身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2007年12月1日〜12月31日

●少し光明が…?●実力が伴わない有名ラーメン屋●ネコと金網●3カ月間隔●窮地●無事出稿●レポート読破●修習生バッジ●公務員の職務怠慢●カーソルが突然暴走●「働きマン」最終回●図書館の落書き●自己満足?自己完結?●教員氏名収集で第2回審議会●栄養補給●年賀はがき購入●偽者が開き直った2007年●●●ほか


12月3日(月曜日) 少し光明が…?

 日中から深夜まで、とにかくひたすら延々と電話取材を続ける。尻上がりに調子が出てきた(たぶん)。なんとかなりそうな感じになってきた…かな。本来ならばもう原稿を出していなければならないのだが、取材が予想以上に難航して思ったより手間取ってしまった。今週中には出稿しなければやばい。そんなところに、「大阪高裁判決の短い原稿をあすまでに書いてほしい」との依頼が別の出版社から入ってきた。ううーん、しょうがないな…まあなんとかなるか。重要なテーマだから引き受ける。おいおい大丈夫かオレ。


12月4日(火曜日) 実力が伴わない有名ラーメン屋

 飛び込みの短い原稿は、昼過ぎになんとか無事出稿する。夕方から、横浜駅近くの県民センターへ。神奈川県個人情報保護審査会の答申と同審議会の審議についての市民集会(教職員組合主催)を取材。予想よりも参加者が多くて意外だった。

 帰り道に家電量販店で買い物をしてから、地下レストラン街にある有名なラーメン屋に立ち寄る。「ラーメンは世界に誇る日本の料理」などと大層なことを書いた文章が、店内に掲げられていた。それはその通りで同感だが、この店のラーメンは大して美味しくはなかった。というか、むしろ味がしつこくてまずい。大仰なご託を並べるのはいいけど、実力が伴っていなければ空しいだけだと思うんだけど。このラーメン屋ではたぶん二度と食べないだろう。


12月5日(水曜日) イルミネーション

 午後から授業。テーマは「テレビと映像メディア」。例年と同じように、国鉄の分割民営化の背景を描いたドキュメンタリー「国労冬物語」と、「資本の論理」が優先される原子力発電所の実態を告発した映画「チャイナ・シンドローム」のビデオを、それぞれ30分ほど学生に見せる。興味津々で見てくれた。ジェーン・フォンダが演じる女性キャスターの仕事ぶりこそが、ジャーナリズム本来のあり方だということは理解してもらえたようだ。

 情報センターで午後9時近くまで調べもの。学内には10本の大きなクリスマスツリーが登場。イルミネーションで彩られて、夜になると幻想的な光景が広がってとてもきれいだ。


12月6日(木曜日) ネコと金網

 歩いている目の前を野良ネコがさっそうと駆け抜け、金網に飛びついた。しかし金網と地面の間には隙間がないので、金網の下に潜り込んで向こう側に抜けることはできない。よじ登って乗り越えていくしかないのだ。仕方なく(?)必死に金網をよじ登ろうとするネコ。だがかなり太っていて難儀している様子が見て取れる。なんて無防備なんだ。こんなとろをよからぬ人間に襲われたらアウトだろうに。何も考えずに金網に突進した間抜けなネコである。急いでいたのでその後の展開は見ていないけど、それからどうなったんだろう。無事に目的地までたどり着けたんだろうか。


12月7日(金曜日) 3カ月間隔

 原稿執筆の合間に髪の毛をカットしに行く。3カ月ぶりだ。もっと早めにカットしようと思っていたんだけどなあ。このところずっとこんな感じで、すっかり3カ月間隔が定着してしまった。接客業である記者としては失格だろう。反省。


12月9日(日曜日) ピーンチ

 中くらいの分量の原稿を出稿。法曹三者が作った裁判員PRビデオの比較がテーマだ。でもって、もう一つの結構長めの原稿は鋭意執筆中である。やばいよ、完全に尻に火がついた状態だよ。


12月10日(月曜日) 窮地

 完全にテンパった状態である。原稿が書き上がっていないので、夕方から都内で予定されていた会議と飲み会はドタキャンした。僕の都合に合わせてくれていた部分があるので、ものすごく申し訳なく思っているけど、しかしもうそんなことも言ってられないところまで追い込まれている。ごめんなさい。僕抜きでやってください。とにかく原稿を書き上げることがすべてに最優先だ。


12月11日(火曜日) 無事出稿

 ようやく20枚の原稿を書き上げてなんとか出稿した。冤罪事件と裁判官に関する内容である。ふう、どっと疲れた。しかし苦労した甲斐あって、編集者からは「とても読みやすくて分かりやすくて面白かった」とのお褒めの言葉を頂戴できた。


