身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2002年12月1日〜12月31日

●どこが「論戦」?●固有名詞と数字●教育はだれのため●「さよなら佐為」●大学●業績一覧●変わらない仲間たち●システム障害●大雪の影響●4カ月ぶりの更新●風邪●少しだけ年賀状の準備●「密約」●京風懐石●拉致報道に思う●エピソードが集まらない●「中国からの贈りもの」●自己管理●やっと分かった●授業計画と成績評価●本の装丁の奥深さ●課題山積●熱く語る●韓国家庭料理の店●「おいしいコーヒーのいれ方4」●●●ほか


12月1日(日曜日) どこが「論戦」?

 そんなわけで、帰宅時間も遅かったし睡眠不足も加わって、結局昨晩は中教審公聴会の原稿を書き上げることなく、朝9時過ぎまで眠ってしまった。目が覚めてから大急ぎで原稿執筆に励む。あさってに印刷する誌面に間に合わせるとのことで、とにかく大急ぎなのだ。午後には完成。点検を終えて夕方になって無事送信した。

 原稿を書き終えてから、A紙の公聴会の記事を読んでびっくりした。「愛国心をめぐって賛否両方の意見が相次いだ」などと、寝ぼけたことを書いているからだ。圧倒的多数の意見発表者が「国を愛する心を教え込まなければならない」と主張したのが、この日の公聴会の実態なのに、この記事の書き方だと、まるで対等に論戦が展開されたかのような誤解を読者に与えるではないか。Y紙だってこんな事実に反する「うそ」は書いてないぞ…。いったいどうなってるんだ、最近のA紙は…。

 朝早くから夜遅くまで、近所のカラスがやけにうるさく騒いでいる。特に午後3時過ぎと夜になってから、何十羽ものカラスの集団がカーカー&ギャーギャーと大騒ぎしているのだが、いったい何があったのだろう。秋の大運動会でもやってるのか、それともカラスの大ボスが他界でもしたのかなあ。不気味だなんてことはまるで思わないけど、とにかくうるさいから勘弁してください。


12月2日(月曜日) 固有名詞と数字

 きのう送信した原稿のゲラが上がってきたのでチェックしていたら、な〜んと固有名詞と数字が1カ所ずつ間違っていた。初歩の初歩の大ボケだよ…。中でも人の名前と年齢については、何回も確認したつもりだったんだけどなあ。さすがに十五人も出てきたら名前を間違えることもあるか…ってそんなの言い訳にも何にもならん。まあ、印刷される前に校閲で気付いてもらって本当によかった。


12月3日(火曜日) 教育はだれのため

 午後から東京・永田町の社会文化会館へ。教育基本法と中央教育審議会の「中間報告」に対する、日教組の中央行動を取材。早大のN教授の講演は、いつもながら鋭く分かりやすくて勉強になった。教育は「国家に役立つ道具としての子ども」を作るためにあるのでは決してない、というN教授の指摘は全くその通りだと思う。「国家のための教育」ではなく「子どものための教育」を守るために、教職員組合にも現場の先生にもしっかり頑張ってほしい。

 都内の書店に立ち寄ってから水道橋の新聞労連で会議。中央線の人身事故の影響で電車が全線ストップし、神田からお茶の水のたった1駅に1時間もかかる。収集がつかないのでお茶の水から水道橋までは歩いた。それにしても、お茶の水駅の駅員は職務怠慢だ。中央線の状況だけでなく、総武線の運行についてもきちんと乗客に説明しろよな。何がどうなっているのかを知らされれば、とりあえずみんな納得するのだから。事故は事故で仕方ないにしても、乗客に情報をきちんと提示するのが、公共輸送を預かる鉄道マンとしての責任だろう。あまりにもひどいアナウンスなので、窓口の駅員に苦情を言ったんだけどへらへら笑ってるだけ。ふざけるな。

