身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2010年12月1日〜12月31日

●ビデオテープ劣化●ひたすら電話取材●気合いだ!気合いだ!●以心伝心●犬の生活●校長の強引な学校運営●ひたすら執筆●レポート採点●陰毛も白くなるんだって●「イカ娘」最終回●記者の存在意義とは●タッチパネル●「セカンド」更新●来年度のシラバス仮登録●記者の原点●軽く忘年会●今年最後の忘年会●習うより慣れろ?●●●ほか


12月1日(水曜日) ビデオテープ劣化

 午前中は電話取材など。なかなかつかまらなかった相手とコンタクトが取れて、ようやく話を聞くことができた。午後から授業。今回は「テレビと映像メディア」がテーマなので、ビデオを見せるために慌ただしくセッティング準備。先週のテーマの「ネット社会の光と影」と同じように、学生の反応はまずまずだった。伝えたかったこともそれなりに伝わったみたいなので、ほっとひと安心だ。

 今回のこのテーマの授業では毎年、2本のビデオを教室で部分上映している。上映するのはいつも同じ作品なのだが、テープが劣化し始めているのか、今年はそのうちの1本にかなり気になるノイズが入っていた。来年はDVD上映に変更した方がいいかなあ。


12月3日(金曜日) ひたすら電話取材

 集中して電話取材。じゅうたん爆撃を敢行中。とにかくめぼしいところに電話をかけまくって、ひたすら情報収集を続ける。必死なのである(汗)。


12月6日(月曜日) 気合いだ!気合いだ!

 相変わらず電話をかけまくっている。気合いを入れてじゅうたん爆撃を続けていると、問題の核心に迫るような貴重な話がぼろぼろと引っ掛かり始めてきた。やはり取材する側の気迫が大事なんだ。などと自画自賛しながら叱咤激励してみたりして。


12月7日(火曜日) 以心伝心

 引き続き電話取材攻勢。かなり追い込まれていたところ、なかなかコンタクトが取れなかった超多忙な有名弁護士が、ここにきてようやくつかまった。「ご無沙汰しています」といった挨拶もそこそこに取材の趣旨と目的を伝えると、そこはさすがに切れ者と言われるだけあるんだなあ。打てば響く感じでこちらの意図を即座に理解して、聞きたいことに的確かつ簡潔に答えてくれる。まさに以心伝心である。これでなんとか記事になりそうだ。感謝です。


12月8日(水曜日) 犬の生活

 午後から授業。「週刊誌とワイドショー」をテーマに、「初めに結論ありき」の取材手法の問題点を具体的に解説して徹底的に批判する。学生たちもかなり関心を持ったようで、この日の講義で伝えたかったことをしっかり理解してくれたようだった。このところ出席カードに記入する感想や意見や質問が、どれもかなり読みごたえがある内容になっている。喜ばしい限りだ。今回も自分の考えを的確にまとめて、ぎっしりと書いてくる学生が多かった。今週は「学生による授業評価アンケート」を実施する週なので、少し早めに授業を切り上げて、学生にアンケート用紙の配布と回収を依頼。本日が提出期限のレポートは、教務に頼んで自宅に郵送してもらう。こちらも出席カードと同じく読むのが楽しみだ。

 講師控室で出席カードのチェックなどの雑務を片付けてから、大急ぎで横浜駅前の居酒屋へ。元の職場、共同通信、毎日新聞をそれぞれ定年退職した大先輩記者3人と忘年会。僕よりもはるかに年上の皆さんだ。「文章を書く」講座を担当する仲間ということで声をかけていただいた。カキ鍋を囲んで大いに盛り上がる。そのうちの一つがペットのこと。先輩方3人のうち2人が犬を飼っていて、生活のすべてがとにかく犬を中心に回っているという。お金はかかるし世話をするために行動の自由も大幅に制約されたりするが、しかしそれ以上に得るものが大きいのだそうだ。なるほどそれはすごく分かる気がする。いてくれるだけで癒されるよね。僕も犬とか猫を飼いたいとは思うんだけど、自分自身の世話をするのが精いっぱいで、残念ながらペットの世話をする余裕がないなあ(汗)。