12月12日(水曜日) レポート読破

 午後から授業。きょうのテーマは「週刊誌とワイドショー」。最初から「結論」を決めていて、そうした結論に合った「都合のいい材料」を集めていく週刊誌やワイドショーの手法について、具体例を示しながら批判的に解説する。こうした手法は「取材を通じて仮説を修正していく」という取材方法とは、全く似ても似つかないものだ。「ワイドショー的なメディアの振る舞い」には、学生たちも日ごろから強い嫌悪感を持っているのでかなり食い付きがいい。思い込みと偏見と悪意に満ちたメディアの何がどう問題なのか、きちんと理解してくれたのではないかと思う。

 授業を早めに切り上げて、学部一斉の授業評価アンケートを実施。先々週に出した課題レポートの提出期限。講師控室でレポートをざっと読んで成績評価する。かなり飛ばしながら一気に目を通したが、それでも4時間ほどかかった。ぐったり。


12月15日(土曜日) 修習生バッジ

 夕方から東京・麹町。裁判官のあり方を考える市民グループの十周年の総会に呼ばれて話をする。終了後、近くの居酒屋で懇親会。知り合いの弁護士に頼まれたので引き受けたんだけど、なんだかなあ(以下省略)。司法試験準備のための自主ゼミに参加していた女子学生が、見事に合格して修習生として参加していた。襟元の修習生バッジが誇らし気に輝いている。最高裁の名刺をくれた。カッコいいじゃん。


12月16日(日曜日) 公務員の職務怠慢

 佐世保のスポーツクラブで起きた散弾銃乱射事件は、銃の所持者に対する警察の杜撰でいい加減な仕事や管理体制が招いた人災だと言っていいだろう。容疑者の男が銃を所持していることに対し、近隣住民から不安や苦情が寄せられているのに、警察はまるで相手にせず放置したという。同じようなことは宇都宮でも起きている。まさに警察の怠慢であって不作為による作為ではないか。長崎県警や栃木県警だけの問題ではない。全国の警察の責任こそが厳しく問われるべきだ。デタラメ年金記録の社会保険庁も、薬害C型肝炎で何もしてこなかった厚生労働省も、やるべき職責を何一つまともに遂行せずに堂々と国民の税金から給料をかすめ取っている。まともな法治国家でこんなことがまかり通っていいはずがない。

 これまで公務員の職務怠慢は、担当者個人の責任を何ら問われることもなく、組織の中でうやむやにされてきた。だが、担当責任者個人の名前を明らかにして、懲戒免職処分を含めてきっちりと責任を取らせるようにしなければ、たぶん根本的な改革は無理だろう。個人の責任が厳しく問われることがなければ、公務員が自身の職務怠慢を反省することはまず到底ありえない。なぜなら多くの公務員は、「そもそも公僕とは何なのか」「だれのお金でだれのために働いているのか」という根源的なことを、まるで理解していない(理解しようとしていない)うえに、やるべき仕事をしなくても個人が責任を負うことはないと信じているからだ。公務員という自分の立場を、とにかく個人として自覚してもらわなければ、職務怠慢による国民の生命・財産の侵害は決してなくならないだろう。

【おことわり】このところ多忙だったため、しばらく更新が滞っていました。半月ほどの間の「身辺雑記」をまとめて更新しました。


12月17日(月曜日) カーソルが突然暴走

 パソコンで文書を作っていたら、あと少しで完成という段階で突然カーソルが暴走を始めた。あれよあれよという間にカーソルが勝手に後退していって、それまでに入力したデータを次々に消去していくのだ。あわててマウスを動かしてもカーソルの暴走は止まらない。とうとう開いていた文書のページは真っ白になってしまった。えええーーーっ。2時間以上もかけて作った文書だったのに。唖然呆然。大ショック。マジっすか。

 知らないうちにどこか余計なキーを叩いてしまったのかもしれないけど、原因は全く分からない。すぐにリターンキーを押し続ければ、カーソルの勝手な後退を止めることができたかもしれないし、それでもやっぱり暴走は止まらなかったかもしれない。いずれにしてもまるで理解不能。なんじゃそりゃあって感じだ。頭の中も真っ白。こういう時に限って文書保存を全くやってないんだよなあ。泣きそうになりながら、最初から文書を作り直しましたとさ。データとともに消えた僕の2時間を返してくれ。


