身辺雑記2021年8月

 身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2021年8月1日〜8月31日

●採点簿登録完了●「洗脳」装置としての読売とNHK●「トリアージ」じゃないか●忘れずしっかり投票●楽観論を振りまいたツケ●自分で原稿チェックしろよ●東京五輪のおかげで●危機感がなさすぎる●知らせない罪と知らない罪●説明はいつも尾身茂会長●自然の采配●自宅療養を避ける手立てこそ●懲りないコピペ学生●「返校〜言葉が消えた日」●なぜいま学校観戦●スリーカードの民意●バッハお断り●「竜とそばかすの姫」●マジで怖えええ●一人焼肉の店●特別号外と原さん●残暑見舞い●記録映画「2887」(完全版)●ひたすら政争●●●ほか


8月1日(日曜日) 採点簿登録完了

 成績評価の内容を最終確認して、採点簿の登録も完了。いつも前期はゆるーく評価するけど、今回は思うところがあって温情は一切なし。厳しく評価した。成績上位(S秀やA優)と落第(F不可)の落差が大きい。受講姿勢が成績に驚くほど結びついている。当然と言えばあまりに当然すぎる結果なんだけど。というわけで、これで前期の業務はすべて手を離れた。解放感でいっぱいだ。


8月2日(月曜日) 「洗脳」装置としての読売とNHK

 開会式当日からほぼ連日、1面トップで東京五輪を大々的に報じている読売の異様さが際立つ。緊急事態宣言の拡大が決まった翌日の読売社説(7月31日付)は、「緩みは五輪のせいではない」と題して、「感染拡大と五輪開催を結びつける意見があるが、筋違いだ」と断言した。政府対策分科会の尾身茂会長ら専門家は口を揃えて、「危機感が共有されていない」と警告している。五輪開催が緊張感を薄め、国民の危機感共有を妨げているのは疑う余地もない。

 だが、読売社説はそうした指摘や、競技場周辺や街に人がごった返している事実には一言も触れることなく、「感染防止を最優先に、大半が無観客で開催されている」「競技会場や選手村で大きな集団感染は起きていない。無観客という苦渋の選択が奏功している」「選手らは、全力で競技に臨んでいる。感染拡大の原因を五輪に求めるのは、選手たちに失礼ではないか」と畳み込む。驚くべき論点ずらし。恐るべき詭弁だ。

 新型コロナウイルスの感染が爆発的に拡大しているにも関わらず、連日連夜、朝から晩まで東京五輪を伝え続けるNHKも同様。生中継だけではない。通常ニュースを隅に追いやり、ニュース番組の枠内でもまた五輪。人々の緊張感と危機感を薄めに薄めて、延々と刷り込みを続ける読売とNHKの罪は大きい。「政府広報」「権力の宣伝機関」と言うよりも、「洗脳」装置と評した方がむしろ的確かもしれない。

 そういえば、ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英さんの死去の記事でも読売新聞は、益川さんが一貫して反戦活動に取り組み、護憲を訴える「九条科学者の会」の呼びかけ人を務めたこと、科学研究の軍事利用に警鐘を鳴らしたことには一切触れなかった。あったこともなかったことにしてしまう。伝えるべきことを伝えないのは、ジャーナリズムとは言わない。故人にも失礼だろう。


8月3日(火曜日) 「トリアージ」じゃないか

 中等症などの患者は原則自宅療養とする政府の方針転換について、加藤勝信官房長官は「病院の受け入れ能力を確保し、症状が悪くなればすぐに入院できるような仕組みを講じていく」。はあ? 既に病床はひっ迫して医療現場は悲鳴を上げているのに、どうやって受け入れるのか。無為無策どころか支離滅裂すぎる。

 入院できるのは重症患者と重症リスクのある患者に限るって、要するにトリアージ(救命治療の優先順位を設定)するってことじゃん。事態はそこまで緊迫して切羽詰まっているということではないか。にもかかわらず東京五輪に浮かれるちぐはぐさ。そんな場合じゃないだろう。危機感共有のメッセージさえ出さないスガ政権は、今まで何をやっていたんだ。

