身辺雑記2024年5月

 身辺雑記 

by totoropen (OOKA Minami)


2024 年5月1日〜5月31日

●石田和外がモデルとは●憲法改正なんてとんでもない●法律と国家権力の意思●映像の力●作文添削●野菜も食べ放題●安心感●政権交代したら●理不尽なクレームと正当な指摘●鶏肉とピーマン●ニュー新橋ビル●政権交代でマイナ保険証廃止を●ホロコーストの再現●公僕の自覚ない横浜市教委●改めて「カスハラ」について●予想以上に積極的●よりマシな選択●過剰反応●「冷笑」しているのはどっちだ●レジ袋や紙袋を無料に●「箱庭」再開発●日テレの調査結果●●●ほか


5月1日(水曜日) 石田和外がモデルとは

 NHKの朝ドラ「虎に翼」で描かれる「共亜事件」は「帝人事件」がモデルで、裁判官の桂場等一郎(松山ケンイチ)は石田和外がモデルだという読売の記事を読んだ。石田和外は帝人事件で無罪判決を起案するが、後に第5代最高裁長官として青年法律家協会(青法協)裁判官の脱退勧告や再任拒否をした。

 石田和外は、司法の独立を踏みにじる思想弾圧や人事統制を平然と行った超反動の極右の人物だ。「英霊にこたえる会」の会長や「元号法制化実現国民会議」の議長であり、「日本会議」の設立者でもある。読売の記事はもちろんそんなことには触れていないけど。「虎に翼」で石田和外を美化するような描き方がされたら、がっかりだなあ。素直に楽しめない。

 うーむ、これでは「虎に翼」の脚本・構成そのものに胡散臭さを感じてしまうではないか。戦争前夜で重苦しい時代のはずなのに、息が詰まる社会の空気が描かれていないのも、実は政治的意図があるのではと勘ぐってしまう。「虎に翼」を楽しむにしても、こうした背景を踏まえた上で見なければと改めて思う。


5月2日(木曜日) 憲法改正なんてとんでもない

 緊急事態条項の明記などを含む憲法改正を目指している自民党。しかし裏金問題や脱税や公文書の改竄などを見れば分かるように、法律を平然と無視し、あまつさえ憲法を堂々と踏みにじる自民党(や維新)の政治家が憲法改正を唱えるなんてとんでもない話だ。主権者たる国民の自由と人権を制限し、戦争へ突き進むための下準備でしかない。

 まずは日本国憲法を尊重し遵守すること。基本的人権や国民主権や平和主義が、人々の暮らしと生活に生かされて根付くこと。それが何よりも大切だ。話はそれからだ。


5月3日(金曜日) 法律と国家権力の意思

 穂高教授(小林薫)に対して、桂場裁判官(松山ケンイチ)「あいつらは私利私欲にまみれた汚ねえ足で踏み込んできやがったんですよ。司法の独立の意義も分からぬクソ馬鹿どもが。私があいつらにヘイコラ尻尾なんぞを振るわけないでしょ」。寅子(伊藤沙莉)に対して、桂場「法を司る裁判官として当然のことをした。それだけだ」。きょう3日に放送されたNHK朝ドラ「虎に翼」から。

 帝人事件(ドラマでは共亜事件)で無罪判決を起案した際の石田和外(ドラマでは桂場裁判官)は立派だったが、その信念は「自身の思想に反しない限り」だった。後々の憲法擁護や人権尊重などを掲げる青年法律家協会(青法協)裁判官に対する思想弾圧や人事統制、さらには国家主義的な言動から、石田の信念がいかに「偏った信念」なのかが明白になるのだが。

 寅子「ずっと考え続けてきたんです。法律とは何なのか。法律は道具のように使うものではなくて、法律自体が守るものというか。綺麗な水が湧き出ている場所というか。私たちは綺麗な水に変な色を混ぜられたり、汚されたりしないように守らなければならない。綺麗な水を正しい場所に導かなければならない」。はて。例えば治安維持法など、国民の自由を奪って弾圧し国家が統制する法律も肯定し、国家権力(政府)の意思を守る司法を肯定する、と考えると恐ろしいものがあるのだけど。

 【追記】寅子の台詞の「綺麗な水」「変な色」「正しい場所に導く」とはどういうことだろう。憲法記念日に「護憲」を暗示しているのだとしても、この時代は「大日本帝国憲法」であるわけで。そもそも治安維持法や特高警察の存在を考えると、なおさら危うさと違和感しかないなあ。「国家権力を縛る憲法」と「国家権力を守るための司法」に対する問題意識がないなら能天気すぎる。(追記:2024/05/04)

