身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2000年8月1日〜8月31日

●接続環境がまた悪化?●編集部の窓から花火見物●目覚まし時計●暑い夏にはかき氷●映画「秘密」を見る●取材姿勢について●謎だらけの一日●睡眠不足と停電と●電話の感度●競売物件のあれこれを聞く●いよいよ盗聴法施行へ●お盆休み●検索エンジンでの発見●すっきり髪の毛●ゴキブリが落ちてきた…●根拠のないプライドの犠牲●村山由佳「天使の卵」を読む●ある書店の閉店●初めての2千円札●トトロのオルゴール目覚まし時計●恐怖国家体制●累積違反点数が消滅●「責任感と信頼感の喪失」の時代●勝手な感情●「広告批評」の特集●出さないメール●意外な展開●●●ほか


8月1日(火曜日) 接続環境がまた悪化?

 かれこれ3年近く利用しているプロバイダーの接続状況が最近この上なく快適だと思っていたら、同社が回線を利用していたバックボーンとのトラブルから、すべてのアクセスポイントが別のネットワークに移行されるとの連絡メールが突然あった。それに伴ってこれまでの接続電話番号は、何とあと3日間しか使えないというのである。本当に突然の連絡だった。めちゃくちゃだなあ。テレホーダイの変更手続きをするのだって半月はかかるというのに…。紆余曲折があって結局、接続電話番号はあと1週間は今までのものが使えることになったけど、しかしどっちにしろ全国のすべてのアクセスポイントが別のバックボーンに移行され、接続電話番号も変更しなければないことは変わらない。聞くところによると移行先は回線が太くないそうなので、たぶんこれまでのような接続環境ではなくなるのはほぼ確実だ。テレホタイムの初めの3時間ほどは混雑してなかなかつながらなくなるだろう。せっかく快適な接続環境だったのになあ。プロバイダーには「一刻も早く回線を増強して、今まで通りの接続環境を確保してほしい」と強く要請した。ひょっとしたら経営状態がやばいのか…。全国にアクセスポイント網を張り巡らせている企業展開が、経営を圧迫しているのか…。まじで疑心暗鬼になるぞ。プロバイダーを変えると、メールアドレスから何から何まで変わってしまうから面倒なんだよなあ。ほかのプロバイダーもこんなにしょっちゅうトラブルが起きるものなのだろうか。


8月2日(水曜日) 編集部の窓から花火見物

 東京都品川区の都立大崎高校で開かれている「全国高校教育法研究会」の分科会の一つに、午後からちらっと顔を出す。夕方から四谷の出版社で事務的な打ち合わせ。神宮外苑で花火大会があるためにJRの信濃町駅は人であふれている。電車を下りて改札口を出るまで十分もかかった。ただでさえうだるような暑さなのに、この人混みは本当にうんざりだよなあ。打ち合わせが終わったところで花火大会が始まった。「編集部の窓から花火が見えるよ」と誘われていたので時間を計算してやって来たのだが、ぴったりのタイミングだ。編集部員の実家から惣菜などの差し入れ。それをつまみにビールを飲みながら花火見物を楽しむ。引き続いて四谷三丁目のスナックへ。午前1時半帰宅。へろへろだあ〜。


8月3日(木曜日) 目覚まし時計

 早起きして都立大崎高校へ。全国高校教育法研究会のシンポジウムにパネリストとして招かれる。3時間しか寝ていないので、起きられるか心配で目覚まし時計を2つセットしたのだが、こいつは正しい判断だった。記憶にはないけど、枕のそばの時計はいつの間にか止められていて、隣の部屋の目覚まし時計が鳴り始めて30分以上経ってからようやく気付いたのだ。やばやば。もう少しで寝過ごしてしまうところだったよ…。シンポのテーマは「日の丸・君が代と生徒・学校」。自分の考えを分かりやすく話せたとは思うが、会場の先生たちとの議論そのものは、残念ながらあまりかみ合っていなかったように思う。生徒のことをあまり信じていない(みくびっている)からなのかなあ。シンポ終了後、会場に来ていた都立や県立高校の生徒たちとの会話の方が収穫は大きかった。喫茶店を2軒もはしごする。ん〜、これでは学生のノリだな。深夜、九州の友人と長電話をした。来月の電話代の請求が怖いけど、話が弾んでとても楽しかったからノープロブレムだ(^^)。


8月4日(金曜日) ゲラチェック

 「月刊司法改革」のゲラの著者校正をする。さらに、きょう速達で届いた岩波ブックレットのゲラをざっと読んでチェック。こちらは分量が多いので、週明けまでに赤を入れる作業を終わらせればいいだろう。久しぶりに少しばかり気合いを入れて、部屋の掃除をした。しばらく放ったらかしにしていたので、部屋中がほこりだらけだったのだ。やっぱり掃除をすると気持ちがいいよなあ〜(爆)。


