、調子に乗って飲むと大変な目に遭うのは既に学習済みだから、控えめに飲む。豆腐と自家製の手打ちそばが抜群の味わい深さだった。女性編集者が「自分が伝えたいと思っている内容が、なかなか読者に伝わらないんだよね」と率直な悩みを訴えていたが、う〜ん、それは記者も一緒だよなあと聞きながら思った。いやいや、仕事だけではない。どんなことでも「伝える」というコミュニケーション作業は、難しいものなんだよなあ。さらに教育問題についても熱い論議が続いたが、僕は途中で猛烈な睡魔に襲われて、しばし戦線離脱…。気が付いたら終電ぎりぎりの時間じゃん。駒込は東京の北端で横浜から遥か彼方。めちゃ遠いのだ。午前1時半帰宅。


11月16日(木曜日) 免許更新時の不利益?

 「運転免許証の更新のお知らせ」というはがきが届いた。近くの警察署で手続きができるものだとばかり思っていたら、二俣川の運転免許試験場まで行かなければならないという。県警のインチキ取り締まりで減点されたからだろうが(昨年7月22日付「身辺雑記」参照)、「違反」からもう1年以上経っているので違反点数は消滅したはずなのに、更新手続きの面では不利益を被るらしい。で、更新時には約2時間の「ありがたい」違反運転者講習を受けるのだそうだ。ん〜、納得いかないなあ…。飲酒運転だとか、ひき逃げだとか、本当に悪質な交通違反者に対して厳しく対応するのなら分かるけど、点数稼ぎが目的のインチキ取り締まりの「犠牲者」をいじめるんじゃないっつーの。そもそも傍若無人に街を走り回っている暴走族は野放し状態じゃん。毎日のように爆音を鳴らしながら信号無視して警察署の前を通りすぎても、見て見ぬ振りをしているのは、ほかならぬ警察なんだよなあ。まったく不公平で不公正な取り締まりだと思う。運転者講習は道路交通法で義務付けられているんだってさ。だったら言わせてもらうが、でたらめな取り締まりをしている警察官にこそ、真っ当な公務員になるための職務研修講習を受講させるべきじゃないのか。まあ、運転免許試験場での更新は、免許証が即日交付になるからいいんだけどね。

 県立高校の教職員組合に寄って、週末のシンポの資料をもらって簡単な打ち合わせ。中央図書館で2時間ほど調べものをする。原稿執筆と本のゲラ読みなど。だらだらした一日だったかも。


11月17日(金曜日) 味噌仕立てのカキ鍋

 朝から冷たい雨が降り続いている。急に寒くなってきた。県立工業高校の職場学習会に講師として呼ばれたので、平塚へ出かける。教育委員会から言われた通りの学校運営をして平然としていられる校長たちの例を紹介したうえで、「思考停止して議論するのを止めてしまうことの怖さ」について話をした。参加者は十数人。会場の会議室はだだっ広いけれど学習会そのものはこじんまりしているので、まるで大学のゼミで発表しているような気持ちになるが、これくらいの人数の前で話をするのが僕としては一番落ち着くなあ。終わってから化学準備室でビールを飲みながら軽く2時間ほど懇談。それからさらに平塚駅前の居酒屋で、刺身盛りやカキ鍋をつつきながら雑談する。みそ味仕立てのカキ鍋はとにかくうまい〜。白菜などの野菜をたくさん食べられるのもよい。寒いから体が芯から温まる。ああ、しあわせ〜って感じだ。


