●東京高裁の一方的な結審●答案採点●成績評価終了●「横浜事件」刑事補償決定で実質無罪●「冤罪ファイル」第9号●冷えない冷蔵庫●パンフ編集会議●冷蔵庫とエコポイント●冷蔵庫配達●名刺発注●「冤罪ファイル」編集会議●オリジナル原稿用紙●援護射撃に感謝●五輪競技の生中継は公共放送で●久しぶりの腰痛●検察やマスコミ批判もいいけれど●津波警報●●●ほか
午後から東京・霞が関へ。卒業式や入学式で、国旗に向かって起立し国歌を斉唱する義務のないことの確認を、神奈川県立学校の教職員135人が神奈川県に求めた裁判(2009年7月16日付「身辺雑記」参照)の控訴審を傍聴取材する。東京高裁の藤村啓裁判長は、原告弁護団から出された憲法学者の意見書提出申請に対して、「意見書は必要ないと考える」と一蹴し、この日の第2回口頭弁論で審理の終結を宣言した。あっけにとられる弁護団や傍聴席から、驚きと不満の声が一斉に上がる中、藤村裁判長はそそくさと法廷から立ち去っていった。
控訴審では事実審理はほとんどせずに、1回か2回ほど形ばかりの法廷を開くだけで結審してしまうことはよくあるが、ここでもそ同じ光景が展開されたことになる。しかしこれは裁判長の中では既に結論は決まっていて、関係者や証人の話など聞くまでもないと宣言したに等しい。一審を何らチェックすることもなく追認し、原審の判決文をそのままコピペして済ませるということだ。刑事事件でも民事事件でもいつも思うが、あまりにひどすぎる。何のための高裁なのか、何のための高裁判事なのだろうと愕然とする。
閉廷後に開かれた報告集会で、主任弁護人の大川隆司弁護士は、「藤村裁判長は三くだり半の判決を書くんだなという態度が見え見えだった。しかし一審の横浜地裁の敗訴は意外だったが、控訴審のここまで露骨に敗訴させるというのは意外ではない。東京高裁にはこういう裁判官が集まっているのだから。最高裁では一人一人の裁判官が自分の意見を開陳しなければならないので、恥ずかしい判決は書けない。弾圧するばかりでないまともな判決も出てくる。最高裁で結果を出せばいい」と述べた。この前向きな解説に、参加者の間には和やかな空気が広がった。明るい光が見えた瞬間だ。続いてほかの弁護士からも、藤村裁判長の経歴や人物像などのエピソードが語られたが、これも興味深く聞かせてもらった。
東京・虎ノ門の居酒屋で原告弁護団と懇親会。その後、高校の先生と自宅近くの居酒屋へ。本格的な雪が降ってきたが、ここだと歩いて帰れるので電車を気にせず安心して飲める(おいおい)。しかし本気で雪が降ってきて、帰り道はさすがにちょっと辛かった。
2月2日(火曜日) 答案採点定期試験の答案採点をようやく終える。なんだか例年よりも出来が悪くてちょっと落ち込むなあ。もちろんちゃんと書けている学生は、文章もしっかりしていて文句なしの内容なんだけど。まるでどうしようもない答案が予想以上に多くて、しかもその格差が激し過ぎる。しかしまあそれが現実なのだ。嘆いていても仕方ない。出席点とレポート点を加味し、方程式に当てはめて成績評価。すると見事なまでに試験結果とぴったり合致して、納得できる成績評価が算出されるのだった。われながら天晴れな方程式である(苦笑)。
とは言うものの、いつものことながらボーダーラインの学生はやはり何人か出てくる。わずかながら合格点に届かず、厳密に言うと単位認定できない学生はかわいそうなので、なんとかならないかともう一度あれこれチェック。5人ほどについてはそれなりの理由を見い出して、点数を底上げしてフォローした。だけど出席点もダメでレポートも出してなくて、試験内容もデタラメだと救いようがないので、ちょっとフォローできません。諦めてください。
2月3日(水曜日) 成績評価終了マークシートの採点簿に成績評価を記入。1枚ずつ確認しながら印鑑を押して完成。大学の教務課に採点簿を簡易書留で郵送。これで成績認定の作業終了だ。疲れた。めちゃめちゃ眠い。授業をするだけだったらものすごく楽なんだけどなあ。
2月4日(木曜日) 「横浜事件」刑事補償決定で実質無罪朝から関内の横浜地裁へ。戦時下最大の言論弾圧事件といわれる「横浜事件」の再審で、「免訴」の判決を受けた元被告5人に対する刑事補償が決定。元被告の遺族と弁護団が地裁に入っていくところから、決定を受けての記者会見などを取材する。「横浜事件」は雑誌編集者ら多数の出版関係者が壮絶な拷問を受け、治安維持法違反の「犯罪」をでっち上げられた冤罪だ。昨年3月の第4次再審公判の判決では、有罪か無罪かの判断をしない「免訴」が言い渡されていた(3月30日付「身辺雑記」参照)。
