身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2006年7月1日〜7月31日

●危機感煽る北朝鮮ミサイル報道●マリンタワー再生アンケート●「新聞と教育」2006年夏号●小泉アジア外交のツケ●草加で飲み会●新宿で飲み会●昭和天皇のメモ●成績評価●米国産牛肉の輸入再開決定●「トトロ」放送●●●ほか


7月5日(水曜日) 危機感煽る北朝鮮ミサイル報道

 北朝鮮がミサイルを発射したという情報が、早朝の日本列島を駆け巡った。午前4時台からテレビ各局はニュース速報を流し始め、たまたま起きていてリアルタイムで見ていたのだが、「北朝鮮がミサイルを発射」「防衛庁が2発目の発射を確認」「発射ミサイルは計4発」「北海道・稚内沖に着弾」などと、次々と未確認情報が膨らんでいく。その中でも「稚内の西南西110キロ付近に着弾」などと、日本列島の至近距離にミサイルが着弾したという情報が繰り返し流されたことで、危機感と緊張感は嫌でも大いに高められていった。テレビ画面に映し出された地図には、稚内の目と鼻の先の位置に着弾地点が示され続けた。夕方までこんな調子のニュースが延々と放送されたのだが、しかし実際にミサイルが着弾したのは、日本列島からはるかに離れた日本海のロシア沿岸だった。むしろ怒るべきは、自国の沿岸にミサイルを落とされたロシア国民だろう。

 もちろん、北朝鮮の何発ものミサイル発射は常規を逸した行為としか思えないし、平和な環境を乱すものとして到底許されるものではない。けれどもそれをもって、あたかも「北朝鮮が日本近海にミサイルを何発も撃ち込んできた」かのように国民を誘導するのは、かなり深刻な問題ではないか。情報が混乱していたという事情を差し引いたとしても、不確かなニュースを流し続けたメディアと、情報源となったであろう政府の責任は大きい。未確認の情報を意図的に垂れ流して、必要以上に危機感と緊張感と敵意を煽るのは、国家による情報操作の常套手段だ。戦意高揚を図るにはうってつけの手法である。いつもは「確認が取れていないから」と繰り返して、情報を出し惜しみする政府関係者が、こういう時はなぜか無責任な情報を次々に提供してくる。そしてメディアはそれに釣られて、ホイホイと餌に食い付く。とても危険な徴候を感じる。


7月7日(金曜日) マリンタワー再生アンケート

 横浜市経済観光局からアンケートが届いた。開港100周年を記念して1961年に建てられた横浜マリンタワーを「再生事業」としてリニューアルするので、市民の意見を聞きたいのだという。横浜市に住む15歳以上の市民を各区600人ずつ、住民基本台帳から無作為に選んだと書かれていた。どうせなら宝くじが当たればいいのにと思ったけど、せっかくだから協力することにした。

 アンケートの質問は、横浜市がマリンタワーをリニューアル(再生)することを知っていたか、マリンタワーを何回訪れたことがあるか、観覧者が減ったのはなぜだと思うか、市民に親しまれるために重要だと思うことは何か、など6項目。

 市が税金を使って、そんな「再生事業」をするなんて知らなかったなあ。観覧者が減少しているのは知っていたけど、それはランドマークタワーや赤レンガ倉庫などが並ぶ「みなとみらい」地区に注目が集まっているからだろう。しかし、マリンタワーは今でも横浜港のシンボルというより横浜のシンボルなんだから、このまま放置して過去の遺物にしてしまうのはやはり惜しい。山下公園や中華街など、マリンタワーのある場所や周辺地域と一体となったイベントを企画して盛り上げていくべきだろう。マリンタワーに上ったことは2回ほどしかないが、僕は「みなとみらい」地区よりも、山下公園のあたりの方が落ち着いていて好きだけどなあ。


7月8日(土曜日) 「新聞と教育」2006年夏号

 日本で唯一の学校新聞の総合研究誌「新聞と教育」の最新号が届いた。同誌とは学生時代からの付き合いだが、いつもこの雑誌を読むたびに、忘れがちになる初心や志を思い出させて、かき立て奮い起こしてくれる。「高校新聞の記者(新聞部員)はジャーナリストなんだ、だから真実に迫る記事を自分の言葉で表現しろ」という編集長の熱気が、掲載されているどの記事からも伝わってくる。そんな雑誌だ。取材活動や学校側との関係などで悩む新聞部員からの質問に、全国のベテラン顧問教師らが答えるQ&Aコーナーは特に読みごたえがあった。今や死語になりつつある「生徒自治」や「生徒の言論の自由」を守り支えていこうという思いにあふれている回答は、読み手の心に意欲とやる気というスイッチが間違いなく入ることだろう。単行本を一冊読み終えたような充実感を感じる。