8月5日(土曜日) 暑い夏にはかき氷

 東京・八王子で中学生たちを取材。部活動について話を聞く。それにしてもきょうもまた厳しい暑さで、自動販売機を見るとお茶やポカリスエットを買ってひたすら飲み続ける。それでも暑さに耐えられず、ドトールコーヒーの店頭で売っていたカップ入りのかき氷を、思わず買い求めてしまった。歩きながらかき氷を食べると体の芯からぐっと冷えてくる。気分爽快になってようやく一息つけた感じである。ん〜、暑い夏にはかき氷が一番だなあ。そう言えばこのところ浴衣姿の女の子が目立つけど、あれは涼しそうで見ていて心が和む。スーツにネクタイ姿のサラリーマンとは対照的だ。このくそ暑いのに、みんなよくネクタイなんか締めていられるよなあ。我慢大会にでも参加しているのかと思ってしまう。


8月6日(日曜日) 内定祝い

 出版社を辞めたネット友達が転職して、来月から新聞記者になることになった。その内定祝いということで横浜の中華街へ。組織内記者の置かれている現状や問題点などについて、僕なりの経験から助言してみたが、どこまで伝わったかはあまり自信がない。新聞記者の多くが無意識のうちに抱え込んでいるエリート意識や特権意識といったものを、きちんと自覚した上で行動したり考えたりしないと、何が問題なのかが見えてこないんじゃないかなあと僕は思っているんだけど、一般的にその社会にどっぷりつかっているとなかなか自覚できないものなのかもしれない。もちろんこれは記者に限らず、ほかの職業でも同じことが言えるような気がする。

 映画「秘密」を見る 衛星放送のwowowで、広末涼子主演の映画「秘密」を見た。母娘が帰省バスの転落事故に遭うのだが、肉体的には死亡したはずの母親の意識だけが、高校生の娘の肉体に乗り移ってしまう。だから現実としては、夫の小林薫は娘と夫婦生活を送ることになってしまうのだ。考えようによっては父親のことが大好きな娘が、母親の意識が自分に乗り移っているふりをして演技をしているのではないかと疑うことだって可能だ。「ひょっとしたら…」と思わせる場面も事実あった。だけど終盤から娘の意識が出てくるようになって、本当に母親の意識に支配されていたんだなあと安心させられる。「公序良俗に反する発想」がようやく否定されたわけだから。小林薫の葛藤が涙を誘う。そして、夫婦として交わす最後の会話シーンにはまじで涙してしまうのだった。だがしか〜し。この映画はここでは終わらなかった。最後にとんでもないどんでん返しがあって、それじゃあいつまでたっても小林薫は葛藤し続けるしかないじゃんか、というような救われないオチになっているのだ。う〜ん…。しばし絶句して画面の前から離れられなかった。


8月7日(月曜日) 取材姿勢について

 友人のK記者に誘われて、逗子市内の焼き肉屋で夕食を食べながら久しぶりに話をする。店に着くまでの車窓から見える海岸線が見事で、焼き肉屋そのものも河口近くにあって景色がいい。なかなかのロケーションだ。もちろん食事もうまかった。

 K記者と話していて見解が一致したことの一つに、市民運動の在り方があった。運動をしている人たちの多くは「自分たちは絶対に正しいことを訴えているのだから、それを受け入れて行動をともにするのは当然だ」と他者に押し付けてくるところがある。しかしそれでは他者の共感は得られないし、そもそも民主主義や基本的人権に反することを強制してくる側の人たちと何も変わらないんだよなあ。そういった「他者に押し付けをしない感覚」が欠落している主張に、少なくとも僕は強い違和感を感じてしまうし共感もできないのだけど、K記者も同じ考えを別の角度から肯定してくれた。これは民主主義の基本姿勢だと思う。僕も気を付けなければ…。

 もう一つ一致したのは、僕たち記者がほかの記者に対して、自分の考え方や取材姿勢を示す方法についてだった。記者である限りにおいては、抽象論や観念論をいくら語っても実は説得力はほとんどない。実際に取材現場から引っ張り出してきて書いた具体的な記事こそが、記者にとってはすべてなのだ。さらに言えば、どんな記事を書くかである。裏情報や裏データを集めるのはもちろん大変な作業だけれども、実はそれだって取材作業の中では「入り口」であるし「仕込み段階」の一つに過ぎなかったりするのだ。大事なのはそこからさらに進んで、実際の「当事者」の生の体験や証言にどこまで迫れるかにある。こんなのは今さら言うまでもないような当たり前のことなんだけど。だから上っ面の「玄関取材」しかしたことのないデスクには、どこをどうやって取材したら「当事者」に迫ることができて問題の本質が見えてくるか、というようなことを後輩記者に助言するだけの力などないだろうし、原稿を的確に評価する力量もないのだろう。