横浜地裁(大島隆明裁判長)は、元被告の遺族が請求した通り満額の計約4700万円の刑事補償を認める決定をした。大島裁判長は、「(法律の廃止などの免訴理由がなく)再審公判で裁判所が実体判断をすることが可能であったならば、無罪の判決を受けたであろうことは明らか」と述べ、実質的に無罪とする判断を示した。この決定は、官報や新聞に公示として掲載されるため、元被告の名誉回復が図られることになる。
決定は、特高警察(神奈川県警特別高等課)の違法な捜査について、「極めて脆弱な証拠に基づいて逮捕した。暴行・脅迫を用いた取り調べは許されない。違法な手法で捜査を進めたことには、故意に匹敵する重大な過失があったと言わざるを得ない」と断罪した。続いて検察官についても、「特高警察の拷問などを知り得る立場にあった。取り調べ状況を報告させて是正措置を講じるべきで、証拠の信用性などを慎重に吟味する必要があったのに、拷問の事実を見過ごして起訴した」と認定した。
さらに裁判官についても、「被告人は拷問の事実を訴えていたのに、予審判事は深く追及せず公判に付した。確定審裁判所が慎重な検討をしたとは認められない。総じて拙速、粗雑と言われてもやむを得ないような事件処理がされたと見ざるを得ず、慎重な審理をしようとしなかった裁判官にも過失があったと認めざるを得ない」と批判し、裁判所の責任に言及。その上で事件を、「特高警察の思い込みの捜査から始まり、司法関係者による事件の追認によって完結した。警察、検察、裁判の各機関の故意・過失は重大だった」と総括した。
◇◇ 第4次再審請求弁護団の佐藤博史弁護士は、受け取ったばかりの決定にざっと目を通して、「すごい決定ですよ。決定的で画期的な決定ですよ」と顔を紅潮させて何回もそう繰り返した。
第4次再審請求の関係者は、横浜弁護士会館で記者会見。元被告の小野康人さんの遺族は、「司法・裁判所や当時の捜査機関の責任についても述べられている。画期的な決定だ。逮捕された60数人すべてにかかわる問題。感謝している」(二男の小野新一さん)、「やっと勝ち取った。本当の答えがきょうやっと出てきた。再審請求した全員の人に聞いてほしい」(長女の齋藤信子さん)と笑顔で喜びの気持ちを表現し、横浜地裁の決定を高く評価した。受け取ることになる刑事補償金は全額を、「横浜事件」の記録集の出版費用に充てるつもりだという。
佐藤弁護士は記者会見でも、「私たちが望んだ最高の決定だ。大島裁判長だからこそ書けた決定でしょう。大島裁判長にめぐり合ったのは大きい」と興奮気味だった。一方、第1次再審請求から弁護団を引っ張ってきた大川隆司弁護士は、「治安維持法という悪法がこのような冤罪を生んだ。司法関係者すべてが責任を負うべきだということを、日本の裁判所が公式に認めた決定で、非常に大きな意味がある。重い決定だと思っている」と感慨深げに述べた。
これとは別に第3次再審請求の関係者は、神奈川県庁の記者クラブで記者会見を開いた。こちらは決定を手放しで喜ぶという感じではなく、無罪判決でなく「免訴」だったことにこだわりを見せて、複雑な思いを最後までにじませた。元被告の木村亨さんの妻・まきさんは、「これで終わったとか、よかったという気持ちにはなれない。これからもいろいろな方法で闘い続けていきたい。今回の決定をある程度は評価するが、怒りが消えることはない」と語る。「免訴」という形で司法は逃げた、再審判決で裁判所はなぜ「無罪」と言えないのか、という思いが残るという。
第3次再審請求弁護団・事務局長の森川文人弁護士も、「拷問による自白を断罪し、元被告の無罪を明らかにした今回の決定に敬意を表する」としながらも、「心から喜ぶことはできない」と話す。再審公判で「免訴」の判決とすることで、「国家的犯罪に正面からメスを入れて自ら反省することをしなかった」と司法のあり方を厳しく批判した。