12月19日(水曜日) 「働きマン」最終回

 午後から授業。きょうのテーマは「言論・報道の自由とは」。メディアへのさまざまな圧力や法規制や物理的暴力がまかり通っている現実と、「言論・報道の自由」を守るためにはメディアの側も毅然とした姿勢を示す必要があることを説明する。あとは、前回提出してもらった課題レポートの講評など。みんなよく書けていた。いい勉強になったようだ。きょうは珍しく早い時間に学校から退散できた。しかしめっちゃ寒いな。曇り空が広がっているため最高気温もほとんど上がらず、1月並みだとか。ドラマ「働きマン」(日本テレビ系)の最終回を見る。熱血の女性雑誌編集者の猛烈な仕事ぶりを描くコメディータッチのドラマだ。マンガやアニメと違って、テレビドラマの「働きマン」はどの回もかなり面白かった。登場人物に共感するところも多い。役者がいずれも魅力的で、脚本・演出がうまかったのが勝因だと思う。


12月21日(金曜日) 図書館の落書き

 横浜市内。図書館で調べもの。図書館の本や雑誌や新聞に赤線を引くなどの書き込みをしたり、ページを切り取ったりする利用者が増えているそうだ。しばらく前から注意を促す張り紙が掲示されている。昔からある行為だけど、このところ急増しているらしい。確かにそういう本や雑誌をしばしば見かけるようになった。自分以外の人も利用することなど眼中になく、恥も外聞も社会性もない非常識な人間が増えているということなんだろうか。公共図書館は、市民の「知る権利」を保障し民主主義を支えるために存在する。図書館の図書や資料を故意に破損することは、民主主義に対する重大な挑戦である。


12月22日(土曜日) 自己満足?自己完結?

 午後から東京・王子。改悪教育基本法と「日の丸・君が代」強制に抗議する市民グループの全国集会を取材。定員1300人のホールに約800人が集まった。さまざまな団体が次々に登壇して、それぞれの闘いや運動の状況などを演説していくパターンはいつもの通りで、参加者の顔ぶれもさほど変わりばえしないが、各地で活動している人たちが団結や連帯を確認するいわゆる「決起集会」だから、これはこれとして意味がある。けれども、こういう集会で仲間に向かって同じような主張を繰り返し、自分たちの正しさを確認し合うだけでは、一般市民(大半は無関心層)には何も伝わらない。そして仮に一般市民がこういう集会に顔を出したとしても、一方的な主張が延々と続くだけでは、たぶん最後まで耳を傾ける気にはならないだろうし、むしろ「ドン引き」されてしまうのがオチだ。

 自分たちの主張が正しいと思っているのなら、どうしてそれを広く世間に伝えるための工夫や努力をしようとしないのか、どうしていつも仲間うちで自分たちの正しさを確認し合うだけなのか。圧倒的多数のごく普通の市民に関心を持ってもらうために、工夫して伝えようという発想が全くないことが理解できない。「自分たちは少数派ではなく、世論は自分たちの味方だ」と信じる根拠はいったいどこにあるのか、そのあたりのところも理解できない。自己満足して自己完結するための「運動」ではなかろうにといつも思う。


12月25日(火曜日) 教員氏名収集で第2回審議会

 夕方から横浜・関内。神奈川県個人情報保護審議会を傍聴取材する。審議会終了後、教職員有志らの報告集会。その後、県立高校の先生たちと焼き鳥屋へ前回の11月8日と同じパターンである)。「これはもう事実上の祝勝会だ」などと気勢が上がった。確かに審議会の空気も、そんな感じだったと言っていいかもしれない。

◇◇

◇国歌不起立の教職員/氏名収集で神奈川審議会/委員の大半「必要ない」/写真よこ

 卒業式や入学式の国歌斉唱時に起立しなかった教職員の氏名などを、神奈川県教育委員会が校長に報告させていた問題(10月29日付「身辺雑記」参照)で、同様情報を今後も継続して収集することの是非を検討する県個人情報保護審議会(会長=兼子仁・都立大学名誉教授、十五人)の二回目の審議が十二月二十五日、横浜市内で開かれた。

 審議には委員全員が出席。県教委が主張する不起立の教職員への「粘り強い指導」の中身や処分の可能性など、県教委の姿勢を問いただす発言が相次いだ。「氏名まで収集する必要はない」との意見が委員の大半を占めたが、結論は次回の一月十七日に持ち越された。

 審議会では、「国歌斉唱時の起立は教職員の職務。不起立の教職員の氏名は思想信条情報ではない。ただちに処分というのではなく、粘り強く指導する」と県教委がこれまでの主張を繰り返した。これに対し委員からは、「思想信条を理由に教職員を処分することがあり得るのか」「けがなどで起立しない人の情報はどう扱われているのか、『外形的行為』だけではないのではないか」「思想信条に従ってできないことを強制するのは憲法違反ではないか」などと、県教委の主張を疑問視する意見が続出した。