8月8日(火曜日) 謎だらけの一日(^^)

 午後から東京・神保町へ。来月発売予定の「岩波ブックレット」の初校チェックと打ち合わせをする。3時間…。これで基本的な作業は終わったも同然だから、まあいいか。それにしても、自分の力量を正しく自覚していない身の程知らずな人ほど滑稽なものはないよなあ(謎)。そんなふうに痛感させられる出来事があった。夕方からお茶の水のすし屋で、共著者の埼玉県立高校の先生と飲む。四谷の出版社に立ち寄って編集者と雑談。空いている会議室を使わせてもらって簡単な電話取材。編集長に誘われて四谷駅前の居酒屋で飲む。居酒屋のくせにすしがうまかった。おいおい、さっき食べたのにまたすしを食うのかよ(笑)。う〜ん、何だかんだで午前1時帰宅…。実はもっと早く帰宅して電話をする約束になっていたんだけど、とんでもない時間に帰宅しちゃったよなあ。大急ぎで番号をプッシュする。結局それから5時間も話し込んでしまうが、とってもハッピーだから何でも許されるのだ〜(謎)。きょうは謎だらけの波乱万丈な一日だけど、すべては秘密なのであった…。


8月9日(水曜日) 睡眠不足と停電と

 目が覚めたらお昼をすっかり回っていた。知らない間にまたまた目覚まし時計を止めていたのだ。実は前日は2時間睡眠のまま都内で打ち合わせなどをして、そんでもって朝まで起きていたから、爆睡してしまったのである。あ〜あ。そんなわけで大慌てで顔を洗って、東京・国立市で開かれた市民集会の取材に出かける。もちろん大遅刻だ。顔見知りの主催者の一人に「今ごろ来たの?」と笑われてしまったよ。しかしだなあ、あんまり気乗りがしないという深層心理が、無意識のうちに目覚ましを止めてしまったのかも…(乾いた笑い)。だけど、大阪から来ていたバンドグループの演奏は面白かったあ。三線とギターでロック調の「インターナショナル」を熱唱するのには、感動的なまでの新鮮さが感じられた。その後、国立駅前までのデモ行進に同行する。こちらはいつも通りのパターン化されたセレモニーだ。右翼の襲撃もなく、警備する警察官の拍子抜けするほどの少なさに予定調和を感じてしまう。

 それにしても国立は遠い。でもってようやく上大岡にたどり着いたと思ったら、地下鉄が駅構内に滑り込んだ途端、電車がガクッと妙な止まり方をして、ホーム全体が真っ暗になった。車内だけがまばゆい光に包まれている。「変電所に落雷したので構内の電源が使用不可能になっています。原因を調査しています…」とアナウンスが入った。しばらく待っても進展がなさそうなので電車を降りる。駅ビルやバスターミナルも真っ暗で、エレベーターもエスカレータもすべてストップ。発電機で動いている誘導灯だけが明るい。なかなかシビアな状況で、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の第拾壱話「静止した闇の中で」みたいだ…などとふと思うが、そんなのは一部のファンにしか分からないことなので、どーでもいいことだよね(自爆)。落雷とは無関係な公共交通機関と言えばバス。そんなわけでバスに乗ってとっとと帰宅する。しかし、上大岡の街は別に停電していなかったなあ…。昼間のような明るさで空がひっきりなしに光輝く。バケツをひっくり返したような雨が降る中をバス停から走って帰った。結構濡れてしまったよ〜。眠いっす。


8月10日(木曜日) 電話の感度

 電話の感度がいいと、相手の息づかいまで伝わってくることがある。「あ、ここで口を開こうとしているな」ということが分かるから会話がスムーズに流れるのだ。逆に感度が悪くて声や音が聞き取りにくいと、相手が次に話し出そうとしているのかそうでないのかの判断ができなくて、同時に話し始めたりする。やはり電話は感度がいいものの方が断然いい。遠く離れた人と人との間をつなぐためのせっかくのコミュニケーションの道具なんだもんね〜。