11月18日(土曜日) シンポジウムは難しい

 横浜・関内で開かれた教育改革シンポジウムに、パネリストとして出席する。「子どもの内心の自由と学校教育」がテーマで、神奈川県高等学校教職員組合(神高教)の主催。「意見表明する子どもたちに教師はきちんと向き合っているか、子どもが自分で考えて判断できる環境を教師はつくっているか、上から言われたことを無批判に行動するような大人になってはいないか」などと発言して問題提起した。それにしても、十分程度の範囲で自分の考えをまとめて話すのは難しい。かみ合う議論を成立させるのもこれまた難しい。もっともその辺はパネリストの力の及ぶところではなくて、発言者の人選と交通整理する司会者の力量によるのだろう。シンポジウムは講演より気持ち的には楽だけれど、どうしても不完全燃焼で食い足りなさを感じることが多い。時間の制約があって言いたいことが十分に伝えられないからだろう。心から満足したシンポというのはなかなか経験できないよなあ。ごくたまに手応えのあるシンポもあるのだが、まあ、それは聴く側であっても同じだ。中華街にある海鮮料理系の中華料理屋で懇親会。さらに近くのバーで2次会。カクテルを飲む。外に出るとブルッときた。昼間は暖かかったのに、夜も遅くなったら風が吹いてきて急速に冷え込む。


11月19日(日曜日) トトロ大好きな小学生

 青森の小学校の4年1組のみなさんから先日、うれしいメールをもらった。サードインパクトの「となりのトトロのページ」を見てくれたらしい。「トトロクイズ」が面白くてみんなで楽しんでくれたこと、休み時間にトトロの音楽を聞いたり、トトロの歌を歌ったりしていること、学習発表会ではトトロの曲を演奏したこと、パソコンでトトロのお話をローマ字で書いていること…などが書かれていた。ひょっとしたら担任の先生が、子どもたちの声をまとめて送信してくれたのかもしれない。みんなトトロが大好きなんだね〜。楽しそうな教室の様子が目に浮かんでくるようなメールだった。忙しくてなかなか「トトロのページ」を更新できないけど、そのうち新しい企画を考えるから、また遊びに来てね。

 あすから取材で福岡に行くために、旅行センターで航空券を予約購入する。いつもの通り、出発直前になってからの搭乗券確保である。向こうに到着したい時間の便がちょうど一つだけ空いていたのだが、残念ながらそれは、僕が日ごろから利用している航空会社のものではなかった。飛行距離によって何かと得することがあるというので、同じ会社便を常用しているからちょっと残念だ。


11月20日(月曜日)〜22日(水曜日) 福岡取材

 【11月20日】 朝まで仕事の残りを片付けていたから、ほとんど寝ていない状態で羽田へ向かう。途中の京急蒲田駅で女性編集者と待ち合わせて、頼まれていた本読みのゲラを渡す。時間がなかったので、ほんの数分雑談しただけで慌てて空港行きの電車に乗り込んだ。飛行機の中ではドリンクサービスも断わってひたすら爆睡。わずか1時間半でも眠っておかなければ…。

 福岡空港に着いたら速攻で市心部・赤坂の法律事務所へ。教育裁判のあるトンデモナイ判決について、主任弁護士から意義深いレクチャーをしてもらった。う〜む、これは絶対にきっちり取材して記事にして、いろんな媒体に書かなければと改めて思う。続いてこの関係で六本松の九州大学へ。憲法の教授に話を聞いていると、次の約束の時間が迫ってきた。大急ぎで九大前からバスに乗って博多駅に行き、そこから新幹線で小倉へ向かう。博多から小倉までは、在来線だと特急でも50分かかるが、新幹線を使うと20分で到着してしまうのだ。その代わり料金がぐっと高くなるんだけど。裁判当事者の女性教諭からじっくり3時間ほど話を聞いた。取材終了時刻は午後9時。さすがに、このころになるとへろへろだ。午後9時半、福岡市内のホテルにチェックインして、ばたんきゅう〜。