2月5日(金曜日) 「冤罪ファイル」第9号季刊誌「冤罪ファイル」の第9号が、今月1日から全国の書店で発売中だ。この号で僕は3本の記事を執筆している。連載企画「裁判官の品格」シリーズの第7回は、大阪高裁刑事5部の小倉正三裁判長を取り上げた。「神戸質店主強盗殺人事件」の控訴審で、一審の無罪判決を破棄して逆転有罪判決を言い渡し、ファイル共有ソフト「ウィニー」の開発者が著作権法違反幇助の罪に問われた事件では、逆転無罪判決を言い渡した裁判長だ。小倉氏には相当厳しい記事内容になっている。
あと2つはどちらも見開き2ページの短い記事で、一つは「松川事件」で死刑から逆転無罪になった故・佐藤一さんを「語る会」の紹介コラム。もう一つは、「福岡事件」を題材に学園祭で裁判員裁判劇を企画した関東学院大学法学部の学生たちの「審理」を取り上げたコラムだ。いずれも昨年10月にこの「身辺雑記」で紹介しているが、その時に書いた文章に大幅な加筆修正をした。お近くの書店で手に取ってお読みいただければうれしいです。
2月7日(日曜日) 冷えない冷蔵庫突然、冷蔵庫が冷えなくなった。モーター音はするのだが、冷蔵庫の中は全く冷えない。ちょうど生鮮食料品のほとんどを食べてしまっていたので、被害はそれほどなくて助かったが、冷凍庫も同様で、8個ほど入れてあったカップのアイスクリームは、すっかり溶けて全滅してしまった。ああもったいない。それはともかく、冷蔵庫の裏側から時折「パン」とか「カチッ」と変な音がする。危ないのでコンセントを抜いた。これから冷蔵庫が使えないというのは、どう考えても不便きわまりない。10年以上は使っているので、これはやっぱり買い替えなければダメか。痛い出費だなあ。
2月8日(月曜日) パンフ編集会議夕方から東京・四谷。教育裁判のパンフ編集企画会議。高校新聞ふうパンフの題字(新聞タイトル)は、「よみすて新聞」とすることが確定した。印刷所の担当者に来ていただいて、割り付けなどの指示と説明をする。本文記事の原稿や画像などのデータはメールで別送することに。会議終了後、近くに新しくできた中華料理店で遅い夕食。店員は全員が中国人のようだ。まあまあの味と値段だったけど、メニューに消費税が別であることを分かりやすく表示していなかったのは、ちょっとがっかりした。改善に期待。
2月9日(火曜日) 冷蔵庫とエコポイント近くの家電量販店で冷蔵庫を購入した。これまで使っていたのとほぼ同じ大きさと機能のものにする。今までと別のメーカーの製品だが、使い勝手もいいし価格も手ごろなのでそう判断した。配送料は無料で、エコポイントが約1万点分(約1万円相当)ついてくるという。さらにこれに家電量販店のポイント還元サービスを加えると、表示価格よりもかなり安くなるのでありがたい。
エコポイントの請求手続きは、説明を聞いているだけでもうんざりするほど面倒くさいなあと思った。生まれて初めてのエコポイント体験だ(笑)。提出書類や添付伝票なども煩雑そうだが、こうした手続きを家電量販店側が一括して代行すると説明されると、どうでもいいから丸投げしてすべてお任せします、と応じてしまうのが人情というものだろう。まあ、原資となるのは国民の貴重な税金だし典型的なお役所仕事だから、手続きが煩雑なのもある程度は仕方ないことかもしれない。
高校新聞ふうパンフ「よみすて新聞」の原稿データを、印刷所に送信。題字(新聞タイトル)の版下も作成して、未明にファクスで送った。これであとは組み上がってくるのを待つだけだ。
2月11日(木曜日) 冷蔵庫配達新しい冷蔵庫が配達されてきた。業者の人に設置してもらって、壊れた古い冷蔵庫を回収してもらう。リサイクル料金を支払って完了。早速、外に出してあった飲み物などを冷蔵庫に入れる。よかったよかった。これでスーパーの特売があっても、安心して生鮮食料品が買えるようになったよ。
2月14日(日曜日) 名刺発注そろそろ名刺の在庫がなくなってきたので、行きつけのデザインショップに追加注文する。いつものパターンと変わらない内容で、とりあえず200枚。文字の大きさやデザインを少し変えようかなとも思ったが、それだと料金が高くなるので今回はそのまま現状維持することにした。