 でもって、会議は長引いて深夜にまで及ぶし、おまけに午前零時を過ぎても中央線はダイヤがめちゃめちゃで、しかもまだノロノロ運転が続いている。お茶の水から神田まで1駅動くのに、やっぱり三十分も時間がかかるのだ。横浜方面に向かう電車はもうない。これじゃあ、最後の手段の深夜バスにも乗り遅れてしまうじゃんと焦りに焦ったが、何とかぎりぎりでバスに乗り込んで、午前2時半帰宅。いやあ、きょうはものすごく疲れました…。


12月4日(水曜日) 「さよなら佐為」

 久しぶりに、リアルタイムで「ヒカルの碁」(テレビ東京系)を見ることができた。いつもはビデオ録画したのを後で再生するんだけど、やっぱり生の映像で見る方が断然きれいだ。しかも、きょうは佐為がヒカルの前から姿を消してしまう内容。はかなさと切なさが、見事な美しさで描かれていて胸が詰まった。


12月5日(木曜日) 大学

 午前中に短い原稿を1本書いて送信する。午後から首都圏の某大学へ。服装や化粧の派手な女子大生が、かなりたくさんキャンパスを濶歩しているのに少しびっくり。メディア論が専門の先生と、現代ジャーナリズムについて2時間ほど意見交換。カリキュラムなどのほか、大学生の意識や実態といったことも教えてもらう。きょうは早足で歩くと汗ばむくらい暑くて、首都圏は十一月上旬の陽気なのだとか。でもあすからは急激に冷え込んでくるらしい。


12月6日(金曜日) 業績一覧

 あるところに提出しなければならないので、「業績一覧」なる書類を作成した。そんな「業績」なんて大層なものはないのだけど、とにかくそういう文書名なのだ。要するに自分の著書や論文や講演などについて、一覧できるようにまとめて書くのだという。僕の場合は、このほかに執筆記事なんかも加えておけばいいらしい。こういうものは自己宣伝であり、はったりでもあるので、できるだけたくさん書いて自慢しておけばいいのだそうだ。とりあえずここ数年間に書いた署名記事を、ずらりと並べておくことにした。

 記事一覧をまとめておかなければという気持ちはあったので、いい機会ではあるのだが、これが予想以上に時間がかかった。記事や論文や講演のタイトルと、掲載紙誌、掲載日(号数)、講演日を正しく把握しなければならないからだ。きちんとスクラップしてあるつもりだったけど、結構資料が散逸してたりする。全部書き上げるのに結局6時間もかかってしまった。それにしてもたった5年ほどの間に、われながらたくさん原稿を書いてるじゃん。ちょっとだけ自己満足。必ずしも収入に比例してないのが残念だけど。


12月7日(土曜日) 変わらない仲間たち

 夕方から東京・原宿で、高校時代の友達(男女7人)と飲み会。原宿駅の改札を出て竹下通りを歩いていると、後ろから肩をこんこんと突つかれる。振り返ったら1年後輩の女の子が「先輩!」と笑いながら立っていた。「後ろ姿だけでよく分かったなあ」と驚いていると、「私もびっくり。だって全然変わってないんだもん」ときた。「そういう君も変わってないやん」。彼女は中学3年生を筆頭に3人の息子がいるのだが、とてもそんな感じには見えない。中3の息子と一緒に買い物をしていると、ラブラブの恋人同士に見られてしまうのだという。思わず納得してしまう。それくらい相変わらずかわいい感じの女の子なのだ(3人の子どものお母さんをつかまえて「女の子」も変だけど、僕たちの間ではやっぱり「女の子」というのがしっくりする)。

 会場の居酒屋に入ると、ほかの5人も高校時代のまんま。若干1名ほどやけに白髪が目立つ男がいたけど(ごめんね)。しかしこれほどまで変わらないっていうのも珍しいと思う。今春に中学時代の友達と花見をした時なんて、まるで別人になっているのが多くて驚いたもんなあ。楽しくてあっという間に4時間半が経ってしまう。それじゃあこの乗りで歌いに行こうと、みんなで近くのカラオケ屋へ。高校〜大学のころに流行った懐かしい歌謡曲や、最近のポップスを大合唱して盛り上がった。終電で午前2時過ぎ帰宅。