 このままではマジで、無能スガ政権に日本国民は殺される。いや冗談抜きで。ついこの前の大阪みたいに、入院もできずまともな治療も受けられず、多くの「中等症」「軽症」患者が自宅で死を迎える悪夢が、首都圏でも現実味を帯びてきた。そうなれば治療が受けられなくなるのは、新型コロナウイルス感染者だけじゃない。他人事なんかじゃない。何回でも繰り返して言う。東京五輪に浮かれている場合じゃない。


 東京の新型コロナ新規感染者は3709人。火曜日では過去最多。神奈川は1298人。埼玉は過去最多の1053人。沖縄も過去最多の467人。沖縄の人口を考えれば異常な数字。全国でも突出して多い。


8月4日(水曜日) 忘れずしっかり投票

 嘘つきで、無責任で、無能。3拍子揃った菅義偉首相。安倍晋三から続く、この自公トンデモ亡国政権について、「続投を望む声は国民の間にも党内にも強い」(二階俊博自民党幹事長)だと。主権者たる国民はここまで愚弄されている。みんな忘れるな。殺される前にしっかり投票しよう。

 そうすると必ず出てくるのが「野党は頼りない」「野党は代替案を示さない」という詭弁だが、そんなことはない。自民党の補完勢力に過ぎない維新と違って、立憲民主党や共産党は批判も提言もしている。国会審議の場に菅義偉首相が出てこないから、まっとうな議論や政権追及ができないだけだ(出てもまともに答弁しないのだが)。自公政権の代わりは存在する。


 【メモ】東京の新型コロナウイルス新規感染者は4166人。過去最多を更新。


8月5日(木曜日) 楽観論を振りまいたツケ

 東京の新型コロナ新規感染者は5042人を確認。過去最多。猛烈な勢いで感染拡大しているが、たぶん1万5千人は超えないだろう。それ以上は検査していないから。いずれにせよこれは明らかに「人災」だ。無為無策で無責任な楽観論を振りまいて、危機感の共有に逆行することしかしてこなかったアベスガ政権の責任は重大だ。

 入院制限して自宅療養なんてとんでもない。感染者の見殺しになりかねないのは、大阪の事例から明確だ。今からでも遅くないから政府は、医療機関・従事者への最大限の補助とフォロー、ワクチン確保、国民への給付金を急ぐべきだ。楽観論を振りまく東京五輪に浮かれている場合じゃない。

 東京五輪は今からでも中止。百歩譲って競技を続けるにしても、少なくともマラソンは中止し、閉会式は取りやめるべきだ。緊急事態宣言に関係なく、人の流れは全く減っていないのだから。東京で5000人を超える感染者が確認されても続ける国際大会には、矛盾と違和感しかない。会場周辺の立ち入り規制すらせず、漫然と競技を続けるなんてあり得ない。


 【メモ】神奈川は1846人、埼玉は1235人、千葉は942人、沖縄は648人の新規感染者確認。いずれも過去最多を更新。

◇◇

 名古屋市長の河村たかしに金メダルを噛まれた女子ソフトボール日本代表の後藤希友選手が、気の毒でならない。かわいそうに。気持ち悪いよなあ。先日の名古屋市長選で河村たかしを市長に選ばなければ、こんな酷いことは起きなかったのに。河村たかしに一票を投じた名古屋市民も猛省し、後藤選手に謝罪すべきだ。


8月6日(金曜日) 自分で原稿チェックしろよ

 原稿の棒読みしかできないばかりか、官僚に書いてもらった原稿の読み上げさえ満足にできない無能総理。というか原稿の最終チェックすら自分自身でやっていないのか。それにしても「原稿がのりでくっついて剥がれなかった」とは、あまりにもお粗末で酷い言い訳だな。最低すぎる。

