身辺雑記 

by totoropen (OOKAMinami)


2002年10月1日〜10月31日

●歩きたばこは犯罪行為!●脅迫右翼に有罪判決●文章作法の迷路●「ヒカルの碁」第19巻●商売人魂●退屈だった「猫の恩返し」●謎の株価下落●手紙●市民運動●マツタケ問題●生活基盤の積み重ね●バージョンアップ●人格者●歩行喫煙が減少?●「荒らし」●妨害右翼2人の控訴棄却●手帳とカレンダー●目薬から解放●鍋の季節●「激しく厳しい」仕事ぶり●お腹がぐう〜っ!●映画「ごめん」●チャットの友情●●●ほか


10月1日(火曜日) 戦後最大級

 戦後最大級の強さの台風21号が首都圏を直撃。午前中は雨も降らないで静かだったが、午後3時ごろから横浜も強い風と雨に見舞われた。こういう日は電話取材や雑用などに徹して外出を控えたいが、そうは言っても全く外に出ないわけにもいかない。ちょっとだけ外出。ちょうど帰宅したころから風雨が強まったので、何だか得した気分になる。午後8時半に川崎市付近に上陸したあたりで、風雨ともにしーんと静まりかえったのは、台風の中心部に入ったからなんだろう。気流などの関係から進行方向の右側は大荒れになるけれども、左側や後方では影響が少なくなるらしい。


10月2日(水曜日) 歩きたばこは犯罪行為!

 台風一過で雲一つない青空〜♪ いやほんとに、きれいに澄んだ真っ青な空が広がって、やっぱり台風の後は気持ちがいいやね〜って感じだ。朝の陽射しがカーテンに軟らかく当たって、木の葉の影がサラサラと揺れ動くのを見ているとさわやかな気分になる。

 そんなわけで、東京都千代田区できのうから「歩行禁煙条例」がスタート。歩きたばこ禁止をお題目として決めただけではなく、違反者からは罰金を取り立てるという。うん、これはいい。ぜひ徹底的にやってほしいよな。歩きたばこほど迷惑なものはない。これはもう、美観を損ねるからポイ捨てはケシカラン、なんて言う次元の話じゃないんだよね。そもそも人込みの中で平然と歩きたばこするなんて、非常識と言うよりは犯罪行為そのものだっつーの。煙が迷惑なだけじゃなくて、風がある日なんか灰が飛んでくるだろーが。大体やねー、火の着いたたばこの存在自体が危なくて仕方ないんだよ。手に持ったたばこの先端が体に触れたらやけどするし、服に当たれば焼け焦げる。小さな子どもの目に当たったりしたらどうするつもりなんだ。たばこを吸いたければ、自分の部屋の中で勝手にやれ。外ならビニール袋をかぶってその中で吸え。公共の場所で他人に迷惑をかけるなっつーの。自分勝手で非常識で傲慢不遜な喫煙行為の取り締まりは、千代田区にとどまらず全国に広げるべきだ。朝から煙と灰を巻き散らされたりすると、ムカムカしてくる。


10月3日(木曜日) 思わぬ暑さ

 暑くてたまらない。真夏の暑さとは違うけれども、じっとりと汗がにじんでくる感じだ。過ごしやすい季節になったと安心していたからこそ、余計に暑く感じるのかもしれない。思わずクーラーのスイッチを入れてしまった…。


10月4日(金曜日) 脅迫右翼3人に有罪判決

 朝早くから横浜地裁へ。女性団体主催の講演会に乗り込み、ビデオ上映中に大声で罵声を浴びせ、集会を中止させたなどとして、威力業務妨害や脅迫の罪に問われた右翼の男ら3人の判決公判を傍聴取材する(初公判は5月20日付「身辺雑記」、論告求刑は9月12日付「身辺雑記」を参照)。