12月8日(日曜日) システム障害

 日ごろの睡眠不足を取り返すかのように爆睡。ようやく起き出してから、受信メールをチェックしようとパソコンを立ち上げたら、サーバーにまったく接続できない。何回やってもだめ。もちろんインターネットにもつながらない。たぶんプロバイダーのシステム障害だろう(後でやっぱり障害発生だったと判明)。メールのチェックはあきらめ、緊急避難として某大学のサーバー経由でネットに接続した。時々遊びに行く某所で、苦手な英語を使ってチャット。勉強にはなるけど母語じゃない言葉は疲れる。日ごろから使い慣れた日本語で話すのが、何といっても一番楽だよなあ。仲良しの日本人の女の子が気を使ってくれて、ちょこちょこ日本語で話してくれるからものすご〜く助かる。横浜は深夜から大雪。


12月9日(月曜日) 大雪の影響

 大雪のため、午後から頼まれていた講演が中止(延期)に。ちょうど慌ててレジュメを作っていたところに連絡が入った。こんな日は外に出かけるの嫌だなあって思っていたから、正直なところ少しうれしいけど、せっかくレジュメを書いたのにという気持ちもあったりする(おいおい、そんな直前にレジュメを書いているのがそもそも問題なんじゃないか、なんて突っ込みは却下ね=爆)。というわけで、たまっていたメールの返事を書いたり、雑用をせこせことこなしたりしているうちに時間はどんどん過ぎていくのだった。


12月10日(火曜日) 4カ月ぶりの更新

 な〜んと4カ月ぶりに「セカンドインパクト」を更新。こんなに長い期間更新を滞らせたのって、たぶん「セカンド」のサイトが始まって以来だよなあ。アップすべき記事はたくさんあるんだけど、単に管理人が怠け者なだけです。すみません(ぺこぺこ)。雑誌に発表済みのルポルタージュについては、考えるところがあってネットでの公開はしばらくお休み。そんなわけで、とりあえず「エッセイ」のページに、「司法を教える意味/民主主義の実践のために」をアップしました。「全国法教育ネットワーク」に書いた雑文で、僕の中学時代の社会科授業を振り返った思い出話です。

 ちなみに報告がすっかり遅くなってしまいましたが、「サードインパクト」の「となりのトトロのページ」の延べアクセス件数が、11月27日に50万件を突破しました。今年の4月4日に30万件を突破しているので、8カ月の間に20万件の訪問があったことになります。「トトロのページ」は1日に1000件〜1500件の訪問がある人気ページ。これからも、どうぞよろしくお願いします。

 【注】「トトロのページ・50万件」というのは2000年6月以降のアクセス件数です。1997年9月の開設から2000年6月までのアクセスデータの記録は残っていないので、50万件よりずっと多くの方の訪問があったと思われます。


12月11日(水曜日) 風邪

 風邪気味で体調がイマイチだ。急激に気温が下がった土曜日の深夜に、冷たい雨が降る中を三十分も歩いたのがまずかったんだろうと思う。きのうは喉が痛くて、きょうは鼻の調子がよくないし何となく体もだるい。だがしか〜し。前から約束していたので、午後から教職員組合で機関紙編集の助っ人。大サービスでコラムも1本書いたため、自分で書いた記事を自分で編集するという悪夢のような作業をしてしまった。年末号と新年号の2つの編集を頼まれたうえに、ちまちまと七面倒くさいレイアウトもあったりして、風邪で不調だからもうヘロヘロ。終わってから組合の先生たちと近くの寿司屋で夕食。午後11時半帰宅。疲れ果てました…(キュ〜)。


12月12日(木曜日) 開店休業

 書類の作成など、雑用をこなすのみ。風邪のため何となく無気力状態。開店休業といった感じである。あした予定している取材も休みかなあ。そんなに無理して出かけることもないか。