【関連記事=4月28日付5月1日付「身辺雑記」】


5月4日(土曜日) 映像の力

 苦しみながら死んでいった妻への思いを語っている最中に、環境省職員に話を遮られマイクの音を絞られた水俣病患者連合副会長の悲しそうな表情たるや……。環境省職員や大臣ら国の非人間的な姿勢と対応を、映像が見事に物語っている。何度見ても、胸が締め付けられる思いになる。

環境省の職員が「話をさえぎり、マイクの音を絞る」、水俣病の患者・被害者団体が環境大臣に「苦悩を訴える」会の最中(RKK熊本放送)

→ https://news.yahoo.co.jp/articles/e856aad22f33b7fbd4244e20685ae810f9f60858

◇◇◇◇◇

 【おことわり】5月3日付「身辺雑記」の文末に「追記」を掲載しました。


5月6日(月曜日) 作文添削

 駅前の隠れ家にこもって、ひたすら学生の作文を添削する。新学期の初期段階なので、最低限これだけは指導しておかなくてはならない指摘が多く、コメントを書き込む分量が膨れ上がる。赤ペンのインクがあっという間になくなってしまう。ふう。疲れる。


5月7日(火曜日) 野菜も食べ放題

 野菜をたくさん摂取したくなって、しゃぶしゃぶ食べ放題に行った。もちろん肉も大量に食べるのだが、野菜も食べ放題なので意識して確保する。マイブームはチンゲンサイやレタスにくるんで、辛味噌を付けた肉を頬張る食べ方だ。これなら美味しく野菜がたっぷり食べられる。うーん、満腹。


5月9日(木曜日) 安心感

 「iPhone6s」から「iPhoneSE3(第3世代)」に買い替えて2週間。なんと言ってもバッテリーの持ちが全然違う。充電して100%だったはずのバッテリーが、あっという間に減っていたのが嘘のようだ。1日経ってもなかなか減らずに80%〜90%を維持している。この上ない安心感がある。心地良い。


5月10日(金曜日) 政権交代したら

 次の衆院選で政権交代が実現したら、立憲民主党に実行してほしいこと。マイナ保険証の撤廃。現行の健康保険証の維持。インボイス制度の廃止。消費税ゼロ。選択的夫婦別姓……。どれもこれも国民に余計な負担と不便を強いて痛めつけるだけで、税金の無駄遣いでしかなく、税収増にもならない。自由で多様な家族の形に反し、国際感覚からも乖離している。

 ほかにもたくさんあるけど、圧倒的多数の民意に反する自民党政権の数々の横暴と無法を、今こそ民意に沿って是正すべきだ。政権交代したらとりあえず、しっかり敢行してもらいたい。


5月12日(日曜日) 理不尽なクレームと正当な指摘

 理不尽なクレームや暴言や威嚇を客が繰り返す「カスタマーハラスメント」は論外で、店側や従業員が毅然とした対応をするのは当然だが、その一方で、店側や従業員に問題がある場合も少なくない。不誠実な態度で開き直ることもある。正当な指摘や抗議に対して誠実に向き合うのは、店側や企業側の義務だ。消費者の権利は守られなければならない。

 不当な「カスハラ」から従業員を守るのは当たり前の話だが、それが悪用されることはないのか。消費者サイドの正当な指摘や抗議や要求が「カスハラ」扱いされ、排除されることを強く危惧する。


5月13日(月曜日) 鶏肉とピーマン

 上大岡駅近くの中華料理店でランチ。「鶏肉とピーマン沙茶醤(サーチャージャン)炒め」を食べた=写真。沙茶醤は、魚介の旨味を凝縮して香辛料などを加えて煮込んだ調味料。とにかく鶏肉がてんこ盛り。ピーマンとの相性が抜群。タケノコとシイタケの卵スープも美味しい。800円。


5月15日(水曜日) ニュー新橋ビル

 NHK総合「すこぶるアガるビル」の最終回は「ニュー新橋ビル」だった。デザインにまつわる話やビルの成り立ちなど、知らないことがたくさんあって面白かった。最近すっかりご無沙汰だけど、映画や新幹線の安いチケットを買ったなあ。上層階に総合ジャーナリズム研究所の編集部が入っていた。高校生の時に原稿を頼まれて、初めてニュー新橋ビルに行った。少し大人になったように感じたのを思い出した。懐かしい。