 この日の広島平和記念式典での菅義偉首相の醜態は、原稿の読み飛ばしだけじゃない。「原爆」を「ゲンパツ(原発)」と言ってみたり、「広島」の発音を「ひろま」と噛んだり、「様々な立場の国々」と言うべきところも「様々な場の国々」と読む始末。やる気もないし、内容把握もまともにできていないのは、国会答弁や記者会見でも同じだけどね。

首相の読み飛ばし、原因は「原稿がのりでくっついてはがれず」(毎日)

https://mainichi.jp/articles/20210806/k00/00m/010/462000c


8月7日(土曜日) 東京五輪のおかげで

 「沿道での観戦自粛」を呼びかけるなら、コース周辺の幅100メートルを封鎖して立ち入り禁止エリアに指定すればいいのに。五輪スタッフが「観戦自粛」のプラカードを手に呼びかけるなんて茶番でしかない。マラソンに限らず、見物人が密集する五輪会場付近はこんなのばっかり。

 組織委員会もこの国の政府も、本気で感染防止を考えているとはとても思えない。聖火リレーの時から、やる気のなさと想像力のなさと無為無策は最後まで一貫して変わらないね。東京五輪のおかげで、多くの人たちが新型コロナを軽視して楽観論が蔓延し、危機感の共有が阻害された。それだけではない。五輪のおかげで、物理的にもウイルス感染が拡散されていく。感染拡大は「人災」にほかならない。


8月8日(日曜日) 危機感がなさすぎる

 内閣府政府広報。「都道府県をまたぐ移動は控えめに」「体調が悪い場合は、帰省や旅行は控えてください」じゃねーだろ。新型コロナウイルスの感染急拡大を考えれば、そこは「都道府県をまたぐ移動は控えてください」「症状がなくても、体調が悪くなくても、帰省や旅行は控えてください」と言い切ってお願いすべき局面だろう。緊急事態宣言を出していながら、この国の政府に危機感や切迫感がなさすぎて引く。テレビでも同様の映像が頻繁に流れてくる。

 医療現場からは悲鳴が上がっている。「今は家族を守るためどこにも出かけず、誰とも会わず、この波がすぎるまで我慢してください」「とにかくもう入院できませんし、治療も受けられません。危機感の共有と強い自粛をお願いします」(倉持仁・医師)といった訴えが切実だ。

(内閣府政府広報のツイートと動画)

https://twitter.com/gov_online/status/1422484178315091969


8月9日(月曜日) 知らせない罪と知らない罪

 「東京五輪は大成功だった」というトーンで埋め尽くされた今朝9日付の読売新聞の紙面には、やはり違和感しかない。負の側面やマイナスの評価も当然あるはずなのに、ネガティブな情報にはほとんど触れない。いつものことだけど、自分たちの思惑や体制(政権)側の価値観に合致しないニュースは、極力薄めるか排除する。

 そんな読売の紙面しか目にしない読者は、見事に一面的な情報だけをインプットされている。せめて数行だけでも、別の見方や批判的指摘を掲載して「両論併記」を装うかと思いきや、それさえしないのが読売の一貫した編集姿勢だ。徹底している。そこがよりいっそう不気味で気持ち悪い。

 主権者たる国民に、知らせるべき事実を知らせない。あるいは薄めて小さく伝える。そんな新聞はジャーナリズムではない。一方、読者にもメディアを取捨選択する責任がある。「知らぬが仏」と言えば聞こえはいいが、知っておくべき事実を知らないのは罪でもある。目を背けて知ろうとしないのも同じだ。


8月12日(木曜日) 説明はいつも尾身茂会長

 東京都の新型コロナ感染拡大が深刻で「制御不能な状況」となっても、記者会見で説明するのは政府対策分科会の尾身茂会長だし、国会の閉会中審査に出席して答えるのも、やはり尾身茂会長。菅義偉首相は会見にも国会にも出てこない。まともに説明せず、説明できず、質問にも答えず、答えられない。用意された原稿すら満足に読めない。