 アポ取りのための準備取材や雑用などをひたすらこなす。部屋の外はむっとする暑さなので、日中はこんなふうに過ごすのもいいかもしれないな。


8月11日(金曜日) 競売物件のあれこれを聞く

 夕方から東京・飯田橋で法律雑誌の編集長と一緒に、競売物件を扱う弁護士から話を聞く。強制執行や明け渡しの際の実態だとか、手続きの流れなど、経験に即して具体的な説明をしてくれるので分かりやすい。感心するやら驚くやらで面白かったなあ。もちろん勉強にもなった。帰りに飯田橋駅前で編集長と飲む。野菜をベースにとろろを加えたヘルシーメニューが豊富で、味もイケてるしおも腹いっぱいになって、しかも店の雰囲気もお洒落でなかなかいい。お気に入りの店に登録だな〜。陶器に入れられた冷えた生ビールがこれまたうまいのだ。くう〜っ、幸せ〜。午前1時帰宅。


8月12日(土曜日) いよいよ盗聴法施行へ

 いよいよ3日後、警察が大手を振って合法的に「盗聴」できるようになる。通信傍受(盗聴)法が施行されるのだ。いつの間にか知らない間に、普通の市民が盗聴されているかもしれない。それは僕かもしれないし、あなたかも知れない。盗聴するための理由はどうにでもなる。理由などというものは「存在」しているものとは限らない。理由は後から「つくる」ものでもあるのだ。それはつまり正当化するために取って付けた「口実」に過ぎないのだが、しかしそんなことは、盗聴しようとする側にしてみればどうでもよいことだろう。重要な証拠を隠し、あるいは逆にでっち上げて捏造するのが日常茶飯事なのは、盗聴法が成立した後で次々と明るみになった一連の警察不祥事を見れば明らかだ。多くの冤罪事件被害者の声でもこれは証明されている。そういう機関が盗聴法という武器を手にしてしまった。「法に則って厳正かつ適正な手続きで盗聴するから信用してちょ」などと言われても、そう簡単に「はいそうですね」と受け入れられるだろうか。現行法で十分に捜査できるのにもかかわらず、あえて盗聴のための法整備をしたのだから、それなりに重大な意図があるのだろう。もちろん施行後すぐには不祥事を起こさないだろうが、忘れたころにとんでもないことをしでかさないとも限らない。今後の展開をしっかり注視していきたいと思う。憲法違反の疑いのあるこの法律の即時廃止を強く要望する。

 愛車のガソリンを満タンにする。スタンドで洗車も頼もうと思っていたのだけど、伊豆方面から首都圏に台風が接近していて、今晩からあすにかけて雨が降るとのことなので止めにした。


8月13日(日曜日)〜15日(火曜日) お盆休み

【8月13日】九州から友達が泊まりがけで遊びに来たので、横浜周辺を案内しながら一緒に遊び回る。昼過ぎにのぞみで新横浜に到着したので、駅構内で昼食を食べてからいざ鎌倉へ。台風の影響であいにくの雨模様だったが「しとしと降る」といった感じだ。古都の寺を見て歩くには風情や情緒があってちょうどいい。東慶寺の境内にある喫茶店が渋くて居心地がよかった。

【8月14日】めちゃくちゃ暑い。愛車で八景島に向かったものの駐車場はどこも満車で、しかも人がいっぱいだ。お盆だというのになぜこんなに人がいるのだろう。世間は休みで帰省しているのではなかったのか。う〜ん、すっかり読み違えてしまったなあ。横須賀方面へドライブすることにした。こっちは空いていた。海風が気持ちいい。中華街で夕食を食べてさらに市内観光。

【8月15日】上大岡のインド料理屋で朝昼兼用の食事。久しぶりに食べたけどボリューム満点で、味の方も相変わらず申し分ない。友達は夕方、新横浜からのぞみで帰って行ったが、新幹線で九州というのは遠いよなあ…。のぞみで5時間、ひかりだと6時間かかる。飛行機のチケットが取れなかったから今回は仕方ないけど、しかし空路ならたったの1時間半だもんね。そんなふうに考えれば意外と近いかも。お金はかかるけど…。プラス思考が大切だ。