5月19日(日曜日) 政権交代でマイナ保険証廃止を

 ほとんどだれも使っていないし、ほとんどだれも望んでいないマイナ保険証を、この期に及んでまだ「積極的に促進していく」(岸田首相)とは、国民を愚弄するにもほどがある。利用者にも医療関係者にも不便で余計な手間がかかるだけ。いい加減にマイナ保険証なんて諦めろよ。

 そもそもマイナンバーカードは強制ではなく、あくまでも任意だったはず。自民党には不信しかない。政権交代でマイナ保険証を廃止し、紙の健康保険証を維持させよう。


5月21日(火曜日) ホロコーストの再現

 ユダヤ国家のイスラエル自身が、ナチスのホロコーストをガザで再現している。イスラエルのガザ攻撃は大量虐殺(ジェノサイド)そのもの。イスラエル首相のネタニヤフが犯罪者なのは明白だ。このままだと「ユダヤ殲滅は当然」といった嫌悪感情が世界中に広がりかねないが、イスラエル国民はそれでいいのか。


5月22日(水曜日) 公僕の自覚ない横浜市教委

 横浜市教育委員会が職員50人を動員して、裁判の傍聴席を毎回埋め尽くしていたことが明らかに。公開裁判という司法の根幹を教育行政が踏みにじることがそもそも論外。いじめ事件を隠蔽して開き直るなど、公僕の自覚も良心の欠片もない横浜市教委らしい無法ぶりだ。しかも職員の動員には税金が使われている。「今後こうした動員はしない」で済む話ではなかろう。少なくとも関係者の懲戒免職と、不当に支出した税金の全額返還は不可欠だ。

横浜市教委、教員のわいせつ事件裁判で職員動員し傍聴席埋める(NHK)

→ https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240521/k10014456441000.html


5月24日(金曜日) 改めて「カスハラ」について

 「カスハラ」という言い方がそもそもおかしい。明白な犯罪には毅然と対応すればいい。チェックインの時間を守らず理不尽な言いがかりを続ける客や、ラーメンに大量の爪楊枝を投入し嫌がらせの電話をかけてくる客は威力業務妨害や脅迫。タクシー車内で暴れて暴力を振るう客は傷害罪。明確な犯罪だ。犯罪行為は速やかに通報し、捜査機関が取り締まりの対象として立件すればいいだけの話だろう。

 もちろん店側に明らかな落ち度がある場合は、客側は正当な要求として冷静に問題点を指摘すればいい。それで改善されなければ消費者センターなどに訴えればいい。店側も客もそれぞれ常識の範囲で法律に則って行動し、違法行為には毅然と対応すればいい。それを怠るから一部の馬鹿がつけ上がるのだ。


5月25日(土曜日) 予想以上に積極的

 前期の半分ほどが終わったところで、授業を学生に振り返ってもらった。意外にもと言うと失礼だが、レジュメの大事な部分をマーカーでチェックし、帰宅後も返却された添削を読み返して、課題や反省点を確認している学生が予想以上に多い。配布資料も読み込んでいるという。積極的だなあ。放ったらかしじゃないんだ。なるほど、成長著しいのも頷ける。講義内容も圧倒的に好評。ほっと安心。素直にうれしい。


5月27日(月曜日) よりマシな選択

 どの候補者(予定者)にも入れたくなくても、あるいは「どうしても入れたい」と思える候補者がいなくても、それでも一票を投じなければ(選択しなければ)ならないのが選挙。だったら「よりマシな人」に入れるしかいない。都民ではないので都知事選には投票できないけど。どんな選挙も同じだ。

 静岡県知事選も「よりマシな候補者」が当選してよかった。リニア中央新幹線のトンネル掘削工事が進む周辺では井戸が枯れ、溜め池の水位が低下するなどの異変が起きている。原因は明らか。自然も地元住民の生活も破壊し、経済効率も悪い。大地震が起きたら乗客はどこに逃げるんだ。想像するだけでゾッとする。リニア新幹線は必要ない。新知事は賢明な判断を。