 広瀬健二裁判官は「いかに自己の主義主張に反する集会であっても、怒号など威力によってその運営を妨害する行為が許されないことは言うまでもない。(教科書採択に関するほかの2件の脅迫事件についても)卑劣かつ陰湿で執拗な犯行と言わざるを得ない」として、主犯格の右翼団体役員の男に懲役1年6月、執行猶予5年(求刑・懲役1年6月)、もう一人の男に懲役1年4月、執行猶予4年(求刑・懲役1年6月)、別の男に懲役10月、執行猶予4年(求刑・懲役10月)の判決を言い渡した。

 広瀬裁判官は「主犯格の男の怒声を皮切りに歩調を合わせるように、代わる代わる約40分間にわたって怒号を飛ばし、騒音のひどさで隣室の会議が中断するほどだった。集会の運営を妨害するとの意思の連絡が被告人らの間にあったのは明白。集会直前に会場近くのホテルロビーに集合しながら、あえて分散して会場に入場するなど、事前共謀の存在も認定できる」と述べ、弁護側の「集会を妨害する意図や共謀はなかった」とする主張を退けた。さらに同裁判官は、別の2件の脅迫事件について「浅沼稲次郎社会党委員長の刺殺場面の写真をファクス送信するなど、被害者や家族に強い恐怖感を抱かせたのは、卑劣で執拗かつ陰湿な犯行である」と断じ、「罰金刑を選択すべき事案とは到底考えられない」とした。

 裁判官が閉廷を告げると、傍聴席の被告支援者と被告から「中共のイヌ!」「売国奴」「戦犯法廷と同じじゃないか」などの野次と怒声が乱れ飛び、廷内は騒然となった。しかし法廷侮辱発言などを理由に拘束されるわけでもなく、裁判官や検察官は黙って苦笑するばかり。皮肉にも判決言い渡し直後の法廷内で、本件起訴事実の集会妨害事件当日の様子を、被告らが自ら「再現」して立証して見せる結果になった。「やれやれ困ったもんだ…」と、記者仲間と思わず顔を見合わせてしまう。傍聴席にいた被害者の一人は「集会の時も本当にこんな感じだったんですよ。怖くて震えがきました」と眉をひそめていた。弁護側は「極めて不本意な偏向判決である」としており、控訴する方針。


10月6日(日曜日) 文章作法の迷路

 このところ文章を書いていて、主語や副詞や形容詞の位置をどこに置けばいいかで、迷ったり悩んだりすることが多い。例えば、アニメ「天空の城ラピュタ」のキャッチコピーの文章を題材にしてみると、こんなふうになる。

「ある日、少女が空から降ってきた…」(オリジナルの文章)

「ある日、空から少女が降ってきた…」(主語の位置を変更)

 この文章の場合、いろいろな意味に取られてしまうようないわゆる「悪文」ではない。主語の位置を変えてみても、どちらも意味は全く変わらない。もちろん「少女が」という言葉が先にある方が、「少女」がより一層強調されるわけだけど、文章を書きながらどちらがいいのだろうかと悩み始めると、思考の迷路にはまってしまうのだ。たった今、このすぐ上に書いた文章にしても、書きながら次のように迷ってしまうことになる。

どちらも意味は全く変わらない」(原文)

「意味はどちらも全く変わらない」

 さらに…

「どちらも全く意味は変わらない」

 う、う〜ん…。どうでもよいと言えばどうでもよくって、単なるこだわりなのだろうが、しかしいったん迷い始めると収拾がつかなくなる。余計なことを考えすぎているのかもしれないけど。


10月7日(月曜日) 「ヒカルの碁」第19巻

 コミックス「ヒカルの碁」第19巻を読む。いや〜、早く発売されないかなあって、待ちに待っていたんだよー。

 ヒカルの師匠だった背後霊の藤原佐為との別れを乗り越え、プロの棋士として着実に一歩一歩を進んでいくヒカル。ちょっと大人っぽい顔つきになったヒカルは、神の一手を極めるために切磋琢磨を続ける。時折見せる幼い表情のヒカルの方が、個人的には好きなんだけどな…。自分の進むべき道をしっかり歩くヒカルの姿に、自分も頑張らなければと奮起する幼馴染みの藤崎あかり。あかりちゃんの出番が多くてヨカッタヨカッタ。本当に実力のある者だけが、本物同士だけがその力を認め合えるという「真理」を、この巻でも原作者は強調してみせるのだった(ここが重要ポイント)。相変わらず実に読み応えのある一冊です。