 なんなんだ、このボンクラ総理大臣。酷すぎないか。ロクな感染対策は取らず、楽観論を振りまくばかりで、口をついて出るのは「ワクチン接種」。同じ言葉を繰り返すだけ。多くの国民は予約もできないのに。マジでヤバいよ、この国の政権与党。次の選挙まで耐え忍び、忘れず投票すること。


8月13日(金曜日) 自然の采配

 国内の新型コロナウイルス感染確認が2万人を超えた。東京都の新規感染者は5773人。神奈川は2281人、埼玉1696人、千葉1089人。いずれも過去最多。東京五輪に浮かれた人々の緊張感は完全に弛緩しきった。競技会場周辺や繁華街に大勢が繰り出して大混雑していたのだから、意外でもなんでもない。

 感染拡大が止まらない。それでも政府は何もしないし、深夜まで路上や公園でクダを巻き、繁華街や観光地に出かける連中は止められない。しかし前線停滞によって来週半ばまで続く悪天候が、(首都圏の)人流を抑制してくれるかもしれない。感染拡大を少しは緩和してくれるかも。天の恵み。なんとも見事な自然の采配。


8月17日(火曜日) 自宅療養を避ける手立てこそ

 あらかじめ用意された原稿を無表情で棒読みするだけなら、わざわざ記者会見をやる意味がないじゃん。「自宅療養していても、急変すれば入院して適切な医療が受けられるように」なんて、よくぬけぬけと言えるな。全然そんな状況じゃないじゃん。救急搬送もできず入院もできずに、自宅で死亡する人が増えているのに。

 自宅療養するよりも、仮設診療所や臨時療養施設を用意して収容する方がはるかにマシ。家庭内感染防止の面でも医療関係者の負担軽減の面からも、早急に手を打つべきだろう。プレハブ収容施設でもホテルの借り上げでも、なんでもいいから自宅療養を避ける手立てをなぜ取らないのか。無為無策すぎる。

 でもって、いつものように「ワウチン接種」としか言わず、またしても政府分科会の尾身茂会長に丸投げして答えてもらう菅義偉首相。もう尾身さんが臨時首相代行でいいよ。

 あらかじめ(事務方が)用意した原稿にないことは答え(られ)ない。あらかじめ用意された原稿もまともに読めない。そんな菅義偉首相の姿が全国に流れるのは子どもたちの教育上、極めてよろしくないと思いますが、菅義偉首相はいかがお考えでしょうか。(エア質問)


 <菅義偉首相は記者会見で、緊急事態宣言とまん延防止等重点措置を9月12日まで延長することについて、「必要な医療を確実に受けられる体制を構築する期間」と説明した>(毎日)。だからすべて遅いんだよ。これからやるのかよ。少なくとも東京五輪の期間中か、開会前にやっておくべき話だろう。


8月18日(水曜日) 懲りないコピペ学生

 前期(春学期)の「学生による授業評価(改善)アンケート」の結果案内が、教務課から届いた。結果はごくごく普通で平均以上だったが、匿名の自由記述欄には案の定、課題のコピペ(盗作)を指摘した学生(7月24日付7月25日付「身辺雑記」参照)が、「コピペだと決めつけられた」と書き込んでいた。懲りないなあ。

 明確な証拠があるのに、「一生懸命に真面目に書いた」とは恐れ入る。講義はろくに聴かず、レジュメや資料を読んだ形跡もない。シラバスも読んでいない。開き直って逆ギレしたあげく、それでこの言い草だ。図々しいというか厚顔無恥というか、身の程知らずぶりに呆れる。

 公開されて記録として残るので、「アホちゃうか」と笑ってこのまま放置するわけにはいかない。そもそもコピペ(盗作)は、それが一部であっても全部であっても犯罪行為である。社会人になってから、手痛いしっぺ返しを受けることにもなるだろう。教員コメント欄できっちり反論し、完膚なきまで「教育的指導」をした。大人気ないって? いやいや、むしろ大人が果たすべき責務だろう。