 不信任案の結末は当然…? だがしか〜し。きょうの夜は、ある意味で「お楽しみ」とも言える内閣不信任案の採決があるのだった。電車の中やホテルのロビーでも、街行く人の間では「そろそろ不信任決議の時間だっけ?」「早く家に帰ってテレビを見なきゃ」などという会話が、まじで交わされていたのである。みんな久しぶりに政治に関心を持ったんだね。森君に引導を渡す場面は、やっぱ面白そうだから見たいよなあ。そんなわけで僕も自室に入って、いそいそとテレビのスイッチを入れてみたら…。「おいおい、カトー君は敵前逃亡しちゃったのかよ〜」という展開になっていた。自民党主流派に自派閥を切り崩されて、ヤマちゃんともども本会議欠席を決めたというのだ。ん〜、でもまあ、そんな結末になるような気もしていたから、この展開はさほど意外ではないと思うよ。だってさあ、そもそもカトー君は「内閣不信任案が可決されても解散・総選挙はあり得ない」なんて明言していたんだもん。そりゃねーだろう。衆院を解散して有権者にきちんと信を問えよっていうのが、それこそ世論だっつーの。選挙で投票権を行使するのが、われわれ市民の唯一の政治参加の手段なんだから。そこのところからして、カトー君の言動は信用できなかったんだよなあ。

 しかし、どうしてもこれだけは言っておきたいことがある。テレビの街頭インタビューに答えていたサラリーマンのおやじたちのことである。敵前逃亡・腰砕けだったカトー君の行動について「だらしない。できもしないのに偉そうなことを言うな」などと厳しく断罪していたけど、それなら逆に聞いてみたい。「あんたらは、だらしなくないのかよ。おかしなことに対しておかしいって、会社できちんと発言して行動しているのかよ。上司に正面から楯突いたことがあるのかよ」。自分はやったこともなくて、できもしないのに、そうやって評論だけしている人間は信用できない。人間は弱くてずるい生き物だから、なかなか勇気が出ないその気持ちは分かるけどね。でも、自分が偉そうなことをやってもいない人間が言っても説得力はないし、それこそみっともないと思うんだけどな。

 【11月21日】 お昼近くまでたっぷり寝る。午後から取材。福岡から単線の電車でしばらく走った田舎に住んでいる元高裁判事さんに、司法改革についての意見を体験に基づいて話してもらう。ご自宅で歓待していただいた。ご高齢ということもあるかもしれないが、たっぷり4時間に及ぶ取材になる。ちょうど司法制度改革審議会が中間報告を出した翌日でもあり、なかなか勉強になった。高裁判事経験者がはっきりと物を言うこと自体が珍しい。でもこれがきのうだったら、睡眠不足でボロボロだったかもしれない。

 【11月22日】 ホテル近くで買い物などをして、昼の便で羽田へ到着。いつもは飛行機から到着ロビーに向かう時は、移動式の廊下で結ばれた通路を歩いていくのだが、この日はタラップで下まで降りてバスで移動。タラップなんてものすごく久しぶりだ。帰宅すると山のようにメールがたまっていたけど、大半は迷惑な広告メールや、メーリングリストのどうでもいいような発言の数々。困ったものだと苦笑するばかりである。迷惑広告はどこでアドレスを調べて送ってくるのか知らないが、どれも開きもせずにごみ箱に捨ててしまうんだから、すっげー無駄なことをしていると思うよ。


11月23日(木曜日) アメリカ人のジョーク

 アメリカの大統領選挙は、ごたごたが続いていてなかなか結論が出ないという。で、大統領選挙について少し前、アメリカの芸人によるこんな笑い話を聞いた。「アメリカ人は月面に人類を送り込めるし、スペースシャトルも飛ばせるのに、紙に穴をあけることができないんだ」。ん〜、笑うに笑えないブラックジョークだ。少なくとも投票用紙と投票方法に問題があるのは確かだけど、世界中のもの笑いになっているのは間違いない。でも、どこかの国の首相と国会の迷走ぶりに比べたら、まだ微笑ましさがあるかもしれないな。

 久しぶりに愛車に乗って近隣の本屋をはしごする。若竹七海、松本侑子などの小説の文庫本を買う。きょうは「キンローカンシャの日」だそうだから仕事はしない。完全休養日である(笑)。


