身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2010年8月1日〜8月31日

●夏季教育講座●微妙な授業評価とコメント●芳しくない取材●原稿執筆●校了とか授業評価へのコメントとか●デスク業務について議論●憂鬱な会合と愉快な飲み会●まだまだ残暑●小沢氏が代表選出馬を表明●効率的じゃない●不況の影響か●暑い●●●ほか


8月2日(月曜日) 夏季教育講座

 朝から横浜市内。神奈川県立高校の教員を対象にした夏季教育講座に参加させてもらう。道徳教育の課題について、立教大学の元教授が講演。歴史的な背景や現代の社会状況などをもとに、何が問題とされるべきで、教員はどのようなことに気を付けて、どんな視点で教えるべきなのかが的確に問題提起される。分かりやすく整理された内容でとても参考になった。教える側の力量次第でどうにでも扱えるわけで、結局のところ、教員の姿勢や問題意識が問われるんだなあと改めて感じた。もっともこれは、道徳教育に限らずほかのどの教科でもみんな同じだろう。元高校教員の編集者に昼食をご馳走になって、午後から中央図書館で調べもの。きょうも猛暑。じりじりと照りつける日射しが、肌に突き刺さるようでたまらない。


8月3日(火曜日) 微妙な授業評価とコメント

 前期に行われた「学生による授業評価アンケート」の集計結果が郵送されてきた。同じ教材を用意して同じような内容の授業をやっているのに、3時限目と4時限目の学生の反応がかなり違うという話を、ちょうど1カ月前のこの「身辺雑記」(7月3日付)にも書いたが、案の定というか、そうした「クラス格差」が授業評価に表れていた。全体の数値としてはどちらのクラスでも、学部や学科の平均値以上の評価を受けていたが、学生の反応がやや鈍い4時限目の方が、3時限目のクラスに比べて微妙に評価が低かったのだ。予想はしていたけど、なんだかなあという感じだ。しかも自由記述のコメントの中に1人だけだが、「話し方がだらだらで聞く意欲が生まれない」というコメントがあった。さすがにこれには、愕然というよりもがっかりさせられた。これまで、授業でも講演でもそんなことを言われたのは初めてだなあ。自分で書くのもどうかと思うけど、「話が分かりやすい」とは言われても「だらだら」なんて言われたことはただの一度もない。

 ほかの自由記述のコメントにはプラス評価がずらっと並んでいただけに、「おいおいまじかよ」である。むしろこっちの意欲が萎えてくるよ。まあ、ほかの先生の話なんかを聞くと、「学生による授業評価アンケート」には、全く理不尽としか言いようのない誹謗中傷みたいなひどいコメントが、当たり前のように書かれるというから、それに比べたら今回のこんなコメントなんてかわいいものなんだろうな。というか、僕がこれまでそんなマイナスのコメントを書かれなかったこと自体が、かなり恵まれていたと言えるのかもしれない。それにしても、納得いかないし複雑な気分になる。


8月5日(木曜日) 芳しくない取材

 取材のために20本近く電話をかけまくる。半分以上が空振りである。うーん、あんまり反応もよくないなあ。テーマ設定がうまくないのかなあ。それともたまたまなのか、あるいは夏休み(お盆休み)の直前という時期も関係しているのだろうか。締め切りが近付いているだけに、ちょっと(かなり)焦る。


8月9日(月曜日) 乏しい釣果

 きょうも朝から取材の電話をかけ続ける。相変わらず成果はイマイチではあるが、それでも夕方までかかって、なんとか格好だけはつきそうになってきた。いや、乏しい釣果しか得られなければ、限られた材料の中でどうにかしなければならないのだ(汗)。


8月12日〜15日(木曜〜日曜日) 原稿執筆

 原稿執筆。ようやく書き上げて日曜の朝、編集部に送信する。締め切りはとっくの昔に過ぎていて、本当にギリギリに突っ込んだというのがぴったりの事態だ。取材途中で方向転換せざるを得なかったというやむを得ない事情があったにしても、ここまで引っ張ってしまったのはちょっと記憶にない。まったくもってひどい話である(平身低頭)。しかし休む間もなく、すぐに別の取材に取りかからなければならないのだった。締め切りまでそんなに余裕がない。


8月17日(火曜日) 校了とか授業評価へのコメントとか

 組み上がってきたゲラをチェック。初校と再校を大急ぎで確認して修正指定をやり取り。ほんの数時間で校了する。印刷直前の土壇場なので、まさに綱渡りの作業である。やれやれだ。