10月8日(火曜日) 商売人魂

 MacintoshのPerformaに対応するADB規格キーボードを、秋葉原でようやく買った。USB規格が中心の時流にあって、根強いファンのために、MacwayというところがADB規格製品の製造を続けてくれているそうだ。で、秋葉原の石丸電気に行ったら「うちにはないけどあそこならあるはず」と、親切にもライバルの他店を紹介してくれたのだった。なんて懐の深い対応なんだろう。まさに消費者の立場に立った接客姿勢で、商売人の鑑である。ちょっと感動してしまった。尊敬の意を込めて、ここに実名を上げて感謝しておきたい。しかも後で分かったんだけど、石丸電気が紹介してくれた店は、別の某店よりずっと値段が安かった。


10月9日(水曜日) 退屈だった「猫の恩返し」

 東京・有楽町の日比谷映画でスタジオジブリの「猫の恩返し」を観る。ち〜っとも感情移入できなくて全然面白くなかった。ストーリーが平板で深みが感じられない。原作漫画を読んだ時(7月3日付「身辺雑記」参照)よりもさらにつまらなく感じた。主人公に共感できるだけの魅力と説得力がないと、作品世界に引き込まれないんだと改めて感じさせられる。さらにがっくりきたのが、前座として上映された「ギブリーズ2」なる短編アニメだ。絵が下手くそで登場人物に魅力がないだけでなく、話そのものがどこがどう面白いのかまるで分からない。わずか30分ほどを観ているのが、もう苦痛で苦痛でたまらなかった。ほとんど拷問のような作品である。劇場内の空気から察するに、たぶんほかの観客もかなり引いていたんじゃないかなあ。というわけで、2本とも予想していた通り恐ろしく退屈な作品でした。ジブリの次回作に期待します…。あ〜、だけど、つじあやのが歌う「猫の恩返し」の主題歌はいい曲だよね。ちなみに、もうすぐ上映期間終了ということもあるんだろうが、座席数648の大劇場に入場者はわずか20人ほど。観客としては、ゆったり観られて申し分のない環境ではありました。

 夕方から水道橋の新聞労連で会議。近くの居酒屋でふぐのヒレ酒を飲む。なかなかうまかった。午前1時ごろ帰宅。


10月10日(木曜日) 謎の株価下落

 ノーベル物理学賞と化学賞を日本人が同時受賞ということで、浜松ホトニクスと島津製作所の株価はぐぐっと急騰。しかし東証平均株価は、バブル後の最安値を更新しているんだってさ。株式市場のことは不勉強でよくわからないけど、そーゆーものなのかねえ。日本の科学水準の高さが評価されたのを好感して、全体的にもっと株価が上がっていいように思うのだが、そう単純に事は運ばないってことなのだろうか。う〜ん、謎だ。もっと勉強せんとあかんね。正直なところ、あんまり関心ないんだけど…(身も蓋もないな)。


10月11日(金曜日) 手紙

 3時間ほどかけてやや長めの手紙を書く。知人からもらった手紙への返事なんだけど、このまま投函してしまっていいものやら悪いものやら、少し思案しているところだ。まあ一日ほど寝かせてから改めて読み直して、手直しした方がよいところは表現を改めるなどして、それから出せばいいか。たぶん先方は、僕の書いた内容を十分には理解できないかもしれない。いやきっと理解しようとしないだろう。時間を費やして返事を書いて出すという行為そのものが、こちらとしては精いっぱいの誠意である。あ〜、疲れる。