12月13日(金曜日) 雑用多し

 喉が痛いのと鼻がぐずぐずなのに加えて、咳も出始める。僕の場合は風邪をひくといつもそうなんだけど、症状がピークまで達しないとウイルスが許してくれないみたいなのだ。ちゃんと薬を飲んでいるのになあ…。そんなわけで、東京・霞が関に出かける予定だったが自主的に放棄。無理するほどの取材ではない。それでもやるべきことはたくさんあって、郵便局に行ったり雑用を片付けたり、さらに電話で編集者との打ち合わせや取材のアポ取りなど。なかなか何もしないでぼ〜っとするわけにはいかない。


12月14日(土曜日) 取材は来週

 都内の弁護士事務所にアポ取りの電話。「これから来れば?」と言われたが、さすがにそんな元気はないので勘弁してもらった。風邪をひいてなかったらすっ飛んで行くけど、体力的にちょっと無理だし、今は難しい話を聞いても頭に入りそうにない。取材にうかがうのは来週ということに。きょうとあしたは、とにかくゆっくり休もう。熱々のおでんを食べたらたくさん汗をかいたので、少しは楽になったかな。お見舞いメール、ありがとう。


12月15日(日曜日) 少しだけ年賀状の準備

 全国の郵便局で年賀状の受け付けが始まったそうだが、こんなに早く書き上げて投函するなんて、すごいよなと感心するばかりだ。僕なんか今週になって、ようやく年賀はがきを買ったばかりだもんなあ。たぶん今回も例年通り、年末年始にかけて四苦八苦しながら年賀状を書くことになるのはまず間違いない。だから当然のことながら、僕の年賀状が先方に届くのは1月3日以降である。しかし一年に一回の近況報告の機会なのだから、旧年中ぎりぎりいっぱいの最新情報を盛り込んだほうがいいのだ(などと言い訳してみたりする)。そんなわけできょうは年賀はがきの裏面の仮文案作成と、住所録の整理をほんの少しだけした。宛名はすべて手書きで、何か一言コメントを書くことにしているから、面倒くさくてたまらない。いっそのこと全部印刷にしてしまえば気楽なんだけど、それはそれで僕の「美学」が許さないのだった。憂鬱だあ。


12月16日(月曜日) 「密約」

 あすまでに見ておかなければならない、ドキュメンタリー番組の録画ビデオに目を通す。琉球朝日放送の制作で、今年5月に放送された「告発/外務省機密漏洩事件から30年/今語られる真実」という番組だ。沖縄返還に際して日本政府は、米国政府が琉球に補償すべき400万ドルをひそかに肩代りしていた。そんな両国政府間の「密約」をすっぱ抜いたために職場を去ることになった毎日新聞の西山太吉記者をめぐり、国家機密と報道の自由、国民の知る権利について検証しつつ、支配者が米国から日本に代わっただけで沖縄の植民地的状況は何も変わっていない、と番組は訴える。

 沖縄返還の抱える問題と歴史がよく整理されていて、それなりに面白いのだけど、報道の自由と沖縄の基地と、2つの問題の焦点がぼやけた感じがするのが残念だ。西山記者が会社を辞める経緯やその後の生活、心情などにも踏み込んで描いてほしかった。


12月17日(火曜日) 京風懐石

 風邪が治ってないのでとっとと寝ようと思っていたら、夜中に友達から電話がかかってきて、人生相談に2時間半も付き合わされてしまった。こっちが人生相談したいくらいだっつーの(爆)。

 そんなわけでやや睡眠不足だけど、午後から東京・四谷の法律事務所で、労働問題に詳しい弁護士から、労働基準法「見直し」の問題点と雇用形態の現状について話を聞く。取材が終わったその足でお茶の水へ。親しい編集者とお茶。単行本出版について貴重な助言を受ける。午後8時、上野の旅館・鴎外荘に到着。京風懐石料理を食べながら新聞労連の会議。珍しく食事付きの会議だ。次から次へとおいしい料理が出されるのはうれしいが、体調があまりよくないのでしっかり味わえない。だけどまあ、久しぶりにたっぷり栄養とビタミンを補給したような気はする。食べすぎて気持ち悪い。何のための会議だったのやら…。午前零時半すぎに帰宅。眠いっす。