 今月初めに送られてきた「学生による授業評価アンケート」の集計結果に対し、担当教員の側からのコメントを書く。あすが提出期限なのだが、原稿だけでなくこっちも締め切りギリギリになってしまった。取材や原稿執筆で忙しかったこともあったが、どうコメントすればいいか躊躇していたのも、すぐに書かなかった理由の一つだ。クラス格差や一部の学生の納得いかない評価については、教員コメントではもちろん全く触れず、問題意識を持って積極的に課題や授業に取り組んだ学生(こっちがほとんど)に、役立つような前向きなメッセージを書いた。大人の対応だなあ(笑)。

【おことわり】めちゃめちゃ多忙だったのがとりあえず一段落ついたので、7月30日付から8月17日付までの「身辺雑記」をまとめて更新しました。


8月20日(金曜日) デスク業務について議論

 夕方から東京・原宿。取材報道の実務者グループの定例会に顔を出す。きょうのテーマはデスクワークについて。新聞社の地方支局デスクが、日々のデスク業務の実態や問題点などについて報告し、出席者で意見交換した。新人記者教育の場になっている地方支局ならではの事情もあるだろうが、地方危局に限らず、そもそもデスクは記者の原稿にどこまで手を入れるべきか、なるべく手を入れずに個性を尊重した方がいいのかは、かなり悩むところだろう。分かりにくくて使えないとんでもない欠陥原稿が出てくれば、もちろん何とかしなければならない。しかしその一方で、記者の側からすればデスクは必要以上に余計な手出しをしてくれるな、という思いもある。デスクと記者との相性や人間関係も重大な問題で、これはどこの会社でも頭痛のタネであり混乱の原因にもなっているようだ。

 総じてデスクは多忙な上に、ストレスやフラストレーションがたまる。割に合わないポジションであることはよく分かるが、紙面を自由に構成できて、新人記者の成長ぶりを実感できるのは魅力かもしれない。いずれにしても、デスクの記者としての実力とキャラクターによって、紙面の質や職場の雰囲気(記者の運命)が決定的に左右されるのは間違いない。というわけで、なかなか面白い議論ができて勉強になった。終了後、近くの居酒屋で飲み会。


8月21日(土曜日) 憂鬱な会合と愉快な飲み会

 昼過ぎから東京・新宿。高層ビルの50階の喫茶室へ。ジャーナリストグループの集まりに参加する。単行本の出版に向けて編集会議が行われたが、全然面白くなかった。掲げている看板やお題目はもっともらしいけれども、具体的な方向や中身があいまいで、何をしたいのかさっぱり分からない。「ジャーナリズムのあるべき姿」や「取材現場で記者の抱える悩みや葛藤」といったところに絞り込んで、具体的な事例をリアルに報告することで、ジャーナリズムの存在する意味と現状を多くの人に理解してもらう、というのなら説得力があるとも思うが、評論家のような地に足がつかない「壮大なる」構想や自己主張をアピールすることに、どれほどの意味があるのだろう。残念ながらピントがズレているとしか思えなかった。取材現場からのレポートや議論を何回も積み重ねて、その上で例えば本にしようというのなら分かるが、とにかくまず本を出そうというのもそもそも本末転倒のような気がする。さらに付け加えると、まるで信頼も評価もできない人を一方的に持ち上げる態度にも、いい加減かなりうんざりしていたりする(以下省略)。高層ビルの窓から眺める都庁や副都心周辺の街並みに感動したことだけかなあ、この日の会議に参加してよかったのは。

 会議終了後、参加していた民放キー局のテレビマン2人と西新宿の立ち飲み居酒屋へ。焼き鳥をほお張って生ビールをあおりながら小1時間ほど雑談。テレビ業界の現状や裏話を肴に大いに笑う。ああ楽しかった。こんな話をたくさんしたいんだよなあ。こういう会話からいろいろ刺激もされるし、面白い発想も生まれてくるというものだ。憂鬱な気分で過ごした3時間が払拭できてよかった。

 2人と別れてからその足で東京・吉祥寺へ。タイ料理の店で、弁護士や大学教授の飲み仲間3人と毎年恒例の暑気払い。赴任先のベルギーから一時帰国中のS教授は、久しぶりの日本でタブロイド紙をむさぼるように読んでいた。現地で日本の情報はいくらでも収集できても、タブロイド紙に踊る生々しい活字をリアルで目にするのはやはり格別らしい。それはともかく、タイへの旅行から帰ったばかりのG教授の希望で、今回はタイ料理の店に集まることになったのだが、出てくる料理の味わい深いことといったら。ピリッと辛くてインパクトのある甘酸っぱさがあとを引く。生春巻きなどベトナム料理っぽいところもあるが、独特の味付けのタレ(ソース)がすべてをタイ風にチェンジしてしまう。1品だけものすごく辛くてギブアップした料理があったが、揚げ物や生春巻き、タイ風カレー、トムヤンクンなど、あとはいずれも実に美味しかった。しかもこの店は、注文してから料理が出てくるのがものすごく早い。満腹中枢が刺激される前に、間髪を入れずに料理が並ぶので次々に食べてしまう。おかげで腹がはち切れんばかりに食い過ぎてしまった。ちなみに料金も驚くほどの安さ。「えっ?こんなに安いの?」とみんなで思わず顔を見合わせてしまう。2次会は前にも行った渋いパブ。法曹界のあれこれやY弁護士のツイッター講座なども聞けて、とても勉強にもなった。楽しいひとときだった。