12月9日〜10日(木〜金曜日) データ整理

 取材データのまとめと整理。


12月11日(土曜日) 校長の強引な学校運営

 午後から横浜市内。県立高校の先生たちの研究グループ「教育法研究会」の定例会に顔を出す。「教師の教育活動と校長の権限」をテーマに、校長のパワハラ発言と強引な学校運営方法をめぐって教育現場が混乱している問題が、現役の教員たちから生々しく報告された。校長にも言い分はあるのかもしれないが、生徒に向き合って日々の教育活動を積み重ねている教員たちの信頼と理解が得られなければ、円滑な学校運営などできるわけがない。まともな校長ならそんなことくらい分かるはずだろうに。冷静な判断ができない管理職は、管理職として不適格としか言いようがない。


12月12日(日曜日) 引き続きデータ整理

 参加するはずだったジャーナリストグループの定例の集まりは、原稿が書き終わっていないのでやむなく欠席。取材データのまとめと整理に専念する。いよいよ尻に火がついてきた。


12月13日〜14日(月〜火曜日) 執筆

 原稿執筆。


12月15日(水曜日) ひたすら執筆

 午後から授業。報道と政治との「距離感」がテーマ。政治家からの圧力に簡単に屈してしまうNHKの体質や、プレイヤーとして振る舞う読売のナベツネ氏の言動などを、具体例として示しながら解説する。できるだけ分かりやすく説明したつもりなんだけどなあ。あまり反応がよくない。帰宅後、とにかくひたすら原稿執筆。


12月16日(木曜日) 脱稿

 ようやく原稿を書き終えた。雑誌「冤罪ファイル」に連載している「裁判官の品格シリーズ」の10回目。今回も難産だった。大急ぎで編集部に送信する。


12月18日〜19日(土〜日曜日) レポート採点

 学生から提出された課題レポートを読んで採点。とにかくひたすら読んで採点の繰り返しなのだ。これがなかなか大変なんだけど、しかしどれも結構しっかり書けていて、課題の意味を十分に理解できているものが多くて読みごたえがある。中には見当外れの困ったレポートもわずかながらあったが、大半は及第点で、講義で話した内容がきちんと反映されていた。よしよし。というわけで、なんとか年内に全部の採点を終えたぞっ。


12月20日(月曜日) 陰毛も白くなるんだって

 夕方から東京・新宿。大学時代の友達6人が集まって、学生時代から行き付けの居酒屋で忘年会。福岡勤務から東京本社に戻ったT君と飲むのは4年ぶりだ。それにしてもみんな変わらないなあと、学生のころの気分に戻って盛り上がる。しかし確実に年齢は重ねていくわけで、2人が白髪を隠すために髪の毛を染めているという。染めるのも結構大変なんだそうだ。ちなみに下の毛も3分の1ほど白いという。えええーっ、マジっすか。陰毛って白くなるんだ。僕も髪の毛にちらほら白いのが混じってきているし、何といっても白い鼻毛を見つけた時の衝撃は大きかったけど、股間が白くなるなんて想像したこともない。そうなのかあ、知らなかったよ(汗)。

 「イカ娘」最終回 テレビ東京系のアニメ「侵略!イカ娘」が今夜の放送で最終回を迎えた。こんなに楽しくて笑えてほのぼのと癒されるアニメはここ最近なかった。「あー終わっちゃったよ…」「マジでこれで終わりなの?」「もっと続けてほしいのに…」そんな寂しい喪失感でいっぱいだ。忘年会でちらっと話題を振ったところ、H君の家では妻と娘さんが大好きで、深夜放送なので録画して見ているのだとか。主人公のイカちゃんの間抜けだけど愛らしい言動が、なんともいえず微笑ましい良作である。ぜひ2期が放送されることを期待したい。


12月21日(火曜日) 記者の存在意義とは

 夕方から都内。早稲田大学で開かれた報道実務家フォーラムに参加。大阪地検特捜部の検事が証拠を都合のいいように改ざんしていた事件で、改ざんの事実をスクープした朝日新聞大阪本社の板橋洋佳記者の講演を聴く。証言を裏付けるためにフロッピーディスクを解析するといった取材の過程や裏話だけでなく、「今書くべきことは今書く」「記者の存在意義とは何か」「取材相手を質問で責め立てるよりも一緒に考えて問題点を探っていく」など、記者としての姿勢にかかわる本質的な部分をていねいに語ってくれた。刺激的で共感できるとてもいい話だった。早稲田以外の学生も多数参加し、しかも来春から新聞記者やテレビ記者になるという学生が、次々に手を挙げて質問するのに感動。素晴らしい記者研修の場にもなったのではないだろうか。僕自身もとても勉強になった。