12月18日(水曜日) 不調

 風邪の症状の中でも、咳が出ると本当に体力を消耗する。起きている時でも苦しいんだけど、寝ている時に咳込むと、しんどいし快眠は中断されてしまうしで踏んだり蹴ったりだ。激しく咳込むと頭も痛くなってくる。今年の風邪はかなりしつこくて手強い。とは言うものの、ちょっと調子がよくなると油断して無茶するから、なかなか完治しないのかもしれないけど…。

 取材のアポ取りや情報収集の電話を、あっちこっちにかけ続けるが、不在や出張や会議中などで空振りの連続…。何だか体調だけでなくて仕事運までも不調だなあ。締め切りまでに取材は無事に終わるのかな。少し不安になってきたぞ。


12月19日(木曜日) 拉致報道に思う

 きょうのテレビ朝日「ニュースステーション」のトップ項目は、北朝鮮による拉致被害者5人の記者会見だった。TBS「ニュース23」や、さらにNHK「ニュース10」でさえ、韓国のノ・ムヒョン(盧武鉉)氏が大統領選に競り勝ったニュースをトップで伝えたのに、テレ朝は延々と拉致被害者の話を伝え続けた。北朝鮮に対する韓国の太陽政策の継承という問題だけでなく、今後の日米韓の関係などを考えても、新しい大統領誕生のニュースが最重要項目だと思う。Nステのこのニュース感覚や拉致問題に関する最近の「こだわり」には、首をかしげてしまう。ワイドショーの一種異様な扱いと盛り上がりは、今さら言うべき言葉もないんだけど…。そう言えば「金日成バッジ」を外した5人を、ワイドショーが「バッジを外した5人は温泉で何を語ったか」などと表現していたが、「バッジを外した」なんて言うと国会議員を辞めた人みたいじゃん…。とにかく、ああいう形の拉致報道はもういいよ。うんざりだ。

 それと、北朝鮮の恐怖独裁政治や思想弾圧を長々と紹介する番組にももう飽きたよ。何でも将軍様(金正日)のお陰だとする国家体制や、将軍様に忠誠を誓うのが当たり前という日常や、常に監視と管理が行き届いているそんな社会が、北朝鮮だってことはもうみんな十分に知ってるって。でもね、よぉーく考えてみてよ。それってさあ、ほんの六十年ほど前の日本社会とそっくり同じなんだよね。疑うことを知らず、自分の頭で考えることもせず、大日本帝国の臣民であることを誇りに思い、日本人は世界で一番優秀なんだと思い込み、国家に忠誠を誓って命まで投げ出すことをいとわず、アジアの各地で無茶をしていた…あの異様な時代の日本と二重写しのような気がする。北朝鮮のことをクソミソに言って、対立感情を煽っている人たちの多くが、「日本人としての自覚」とか「国と郷土を愛する心」をやたらと強調するのは、なんだか滑稽で思わず笑ってしまう。北朝鮮と同じような、国家に忠誠を誓わせる社会体制に戻したいのかなあ。僕はどっちも嫌悪しちゃうけどなあ…。日本人の誇りとか愛国心よりも、まずは「個人の尊厳と誇り」を確立して自立することの方が先だと思うよ。


12月20日(金曜日) エピソードが集まらない

 午前中は電話。午後から東京・お茶の水へ。労働組合の幹部から最近の労働状況について話を聞く。とても親切に分かりやすく説明してくれたんだけど、2時間近く取材してこれはと思えるエピソードの収穫は短いのが一つだけ。うーん、このままじゃあ記事が書けないよ。まじで焦りつつ、街角からケータイであっちこっちに取材のアポ取り電話をかけ続ける。年末だから日程も限られてくるし、そもそも皆さん忙しいんだよなあ。それでも夕方までに、何とか来週の取材先を3件押さえた。ついでに髪の毛のカットの予約も入れて、そう言えば飲み会のお誘いもあったな。年賀状も百五十枚ほど書かなければならないし。またまたせわしない年の瀬だ。お茶の水と秋葉原で、コミックスや文庫本などを大量に購入。買ったのはいいけどいつ読むんだよ(とほほ)。