8月16日(水曜日) 検索エンジンでの発見

 たまにいろんな検索エンジンに自分の名前を打ち込んでみると、意外なところにリンクされているのが見つかって面白い。インターネット上では、本名よりも「大岡みなみ」の名前の方がもちろん圧倒的に多く登場する。知り合いのサイトに自分のページがリンクされているのはこちらも先刻承知だけど、まるで面識のない方がリンクしてくれているのを見かけると、照れ臭くもありうれしくもありといった感じだ。そういうサイトを見つける度にブックマークしているが、これまでに40カ所くらい確認した。ロボット型の検索エンジンがカバーしているのは全サイトの2割程度らしいから、実際にはもっと多くのサイトに登場しているのだろう。今でも数週間に1つほどの割合で、僕のページがリンクされているのを新しく発見することがある。いちいちご挨拶はしていないが、この場を借りてお礼申し上げます(ぺこり)。このうち9割以上は好意的にリンクしてくださっているが、ごくたまに悪意と偏見に基づいてリンクや言及をしているサイトもあるんだよなあ…。僕の文章に対してまるで検討外れの解釈をした上で一方的に非難しているのを見ると、不愉快ではあるけれども苦笑するしかない。どこの世界にも非常識な人間はいる。まあ世の中にはいろんな人がいるわけだから、それはそれで仕方ないのだろう。リンクフリーだからどうぞ勝手にやってくださいと言うだけだ。ただし、著作権法ほか関連法規だけは順守するように。悪質な場合は法的措置なども検討したいと思う。


8月17日(木曜日) イラスト入り官製はがき

 いただいていた暑中見舞いの返事を書かなければと思って、郵便局に「かもめ〜る」を買いに行った。残念ながらイラストなしのものしか残っていない。それはちょっと辛いなあ…。真っ白なところに残暑見舞いの言葉を延々と書き連ねるのは、書く方だけでなく読む方だって大変そうだ。余計に暑苦しいだけだろう。代わりに別のイラスト入り官製はがきを購入する。しかしなあ、こっちは「かもめ〜る」と違って1枚あたり70円もするんだよなあ。購入してから割高であることに気付いた。う〜ん。絵はがきに切手を張って投函するのと比べたら安上がりだから、まあいっか。


8月18日(金曜日) すっきり髪の毛

 4カ月ぶりに髪の毛をカットした。すごく長くなってボサボサ状態で、自分でも確かにうっとうしいと思ってはいたのだけど、友達からも早く切れとせっつかれていたのでようやく…。忙しいのと面倒くさいのとでついつい伸ばし放題だったのだ。「取材相手が不快に思うでしょ?」なんて言われたら、う〜ん、さすがに返す言葉がないよなあ(笑)。カットしてもらったのは関内駅前の行きつけの店。お世話になっている美容師さんは、いつもなら髪の毛の長さくらいは聞いてくるのだが、この日はそういうことは何も聞かずに雑談しただけで、1時間ほどかけてちょうどいい長さにカットしてくれた。どんな感じを僕が望んでいるかすっかりお見通しなのだ。料金はちょっと高めだが、安心してお任せできるんだよな〜。すっきり気分一新したところで、さあ、しっかり原稿を書かなければ…。

 【告知】プロバイダーのメールサーバーメンテナンスのために、19日午前1時から19日午前11時までメールの送受信ができません…(涙)。僕からメールを出す予定になっている方には、メンテナンス終了時に必ず送信します〜。これを読んでいたらご了承を!


8月19日(土曜日) ゴキブリが落ちてきた…

 近所の中華料理店で定食を頼んで待っていたら、頭の上にふわっと軽いものが舞い降りるのを感じた。カサカサと動くので蛾なのかなと思って頭に手をやると、頭から肩を通って脇の方へささっと降りてきた。げっ…。まさか…。そう、そのまさかだった。ゴキブリだったのだ。体が凍り付く。目が点になる。気持ち悪いよ…。完全に動転しながらも、ただただ必死になってシャツの袖を上下に激しく揺り動かして振り落とす。幸いにも脇から中には入ってこずに、ゴキブリはぽろりと床に落ちた。それにしても、もしもシャツの中に入り込んでいたらと想像するだけでも、恐怖のあまり気絶しそうになる。そうして奴はカサカサと床を這ってから、店の壁を悠然と上って行った。焦げ茶色のそのゴキブリの体長は目測で約8センチはあった…。絶句する大きさだ。定食の野菜いためが出てくるまでしばらくの間、僕は呆然として座っているだけだった。その後のご飯の味は覚えていない。速攻で帰宅してから、何回もシャンプーで頭をごしごし洗ったのは言うまでもない。はっきり言うが僕はゴキブリが嫌いだ。見たくもないし触りたくもない。とにかく嫌いなのだ〜。あの中華料理店に行くのはもう止めようと思っている。


8月20日(日曜日) 原稿執筆

 きのうは涼しかったのに、きょうはとても暑い一日だ。終日、取材ノートなどの資料整理と原稿執筆。ジオシティーズのサーバーエラーのために「身辺雑記」の更新できず。でもまあ、本日分は実質的にはたったの2行だけだから何も問題はないね〜。