11月24日(金曜日) 高校のマスコミ同窓会

 僕が卒業した高校の同窓会に、マスコミ関係者でつくるOB&OG会があるのだが、東京・銀座のホテルで開かれた総会に初めて参加してみた。新会長に就任したのは雑誌編集長の花田紀凱氏。でもって記念講演は作家の井沢元彦氏。もちろん両氏とも母校の卒業生である。公開の総会ではないから内容については触れないが、講演で展開された話はかなり保守色が強くて、僕としては納得し難い論旨だった。総会の話題もなんだか時代錯誤・復古的で、ある程度は予想していたけれど、ただの同窓会なのにどうしてここまで保守的になるのかなと引いてしまう。卒業生には「天声人語」の執筆者や映画監督の恩地日出夫氏やイラストレーターの和田誠氏といったニュートラルな人もいるのになあ。そういう人たちは今年は不参加だったから、余計に保守色が強かったのかもしれない。

 しかしいくつか収穫もあった。たばこ問題情報センター代表の渡辺文学氏にお目にかかれたのはうれしかったし、裏方として総会を仕切っていた電通マンの同期生と卒業後初めて再会できたのも懐かしかった。会場で初めて知り合った1年後輩にあたる卒業生は、僕が部長だった当時の新聞部の活躍をとてもよく覚えてくれていた。全国紙に記事が取り上げられたり、紙面が評価されたりしたことを誉めたたえてくれるのだ。ん〜、うれしいなあ。おだてに弱い僕のご機嫌は、それですっかり好転するのだった(苦笑)。


11月25日(土曜日) 猛烈批判…

 横浜・紅葉坂の教育会館で開かれた市民集会をのぞく。基調報告者として招かれていた男性の講演に向けて、主催者側である実行委員から猛烈な批判が飛び出したのには驚いた。よほど文句を言いたくなるような内容だったのかもしれないが、お願いして招いた人に対してそこまで言うのかと戸惑う。参加者から批判されるのならまだしもなあ…。う〜ん、自分がそんなボロクソ言われる立場になったら、どうするかなあ…。納得できて説得力のある批判なら受け入れるだろうけど、そうでなければ「失礼だ!」などと怒って帰るかも…。いずれにしても、びっくりした。会場で某教職員組合の元書記長氏と感激の再会。近いうちに酒宴を約束して別れる。

 セーターとコートを買う。なかなかよい色とデザインだったもんだから、それなりの価格だったけど奮発した。いや、これは決して衝動買いなどというものではない。もともと予定していた買い物なのである。ん〜、でもちょっと支払金額には難があったか…。


11月26日(日曜日) 面倒な作業

 今年の夏以降の取材経費のまとめと算出をする。放ったらかしにしていたから結構な分量になっていて、1時間ほどで終わるだろうと思っていたが2時間以上もかかってしまった(泣)。でもこういう作業は少しずつやっておかないと、後でもっと大変なことになるから地道に片付けるしかない。ああ、面倒くさいなあ。もっとも、こればっかりは会社員でもフリーランスでも同じなんだよな。


11月27日(月曜日) ペット問題?

 夜中に帰宅したら、僕の住んでいる集合住宅の1階の部屋のドアが開いて、飼い主に促されるようにして大きな白い犬が入っていくところに遭遇した。一瞬目を疑う。確かペットを買うのは禁止されているはずなんだけどな…。ん〜、寝ぼけていたわけではないぞ。暗かったから見間違えたのか。そう言えばそこの部屋には最近、新しい住人が引っ越してきたばかりで、その直後から犬の鳴き声が聞こえていたなあと思い出した。そうしたら再びドアが開いて、ごみを手にした飼い主とともにでっかい日本犬が、部屋から出てきた。さらに小さくて黒いブルドッグみたいな犬までが、周囲を走り回っているのだった。どちらも座敷犬として飼われているのか、鎖にもつながれていない。放し飼いなのである。う〜む、鳴き声だけでなく排泄物の行方も気になるところだが、もしもだれかに噛みつきでもしたら大変なことになるだろうと心配する。しばらく様子を見ようと思っているけど、きっと近所で問題になるだろうな。