 チャットもしっかり自粛して(爆)、毎日たっぷり睡眠を取り続けていたお陰で、風邪はなんとか完治しつつある。寒いところにいるとたまに咳が出ることもあるけど。油断しないで、このまま体調をしっかり維持しつつ仕事をこなさなければ。いろいろ心配してくださった皆様、ご安心くださいませ(ぺこり)。


12月21日(土曜日) 「中国からの贈りもの」

 めっちゃ寒くて雨が降っているから外に出たくなかったけど、予約してあるから仕方がない。3カ月ぶりに髪の毛をカット。美容師さんに「髪の毛ずいぶん重かったでしょ」と言われる。そうそう。「シャンプーするのが面倒でした」と答えたら笑っていた。すっきり頭が軽くなる。紀伊国屋書店で、村山由佳のエッセイ「晴れときどき猫背」を購入。「海風通信〜カモガワ開拓日記」の続編にあたる作品だ。鴨川の自宅に迷い込んで来た子猫との生活を、豊富な写真とともに軽やかに綴っている。かわいい猫の写真を数点とまえがきをぱらぱら斜め読みしただけだけど、とっても楽しそうな内容に今からわくわくしている。ああー、読みたい本や漫画やDVDがたくさんたまっているんだよな。連休中は取材にならないから、できるだけ読んだり見たりということに時間を使おうかな。

 夜、フジテレビ系の「ドキュメンタリー/中国からの贈りもの」を見る。中国本土で放送されて大反響を呼んだ「小さな留学生」などの番組を企画・制作した張麗玲さんの、この7年間の生き方を描いた作品だ。2年半前に日本でも放送された「小さな留学生」を見た時にも書いたが、情熱と志と感性が合体して、初めて人々の心を打つ作品ができ上がるんだということを改めて強く思う。活字の人間も映像畑の人に負けていられない。いいドキュメンタリーを見せてもらった。フジテレビの懐の深さとスタッフのセンスに脱帽。


12月22日(日曜日) 返答

 う〜ん、思ったよりも読んだり見たりに時間が使えないもんだなあ(謎)。それはそうと、かなり前に書いたルポの感想をメールで送ってきてくれる人がたまにいる。ネットのサイトにアップしてある記事を読んでいただいたみたいなんだけど、書いた本人としては記憶のはるか彼方ってものもあるので、取材内容そのものについて突っ込まれてもちょっと戸惑ったりして…。もちろん取材には万全を期しているし、自信を持って記事を書いているつもりだから、質問に対してはそれなりの返答をするしかないわけで。ちなみに個別に返信できるのは、時間に余裕がある場合です。一方的なお叱りや非難や中傷には対応できません(笑)。


12月23日(月曜日) 自己管理

 自粛しているというのに、なぁーんと6時間もチャットをやってしまったよ。調子に乗って朝の8時半まで(おいおい)。まあ、連休中だからいっか(そういう問題か)。うーん、やっぱりよくないよな。これって、自己管理が全然だめな証拠じゃーん。チャットを始めてもうすぐ3カ月になる。一般論として、周期的にはそろそろ飽きてくる時期なのだそうだけど、果たしてどうなんだろうか。


12月24日(火曜日) やっと分かった

 都内の法律事務所で、労働問題に詳しい弁護士から解雇の事例や解雇ルールについて話を聞く。このところ弁護士や組合幹部の取材を続けているけど、ここにきてやっと「何が問題なのか」が少し分かってきた。もともと対等じゃない両者が対等であろうとするためには、原則こそが守られなければならないのに、主客が転倒されようとしていて、おまけに、保護されるべき弱い立場の側が立証責任まで負わされてしまう。そこがポイントなんだ。あー、いったい今まで何を聞いていたんだか。いろんな人から同じことをもう何回も聞いているのに。繰り返し教わらなければ理解できないとは、まったく頭の悪さに呆れてしまうよな…。

 ドトールでコーヒーを飲みながら、ケータイで問い合わせやアポ取り。先方からも頻繁に電話がかかってくる。周囲に気を使って小声で応答するのも大変だ。ほかの客はみんな大声で歓談しているから、気にすることないとも思うけど。