8月19日(木曜日) 「返校〜言葉が消えた日」

 上大岡のTOHOシネマズで「返校~言葉が消えた日」を観た。密告が奨励され自由に本を読むことも許されない、戦後台湾の国民党独裁政権による戒厳令下の高校が舞台。思想統制に抵抗する反体制政治映画かと思ったら、SFホラーミステリーのメロドラマだった、でござる。

 この日は上映の最終日だったけど、そこそこ客は入っていた。しかし場内が明るくなって、立ち上がった人々の口からは「なんだか、よくわからなかったね」との言葉が……。正直すぎる。

◇◇

 久しぶりに夏らしい空を見た=写真。照りつける強い日差しも、あまり人が歩いていない昼下がりの住宅街の空気も、確かに真夏そのもの。歩くだけで汗だくにもなるのだが、そこはかとなく秋の気配が漂い始めているような気がしないでもない。中途半端に猛暑が強制中断されたからかも。


8月20日(金曜日) なぜいま学校観戦

 「まさに災害級という状況」の時に、いくら教育的意義があるにしても、児童生徒にパラ観戦させるかね。暴風雨の最中や大震災で街がめちゃめちゃになって医療崩壊している時に、子どもたちにオリパラ観戦なんてさせるだろうか。「守りは人流の抑制や感染対策を徹底すること」と言うならなおさら。常識で考えてもおかしい。

 しかも東京都教育委員会の教育委員4人全員が観戦に反対したのに、それを振り切って強行しようとする都教委事務局と行政の傲慢不遜。あり得ないし、あってはならない。教育の独立の面からも、異様としか言いようがない。


8月22日(日曜日) スリーカードの民意

 現職や前閣僚ら8人が立候補した横浜市長選で、立憲民主党推薦の山中竹春氏が当選確実に。投票前日まで、「誰も法定得票に届かず再選挙の可能性」などと「ミスリード」を続けた読売新聞。もしかしたら意図的にそういう記事を流していたのかもしれないが、結果は投票が締め切られた午後8時と同時に、NHKや朝日新聞などが山中竹春氏の当確を速報した。それは接戦どころか大差がついた圧勝だったことを意味する。主権者たる国民のスガ自民党への反発は半端ない。

 少なくとも、この国に生きるすべての人たちの命と健康を守るために、アベスガ自民党(+公明+維新)の退場を最優先とすべきは必然だろう。「カジノ」「コロナ」「スガ」のスリーカードで民意を結集したのは正解だった。よりマシな候補者・政党を選択して一票を投じるのは常道。横浜市長選だけでなく、来たる国政選挙も同じだ。

 NHKは午後8時の大河ドラマの放送開始と同時に横浜市長選当確速報を出したが、あと1分ほどテロップを流すのを我慢すれば、渋沢栄一が帰国した横浜港の夜景シーンと重なって絵的には完璧だったのに(違)。


8月23日(月曜日) バッハお断り

 東京パラリンピック開会式に出席するため、IOCのバッハ会長が図々しくも再来日した。しかも緊急事態宣言下の「まさに災害級という状況」の東京に。どういう神経をしているのか。五輪が終わって銀ブラした時に生卵を投げつけられることもなく、むしろ写真撮影を求められたので、自分は日本人に歓迎されていると思ったとしたのなら、それは大きな勘違いだから。

 断言してもいい。多くの日本人はバッハ会長を嫌悪している。厚顔無恥な会長に言っても通じないだろうけど、日本にはもう二度と来ないでほしい。広島にも福島にも行かなくていい。迷惑だ。われわれの大事な税金が警備費用などに使われること自体が、実に不愉快だ。

◇◇

 横浜市長選の大敗について聞かれた菅義偉首相。「大変残念な結果だった。市民の皆さんが判断されたわけで、そこは謙虚に受け止めたい」だとさ。まるで他人事のように答える姿にワロタ。落選した小此木八郎氏が少しかわいそうに思えてくる。敗因の半分は菅義偉首相にあるのに。何も見えないし見ていない裸の宰相。