2月17日(水曜日) 「冤罪ファイル」編集会議昼過ぎから東京・新宿。季刊誌「冤罪ファイル」の編集会議。編集・発行体制が諸般の事情で、次号から大幅にリニューアルされることになった。オーナーからそのような説明があった。誌面の内容そのものはこれまで通りなのだが、版元や編集形態が変更される。まあ、こういう雑誌がそこそこだけど売れて、発行が維持されているだけでも奇跡的なことではある。仕方がないか。さらに、これまで編集や執筆の中心になってきたメインライターが体調を崩して、しばらく静養しなければならなくなった。それはもうものすごく影響は大きい。これからいろいろと大変になりそうだ。
2月18日(木曜日) オリジナル原稿用紙インターネットで無料配布されている原稿用紙をダウンロードして、オリジナルの原稿用紙を作った。授業で学生に文章を書かせるための原稿用紙だ。毎週の宿題はパソコンで書いて提出させるつもりだが、授業中に書いてもらう作文は手書きなので、原稿用紙が必要なのである。原稿用紙の印刷を依頼しようと思って大学に問い合わせたら、レポート用紙や試験用の用紙はあるが、マス目の入った原稿用紙は用意していないとのことだった。
やっぱりなあ。たぶんそうだろうとは思っていたのだが、結局は自分で作って用意しなければダメなんだなあ。ということで、ネットで入手した原稿用紙をあれこれアレンジ。授業で使うための用紙の印刷版下を作って、ついでに自分の名前を入れた専用のオリジナル原稿用紙も作成してみた。ちょっとカッコいいかも。原稿用紙に向かって手書きで原稿を書くなんて、もう十数年以上もずっとやってないなあ。今後もたぶんないだろうけど、たまには万年筆で原稿用紙に綴ってみようかな。
【おことわり】2月4日付から2月18日付の「身辺雑記」を、まとめて更新しました。
2月20日(土曜日) 援護射撃に感謝夕方から東京・四谷。教育裁判をすすめる市民団体の会議に顔を出す。高校新聞ふうパンフ「よみすて新聞」の事実上の最終確認をしてもらった。これまで印刷所からは初校、第2校、第3校とゲラが上がってきて、体裁などの修正指示を中心に順調に作業が進んでいた。このままいつでも校了できる状態になっていた。ところが最後の土壇場にきて、本文記事の細かな表現などに「外野」からあれこれ注文(雑音)が入り始めて、収拾がつかなくなりそうな様相を呈していたのだが、きょうの会議の議論と説明でなんとか納得してもらうことができた。編集企画委員会(編集部)の優秀で頼もしいメンバーが、冷静で説得力ある援護射撃をしてくれたおかげで助けられた感じだ。深く感謝。なんとかまとまって、ほっとした。
市民運動や労働運動をしている人たちが、自分たちの価値基準をベースに主張や思いを全面展開したい気持ちは分かるが、しかしそれだと従来の内輪向けの宣伝ビラや機関紙と大差ないものになってしまう。無関心層に面白がって興味を持ってもらって、ぐっと引き付けて読んでもらうことが何より重要だ。それがこのペーパーのコンセプトなので、明らかな事実誤認や誤字の指摘は別にして、記事内容については編集部に一任していただかないといつまでたってもまとまらない。そこのところを理解していただけて、心から安堵した。あとは数字や字句の誤りなどを修正すれば、来週末には印刷発行となる予定だ。会議終了後、近くの居酒屋で軽く飲み会。
2月22日(月曜日) 会議夕方から東京・四谷。教育裁判のパンフ編集企画会議。「よみすて新聞」とは別バージョンのリーフレットの内容について議論。終了後、近くの居酒屋へ。
2月23日(火曜日) 五輪競技の生中継は公共放送で冬季五輪のカーリングは見ていてとても面白い。氷上での「おはじき」の拡大判みたいなものと考えていいのだろうが、なかなか知的で緻密でスリリングなゲームだ。選手が指示するかけ声もなかなか興味深くて楽しい。ドイツ選手の吠えるようなかけ声は、やたらうるさいだけで鬱陶しかったので、思わずテレビのチャンネルを変えてしまったけど。一方、フィギュアスケートは優雅で晴れやかだが、怖くてずっと見ていられないところがある。もちろん失敗せずに最後まで滑り終えてほしいと応援しながら見ているが、転倒したりしないかとハラハラドキドキして、チャンネルを変えてしまうことも。演技を見る側にも集中力と平常心が求められる。