10月12日(土曜日) 市民運動

 東京・目黒の若者グループの学習サークルに顔を出した。前半は「働くとはどういうことか」をテーマにしたディスカッション。後半は市民運動の問題点について議論になった。「絶対に自分たちは正しいと思い込んでいる」「自分たちの主張と少しでも合わなければレッテルを張って排除する」「疲れるからかかわりたくない」といった声が噴出する。いわゆる「運動家」に対する不信感や嫌悪感が続いた。自分たちの考えを広く伝えて仲間を増やし、社会を変えていこうというのが運動の目的だろうに、実際には独善性と閉鎖性だけが鼻につくのだ。理解者や協力者が広がるどころか、逆に不信と嫌悪と反発だけを招いてしまう結果になっている。内向きに内向きにと運動が収縮している滑稽さに、当事者自身が気付いていないのが悲劇的だ(喜劇なのかもしれないけど)。このところ取材をしながら、ずっと考えていたのと同じような議論が聞けて、いろいろ考えさせられることの多い学習会だった。


10月13日(日曜日) きっかけ

 しばらく労働意欲が低下しまくり状態だったけど、少しだけエンジンがかかりそうになってきた。まだまだパワー全開のフル回転とはならないが、点火プラグに火花は散り始めているんじゃないかと思う。まあ、何事もきっかけが大切だということなのだろう。


10月14日(月曜日) マツタケ問題

 日朝首脳会談の際に、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)から日本政府に贈られた土産のマツタケの扱いについて、いまだにもめてるみたいだけどさあ、「処理した」っつーのはなんなんだよ「処理した」っつーのは…。子どもの時に、母親から「食べ物を粗末にしてはいけません」って教わらなかったのかよ。素直に「おいしくいただきました」って言えばいいだろーが。首脳会談にこぎつけるまでの労をねぎらって、関係者みんなで焼いて食おうが蒸して食おうが、そんなことでいちいち目くじら立てるような度量の小さい奴はいないだろう。

 …とまあこんなふうに茶化して、せいぜい笑いのネタにされる程度なんじゃないの、北朝鮮の「マツタケ問題」って。そんなに大騒ぎするようなことか。ホントどーでもいい話だと思うんだけど。


10月15日(火曜日) 生活基盤の積み重ね

 北朝鮮から5人の拉致被害者が一時帰国したが、24年ぶりというこの年月は大変な重さだと思う。本人はもちろんのこと子どもら家族にも、仕事や暮らしなどの積み重ねがあるわけで、生活基盤を移すのはそう簡単にはいかないだろう。だからこそ拉致事件の深刻さと悲しさが、余計に浮き彫りになるわけでもある。このような事情は、在日韓国・朝鮮人の人々の日本での生活についても、同じようなことが言えるのだ。心ない日本人から「朝鮮に帰れ!」などと罵られて、今さら彼らはどこに帰ればいいというのか。ちょっとでも想像力を働かせてみれば、朝鮮に帰るなんて無理なのは容易に分かるはずだろうに…。拉致被害者の一時帰国は、年月の積み重ねというものをしみじみ考えさせられる。


10月16日(水曜日) バージョンアップ

 取材先のMacintosh派の知人から、OSやソフトやブラウザなどのバージョンアップについて簡単なレクチャーを受けた。ちなみに僕が使っているMacintoshの機種は古くて、OSも実はいまだにバージョン7.5.5を使っているし、ネットスケープ・ナビゲータのバージョンも3.01である。「なんでそんな古いものを」と思われるかもしれないが、原稿を書いたりメールを送受信したりする分にはこれで特に支障がなかったのだ。それに下手にバージョンアップすると、システムが不安定になってフリーズを起こすのが怖いという不安もあった。しかし最近は、特にインターネットをする際にいろいろと問題が生じるようになってきた。助言を受けた知人もやはりそのへんのことを案じて、「ネットをしていて開けないサイトが出てきたでしょう?」と指摘してきた。そうなのである。ほかの人たちがどんどんバージョンアップを続けるから、それまでみんな問題なく利用できていたものが使えなくなっていくのだ。これって便利なんだか不便なんだかよく分からないよなあ。おまけに僕が愛用しているワープロソフトの「クラリスワークス」なんて、もう会社そのものがなくなって製造もしていないのだそうだ。そんなの初めて知ったよ…。そんなわけで、高速通信で常時接続のADSLに加入するかどうかよりも、まずはパソコンのさまざまなバージョンアップを先にしなければならないらしい。そういう作業ってかなり面倒みたいなんだよね。新しいパソコンを買わないで今の愛機を使う方針だから、そこに最新バージョンをインストールするのは無理だというし。こんなことに時間を使いたくないんだけどなあ。