 講演が終わってから質問と挨拶をしに行ったら、こちらが名刺を差し出す前に板橋記者から「池添さん」と声をかけてくれた。板橋記者は大学生だった時に僕と会っているというのだ。そう言われたら確かにそうだったなあと思い出した(1999年1月11日付「身辺雑記」参照)。僕のホームページや僕が雑誌に書いた記事も読んでくれているという。これは不覚。いやあ恥ずかしながら気が付きませんでした。うっかりにもほどがありますよね。本当にごめんなさい。でも思わぬ再会にうれしくなる。

 引き続き別棟の研究室で開かれた懇親会にも参加。板橋記者やほかの記者、大学生らとビールを飲みながら歓談。来年から同じ記者仲間になる学生たちの意欲的な話も聞けて、これまたいい刺激を受けることができた。これからもよろしくお願いします。充実した取材活動を続けるようにともに頑張りましょう。


12月22日(水曜日) タッチパネル

 午後から授業。「言論・報道の自由」がテーマ。物理的な暴力や脅迫や弾圧だけでなく、目に見えないようなさまざまな形で圧力・介入があること、個人情報保護を理由に、過剰反応のような情報隠しが行政や警察で増えていること、などを具体例を示しながら説明する。ただし、メディアの側が言論・報道の自由を主張するのであれば、そのためには市民の信頼と理解と支援が不可欠だ。そこのところを強調して講義を締めくくった。前回と今回はかなり窮屈な話であるとは思うけど、今回はまあそこそこの反応だったかな。年内の授業はこれで終わり。新年は5日からスタートだ。きょうは冬至だというのにかなり暖かい。横浜の最高気温は20度近いとか。個人的にはこれくらいが過ごしやすくてちょうどいい。

 夕方から横浜駅前の居酒屋へ。同じ大学で政治学を担当している先生と忘年会。予約なしで飛び込んだら、どこも人でいっぱい。さすが忘年会シーズン真っ盛りだけのことはある。何軒か歩いてようやく某チェーン店に潜り込むことができた。注文はすべて備え付けのタッチパネルを使って行う方式の店で、店員は酒と料理を運んでくるだけ。徹底した合理化によって価格の安さを実現しているのだろう。味はそこそこ。年末のこんな日に飛び込みで入店できただけでもありがたいわけで、贅沢は言えないよなあ。


12月25日(土曜日) 「セカンド」更新

 「セカンドインパクト」を半年ぶりに更新。「ルポルタージュ」のページに新しい記事1本を掲載しました。「『道徳』を持て余す学校現場/茨城・埼玉・神奈川の現状から」(=全文掲載しています)で、「高校の道徳教育義務化」をめぐって、教育現場の現状や今後の課題などを報告した長編ルポです。財団法人・神奈川県高等学校教育会館の教育研究所から依頼され、同研究所の機関誌「ねざす」(2010年10月号)の巻頭特集「道徳教育・シチズンシップ教育」のために執筆したものです。


12月27日(月曜日) 来年度のシラバス仮登録

 来年度の講義のシラバスをウェブ上で仮登録する。今年初めて担当した「文章を書く」の講座は試行錯誤しながらの講義で、やってみて反省点や改善すべき点がたくさんあった。そこで、来年度は説明内容を整理しテーマの順序を入れ替えるなど、全体構成を大幅に再編することにした。もちろん基本的な講義趣旨や目標は変わらないけど、シラバスについてはそんなわけで多少(かなり)リニューアルしてみた。たぶんこれで授業の流れはもっとスムーズになるんじゃないかなあ、と少しばかり自負しつつ期待もしている。

 「現代ジャーナリズム」の講座は、今年とほぼ同じ構成で進める予定だが、来年度は1コマの授業時間が1回分増える(期末試験を除いて全14回から全15回に)ということなので、とりあえず最終回に「まとめ」的な項目を入れることにした。毎回あれこれ詰め込み過ぎるようなところがあるから、ゆとりを持たせるために活用するのもいいかもしれない。授業を進める中で臨機応変に調整しようかなあと考えている。「平和研究」は2回分のゲスト講義なのでこれまでと変わらず。とまあ、来年度はそんな感じだ。