11月28日(火曜日) お勉強の一日

 正午すぎに東京・高田馬場の早稲田大学へ。教職員食堂で憲法学の教授からレクチャーを受ける。昼食をご馳走になりながら、近ごろの学生事情や学内の話題などを伺うとともに、憲法の基本理念や判例について分かりやすく解説してもらった。取材対象に共感しつつ地道に調査を続けて、一つの記事を書き上げる作業もやりがいがあるけど、自分の勉強になるというのも記者の仕事のうれしいところなんだよな〜。片方だけじゃなくてどっちもあるから楽しい。四谷の出版社に立ち寄って雑用&雑談&調べもの。横浜に戻って買い物をして、夕方から情報公開運動をしている市民グループの集まりに顔を出す。教育問題に取り組んでいる主婦と弁護士のやりとりは聞いているだけで参考になる。終わってから参加者と居酒屋へ。魚料理を食べながらビールで軽くのどを潤す。やば〜、原稿を書く時間がないぜ…。あした集中して一生懸命にやろう。


11月29日(水曜日) 「心を病んでいる人」

 そう言えば以前、桃井かおりが「バカが多くて疲れません?」とつぶやくテレビCMがあったよな。この前、住民運動に取り組んでいる主婦と話をしていると、あまりに話の分からないトンチンカンな議員に話題が及んで、いつもは冷静で温厚な主婦が「バカばっかり…」とこぼした。う〜ん、その気持ちはよく分かる。でもひょっとしたら、バカというよりは「心を病んでいる人」が多いのかもしれない。僕のところにも時々、読解力がないことによる一方的な主張だけが書かれたメールのほかに、意味不明で支離滅裂だったり、妄想や思い込みの言葉が延々と書かれていたりといった電子メールが届くが、これはもちろんネットの世界だけのことではなくて、一般社会の中でも、こうした言動を繰り返す人たちを見かけることは多くなってきているような気がする。常識的な人間関係が成立できず、真っ当な社会生活が送れない人が増えているのだろうか。これが行きすぎると法律に触れてしまう。例えば近ごろ摘発が目立ってきた異常なストーカーたちは、そうした「心を病んだ人」の典型だろう。「バカばっかりで疲れるよ」という気持ちも確かにあるけれども、それとともに何だかとても哀れでかわいそうにも感じる。たまたま最近、精神科医の書いた本や心療内科医を主人公にした漫画などを読んでいるから、余計にそんなふうに思うのかな…。

 きのうからやたらに冷え込んできたからか、風邪気味だ。友達からの電話で朝に起きたんだけど、再び布団へ潜り込んで夕方まで爆睡してしまう。いかんぞ、その後はしっかり原稿執筆じゃ〜。


11月30日(木曜日) 表現の自由への介入?

 深作欣二監督の映画「バトル・ロワイアル」をめぐる国会議員の言動には、笑ってしまった。「過激な暴力シーンが不必要に多く、青少年に悪影響があるから見せるべきでない」と主張し、国会議員や秘書で特別試写会を開いたうえで、監督を呼びつけて「議論」したというのだ。この映画は、ビートたけしの演じる中学教師が中3のクラス全員を無人島に連れ出して、最後の一人になるまで殺し合いをさせるという内容だ。作品の感想をあれこれ言うのは自由だと思うが、一部分の表現を取り出し、国会議員という公的立場を背景に(と言うよりは国会議員という公的立場を前面に出して)、表現方法について圧力をかけるような物言いをするのは、ちょっと信じられないものがある。僕自身はこの作品そのものを見たわけではないけれども、秀作かそうでないかの評価は別にして、批判や批評は私人として個人的立場で言うべきだろう。少なくとも国会議員として言うべきではない。仮にどんなにくだらない内容であっても、表現の自由は最大限に尊重されなければならない。個人の立場で何を言おうがそれは自由だが、公権力をバックボーンにして、とやかく言う筋合いのものではないと思う。こういう動きはとても不気味に感じる。残酷なシーンに難癖をつけて、監督まで引っ張り出して圧力をかけたつもりの国会議員のオジサンたちは、しかしまあ、結果的にはこの映画の最高の宣伝役を果たしたんじゃないかな。


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