10月17日(木曜日) 人格者

 拉致被害者・横田めぐみさんの両親って本当に偉い人だなあと、テレビを見ながらつくづく感心させられる。感情をむき出しにしたり怒りにまかせて罵ったりもせず、冷静に淡々と対応しているし、周囲にすごく気を配っているのがとてもよく分かる。かといって悲しみや怒りが伝わらないかというと決してそんなことはなく、逆に喜怒哀楽がしっかり伝わってくるのだ。「在日朝鮮人の子どもたちに嫌がらせするなんておかしい」ともはっきり言う。こういう人をこそ「人間のできた人」とか「人格者」というのだろう。だからこそ2人の言動には説得力と重みがある。見習いたい。


10月18日(金曜日) 歩行喫煙が減少?

 東京の新橋〜霞が関付近を歩いたが、歩きたばこのサラリーマンがぐっと減ったような気がする。もちろん中には相変わらずの非常識オヤジもいるけど、少なくともきょうの夕方の時点では、歩行喫煙者はあまり見かけなかった。ぜひ千代田区の「歩行禁煙条例」を全国に広げてほしい。…と思っていたら、横浜ではな〜んと、エスカレーターで堂々とたばこを吸うOLがいた。ちょっと信じられない光景だった。絶句。何を考えてるんだ(何も考えてないね)。


10月20日(日曜日) 「荒らし」

 インターネットでチャットをしていると、いわゆる「荒らし」と呼ばれる人たちが会話を邪魔しにくることがある。その場にまるで関係ないことを延々と発言したり、無意味な文章を大量に書き込んだりして、チャットを中断させてしまうのだ。外から見ているだけの「ROM」という状態の時は、その手の人がきても「また困った人たちが性懲りもなくやってきたなあ」と笑っていたし、初めて自分自身がナマの「荒らし」に遭遇した時も、最初のうちはもの珍しさもあって面白がっていた。しかしそれもほんの数分だけで、間もなく「荒らし」見物に飽きてしまう。さすがに延々と一方的に会話を中断されると、不快感がふつふつと沸いてくるのを実感した。

 この手の「荒らし」行為をする連中は愉快犯で、先方が困るのを見て楽しいと感じる寂しい人たちだ。自分も相手にしてほしいと本当は思っていながら、コミュニケーションの方法がほかに見つけられないのだろう。まあ、屈折した心理状態のとてもかわいそうな人たちである。一切構わずに無視していればそのうち向こうも飽きて去っていくことが多いけど、画面表示されるログ(発言記録)が、あっという間に流されてしまうのにはやはり閉口する。暇な人たちだなあと半ばあきれつつ、息抜きとして「荒らし」に付き合ってあげるしかないのだろうか。


10月21日(月曜日) 妨害右翼2人の控訴棄却

 かなり激しい雨が降っているけど、霞が関の東京高裁へ。女性団体主催の集会を中止に追い込み、参加者の顔にけがをさせたなどとして、威力業務妨害や傷害の罪に問われた右翼の男ら2被告の控訴審判決公判(分離公判組の2審)を傍聴取材。午後一番で開かれた法廷で、中西武夫裁判長は「原審判決に事実誤認は認められない」として両被告の控訴をいずれも棄却した。被告弁護側の主張の一つ一つに対して理由を述べるものの、一切相手にせずの姿勢で貫かれた判決だった。ちょうど15分で判決言い渡しが終了。その途端、被告を支援する傍聴席の右翼関係者らから「裁判長は反日左翼に怒りを感じないのか!」「天皇打倒は不当集会だぞ!」「お前らは日本人じゃない!」などと、延々と野次と怒号の嵐が続いた。おいおい、またか…。4日に横浜地裁で言い渡された判決の時(10月4日付「身辺雑記」参照)と同じである。裁判長はあきれた顔で「退廷しなさい」と繰り返していたが、しばらくしてさっさと引っ込んでしまった。不謹慎かもしれないけど、あ〜面白かった。下手なテレビドラマなんかを見るよりも、ずっと迫力があるんだもんな。