 夕方から浦和(現・さいたま市)へ。引き続き、労働問題に詳しい別の弁護士から解雇事例を聞く。なんだか記事が書けそうな展望がやっと見えてきたよ〜。とりあえずうれしい。駆け出し新聞記者時代を過ごした職場がすぐ近くにあるので、ちょこっと顔を出したら、クリスマスケーキのかけらをご馳走になった。かなり入れ替わりがあって知らない人の方が多いくらいだけど、仕事場の雰囲気は変わらずとても懐かしい。午前零時すぎ帰宅。


12月25日(水曜日) 授業計画と成績評価

 来年度から講座を受け持つことになった大学から、履修要項に載せる授業概要を書くようにと書類が送られてきた。授業計画や成績評価方法などを所定の用紙にまとめて、教務に提出しなければならないのだという。単発の講演とかは何回もやったことがあるが、授業で連続講義を受け持つのは初体験なので不安は隠せない。講義そのものはたぶん何とかなると思うけど(話をするのは相変わらず苦手だけど)、しかし一番憂鬱なのは試験をして成績をつけなければならないってことだ。どんな試験をすればいいのだろう。出席はきちんと取って成績に反映させた方がいいのかな。大学から送られてきた書類には、評価方法として「定期試験◯%、出席状況◯%」といった基準を記入しなければならない。こういうのって苦手なんだよなあ。いい加減にはできないし、厳しくしたらみんな「不可」になっちゃうだろうし。うーん、どうすればいいの…。

 きょうも都内で取材。思い込みの強い人から話を聞くのって、なんだかとっても疲れちゃうんだよなあ。今さら何をそんな初歩的なことで愚痴をこぼしてるんだって、笑われるかもしれないけど、でもぐったりするのは事実なんだから仕方ないっしょ。この仕事を続けている限り、逃れられないのは分かっているけどさあ。ふう。


12月26日(木曜日) 本の装丁の奥深さ

 都内で取材。ちょうど取材と取材の合間の時間が空いて、近くまで来たついでということもあったので、東銀座の王子ペーパーギャラリーで開催中の「書籍の為のデザイン/清水良洋・装幀展」をのぞく。装幀(そうてい=装丁)とは本の表紙などのデザインをする仕事だ。清水さんは、僕の最初の単行本「日の丸がある風景」の装丁をしてくれたデザイナーで、さらに「裁判官Who's Who」の本も担当してもらった。だけど実は、タレントの向井亜紀や司馬遼太郎の本だとか「国民の歴史」シリーズのほか、噂の「真珠夫人」やら研究社の「新英和中辞典」といった売れ筋から中堅の本まで、幅広く担当する売れっ子デザイナーだったのだ。会場には清水さんが装丁した本と一緒に、各出版社の編集者から寄せられたメッセージも展示されていて、装丁という仕事の奥の深さがよく分かる面白い展示会になっている。27日まで。

 夕方、渋谷のユーロスペースで映画「SFホイップクリーム」を観る。期待して観に行ったんだけどなあ…。不法滞在の宇宙人に拾われ育てられた主人公が、怪しげなドラッグの密売で逮捕されて、育ての親の故郷の星に強制送還されてしまう、という設定を聞いただけで面白そうだなあと大いに期待したのだけど、何とも安っぽくて陳腐で退屈な作品に仕上がっていた。安っぽくても面白ければ全然問題ないのだが、ストーリー展開がありきたりで脚本も中途半端なんだもん。何が言いたいのかまるで分からないし、そもそもつまらない。中学生の作った自主制作映画みたいだなあと感じた。一日の締めくくりがこれじゃあ、がっかりだなあ。午後11時帰宅。