12月28日(火曜日) 記者の原点

 元同僚記者の親友と久しぶりに会って話す。横浜・上大岡駅前のファミレスで3時間ほど。お互いの近況報告のほか、いつものように記者の「あるべき論」で盛り上がった。コラムや解説記事のようなものでも、自分の足を使って取材して見て聞いた話を書くのが記者で、新聞や雑誌やネットの記事を適当に見つくろってまとめるなんて記者じゃない。そう熱弁を振るうK記者に耳を傾けながら、全くもって当たり前のことなんだけど、それこそ記者の原点だよなあと改めて思った。ちょこちょこっと資料を集めて電話をかけて、小手先で原稿に仕立て上げる「作業」に満足し、何の違和感も持たない「記者」が残念ながら少なくないからだ。

 僕はこういう話をするのが大好きだ。青臭い議論をしたり記者の原点について語ったりするのをとても大切にしている。原点の部分を折に触れて刺激しておかないと、知らず知らずのうちに記者としての感性が磨耗してしまう気がする。絶対に揺らぐことのない強固な意思のある人は別にして、放っておくとずるずると楽な方向に流されそうな不安を抱える怠け者の僕としては、だから自分自身への叱咤激励を意識して刺激を求めるのである。


12月29日(水曜日) 軽く忘年会

 午後から東京・新宿。ジャーナリスト仲間が集まる会で、来年1月にシンポジウム(ティーチイン)を開くので、その打ち合わせ。終わってから駅前の居酒屋で軽く忘年会。今年も残すところあと3日だというのに、どこの店も予約が入っていていっぱいで、飛び込みだとすんなり入店できない。なぜこんな日にと不思議に感じながらうろうろするが、メインストリートから脇にそれると比較的空いていた。ひなびた感じの渋めの居酒屋で乾杯する。


12月30日(木曜日) 今年最後の忘年会

 夕方から東京・吉祥寺。弁護士や大学教授、新聞記者などいつもの仲間で恒例の忘年会。今年はこれで最後の忘年会だ(たぶん)。無農薬の野菜を使ったお惣菜などを出す和食のお店。湯葉でアボガドなどをまいた春巻きと、梅酒の粗ごしソーダ割りがとても美味しかった。料理がやや上品すぎないかという感想もあったが、かなり割安な値段を考えるとよい店だと思う。2次会は以前にも入ったことのあるレトロな喫茶店へ。ダージリンティーとデザートにモンブランのケーキを注文する。クリームがたっぷりでしかも甘過ぎなくてちょうどいい。ダージリンもまずまずの味だ。しかしG先生が頼んだカフェオレが運ばれてきた瞬間、ああそっちにすればよかったなあと後悔した。ミルクとコーヒーの入った大きなポット2つ。見るからに贅沢さに満ちあふれていたのだった。次の機会があったら必ずカフェオレを注文しよう(覚えていればの話だけど)。きのうから急に冷え込んできた。今夜もめちゃめちゃ寒い。


12月31日(金曜日) 習うより慣れろ?

 親しくしていただいている弁護士のY氏が「ツイッターは面白いよ」と力説するのに少し煽られた(感化された)感じで、使い方をあれこれ学習している。今年の4月に登録してアカウントは取得したものの、ずっとほったらかしだった。いくつかほかのユーザーをフォロー(登録)して、2回ほどツイートしてみた(発言を書き込んでみた)が、いまいち使い方がよく把握できていないなあ。僕が馬鹿だから理解力が足りないのか、公式サイトの説明が分かりにくいのか。たぶんその両方が原因なんだろう。

 はっきり言って、ツイッターの使い方を説明している公式サイトはとても不親切な構成になっている。やたらと回りくどくて、大切なことから順序立てて過不足なく簡潔に説明するという姿勢が、著しく欠けているとしか思えない。そもそも文章が持って回った言い方を必要以上に繰り返して、しかも独特な言い回しやカタカナ用語をさも当然とばかりに使いながら説明するので、システムの概念自体が理解できていない初心者には、余計に分かりにくくなっているのだ。話がジグザグと蛇行しながら進み、ストレートにすとんと落ちてこないのは理解しにくさの最たるものだろう。

 「とにかく実際に使ってみて慣れろ」ということなのかもしれないが、もう少しなんとかしてほしいなあ。まあ何はともあれ試行錯誤しながら、使いこなせるように奮闘中といったところだ。まだほとんど発言していないけど、よろしかったらのぞいてみて下さい。

【IKEZOE_Noriaki(ookaminami)on Twitter】

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