「彼氏彼女の事情」

●作品解説/各話紹介&考察です

第5話〜第8話
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サブタイトル(四字熟語)については「アイキャッチの事情」をどうぞ!


■■comments

【第5話】「日々の迷宮」「彼の野望」(1998年10月30日放送)

 オープニングは今回もなし。AパートとBパートで2話構成。

 Aパート:せっかく付き合い始めたのに、体育祭の準備が始まってからすれ違いを繰り返す二人。優等生の二人はいろいろな役職があるから、もともと超多忙なのだが、この学校(北栄高校)では体育祭の準備は生徒たちでほとんど何でもこなしてしまうらしい。弁当も一緒に食べる暇がないというくらい、めちゃめちゃハードでてんやわんやの忙しさ。「ずっと有馬と一緒にいたい」。そんな雪野の気持ちが全開のお話である。おお〜、少女漫画してるなあ。

 Bパート:有馬の親友(悪友?)浅葉秀明が登場。しかし雪野と浅葉の仲は険悪そのもの、関係は完全決裂して戦闘状態に入った。ギャグ全開である。浅葉「彼女のどこがいいんだ」。有馬「メリットなしで僕といてくれるところさ」。雪野と有馬の初デートは川崎のチネチッタ。遅刻した有馬と待ちぼうけを食わされた雪野との仲を取り持ったことがきっかけで、浅葉はすっかり雪野と打ち解けてしまう。新しい友達関係の誕生だ。

■エンディング:どこかのビルの屋上を走る細い通路をカメラは延々と駆け抜けていく。何だろう、ずいぶんと長く続くこの通路は。う〜む。この不思議な場所は一体どこなんだ?


【第6話】「僕を変える、君の声」(1998年11月6日放送)

 な、な〜んと、初めて、やっと噂のオープニングが登場した。漫画のコマをフラッシュでつないでいくかのような構成がカッコイイ。雪野の百面相がかわいい。雪野と有馬が指をつないで空に飛んで行くシーンは、「エヴァンゲリオン」かと思ってしまったけど(爆)。音楽プロデュースは藤井フミヤというだけあって、なかなかいい曲だなあ〜。

 ナレーションを「エヴァンゲリオン」の冬月先生役の清川元夢がやっている…。なぜだ…。それにしても今回は、静止画像に台詞をかぶせるシーンがやたらに多いなあ。止めた漫画の絵に吹き出しを重ねて見せる手法も目立つし。そういう演出なのかな…。制作進行の遅れが原因でこのような演出を取らざるを得なかったりして…。

 雪野と有馬がそれぞれの視点から相手を観察する。個性豊かな雪野をうらやましく思い、何も変わらない自分に焦る有馬。「僕といて楽しいのだろうか」。自信をなくす有馬。雨雲が広がり雷も鳴り始める。排水口から大量の雨水が排出されるイメージ映像。だれもいない放課後学校の廊下で、有馬は天真爛漫にはしゃぐ雪野を思わず抱きしめる。焦って頭を冷やしに立ち去る有馬。その後の雪野の心境表現のために、ピンクレディーの「S・O・S」が流れ出したのには笑ったぞ。雪野「甘えていいんだよ。支えてくれる人がほしいもの」。じゃ〜ん。ここで初めてのキス。そして、冬月先生の声でシリアスなナレーションが入る。「まだ出会う前の彼と彼女。彼女は見栄のため一番を取ろうと努力する。出生のために完璧であろうと努力する。高校に入って二人の世界は大きく変わる」。やっと有馬は気付くのだった。「どうして君が好きなのか分かったよ。君はいつも僕を変える。僕たちは支えあえる。僕の心の扉を解く鍵を宮沢は持っているんだ」。う〜ん、なるほどそうか。冬月先生のナレーション、こういう感じで使われるのなら違和感ないかもしれない。お互いの存在を改めて確認するというお話である。

■エンディング:海上をカメラが延々と駆け抜けていく。東京湾だろうか。


【第7話】「二人の阻隔」(1998年11月13日放送)