8月21日(月曜日) 根拠のないプライド

 ロシア海軍の原子力潜水艦の沈没事故は、乗組員の生存は絶望的だとの公式発表があって、予想通り最悪の結果になった。もしも仮に艦内全域が浸水していなかったとしても、事故発生からこんなにぐずぐずして救出作業が遅れていたら、だれ一人として助かるわけがない。残されたのはわずかな空気と電力。刻一刻と死が迫るのを待つだけの暗闇の世界。ところが海上では1分1秒を争うはずの事態に手をこまねいて右往左往するばかりで、だれがどう見ても無能ぶりをさらけ出すだけ。しかも他国からの応援申し出も断り、自分たちの技術は世界一だから手助けは要らないと公言してはばからない…。「根拠のないプライド」が百人以上の仲間を見殺しにしたのだ。軍事機密を守るためと言うより、自分の力量を把握せずにプライドだけが高いだけの身の程知らずな人間の愚かさを、まざまざと見せつけられたよなあ。かわいそうなのは、そんな人間や機関のお陰で大切な命を落としてしまった人たちと残された家族だ。アホな上司や責任者や指導者を持つほど不幸なことはない。合掌。


8月22日(火曜日) 村山由佳「天使の卵」を読む

 村山由佳「天使の卵(エンジェルス・エッグ)」を読み終える。東京芸大を目指す予備校生の歩太(あゆた)は、8歳年上の精神科医の春妃(はるひ)に一目惚れするが、彼女は高校時代からずっと付き合っていた夏姫(なつき)の姉だった。年上の春妃を一途に追い求める歩太は紆余曲折を経て彼女と結ばれ、「自分が心から愛するものをこの手で守れるだけの強さを持った男にならなければ」と決意する。春妃と初めて出会った春の日が再び巡ってきたが、しかしこのラブストーリーの結末は、あまりにも悲しいものだった…。そんな内容の物語である。

 どこにでもありそうなありきたりの恋愛小説かもしれない。確かに終盤近くまではそんな感じを漂わせていた。ところが最後の30ページで一転、それまで培われてきた甘い雰囲気は雲散霧消してしまう。その絶望的で切なさにあふれる描写は、読者に痛いほどの悲しさを共有させるのだった。ここまで引っ張ってきた甘く平凡な物語は、ラストシーンの切なさを最高潮に演出するための味付けだったのだ。唐突で辛すぎる結末だけど、こういう終わり方だからこそ高く評価される作品に仕上がっているのかもしれないなあと思う。そして改めて思ったのは、大切な人と交わす言葉というものは「いつも前向きで素直でありたい」ということだ。意地を張って黙ったまま外に出たり、乱暴な言葉を残して別れたりして、もしもそれが最後の会話になってしまったらいくら後悔しても後悔しきれないだろう。そんなのはあまりにも悲しすぎる。「小説すばる」新人賞受賞作品。村山由佳のデビュー作だ。

 午後から東京・水道橋の出版社で原稿の打ち合わせ。ついでにいくつか取材計画や独自企画を提案したら通る。続いて訪れた四谷の出版社でも取材計画にゴーサインが出る。う〜む、きょうの「営業活動」は百点満点だな。事務的な打ち合わせをした後、取材で使う予定のデジカメ使用方法を編集者から再び教わる。


8月23日(水曜日) ある書店の閉店

 上大岡の駅前ビル内にある行きつけの中規模書店が、このほど閉店した。新刊書や雑誌やコミックスがそこそこ揃っている程度で、取り立ててどうということはない本屋だし、近くに住むライターの友人に言わせると「ろくな物を置いていない」などと相手にしていなかった様子だったが、ふらっと立ち寄って漫画を買ったりする分にはそれなりに重宝していたんだよなあ。夜9時まで営業していたのと、次回以降に使える割引サービスチケットを購入価格の5%くれるという制度があったので好感度は高かった。だけど確かに昨年くらいから、店内の書棚構成があまりにも大幅にしばしば変更されていたので実は心配はしていた。極端なコミックス重視に店内を模様替えしてみたり、新刊書籍をないがしろに扱ったりするのが、気にはなっていたんだけどね…。う〜ん…。つまり一貫性や確固たる信念が感じられなかったのである。閉店したのは寂しいけれど、まあ仕方がないことだったのかもしれない。

 初めての2千円札 ヨド◯シカメラでコピー用紙が安く売られていたので、2パック千枚買う。お釣で2千円札をもらった。何を隠そう、2千円札の現物を直接手に取って見るのはこれが初めてなのだ。ようやく一般に出回り始めたんだなあ。源氏物語の絵巻はなかなか渋くてきれいだとは思うが、見慣れていないからか、何だか外国の紙幣かおもちゃの紙幣みたいな感じがする。おまけに紙幣には携帯電話の番号と名前までがメモされているし…。おいおい…。近くにそれしかメモするものがなかったのかい。