 新宿でジャケット購入。横浜で「天空の城ラピュタ」と「ルパン3世カリオストロの城」のDVDを買ってしまった。「カリオストロ」はともかく、「ラピュタ」はビデオも持っているのに…。きょうの東京、横浜はめっちゃ寒い。


10月22日(火曜日) 電話集中

 取材準備やアポ取りの電話をしていると、なぜか友人や知り合いなど、いろんなところからひんぱんに電話がかかってくる。しかも加入電話だけじゃなくて、ケータイやファクスまで集中する。そんなわけで、きょうは電話応対だけでほとんど終わってしまった。


10月23日(水曜日) 議論

 夕方から、東京・水道橋の新聞労連で会議。いったん決まっていた企画が前回の会議でひっくり返されて、どうしても納得できないところがあったので再度審議する。企画の本質的な方向性にかかわることなので、あえて蒸し返して議論することにしたのだ。おかげでえらく時間がかかってしまって、もうへとへと。それまで積み重ねてきた議論を、会議に突然やってきて一方的にひっくり返されてしまうと、とっても空しくなってしまう。あ〜、疲れる。

 会議終了後、スタッフ数人と近くの台湾料理屋へ。生ビールをごくっごくっと一気に飲む。ぷは〜っ。くううーっ、うまいっ。タラの内臓の塩辛と野菜のチヂミ、ビーフンがめちゃめちゃいけてる。これで少し気が晴れたかも(単純)。午前1時半ごろ帰宅。


10月24日(木曜日) 手帳とカレンダー

 相撲部屋の取材に行ったわけではないが、東京・両国へ。やはり相撲の街だけあって、ちゃんこ料理の店が多い。ちゃんこラーメンの店というのに入った。肉厚のチャーシューと煮たまごがすごくおいしかったが、何が「ちゃんこ」なのかはよく分からない。店の主人が元関取のようにも見えなかったけど。相撲部屋の脱落者か関係者なのかな…。力士が料理を作れば何でも「ちゃんこ」になるわけだから、昔は相撲をやっていたのかもしれない。

 来年の新しい手帳とカレンダーを購入。カレンダーはいつもの通り「となりのトトロ」シリーズ。来年は「メイとねこバス」なのだそうだけど、サツキファンとしては「サツキはどうなったんだ〜」と強く主張しておきたい。それはともかく、もうそんな季節なんだなあとしみじみ。とうことは、またまた面倒な年賀状を書かなければならないシーズンの到来でもあるわけだ。ああ、憂鬱。


10月25日(金曜日) 目薬から解放

 目の手術後3カ月の診察。経過は良好で特に問題なし。1日4回の目薬はもう点眼しなくていいとのこと。あれって、ものすご〜く面倒だったんだよなー。目薬が好きな人にとっては何ということもないのだろうけど。とにかく目薬から解放されてとてもうれしい。この後は3カ月・6カ月・1年と、間隔を少しずつ開けて診察するという。あしたは取材の前に、新しいメガネの調整だ。


10月26日(土曜日) 居眠り

 東京・お茶の水で教育基本法関連の市民集会を取材する。東大の先生の話は眠くて眠くてたまらず、後半になってついに居眠りしてしまった(睡眠不足だっていうこともあったけど)。新しく調整したメガネは、目が慣れるまでしばらく時間がかかりそうだ。


10月27日(日曜日) 鍋の季節

 女性編集者に誘われてデート(笑)。品川プリンスで待ち合わせてホテルの一角にある居酒屋へ。生ビールが渇いた喉にしみわたっていく。ん〜、しあわせ〜! ちゃんこ地鶏鍋がめっちゃうまかった。鍋の季節だよな。なかなかリーズナブルで雰囲気のよい店だ。