◇◇

 航空自衛隊のブルーインパルス、何回飛ばすんだろう。見物人が大勢集まって来て密になるし、新型コロナウイルスへの緊張感は薄らぐし、感染対策に逆行するようなデモンストレーションを、なぜ今あえてやるのか理解に苦しむ。そもそも首都東京の人口密集地の上空を旋回するなんて、万が一にも墜落事故が起きたら大惨事になるのは必至なのに。


8月24日(火曜日) 「竜とそばかすの姫」

 上大岡のTOHOシネマズで、細田守監督のアニメ「竜とそばかすの姫」を観た。ネット空間と現実社会が舞台なのは「サマーウォーズ」と同じで、展開そのものは悪くないはずなのに、冗長で話が整理されていないのでものすごく長く感じた。編集すれば半分の時間で済むのでは。とっちらかった話を無理やりまとめたという印象。キャラクターデザインは嫌いじゃないんだけどなあ。「時をかける少女」なんてもうめちゃくちゃ大好きな作品だし、「サマーウォーズ」も好きなんだけどなあ。観客の入りはそこそこ。女子高生や女子大生やOL風など、若い女性客が多かった。

◇◇

 自宅から駅まで歩く途中に見かけただけでも、道行く人の4人に1人はマスクをしていなかった。口元だけ隠す「鼻マスク」も含めたら3人に1人くらい。神奈川の新型コロナ感染者は、東京と同程度に拡大しているというのに。老若男女に関係なく、完全に危機感も緊張感も失われつつある。こりゃもうダメだ。

 ブルーインパルスが飛んだと言っては人が集まり、パラリンピック開会式会場の国立競技場周辺にも大勢の人が詰めかける。人流の抑制こそが最大の防御であるはずなのに、どうして政府は人が集まらないような対策を取ろうとしないのか。むしろ逆に、人が多く集まるきっかけづくりをしているとしか思えない。

 なぜブルーインパルスをわざわざ何回も飛ばすのか。なぜ開会式会場の競技場周辺を立ち入り禁止区域に設定しないのか。せめてそれくらいのことはやれよ。本気で感染拡大を抑え込もうなんて、この国の政府はこれっぽっちも考えていないのだろう。そうとしか思えないのだが。


8月25日(水曜日) マジで怖えええ

 福岡地裁で死刑判決を言い渡された特定危険指定暴力団・工藤会トップで総裁の野村悟被告は退廷直前、足立勉裁判長を「公正な判断をお願いしたんだけどね、全然公正じゃない。東京の裁判官になったんだって? あんた、生涯後悔するぞ」と大声で威嚇し、無期懲役を言い渡されたナンバー2で会長の田上不美夫被告は「ひどいなあんた、足立さん」と言い放った。

 そういうのも含めて裁判官の仕事とはいえ、マジで怖ええよ。工藤会トップ2人の事件を、裁判員裁判の対象から除外したのも当然やな。足立裁判長は今年4月、東京高裁(刑事8部)に異動。昨日は出張して判決を言い渡した。

 堅気の一般市民に手を出し、見境なく殺傷を繰り返すなんて論外。断じて許されない。間接証拠の積み重ねから、指揮命令や共謀共同正犯の成立を認めた判断もやむなし。

◇◇

 至極もっともで当然すぎる指摘。そもそも組織委員会や政府は、なぜバッハの再来日を断固拒絶できないのか。なぜ憤慨しない。図々しくも厚顔無恥なバッハと、馬鹿で愚鈍な組織委。どっちを向いて、だれのために仕事をしているのかが、とてもよくわかる。いろんな意味で。