ちなみに、こういう五輪競技の中継はやはりNHKの放送に限ると改めて強く思う。ゲームの最中にCMを入れられると、その間のゲーム運びが全くの空白になってしまって、分からなくなってしまうからだ。興醒めもいいところだ。野球やボクシングやサッカーなどと違って「休憩」がない競技だと、民放はゲームを寸断してCMを入れざるを得ない。例えばカーリングの試合を民放がライブ中継すると、NHKは生放送できないから録画放送になってしまうが、実に迷惑で鬱陶しいにもほどがある。五輪中継は公共放送に任せておけばいいではないか。人気のある競技の生中継はすべてNHK総合で放送して、そうでない競技はNHKのBSで放送すればいい。民放が巨額の経費を使ってわざわざ生放送することもなかろう。こんなところで民放はNHKに対抗しなくてもいい。
2月24日(水曜日) 資料収集春休み期間中だが大学へ。とても暖かで過ごしやすい。ジャケットだけで十分な陽気だ。しかしそのせいか花粉がかなり飛んでいる気が…。パソコンセンターで調べもの。資料を大量に印刷する。近所の家電量販店でコピー用紙500枚を2束購入。このところファクス受信や原稿のプリントでたくさん使って、在庫が底を尽きそうになったのでその補充である。それにしてもやはり紙は重いなあ。
2月25日(木曜日) 久しぶりの腰痛寝違えたのか、不自然な姿勢がよくなかったのか、突然ギックリ腰の一歩か二歩くらい手前のような感じで腰が痛くなった。あまり腰が痛くなるようなことはないのだが、実に久しぶりの現象だ。外出するのを控えて、終日おとなしくしていることにする。
2月26日(金曜日) 検察やマスコミ批判もいいけれど夕方から東京・春日。月刊誌が主催する「検察と報道のあり方」をテーマにしたシンポジウムに顔を出す。予約が殺到して会場前には延々と長い行列。執筆者の一人なので優先的に入れてもらった。パネリストは元高検公安部長、国会議員、弁護士、自称ジャーナリスト、元週刊誌編集長、元通信社記者ら。ネットやブログ、ツイッターで告知したこともあって反響がとても大きいと主催者は話していたが、どうにもこうにも客層がものすごく偏っている気がする。既存のマスメディアに対する反発・反感を抱いている参加者がやたらと多いみたいで、野次や不規則発言も目立っていた。それはそれでも構わないとは思うけど、事実誤認や思い込みの激しさだけでは建設的な議論にならないだろう、というのが率直な感想だ。特定のパネリストに対して集中放火的な個人攻撃が繰り返されたのも、そもそも人としてあまりにも無礼な振る舞いで、礼節を欠く態度ではないかと不快に感じた。
検察の一方的で政治的な「正義」にはもちろん僕も大いに疑問を感じているが、正確な根拠があまり示されずに「謀略論」的な議論が際立っていたり、感情論に任せた説明不足な発言が繰り返されたりしたのは、あまりにも説得力に欠ける。「検察はおかしいという声や、検察に対する不信感が、国民の間にはかつてないほど高まっている」といった解説もあったが、しかし圧倒的多数の国民はそんなことは考えていないのが現実ではないかと思う。民主党の小沢幹事長に対する一連の検察の動きに、多くの国民は疑問を感じていないからこそ、このところ内閣支持率は大幅に下落しているわけで、冷静さを欠いた思い込みや願望論で議論してしまっては、現状や問題点を正しく分析することはできないだろうと強く感じた。ところどころ面白い発言もあったが、総じて期待外れのディスカッションだった。
2月28日(日曜日) 津波警報南米チリの中部沿岸で発生した大地震で、3メートルの大津波が発生する恐れがあるとして、気象庁は東北地方の大平洋沿岸に大津波警報を出し、さらにそのほかの大平洋沿岸の全域などに津波警報を出した。NHKはもちろん民放各局のテレビ画面には午前中から終日、警報対象地域を示す日本列島の地図と関連情報が流され続けた。実際には岩手県の久慈港で1メートル20センチの津波が観測されるなど、大津波というほどの影響はなかったが、しかし何が起きるか分からないのだから、多少は過大な形の警報になったとしても仕方ないだろう。もちろん、できる限り正確な予測情報を迅速に出してもらえればそれに越したことはないが、過小な予測情報のせいで甚大な被害が生じるよりは、大袈裟に注意喚起した方がよほどマシだ。過去に大変な津波被害を経験しているのだから。気象庁には科学的な観測技術を磨いてもらって、より精度の高い予測ができるように期待したい。これも訓練だと考えれば、テレビ画面の半分以上を占拠した日本列島とテロップも、我慢できる範囲内だ。