10月28日(月曜日) 「激しく厳しい」仕事ぶり

 性差別や「女性国際戦犯法廷」など戦争責任問題の運動に取り組んできた、ジャーナリストの松井やよりさん(元朝日新聞記者)の「健康回復を願い励ます友人の集い」が四谷で開かれた。僕も友人に誘われて顔を出した。松井さんは、今月初めに重い肝臓がんにかかっていることが分かったといい、残された自分の時間を平和のための「戦争資料館」づくりに費やしたいと夢を語った。松井さんと直接の面識はないけれども、もちろん記者としての活動やアジア女性資料センターなどの運動は知っている。マレーシアの熱帯雨林問題の記事を書いた時には、間接的に松井さんのグループにお世話になったことがあるし、横浜で右翼が女性団体の集会を中止に追い込んだ事件は、松井さんの講演を妨害するのが右翼の最大の目的だった。大先輩記者として尊敬するジャーナリストの一人だ。この日の集いには300人以上の人が詰めかけ、会場に入りきらないため入れ替え制にするほど。松井さんの大学時代や新聞記者時代の友人たちの励ましの言葉を聞いていて、これまでの「激しく厳しい」仕事ぶりと生き方が、今さらながらとてもよくわかった。常人にはなかなかちょっと真似ができない。


10月29日(火曜日) お腹がぐう〜っ!

 都内の教職員組合の本部書記局へ。委員長と突っ込んだ話をしていたら、お腹がぐう〜っと何回も鳴ってしまう。時間はちょうどそろそろ夕食タイムというころ。めちゃめちゃ恥ずかしくて内心は赤面ものだが、すっとぼけて相槌を打ったり、切り返しの質問をしたりして取り繕ったけど、絶対に気付かれてるよな…。あ〜カッコわる…。2時間以上の取材を終えると、速攻で近くのカレー店に飛び込んで空腹を満たした。前もって何か軽く食べておけばよかった。


10月30日(水曜日) 映画「ごめん」

 東京・神保町で編集者と単行本の打ち合わせをしてから、新宿のテアトル新宿で映画「ごめん」を観る。きのうの朝日(夕刊)の映画評を読んで、面白そうだったので足を運んでみた。なんと水曜日のテアトルは入場料が千円均一。よその映画館はレディースデーで女性のみ割り引き。これはラッキーだった。で、映画の内容は、大阪の小学6年生の男の子が、京都の中学2年生の女の子に恋してしまう物語。2つ年上の女の子に向かって、懸命に追い付こうとしながら成長していく少年の姿が、性の目覚めや家庭環境やクラスの友達との関係などとともにていねいに描かれる。2つくらい年上なんてどうってことないように思えるけど、小学6年生からすれば大変な大人だ。そんな思春期のなんとも切ない感情に、懐かしさを感じる。1800円を払うのはちょっときつい気もするが、千円だったら申し分なく微笑ましく見られると思う。派手じゃなくてむしろ地味だけど、なかなかいい作品だ。故相米慎二作品の助監督などで活躍した冨樫森が監督。原作はひこ・田中の同名小説(偕成社)。


10月31日(木曜日) チャットの友情

 チャットで毎日のように遊び始めてちょうど1カ月。いつも親しく話をする顔見知りの友達も何人かできた(なぜかみんな女の人だけど)。いつもは食べ物や映画や住んでいる街のことなど、たわいもなく肩の凝らない話を笑いながら楽しんで、それがストレス解消にもなっているのだが、そのうち特に親しみを感じる人たちとは、私生活などを含めてかなり突っ込んだ話をするようになる。相談ごとをされたりもする。そうするとそこには、友情のようなものさえ芽生えてくるから不思議だ。性別や年齢や住んでいる地域や生育環境の違いなどを超えて、同じ時間と空間を共有している「演劇性」が、一種の連帯感を生じさせるのだろうか。チャットはそんな不思議な感覚を体験させてくれる。まあ、そのうち飽きるかもしれないけれども。しかし、ただでさえ睡眠不足で不規則な生活が、ますますでたらめになっていくのが少し怖い。


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