8月25日(水曜日) まだまだ残暑

 午後から久しぶりに埼玉・浦和へ。教育委員会や教職員組合の関連団体などを回る。それにしても信じられない残暑だ。もわっとした重い空気が息苦しく、ほんの少し歩くだけでもぐったりしてしまう。街なかのどの人も一様にうんざりした表情を浮かべている。水分はこまめに取った方がいいのだが、取材先で冷たいお茶を出していただいて飲んだばかりなのに、外に出るとすぐにまた自販機でお茶や水を買って飲むという繰り返しだ。たまに100円の自販機があるのはとてもありがたい。この日は少なくとも5回は自販機のお世話になった。汗を拭うハンドタオルだけでなく、水筒も必需品だったりするかもしれないなあ。

 浦和に来る時には必ず立ち寄っているのが、掘り出し物の「トトログッズ」を扱っている店だ。いつものように帰り道にお店をのぞいてみたら、初めて見るメタルストラップを発見。中国製が多い中で韓国製だったのは珍しいかも。即断即決で衝動買いした(汗)。


8月26日(木曜日) 小沢氏が代表選出馬を表明

 民主党の小沢一郎氏が同党の代表選挙への出馬を表明した。緊急に取り組まなければならない政策課題が山積しているのに、党内で権力抗争を繰り広げている余裕なんかあるのかよといったもっともな声もあるが、しかしものすごく最大級に好意的な見方をすると、もったいつけて裏でこそこそと動き続ける小沢氏を表舞台に引っ張り出して、公の場で言いたいことを言わせる絶好の機会だと考えれば、全く意味のないことでもないかもしれない。

 小沢氏支持を表明した鳩山前首相は「小沢氏を追い込んだら党が分裂する」と語ったという。小沢氏にずっと冷や飯を食わせ続けて不満が爆発した結果、脱党工作などの破壊活動に打って出られるよりは、正式な党内手続きに基づいて正々堂々と戦わせた方が大義名分が立つという意味では、小沢氏本人に出馬を決意させたのは、もしかしたら実は手の込んだ高等戦略なのかもしれない。いずれにしてもバカバカしい代表選挙(党内権力抗争)だと思うが、早いところシロクロ決着を付けて、政治改革など本来の仕事に専念してほしい。日本の政党(政治家)は本当にどうしようもないなあ、まともな政党が存在しないじゃないか、というのが今の圧倒的多数の世論なのは確かだ。民主党の政治家(特に小沢氏グループ)には、そういう自覚や危機感を持ってもらいたい。


8月27日(金曜日) 効率的じゃない

 午後から埼玉・浦和へ。一昨日に続いて再度の取材だ。いっぺんにすべて片付けられたらよかったのだが、こればっかりは相手があることなので、こちらの都合だけではどうにもならない。必要があれば何度でも足を運ぶのが取材の基本なのだ。とはいっても、やっぱりあんまり効率的ではないなあ。しかも暑くて暑くてたまらないし。日が落ちても息苦しい猛暑はいっこうに収まらず。どうにかならないものか。心底うんざりする。


8月28日(土曜日) 不況の影響か

 メガネのツルの部分が壊れたので、行きつけのメガネ店に修理を依頼する。これまで横浜駅ビル内にあった同店は、今春から少し離れた地下街に移転したのだが、なかなか不便な場所に新しい店鋪を構えていた。しかもゆったり広々としていたフロアも、半分くらいの面積になっている。もちろんそれに伴って、ふんだんに用意されていたフレームなどの品揃えは半減した。ストックしていたカタログ類も多くを処分したという。なんとなく申し訳なくて移転の理由は聞けなかったが、たぶん不況による営業成績の悪化が影響しているのだろう。接客態度も技術も丁寧で親切で細やかな店だけに、すごくもったいないし残念だなあ。閉店するようなことだけは避けて存続してほしいと心から願う。


8月30日(月曜日) 電話

 終日、あっちこっちに電話取材。


8月31日(火曜日) 暑い

 午後から横浜市内。教育委員会や裁判所を回って、図書館で調べもの。それにしても暑い。暑過ぎるにしてもほどがある。照りつける日射しの下を歩いていると、額や首筋をハンドタオルでぬぐってもぬぐっても、噴き出す汗が滴り落ちてくる。水分を補給した分だけ、確実に汗として排出される感じだ。勘弁してくだされ。


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