8月24日(木曜日) トトロのオルゴール目覚まし時計

 上大岡のヨド◯シカメラで「となりのトトロ」のオルゴール目覚まし時計を買った。時間になると、トトロが傘を動かしてオルゴール曲のトトロのテーマが流れるのである。決して衝動買いではないぞ(笑)。これまで使っていた目覚まし時計のアラーム音があまりにも優しさに欠けて目覚めが良くないので、新しいのが欲しいなあと思っていたのだ。もちろんそれだけでもなくて、少し前にこのオルゴール目覚まし時計を見かけてから、買おうかどうか迷っていたのは事実なんだけど…。やっぱり衝動買いかなあ…。「そんなオルゴールの音なんかで本当にちゃんと起きられるの?」という声もあるが、まあ気持ちよく起きられることは間違いないと思うよ。

 東京・渋谷で、司法改革について聴覚障害者団体の理事長に手話通訳を交えてインタビューする。社会的にも法律の世界でも、聴覚障害者がいかに厳しい立場に置かれているのかがとてもよく分かって勉強になった。デジカメで撮影した写真データを出版社に持参。一眼レフのカメラと違って、デジカメだとシャッターチャンスに微妙なずれが生じるなあと撮影しながら感じていたのだが、編集部で画像を確認したらなかなかいい表情が撮れていた。相変わらずきょうも残暑は厳しい。昼食は渋谷で石焼きキムチビビンパ、夕食は品川でキムチ入りのジャージャー麺を食べる。ピリリとくる辛さが暑さを吹き飛ばしてくれた。


8月25日(金曜日) 恐怖国家体制

 ロシア海軍の原子力潜水艦事故で、政府高官に詰め寄って抗議する乗組員遺族の背後から、政府関係者らしい女が忍び寄って鎮静剤を注射…。遺族である母親は意識を失って倒れ込む…。う〜ん、なんてエグい映像だろう。こんなことが公衆の面前で平然と行われるとは。まともな社会ではそもそも、本人の意思を無視して勝手に注射するなどということは許されないことだよなあ。しかも関係者へのインタビューなどを見る限りでは、ロシアではこうした出来事にそれほど衝撃や違和感を感じていない様子なのが、またまた驚かされる。なんて恐ろしい社会なのだろう。しかしまあ、政府が個人の通信の自由を正当に侵すための法律(通信傍受=盗聴法)が施行されてしまうわけだから、日本も着々とロシアのようなエグい恐怖国家体制に近付いているという見方もできるかもしれないな。


8月26日(土曜日) 累積違反点数が消滅

 昨年の7月と8月に、立て続けに交通違反切符を切られてから1年が経った。これで晴れて累積違反点数はゼロになって、ゴールド免許証が継続されることになった。それにしても不愉快なのは神奈川県警の交通取り締まりだ。昨年8月の駐車違反については全面的に僕の方に非があると思っているが、昨年7月の左折禁止違反はまるで「だまし討ち」のような取り締まりで、今も納得いかないものがある。いや「納得いかない」などというよりはむしろ、はっきり言って不愉快きわまりない取り締まりだった(昨年7月22日付「身辺雑記」参照)。典型的な小役人の点数稼ぎ、権力をかさにきた横暴、本末転倒の交通安全対策、弱い者いじめである。こんなことを続けていると、市民の信頼なんか絶対に得られないぞっ。累積違反点数が消えるのを待っていた1年間、警察への不信感は増幅され続けた。不公平で不公正な取り締まりを体験して、同じように不愉快な思いをした「善良なる市民」はほかにも大勢いるはずだ。真面目に職務に取り組んでいる警察官にはさぞかし迷惑なことだろう。


8月27日(日曜日) 「責任感と信頼感の喪失」の時代

 三菱自動車工業が利用者から寄せられた欠陥苦情を隠蔽(リコール隠し)していた事実はぞっとする話だ。しかも長年にわたって、会社ぐるみで大量に隠蔽していたというのだから許し難いものがある。いくつもの欠陥によって音響配線から火が吹き出たり、エンジン回転数が急上昇して追突事故が起きたりしていたのを、知らんふりして隠し続けていたというが、これは「殺人未遂」と言ってもいい悪質な犯罪行為ではないのか。文字通り「走る凶器」を製造しておきながら回収も謝罪も報告もしないなんて、責任あるまともな企業としては許されない話だっつーの。重大な人身事故が起きなかったのはまさに運がよかったとしか言いようがないよなあ。三菱車の利用者だけでなく、ほかの車の利用者だって安心して運転できないじゃないかよ。歩行者だって危なくてのんびり歩けないだろう。食品への異物混入・不衛生な食品製造・デタラメ医療ミス・警察不祥事もそうだけど、どうやら「責任感と信頼感の喪失」がこの時代のキーワードのような気がする。それにしても、ほかの自動車会社は大丈夫なんだろうな。車を運転する者として他人事ではない。