7月9日(日曜日) 小泉アジア外交のツケ

 北朝鮮のミサイル発射は、小泉アジア外交のデタラメさと貧弱さと底の浅さを見事に露呈した感がある。電話一本で各国首脳と腹を割って話せる信頼関係を築くのが、国益を守るための真の外交というものだろう。それなのに小泉首相は、アジア各国のトップとまともに会って話すことさえできない。中でも中国や韓国の首脳との関係は、ズタズタでボロボロのまさに最悪の状態だ。北朝鮮のミサイル発射について、本来ならば中国や韓国の首脳とざっくばらんに意見交換すべきところが、小泉首相は電話の一本もかけられない。意見や考え方の違いはあっても、お互いの信頼関係を維持発展させる責任が求められるのに、小泉首相はそうした努力を一切放棄してきたからだ。小泉アジア外交のツケが一気に吹き出ている。

 小泉首相の頭の中には米国(とブッシュ大統領)しかない。米国を訪問した小泉首相がブッシュ大統領らの前で、大はしゃぎでプレスリーの真似をして歌って踊る姿がテレビで何回も流された。あれを見て、なんとも言いようのない情けなさと恥ずかしさを感じた人は少なくないだろうが、小泉外交はあれがすべてなのだ。ブッシュ大統領の愛犬。ただそれだけ。なんとも空疎な首脳外交だよね。


7月12日(水曜日) 草加で飲み会

 東京・四谷の出版社で教育ルポの単行本の打ち合わせ。夕方から埼玉県草加市へ。支局時代にお世話になった市役所の課長の定年退職を祝う会。懐かしい面々と焼き鳥屋で盛り上がる。2次会は駅前の居酒屋。


7月18日(火曜日) 新宿で飲み会

 東京・新宿の台湾料理屋で、編集者やデザイナーら出版関係者と暑気払いの飲み会。最初の予定ではビアガーデンのはずだったのだが、雨のために急きょ変更となる。2次会は歌舞伎町のパブ。店内に設置されている電子ダーツで大いに盛り上がる。正確に的に当てるだけでなく、計算して得点するのがなかなか難しい。終電を逃したので、久しぶりに深夜バスで帰宅する。


7月20日(木曜日) 昭和天皇のメモ

 靖国神社のA級戦犯合祀に対して、昭和天皇が「不快感」を示すメモが見つかった、と日本経済新聞が1面トップで大きく報じた。各紙やテレビ局も一斉に追いかけて伝えた。確かにタイムリーな特ダネ(スクープ)だし貴重な発掘だと思うけど、しかし昭和天皇こそが太平洋戦争の最高責任者だからなあ。その昭和天皇がA級戦犯合祀について批判的なことを言っても、イマイチ説得力がないよなあ。対米関係を踏まえてご自分の身の安全を図るために、靖国神社の合祀に「不快感」を示したというのなら、それはそれで分からないこともないが。そういう意味では興味深いニュースではある。


7月21日(金曜日) 成績評価

 「現代社会の課題」のレポート採点と成績評価をやっと終える。だがしか〜し。まだまだ仕事は残っているのだ。大学の教員サイトから履修者名簿をダウンロードして、200人分の成績データを打ち込んでいく。もうヘロヘロだよ。締め切りを一日過ぎてしまったけど、なんとか終了。


7月27日(木曜日) 米国産牛肉の輸入再開決定

 日本政府が、米国産牛肉の輸入再開を決定。圧倒的多数の消費者も専門家も、米国産牛肉には不安や危機感を感じているのに、なぜか強引に輸入再開を決めた日本政府の姿勢は納得いかない。いったいだれのため、何のための輸入再開なんだ。そもそもどこを向いて政治をしているんだ。どんなに理不尽な要求であっても、アメリカ様の言うことには従わざるを得ないのか。きちんと説明しろよ。


7月28日(金曜日) 「トトロ」放送

 「金曜ロードショー」(日本テレビ系)で「となりのトトロ」が放送された。「トトロのページ」へのアクセスは、放送前から増えていたけれど、放送のあった日は一日に14000件。いつもの10倍だ。さすがにテレビで放送されると、そのたびにアクセス数がグンとはね上がるのは変わらないなあ。恐るべしテレビ。


7月30日(日曜日) 梅雨明け

 関東地方が梅雨明け。やっとだね。


7月31日(月曜日) とろろ

 東京・四谷の出版社で教育ルポの単行本の打ち合わせ。終了後、代々木の麦とろろ料理屋で夕食。美味しかったけど、とろろではお腹いっぱいにはならないよなあ。やっぱりメインディッシュに肉料理がなければ。


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