「バッハ会長なんで来るのか。銀座行ったはず」尾身氏が再来日批判(毎日)

https://mainichi.jp/articles/20210825/k00/00m/010/176000c

◇◇

 菅義偉首相の記者会見。学校・職場・飲食店などに、感染防止対策の徹底やリスクを避ける行動と協力を呼びかけるなら、なぜ子どもたちにパラリンピックを観戦させたり、ブルーインパルスを飛ばしたり、バッハの再来日を認めたりするのか。国民に緊張感をなくさせるような「逆アピール」を政府はまずやめろ。

 菅義偉首相は口を開けば「新型コロナ対策を最優先している」と言うが、全然コロナ対策を最優先させていないじゃん。馬鹿の一つ覚えのように「ワクチン、ワクチン」とも繰り返すが、ワクチンも全然足りていないじゃん。

 毎日さも忙しそうに動いているが、いったいどこを見て何をやっているんだ。菅義偉首相の頭の中には、総裁選の日程と総選挙のことしかないんじゃないの?

 いつも以上に中身のない受け答えに終始する菅義偉首相の会見。「つまんねーやつだなあ」「ボーッと生きてんじゃねーよ」とチコちゃんに叱り飛ばしてもらいたい。政府分科会の尾身茂会長の答えの方がはるかにマシ。バッハ再来日への怒りを、記者会見の場でも聞かせてもらいたいくらいだ。


8月26日(木曜日) 一人焼肉の店

 横浜駅前(鶴屋町)の一人焼肉の店「焼肉ライク」に初めて入った。聞きしにまさる客層と店員の質の悪さに驚いた。すぐ後に入って来て僕の隣の席に案内された学生風の男2人連れは、食事の前も食事中もずっと大声で会話を続ける。しかも店員は見て見ぬ振りで一切注意しない。これは酷い。大急ぎで食べ終えて店を後にした。肉質や味は言わずもがな。二度と行かない。

 申し訳程度のアクリルの仕切り板や消毒液が用意されていても、一人焼肉の食事スタイルを看板にしても、これでは何の意味もないではないか。役所の担当部署や保健所に通報されるべきレベルだ。もし新型コロナウイルスに感染でもしたら、この店に必ず損害賠償を請求する。

◇◇

 いやいやいや。それはないでしょ。だれが聞いても「報復や脅し」の言葉だと受け取る。「報復や脅し」のほかにいったい何があるというのか。「普通の人」の言葉じゃないのだから。

 <福岡地裁で死刑を言い渡された特定危険指定暴力団・工藤会のトップで総裁の野村悟被告が閉廷後に「生涯後悔するぞ」などと裁判長に発言したことについて、弁護団が「報復や脅しの意図はなかった」との見解を報道機関に説明した。>(朝日)

工藤会トップの法廷発言、弁護団が説明「脅す意図ない」(朝日)


8月27日(金曜日) 特別号外と原さん

 朝日新聞秩父支局の原裕司記者が、今月末で定年退職を迎える。原さん送別のため、さいたま総局の有志が作った朝日の「特別号外」を見せていただいた。総局の同僚や後輩記者たちが、原さんとの出会いや思い出、辣腕ぶり、記者魂などを短く綴ったエピソードがずらりと並ぶ。秩父での仕事ぶりや取材姿勢の一端も垣間見えて、ものすごく読み応えがある。コメントの端々から、愛されて慕われているんだなあ、と存在感が伝わってきた。

 他社の記者でありながら、僕も原さんにたくさん励ましてもらった一人だ。会社を辞めてフリーランスになった後も気にかけてくれて、激励やアドバイスをいただいた。記者の仕事に向き合う真摯な態度に、どれだけ勇気付けられたことか。しみじみとありがたく思い出し、特別号外の記事を一つ一つ噛みしめながら読んだ。

 原さんは北海道新聞記者を経て、朝日新聞に入社。浦和支局(現・さいたま総局)、企画報道部、地域報道部、北海道報道部、東埼玉支局、佐渡支局などに勤務した。「特別号外」に大きく掲載されていた「連続幼女誘拐殺人事件」は、原さんが埼玉県警キャップだった時のエピソード。特ダネをめぐる本社とのやり取りから、当時の緊迫感が伝わってくる。僕もこの事件の取材と連載企画に関わっていたので、懐かしさと緊張感、暑かった真夏の都内や五日市町(現・あきる野市)の風景が脳裏に浮かんできた。