8月28日(月曜日) 終日執筆

 前夜から徹夜で、再校ゲラのチェックや原稿手直し、原稿執筆などを並行して続ける。引き続き、あちこちに電話をかけてアポ取りを試みるが、なかなか相手がつかまらない。ん〜、まだ夏休みだからかなあ。午後になって3時間ほど昼寝をしたら復活。


8月29日(火曜日) 勝手な感情

 人間って勝手なものだ。自分が相手のことを想っているのと同じくらい(あるいはそれ以上)、相手も自分のことを想っていると感じなければ不安や不満な気持ちになるのだから。でも人の感情にそんなイコールなんてことは、そもそもありえないんだよね。どちらか一方の想いが多いか少ないかという関係になるのは、仕方がないことなんだろうなあ。分かっているけれども、なかなか納得できないのが人間の弱さである。だがしか〜し。自分に都合のいいように解釈したり、思い込んだりできるところが、実は人間ってやつの偉大さでもあるんだよね。「自分が相手のことを想っているのと同じくらい(あるいはそれ以上)、相手も自分のことを想っている」と信じて疑わないことができるのだ。何も考えずに迷わずそう思っていられる人は、本当に幸せだなあと心からうらやましく思う(ただしストーカー関係は除く)。まあ、世の中はたぶんそういうふうにして、人間関係のバランスが取れているのだろう。難しいね。

 「広告批評」の特集 女性編集者に薦められて買った「広告批評」240号を読む。この前にあった総選挙のテレビCMやポスターなど「政党広告」の比較検証と、特集「20世紀の戦争宣伝」が面白かった。戦争宣伝の特集記事は、各国のポスターやチラシ、広告をカラーで紹介してるのだが、それぞれの時代背景や国民性や国の姿勢などが反映されていて、実に興味深く貴重な資料集になっている。太平洋戦争中の日本の「報国スローガン」は、あまりに非科学的で主張にも無理があって涙が出るほどだ。みんな本気でこんなものを信じていたのかなあ、信じるしかなかったのかなあと思うと、笑うよりは悲しくなった。第1次世界大戦による負傷者の悲惨な写真も掲載されていて、こちらはあまりにも衝撃的で言葉を失う。


8月30日(水曜日) 出さないメール

 たぶんだれにでもあると思うけど、書くことは書いたけど、出していない手紙やメールというものは不思議な存在だ。出していないだけなのか、出しそびれてしまったのか、出せないのか。それはそれぞれの事情によってケースバイケースだが、自分の考えを整理して書きとどめたものの、伝えようと考えていた相手に伝えるという目的が達成されていないことに変わりはない。でも、書いた時点で自分の心の中に抱えていた感情や思いや考えを、どんな形であれ吐き出してみたわけだから、目的の半分は果たしたのだとも言える。そうすることで自分の心をある程度、なだめすかして落ち着かせることができるのだ。「話す」という作業は相手がいるけれども、一人でもできる「書く」という作業は、なんて偉大なんだろうと改めて思う瞬間だ。そんなふうにして書いたことは書いたが、出さないままになっている文章ってたぶん、心の迷いや揺れや悩みを綴った日記みたいなものかもしれない。

 インタビュー取材を録音したテープを聞きながら原稿執筆。ヘッドホンの調子が悪い。上大岡のヨド◯シカメラで、折り畳み式のコンパクトタイプの新しいものに買い換える。千円未満という破格の安さだったので、カードは使わずに現金で支払いをした。


8月31日(木曜日) 意外な展開

 ホームページを見てくれた某週刊誌の編集者から「エヴァンゲリオンから盗聴法まで興味の幅が広いですね」というお褒めの言葉をいただいた。まじで「お褒めの言葉」と受け取ってよいみたいだ。「ホームページを開いてみて、大岡みなみさんと◯◯さん(僕の本名)が同一人物だとは、すぐには結び付きませんでした」というコメントもいただいたのだが、本名で書いている真面目なルポルタージュ記事とホームページの内容は、それほど大きな格差があったらしい(笑)。この編集者はアニメのページにも強い関心を示してくれたみたいで、そっち方面の企画記事の執筆などにこれから結び付きそうな感じである。う〜む、これは意外な展開だ。世の中どこでどんなふうに物事が発展していくか予測がつかないものだなあ。このところ公私ともになかなか順調である。


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