 一方、PTA連合会の委員は「教師自身の立場がどうであろうと、子どもたちの前では日本人の誇りやマナーを身をもって示し、中立の立場で教えてほしい」と発言。これに対して、大学教授の委員は「あなたの考えはともかくこう教えろ、と強要されるのは教師として辛い。戦前はそういう考え方があったが、それでは教育の活性化や発展はない」と反論した。

 しかしこの日の審議で、氏名の収集を肯定する発言はなく、大半の委員は「氏名まで集める必要はない」とする意見を表明した。

 県個人情報保護審査会は十月、「氏名情報は条例が取り扱いを禁止する個人の思想信条に該当する」と答申。これを受けて県教委は、条例の「例外規定」適用を求めて審議会に諮問した。

【写真説明】「氏名収集の必要はない」とする意見が大半を占めた神奈川県個人情報保護審議会=2007年12月25日午後6時40分ごろ、横浜市中区のかながわ労働プラザで


12月26日(水曜日) 栄養補給

 夕方から横浜市内。教職員組合の教育研究所の忘年会に誘われて参加する。北欧料理を中心としたレストランなのに、なぜか中華も出てくる変わった店だが、味はどの料理もとても美味しい。2次会は組合執行部御用達の居酒屋へ。この店のおでんとモツ煮込みは絶品だ。出汁のたっぷりしみ込んだダイコンを頬張り、クリーミーでとろけるモツを口に入れると、思わず白いご飯が欲しくなってしまう。久しぶりにちゃんと栄養補給できたかも(おいおい)。


12月27日(木曜日) 学習会

 夕方から横浜市内。「日の丸・君が代」強制に異議申し立てをしている県立高校の教職員らの緊急学習集会に顔を出す。神奈川県個人情報保護審議会の審議内容や、横浜地裁で審理中の裁判について検討・分析する集まりだ。義務制(小中学校)の現場の声なども含めて、いろいろな意見が聴けて勉強になった。


12月28日(金曜日) 年賀はがき購入

 やっと郵便局で来年の年賀はがきを購入した。150枚。ちょっと待て、今ごろ買ってるのかよ(と自分から突っ込む)。今回はかなり切羽詰まってるなあ。どう考えても年内に投函なんかできるわけがない。というか、年内に書き終わること自体あり得ないだろう。そもそも、はがき裏面の版下もこれからようやく作ろうというのだから。まあ、そんな状況だ。全くとんでもない話である。


12月30日(日曜日) 手付かず

 短い原稿を書いて送信。既に送った原稿に挿入する追加原稿を執筆。実はこのほかにも、年内に書き上げておくべき原稿やレジュメがあるんだけど、実際の締め切りは年初なので、結局は新年になってから書くことになりそうだ。やっぱり今はまず年賀状を作ることを、とりあえず優先すべきだろう。なんだかやることがいっぱいあるというのに、いくつも手付かずになっている。焦るなあ。


12月31日(月曜日) 偽者が開き直った2007年

 既に旧聞に属するネタだが、今年を象徴する「言葉」についてコメントしながら2007年を締めくくる。

 日本漢字能力検定協会が全国から公募した「2007年の世相を象徴する漢字」は「偽」だった。一方、「現代用語の基礎知識」が選ぶ「ユーキャン新語・流行語大賞」の今年の大賞は、東国原英夫・宮崎県知事の「(宮崎を)どげんかせんといかん」と、高校生アマチュアゴルファー・石川遼選手の「ハニカミ王子」だったが、この「新語・流行語大賞」は全くピント外れもいいところだ。あまりにもひど過ぎる選定としか言いようがない。「今年の漢字」の「偽」がそのものズバリで見事に今年の日本社会を表していて、まずだれからも文句は出ない出来だけに、「新語・流行語大賞」の絶望的なセンスのなさと切り口のお粗末さには呆れてしまう。

 「新語・流行語大賞」のトップテンには、お笑いタレント・小島よしおの「そんなの関係ねぇ」が選ばれているが、どう考えても大賞はこれだろう。ウソとデタラメで塗り固められた食品会社や高級料理屋、製薬会社、役所、防衛官僚、警察官、政治家が跋扈する今年の世相を、バッサリ切り取って見せた「偽」の一文字ともしっかりつながる言葉だ。「でも、そんなの関係ねぇ!」と開き直る姿をクローズアップさせることで、日本社会の何とも情けなく救い難い現状が浮かび上がってくるではないか。無責任で無節操で無反省で厚顔無恥な体質を、実に的確に皮肉っているとも受け取れる。松岡元農水相も安倍前首相も、社会保険庁や厚生労働省の役人たちも、何をいくら批判されようと「そんなの関係ねぇ」という態度そのものだったことを思い出す。「偽」と「そんなの関係ねぇ」の2つの言葉に象徴される2007年だったが、2008年はもう少し前向きな言葉で語れるといいね。


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