5月28日(火曜日) 過剰反応

 「衛星ロケット」を打ち上げると北朝鮮が事前通告しているのに、「ミサイル発射」と繰り返すことに強烈な違和感がある。Jアラート(国民保護に関する情報)などと称して危機感を煽る政府にも、一斉に通常番組を切り替えて延々と無意味な情報を垂れ流すメディアの過剰反応にも。H2やH3の打ち上げの度に、周辺各国が警報を鳴らして大騒ぎするだろうか。そんな滑稽さ。

 後から「衛星ロケット」と言い換えても、各局一斉に大々的に緊急特番を流す影響力は絶大だ。テレビで「ミサイル発射」と何回も何回も繰り返すことによる刷り込み。サブリミナル効果を狙っているんじゃないかとさえ思える。「大事なことから国民の目を逸らす」という政治的意図を感じる。


5月29日(水曜日) 「冷笑」しているのはどっちだ

 朝日新聞の「悩みのるつぼ」(5月18日付be-10面)を巡って「批判」が続いている。「世界の理不尽に我慢できない」と言う相談者に、「それなら実際に戦場で戦ってくればいい」と応じたタレントの野沢直子氏の回答は乱暴だし、無批判にはしゃぐ担当編集者は調子に乗っているとしか思えないが、しかし「現場に自分で行けば?」と「朝日新聞が回答」したわけではない。こんな回答もあると提示すること自体は、考える材料としてはありだろう。見当違いで的外れで、言いがかり同然の「批判」の数々に唖然とする。

 むしろそれよりも解せないのは、「沖縄に行って米軍基地と隣り合わせの生活を見て、不正義や理不尽に声を上げては」とコメントした藤田直央編集委員に対する批判だ。至極真っ当な提案ではないか。遠い外国の問題に憤るのも大事だが、身近なところにも重大な問題があるではないか、もっと沖縄に関心を持ってくれよ、という意見は極めて本質を突いている。

 これを「冷笑」と言うのなら、そう言って切り捨てる人こそが、実は何も考えず行動もせず「冷笑」している側であろう。映画「関心領域」が頭に浮かぶ。アウシュビッツ収容所のすぐ隣の豪邸で、何事もないかのように日常生活を謳歌する収容所長一家の姿と重なる。「冷笑」と批判する人たちこそ「無関心」な収容所長一家そのものだ。中島みゆきの「ファイト!」のフレーズが聞こえてくる。「ファイト! 闘う君の唄を 闘わない奴等が笑うだろう」──。「冷笑」しているのはどっちだ。


5月30日(木曜日) レジ袋や紙袋を無料に

 レジ袋や紙袋の有料化ほど馬鹿げたものはない。そもそも弁当をレジ袋に入れないなんて不衛生極まりない。レジ袋の有料化は千歩譲ってまだ理屈は通るかもしれないが(それでもプラごみ削減にはならない)、紙袋の有料化にどんな大義名分があるというのか。

 むしろ紙袋は強く推奨したい。無粋なレジ袋よりも紙袋の方が断然いい。古紙を再生利用した紙袋なら何の問題もないはずだ。もちろん必要ない人は受け取らなければいい。レジ袋を無料提供する崎陽軒やヨドバシカメラを心から支持する。


5月31日(金曜日) 「箱庭」再開発

 神宮外苑の再開発計画は中止一択しかない。貴重な憩いの空間を破壊し、不動産会社や関係者が利潤を貪るだけで、多くの市民には何のメリットもない。日比谷公園の樹木伐採も同じ匂いがする。米国で言えばセントラルパークの緑を破壊するようなもの。あり得ないだろう。いったいだれのための何のための工事なんだ。市民の存在がどこにもない。行政と不動産業者の「箱庭」再開発はやめろ。うんざりだ。

◇◇◇◇◇

 日本テレビが「セクシー田中さん」の調査結果を公表。「セクシー田中さん」の原作者で漫画家の芦原妃名子さんが自ら命を絶つという、取り返しのつかない最悪の結果を招いたことへの反省や謝罪が感じられない。「制作関係者や視聴者を不安な気持ちにさせてしまった」「制作過程で認識の齟齬があった」で済む話ではない。そもそも脚本家やプロデューサーの言動が厳しく問われなければならないはずだが。

 芦原妃名子さんが自ら命を絶って4カ月。こんなに時間をかけて、この程度の調査結果の公表とは。しかも調査内容の会見の生中継も拒むとは。取り返しのつかない事態を招いた自覚はあるのだろうか。あまりにも不誠実な日本テレビの姿勢に驚く。


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