 原さん、長い間お疲れさまでした。退職した後も、ますますのご健筆を心から期待しています。コロナ禍が落ち着いたら、ぜひまたお会いしたいです。ゆっくり話をうかがわせてください。


8月28日(土曜日) 残暑見舞い

 遅ればせながら残暑見舞いはがきの版下を作成し、印刷して投函する。年賀状と違ってこちらから出すことはせず、例年のように暑中見舞いを頂戴した方にだけ返信。たぶん週明けには届くと思うので、まあぎりぎりセーフのタイミングかな。


8月30日(月曜日) 記録映画「2887」(完全版)

 アベノミクス、憲法改正、福島原発、辺野古新基地建設、拉致問題の5つのテーマから、安倍政権を検証した記録映画「2887」(完全版)が完成した。9月11日から横浜市中区のミニシアター「シネマ・ジャック&ベティ」で劇場公開される。カラー、105分。

 映画には、澤地久枝、斎藤貴男、小出裕章、知花昌一、蓮池透、浜矩子、松元ヒロ氏ら16人が登場。首相在職日数が、2019年11月20日に歴代最長の2887日となった安倍晋三氏の足跡をたどる。僕も一部のインタビューを手伝った。「ジャック&ベティ」では午後3時30分から1日1回上映。9月17日まで。

 明大映研出身で元横浜市立高校教諭・河野優司さんの初監督作品。デジタル技術と機材の進歩で映画製作のハードルが下がった、と河野さん。映研仲間の劇作家や脚本家らに支えられた。コロナ禍での取材は制約が多く困難を極めたが、思わぬ副産物もあったという。例えばお笑い芸人の松元ヒロさんは、舞台の出演依頼が激減したことで、貸し切り劇場での贅沢なインタビュー撮影が実現した。

 「在職日数が最長となった安倍首相個人よりも、アベ的な自民党政治が描けたと思う。こんな危うい社会があったという8年間と、それでも異を唱えてしっかりものを言う人たちがいたことが記録できた。出演した16人の声を聞くことで日本社会が見えてきた」と河野さんは力説する。

 福島原発事故による避難者で出演者の一人、かながわ訴訟原告団長の村田弘さんは、「アベ政治がいかに憲法を壊してきたか、その視点が映画には貫かれている。原発も沖縄の辺野古も拉致問題も、この10年間で何も解決していない。そして今は新型コロナウイルス。今の時代を考える格好の材料の映画だと思う」と熱く語った。

 「ジャック&ベティ」のほか、東京の「シネマハウス大塚」でも上映。9月25日から28日まで1日2回。劇場だけでなく、全国各地の「九条の会」や市民団体での自主上映も計画。「見ごたえのある作品になった。愉快になる映画ではないが、ぜひ多くの方に見てもらいたい」と河野さんらは呼びかけている。

【写真】9月11日から劇場公開される、記録映画「2887」(完全版)の監督・河野優司さん。=横浜市中区のミニシアター「シネマ・ジャック&ベティ」


8月31日(火曜日) ひたすら政争

 臨時国会を開かず(野党国会議員の要求を無視して召集義務を果たさず)、権力闘争にひたすら邁進する自民党。総裁選と政権延命策と解散総選挙の日程で頭はいっぱい。そこに向けたドタバタと権謀術数を繰り返す。現時点で最重要課題のはずの新型コロナウイルス対策や医療対策を、ほったらかしにしたまま。国民の命と健康、苦しい生活への思いは微塵も感じられない。

 日本に協力してくれた大勢のアフガニスタン人を見捨て、自分たちだけ真っ先に逃げ出した日本大使館員の姿と、ダブって見える。


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