12月27日(金曜日) 課題山積

 きょうも都内で取材。なるほどと納得できるような当事者の「生の声」も拾えた。これで何とか記事が書けそうだ。年内の取材はこれにて終了。てゆーか、役所も会社もきょうが仕事納めだから、話を聞こうと思ってもつかまらないので仕方ない。年が明けてすぐに詰めの取材をすれば、たぶん締め切りに間に合うだろう。そんなわけで、取材のまとめと原稿のラフスケッチは、仕事初めまでにやっておかなければならないのだった。ただの7連休にならないところがミソである(ふう)。そんでもって年賀状も書いて、そのほかに大学の授業計画と成績評価方法を考えて、書類にまとめなければならないんだよお…。う〜ん、間に合うのかなあ(とっても不安)。飲み会のお誘いなんかも入ってるしな…。午前零時すぎ帰宅。


12月28日(土曜日) 熱く語る

 新宿の中華料理屋で記者仲間と飲み会。久しぶりに社会状況やメディアの現状などについて熱く語って、大いに盛り上がった。みんな何冊も本を出しているしテレビにも出ていたりして、僕ももう少し頑張らなければなあと反省させられた(でもなあ、基本的に僕は怠け者だからなあ=自爆)。続いて入ったバーでも熱い語りは続いたのだけど、なーんとこの店にあるつまみは柿の種とポテトチップスだけ。実にシンプルで、酒飲みのために存在しているような店なのだった。僕はそんなに飲まないんだけど。午前1時すぎ帰宅。


12月29日(日曜日) 韓国家庭料理の店

 高校時代の友達のH夫妻に誘われて、その女友達2人と一緒に東京・新大久保のコリアタウンへ。韓国家庭料理の店でお食事会。ホカホカのチヂミもプルコギも、カニを辛味噌であえたもの(名前は忘れた)もサンゲタンも、どれも全部おいしくて感激する。「風邪なんか吹き飛ばしてくれるから」と言って取り分けてくれた熱々のサンゲタンは、朝鮮人参やナツメなどもたっぷり入っていて、確かに体が芯から温まって健康にもよさそうだ。マッコリ(韓国のどぶろく)はやけに飲みやすく、かなり飲んだけどほとんど酔っ払わない。お酒があまり強くない僕の体質に合ってるのかも。歌舞伎町のカラオケで、得意のチューリップや杏里を歌う。いまいちうまく歌えなかったから、60点の出来かなあ(爆)。

 わずか3分というタッチの差で山手線の接続がうまくいかず、桜木町止まりの最終電車に乗らざるを得なくなった。あー、あと少しだったのに…。仕方なくタクシーを使う。午前2時前帰宅。


12月30日(月曜日) 「おいしいコーヒーのいれ方4」

 移動に使う電車の中というのは、とっても貴重な空間だ。睡眠不足を補うための仮眠の場所でもあるし、あまり眠くない時はひたすら読書を楽しむポイントでもある。このところしばらく、少しでも仮眠しようと電車内では爆睡することが多かったが、先週あたりからはそれなりにきちんと睡眠時間を確保できているので、久しぶりにゆっくりと本を読むことができた。

 でもって読み終えたのは、村山由佳の小説「雪の降る音/おいしいコーヒーのいれ方4」。集英社文庫版が出るのをいつも楽しみにしている「おいしいコーヒー」シリーズの4巻目。愛しているからこそ対等に向き合いたいし、対等に向き合おうとするがゆえに不安と焦りが募る。そんな勝利(ショーリ)とかれんの2人の姿を、いつもながら村山節がさわやかに描いて気持ちいい。この人の書く文章っていいよなあ。読みやすくて、かといって軽薄でもないし。


12月31日(火曜日) 果てしなき年賀状

 年賀状の裏面に印刷する版下がやっと完成して、住所録の整理もほぼ終わったんだけど、これから印刷に取りかからなければならないし、宛名と一言コメントを書くというやっかいな作業も残っている。いっそのこと今年は年賀状を出すのはやめにして、全部ぶん投げてしまいたいよ。そう言えば、メール版の年賀状も出さないといけないんだなあ。でもよく考えてみたら、はがき版の年賀状よりもメール版で送る人の方に、一足早く新年のご挨拶が届いてしまうというのは不公平だよな。まあとにかく、元旦のうちに片付けてしまわないと…。根が小心者なもんで、全部ぶん投げるなんて大胆なことはやっぱりできません(爆)。


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