 あっれ〜、またまたオープニングがなくなっちゃったよ。変なアニメ番組だなあ。こんなの聞いたことないぞ。一体何がどうなっているんだろう。でもって、いきなり「おことわり/諸般の事情により、第7幕に付くオープニングアニメーションは割愛させていただきます。ご了承下さい。」なんて字幕が出てきて、しかもその次には、鉄人28号のマーチに乗せて「これまでのあらすじ」が全編字幕で流されるのだった。ひえ〜っ。なんじゃ、こりゃあ。「諸般の事情」って、放送時間内に収まらなくなったからOPを割愛したということかな…。

 さんざん遊んで回った二人は成績が大幅にダウン。首席を争っていた二人だったのに、期末試験の成績は有馬は3位、雪野は13位。「なんで有馬は3位なんだあ〜」と暴れる雪野。それはともかく、二人は成績不振を理由に生徒指導室に呼び出されてしまう。学年主任の川島先生は「君たちは将来有望なんだ。今は学業を優先すべきだ」と付き合いを止めるように言われたのだ。納得行かないと反論する二人は「勉強と恋愛を両立します」と宣言するのだが、それぞれの両親が学校に呼ばれる。「愛のために戦うのはいい」となぜかめちゃめちゃ張り切る雪野の両親。「娘には自由にやらせてきました。今押さえ付けて勉強に向かわせるのは可能性を摘み取る気がする。子どもには自由に考えたり感じたりする権利があると思います。高校時代の一日は大人になってからの一月分よりも貴重な日々ですよ」。おお〜っ、雪野の父、カッコイイ〜。なかなか言いますねえ。学年主任「いいんですね、お子さんが後で悔いることになっても構わないんですね、有馬さんも」。有馬の父「はい。将来、この子が困る日がきても一緒に悩めるのが楽しみなくらいです」。う〜む、有馬の父も偉いぞっ。ここまで親に言ってもらえたら、子どもとしては頑張らざるを得ないよなあ。学年主任も「思う通りにやってみなさい」と言うのだった。ちなみに学年主任の声は、エヴァンゲリオンの冬月先生役の清川元夢が演じている。ハマリ役だ。

■エンディング:体育館(講堂?音楽室?)の舞台裏をカメラが駆け抜けていく。

■番組途中にCMが2回も入る。つまり今回の放送はAパート、Bパート、Cパートの3つに分割されるという変則的な構成になっていた。


【第8話】「彼女の日常」「桜の林の満開の下」(1998年11月20日放送)

 オープニングは普通に流される。AパートとBパートで2話構成。

 Aパート:毎朝5時に起きて洗顔、ジョギング、勉強に励む雪野。有馬と遊び惚けて思いっきり快楽に身を任せていた(?)時と違って、二人の交際を学校に認めさせるためにこれまでの生活パターンに戻したのである…というのは建て前で、実は一緒に遊び回っていた有馬の方が、雪野よりも成績上位だったことが悔しかったからだったりする(笑)。でもって、家族の面倒も見て家事も手伝ってと完璧主義者の雪野が、唯一対等になれるのは有馬。だから雪野は有馬に甘えられるのだった。そんな完全無欠のはずの雪野が、焦ったりドキドキしたり、じたばたしたりする落差がと〜っても笑える。それがこの漫画の面白いところだよな〜。有馬の家にやって来た浅葉との掛け合いも漫才みたいでとっても楽しい。セカンドキス体験までの流れが無理なく描かれていて微笑ましい。「余談:その後の宮沢雪野」がおかしくて笑える。

 Bパート:「ACT0.5」だそうだ。高校入学直後、雪野と付き合う前の有馬から見た雪野像が描かれる。感じはいいし、およそ欠点なんか見当たらないという雪野。それは有馬自身にも当てはまる他人からの評価だった。同性からも異性からも先生からも先輩からも慕われる幸せで平穏な毎日。しかし、有馬は強い孤独感を感じる。心の奥深いところでは楽しくないのではないかと疑問を感じる空虚な日々。そんな有馬が雪野の存在に強い衝撃を受ける。すべてを自分で決め、自分で選び、自分の生き方をはっきり持っている雪野は、自分とはあまりにも違う存在だった。彼女のことを知りたい。その時、有馬は雪野が好きだということに気付いた。あくまでも「『聡明な美少女』だった時の雪野」を見つめていた有馬のお話だ。

■エンディング:首都高速道路(?)の下をカメラが延々と走っていく。

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